「PCが急に固まって動かない」「クリックしても反応がない」「作業中に画面がカクカクして進まない」
仕事の締め切り直前や重要なオンライン会議中にこうしたトラブルに見舞われると、焦りでパニックになってしまうかもしれません。電源ボタンを長押しして強制終了したくなる気持ちもわかりますが、それは保存していないデータを失うリスクがある「最終手段」です。
実は、PCが重い・固まるといったトラブルの大半は、Windows標準機能であるタスクマネージャーを正しく使い、「原因の特定」と「プロセスの終了」を行うことで、再起動なしでも安全かつ即座に解決可能です。
この記事では、社内SEとして15年以上、数千台のPCトラブルを解決してきた私が、現場で実践している「タスクマネージャーによる診断と修復」の全ノウハウを公開します。
この記事でわかること
- フリーズ時に1秒でタスクマネージャーを起動するプロ用ショートカット
- 「応答なし」アプリの安全な強制終了と、終了してはいけないプロセスの見分け方
- CPU・メモリの使用率からPC不調の根本原因を特定する診断術
専門用語が苦手な方でも直感的に理解できるよう、PCの仕組みを「オフィスワーク」に例えて解説します。この記事を読みながら操作すれば、今のトラブルを解決できるだけでなく、今後PCが遅くなった時にも自力で対処できるスキルが身につきます。
1秒で起動!タスクマネージャーの開き方と基本操作
PCがフリーズしかけている緊急時において、最も重要なのは「いかに素早くタスクマネージャーを起動するか」です。画面上のマウスカーソルが動かなくなったり、クリックしても反応が返ってこなかったりする状況では、スタートメニューからの起動は困難です。
ここでは、マウスが全く効かない状態でもキーボードだけで確実に呼び出せる、プロが常用する最短の起動手順を解説します。この操作を知っているだけで、トラブル時の復旧率は劇的に向上します。
最速ショートカット「Ctrl + Shift + Esc」を覚えよう
多くの人が「Ctrl + Alt + Delete」を知っていますが、実はもっと速く、直接タスクマネージャーを呼び出せるショートカットが存在します。それが「Ctrl + Shift + Esc」です。
この3つのキーを同時に押すことで、画面の切り替えを挟まずに、ダイレクトにタスクマネージャーのウィンドウを最前面に呼び出すことができます。これはWindowsのシステムレベルで優先度が高く設定されているショートカットであるため、アプリが暴走してPCが重くなっている時でも反応しやすいという特徴があります。
具体的な指の配置としては、左手を使うのが一般的です。
- 小指で Ctrl キー(キーボード左下)
- 薬指または親指で Shift キー(Ctrlキーの上)
- 中指または人差し指で Esc キー(キーボード左上)
これらを「タンッ」と同時に押してみてください。一瞬でタスクマネージャーが立ち上がるはずです。もしPCが固まっていて反応が遅い場合でも、一度押したら数秒待ってみてください。連打すると逆にシステムに負荷をかけてしまうため、一度しっかり押して待つのがコツです。
マウス操作や「Ctrl + Alt + Del」からの起動方法
もちろん、マウスが動く状態であれば、他の方法でも起動可能です。状況に応じて使い分けましょう。
1. タスクバーの右クリック(Windows 10/11共通)
画面下部のタスクバー(アイコンがない何もない部分)を右クリックし、メニューから「タスクマネージャー」を選択します。Windows 11の一部のバージョンでは、スタートボタンを右クリックすることで表示されるメニューの中に含まれています。
2. 「Ctrl + Alt + Delete」からの経由
古くからある「Ctrl + Alt + Delete」キーの同時押しは、一度全画面が青いセキュリティ画面に切り替わります。そこにあるメニューから「タスクマネージャー」をクリックして起動します。この方法は手順がワンステップ増えますが、OSの割り込み命令として非常に強力なため、「Ctrl + Shift + Esc」すら効かないほど重症な場合に有効な手段です。
簡易表示と詳細表示の切り替え方(最初にやるべきこと)
タスクマネージャーを初めて起動した、あるいは久しぶりに起動した場合、非常にシンプルな「簡易表示」になっていることがあります。これでは現在起動しているアプリのリストしか見えず、PCの健康状態や詳細な原因を特定することができません。
トラブル解決のためには、必ず「詳細表示」へ切り替える必要があります。
詳細表示への切り替え手順(クリックして展開)
タスクマネージャーのウィンドウ左下に注目してください。「詳細(D)」という小さな文字と下向きの矢印がある場合は、それをクリックします。
するとウィンドウが拡大され、上部に「プロセス」「パフォーマンス」「アプリの履歴」「スタートアップ」といった複数のタブが並ぶ画面に切り替わります。これがプロが使用する本来のタスクマネージャーの姿です。
一度この表示に切り替えれば、次回起動時からは自動的に詳細表示で開くようになります。
「応答なし」を強制終了!フリーズ時の緊急対処ステップ
「Excelが固まって動かない」「ブラウザのタブを切り替えられない」といった症状が出た時、多くの場合は特定のアプリケーションが処理落ちして「応答なし」の状態になっています。この状態のアプリを放置しておくと、PC全体のリソースを食いつぶし、OSごとのフリーズ(完全停止)を招く恐れがあります。
ここでは、問題を起こしている犯人(アプリ)を特定し、ピンポイントで強制終了させる手順を解説します。
「プロセス」タブから動かないアプリを見つける方法
詳細表示に切り替えたタスクマネージャーのデフォルト画面である「プロセス」タブを見てください。ここには、現在PC上で動いているすべてのプログラムが一覧表示されています。
リストは大きく「アプリ」と「バックグラウンドプロセス」に分かれています。
- アプリ: 現在画面上にウィンドウとして開いているプログラム(Word, Chrome, Zoomなど)。
- バックグラウンドプロセス: 裏側で動いているシステムや常駐ソフト。
フリーズの原因となっているアプリは、たいてい「アプリ」の一覧の中にあり、名前の横に「応答なし」という赤い文字が表示されていることが多いです。また、CPUやメモリの数値が異常に高く(赤やオレンジ色でハイライトされ)、激しく変動しているものも怪しいプログラムです。
列の見出しにある「CPU」や「メモリ」をクリックすると、使用率が高い順に並び替えることができます。PCが重い時は、まずこれで並び替えて、一番上にくるアプリを確認するのが定石です。
安全な「タスクの終了」の手順と注意点
原因と思われるアプリを特定したら、以下の手順で強制終了します。
- 終了させたいアプリの名前をクリックして選択状態にします(青く反転します)。
- ウィンドウの右下(または右上)にある「タスクの終了」ボタンをクリックします。または、アプリ名を右クリックして表示されるメニューから「タスクの終了」を選びます。
- アプリが画面から消えれば成功です。
これでPCの動作が軽くなれば、トラブル解決です。しかし、強制終了にはリスクも伴います。
歴15年の社内SE・ITサポート専門家のアドバイス
「強制終了を行うと、そのアプリで編集中の保存していないデータは基本的に消滅します。例えば、書きかけのWord文書や入力中のフォームなどは失われる可能性が高いです。しかし、PC全体がフリーズして電源長押し(強制断)をするよりは、被害を最小限に抑えられます。『データが消えるかもしれない』という覚悟を持って実行してください。数分待っても『応答なし』が消えないなら、待っていても回復する見込みは薄いため、早めの決断が結果的に時間を節約します」
アプリを終了しても画面が直らない場合の「エクスプローラー」再起動
特定のアプリを終了させても、「タスクバーが反応しない」「デスクトップのアイコンが表示されない」「スタートメニューが開かない」といった不具合が続くことがあります。これはWindowsの画面表示を司る「エクスプローラー (Windows Explorer)」という機能自体が不調になっているケースです。
この場合、PCを再起動せずとも、エクスプローラーだけを再起動することで直ることがあります。
- タスクマネージャーのプロセスタブから「Windows プロセス」のグループを探すか、名前順で下の方にある「エクスプローラー」を探します(フォルダのアイコンです)。
- 「エクスプローラー」を選択すると、通常は「タスクの終了」となっているボタンが「再起動」に変わります(または右クリックメニューから「再起動」を選択)。
- これを実行すると、一瞬画面のタスクバーや壁紙が消えて真っ暗になりますが、数秒で自動的に再描画されて復活します。
これで画面表示の不具合が嘘のように直ることが多々あります。再起動によるタイムロスを防ぐための、非常に有効なテクニックです。
なぜ重い?「プロセス」と「パフォーマンス」タブの正しい見方と診断法
「とりあえず強制終了して直ったけれど、なぜ重くなったのか原因を知りたい」「頻繁に重くなるので根本的に解決したい」という場合は、タスクマネージャーの数値(パフォーマンス指標)を読み解く必要があります。
画面に並ぶ「CPU」「メモリ」「ディスク」といった専門用語。これらを難しく考える必要はありません。PCを「オフィス(事務所)」、各パーツを「そこで働く要素」に例えると、驚くほど簡単に理解できます。
各項目の役割を「オフィスの仕事」に例えて理解する
PCの中で起きていることは、実際の仕事現場と全く同じです。
| 項目 | オフィスの例え | 役割と100%時の状態 |
|---|---|---|
| CPU | 作業員(頭脳) | 実際に計算や処理を行う作業員です。CPU使用率100%とは、作業員が全員手一杯でパニックになっている状態。新しい命令(クリックなど)を聞く余裕がありません。 |
| メモリ | 机の広さ(作業台) | 作業中の書類や道具を広げておく机のスペースです。メモリ不足(100%)とは、机の上が資料で埋め尽くされ、作業する隙間がない状態。何かをするたびに片付けが必要になり、極端に遅くなります。 |
| ディスク | 本棚・倉庫 | データを長期保管する場所です(HDDやSSD)。ディスク使用率100%とは、倉庫から書類を探し出す作業が追いついていない状態。データの読み書き待ちが発生し、フリーズの原因になります。 |
| ネットワーク | 電話・配送 | 外部との通信です。ここが100%だと、電話が話し中で繋がらない、あるいは荷物が届かないため、インターネット閲覧やダウンロードが進みません。 |
この例えを頭に入れて「パフォーマンス」タブのグラフを見ると、どこにボトルネック(詰まり)があるかが一目瞭然になります。
CPU使用率が高い時の原因とチェックポイント
CPU使用率が常に80%〜100%に張り付いている場合、何らかの「重い計算処理」が走り続けています。
主な原因:
- 動画編集や高画質のゲームなど、負荷の高いアプリを実行している。
- Windows Updateが裏で更新プログラムをインストールしている。
- セキュリティソフトが全ファイルのウイルススキャンを行っている。
- 暴走したアプリが無限ループに陥っている。
対処法:
「プロセス」タブでCPUの列をクリックして降順に並べ替え、上位に来ているプロセスを確認します。もし自分が使っていないアプリ(例:終了したはずのゲームや、意図せず起動したソフト)が上位にいるなら、それを終了させます。Systemやウイルス対策ソフトが高い場合は、処理が終わるのを待つのが基本ですが、あまりに長い場合は再起動を試みます。
メモリ使用率が高い時の原因とチェックポイント
PCが「カクつく」「動作が重い」と感じる原因のNo.1はメモリ不足です。特にWebブラウザ(Google ChromeやMicrosoft Edge)は、タブを一つ開くごとにメモリを消費します。
主な原因:
- ブラウザのタブを数十個開きっぱなしにしている。
- PhotoshopやExcelなどの大型アプリを同時にいくつも立ち上げている。
- PC自体の搭載メモリ量が、作業内容に対して少なすぎる(例:4GBや8GBで動画編集など)。
対処法:
不要なブラウザのタブを閉じてください。また、使っていないアプリは最小化するのではなく、完全に終了させます。それでも常にメモリが80%を超えるようなら、PCのメモリ増設を検討するサインです。
ディスク使用率が100%張り付きになる「病気」とその対処法
もし、特定のアプリを起動していないのにPCが極端に遅く、タスクマネージャーを見ると「ディスク」だけが100%になっている場合、これは少し厄介な状態です。特にHDD(ハードディスク)を搭載している少し古いPCで頻発します。
歴15年の社内SE・ITサポート専門家のアドバイス
「現場で『PCが壊れた』と相談を受けるケースの約半数が、このディスク100%問題です。Windows Updateや自動メンテナンス、ウイルススキャンなどが裏で一斉に始まり、データの読み書きが渋滞を起こしている状態です。この場合、強制終了しても再起動後にまた同じ処理が始まるため解決しません。PCを起動したまま、1〜2時間放置して処理を完了させるのが、実は一番の近道であることも多いです。しかし、半日経っても100%のままなら、HDDの故障やファイルシステムの破損を疑う必要があります」
【要注意】終了してはいけないプロセス vs 終了して良いプロセスの判断基準
タスクマネージャーを使っていて最も怖いのが、「よく分からない名前のプロセスを終了させてしまい、PCがおかしくなること」ではないでしょうか。実際、Windowsの動作に不可欠なシステムプロセスを強制終了すると、画面が真っ暗になったり、強制再起動がかかったりします。
ここでは、プロが瞬時に判断している「消していいもの」「ダメなもの」の明確な基準をお伝えします。
誤って終了すると危険な「Windowsプロセス」の特徴
以下の特徴を持つプロセスは、基本的に触ってはいけません。これらはPCを動かすための土台となるプログラムです。
- 名前が「System」や「Windows」で始まるもの:
例:System,Windows Logon Application,Windows Session Manager - 「Service Host」または「svchost.exe」:
これらはWindowsの様々な機能(通信、音声、印刷など)を動かしている黒子です。一覧に何十個も並んでいるのが正常であり、一つ一つが重要な役割を持っています。 - 「Desktop Window Manager」「Client Server Runtime Process」:
画面描画に関わる重要プロセスです。終了させると画面表示が消えます。 - アイコンが歯車や無機質なウィンドウのもの:
一般的なアプリアイコンではなく、システム的なアイコンのものは警戒してください。
終了しても問題ない「バックグラウンドプロセス」の見分け方
逆に、以下の特徴を持つものは、必要なければ終了させてもシステムへの深刻なダメージはありません。
- 自分がインストールしたアプリの名前:
例:Google Chrome,Adobe Update Service,Spotify,Skypeなど。これらは終了させても、そのアプリが止まるだけです。 - メーカー製PCのプリインストールソフト:
PCメーカー独自の便利ツールやサポートソフト。一時的に終了させてもOS自体は止まりません。 - 「Crash Handler」や「Helper」とつくもの:
メインのアプリが落ちた後に残ってしまったゴミプロセスである可能性が高いです。
判断に迷った時の「右クリック→オンライン検索」活用術
「このプロセス、名前が怪しいけれどウイルスかな? それとも重要なファイルかな?」と迷った時は、自己判断で削除せず、必ず検索しましょう。タスクマネージャーには便利な機能がついています。
- 怪しいプロセスを右クリックします。
- メニューから「オンラインで検索」を選択します。
- ブラウザが立ち上がり、そのプロセス名での検索結果が表示されます。
歴15年の社内SE・ITサポート専門家のアドバイス
「ウイルスに見えるような意味不明な英数字の羅列でも、実はプリンターのドライバだったり、タッチパッドの制御ソフトだったりすることが多々あります。即削除は禁物です。検索結果の上位に『〇〇とは?削除しても大丈夫?』といった解説記事が出てくるはずですので、そこで『Windowsのシステムファイルです』と書かれていれば放置、『アドウェア(広告ソフト)です』とあれば削除、というように判断してください」
終了可否の判断リスト(早見表)
| プロセス名/種類 | 終了可否 | 備考 |
|---|---|---|
| ブラウザ(Chrome/Edgeなど) | 可 | タブの開きすぎ解消に有効。閲覧中のページは閉じられます。 |
| Officeアプリ(Word/Excel) | 可 | フリーズ時はやむを得ないが、保存前データは消える。 |
| Service Host (svchost.exe) | 不可 | OSが不安定になるため触らないこと。 |
| Desktop Window Manager | 不可 | 画面表示が消えるなど重大な影響あり。 |
| Antimalware Service Executable | 不可 | Windows Defenderの機能。終了させようとしても拒否されることが多い。 |
| OneDrive / Dropbox 等 | 可 | 同期が一時停止するだけ。再起動すれば戻る。 |
PC起動を高速化!「スタートアップ」アプリの無効化と整理術
トラブル対応が一段落したら、次は「そもそもPCが重くならないようにする」予防策を打ちましょう。PCの起動が遅い、立ち上がってからもしばらく動作が重いという場合、原因の多くは「スタートアップアプリ」の入れすぎにあります。
スタートアップとは、PCの電源を入れると同時に、ユーザーが頼んでもいないのに勝手に起動するアプリのことです。
「スタートアップ」タブで自動起動アプリを確認する
タスクマネージャーの「スタートアップ」タブ(メーターのようなアイコン)を開いてみてください。ここには、自動起動するように設定されているアプリの一覧が表示されています。
注目すべきは一番右の「スタートアップへの影響」という項目です。「高」となっているアプリは、PCの起動時間を大きく遅らせている犯人です。
「無効」にしても良いアプリ・ダメなアプリ
不要なアプリを選んで、右下の「無効にする」ボタンを押すことで、次回の起動から勝手に立ち上がらなくなります。これはアプリ自体を削除(アンインストール)するわけではないので、使いたい時はデスクトップのアイコンから起動すれば通常通り使えます。非常に安全かつ効果的な高速化テクニックです。
無効にして良いもの(推奨):
- チャットツール(Skype, Teamsなど): 毎日必ず使うわけでなければ、使う時だけ手動で起動すれば十分です。
- クラウドストレージ(OneDrive, Google Driveなど): 常に同期する必要がないなら無効化します。
- ゲームプラットフォーム(Steam, Epic Gamesなど): ゲームをしない時まで裏で動いている必要はありません。
- メーカー製のおまけソフト: ユーザー登録ツールや年賀状ソフトの常駐機能など。
無効にしてはいけないもの(注意):
- セキュリティソフト関連: ウイルスバスターやNortonなどのアイコン。無効にすると保護が停止します。
- オーディオ・ドライバ関連: 「Realtek」などの名前がついたもの。音が出なくなる可能性があります。
- タッチパッド・入力デバイス関連: ノートPCのタッチパッド機能などが無効になる場合があります。
「BIOSの起動時間」とは?PCの健康状態を測る目安
スタートアップタブの右上を見ると、「BIOSの起動時間:〇〇秒」という表示が出ていることがあります。これは、電源ボタンを押してからWindowsの読み込みが始まるまでにかかった時間(ハードウェアのチェック時間)を示しています。
もしここが20秒や30秒を超えている場合、アプリの問題ではなく、HDD/SSDなどのハードウェア自体が劣化しているか、接続されている周辺機器(外付けHDDやUSBメモリ)が起動の邪魔をしている可能性があります。
歴15年の社内SE・ITサポート専門家のアドバイス
「『いつか使うかも』と思って入れた便利ツールが、実は裏で大量のリソースを食いつぶしていることはよくあります。私の経験上、スタートアップを整理するだけで、起動時間が1分から30秒に短縮されたケースも珍しくありません。PCを快適に保つコツは、定期的にこのタブを見て『知らないアプリが勝手に登録されていないか』をチェックすることです。PCの寿命を延ばすことにも繋がりますよ」
さらに詳しく!グラフや数値が示す「PCの健康状態」を読み解く
ここでは、もう少し詳しくPCの状態を知りたい方のために、「パフォーマンス」タブから読み取れる高度な情報について解説します。これらを知っておくと、PCの買い替え時期の判断や、ネットが遅い時の原因特定に役立ちます。
「パフォーマンス」タブでPCのスペック(型番)を確認する
自分のPCのCPUやメモリの正確な型番を知っていますか? 「パフォーマンス」タブを開き、左側の「CPU」をクリックすると、右上の隅に「Intel Core i5-12400」のような正確な型番が表示されます。
「メモリ」をクリックすれば、現在の搭載量(例:16.0GB)と、メモリスロットの使用状況(例:2/4 スロット使用)がわかります。これは「メモリを増設したいけれど、空きスロットはあるかな?」と確認する時に、わざわざPCの蓋を開けなくても分かる非常に便利な機能です。
GPU温度や稼働率をチェックする(動画編集・ゲーム時)
最近のタスクマネージャーには「GPU(グラフィックス)」の項目もあります。Web会議で背景をぼかしたり、動画を編集したりする時、ここの使用率が上がります。
特に重要なのが「GPU温度」です。ここが90℃や100℃近くになっている場合、PCの冷却が追いついていません。ノートPCの通気口が塞がれていないか確認したり、冷却ファンにホコリが溜まっていないか掃除したりするきっかけになります。
Wi-Fiやイーサネットの通信速度をリアルタイム監視する
「インターネットが遅い」と感じた時、「Wi-Fi」または「イーサネット」のグラフを見てください。
- 送信(S)/ 受信(R)が数Kbpsで地を這っている: 電波が悪いか、回線自体に問題があります。
- 常に数十Mbps〜数百Mbpsで張り付いている: 裏でWindows Updateやクラウドの同期など、巨大なデータのダウンロードが行われています。
どのアプリが通信しているかは、「プロセス」タブの「ネットワーク」列を見ることで特定できます。
タスクマネージャー自体が開かない・反応しない時の対処法
稀に、PCの状態が悪すぎて「Ctrl + Shift + Esc」を押してもタスクマネージャーすら起動しない、あるいは起動してもウィンドウが真っ白で動かないという最悪のケースがあります。
このような状況に陥った場合の対処法を、リスクの低い順に紹介します。
ショートカットも効かない場合の強制電源オフ(最終手段)
キーボード入力も一切受け付けず、画面が完全に静止して10分以上経過している場合、残念ながらOS側からの操作で回復する見込みはありません。
対処法:物理的な強制終了
PC本体の電源ボタンを、画面が消えるまで(約5〜10秒間)押し続けてください。完全に電源が落ちたら、HDD/SSDへのダメージを防ぐため、1分ほど待ってから再度電源を入れ直します。
これはハードウェアに負担をかける行為ですが、操作不能な状態ではこれ以外に方法がありません。
Windows Updateやシステムファイル修復を試す
再起動後もタスクマネージャーが開かない、エラーが出るといった場合は、Windowsのシステムファイル自体が破損している可能性があります。
対処法:
- Windows Updateを実行し、OSを最新の状態にする。
- コマンドプロンプトを管理者権限で開き、システム修復コマンド(
sfc /scannow)を実行する(※これは中級者向けの操作になります)。
ウイルス感染の可能性とセキュリティスキャンの実施
一部の悪質なマルウェア(ウイルス)は、自身の存在を隠すために、ユーザーがタスクマネージャーを開こうとすると妨害する機能を持っています。「タスクマネージャーを開いた瞬間に閉じてしまう」「メニューがグレーアウトして押せない」といった挙動は、ウイルス感染の典型的な兆候の一つです。
この場合は、すぐにセキュリティソフトでフルスキャンを実行してください。
よくある質問(FAQ)
最後に、タスクマネージャーに関して現場でよく聞かれる質問にお答えします。
Q. タスクマネージャーを見ても原因がわからない時は?
A. 「プロセス」タブを見てもCPUやメモリの使用率が高いアプリが見当たらないのにPCが重い場合、ハードウェアの熱暴走(サーマルスロットリング)や、ディスクの物理的な劣化が疑われます。また、ノートPCの場合は「省電力モード」になっていて性能が制限されている可能性もあります。電源ケーブルを繋いで「高パフォーマンス」設定にしてみてください。
Q. メモリ解放ソフトとタスクマネージャー、どっちが良い?
歴15年の社内SE・ITサポート専門家のアドバイス
「昔は『メモリ解放ソフト』が流行りましたが、Windows 10や11においては、基本的に不要、あるいは逆効果になることがあります。現在のWindowsはメモリ管理が非常に優秀で、必要な時に自動で調整してくれます。外部ツールで無理やりメモリを空けると、必要なデータまで追い出されてしまい、逆に読み込み直しが発生して動作が遅くなることがあります。タスクマネージャーで『不要なアプリを終了させる』という基本操作の方が、よほど確実で安全です」
Q. 「タスクの終了」がグレーアウトして押せないのはなぜ?
A. そのプロセスを終了させる権限がない場合に起こります。例えば、管理者権限で動いているシステムプロセスや、セキュリティソフトの保護機能が働いているプロセスです。これらは無理に終了させるべきではない重要なものであるため、Windowsがガードしています。
まとめ:タスクマネージャーを使いこなしてPCトラブルを自力で解決しよう
PCが重い、動かないといったトラブルは突然やってきますが、タスクマネージャーという強力な「診断ツール」の使い方を知っていれば、恐れることはありません。
最後に、トラブル時のチェックリストをまとめました。PCの調子が悪い時は、この手順に沿って確認してみてください。
PC不調時のタスクマネージャー診断チェックリスト
- [ ] 起動: `Ctrl + Shift + Esc` で素早く起動できたか?
- [ ] 診断: CPU・メモリ・ディスクのどれが100%に近いか(赤くなっているか)特定できたか?
- [ ] 処置: 「応答なし」になっているアプリや、異常にリソースを食っている不要なアプリを終了させたか?
- [ ] 予防: 「スタートアップ」タブを見て、不要な自動起動アプリを無効化し、PCを再起動したか?
歴15年の社内SE・ITサポート専門家のアドバイス
「タスクマネージャーは、いわばPCの『体温計』のようなものです。調子が悪い時だけでなく、普段PCがサクサク動いている時に一度開いてみて、『平熱(通常時のCPUやメモリの数値)』を知っておくことを強くおすすめします。普段の状態を知っていれば、いざトラブルが起きた時に『あ、いつもよりメモリが高いな』とすぐに異常に気づくことができ、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。ぜひ今日から、時々チェックする習慣をつけてみてください」
このガイドが、あなたの快適なPCライフの一助となれば幸いです。
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