「お店で食べるエビマヨはあんなにプリプリで美味しいのに、家で作るとどうして衣が剥がれてベチャッとしてしまうの?」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。実は、お店のような「プリプリ・サクサク」のエビマヨは、大量の油で揚げなくても、家庭のキッチンで十分に再現可能です。重要なのは、高級な食材を使うことではなく、「徹底した水気の拭き取り」と「ソースを絡める温度管理」という、ほんの少しのコツだけなのです。
元中華厨房のスタッフとして15年以上鍋を振ってきた私が、フライパン一つ、大さじ3杯の油で作れる「失敗知らずのテクニック」を余すところなく伝授します。
この記事では、以下の3つのポイントを徹底解説します。
- スーパーの安い海老が高級店の味に変わる「臭み取り・下処理」の正解
- 揚げ油の処理不要!大さじ3の油でカリッと仕上げる「揚げ焼き」のコツ
- コンデンスミルクあり・なし両対応!絶品オーロラソースの黄金比率
今日からあなたの家のエビマヨが、家族全員から「これ、お店で買ってきたの?」と驚かれる一皿に変わります。ぜひ最後までお付き合いください。
なぜ家で作るエビマヨは失敗するのか?プロが指摘する3つの原因
エビマヨ作りで最も多い失敗は、「衣が剥がれて海老が裸になってしまうこと」と「衣がソースを吸ってベチャベチャになってしまうこと」の2点です。多くのレシピ本や動画では「作り方」は教えてくれますが、「なぜ失敗するのか」という根本的な原因までは詳しく解説されていないことが多いものです。
まず結論から申し上げますと、失敗の原因はあなたの腕が悪いからではありません。調理工程の中に潜む「水分のコントロール」と「温度管理」のミスが、仕上がりを大きく左右しているのです。プロの厨房では、この2点を無意識レベルで徹底していますが、家庭料理では見落とされがちなポイントです。
元中華厨房の料理人のアドバイス
「失敗の9割は『水分』が原因です。多くの方が『揚げ方』や『油の温度』を気にされますが、実は失敗の最大の原因は海老に残った『水分』にあります。水分が残っていると衣が定着せず剥がれやすくなり、さらにその水分が加熱されて水蒸気となり、衣を内側から破壊してしまうのです。このセクションで『なぜその工程が必要なのか』を論理的に理解しましょう。」
原因1:海老の「水気」が衣を剥がし、生臭さを残している
スーパーで買ってきた海老をパックから出し、そのまま、あるいは軽く水洗いしただけで衣をつけていませんか? 実はこれが、衣が剥がれる最大の原因です。
海老の表面には、独特のぬめりや臭みの元となる汚れが付着しています。さらに、解凍した海老や水洗いした直後の海老は、表面に多くの水分を含んでいます。この水分が残った状態で片栗粉や卵白をつけても、衣は海老の身に密着しません。
加熱すると、海老の身からさらに水分が出てきます。表面の水分と内部から出る水分が合わさることで、衣と身の間に「水の膜」ができてしまい、フライパンに入れた瞬間に衣がスルリと脱げてしまうのです。また、この余分な水分には海老特有の臭みも含まれているため、仕上がりの味がぼやけてしまう原因にもなります。
原因2:ソースを絡めるタイミングが早く、衣が湿気てしまう
「熱々のうちに食べたい!」という気持ちは痛いほど分かりますが、揚げ焼きにした直後の海老を、すぐにマヨネーズソースの入ったボウルに投入していませんか? これもまた、よくある失敗の一つです。
揚げたて熱々の海老からは、まだ高温の蒸気が出ています。また、衣自体も非常に高温です。この状態でマヨネーズベースのソースと和えると、マヨネーズが高熱で分離して油っぽくなってしまうだけでなく、衣が急激に水分(ソース)を吸い込んでしまい、せっかくのサクサク感が一瞬で失われてしまいます。
プロの現場では、揚げた海老の油をしっかりと切り、一呼吸置いて「粗熱」が取れてからソースと和えるのが鉄則です。この「待つ時間」こそが、サクサク感を持続させる秘訣なのです。
原因3:下味の段階で「コーティング」ができていない
「下味」というと、単に塩コショウで味をつけることだと思っていませんか? 中華料理における下味には、味付け以上に重要な「コーティング」という役割があります。
海老などの魚介類は、加熱すると筋肉繊維が縮み、内部の水分や旨味が外に逃げ出そうとします。これを防ぐために、下味の段階で酒や卵白、片栗粉を揉み込み、海老の表面に薄い膜(コーティング)を作っておく必要があります。
このコーティングが不十分だと、加熱した時に海老が縮んで硬くなり、「プリプリ」ではなく「パサパサ」の食感になってしまいます。また、この下地となる膜がないと、外側の衣もしっかりと食いつきません。つまり、下味の工程は「味付け」「保水」「衣の接着剤」という3つの役割を担っているのです。
【解決策】「揚げない」調理法こそ、家庭での成功への近道である理由
ここまで失敗の原因を見てきましたが、これらを解決するために「大量の油で揚げる」必要はありません。むしろ、家庭のキッチンにおいては、少なめの油で「揚げ焼き」にする方が、失敗のリスクを減らすことができます。
たっぷりの油で揚げる場合、油の温度管理が難しく、一度にたくさんの海老を入れると油温が下がってベチャッとしがちです。一方、フライパンでの揚げ焼きなら、海老の様子を常に見ながら火加減を調整でき、油の処理もキッチンペーパーで拭き取るだけで済みます。
「手間を省く」ことと「手抜き」は違います。理にかなった工程を踏めば、揚げ焼きこそが、家庭で最高のエビマヨを作るための最短ルートなのです。
【準備編】スーパーの海老が極上に変わる材料選びと道具
美味しいエビマヨを作るための準備は、スーパーの鮮魚コーナーから始まっています。特別な高級食材を探し回る必要はありません。いつものスーパーで手に入る材料の中で、何を選び、どう使うかが重要なのです。
ここでは、ペルソナである忙しい主婦の皆さんが、手軽に入手でき、かつプロの味に近づけるための材料選びと、あると便利な道具について解説します。
海老の選び方:ブラックタイガーとバナメイエビ、どっちが正解?
スーパーでよく見かける海老には、主に「ブラックタイガー」と「バナメイエビ」の2種類があります。エビマヨにするなら、どちらが良いのでしょうか?
結論から言うと、「バナメイエビ」がおすすめです。
ブラックタイガーは身がしっかりとしていて弾力が強いのが特徴で、エビフライなど「真っ直ぐ伸ばす」料理に向いています。一方、バナメイエビは食感が柔らかく、甘みが強いのが特徴です。加熱しても硬くなりにくく、マヨネーズソースとの馴染みも良いため、エビマヨやエビチリといった「絡める」料理に最適なのです。しかも、価格もブラックタイガーより手頃なことが多く、家計に優しいのも嬉しいポイントです。
もし選べるなら、「むきエビ」よりも「殻付き」を選んでください。殻付きの方が鮮度が保たれており、海老本来の旨味が逃げていません。殻を剥く手間はかかりますが、その数分の手間が仕上がりの味を劇的に変えます。
必須材料リスト:片栗粉は「下処理用」と「衣用」で使い分ける
材料の中で特に重要なのが「片栗粉」です。片栗粉は、海老の汚れを取るための「洗浄剤」としての役割と、カリッとした食感を作る「衣」としての役割の2回登場します。途中で足りなくならないよう、少し多めに用意しておきましょう。
以下に、2〜3人分の材料リストをまとめました。買い出しの際のチェックリストとしてご活用ください。
▼材料チェックリスト(2〜3人分)
| カテゴリー | 材料名・分量 | 備考 |
|---|---|---|
| メイン食材 | 海老(殻付きバナメイ推奨):250g〜300g | 大きめのサイズ(15〜20尾程度)がおすすめ |
| 下処理・洗浄用 | 塩:小さじ1 片栗粉:大さじ2 水:大さじ2 |
臭み取りに必須。安い塩でOK |
| 下味用 | 酒:大さじ1 塩こしょう:少々 おろし生姜(チューブ可):1cm |
生姜は臭み消しの効果あり |
| 衣用 | 片栗粉:適量(大さじ3〜4) 卵白:1個分 |
卵白を使うとカリッと仕上がります(全卵でも可) |
| 揚げ焼き用 | サラダ油:大さじ3〜4 | フライパンの底に行き渡る程度 |
※衣に「卵白」を推奨する理由:全卵を使うと、卵黄の脂質によって衣が柔らかくなりすぎてしまうことがあります。卵白のみを使うことで、タンパク質が熱でしっかり固まり、冷めてもサクサク感が持続する衣になります。余った卵黄はスープなどに活用しましょう。
あると便利な道具:キッチンペーパーは多めに用意しよう
特別な調理器具は必要ありませんが、今回のレシピの成功の鍵を握るのが「キッチンペーパー」です。
前述の通り、失敗の原因は「水分」です。下処理の後、洗った後、とにかく海老の水気を拭き取る工程が何度も出てきます。ケチらずに使えるよう、ロールごと手元に用意しておくことを強くおすすめします。
また、揚げ焼きにした海老を取り出すための「網(バット)」があるとベストですが、なければお皿の上にキッチンペーパーを敷いたものでも代用可能です。油をしっかり切ることが、サクサク感への第一歩です。
【ソース編】混ぜるだけでお店の味!「極上マヨソース」の黄金比
エビマヨの味の決め手となるのが、あの甘酸っぱくてクリーミーな「オーロラソース」です。お店で食べるソースは、ただマヨネーズとケチャップを混ぜただけのものではありません。コクと深みを出すための「黄金比」が存在します。
ここでは、本格的な味を求める方向けのレシピと、家にある材料だけで作りたい方向けの代用レシピの2パターンをご紹介します。
元中華厨房の料理人のアドバイス
「マヨネーズは加熱しすぎると分離して油になってしまいます。ソース作りは、加熱せずボウルで『混ぜるだけ』にするのが鉄則です。また、お店では香り付けにジン(お酒)やレモン汁を数滴加え、濃厚さの中にも後味をスッキリさせる工夫をしています。」
【本格派】コンデンスミルクを使った「コク旨・濃厚」黄金比
もし冷蔵庫にコンデンスミルク(練乳)が眠っていたら、迷わずこちらで作ってください。コンデンスミルクのミルキーな甘さがマヨネーズの酸味を包み込み、一気に高級中華店の味になります。
- マヨネーズ:大さじ4
- ケチャップ:大さじ1
- コンデンスミルク:大さじ1
- レモン汁(または酢):小さじ1
- 塩:ひとつまみ
これらをボウルに入れ、泡立て器やスプーンでよく混ぜ合わせるだけです。コンデンスミルクがない場合は、蜂蜜でも近いコクを出すことができますが、特有の香りがつくため、やはり練乳がベストです。
【代用テク】コンデンスミルクなしでもOK!砂糖+牛乳で作る即席レシピ
「コンデンスミルクなんて常備していない!」という方もご安心ください。どこの家庭にもある砂糖と牛乳を使えば、驚くほど近い味を再現できます。
- マヨネーズ:大さじ4
- ケチャップ:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
- 牛乳:小さじ1〜2
- レモン汁(または酢):小さじ1
ポイントは、砂糖をしっかり溶かすこと。牛乳を少し加えることで、マヨネーズの角が取れてまろやかになり、ソース全体の伸びも良くなります。牛乳を入れすぎると水っぽくなるので、小さじ1から調整してください。
プロの隠し味:レモン汁またはジン(お酒)で味が引き締まる理由
上記のレシピに共通して入っている「レモン汁」ですが、これは単に酸味を加えるためだけではありません。マヨネーズとコンデンスミルク(または砂糖)だけだと、どうしても味が「もったり」と重くなりがちです。
ここに酸味を加えることで、味の輪郭がキュッと引き締まり、最後まで飽きずに食べられるようになります。もしご自宅に「ジン(お酒)」があれば、小さじ1/2程度加えてみてください。ジン特有のボタニカルな香りが海老の臭みを完全に消し去り、大人の風味をプラスしてくれます。これは多くの中華料理店で使われている秘密のテクニックです。
子供向けアレンジ:ケチャップ多めで酸味を抑える調整法
小さなお子様がいるご家庭では、酸味を少し抑えてあげると食べやすくなります。その場合は、レモン汁を省き、ケチャップの量を少し増やして(大さじ1.5〜2)、砂糖を気持ち多めにしてみてください。
色が綺麗なピンク色になり、甘口でご飯が進む味付けになります。
▼ソース配合比率の比較表(本格派 vs お手軽派)
| 材料 | 本格派(濃厚) | お手軽派(身近な材料) |
|---|---|---|
| マヨネーズ | 大さじ4 | 大さじ4 |
| 甘み成分 | コンデンスミルク 大さじ1 | 砂糖 大さじ1 + 牛乳 小さじ1 |
| ケチャップ | 大さじ1 | 大さじ1 |
| 酸味・隠し味 | レモン汁 小さじ1 (あればジン 小さじ1/2) |
レモン汁または酢 小さじ1 |
【下処理編】「プリプリ食感」と「臭み消し」を叶えるプロの工程
ここが今回の記事の中で、最も重要なセクションです。エビマヨの美味しさの8割は、この「下処理」で決まると言っても過言ではありません。
面倒に感じるかもしれませんが、この工程を経ることで、安い冷凍海老やバナメイエビが、まるで高級店のような透明感のあるプリプリの食感に生まれ変わります。騙されたと思って、一度だけ丁寧にやってみてください。
手順1:殻剥きと背ワタ取り(竹串を使えば簡単!)
まずは海老の殻を剥きます。尻尾を残すかどうかはお好みですが、残しておくと見た目が豪華になり、持ち手にもなるのでおすすめです。尻尾の先を少し斜めに切り落とし、中の汚れた水を包丁の背などでしごき出しておくと、揚げ焼き時の油ハネを防げます。
次に背ワタを取ります。背ワタは海老の消化管で、砂や臭みの原因になります。
- 海老の背中を丸め、頭から数えて2〜3節目あたりに竹串を横から刺します。
- ゆっくりと引き上げると、黒っぽい背ワタがスルスルと出てきます。
- 途中で切れないように優しく引き抜きます。もし切れてしまった場合は、包丁で背中に浅く切り込みを入れて取り除いてください。
手順2:【最重要】塩と片栗粉で揉み込み、汚れを吸着させる
ここがプロの技です。水洗いだけでは落ちない汚れを、片栗粉の粒子に吸着させて取り除きます。
- ボウルに処理した海老を入れ、塩(小さじ1)、片栗粉(大さじ2)、水(大さじ2)を加えます。
- 手で海老を揉み込みます。最初は白い粉の状態ですが、揉んでいくうちに片栗粉が汚れを吸って、ドロドロとした灰色の液体に変わってきます。これが臭みの正体です。
- この汚れが出なくなるまで、流水で丁寧に洗い流します。海老の色がワントーン明るくなり、透明感が出ていれば成功です。
▼プロの技術:なぜ片栗粉で揉むとプリプリになるのか?
片栗粉の粒子は非常に細かく、海老の表面の微細なヒダに入り込んだ汚れや、臭みの元となる粘液を強力に吸着してくれます。また、塩を加えることで浸透圧が働き、海老の余分な水分と共に臭みが外に排出されます。
さらに、この工程で汚れを取り除くと同時に、海老の身が引き締まり、加熱した時の保水性が高まります。これにより、火を通しても身が縮みにくく、プリプリとした弾力のある食感が生まれるのです。
手順3:水洗い後の「徹底的な拭き取り」がサクサク衣の生命線
綺麗に洗った海老は、ザルに上げて水を切ります。しかし、これだけでは不十分です。
キッチンペーパーを広げ、海老を一尾ずつ丁寧に拭いてください。お腹のヒダの間や、尻尾の付け根など、水分が溜まりやすい場所もしっかりと拭き取ります。
ここで水分が残っていると、次の工程で下味が薄まり、衣が剥がれる原因になります。「親の仇のように水気を拭き取る」というのが、私の師匠の口癖でした。海老の表面が少し乾いた感じになるまで、しっかりと水分を除去しましょう。
【調理編】フライパン一つで完結!「揚げ焼き」でサクサクにする手順
下処理が終われば、あとは調理です。ここからはスピード感よりも「待つこと」が大切になります。少ない油でカリッと仕上げるための「揚げ焼き」メソッドを実践しましょう。
元中華厨房の料理人のアドバイス
「少ない油で揚げ焼きにする際、心配になって何度もひっくり返したくなりますが、グッと我慢してください。衣が固まる前に触ると、フライパンの底や箸に衣がくっついて剥がれてしまいます。衣が固まるまで『触らない』ことが、カリッと仕上げる唯一のコツです。」
H3-5-1 下味と衣付け:卵白→片栗粉の順で「二重コーティング」を作る
水気を拭いた海老をボウルに戻し、下味をつけます。
- 酒(大さじ1)、塩こしょう(少々)、おろし生姜(1cm)を加えて揉み込みます。
- ここに卵白(1個分)を加え、海老全体に泡立つくらいまでよく揉み込みます。卵白を纏わせることで、海老の旨味を閉じ込めます。
- 最後に、新しい片栗粉(適量)をバットなどに広げ、海老を一尾ずつ丁寧につけていきます。余分な粉は軽くはたいて落としてください。
この「下味の卵白」と「外側の片栗粉」による二重構造が、サクサク衣の正体です。
H3-5-2 焼く前の準備:フライパンに油をひき、温まるまで待つ目安
フライパンにサラダ油大さじ3〜4を入れ、中火にかけます。フライパンの底全体に油が行き渡る量があれば十分です。
油が温まったかどうかの目安は、菜箸を入れた時に、箸先から細かい泡がシュワシュワと出てくる状態(約170℃)です。煙が出るほど熱しすぎないように注意してください。
H3-5-3 焼き方のコツ:片面がきつね色になるまで「触らない」
海老を重ならないように並べ入れます。ここからが我慢の時間です。
海老を入れたら、約2分間は絶対に触らないでください。
フライパンを揺すったり、箸でつついたりしたくなりますが、衣がまだ柔らかい状態で触ると剥がれてしまいます。海老の縁が赤く色づき、底面の衣が固まってきつね色になるのをじっと待ちます。火加減は中火のままでOKですが、焦げそうなら少し弱めてください。
H3-5-4 裏返しと仕上げ:両面カリッとしたら、一度網(またはペーパー)に取り出す
片面が良い色になったら、裏返します。裏面も同様に1〜2分ほど焼き、両面がカリッとして海老全体が赤くなったら焼き上がりです。
焼き上がった海老は、一度網(バット)またはキッチンペーパーを敷いたお皿に取り出します。ここで余分な油を切ることで、仕上がりの油っぽさが消え、サクサク感がアップします。このままつまみ食いしたくなるほど美味しいですが、ソースと和えるまでもう少し我慢です。
【仕上げ編】衣が剥がれず、ベチャッとしないソースの絡め方
いよいよ仕上げです。ここで焦って失敗するケースが非常に多いので、最後まで気を抜かずにいきましょう。キーワードは「粗熱」です。
絶対NG!フライパンの中でソースを加熱してはいけない理由
エビチリの場合はフライパンの中でソースと煮込みますが、エビマヨの場合はフライパンの中でソースを和えるのは絶対にNGです。
マヨネーズは加熱に弱く、高温のフライパンに入れると瞬時に分離して透明な油になってしまいます。また、加熱することでソースの水分が衣に浸透しやすくなり、せっかくのサクサク衣が台無しになります。
「粗熱」を取ってからボウルで和えるのが正解
揚げ焼きにした海老をバットに取り出し、1〜2分ほど置いて「粗熱」を取ります。手で触れるとまだ熱いけれど、火傷はしない程度、湯気が落ち着いた頃合いがベストです。
あらかじめ作っておいたソースのボウルに海老を入れ、ゴムベラやスプーンで優しく底からすくい上げるようにして和えます。全体にソースが絡めば完成です。
元中華厨房の料理人のアドバイス
「時間が経つとどうしても衣は水分を吸ってしまいます。ソースを和えるのは、他のおかずを食卓に並べ終わり、家族が席に着いて『いただきます』をする直前がベストです。このタイミングこそが、一番美味しいエビマヨを味わえる瞬間です。」
盛り付け:レタスやトマトを添えて彩りアップ
お皿にレタスやベビーリーフを敷き、その上にエビマヨを高く盛り付けます。仕上げに万能ねぎの小口切りや、砕いたカシューナッツ、パセリなどを散らすと、見た目が一気にカフェ風やお店風になります。
トマトやブロッコリーを添えれば、赤・緑・白(ピンク)のコントラストが美しく、栄養バランスも整います。
献立に迷わない!エビマヨに合う副菜・スープとアレンジ
エビマヨは濃厚な味付けなので、献立には「さっぱりしたもの」や「野菜」を合わせるとバランスが良くなります。主婦の皆さんが毎日の献立に悩まなくて済むよう、おすすめの組み合わせをご紹介します。
栄養バランスを整える:ブロッコリーやアスパラでの「かさまし」術
海老だけではボリュームが足りない、もっと野菜を摂りたいという場合は、茹でたブロッコリーやアスパラガスを海老と一緒にソースで和えてしまいましょう。
これらの野菜はマヨネーズソースとの相性が抜群です。海老の量が少なくても満足感が出る「かさましテクニック」としても優秀です。彩りも鮮やかになり、一石二鳥です。
さっぱり系副菜:中華風春雨サラダやたたききゅうり
濃厚なエビマヨの箸休めには、酸味の効いた副菜が合います。
- 中華風春雨サラダ:春雨、きゅうり、ハムを酢醤油とごま油で和えた定番サラダ。つるっとした食感がアクセントになります。
- たたききゅうり:きゅうりを麺棒で叩いて割り、塩昆布とごま油で和えるだけ。5分で作れる即席おつまみです。
汁物:余った卵黄を活用できる中華コーンスープ
衣作りで余った「卵黄」はどうしましょうか? 捨てずにスープに活用しましょう。
クリームコーン缶(または中華スープの素と水)を鍋で温め、溶いた卵黄を回し入れれば、濃厚でコクのある中華風コーンスープの完成です。エビマヨとの味の相性も良く、子供たちが喜ぶこと間違いなしです。
翌日のお弁当に:冷めても美味しいリメイクアイデア
もしエビマヨが余ったら、翌日のお弁当にも入れられます。ただし、夏場はマヨネーズが傷みやすいため、必ず保冷剤を使用し、涼しい場所で保管してください。
また、パンに挟んで「エビマヨサンド」にしたり、温かいご飯に乗せて「エビマヨ丼」にするのもおすすめです。冷めて衣が少ししんなりしても、それはそれで味が馴染んで美味しいものです。
よくある失敗Q&A:エビマヨの「困った」を解決
最後に、読者の皆さんからよく寄せられる質問や悩みに、Q&A形式でお答えします。
Q. 衣がどうしても剥がれてしまいます。何が原因?
元中華厨房の料理人のアドバイス
「最大の原因は『水気の拭き取り不足』か、焼いている最中に『触りすぎている』ことのどちらかです。手順3のペーパーでの拭き取りを徹底し、フライパンに入れたら衣が固まるまで2分間は触らないように意識してみてください。これだけで劇的に改善します。」
Q. ソースが分離して油っぽくなってしまいました。
海老が熱すぎる状態で和えたか、フライパンの中でソースを加熱したことが原因と考えられます。必ず海老の粗熱を取り、ボウルの中で和えるようにしてください。
Q. 冷凍のエビを使っても美味しく作れますか?
はい、全く問題ありません。むしろ冷凍のバナメイエビはこのレシピに最適です。ただし、解凍時に出る水分は臭みの元なので、塩水(海水程度の濃度)で解凍した後、真水で洗い、手順2の「片栗粉での揉み洗い」を念入りに行ってください。
Q. 辛いのが好きな大人用にアレンジできますか?
もちろんです!ソースに少しアレンジを加えるだけで、お酒が進むおつまみに変身します。
▼辛党向けアレンジレシピ
基本のソースに、以下の調味料を加えてください。
- 豆板醤:小さじ1/2〜1
- ラー油:少々
- 長ネギのみじん切り:大さじ1
ピリッとした辛味とネギの風味が加わり、「エビチリマヨ」風の味わいになります。ビールやハイボールとの相性が抜群です。
まとめ:下処理と揚げ焼きをマスターして、おうちで絶品エビマヨを楽しもう
いかがでしたでしょうか。今回は、元中華料理人が教える「揚げないエビマヨ」の作り方を詳しく解説しました。
一見、工程が多くて難しそうに感じるかもしれませんが、一つ一つの作業には必ず「理由」があります。
元中華厨房の料理人のアドバイス
「料理は愛情と『ひと手間』です。特に下処理のひと手間は、食べた時の家族の笑顔に必ず繋がります。エビマヨは、この下処理さえクリアすれば、あとは焼いて混ぜるだけのシンプルな料理です。今夜の食卓が、美味しいエビマヨで素敵なものになりますように。」
最後に、失敗しないための3つのポイントをおさらいしましょう。
- 水気は親の仇のように拭き取る(衣剥がれ防止・臭み消し)
- 揚げ焼き中は衣が固まるまで触らない(サクサク食感の確保)
- ソースは粗熱が取れてから和える(ベチャつき・分離防止)
この3つさえ守れば、あなたも今日からエビマヨマスターです。ぜひ、今夜の夕食に作ってみてください。プリプリのエビと濃厚なソースが口いっぱいに広がる幸せを、ご家庭で楽しんでいただけることを願っています。
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