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【視能訓練士監修】視力検査のC判定・D判定はヤバイ?結果の見方と眼科・眼鏡店の選び方を解説

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健康診断の結果通知書を開き、「視力検査」の項目に「C」や「D」という文字を見つけてドキッとした経験はありませんか?

「去年まではAだったのに急に下がった」
「最近、夕方になると文字がぼやける気がする」
「まだ老眼の年齢ではないはずなのに……」

このような不安を抱えているあなたへ、結論からお伝えします。

健康診断で「B判定以下」が出たら、自己判断せず一度は必ず「眼科」で精密検査を受けてください。

なぜなら、単なる視力低下の裏には、眼鏡やコンタクトレンズで矯正すれば済む話ではなく、治療が必要な病気が隠れている可能性があるからです。そして、その病気の有無は眼鏡店での測定では発見できません。

この記事では、眼科検査の現場に15年以上立ち、延べ3万人以上の目を検査してきた現役の視能訓練士である私が、以下の3点を徹底的に解説します。

  • 視力検査の結果(A,B,C,D判定)が示す本当の意味とリスク
  • 「眼科の検査」と「眼鏡店の測定」の決定的な違いと使い分け
  • 現役視能訓練士が教える、正確な検査結果を出すためのコツと注意点

「あの気球の画像は何のために見ているの?」「見えにくいと言うのが恥ずかしくて、つい勘で答えてしまった」といった、検査室での素朴な疑問や不安にもお答えします。

正しい知識を持てば、視力検査は怖いものではありません。あなたの大切な目の健康を守るために、ぜひ最後までお付き合いください。

  1. そもそも「視力検査」とは?検査室で行われていることの正体
    1. 「Cのマーク(ランドルト環)」で何がわかるのか
    2. なぜ気球の画像を見るの?「オートレフラクトメータ」の役割
    3. 「赤と緑」どっちがハッキリ見える?過矯正を防ぐチェック
    4. 眼科で行う検査の流れと所要時間の目安
  2. 健康診断の視力検査結果(A・B・C・D)の正しい見方と基準
    1. A判定(1.0以上):異常なしだが「隠れ眼精疲労」に注意
    2. B判定(0.7〜0.9):日常生活に支障はないが経過観察が必要
    3. C判定(0.3〜0.6):教室の後ろや運転に支障あり、眼科受診推奨レベル
    4. D判定(0.3未満):裸眼での生活は困難、必ず精密検査を
  3. 「眼科」と「眼鏡店」の視力検査は何が違う?どっちに行くべき?
    1. 最大の違いは「目の健康状態(病気の有無)」を診るかどうか
    2. 眼科に行くべきケース:視力低下、痛み、飛蚊症、初めてのコンタクト
    3. 眼鏡店でOKなケース:度数変更、フレーム調整、予備の眼鏡作成
    4. 視能訓練士(ORT)という国家資格者の役割とは
  4. 視力が下がる主な原因と「屈折異常」の仕組み
    1. 近視:遠くが見えにくい現代病の代表格
    2. 遠視:実は「目が疲れやすい」?遠くも近くもピント調節が必要
    3. 乱視:文字が二重に見える、光がにじむ原因
    4. 老眼(調節機能低下):30代後半から始まる「夕方のぼやけ」
  5. 正確な数値を出すために!視力検査を受ける時のコツと注意点
    1. 「見えません」と言っても怒られない?正直に答える重要性
    2. 目を細めるのはNG!正しい姿勢と見方
    3. 検査前日はどう過ごす?睡眠不足やスマホ使用の影響
    4. コンタクトレンズはいつ外すべき?検査前の準備
  6. 眼鏡・コンタクトを作る際の「過矯正」リスクと適正視力
    1. 「1.5」が見えれば良いわけではない?生活スタイルに合わせた度数選定
    2. 強すぎる度数(過矯正)が引き起こす頭痛や肩こり
    3. デスクワーク中心なら「近くが楽に見える」調整を
    4. 40代からは「遠近両用」や「中近レンズ」も選択肢に
  7. 視力検査に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q. 視力検査で嘘をつくとバレますか?
    2. Q. 視力はトレーニングで回復しますか?
    3. Q. 運転免許の更新に必要な視力はどれくらい?
    4. Q. 子供が検査を嫌がる場合はどうすればいい?
  8. まとめ:自己判断は禁物!まずは眼科で「目の健康診断」を
    1. 眼科受診前のセルフチェックリスト

そもそも「視力検査」とは?検査室で行われていることの正体

「視力検査」と聞いて、皆さんが真っ先に思い浮かべるのは、片目を隠して「上」「右」と答える検査でしょう。しかし、眼科の検査室で行われていることは、単に「見えているかいないか」を確認するだけではありません。

私たち視能訓練士(ORT)は、検査機器が弾き出す数値だけでなく、患者様が検査表を見つめる時の「姿勢」、答えるまでの「間(ま)」、そして「表情」の変化までを総合的に観察しています。

ここでは、眼科で行われる基本的な検査の仕組みと、私たちが何を見ているのか、その裏側を少しだけお話しします。

現役視能訓練士のアドバイス
「実は、検査員は患者様の『表情』をとてもよく見ています。目を細めて必死に見ようとしているのか、リラックスして見ているのか。あるいは、首を傾げて見ようとしていないか。これらはすべて、乱視の有無や眼精疲労の度合い、普段の目の使い方の癖を知るための重要なヒントになっているのです。」

「Cのマーク(ランドルト環)」で何がわかるのか

視力検査表に描かれている「C」のようなマーク。これは正式には「ランドルト環」と呼ばれます。フランスの眼科医ランドルト氏が考案した世界共通の指標です。

このマークの切れ目の方向(上下左右など)を答えることで、視力を測定します。では、具体的に「視力1.0」とはどのような状態を指すのでしょうか。

定義としては、「5メートル離れた位置から、直径7.5ミリ、切れ目の幅1.5ミリのランドルト環の切れ目を判別できる能力」が視力1.0です。

このランドルト環を使うことで、単に「物が見える」だけでなく、「離れた2つの点を、2つの点として区別できる能力(最小分離閾)」を測っています。つまり、視力検査とは「目の解像度」を測るテストだと言い換えることができます。

検査中に「なんとなくこっちかな?」と勘で答えてしまう方がいらっしゃいますが、これはあまりおすすめできません。なぜなら、私たちは「はっきりと見えている限界」と「ぼんやりと判別できる限界」の両方を知りたいからです。見えなければ正直に「わかりません」と答えていただくことが、正確なデータを得るための第一歩です。

なぜ気球の画像を見るの?「オートレフラクトメータ」の役割

眼科に行くと、まず最初に機械を覗き込み、遠くの景色の中に浮かぶ「気球」や「家」の画像を見せられた経験があると思います。

「あの気球、だんだんぼやけてきませんか?」

実は、あれはわざとぼやかしているのです。この機械は「オートレフラクトメータ」といって、目の屈折度数(近視・遠視・乱視の度合い)を他覚的に(患者様の応答なしに)測定する装置です。

なぜ気球を見る必要があるのでしょうか。人間の目は、近くのものを見ようとすると、水晶体を厚くしてピントを合わせる「調節機能」が働きます。正確な目の度数を測るためには、この調節機能を休ませ、目をリラックスさせた状態(無調節状態)にする必要があります。

気球の画像は、最初ははっきり見えていますが、機械の中でレンズが動き、わざとピントを外してぼやけさせます(これを「雲霧法(うんむほう)」と呼びます)。目の前がぼやけることで、目は「ピントを合わせようとしても無駄だ」と判断し、ふっと力が抜けてリラックス状態になります。その瞬間の目のデータを測定しているのです。

詳細解説:気球の画像が見えにくいと感じる方へ

「気球がぼやけて見にくいのですが、私の目は悪いのでしょうか?」と質問されることがよくあります。結論から言うと、この検査においては「ぼやけて見えるのが正解」です。
むしろ、ずっと気球がくっきり見え続けている場合、目が緊張して調節力が働きすぎている可能性があります。検査中は「何を見ているか」を確認する必要はありませんので、ボーッと遠くの景色を眺めるような気持ちでいてください。

「赤と緑」どっちがハッキリ見える?過矯正を防ぐチェック

視力検査の終盤で、赤い背景と緑の背景、それぞれの黒い二重丸を見比べて「どちらがハッキリ見えますか?」と聞かれることがあります。これは「赤緑テスト(2色テスト)」と呼ばれるものです。

これは、色の識別能力を測っているのではなく、レンズの度数が適正かどうかを確認するための検査です。光の波長の性質を利用しています。

  • 赤がよく見える場合: 近視の矯正が少し足りない(低矯正)、または遠視の矯正が強すぎる可能性があります。
  • 緑がよく見える場合: 近視の矯正が強すぎる(過矯正)、または遠視の矯正が足りない可能性があります。

理想的なのは「赤と緑が同じくらいに見える」状態です。特に眼鏡やコンタクトレンズを作る際、度数を強くしすぎてしまう「過矯正」は眼精疲労や頭痛の大きな原因になります。この赤緑テストは、強すぎる度数を防ぐための非常に重要なストッパーの役割を果たしているのです。

眼科で行う検査の流れと所要時間の目安

一般的な眼科での検査フローは以下の通りです。所要時間は混雑状況にもよりますが、検査だけで15分〜30分程度、診察を含めると1時間程度を見ておくと良いでしょう。

手順 検査内容 目的
1 問診 見え方の悩み、既往歴、家族歴などを確認します。
2 他覚的屈折検査 気球の機械(オートレフ)で、おおよその度数を測ります。
3 眼圧検査 目に空気を当てて眼球の硬さを測り、緑内障のリスク等をチェックします。
4 自覚的視力検査 ランドルト環を使って、裸眼視力と矯正視力(レンズを入れた視力)を測ります。
5 診察 眼科医が目の表面や奥(眼底)の状態を診て、病気の有無を診断します。

健康診断の視力検査結果(A・B・C・D)の正しい見方と基準

会社の健康診断や学校検診の結果票には、視力の数値(1.0や0.7など)とともに、A〜Dの判定区分が記載されています。このアルファベットは、単なる成績表ではなく、「あなたの生活にどれくらい支障が出るか」「医学的な介入が必要か」を示す重要なシグナルです。

ペルソナであるサトウさんのように「B判定やC判定だったけれど、日常生活は送れているから大丈夫」と考えている方は特に注意が必要です。ここでは、各判定の基準と、推奨される具体的なアクションについて解説します。

現役視能訓練士のアドバイス
「数値だけに惑わされないでください。視力検査の数値(1.0など)はあくまで『量』の指標です。しかし、私たち専門家が重視するのは『見え方の質』です。たとえ1.2見えていても、視野が欠けていたり、歪んで見えていたりすれば、それは健康な目とは言えません。A判定以外が出たら、それは目が発しているSOSだと捉えてください。」

A判定(1.0以上):異常なしだが「隠れ眼精疲労」に注意

【状態】
裸眼(または矯正)で1.0以上見えており、視力に関しては正常範囲内です。教室の一番後ろの席からでも黒板の文字がはっきり見え、運転やスポーツなど、あらゆる日常生活において支障がないレベルです。

【注意点】
「A判定だから絶対に安心」とは言い切れません。なぜなら、遠視の方や、無理をしてピントを合わせている「調節緊張」の状態でも、一時的に1.0以上の視力が出ることがあるからです。夕方になると極端に目が疲れる、頭痛がするといった症状がある場合は、視力は良くても「隠れ眼精疲労」や眼疾患の可能性があります。

B判定(0.7〜0.9):日常生活に支障はないが経過観察が必要

【状態】
視力が0.7〜0.9程度の状態です。日常生活でおおむね不自由はありませんが、遠くの小さな文字が見えにくかったり、夜間の運転で少し見づらさを感じたりする場面が出てくるかもしれません。

【推奨アクション】
学校検診であれば「座席位置への配慮」が求められるレベルです。大人の場合、すぐに眼鏡が必要というわけではありませんが、視力が低下傾向にあることは間違いありません。「たまたま疲れていただけ」と放置せず、次回の検診まで目の酷使を避けるよう意識するか、念のため眼科で相談することをおすすめします。

C判定(0.3〜0.6):教室の後ろや運転に支障あり、眼科受診推奨レベル

【状態】
視力が0.3〜0.6程度の状態です。はっきりと「見えにくさ」を自覚するレベルです。教室の後ろの席からは黒板の文字が読みづらく、目を細める癖がついていることが多いでしょう。運転免許の更新基準(両眼で0.7以上)を満たさない可能性が高く、安全運転にも支障をきたします。

【推奨アクション】
眼科受診を強く推奨します。
このレベルになると、裸眼で生活を続けることで無意識に目に大きな負担をかけ、さらなる視力低下や眼精疲労を招く悪循環に陥ります。眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要かどうか、専門医の判断を仰ぐべき段階です。

D判定(0.3未満):裸眼での生活は困難、必ず精密検査を

【状態】
視力が0.3未満の状態です。裸眼で一番前の席に座っても黒板の字が見えないことがあり、日常生活に明らかな支障があります。人や物にぶつかる危険性も高まります。

【推奨アクション】
必ず眼科で精密検査を受けてください。
単なる近視や乱視であれば矯正すれば良いですが、D判定の場合、弱視やその他の眼疾患が原因で視力が出ない可能性も否定できません。特に「眼鏡をかけても視力が上がらない」場合は、網膜や神経の病気が潜んでいる可能性があります。早急な受診が必要です。

▼視力判定基準と推奨される行動一覧表
判定 視力目安 見え方の状態 推奨される行動
A 1.0以上 遠くまではっきり見える。 異常なし(自覚症状があれば受診)
B 0.7〜0.9 日常生活はほぼ支障なし。小さな文字は見にくい。 経過観察・生活習慣の見直し
C 0.3〜0.6 遠くの文字がぼやける。運転等に支障あり。 眼科受診を推奨(眼鏡等の検討)
D 0.3未満 裸眼での生活は困難。目を細めても見えない。 必ず眼科で精密検査

「眼科」と「眼鏡店」の視力検査は何が違う?どっちに行くべき?

「視力が落ちた気がするけれど、眼科に行くのは待ち時間が長くて面倒。ショッピングモールの眼鏡屋さんでも視力を測ってくれるし、そのまま眼鏡を作ればいいのでは?」

多くの方がこのように考えがちです。しかし、眼科と眼鏡店で行われる「視力検査」は、似て非なるものです。その最大の違いは、検査の「目的」にあります。

この違いを理解していないと、病気を見逃してしまったり、自分の目に合わない眼鏡を作り続けてしまったりするリスクがあります。

最大の違いは「目の健康状態(病気の有無)」を診るかどうか

結論から申し上げます。

  • 眼科の検査: 「医療行為」です。視力低下の原因が、単なる屈折異常(近視・乱視など)なのか、それとも病気(白内障、緑内障、網膜剥離など)によるものなのかを診断するために行います。
  • 眼鏡店の検査: 「商行為(販売)」の一環です。眼鏡やコンタクトレンズを作成するために必要な度数を測ることが目的であり、病気の診断は行いません(法律上、行えません)。

眼鏡店のスタッフは、眼鏡作成のプロフェッショナルではありますが、医師ではありません。したがって、たとえあなたの視力低下の原因が重大な病気であったとしても、眼鏡店では「視力が出にくいですね」という事実しか分からず、病気の発見には至らないのです。

眼科に行くべきケース:視力低下、痛み、飛蚊症、初めてのコンタクト

以下のような場合は、迷わず眼科を受診してください。

  • 健康診断でC・D判定が出た場合: 原因を特定する必要があります。
  • 急激に視力が落ちたと感じる場合: 網膜剥離や眼底出血などの急性の病気の可能性があります。
  • 目の痛み、充血、かすみがある場合: 炎症や感染症の疑いがあります。
  • 黒い点や糸くずのようなものが見える(飛蚊症)場合: 生理的なものか、網膜の病気かの鑑別が必要です。
  • 初めてコンタクトレンズを作る場合: 角膜の形状や涙の量など、コンタクトレンズ装用が可能かどうかの医学的判断が必要です。

眼鏡店でOKなケース:度数変更、フレーム調整、予備の眼鏡作成

一方で、以下のような場合は、眼鏡店を直接利用しても問題ない場合が多いでしょう。

  • 直近(半年以内など)に眼科検診を受けており、目の病気がないことがわかっている場合。
  • 現在使用している眼鏡と同じ度数で、予備を作りたい場合。
  • フレームの掛け心地を調整したい場合。
  • 明らかに度数が合わなくなっただけで、その他の不調がない場合(ただし、自己判断はリスクを伴います)。

視能訓練士(ORT)という国家資格者の役割とは

眼科には、医師以外に「視能訓練士(ORT)」という国家資格を持つ専門職が在籍していることが多いです(私もその一人です)。

視能訓練士は、視力検査だけでなく、斜視や弱視の検査・訓練、視野検査、眼底写真撮影など、眼科領域の専門的な検査を行うプロフェッショナルです。特に、小さなお子様の検査や、調節機能が不安定な方の検査において、正確なデータを引き出すための高度な技術を持っています。

眼鏡店には「認定眼鏡士」などの民間資格を持つスタッフがいることもありますが、医学的な検査を行う権限を持つのは視能訓練士です。

現役視能訓練士のアドバイス
「『まずは眼科で処方箋をもらう』というのが、最も賢く、安全で、結果的にコストパフォーマンスの良いルートです。眼科で発行された眼鏡処方箋があれば、どの眼鏡店に行っても、医学的に適正と判断された度数で眼鏡を作ることができます。眼鏡店での測定ミスや、過矯正のリスクを回避するためにも、処方箋の活用を強くおすすめします。」

▼眼科と眼鏡店の検査項目・目的比較表
項目 眼科(医療機関) 眼鏡店(販売店)
主な目的 目の病気の診断・治療、視機能の評価 眼鏡・コンタクトレンズの作成・販売
検査実施者 視能訓練士(国家資格)、眼科医、看護師 販売員、認定眼鏡士(民間資格)など
病気の発見 可能(診察により確定診断) 不可能(医療行為はできない)
点眼薬の使用 可能(調節麻痺薬などを使用し精密検査可) 不可
費用 診察代・検査代(保険適用) 無料(商品代に含まれる場合が多い)

視力が下がる主な原因と「屈折異常」の仕組み

「目が悪くなる」と一言で言っても、その状態は人によって様々です。眼科ではこれを「屈折異常」と呼びます。ここでは、代表的な屈折異常である近視・遠視・乱視、そして誰にでも訪れる老眼について解説します。

近視:遠くが見えにくい現代病の代表格

眼球の長さ(眼軸長)が通常より伸びてしまったり、角膜や水晶体の屈折力が強すぎたりすることで、網膜の手前でピントが合ってしまう状態です。
近くのものははっきり見えますが、遠くのものがぼやけて見えます。スマホやパソコン作業など、近くを見る時間が増えた現代において、最も急増している屈折異常です。

遠視:実は「目が疲れやすい」?遠くも近くもピント調節が必要

「遠視は遠くがよく見える目」と誤解されがちですが、正確には「網膜の後ろでピントが合う状態」です。
遠くを見る時も、近くを見る時も、常に調節力を使ってピントを合わせる努力をしなければなりません。そのため、視力検査では良い数値が出ても、実際には非常に目が疲れやすく、集中力が続かないといった症状が出やすいのが特徴です。

乱視:文字が二重に見える、光がにじむ原因

主に角膜や水晶体のカーブがラグビーボールのように歪んでいるために起こります。
焦点が一点に定まらず、縦方向や横方向にブレて見えます。「月が二重に見える」「電光掲示板の文字がにじむ」「Cのマークの切れ目がわかりにくい」といった見え方になります。近視や遠視と組み合わさって起こることがほとんどです。

老眼(調節機能低下):30代後半から始まる「夕方のぼやけ」

加齢とともに水晶体が硬くなり、ピントを合わせる調節力が低下する生理現象です。
一般的に40代半ば頃から自覚し始めますが、実際には20代から徐々に調節力は低下しています。最近では、スマホの長時間使用により、若い世代でも一時的に老眼のような症状が出る「スマホ老眼」も増えています。

現役視能訓練士のアドバイス
「『まだ30代だから老眼なんて関係ない』と思っていませんか?実は、夕方になると視力が落ちたり、PC作業の後に遠くを見ると一瞬ぼやけたりするのは、目の調節機能が悲鳴を上げているサインです。これを『調節緊張』や『スマホ老眼』と呼びます。この段階で適切なケアや眼鏡の使用を検討することで、将来的な目の負担を減らすことができます。」

正確な数値を出すために!視力検査を受ける時のコツと注意点

視力検査を受ける時、少しでも良い結果を出そうと頑張ってしまったり、逆に見えないと言うのが恥ずかしくて適当に答えてしまったりすることはありませんか?

しかし、検査の目的は「良い点数を取ること」ではなく「正確な目の状態を知ること」です。ここでは、より正確な検査結果を得るために、患者様に知っておいていただきたいコツをお伝えします。

「見えません」と言っても怒られない?正直に答える重要性

「さっきまで見えていたのに、急に見えなくなってしまった。検査員の人に悪いから、たぶん右かな……」

このように気を使う必要は全くありません。むしろ、見えない時に「見えません」「わかりません」と即答していただくことは、私たち検査員にとって非常に有益な情報です。
「見えない」という反応もまた、あなたの視力の限界点を示す重要なデータだからです。勘で答えて正解してしまうと、本来の視力よりも良い数値として記録されてしまい、結果としてあなたに合わない強すぎる眼鏡が処方されてしまうリスクがあります。

目を細めるのはNG!正しい姿勢と見方

見えにくい時、無意識に目を細めていませんか?
目を細めると「ピンホール効果」といって、一時的にピントが合いやすくなり、視力が上がってしまいます。これでは、普段のリラックスした状態での正確な視力が測れません。

検査中は、以下の3点を意識してください。

  • 目は細めず、パッチリと開ける。
  • 顎を引かず、背筋を伸ばしてまっすぐ前を見る。
  • 瞬きは我慢せず、自然に行う(目が乾くと見えにくくなります)。

検査前日はどう過ごす?睡眠不足やスマホ使用の影響

視力は体調によって微妙に変動します。特に睡眠不足や長時間のVDT作業(スマホ・PC)後の目は、調節機能が緊張状態にあり、一時的に近視化(近視が強く出る)していることがあります。

正確な検査を受けるためには、前日は十分な睡眠を取り、検査直前までスマホゲームや動画視聴をするのは控えましょう。待合室では遠くの景色を眺めたり、目を閉じて休めたりするのがおすすめです。

コンタクトレンズはいつ外すべき?検査前の準備

コンタクトレンズを使用している場合、レンズを外した直後は角膜の形状が一時的に変化していることがあります(特にハードレンズの場合)。
より正確な裸眼視力や眼鏡の度数を測るためには、検査の15分〜30分前にはレンズを外し、目を裸眼の状態に慣らしておくことが理想的です。眼科に行く際は、コンタクトレンズケースと保存液、そして予備の眼鏡を持参しましょう。

現役視能訓練士のアドバイス
「気球の画像を見る検査(オートレフ)の時、一生懸命ピントを合わせようとする方がいますが、逆効果です。あの検査のコツは『ぼーっとする』ことです。何も考えず、遠くの山を見るような気持ちでリラックスしてください。その方が機械がスムーズに測定でき、結果も正確になります。」

眼鏡・コンタクトを作る際の「過矯正」リスクと適正視力

「せっかく眼鏡を作るなら、一番よく見える度数にしてください。2.0くらい見えると嬉しいです」

視能訓練士として働いていると、このようなリクエストをいただくことがよくあります。しかし、はっきり申し上げます。「見えすぎる眼鏡」は、必ずしも「良い眼鏡」ではありません。

「1.5」が見えれば良いわけではない?生活スタイルに合わせた度数選定

視力1.5や2.0が見える眼鏡は、遠くの山を見るには最高ですが、近くのパソコン画面や書類を見るには強すぎます。
人間の目は、近くを見る時に筋肉(毛様体筋)を使います。遠くがハッキリ見えすぎる強い度数の眼鏡で近くを見続けることは、常に重いダンベルを持ち上げ続けているようなもので、強烈な眼精疲労を引き起こします。

大切なのは「どの距離を見ることが多いか」です。

  • デスクワーク中心の方: 視力1.0〜0.8程度に抑え、手元が楽に見える度数。
  • 運転手やスポーツ選手: 遠くがしっかり見える視力1.0〜1.2程度の度数。

このように、ライフスタイルに合わせて「適正視力」を狙って調整することが、快適な視生活の鍵です。

強すぎる度数(過矯正)が引き起こす頭痛や肩こり

必要以上に強い度数の眼鏡やコンタクトレンズを使用している状態を「過矯正(かきょうせい)」と呼びます。
過矯正の状態が続くと、目は常にピント調節を強いられ、慢性的な眼精疲労に陥ります。その影響は目だけにとどまらず、頑固な肩こり、頭痛、吐き気、自律神経の乱れなど、全身の不調につながることがあります。「原因不明の頭痛が、眼鏡の度数を下げたら治った」というケースは、決して珍しくありません。

デスクワーク中心なら「近くが楽に見える」調整を

現代人の多くは、1日の大半をパソコンやスマホを見て過ごします。つまり、50cm以内の距離を見ている時間が圧倒的に長いのです。
この生活環境において、5メートル先がくっきり見える「完全矯正」の眼鏡を常用することは、目に過酷な負担をかけています。デスクワーク用として、あえて度数を弱めた「中近用」や「PC用」の眼鏡を使い分けることを強くおすすめします。

体験談:眼科検査歴15年のベテラン視能訓練士
「実は私も、新人の頃に大きな失敗をしたことがあります。患者様の『とにかくよく見えるようにしてほしい』という要望に応えようと、視力1.5まで見える完璧な度数の眼鏡処方箋を作成しました。しかし後日、その患者様が再来院され、『この眼鏡をかけると頭が割れるように痛い。地面が浮いて見えて歩けない』とお叱りを受けました。
その時、私は『数値上の正解』が『患者様にとっての正解』ではないことを痛感しました。それ以来、私は必ず『普段どのような作業をされていますか?』『一日のうち何を見ている時間が長いですか?』と詳しく伺い、その方の生活に寄り添った度数を提案するようにしています。」

40代からは「遠近両用」や「中近レンズ」も選択肢に

40代に入り、「近くを見る時に眼鏡を外した方が楽」「夕方になるとピントが合いにくい」と感じ始めたら、それは初期の老眼のサインかもしれません。
この時期に無理をして単焦点(遠くだけ用)の眼鏡を使い続けると、目の疲れは加速します。最近の「遠近両用レンズ」や、室内での見え方を重視した「中近レンズ」は技術が進化しており、以前のような違和感は少なくなっています。早めにこれらのレンズを取り入れることで、目の若さを保つことにつながります。

視力検査に関するよくある質問(FAQ)

最後に、検査の現場で患者様からよくいただく質問にお答えします。

Q. 視力検査で嘘をつくとバレますか?

A. はい、多くの場合バレてしまいます(笑)。
私たち視能訓練士は、オートレフラクトメータ(気球の検査)でおおよその度数を把握しています。「この度数ならこれくらい見えるはず」という予測値がありますので、それと大きく食い違う応答(見えているはずなのに見えないと言う、あるいはその逆)があると、「おや?」と気づきます。正確な診断のために、嘘や無理はせず、ありのままをお答えください。

Q. 視力はトレーニングで回復しますか?

A. 「仮性近視(調節緊張)」であれば回復の可能性があります。
筋肉のコリが原因で一時的に視力が落ちている状態であれば、点眼薬やトレーニングで改善することがあります。しかし、眼軸(目の長さ)が伸びてしまった「軸性近視」の場合、トレーニングで元に戻すことは現代の医学では不可能です。ネット上の「視力回復トレーニング」を鵜呑みにせず、まずは眼科で自分の近視のタイプを診断してもらうことが大切です。

Q. 運転免許の更新に必要な視力はどれくらい?

A. 普通免許の場合、両眼で0.7以上、かつ片眼でそれぞれ0.3以上が必要です。
もし片眼が0.3未満でも、他方の眼が0.7以上あり、かつ視野が広ければ合格となります。大型免許や二種免許の場合は基準が厳しくなり、両眼で0.8以上、かつ「深視力検査(遠近感の検査)」に合格する必要があります。

現役視能訓練士のアドバイス(深視力について)
「トラックやバスの運転に必要な『深視力検査』が苦手な方は多いです。コツは、3本の棒が並ぶ瞬間を『目で追う』のではなく、顔を動かさず『全体をぼんやり見る』ことです。また、乱視の矯正が不十分だと立体感が掴みにくいので、深視力に落ちたら眼鏡の度数調整を検討してください。」

Q. 子供が検査を嫌がる場合はどうすればいい?

A. 無理強いは禁物です。
子供にとって病院は怖い場所です。まずは「今日は絵を見るだけだよ」「クイズをしに行こう」とリラックスさせてあげてください。私たち視能訓練士も、お子様の扱いに慣れています。その日の機嫌が悪くて検査ができなくても、「また今度練習しに来てね」と対応しますので、焦らず何度か通って少しずつ慣れていけば大丈夫です。

まとめ:自己判断は禁物!まずは眼科で「目の健康診断」を

ここまで、視力検査の裏側から結果の見方、眼科と眼鏡店の選び方まで解説してきました。最後に、今回の記事の重要ポイントをまとめます。

  • B判定以下なら眼科へ: 「見えているから大丈夫」は危険。病気が隠れている可能性があります。
  • 眼科は「診察」、眼鏡店は「販売」: 目の健康状態を知りたいなら、必ず眼科を受診してください。
  • 検査はリラックスして正直に: 勘で答えたり目を細めたりせず、ありのままの「見え方」を伝えてください。
  • 過矯正に注意: 「よく見える眼鏡」が「良い眼鏡」とは限りません。生活スタイルに合った度数を選びましょう。

目は、情報の8割以上を取り入れると言われる、生活の質(QOL)に直結する重要な器官です。「忙しいから」「まだ見えるから」と後回しにせず、健康診断で警告が出たこのタイミングを「目の健康を見直す良い機会」と捉えてください。

まずは一度、眼科でプロフェッショナルによる検査を受けてみませんか?
自分の目の状態を正しく知ることは、将来にわたってクリアな視界を守るための、最初で最大の防御策です。

現役視能訓練士のアドバイス
「私たちは、検査室で皆様の『目の悩み』をお待ちしています。どんなに些細なことでも構いません。『最近ちょっと見えにくいかも』と感じたら、眼鏡店に行く前に、まずは私たち視能訓練士や眼科医を頼ってください。一生付き合うあなたの大切な目を守るお手伝いをさせていただきます。」

眼科受診前のセルフチェックリスト

受診の際、以下の情報をまとめておくと診察がスムーズです。

  • いつ頃から見えにくさを感じたか
  • どのような時(夕方、運転中、PC作業中など)に見えにくいか
  • 現在使用している眼鏡やコンタクトレンズ(持参するのがベスト)
  • 親族に目の病気(緑内障など)の方はいるか
  • 現在治療中の病気や服用している薬
この記事を書いた人

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