「やっと寝たと思ってベッドに置いた瞬間、背中スイッチが発動して泣き出してしまった」
「夜中の授乳とおむつ替えで、もう何ヶ月もまとまって寝ていない」
今、この画面を見ているあなたは、極度の睡眠不足の中で、藁にもすがる思いで情報を探しているのではないでしょうか。毎日本当にお疲れ様です。
スワドル(おくるみ)は、赤ちゃんの「モロー反射」を防ぎ、安心して眠れる環境を作るための強力なサポートアイテムです。
しかし、インターネット上には「スワドルは危険」「股関節脱臼になる」といった不安な情報も溢れており、何を信じればいいのか迷ってしまうことも事実です。誤った選び方や使い方は、確かに事故につながるリスクを孕んでいます。
この記事では、元NICU(新生児集中治療室)看護師であり、現在は小児睡眠コンサルタントとして3,000組以上のねんね改善をサポートしてきた私が、医学的根拠に基づいた安全なスワドルの選び方、効果的な使い方、そして卒業時期までを網羅的に解説します。
この記事を読むことで、以下の3点が明確になります。
- 月齢や季節に合わせた「失敗しないスワドルの選び方」とサイズ感
- 股関節脱臼や窒息を防ぐための「医学的に正しい安全な着せ方」
- 寝返り開始後の「安全な卒業ステップ」と移行方法
正しい知識を身につけ、赤ちゃんとママ・パパが安心して朝まで眠れる日々を取り戻しましょう。
スワドルとは?なぜ赤ちゃんがぐっすり眠るのか
そもそも「スワドル(Swaddle)」とは、赤ちゃんを包む布、またはその行為自体を指す言葉です。近年では、伝統的な一枚布のおくるみだけでなく、ジッパーやマジックテープで簡単に着せられる「着るおくるみ」が主流となり、育児の必須アイテムとして定着しつつあります。
多くのママたちが「神アイテム」「奇跡のおくるみ」と呼ぶスワドルですが、なぜこれほどまでに赤ちゃんが泣き止み、長く眠れるようになるのでしょうか。その理由は、決して魔法ではなく、赤ちゃんの生理的なメカニズムに基づいています。
小児睡眠コンサルタント・元NICU看護師のアドバイス
「スワドルは、赤ちゃんを強制的に寝かせる『魔法の道具』ではありません。未熟な神経を持って生まれた赤ちゃんが、安心して休息できるための『環境調整』のツールです。正しい理屈を知ることで、罪悪感なく活用できるようになりますよ。」
モロー反射と「背中スイッチ」への効果
赤ちゃんが眠りにつこうとした時や、小さな物音に反応して、ビクッと両手を広げて驚くような動作をすることはありませんか?これが「モロー反射」です。
モロー反射は、生後間もない赤ちゃんに備わっている原始反射の一つで、自分の意思とは関係なく体が動いてしまいます。この反射の衝撃で、せっかく眠りに入った赤ちゃんが目を覚ましてしまい、再び泣き出してしまうことが「寝ない」大きな原因の一つです。
また、抱っこからベッドに下ろす際に発動する、いわゆる「背中スイッチ」も、体勢の変化によるモロー反射が誘発しているケースが多々あります。
スワドルは、赤ちゃんの手足を適度に固定することで、このモロー反射による体のビクつきを物理的に抑えます。結果として、反射が起きても覚醒しにくくなり、スムーズに次の睡眠サイクルへと移行できるようになるのです。
胎内環境の再現による安心感(ホールディング効果)
赤ちゃんにとって、ママのお腹の中(胎内)は、狭くて温かく、常に何かに包まれている安心できる場所でした。一方で、生まれた後の世界は広すぎて、手足が自由に動きすぎるため、赤ちゃんは不安を感じやすい状態にあります。
スワドルで体を包み込むことは、「胎内の環境を再現」することに他なりません。適度な圧迫感(ホールディング)が赤ちゃんに安心感を与え、鎮静効果をもたらします。これを専門的には「ホールディング効果」と呼び、NICUなどの医療現場でも、未熟児のストレスケアとして日常的に行われているケアの一つです。
従来のおくるみと「着るスワドル」の違い
従来の一枚布(ガーゼやモスリンコットンなど)を使ったおくるみ巻きは、慣れれば調整が自在ですが、以下のようなデメリットがありました。
- 巻くのに技術が必要で、パパや祖父母にお願いしにくい
- 赤ちゃんが動くとすぐに解けてしまい、顔に布がかかるリスクがある
- 夜中のおむつ替えのたびに巻き直すのが大変
これに対し、現在主流の「着るスワドル(スワドルアップ等)」は、ジッパーを上げるだけで着用完了するため、誰でも同じクオリティで着せることができます。また、脱げにくく設計されているため、窒息事故のリスクを低減できる点でも、現代の育児環境に適した進化を遂げています。
【最重要】赤ちゃんの命と健康を守るための安全ルール
スワドルは素晴らしいアイテムですが、使い方を誤ると、赤ちゃんの健康や命に関わる重大なリスクにつながる可能性があります。ここでは、ペルソナであるあなたが最も不安に感じている「安全性」について、専門家の立場から厳格なルールを解説します。
このセクションの内容は、商品選びや日々の使用において絶対に妥協してはいけないポイントです。
股関節形成不全(脱臼)を防ぐ「足のM字」確認
「スワドルを使うと股関節脱臼になる」という噂を聞いたことがあるかもしれません。これは、誤った巻き方をした場合には事実となります。
赤ちゃんの股関節は非常に柔らかく、未完成です。大人のように足を真っ直ぐに伸ばして固定してしまうと、大腿骨が骨盤から外れやすくなり、「股関節形成不全(発育性股関節形成不全)」を引き起こすリスクが高まります。
国際股関節異形成協会 (IHDI) は、安全なスワドルの条件として以下を挙げています。
- 股関節が自由に動かせること
- 足が自然な「M字型(カエルの足のような形)」に開いていること
- 膝を曲げたり伸ばしたりできる十分なゆとりがあること
スワドルを選ぶ際や着せる際は、足元が窮屈でなく、赤ちゃんが中で足をバタバタできる程度のゆとりがあるか必ず確認してください。足を無理やり伸ばして固定する「芋虫巻き」のようなスタイルは絶対にNGです。
SIDS(乳幼児突然死症候群)と窒息リスクの回避
スワドル使用時の最大の懸念は、SIDS(乳幼児突然死症候群)および窒息事故です。これらを防ぐために、以下のルールを徹底してください。
1. 仰向け寝の徹底
スワドルを着用した状態での「うつ伏せ寝」や「横向き寝」は厳禁です。手が固定されているため、万が一うつ伏せになった時に顔を横に向けることができず、気道が塞がれて窒息するリスクが極めて高くなります。「スワドル=仰向け寝」は絶対のルールです。
2. 顔にかからないサイズ選び
大きすぎるサイズのスワドルを使用すると、布が余って口や鼻を覆ってしまう可能性があります。また、一枚布のおくるみの場合、固定が緩いと布が解けて顔にかかる危険があります。「大は小を兼ねる」という考えは捨て、常に赤ちゃんの体格に合ったジャストサイズを選んでください。
体温調節と「温めすぎ(オーバーヒート)」への注意
赤ちゃんは体温調節機能が未熟です。スワドルで全身を覆うことで熱がこもり、体温が上がりすぎる「うつ熱(オーバーヒート)」の状態になると、SIDSのリスクが高まることが研究で示唆されています。
特に冬場、厚着をさせた上に厚手のスワドルを着せ、さらに暖房を効かせるといった環境は危険です。赤ちゃんの体温を確認する際は、手足ではなく「お腹」や「背中」を触ってください。手足が冷たくても、お腹や背中が温かければ十分です。もし汗ばんでいたり、体が熱いと感じたりした場合は、すぐにスワドルを脱がせるか、室温を下げてください。
小児睡眠コンサルタント・元NICU看護師のアドバイス
「冬場、心配でつい着せすぎてしまうママが多いですが、実は『温めすぎ』の方がリスクが高いのです。室温は20〜22度前後を目安にし、大人が肌寒く感じるくらいでも、スワドルの中の赤ちゃんは快適です。赤ちゃんの様子をよく観察して調整しましょう。」
失敗しないスワドルの選び方5つのポイント
市場には数え切れないほどのスワドルが存在し、どれを選べば良いか迷ってしまうことでしょう。ここでは、元NICU看護師の視点から、赤ちゃんの快適性と安全性を両立させるための「失敗しない選び方」を5つのポイントに絞って解説します。
形状の選び方:手が出せるタイプ vs 完全拘束タイプ
スワドルの形状は大きく分けて、手を万歳(W型)にするタイプと、気をつけ(I型)にするタイプ、そして胸の前でクロスさせるタイプがあります。
新生児〜生後3ヶ月頃:
赤ちゃんが自然にとる「万歳(W型)」の姿勢を保てるタイプ(例:スワドルアップ等)がおすすめです。指しゃぶりをする赤ちゃんの場合、手の部分が口元に届くデザインのものを選ぶと、自分で指を吸って落ち着く「セルフねんね」の助けになります。
拘束感が苦手な子:
稀に手を固定されるのを極端に嫌がる子がいます。その場合は、胸周りの圧迫感は保ちつつ、腕だけ出せるタイプや、上半身の締め付けを調整できる面ファスナータイプを検討しましょう。
素材とTOG(トグ)値:季節と室温に合わせる基準
スワドル選びで最も見落とされがちなのが、生地の厚みを示す単位「TOG(トグ)」です。季節ではなく「寝室の室温」に合わせてTOG値を選ぶことが、オーバーヒートを防ぐ鍵となります。
以下に、推奨されるTOG値と室温、服装の組み合わせ目安をまとめました。
| 室温 | 推奨TOG値 | 最適な季節・用途 | 中に着せる服の目安 |
|---|---|---|---|
| 24〜27℃ | 0.2 TOG | 夏用(メッシュ素材) | 半袖肌着またはおむつのみ |
| 20〜24℃ | 1.0 TOG | 春・秋・通年用 | 短肌着+長肌着 または ロンパース |
| 16〜20℃ | 2.5 TOG | 冬用(中綿入り) | 長袖ロンパース+パジャマ |
| 16℃以下 | 3.5 TOG | 真冬(寒冷地) | 厚手のパジャマなど重ね着 |
日本の住宅環境では、空調で室温管理ができる場合、通年使える「1.0 TOG」または夏用の「0.2 TOG」を基本に持ち、中の肌着で調整するのが最も使い勝手が良く、経済的です。
サイズ選び:ジャストサイズが命を守る理由
ベビー服は「すぐに大きくなるから」と大きめサイズを買いがちですが、スワドルに関しては「ジャストサイズ」が鉄則です。
サイズが大きすぎると、首元が緩んで顔が埋もれる窒息リスクがあるだけでなく、モロー反射を抑えるための適度な圧迫感が得られず、効果が半減してしまいます。
メーカーのサイズ表を確認する際は、月齢よりも「体重」を最優先の基準にしてください。月齢が基準内でも、体重が満たない場合はワンサイズ下を選ぶ勇気が必要です。
おむつ替えのしやすさ(ダブルジッパーの有無)
新生児期は一晩に何度もおむつ替えが必要です。この時、スワドルを全て脱がせなければならないタイプだと、赤ちゃんが完全に目を覚ましてしまい、再入眠に苦労することになります。
必ず「ダブルジッパー(上下から開閉できるタイプ)」を選びましょう。下からジッパーを開けるだけで、上半身を包んだまま(安心感を維持したまま)サッとおむつ替えができる機能は、夜中のママ・パパの負担を劇的に減らしてくれます。
お手入れのしやすさと耐久性
スワドルは、吐き戻しやおむつ漏れで頻繁に汚れます。洗濯機でガシガシ洗える耐久性があるか、乾燥機が使えるか(メーカー推奨は自然乾燥が多いですが、生地の強さは重要です)もチェックポイントです。洗い替えを含めて最低2〜3枚用意することになるため、扱いやすさは日々のストレスに直結します。
タイプ別!おすすめスワドル徹底比較
ここでは、ペルソナであるあなたのニーズに合わせて、代表的なスワドルのタイプと比較ポイントを紹介します。特定の商品を推奨するわけではありませんが、選ぶ際の「型」として参考にしてください。
【新生児〜】モロー反射対策に特化した「ハンズアップ型」
赤ちゃんがママのお腹の中にいた時と同じ「両手を上げた姿勢(W型)」をキープできるデザインです。
- 特徴: 手が顔の横にあるため、指しゃぶりで自己鎮静ができる。
- メリット: 最も自然な姿勢で、モロー反射を抑えつつストレスが少ない。
- デメリット: 慣れるまでは「窮屈そう」に見えることがある。
【生後3ヶ月〜】寝返り練習もできる「袖外し可能型」
肩の部分にジッパーやスナップボタンがついており、袖を取り外せるタイプです。
- 特徴: スワドルとしても、袖を外してスリーパーとしても使える2way仕様。
- メリット: 寝返りの兆候が見えた時に、買い直すことなくスムーズに卒業練習へ移行できる。経済的。
- デメリット: 袖のジッパー部分が少し硬く感じることがある。
【コスパ重視】洗い替えに便利なお手頃ブランド
高機能なブランド品は1着4,000円〜5,000円前後しますが、洗い替え用に2,000円前後の類似形状の商品も多く販売されています。
- 選び方の注意: 安価なものは生地が伸びやすかったり、ジッパーの滑りが悪かったりすることがあります。首元の保護布(ジッパーカバー)がついているかなど、安全面での配慮があるかを必ず確認しましょう。
【伝統派】一枚布(おくるみ)のおすすめ素材とブランド
「着るタイプ」ではなく、自分で巻くタイプを選びたい場合は、素材選びが重要です。
- モスリンコットン: 通気性が抜群で、洗うほどに柔らかくなる。夏場や空調の効いた部屋に最適。
- 伸縮性のあるコットンニット: ほどよく伸びるため、初心者でも赤ちゃんをしっかりホールドしやすい。
小児睡眠コンサルタント・元NICU看護師のアドバイス
「私がクライアントに提案する際の『最初の1枚』は、やはりハンズアップ型で、かつ袖が外せるタイプです。新生児期から使えて、寝返り後もスリーパーとして長く使えるため、結果的にコストパフォーマンスが最高になります。」
効果を最大化する正しい着せ方と服装ガイド
最高のスワドルを手に入れても、着せ方が間違っていては効果が得られないどころか、危険です。ここでは、具体的な着用の手順と、中に着る服装の正解を解説します。
【図解】基本の着せ方ステップ(ジッパータイプ編)
ジッパータイプは簡単ですが、以下の手順を丁寧に行うことで、赤ちゃんの不快感を取り除けます。
- スワドルを広げ、赤ちゃんを中央に寝かせます。
- 足先をポケットに入れます。この時、足がカエルのようにM字に開いているか確認します。
- 片方の手をスワドルの袖(または羽)に入れます。肘が曲がっている自然な状態をキープします。
- もう片方の手を入れます。
- ジッパーを上げます。この時、赤ちゃんの肌や服を挟み込まないよう、指を添えながら慎重に上げてください。
- 最後に、首元のジッパーカバーをしっかり被せ、金具が赤ちゃんの顎に当たらないようにします。
【図解】一枚布を使った「基本巻き」「お雛巻き」の手順
一枚布を使う場合は、布が緩まないことが最重要です。
- 正方形の布をひし形に置き、上部の角を内側に折り込みます。
- 折り目のラインに赤ちゃんの肩を合わせます。
- 赤ちゃんの右腕を体に沿わせ、布の左端を持って赤ちゃんの体を包み込み、左脇の下(背中側)に入れ込みます。
- 下側の布を持ち上げ、赤ちゃんの右肩方向へ持っていき、余った布を背中に入れ込みます(足が自由に動くゆとりを残すこと)。
- 赤ちゃんの左腕を体に沿わせ、布の右端を持って体を包み込み、背中の下に入れ込んで固定します。
スワドルの下は何を着る?肌着の組み合わせ例
「スワドルの下は何を着せればいいの?」という質問は非常に多いです。基本は「大人より一枚少なく」です。
- 夏(25℃以上): おむつ一枚 + スワドル(0.2 TOG)
- 春・秋(22〜24℃): 短肌着(またはノースリーブロンパース) + スワドル(1.0 TOG)
- 冬(18〜20℃): 長肌着 + コンビ肌着(または長袖ロンパース) + スワドル(1.0〜2.5 TOG)
靴下は不要です。足の裏からの放熱を妨げないようにしましょう。
着用後の安全チェックリスト(首元・足・体温)
着せ終わったら、必ず以下の3点を目視と手で確認してください。
▼【重要】着用後の安全確認チェックポイント(クリックして展開)
1. 首元の隙間チェック
ジッパーを閉めた状態で、赤ちゃんの首とスワドルの間に指が2本入る隙間がありますか?
・広すぎる場合:口や鼻が埋もれる危険があります。
・きつすぎる場合:呼吸が苦しくなります。
2. 股関節の動きチェック
スワドルの上から足を触り、膝が曲がっているか、足がM字に開いているか確認してください。赤ちゃんが足を伸ばしたり曲げたりできる余裕が必要です。
3. 背中のシワチェック
背中側に布のシワや寄りができていませんか?シワは赤ちゃんの不快感の原因になり、背中スイッチの発動につながります。お尻の下から手を入れて、背中の布を下に引っ張り、シワを伸ばしてあげましょう。
こんな時どうする?スワドルに関するトラブルシューティング
いざ使い始めてみると、思い通りにいかないこともあります。ここでは、よくあるトラブルとその対処法を紹介します。
スワドルを着せると逆に泣いてしまう時は?
「スワドルを着せようとすると、火がついたように泣く」というケースがあります。これはスワドルが嫌いなのではなく、「着せるタイミング」が遅い可能性があります。
赤ちゃんが疲れすぎて限界を超えて泣いている時に、自由を奪うスワドルを着せると、さらにパニックになります。対処法としては、「まだ機嫌が良い時」や「眠くなるサイン(あくび、目をこする)が出始めた直後」に着せることです。また、スワドルを着せることが「ねんねの合図(ルーティン)」として定着するまで、数日〜1週間かかることもあります。
夜中におむつ替えをする時のコツ
ダブルジッパーの下側だけを開け、足だけを出しておむつを替えます。この時、上半身は包まれたままなので、赤ちゃんは安心感を保てます。部屋の電気はつけず、手元が見える程度の常夜灯やフットライトで行い、赤ちゃんを覚醒させないように静かに行うのがコツです。
背中漏れしてしまった時の洗濯・対処法
スワドルの中でうんちが背中漏れしてしまうと大変です。予洗いをした後、酸素系漂白剤につけ置きしてから洗濯機で洗いましょう。乾燥機にかけると縮む可能性がある素材(特に綿100%)もあるため、洗濯表示を必ず確認してください。夜中にこれが起きると心が折れそうになりますが、だからこそ洗い替えの予備が必須なのです。
洗い替えは何枚必要?
最低でも2枚、できれば3枚あると安心です。
1枚は着用中、1枚は洗濯中、もう1枚は予備(夜中の漏れや吐き戻し用)です。梅雨時や冬場など洗濯物が乾きにくい時期は、3枚あると心の余裕が違います。
小児睡眠コンサルタント・元NICU看護師のアドバイス
「どうしてもスワドルの拘束感を嫌がって泣き止まない場合は、『片手出し』を試してみてください。片手だけ自由にして指しゃぶりをさせてあげると、落ち着くことがあります。それでもダメな場合は、一旦使用を中止し、数日空けてから再トライするのも一つの手ですよ。」
いつまで使う?寝返りとスワドル卒業のタイミング
スワドルに助けられているママにとって、一番の恐怖は「スワドル卒業」かもしれません。しかし、赤ちゃんの成長に合わせて、必ず卒業の時はやってきます。ここでは、適切な卒業時期と、スムーズな移行方法を解説します。
卒業のサイン:寝返りの兆候が見えたら即中止すべき理由
スワドル(特におくるみタイプや、両手が拘束されるタイプ)の卒業時期を決める唯一にして最大の基準は、「寝返りの兆候」です。
赤ちゃんが寝返りをしようと体をひねり始めたり、実際にコロンと寝返りをした瞬間が、スワドル卒業の合図です。手が固定された状態でうつ伏せになってしまうと、自力で仰向けに戻ることができず、顔がマットレスに埋もれて窒息するリスクが極めて高くなります。
一般的には生後3ヶ月〜5ヶ月頃が多いですが、早い子は生後2ヶ月で兆候が見られることもあります。日中の遊びの中で寝返りの練習を始めたら、夜のスワドル卒業準備を始めましょう。
スムーズな卒業のための移行スケジュール(ステップ1〜3)
突然スワドルをやめると、モロー反射や不安感で寝られなくなることがあります。以下のステップで、約2週間かけて徐々に移行することをおすすめします。
- ステップ1(3〜4日間): 片方の腕だけをスワドルから出して寝かせる。
- ステップ2(3〜4日間): 両腕を出して寝かせる(胴体部分は包まれたまま)。
- ステップ3(完了): スワドルを卒業し、スリーパーへ移行する。
袖が外せるタイプのスワドルを使っている場合は、ジッパーを外すだけでこのステップが踏めるため非常にスムーズです。
卒業後の睡眠アイテム:スリーパーの選び方
スワドルを卒業した後は、「スリーパー(着る毛布)」を使用します。スリーパーは布団のように顔にかかる心配がなく、寝冷えを防ぐ安全なアイテムです。
選び方のポイントはスワドルと同じく、室温に合わせた素材(ガーゼ、フリース、ダウンなど)を選ぶことと、足元までしっかり隠れる丈のものを選ぶことです。
小児睡眠コンサルタント・元NICU看護師のアドバイス
「卒業のタイミングで、一時的に夜泣きが増えたり寝付きが悪くなる『睡眠退行』が起きることがあります。でも、それは赤ちゃんが成長している証拠。数日で新しい環境に慣れてくれるので、焦らず、元の『完全拘束』に戻さない勇気を持って進めていきましょう。」
よくある質問 (FAQ)
Q. スワドルを着たまま授乳しても大丈夫?
A. はい、大丈夫です。ただし、夜間の授乳時はそのままで良いですが、日中の授乳時は手を自由にしてあげて、ママの肌に触れさせてあげたほうがオキシトシン(愛情ホルモン)の分泌が促されるという考え方もあります。また、スワドルを着せると温かくて授乳中に寝落ちしてしまう場合は、起こすために脱がせても良いでしょう。
Q. 日中のお昼寝でも使ったほうがいい?
A. 使っても構いませんが、必須ではありません。昼と夜の区別をつけるために、日中は明るい部屋でスワドルなし(またはおくるみで軽く巻く程度)、夜は暗い部屋でスワドル着用、という使い分けをすると、スワドルが「夜のねんねの合図」としてより機能しやすくなります。
Q. 股関節脱臼が心配です。チェック方法は?
A. おむつ替えの時に、太もものシワの数が左右非対称ではないか、股関節の開きが悪くないか(硬くないか)を確認してください。もし気になる点があれば、3〜4ヶ月健診を待たずに小児科や整形外科に相談しましょう。スワドル着用時は、常に足がM字に開いていることを確認してください。
Q. スワドルアップとスワドルミー、どちらが良いですか?
A. 赤ちゃんの好みによります。「スワドルアップ」は手を万歳にするタイプで、指しゃぶりをする子や自由を好む子に向いています。「スワドルミー」は面ファスナーで腕を体に密着させるタイプで、拘束感が強いほうが安心する子に向いています。迷ったら、まずは自然な姿勢に近い万歳タイプから試すのが一般的です。
まとめ:スワドルを正しく使って、ママと赤ちゃんの安眠を手に入れよう
ここまで、スワドルの効果から選び方、安全な使い方までを解説してきました。情報量が多くて大変だったかもしれませんが、それだけ「赤ちゃんの睡眠と安全」は奥が深く、大切なテーマだということです。
最後に、これだけは覚えておいてほしいポイントをチェックリストにまとめました。
安全なスワドル生活のための最終チェックリスト
- 仰向け寝専用: スワドルを着たら絶対に仰向けで寝かせる。
- ジャストサイズ: 大きめは買わない。首元・顔にかからないか確認する。
- 足はM字: 足が自由に動かせるゆとりがあるか確認する。
- 温めすぎ注意: 室温に合わせてTOGを選び、お腹や背中で体温確認をする。
- 寝返りで卒業: 寝返りの兆候が見えたら、すぐに腕を出す練習を始める。
小児睡眠コンサルタント・元NICU看護師のアドバイス
「育児は長期戦です。便利な道具に頼ることは、決して手抜きでも愛情不足でもありません。スワドルを使って赤ちゃんがぐっすり眠ってくれれば、ママやパパも体を休めることができます。親の笑顔と余裕こそが、赤ちゃんにとって一番の栄養です。ぜひ、安全に配慮しながら、スワドルという心強い味方を活用してくださいね。」
今日から、あなたと赤ちゃんに穏やかな夜が訪れますように。ぜひ、今夜から室温チェックと安全確認を実践してみてください。
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