結論から申し上げます。アディオスプロ4は、前作Pro3で多くのランナーが感じていた「圧倒的な反発力」をそのまま維持しつつ、唯一の課題とも言えた「重量」と「アッパーのフィット感」を劇的に改善した、まさに正統進化モデルです。もしあなたが現在Pro3を使用していて、その走行性能に満足しつつも「もう少し軽ければ」「紐が結びやすければ」と感じているなら、迷わず買い替える価値は十分にあります。
本記事では、業界歴15年のランニングシューズフィッターであり、自身もサブ3ランナーとして月間300kmを走り込む私が、実際にアディオスプロ4を履いて走り込んだリアルな感想をお届けします。カタログスペックの羅列ではなく、現場で汗を流すランナーの視点で、以下の3点を中心に徹底解説します。
- アディオスプロ3から進化した3つの決定的なポイント(重量・アッパー・ソール構造)
- サブ3ペース(キロ4分前後)で実走して感じた「推進力」と「サイズ感」の真実
- ナイキ ヴェイパーフライ3やアルファフライ3など、強力なライバルとの比較と選び方
あなたの自己ベスト更新を支える「相棒」選びに、ぜひ役立ててください。
アディオスプロ4の進化点まとめ:Pro3から何が変わったのか?
多くのシリアスランナーが待ち望んだアディオスプロ4。まず最初に、前作アディオスプロ3から具体的に何が変わったのか、その進化の全体像を解説します。単なるデザイン変更ではなく、ランナーのパフォーマンスに直結する機能的なアップデートが施されています。特に注目すべきは、「軽量化」と「フィット感の向上」です。これらは、フルマラソンの後半30km以降で、脚が重くなった時にこそ真価を発揮する要素です。
ランニングシューズフィッターのアドバイス
「今回のモデルチェンジで最も評価すべきは、やはり『軽量化』です。フルマラソンでは、シューズの重量が100g増えるとエネルギー消費量が約1%増加すると言われています。わずか数グラム、数十グラムの違いでも、42.195km、約3万歩〜4万歩のステップを繰り返す中で、その負荷の差は累積し、終盤の失速に大きく影響します。アディオスプロ4が実現した軽量化は、まさに記録を狙うランナーのための進化と言えるでしょう」
【重量】待望の軽量化を実現!実測値での比較
アディオスプロ3は非常に優秀なシューズでしたが、競合他社のトップモデル(特にナイキのヴェイパーフライシリーズ)と比較すると、若干の「重さ」を感じるという声が少なくありませんでした。27.0cmで約220g前後(個体差あり)だった前作に対し、アディオスプロ4では素材の見直しと構造の最適化により、明確な軽量化を実現しています。
実際に手にとってみると、その軽さは数字以上に体感できます。特にアッパー素材の薄さと、アウトソールラバーの配置変更が効いている印象です。足を持ち上げるスイング動作において、シューズの先端が軽くなることで慣性モーメントが減少し、ピッチを維持しやすくなります。これは、ピッチ走法のランナーにとっては朗報と言えるでしょう。
【アッパー】新素材「LIGHTLOCK」によるフィット感の劇的改善
前作Pro3のアッパーは通気性に優れていましたが、一部のランナーからは「シューレース(靴紐)周りの素材が硬く、締め付けにくい」「長時間の走行で足の甲が痛くなる」といったフィッティングに関する課題が指摘されていました。
アディオスプロ4では、新開発の軽量アッパー素材(LIGHTLOCK等の名称で呼ばれる技術)を採用し、この問題を解消しています。この新素材は、一方向には伸縮せず足をしっかり固定し、もう一方には適度な柔軟性を持たせることで、足の形状に沿って吸い付くようなフィット感を提供します。実際に足を入れて紐を締めた瞬間、前作のような「硬さ」や「ゴワつき」がなく、足全体が優しく、かつ強力にロックされる感覚を得られました。
【ソール】ロッド形状の見直しと「転がり」感覚の変化
ミッドソール内部に搭載されたカーボン入りロッド「ENERGYRODS 2.0」も、微細なチューニングが施されています。前作同様、足指の骨格に沿った5本指形状のロッドが一体化されていますが、その剛性と配置が見直され、よりスムーズな重心移動が可能になりました。
Pro3は「カクン」と前に転がるロッカー機能が特徴的でしたが、Pro4ではその転がりがよりナチュラルになり、着地から蹴り出しまでの移行がシームレスになった印象です。これにより、特定の着地ポイント(フォアフットなど)に縛られすぎず、ミッドフットやヒール寄りの着地になった際でも、スムーズに前への推進力を得られるようになっています。
▼新旧モデル(Pro4 vs Pro3)スペック比較表
| 項目 | Adios Pro 4 | Adios Pro 3 | 進化のポイント |
|---|---|---|---|
| 重量 (27.0cm) | 約 200g 前後 ※サイズにより変動 |
約 220g 前後 | 約20gの軽量化。スイング動作が軽快に。 |
| アッパー素材 | 新開発軽量メッシュ (LIGHTLOCK等) |
CELERMESH 2.0等 | 足馴染みが向上し、紐締め時のストレスが激減。 |
| ミッドソール | LIGHTSTRIKE PRO (新配合) |
LIGHTSTRIKE PRO | 反発性は維持しつつ、より軽量でレスポンスが良い。 |
| ドロップ | 6.5mm – 6mm程度 (要公式確認) |
6.5mm | 大きな変更なし。違和感なく移行可能。 |
| 価格 | 定価ベースで維持〜微増 | 26,400円 (発売時) | 高機能化に伴う価格設定。 |
独自のテクノロジー解説:速さを生み出す構造の秘密
アディオスプロ4がなぜ速いのか。その秘密は、アディダスが誇る独自のテクノロジーの融合にあります。ここでは、カタログスペックに書かれている専門用語が、実際の走りのメカニズムにおいてどのような役割を果たしているのかを、解剖学的・力学的な視点から解説します。
LIGHTSTRIKE PROの配合変更?反発とクッションのバランス
ミッドソール素材である「LIGHTSTRIKE PRO(ライトストライク プロ)」は、アディダスのランニングシューズ史上、最も反発力とクッション性に優れたフォーム材です。Pro4に搭載されているフォームは、名称こそ同じですが、その配合や成型プロセスが見直されている可能性があります。
指で押した感触は、前作よりもわずかに「密度」を感じさせつつも、軽量です。着地した瞬間にグッと沈み込み、衝撃を吸収した直後に爆発的なエネルギーリターン(反発)を生み出します。この「沈み込みからの復元速度」が非常に速いため、地面との接地時間が短縮され、高速ペースでのランニングにおいても足が遅れることなく回転します。筋肉のブレを抑える適度な硬度も保たれており、長距離走行時の疲労軽減にも寄与しています。
ENERGYRODS 2.0の役割と推進力のメカニズム
他社の厚底シューズの多くが「カーボンプレート(板)」を採用しているのに対し、アディオスプロシリーズは「ENERGYRODS(エナジーロッド)」という棒状のパーツを採用しています。これは足の中足骨(足の甲にある骨)の形状を模したもので、解剖学的に理にかなった構造です。
板ではなくロッドであることの最大のメリットは、「足のねじれ」に対応できる点です。着地時には足が複雑に変形し、衝撃を分散させようとします。一枚板のプレートではこの動きを阻害してしまうことがありますが、独立したロッド構造であれば、個々の指の動きに合わせて適度にしなり、自然な足の動きを妨げません。そして蹴り出しの瞬間には、5本のロッドが一斉にバネのように弾け、強力な推進力を生み出します。Pro4ではこのロッドの剛性バランスが最適化され、より「足と一体化する」感覚が強まっています。
アウトソールパターンの変更とグリップ力への影響
アウトソールには、自動車タイヤメーカーであるContinental(コンチネンタル)社のラバーが採用されています。Pro4では、このラバーの配置パターンが変更されました。特に、蹴り出しで最も力がかかる母指球周辺のパターンが細分化され、路面を噛む力が向上しています。
また、軽量化のためにラバーを肉抜きしている部分も増えていますが、接地圧の分析データに基づき、摩耗しやすい部分にはしっかりと厚みを持たせています。これにより、雨天時の濡れたアスファルトや、マンホールの上でも滑りにくく、安心してコーナーを攻めることができます。グリップ力の向上は、無駄なエネルギーロスを防ぐ上で非常に重要です。
ランニングシューズフィッターのアドバイス
「ワールドアスレティックス(世界陸上連盟)の規定により、公式レースで使用できるシューズのミッドソールの厚さは40mm以下と定められています。アディオスプロ4はこの規定ギリギリの厚さを攻めており、ルール内で最大限のクッションと反発を得られるよう設計されています。エリートランナーはもちろん、市民ランナーが公認レースで記録を狙う際にも、安心して使用できる『公認ドーピング』とも呼べる機材です」
【実走レビュー】サブ3ペースで走ってわかったアディオスプロ4の真価
ここからは、実際に私がアディオスプロ4を履いて、様々なペースやシチュエーションで走ったレビューをお届けします。数値や理論だけでは語れない、ランナーの感覚的な部分を言語化していきます。
ファーストインプレッション:足を入れた瞬間の包み込み感
箱から取り出し、足を入れた瞬間に感じたのは「優しさ」でした。前作Pro3は、アッパー素材がやや硬質で、足を入れる際に少し抵抗感がありましたが、Pro4は履き口が広く、スムーズに足が滑り込みます。
紐を締め上げると、中足部(土踏まず周辺)がしっかりとロックされる一方で、前足部(指先周り)には適度なゆとりがあります。この「踵と甲はタイトに、指先はフリーに」というバランスが絶妙です。踵のホールド感も向上しており、歩いても踵が浮くような感覚は皆無でした。立っているだけで、つま先が少し持ち上がったロッカー構造により、体が自然と前傾姿勢になるのを感じます。
キロ4分〜3分半ペースでの走行感:勝手に足が前に出る感覚はあるか?
ウォーミングアップを終え、徐々にペースを上げていきます。キロ5分程度のジョグでは、クッションの柔らかさが際立ちますが、キロ4分(サブ2時間50分ペース)まで上げると、シューズの性格が一変します。
LIGHTSTRIKE PROが硬質化し、ENERGYRODSが強く反発し始めます。地面を「押す」というよりは、重心を前に移動させるだけで、シューズが勝手に足を前に転がしてくれる感覚です。特に、着地位置がスイートスポット(前足部寄り)に入った時の爆発力は凄まじく、自分が意図したよりもストライドが10cmほど伸びているような錯覚に陥ります。
キロ3分30秒まで加速しても、シューズが重りになることはなく、むしろピッチの回転を助けてくれます。前作よりも軽量化された恩恵はここで大きく感じられ、足の切り返しが非常にスムーズです。
30km走での検証:後半の脚持ちと安定性について
フルマラソンのシミュレーションとして、30km走も実施しました。最も注目したのは、疲労が蓄積してきた25km以降の挙動です。通常、疲れてフォームが崩れ、腰が落ちてくると、厚底シューズは不安定になりがちです。
しかし、アディオスプロ4は底面の幅(特に前足部)が広く設計されているため、着地が多少乱れてもグラつきにくいという特性があります。疲れて踵寄りの着地になっても、ミッドソールの厚みが衝撃を吸収し、スムーズに前足部へと体重移動をガイドしてくれます。結果として、30km終了時点でもふくらはぎへのダメージが少なく、「まだ足が残っている」感覚を得られました。これは、後半型(ネガティブスプリット)を目指すランナーにとって大きな武器になるはずです。
コーナリングと雨天時のグリップ力検証結果
テスト走行中に小雨が降るコンディションがありましたが、Continentalラバーのグリップ力は健在でした。濡れた白線の上や、直角に近いコーナーへの進入でも、足が外に流れることなく地面を捉え続けます。
特に、高速コーナーでの安定感は特筆すべき点です。厚底シューズ特有の「腰高感」による不安定さが軽減されており、安心して体重を預けて曲がることができました。
ランニングシューズフィッターのアドバイス
「アディオスプロ4は、フォアフット(つま先寄り)着地のランナーが最も恩恵を受けやすい構造ですが、ミッドフット(足裏全体)着地のランナーにも非常にマッチします。ヒールストライク(踵着地)のランナーの場合、ロッカー機能による『転がり』を利用することでスムーズに走れますが、過度なオーバープロネーション(内側への倒れ込み)がある場合は、足首の補強トレーニングを併用することをお勧めします」
失敗しないサイズ選びとフィット感の注意点
高価なシューズをネットで購入する際、最も不安なのがサイズ選びです。アディダスはモデルによってサイズ感が異なることがありますが、アディオスプロ4はどうでしょうか。失敗しないためのポイントを解説します。
前作Pro3とのサイズ感の違い:ハーフサイズ下げるべき?
結論から言うと、基本的には前作Pro3と同じサイズ、もしくは普段履いているランニングシューズと同じサイズ(ジャストサイズ)を選ぶことを推奨します。
Pro3はアッパー素材が薄く硬かったため、足型によっては「少し大きく感じる」「踵が抜ける」という理由でハーフサイズ(0.5cm)下げるランナーもいました。しかし、Pro4ではアッパーのフィット感と踵のホールド性が向上しているため、無闇にサイズを下げると、つま先が詰まって爪を痛めるリスクがあります。
私の場合、実測の足長が26.5cmで、Pro3は27.0cmを履いていましたが、Pro4も同様に27.0cmで完璧なフィット感でした。
足幅(ワイズ)と甲の高さに関する詳細レポート
足幅(ワイズ)に関しては、標準的な「E〜2E」相当といった印象です。極端に幅広というわけではありませんが、前足部のアッパーに柔軟性があるため、多少幅広の足でも窮屈さは感じにくいでしょう。
甲の高さについては、シュータン(ベロ)周辺の構造が改良され、甲高のランナーでも圧迫感を感じにくくなっています。紐での調整幅も広いため、様々な足型に対応可能です。
紐の締めやすさとヒールカップのホールド性
Pro3の最大の弱点とも言われた「紐の通しにくさ・締めにくさ」は、Pro4で大きく改善されました。アイレット(紐穴)の配置が見直され、スムーズに締め上げることができます。
ヒールカップには適度なクッションパッドが配置され、アキレス腱周りを優しく包み込みます。これにより、走行中の踵のズレが防止され、パワーロスがなくなりました。
▼主要ランニングシューズブランド別サイズ感マッピング
※筆者の着用感をベースにした目安です。
- Adidas Adios Pro 4: 27.0cm (基準) – ジャストフィット
- Adidas Adios Pro 3: 27.0cm – ややゆとりあり
- Nike Vaporfly 3: 27.5cm – Nikeは細身のためハーフ上げることが多い
- Asics Metaspeed Sky Paris: 27.0cm – アディダスに近いサイズ感
- New Balance FuelCell SC Elite: 27.0cm – 足幅広め
ランニングシューズフィッターのアドバイス
「試着時のポイントは『捨て寸(つま先の余裕)』です。立った状態で、一番長い指の先からシューズの先端まで、親指の爪の幅ひとつ分(約1.0cm〜1.5cm)の余裕があるか確認してください。フルマラソンでは足がむくみ、アーチが落ちて足長が伸びるため、ジャストすぎると後半に爪が死ぬ原因になります。また、レース本番で履く予定のソックスを持参して試着することも鉄則です」
ライバル徹底比較:Vaporfly 3 や Alphafly 3 との使い分け
アディオスプロ4の購入を検討する際、必ず比較対象となるのがナイキの「ヴェイパーフライ」「アルファフライ」、そしてアシックスの「メタスピード」シリーズです。それぞれの特徴と比較し、どのようなランナーがアディオスプロ4を選ぶべきかを明確にします。
vs Nike Vaporfly 3:軽さと反発の質はどう違う?
結論:安定感と転がりならAdios Pro 4、究極の軽さと跳ねならVaporfly 3。
ナイキのヴェイパーフライ3は、圧倒的な「軽さ」とZoomXフォームによる「柔らかい反発(跳ねる感覚)」が特徴です。一方、アディオスプロ4は、LIGHTSTRIKE PROの「コシのある反発」とENERGYRODSによる「スムーズな重心移動(転がる感覚)」が持ち味です。
ヴェイパーフライは着地衝撃をバネに変えて上に跳ねる感覚が強いですが、筋力がないと後半に姿勢を保つのが難しい場合があります。対してアディオスプロ4は、着地面積が広く安定性が高いため、後半に疲れてきてもフォームが崩れにくいという利点があります。「マラソン後半の失速を抑えたい」と考えるなら、アディオスプロ4に分があります。
vs Nike Alphafly 3:マラソン後半の助けになるのはどっち?
結論:扱いやすさならAdios Pro 4、ハマった時の爆発力ならAlphafly 3。
アルファフライ3は、前足部のエアポッドによる強力な反発が魅力ですが、その恩恵を受けるにはある程度の走力と、エアポッドを潰して反発をもらう技術が必要です。また、独特の形状から足音も大きくなりやすく、好みが分かれます。
アディオスプロ4は、アルファフライほどの人を選びません。癖が少なく、誰が履いても一定以上のパフォーマンスを引き出してくれる「懐の深さ」があります。サブ3〜サブ3.5レベルのランナーにとっては、アディオスプロ4の方がコントロールしやすく、結果的にタイムに繋がりやすいケースが多いでしょう。
vs Asics Metaspeed Sky/Edge Paris:ピッチ走法・ストライド走法との相性
アシックスのメタスピードシリーズは、走法(ピッチ型かストライド型か)に合わせてモデルを選べるのが強みです。アディオスプロ4は、どちらかと言えば「ストライドを伸ばしつつ、ピッチも刻める」というハイブリッドな性格を持っています。
特にENERGYRODSの特性上、ストライドを大きく取るランナーとの相性が良いですが、軽量化されたことでピッチ走法のランナーでも回しやすくなりました。メタスピードが「特定の走法に特化」しているのに対し、アディオスプロ4は「走法を選ばない万能型」と言えます。
▼アディオスプロ4 vs 競合トップモデル 性能比較一覧
| モデル | 重量感 | 反発の質 | 安定性 | おすすめランナー |
|---|---|---|---|---|
| Adidas Adios Pro 4 | 軽量 | 転がり+コシのある反発 | High | 安定して後半粘りたい人 |
| Nike Vaporfly 3 | 超軽量 | 柔らかく跳ねる | Low | 軽さと瞬発力重視の人 |
| Nike Alphafly 3 | 軽量 | エアによる強烈な反発 | Mid | 筋力があり反発を扱える人 |
| Asics Metaspeed Sky | 超軽量 | 反発でストライドを伸ばす | Mid | ストライド走法の上級者 |
耐久性とコスパ:高価なシューズを長く使うために
3万円を超える高額なレーシングシューズ。できるだけ長く、良い状態で使いたいというのは全ランナーの願いです。アディオスプロ4の耐久性について、独自の検証結果をお伝えします。
アウトソール(Continentalラバー)の摩耗テスト経過報告
アディダスのシューズに使われているContinentalラバーは、業界内でもトップクラスの耐久性を誇ります。実際に100kmほど走行した時点では、表面の微細な溝が少し削れた程度で、グリップ力に全く陰りは見えません。
競合他社のシューズでは、100kmも走るとアウトソールが剥がれたり、ミッドソールが露出して削れてしまったりすることがありますが、アディオスプロ4はその心配が少ないです。レース用として購入した後、距離を踏んで練習用(ポイント練習用)に格下げしても、長く使い続けることができるでしょう。
ミッドソールの「ヘタリ」はいつ来る?練習での使用頻度
LIGHTSTRIKE PROフォームは、比較的耐久性が高い素材です。私の経験上、初期の「最高の反発」を感じられるのは走行距離300km〜400km程度までですが、それ以降もクッション性は維持されます。
完全に反発がなくなり、練習用としても寿命を迎えるのは600km〜800kmあたりと推測されます。これは、寿命が早いと言われるヴェイパーフライシリーズと比較しても、1.5倍〜2倍近く長持ちする感覚です。コストパフォーマンス(1kmあたりの単価)で考えれば、アディオスプロ4は非常に優秀な選択肢と言えます。
ランニングシューズフィッターのアドバイス
「レース用シューズを長持ちさせる秘訣は『休ませる』ことです。ミッドソールのフォームは、走行によって圧縮されますが、時間が経てば元の形状に復元しようとします。一度履いたら最低でも2日、できれば3日は空けて、フォームを完全に回復させてあげてください。また、直射日光や高温多湿な場所(夏の車内など)での保管は、素材の劣化を早めるので厳禁です」
アディオスプロ4をおすすめする人・しない人
ここまで詳細にレビューしてきましたが、最終的にアディオスプロ4は「あなた」にとって買いなのでしょうか?ミスマッチを防ぐため、おすすめできる人とそうでない人を明確にします。
おすすめできる人:サブ3〜サブ3.5レベルで安定感を求めるランナー
- フルマラソンでサブ3〜サブ3.5(3時間半切り)を目標としている人
- レース後半で足が止まってしまう、失速癖をなんとかしたい人
- 反発力だけでなく、着地の安定感も重視したい人
- 1足のシューズでレースからポイント練習まで長く使いたい人
- Pro 3の性能は好きだが、重さとフィット感に不満があった人
おすすめしない人:極端な軽量性を求める人や、足首が極端に柔らかい人
- 1gでも軽いシューズこそが正義だと考える人(Vaporflyの方が軽いです)
- 地面の接地感(薄底の感覚)を大切にしたい人
- 足首の柔軟性が極端に高く、厚底だと捻挫の不安がある人(より低重心のモデルが推奨されます)
Pro3から買い替えるべきタイミングの目安
もし今履いているPro 3のアウトソールが削れてミッドソールが見えていたり、走行距離が400kmを超えて反発を感じなくなっているなら、即座にPro 4への買い替えをおすすめします。新品のPro 4に足を通した瞬間、忘れていた「前に進む感覚」が蘇り、モチベーションが一気に高まるはずです。
よくある質問 (FAQ)
最後に、アディオスプロ4の購入を検討しているランナーからよく寄せられる質問に回答します。
Q. 初心者(サブ4以降)でも履きこなせますか?
履くことは可能ですが、性能をフルに引き出すにはある程度の走力(キロ5分〜4分半ペース)が求められます。ゆっくりしたジョグペースでは、ロッドの硬さが逆に足への負担になる場合があります。ただし、将来的にサブ3.5を目指してトレーニングを積んでいるランナーが、スピード練習用や勝負レース用として導入するのは非常に有効です。
ランニングシューズフィッターのアドバイス
「筋力が十分に発達していないランナーが、カーボンプレート入りの厚底シューズを常用すると、足底筋膜炎やシンスプリントなどの故障リスクが高まることがあります。基礎的な筋力がつくまでは、クッション性と屈曲性に優れた『アディゼロ SL』や『ボストン』シリーズで足を鍛え、レース本番やポイント練習でのみプロ4を使用する『使い分け』を強く推奨します」
Q. インソールの取り外しや交換は可能ですか?
アディオスプロ4のインソールは接着されており、基本的には取り外し不可です。無理に剥がすとシューズを破損する恐れがあります。市販のインソールを入れると、シューズ内部の容積が狭くなりフィット感が損なわれるほか、重心バランスが崩れる可能性があるため、純正のまま使用することをおすすめします。
Q. 練習用として使うのはもったいないですか?
耐久性が高いとはいえ、高価なシューズですので、毎日のジョグで使うのはもったいないです。インターバル走、ペース走、距離走といった「ポイント練習」と、レース本番に絞って使用するのが賢い使い方です。メリハリをつけることで、本番で履いた時の「スイッチが入る感覚」も大切にできます。
まとめ:アディオスプロ4は自己ベスト更新の強力な武器になる
アディオスプロ4は、前作の課題を克服し、ランナーが求める「軽さ」「フィット感」「推進力」を高次元で融合させた傑作です。特に、マラソン後半の苦しい場面で、ランナーの背中を押し、足を前へと運んでくれる頼もしい相棒となるでしょう。
私自身、このシューズで次のレースに挑むのが楽しみで仕方ありません。道具が進化すれば、記録も進化します。あとは、その性能を引き出すために私たちが走るだけです。
シューズ選び最終チェックリスト
- 目的は明確か?:自己ベスト更新、レース用としての導入であること。
- サイズは適切か?:試着時に「捨て寸」が1.0cm程度あるか確認済みか。
- 走力に見合っているか?:サブ3〜サブ4レベルの走力、あるいはそこを目指す意志があるか。
- 使い分けの準備はOKか?:ジョグ用のシューズとは別に運用できるか。
このレビューが、あなたのシューズ選びの一助となり、目標達成の力となることを願っています。ぜひ、新しいアディオスプロ4で、自分史上最高の走りを体感してください。
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