鏡を見るたびに目につく頬のシミ。「コンシーラーで隠すのも限界」「老けて見えるのが辛い」と悩みつつも、美容クリニックでの治療には「失敗したらどうしよう」「高額な費用を請求されないか」という不安がつきまとうものです。
結論から申し上げます。シミを「安く・綺麗に・確実に」消すための最短ルートは、ネットの口コミを鵜呑みにすることではなく、自分のシミの種類を正しく医学的に診断し、その種類に合致した適切な医療レーザーを選択することに尽きます。自己判断によるケアや、シミの種類に合わないレーザー照射は、効果がないばかりか、かえってシミを濃くしてしまうリスクさえあるのです。
本記事では、現役の美容皮膚科医である筆者が、シミ治療の現場で培った経験に基づき、以下の3点を中心に「シミ取りの真実」を余すところなく解説します。
- 【写真なしでも分かる】あなたのシミはどれ?4大シミタイプと最適な治療法
- ピコレーザーとQスイッチの違いは?料金相場と「取り放題」の注意点
- 経過で見るダウンタイムのリアルと、失敗しないクリニックの選び方
この記事を読み終える頃には、あなたのシミに対する不安が解消され、自信を持ってクリニックの扉を叩けるようになっているはずです。正しい知識を武器に、透明感のある素肌を取り戻しましょう。
【自己診断NG】まずは「シミの種類」を知ることが治療の第一歩
多くの患者様が「シミを取りたい」と来院されますが、実は「シミ」と一口に言っても、その正体は様々です。医学的には、シミの種類によって原因も、存在する皮膚の深さも、そして有効な治療法も全く異なります。ここを間違えると、良くなるどころか悪化させてしまうことすらあります。
このセクションでは、代表的な4つのシミタイプについて、それぞれの特徴と見分け方を詳しく解説します。まずはご自身のシミがどのタイプに当てはまるか、鏡を見ながらチェックしてみてください。ただし、最終的な診断は必ず医師に委ねることを忘れないでください。
Checklist here|シミの種類セルフチェックリスト(鏡を見ながら確認)
- [ ] 形が円形や楕円形で、境界線がはっきりしている → 老人性色素斑の疑い
- [ ] 頬骨の高い位置に、左右対称にぼんやりと広がっている → 肝斑の疑い
- [ ] 灰色や青みがかった色で、粒状に散らばっている → ADMの疑い
- [ ] 鼻を中心に小さな茶色の斑点が散らばり、幼少期からある → そばかすの疑い
最も多い「老人性色素斑」:境界がはっきりした茶色いシミ
「老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)」は、一般的に「シミ」と呼ばれるものの代表格で、30代以降の方に最も多く見られるタイプです。主な原因は、長年にわたって蓄積された紫外線ダメージです。過去に日焼けをした経験がある部位や、日常的に紫外線を浴びやすい顔の側面、手の甲などによく発生します。
特徴としては、薄茶色から濃い茶色をしており、周囲の皮膚との境界線がくっきりと分かれている点が挙げられます。形は円形や楕円形のものが多く、大きさは数ミリ程度のものから、放置すると数センチ大にまで拡大し、色が濃くなることもあります。
このタイプのシミは、表皮(肌の浅い層)にメラニン色素が蓄積している状態であるため、レーザー治療の効果が非常に高く、比較的治療しやすいのが特徴です。適切なレーザーを照射すれば、1〜2回の治療でカサブタとなって剥がれ落ち、劇的に改善するケースが多く見られます。
治療要注意の「肝斑(かんぱん)」:両頬に広がるぼんやりしたシミ
30代〜50代の女性に多く見られるのが「肝斑(かんぱん)」です。老人性色素斑との最大の違いは、その形状と発生原因にあります。肝斑は、主に両頬の頬骨の高い位置に、左右対称に現れるのが特徴です。境界線がはっきりせず、もわっとした雲のような、あるいは刷毛で掃いたような形状をしています。
原因は紫外線だけでなく、女性ホルモンのバランスの乱れが大きく関与していると考えられています。そのため、妊娠や出産、更年期、ピルの服用などをきっかけに発症・悪化することがあります。また、洗顔やメイク時の「摩擦」も悪化の大きな要因です。
肝斑の治療において最も注意すべき点は、「刺激を与えると悪化する」という性質です。老人性色素斑に効くような高出力のレーザーを誤って肝斑に当ててしまうと、炎症が起き、かえって色が濃くなってしまうリスクがあります。そのため、肝斑治療は「攻め」ではなく「守り」の治療が基本となります。
実はアザの一種「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」
一見するとシミやそばかすのように見えますが、実はアザの一種に分類されるのが「ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)」です。20代〜30代頃に発症することが多く、両頬や額、小鼻などに現れます。
最大の特徴は、色素が存在する深さです。一般的なシミ(老人性色素斑)が表皮(浅い層)にあるのに対し、ADMは真皮(深い層)にメラニンが存在します。そのため、色は茶色というよりは、やや灰色がかったり、青みを帯びたりして見えることがあります(スレート色などと表現されます)。
ADMは深い層に原因があるため、美白化粧品やエステの施術、弱い光治療などではほとんど効果が得られません。治療には、真皮層まで届く高出力のレーザー(Qスイッチレーザーやピコレーザー)が必要となります。また、一度の治療では消えず、半年ごとの照射を数回繰り返す必要があるなど、治療期間が長くなる傾向があります。
遺伝的要素が強い「そばかす(雀卵斑)」
「そばかす(雀卵斑・じゃくらんはん)」は、鼻を中心に左右の頬に散らばるように現れる、直径数ミリ以下の小さな茶色の斑点です。他のシミと異なり、幼少期や思春期から発生することが多く、遺伝的な要因が強いとされています。
色は淡い茶色で、形は三角形や四角形など不規則なものが多いです。紫外線の影響を受けやすく、夏場に色が濃くなり、冬場には薄くなるという季節変動が見られるのも特徴の一つです。
そばかすは光治療(IPL・フォトフェイシャル)への反応が非常に良く、顔全体に照射することで、広範囲のそばかすを一気に薄くすることが可能です。ただし、遺伝的素因があるため、治療後も紫外線を浴びると再発しやすい傾向があります。治療後の徹底した紫外線対策が、きれいな状態を維持する鍵となります。
▼補足:複数のシミが混在しているケースについて
実際の診察現場で非常に多いのが、単一のシミだけでなく、複数の種類のシミが重なっている「混合型」のケースです。特に30代後半以降の女性の多くは、老人性色素斑の下に肝斑が潜んでいることが珍しくありません。
この場合、目立つ老人性色素斑を取ろうとしていきなり強いレーザーを当てると、下に潜んでいた肝斑が刺激を受けて活性化し、治療後に全体的に黒ずんでしまう(炎症後色素沈着の悪化や肝斑の顕在化)可能性があります。
混合型の場合、治療の優先順位が非常に重要です。一般的には、まず内服薬(トラネキサム酸など)で肝斑の活動を抑え、肌のベースを整えてから、慎重にレーザー治療を行うというステップを踏みます。一見遠回りに見えますが、これが結果的に最も早く、綺麗に仕上がる近道なのです。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「一見普通のシミに見えても、実は『肝斑』がベースに混ざっているケースが多発しています。自己判断で『シミ取り放題』などの強いレーザー治療を選ぶ前に、必ず医師の診断を受けてください。まずは内服薬から始める提案をされた場合、それは遠回りではなく、あなたの肌を守るための最善策であることが多いのです。」
シミ取り治療の種類と選び方|レーザー・光・内服の違い
自分のシミの種類がある程度予測できたら、次は「どのような手段で治療するか」を理解しましょう。美容医療には様々な機器や薬剤が存在しますが、大きく分けると「レーザー治療(スポット)」、「光治療(IPL)」、「レーザートーニング」、「内服・外用薬」の4つに分類されます。
ここでは、それぞれの治療法がどのようなメカニズムでシミに作用するのか、そしてどのような人に向いているのかを、メリット・デメリットを交えて詳しく解説します。
以下の比較表で、各治療法の特徴をざっくりと把握しましょう。
Table here|治療法別:効果・痛み・ダウンタイム比較表
治療法 効果の即効性 痛み ダウンタイム 適応するシミ シミ取りレーザー
(スポット照射)高い
(1-2回)中〜強
(輪ゴムで弾く程度)あり
(カサブタ・赤み)老人性色素斑
そばかす
ADM光治療
(IPL・フォト)マイルド
(5回〜)弱
(温かい〜軽い痛み)ほぼなし
(直後からメイク可)薄いシミ
そばかす
赤ら顔レーザートーニング 徐々に
(5〜10回〜)微弱
(チリチリする程度)なし
(軽い赤み程度)肝斑
くすみ
色ムラ内服薬・外用薬 遅い
(数ヶ月〜)なし なし
(外用薬は皮剥けあり)全タイプ
(特に肝斑)
【即効性重視】シミ取りレーザー(スポット照射)
「シミ取りレーザー」は、高出力のレーザー光をシミの部分だけにピンポイントで照射する治療法です。一般的に「シミ取り」と言った場合、この治療を指すことが多いです。
特徴とメカニズム:
メラニン色素(黒色)に反応する波長のレーザーを強力に照射し、熱エネルギーや衝撃波によってメラニン色素を破壊します。破壊されたメラニンはカサブタとなり、皮膚のターンオーバーとともに排出されるか、体内のマクロファージ(お掃除細胞)によって処理されます。
向いている人:
「濃くて境界のはっきりしたシミを、少ない回数で確実に取りたい」という方に最適です。多少のダウンタイム(カサブタやテープ保護期間)があっても、即効性を求める方におすすめです。
【全体改善・美肌】光治療(IPL・フォトフェイシャル)
「光治療」は、レーザーとは異なる、カメラのフラッシュのようなマイルドな光(IPLなど)を顔全体に照射する治療法です。複数の波長を含んでいるため、シミだけでなく、赤みやハリ不足など、複数の肌悩みに同時にアプローチできるのが特徴です。
特徴とメカニズム:
レーザーよりも出力が低く、広範囲に優しく作用します。表皮のメラニンに反応してシミを薄くすると同時に、真皮層のコラーゲン生成を促し、肌の質感やハリを改善します。反応したシミは、薄いカサブタ(マイクロクラスト)となって、洗顔などで自然に剥がれ落ちていきます。
向いている人:
「濃いシミはないけれど、顔全体の薄いシミやそばかすを綺麗にしたい」「ダウンタイムは取れない」「肌全体のトーンアップや美肌効果も欲しい」という方に向いています。ただし、1回で劇的に消えるものではなく、月に1回程度、5回以上の継続が必要です。
【肝斑・くすみ】レーザートーニング
「レーザートーニング」は、本来シミ取りに使われるQスイッチYAGレーザーなどを、非常に弱い出力で均一に照射する治療法です。これまでレーザー治療が禁忌とされていた「肝斑」に対して画期的な効果をもたらしました。
特徴とメカニズム:
肝斑は強い刺激を与えるとメラノサイトが活性化し悪化してしまいますが、トーニングはメラノサイトを刺激しない程度の微弱なパワーで照射します。これにより、肌の中に滞留しているメラニンを少しずつ破壊・排出させます。
向いている人:
「肝斑があるため、強いレーザーが打てない」「顔全体のくすみや色ムラが気になる」「毛穴の開きも改善したい」という方におすすめです。こちらも1回で効果が出るものではなく、1〜2週間おきに5〜10回程度の継続的な通院が必要です。
【内側からケア】内服薬・外用薬(トラネキサム酸・ハイドロキノン)
レーザーや光治療が「外科的」なアプローチだとすれば、内服薬や外用薬は「内科的」なアプローチです。地味に思えるかもしれませんが、実はシミ治療において最も基礎的で重要な役割を果たします。
特徴とメカニズム:
内服薬(トラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンEなど):体の中からメラニンの生成を抑制し、排出を促します。特にトラネキサム酸は、肝斑治療において第一選択となる特効薬です。
外用薬(ハイドロキノン、トレチノインなど):ハイドロキノンは「肌の漂白剤」とも呼ばれ、強力な美白作用があります。トレチノインは肌のターンオーバーを強制的に早め、メラニンを排出させます。
重要性:
レーザー治療単体で行うよりも、内服・外用を併用することで、治療効果が高まり、再発(戻りジミ)のリスクを大幅に下げることができます。多くのクリニックで、レーザー治療とセットでの処方が推奨されています。
徹底比較!ピコレーザー vs Qスイッチレーザー
現在、シミ取り治療の主流となっているのが「Qスイッチレーザー」と「ピコレーザー」の2つです。クリニックのホームページを見ても、「どちらが良いのか分からない」「値段の違いは何なのか」と迷われる方が非常に多いポイントです。
この2つの決定的な違いは、レーザーを照射する時間(パルス幅)の長さにあります。これが、肌へのダメージやダウンタイム、痛みに直結します。
従来型「Qスイッチレーザー」:安価だがカサブタ・テープ保護が必須
Qスイッチレーザー(ルビー、アレキサンドライト、YAGなど)は、長年にわたりシミ治療のゴールドスタンダードとして使用されてきた実績のある機器です。レーザーの照射時間は「ナノ秒(10億分の1秒)」単位です。
メリット:
歴史が長く、多くのクリニックで導入されているため、料金が比較的安価に設定されていることが多いです。濃いシミに対して強力な破壊力を持ち、1回の治療での切れ味が鋭いのが特徴です。
デメリット:
「熱」の作用で色素を破壊するため、周囲の皮膚への熱ダメージが比較的大きくなります。そのため、治療後はしっかりとしたカサブタができ、10日〜2週間程度、患部に保護テープを貼って過ごす必要があります。また、炎症後色素沈着(戻りジミ)のリスクも、ピコレーザーに比べるとやや高くなります。
進化型「ピコレーザー」:衝撃波で砕くため肌ダメージが少なくテープ不要も
ピコレーザーは、Qスイッチレーザーよりもさらに短い「ピコ秒(1兆分の1秒)」単位でレーザーを照射する次世代の機器です。
メリット:
熱作用ではなく、光音響効果による「衝撃波」でメラニン色素を粉々に粉砕します。熱が発生しにくいため、周囲の皮膚へのダメージが最小限に抑えられます。その結果、カサブタが非常に薄くなるか、ほとんどできない場合もあり、「保護テープ不要」として治療できるクリニックも増えています。また、粒子を細かく砕くため、代謝による排出が早く、色素沈着のリスクも低減されています。
デメリット:
機器本体が高額であるため、治療費もQスイッチレーザーに比べて割高になる傾向があります。
結局どっちがいい?症状とライフスタイル別の選び方
どちらのレーザーも、シミを取る能力自体は十分にあります。選択の基準は、ご自身のライフスタイルと予算になります。
- Qスイッチレーザーがおすすめな人:
- とにかく費用を安く抑えたい。
- 仕事や予定の調整ができ、1〜2週間テープを顔に貼っていても問題ない。
- マスクで隠せる位置にシミがある。
- ピコレーザーがおすすめな人:
- 仕事柄、顔にテープを貼ることができない。
- ダウンタイム(赤みやカサブタ)を極力短くしたい。
- 痛みに弱く、肌への負担を最小限にしたい。
- 多少費用がかかっても、快適さを優先したい。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「ピコレーザーは『テープ不要』と謳われることが多いですが、実際には全く何も起きないわけではありません。直後は赤みが出ますし、薄い膜のようなカサブタができることもあります。テープを貼らない場合でも、軟膏を塗るなどのケアは必要です。『翌日から完全に元通り』というわけではない点を理解しておきましょう。」
気になる「料金相場」と「取り放題プラン」の真実
シミ取りを検討する際、やはり一番気になるのは「費用」ではないでしょうか。広告で見る「〇〇円〜」という価格と、実際の会計が異なることに戸惑う方も少なくありません。ここでは、料金の相場感と、最近人気の「シミ取り放題」プランの仕組みについて、透明性高く解説します。
シミ取りレーザーの料金相場(1mmあたり・個数別)
シミ取りレーザー(スポット照射)の料金設定は、主に「シミの大きさ(mm単位)」で決まることが一般的です。
- Qスイッチレーザーの場合:
- 1mmあたり:1,000円〜2,000円程度
- 1cm(10mm)のシミ1個:10,000円〜20,000円程度
- ピコレーザーの場合:
- 1mmあたり:2,000円〜4,000円程度
- 1cm(10mm)のシミ1個:20,000円〜40,000円程度
このように、シミが1〜2個程度であれば、数千円〜数万円で済むことが多いです。しかし、細かいシミが顔全体に多数ある場合は、個別に計算すると高額になってしまうため、次の「取り放題プラン」が検討候補に入ってきます。
「シミ取り放題」はお得?メリットと適用条件の注意点
多くのクリニックが提供している「シミ取り放題(個数無制限)」プラン。相場としては、顔全体で5万円〜15万円程度が一般的です。
メリット:
シミの個数が10個以上ある場合や、細かいそばかすが散在している場合は、1個ずつ計算するよりも圧倒的にコストパフォーマンスが良いです。「予算を気にせず気になるところを全部打てる」という安心感があります。
注意点と落とし穴:
「取り放題」には、いくつかの制約がある場合があります。
- 対象外のシミ:肝斑やADM、盛り上がったシミ(脂漏性角化症)は対象外となることが多いです。
- ショット数制限:「無制限」と書いてあっても、「〇〇ショットまで」という上限が設けられているケースがあります。
- 薬剤代・麻酔代:プラン料金に含まれず、別途請求されることがあります。
意外とかかる「隠れコスト」を確認しよう
ホームページに大きく書かれている施術料金以外に、以下のような費用が発生する可能性があります。予算を組む際は、これらを含めた「総額」で考えることが大切です。
- 初診料・再診料:1,000円〜3,000円程度(無料のクリニックもあり)。
- 麻酔クリーム代:3,000円〜5,000円程度。痛みが不安な場合は必須です。
- 外用薬・内服薬代:炎症止めや美白剤など、数千円程度。
- 保護テープ代:数百円〜1,000円程度。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「『シミ取り2,000円』などの格安広告につられて受診したら、高額なコース契約を迫られたという相談も残念ながら受けます。クリニックを選ぶ際は、ホームページの料金表の隅々まで確認し、『オプション料金』や『必須の併用治療』がないかチェックすることが自衛策です。カウンセリング時に見積書をもらい、一度持ち帰って検討するのも賢い方法です。」
【画像イメージ付】治療後の経過とダウンタイムの過ごし方
「治療後の顔はどうなるの?」「仕事にはいつから行ける?」という点は、治療効果と同じくらい心配な要素でしょう。ここでは、一般的なシミ取りレーザー(スポット照射)を受けた後の肌状態の変化を、時系列で具体的に解説します。
▼Timeline here|治療当日〜1ヶ月後までの肌状態変化フロー
- Day 0(治療直後):患部が白く浮き上がり(ホワイトニング)、その後赤黒く変化。ヒリヒリとした熱感がある。
- Day 1〜3:患部が濃い茶色〜黒色になり、カサブタが形成される。見た目は「濃いシミ」の状態。
- Day 4〜10:カサブタが乾燥して縮み、洗顔などの刺激で自然に剥がれ始める。
- Day 10〜14:全てのカサブタが剥がれ落ち、ピンク色の新しい皮膚が現れる。
- Day 14〜1ヶ月:ピンク色が落ち着く。人によっては一時的に茶色くなる「戻りジミ」が出現する時期。
- 3ヶ月〜6ヶ月:戻りジミも徐々に消失し、周囲の肌色と馴染んで完成。
治療直後〜3日目:ヒリヒリ感と患部の黒変(カサブタ化)
レーザー照射直後は、軽い火傷のようなヒリヒリ感がありますが、数時間で治まります。照射部位は反応して一時的に色が濃くなります(黒色や焦げ茶色)。これは正常な反応ですので安心してください。
Qスイッチレーザーの場合は、この時点から保護テープを貼り続けます。ピコレーザーの場合は、軟膏を塗布するだけのことが多いですが、赤みが目立つ場合はコンシーラー等でカバーすることが可能です(医師の指示に従ってください)。
4日目〜10日目:カサブタが剥がれる時期と保護テープの扱い方
この期間は、カサブタが徐々に剥がれていくプロセスです。最も重要なのは「絶対に無理に剥がさないこと」です。無理に剥がすと、下の皮膚がまだ再生しきっておらず、色素沈着や傷跡の原因になります。
洗顔時は、患部をゴシゴシ擦らず、泡で優しく包み込むように洗ってください。タオルで拭く際も、押さえるように水分を吸い取ります。保護テープが自然に剥がれた場合は、新しいテープに貼り替えます。
治療後最大の壁「戻りジミ(炎症後色素沈着)」とは?
カサブタが取れて綺麗なピンク色の肌になった後、治療から1ヶ月ほど経ってから、再びシミのような薄茶色が浮き出てくることがあります。これを「戻りジミ(炎症後色素沈着:PIH)」と呼びます。
これはシミの再発や治療の失敗ではなく、レーザーの熱ダメージに対する皮膚の防御反応(一時的な炎症)です。日本人の肌質では約30〜40%の人に起こると言われています。重要なのは、ここで焦って追加照射をしないこと。適切なケア(紫外線対策、摩擦レス、美白剤の使用)を続ければ、通常3ヶ月〜半年程度で自然に消えていきます。
治療後のNG行動ワースト3
せっかくの治療を無駄にしないために、以下の3つは絶対に避けてください。
- 日焼け止めを塗らずに外出:治療後の肌はバリア機能が低下しており、紫外線の影響をダイレクトに受けます。わずかな日光でも色素沈着の原因になります。
- カサブタを無理に剥がす:気になっても触らないことが、早く綺麗に治すコツです。
- 患部をゴシゴシ擦る:洗顔、メイク、クレンジング時の摩擦は厳禁です。肌を動かさないような優しいタッチを心がけましょう。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「治療後の肌は『生まれたての赤ちゃん』と同じくらいデリケートです。日焼け止めは、曇りの日でも室内でも、365日必須です。ここでのケアを怠ると、せっかく取ったシミが再発したり、戻りジミが長引いたりしてしまいます。美肌への投資を守るためにも、アフターケアは徹底してください。」
失敗しない!信頼できる美容クリニックの選び方 5つの基準
コンビニよりも多いと言われる美容クリニック。その中から、安さだけでなく、安全性と信頼性を兼ね備えたクリニックを選ぶための、プロ視点でのチェックポイントを5つ紹介します。
カウンセリングは医師が行っているか?(カウンセラー任せは危険)
最初のカウンセリングを、医師ではなく「カウンセラー」や「コンシェルジュ」と呼ばれるスタッフだけで済ませようとするクリニックは要注意です。シミの診断は医療行為であり、医師にしかできません。必ず施術前に医師が肌を診て、診断と説明を行ってくれるクリニックを選びましょう。
「肌診断機(VISIAなど)」で隠れジミ・肝斑を確認してくれるか
肉眼では見えない隠れジミや、薄い肝斑を見落とさないために、専用の肌診断機(VISIAやレビューなど)を導入しているクリニックが推奨されます。客観的なデータに基づいて診断してくれるクリニックは信頼性が高いと言えます。
リスク(副作用・再発の可能性)も隠さず説明してくれるか
「絶対に消えます」「リスクはありません」といった耳障りの良いことしか言わないクリニックは危険です。医療に絶対はありません。戻りジミのリスクや、完全には消えない可能性、稀に起こる白斑化などのリスクについても、包み隠さず説明してくれる医師こそ誠実です。
料金体系が明朗か(処置代以外の費用の説明)
前述したように、麻酔代や薬代を含めた総額を明確に提示してくれるかを確認しましょう。契約を急かしたり、今日契約すれば安くなるといった勧誘をするクリニックは避けた方が無難です。
アフターフォロー体制(万が一のトラブル時の対応)
万が一、火傷のような症状が出たり、肌トラブルが起きたりした際に、迅速に診察・処置をしてくれる体制があるかどうかも重要です。LINEなどで気軽に相談できる窓口があるとなお安心です。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「HPの『症例写真』はあくまで成功例です。それだけで判断せず、実際にカウンセリングに足を運び、『私のシミの場合はどうなるか』『もし消えなかったらどうするか』を具体的に聞いてみましょう。その質問に対して、面倒がらずに納得いくまで説明してくれる医師を選んでください。相性の良い医師との出会いが、美肌への第一歩です。」
シミ取りに関するよくある質問(FAQ)
最後に、診察室で患者様からよくいただく質問にお答えします。
Q. シミ取り治療は痛いですか?麻酔は必要?
A. 輪ゴムでパチンと弾かれたような一瞬の痛みがあります。痛みの感じ方は個人差がありますが、我慢できる範囲という方が多いです。ただし、広範囲に照射する場合や痛みに弱い方は、麻酔クリーム(表面麻酔)を使用することで、痛みを大幅に軽減できます。不安な場合は遠慮なく麻酔を希望してください。
Q. 一回の治療で完全に綺麗になりますか?
A. 老人性色素斑であれば、1回で取れることも多いですが、シミの厚みや濃さによっては2回以上の照射が必要な場合もあります。また、ADMや肝斑は複数回の治療が前提となります。「1回で全て解決する」とは考えず、肌の状態に合わせて経過を見るとお考えください。
Q. 健康保険は使えますか?
A. 一般的なシミ(老人性色素斑)や肝斑、そばかすの治療は、美容目的とみなされるため「自費診療」となり、健康保険は使えません。ただし、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)や太田母斑などの一部の「アザ」に分類される疾患については、保険適用となる場合があります。保険診療を行っている形成外科や皮膚科で相談してみると良いでしょう。
Q. 男性のシミ取りも同じ治療法ですか?
A. 基本的な治療法は女性と同じです。近年は男性の患者様も非常に増えています。ただし、男性は日常的に日焼け止めを塗る習慣がない方が多く、治療後の紫外線対策が不十分になりがちです。治療を受ける際は、アフターケアも含めて生活習慣を見直すことが成功の鍵となります。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「ADMなど一部のアザに近いシミは保険適用になることもありますが、多くの美容目的のシミ取りは基本自費診療です。まずは一般皮膚科か美容皮膚科で診断を受けることをお勧めします。自己判断で市販薬を使い続けるより、一度の診断が解決への早道になることが多いですよ。」
まとめ:正しい診断と医療の力で、コンシーラーいらずの肌へ
シミ取り治療は、単にシミを消すだけでなく、毎朝のメイク時間を短縮し、鏡を見るのが楽しみになるポジティブな変化をもたらしてくれます。しかし、その成功のためには「安さ」よりも「正しさ」を選ぶことが何より重要です。
最後に、シミ取り治療を成功させるための重要ポイントをチェックリストにまとめました。これらを確認し、準備が整ったら、ぜひ信頼できるクリニックのカウンセリングを受けてみてください。
シミ取り治療を成功させるための最終チェックリスト
- [ ] 自分のシミの種類を医師に診断してもらったか(特に肝斑が混ざっていないか)
- [ ] 治療後のダウンタイム(テープ期間や赤み)に対応できるスケジュールを確保したか
- [ ] 提示された料金は、麻酔代や薬代を含めた「総額」であることを確認したか
- [ ] 治療後は「日焼け止めを毎日塗る」「患部を擦らない」というアフターケアを徹底する覚悟はあるか
あなたの肌悩みに対する最適な答えは、あなた自身の肌の中にあります。まずは専門家の目による診断を受け、自分にぴったりの治療プランを見つけることから始めましょう。
近くの信頼できるクリニックを探す
まずは無料カウンセリングを予約してみる
コメント