リジュラン(サーモン注射)は、一時的な対処療法ではなく、肌細胞そのものを再生させ、ハリ・ツヤ・弾力を根本から底上げする「肌育」治療の最高峰として、現在美容医療の現場で最も注目されている施術の一つです。
しかし、その人気の裏で「種類が多くてどれを選べばいいかわからない」「想像以上に痛かった」「顔がボコボコになって焦った」といった声も少なくありません。リジュランは種類選びを間違えると効果が半減し、注入方法の選択によっては耐え難い痛みを伴うこともある、非常に奥が深い治療です。
この記事では、現役の美容皮膚科医である筆者が、効果を最大化する種類の選び方から、痛みを回避する麻酔テクニック、ダウンタイムのリアルな経過まで、医療現場の真実を包み隠さず解説します。
この記事でわかること
- リジュラン4種類(ヒーラー・i・s・HB)の成分の違いと、悩み別・部位別の正しい選び方
- 「手打ち」と「水光注射」の効果・痛みの差と、現役医師が教える痛み対策
- 施術後のダウンタイム(ボコボコ・内出血)のリアルな経過と過ごし方
リジュラン(サーモン注射)とは?肌再生のメカニズムとヒアルロン酸との違い
美容クリニックのカウンセリングで「肌のハリを出したい」と相談した際、リジュランを提案されることが増えています。しかし、これまでの主流であった「ヒアルロン酸注射」や「ボトックス」と何が違うのか、なぜ「サーモン」なのか、その根本的な仕組みを理解している患者様はまだ多くありません。
このセクションでは、リジュランがなぜ「肌育」の王様と呼ばれるのか、その科学的根拠と独自性について、専門用語を噛み砕いて解説します。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「ヒアルロン酸注入が『しぼんだ風船に空気を入れて膨らませる』治療だとすれば、リジュランは『風船のゴムそのものを新品のように分厚く丈夫にする』治療です。即効性のあるボリュームアップではなく、肌の基礎体力を上げることで、5年後、10年後の肌年齢に差をつけるのがリジュランの本質的な価値です。」
有効成分「ポリヌクレオチド(PN)」が肌細胞を修復する仕組み
リジュランの主成分は、ポリヌクレオチド(PN:Polynucleotide)と呼ばれる物質です。これは、細胞の核の中に存在するDNA(デオキシリボ核酸)を一定の規格でカットした断片であり、皮膚の自己再生力を強力に活性化させる働きを持っています。
私たちの肌は、加齢や紫外線ダメージによって、真皮層にある「線維芽細胞」の働きが衰えていきます。線維芽細胞はコラーゲンやエラスチンといった肌の弾力成分を生み出す工場のような存在ですが、この工場が稼働しなくなると、肌は薄くなり、シワやたるみが生じます。
PNを皮膚の真皮層に直接注入すると、人体はこれを「修復材料」として認識し、また同時に「組織を修復せよ」というシグナルとして受け取ります。これにより、休眠状態にあった線維芽細胞が再び活性化し、自身の力でコラーゲンやエラスチンを増産し始めます。さらに、血管の新生を促す作用もあり、血流が改善されることで肌のトーンアップや治癒力の向上が期待できるのです。
なぜ「サーモン」なのか?人体への適合性と安全性(アレルギーリスク)
「サーモン注射」という別名の通り、リジュランのPNはサケ(サーモン)の精巣から抽出されています。なぜサケなのかというと、サケのDNA構造(塩基配列)が、人体のDNAと極めて似ているからです。
この類似性の高さにより、リジュランは人体に注入しても異物反応(アレルギー反応や拒絶反応)が起こるリスクが極めて低いという特徴があります。もちろん、魚卵アレルギーなど特定の重篤なアレルギーを持つ方は注意が必要ですが、精製過程でタンパク質などのアレルギー原因物質は徹底的に除去されているため、一般的に非常に安全性の高い製剤として世界中で使用されています。
従来の「成長因子(グロースファクター)」を添加した製剤の中には、効果は高いものの安全性が確立されていないものもありましたが、リジュランは副作用のリスクを最小限に抑えつつ、自然な若返りを実現できる点が医師からも高く評価されています。
従来のヒアルロン酸注射(ボリュームアップ)とリジュラン(肌質改善)の目的の違い
多くの患者様が混同されるのが、従来のヒアルロン酸注射との違いです。ここで言うヒアルロン酸とは、鼻を高くしたり、顎を作ったり、深いほうれい線を埋めたりする「架橋ヒアルロン酸」のことを指します。
ヒアルロン酸は物理的に「形を作る」「溝を埋める」ことが得意ですが、肌質そのものを変えることはできません。一方、リジュランはボリュームを出す力はほとんどありませんが、皮膚そのものを厚く、緻密に、健康にする力があります。
例えば、目の下のクマに対して、影を消すために膨らませるのがヒアルロン酸、薄くなった皮膚を厚くして透け感をなくし、小じわを消すのがリジュランです。これらは対立するものではなく、目的が異なるため、併用することで相乗効果を得られることも多いのです。
リジュランがもたらす3大効果:ハリ弾力アップ・水分保持・抗炎症作用
リジュランを継続することで得られる効果は、大きく分けて以下の3点に集約されます。
- ハリ・弾力の向上(皮膚の厚み増加)
真皮層のコラーゲン密度が高まることで、肌の内側から押し返すような弾力が生まれます。これにより、ちりめんジワや毛穴の開きが目立たなくなります。 - 油水分バランスの正常化(水分保持)
乾燥肌の方は保水力が高まりしっとりとした肌に、脂性肌の方は過剰な皮脂分泌が抑制され、バランスの整った肌になります。インナードライの改善に特に有効です。 - 抗炎症・鎮静作用
ニキビの炎症を抑えたり、赤ら顔を改善したりする効果があります。敏感肌でレーザー治療が難しい方でも、リジュランなら肌のバリア機能を高めながら治療が可能です。
詳細を見る|リジュラン・ヒアルロン酸・ボトックスの作用比較図
| 比較項目 | リジュラン(PN) | ヒアルロン酸 | ボトックス |
| 主な目的 | 肌質改善・再生 (肌育) |
形状形成・充填 (ボリューム) |
表情筋抑制 (シワ予防) |
| 作用機序 | 細胞修復・血管新生 コラーゲン増生 |
物理的なボリュームで 溝を埋める |
筋肉の動きを止めて シワを寄らなくする |
| 適応症状 | 小じわ、ハリ不足、 ニキビ跡、クマ |
深いシワ、こけ、 鼻・顎の形成 |
眉間・額のシワ、 エラ張り |
| 見た目の変化 | 自然な若返り 肌のキメが整う |
直後から変化大 輪郭が変わる |
シワが寄らなくなる 肌がピンと張る |
【医師解説】リジュラン4種類の違いと選び方|ヒーラー・i・s・HB
リジュランの効果を最大限に引き出すために最も重要なのが、「適切な製剤選び」です。現在、日本国内のクリニックで主に取り扱われているリジュランには、「ヒーラー(無印)」「i(アイ)」「s(スカー)」「HB(ハイドロブースター)」の4種類が存在します。
これらはすべてPNを主成分としていますが、PNの濃度、粘度(硬さ)、その他の配合成分が異なり、それぞれ適した部位や悩みが明確に分かれています。ここを間違えると、「目の下がボコボコになった」「ニキビ跡に効かなかった」という失敗に繋がります。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「『とりあえず一番有名なヒーラーを全顔に』というオーダーは危険です。皮膚の薄い目元に硬いヒーラーを入れると、吸収されずにしこりになるリスクがありますし、逆に深いニキビ跡に柔らかいiを入れても持ち上がりません。プロは顔の部位ごとに、皮膚の厚みを見極めて製剤を使い分けます。」
リジュラン(ヒーラー):顔全体のハリ・弾力に特化したスタンダード製剤
一般的に「リジュラン」といえば、この「リジュランヒーラー(Rejuran Healer)」を指します。パッケージは黒色で、最もスタンダードなタイプです。
特徴:
バランスの取れたPN濃度と粘度を持っており、顔全体(頬、額、首など)の広範囲な肌質改善に適しています。真皮層に広く行き渡り、全体のハリ感アップ、小じわ改善、脂性肌の改善に効果を発揮します。
適応部位:
頬、額、フェイスライン、首、手の甲など、ある程度皮膚に厚みがある部位。
リジュランi(アイ):目元の小じわ・クマ・皮膚の薄い部位に最適化された低粘度タイプ
「i」はeye(目)の頭文字で、その名の通り目元専用に開発された製剤です。パッケージは白色です。
特徴:
ヒーラーに比べてPNの粘度が低く、非常にサラサラとしています。これにより、皮膚が極めて薄い目周りに注入しても、ボコボコとした膨らみが残りにくく、自然に馴染むように設計されています。吸収が早いためダウンタイムも比較的短めです。
適応部位:
目の下のクマ、目尻のシワ、まぶたのくぼみなど、皮膚が薄くデリケートな部位。
リジュランs(スカー):ニキビ跡・クレーター・傷跡を持ち上げる高粘度タイプ
「s」はscar(傷跡)の頭文字です。パッケージは青色です。
特徴:
シリーズの中で最も粘度が高く、硬い製剤です。PN濃度も高く設定されています。この硬さを利用して、凹んだニキビ跡(クレーター)や傷跡の真下に注入し、物理的に皮膚を内側から持ち上げながら、組織の再生を促します。フィラー(充填剤)のような役割と再生作用を兼ね備えています。
適応部位:
ニキビ跡(クレーター)、陥没した傷跡、深いシワの局所的な治療。
リジュランHB(ハイドロブースター):麻酔成分&ヒアルロン酸配合で「痛み軽減」と「保湿」を強化
近年、人気が急上昇しているのがこの「HB」です。パッケージは赤色です。
特徴:
最大の特徴は、PNに加えて「非架橋ヒアルロン酸(保湿用)」と「リドカイン(麻酔成分)」があらかじめ配合されている点です。リジュラン最大のデメリットである「注入時の痛み」を、麻酔成分によって大幅に軽減(従来比で約50%減とも言われます)できます。また、ヒアルロン酸による即時的な保湿効果・水光効果が得られるため、直後から肌のツヤを感じやすいのもメリットです。
ただし、PNの含有量自体はヒーラーの半分程度であるため、純粋な「再生能力」だけを比べるとヒーラーに軍配が上がります。痛みへの恐怖が強い方や、乾燥対策も同時に行いたい方に最適です。
適応部位:
顔全体、首、デコルテ。痛みに敏感な方や、乾燥肌の方。
結局どれがいい?悩み別おすすめ製剤フローチャート
ご自身の悩みに合わせて、以下のフローチャートを参考に選定してください。
詳細を見る|リジュラン4種類のスペック比較表
| 種類 | リジュラン (ヒーラー) |
リジュランi | リジュランs | リジュランHB |
| パッケージ色 | 黒 | 白 | 青 | 赤 |
| 粘度(硬さ) | 中 | 低(サラサラ) | 高(硬い) | 中 |
| 主な成分 | PN 2% | PN 1% | PN 2% | PN 1% + HA + 麻酔 |
| 最適部位 | 顔全体・首 | 目元・薄い皮膚 | ニキビ跡・傷跡 | 顔全体(乾燥肌) |
| 痛みの程度 | 強い | やや強い | 強い | 軽減(マイルド) |
【簡易フローチャート】
- Q1. 一番の悩みは?
- 目元の小じわ・クマ → リジュランi
- ニキビ跡の凹み(クレーター) → リジュランs
- 顔全体のハリ・ツヤ不足 → Q2へ
- Q2. 痛みには強いですか?
- 絶対に痛いのは嫌だ・乾燥も気になる → リジュランHB
- 多少痛くても、再生効果(PN濃度)を最優先したい → リジュランヒーラー
「痛い」って本当?注入方法(手打ちvs機械)による違いと痛み対策
リジュランを検討する上で、最大のハードルとなるのが「痛み」です。ネット上では「罰ゲームのような痛み」「涙が止まらなかった」という口コミも散見されます。医師として正直に申し上げますが、リジュランは痛い施術です。
しかし、注入方法(デバイス)の選択や、適切な麻酔の使用によって、その苦痛をコントロールすることは可能です。ここでは、痛みの実態と、それを最小限に抑えるためのテクニックについて解説します。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「痛みの感じ方は、注入方法で7割決まります。効果を追求するなら『手打ち』がベストですが、痛みに弱い方が無理をして手打ちを選ぶと、次回から通えなくなってしまいます。継続こそが力なりですので、初回は無理せず機械打ちやHBを選択するのも賢い戦略です。」
【医師推奨】効果重視なら「手打ち(ドクター手技)」一択である理由
リジュランの効果を100%引き出したいのであれば、医師が注射器を使って一針一針注入していく「手打ち(マニュアルインジェクション)」が最も推奨されます。
メリット:
- 薬剤の漏れがない: 機械打ちは皮膚に針を刺す瞬間に陰圧をかけるため、どうしても肌表面に薬剤が漏れ出てしまうロスが発生します。手打ちは確実に真皮内に全量を届けられます。
- 深さと量の微調整が可能: 目元のキワや小鼻の横など、機械では届かない細かい部分まで攻めることができます。また、シワの深い部分には多めに、といったオーダーメイドな注入が可能です。
デメリット:
- 痛みが強い: 針を刺す回数が数百回に及ぶため、痛みの総量は多くなります。
- ダウンタイムが目立つ: 注入直後は、虫に刺されたような「エンボス(ボコボコ)」がはっきりと出ます。
痛み重視なら「水光注射(メソガン・インジェクター)」|メリットと液漏れのリスク
痛みを軽減したい場合は、「水光注射(ダーマシャインなど)」や「メソガン(MPガンなど)」といった専用の注入機器を使用します。
メリット:
- 痛みが緩和される: 皮膚を吸引しながら極細の針で瞬時に注入するため、手打ちに比べて痛みを感じにくくなります。特にメソガンは「高速連射」により、痛みを感じる前に注入が終わるため、麻酔なしで受ける方もいるほどです。
- 均一な注入: 設定した深さと量で、顔全体にまんべんなく薬剤を行き渡らせることができます。
デメリット:
- 薬剤ロスの発生: 機種にもよりますが、肌表面への液漏れによるロスは避けられません。
- 内出血のリスク: 吸引タイプの機器(水光注射)は、吸引による内出血が出やすい傾向があります。
痛みのリアル:ゴムで弾かれる痛み?薬液が入る鈍痛?患者様の生の声
リジュランの痛みには2種類あります。「針が刺さるチクッとする痛み」と、「薬液が真皮内に入ってくる時のズーンという鈍痛(膨張痛)」です。
リジュランの薬剤は、pH値や浸透圧の関係、そして粘度があるため、他の薬剤(ボトックスなど)に比べて注入時の不快感が強いのが特徴です。患者様からはよく「焼けるような痛み」「熱い液体が広がる感じ」「骨に響くような重い痛み」と表現されます。
特に、皮膚が薄く神経が過敏な「目の周り」や「額」、皮膚が硬い「鼻下(人中)」は痛みを強く感じやすい部位です。
麻酔クリームだけでは不十分?ブロック麻酔・笑気麻酔の併用検討ライン
多くのクリニックでは、オプションで表面麻酔(麻酔クリーム)を用意しています。これは必須レベルでつけるべきですが、リジュランの手打ちの場合、クリーム麻酔だけでは痛みを完全に取り除くことは難しいのが現実です。
痛みに弱い方が手打ちを受ける場合は、以下の麻酔オプションの追加を強くおすすめします。
- ブロック麻酔(神経ブロック注射): 目の下や口周りの神経の根元に麻酔を打つことで、その領域の感覚をほぼ無にします。特にリジュランiを目元に打つ際や、人中への注入時に絶大な効果を発揮します。
- 笑気麻酔(ガス麻酔): 鼻からガスを吸うことで、お酒に酔ったようなふわふわした状態になり、痛みへの恐怖心や不安感を和らげます。痛みがなくなるわけではありませんが、気が紛れるため施術が楽になります。
▼筆者の体験談:痛みに弱い患者様への対応エピソード
以前、痛みに非常に弱いという患者様に、十分な説明の上でリジュランヒーラーの手打ちを行いました。しかし、表面麻酔をしていても、最初の一刺しで「無理です!」と涙目になられ、施術を中断せざるを得ない状況になりました。
その際は、急遽ブロック麻酔を追加し、冷却時間を長めにとることでなんとか完遂できましたが、患者様にとっては辛い記憶になってしまったと反省しました。
それ以来、私はカウンセリングの時点で「痛みの許容度」を慎重に確認し、不安な方には最初から「リジュランHB」をお勧めするか、ブロック麻酔をセットで提案するようにしています。「痛くない」と嘘をつくのではなく、「痛いけれど、こうすれば乗り越えられる」と具体策を提示することが、医師としての誠意だと考えています。
効果はいつから?ダウンタイムと必要な回数・頻度
リジュランは「肌を育てる」治療であるため、整形手術のような劇的な変化が翌日に現れるわけではありません。また、施術直後は独特のダウンタイムがあります。仕事やプライベートの予定を調整するためにも、経過のイメージを正しく持っておくことが大切です。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「リジュランは『3回目の壁』を超えてからが本番です。1回目で肌の変化を感じる方もいますが、細胞レベルでの修復が定着し、誰が見ても肌が綺麗になったと言われるのは、3回ワンクールを終えた頃からです。」
施術直後の状態:エンボス(ボコボコ)は数時間〜翌日で引くのが一般的
手打ちで施術した場合、注入箇所が蚊に刺されたようにプクプクと膨らみます。これを「エンボス(エンボス加工のような状態)」と呼びます。これは失敗ではなく、薬剤が正しく真皮層に留まっている証拠です。
- リジュランヒーラー・sの場合: 粘度が高いため、エンボスが目立ちやすく、完全に平らになるまで24〜48時間程度かかることがあります。翌日はマスクが必要になる場合が多いでしょう。
- リジュランi・HBの場合: 比較的柔らかいため馴染みが早く、数時間〜翌朝にはほとんど目立たなくなります。
内出血のリスクと隠し方:目元は特に出やすい?メイクで隠せる?
針を使う以上、内出血のリスクはゼロにはできません。特に目元など皮膚が薄く毛細血管が豊富な部位は、内出血が出やすい傾向にあります。
もし内出血が出てしまった場合、青紫色から黄色へと変化しながら、完全に消えるまで1〜2週間かかります。ただし、施術翌日からメイク(コンシーラーやファンデーション)が可能になることがほとんどですので、ある程度は隠して生活することができます。大事なイベント(結婚式や撮影など)がある場合は、念のため2週間以上前に施術を受けることを推奨します。
効果実感のタイムライン:1回目より2回目、3回目で劇変する理由
リジュランの効果の現れ方は、階段状です。
- 1回目(施術後2〜3週間): 「なんとなく化粧ノリがいいかも?」「乾燥しにくくなったかも?」という程度の変化を感じ始めます。
- 2回目(1回目から3〜4週間後): 肌のハリ感を明確に感じ始めます。毛穴が引き締まり、周囲から「肌綺麗になった?」と聞かれることが増えます。
- 3回目〜4回目(1クール終了): 肌質が根本から変わり、水分と油分のバランスが整った「水光肌」が定着します。小じわやニキビ跡の改善もこの頃に実感のピークを迎えます。
持続期間とメンテナンス:1クール(3〜4回)終了後の維持方法
メーカー推奨のプロトコルでは、最初は2〜3週間に1回のペースで3〜4回の施術を行い、集中的に肌組織を再生させます。
1クール終了後は、リセットされた肌状態を維持するために、半年に1回〜1年に1回程度のメンテナンス施術を行うのが理想的です。リジュランによって増えたコラーゲンや再生された組織は、ヒアルロン酸のように数ヶ月で溶けてなくなるものではないため、効果の持続性は非常に長い(老化のスピードを遅らせるイメージ)と言えます。
詳細を見る|施術直後〜1週間後までのダウンタイム経過目安
| 経過 | 状態(手打ちの場合) | 過ごし方のアドバイス |
| 施術直後 | 全顔にボコボコ(エンボス)、赤み、ヒリヒリ感。 | 洗顔・メイク不可。処方された軟膏のみ塗布。マスク必須。 |
| 翌日 | ボコボコは吸収され平坦に。針穴の赤点が残る。内出血が出る場合も。 | 洗顔・メイク解禁。内出血があればコンシーラーでカバー。 |
| 3日目 | 赤みはほぼ消失。内出血が黄色くなる。肌の乾燥を感じることも。 | 保湿を徹底する。紫外線対策をしっかり行う。 |
| 1週間後 | ダウンタイム終了。肌のツヤが出始める。 | 通常通りのスキンケア。摩擦を避ける。 |
リジュランのメリット・デメリットと向いていない人
どんなに優れた治療にも、向き不向きがあります。リジュランの特性を正しく理解し、ご自身のライフスタイルや性格に合っているかを判断しましょう。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「リジュランで失敗したと感じる人の多くは、『即効性』を過度に期待していたケースです。『来週のデートまでにシワを消したい』という方にはボトックスやヒアルロン酸を勧めます。リジュランは『肌の基礎工事』ですので、じっくり取り組める方に向いています。」
メリット:根本治療なので不自然にならない・副作用が極めて少ない
リジュラン最大のメリットは、「不自然な顔にならない」ことです。ヒアルロン酸の入れすぎで顔がパンパンになったり、ボトックスで表情が固まったりするようなリスクがありません。あくまで自分の細胞を活性化させる治療なので、仕上がりは非常にナチュラルです。
また、前述の通りアレルギー反応や血管塞栓(血管が詰まる事故)のリスクが極めて低く、長期的に見ても安全性が高い治療法です。
デメリット:即効性は低い・痛みが強い・複数回施術でコストがかかる
一方で、デメリットも明確です。
- 即効性がない: 打ってすぐ綺麗になるわけではありません。
- 痛みが強い: 特に手打ちは覚悟が必要です。
- コストがかかる: 1回あたりの相場は3〜8万円程度ですが、効果を出すには3〜4回必要なため、総額ではまとまった金額になります。
リジュランをおすすめできない人:即効性を求める人・痛みに極端に弱い人
以下のような方には、リジュラン以外の治療法を提案することがあります。
- 直近(1週間以内)に大事な予定があり、即座に見た目を変えたい方
- 先端恐怖症の方や、痛みに極度に弱く、麻酔を使っても耐えられない方
- 1回の施術で完結させたい方
他の施術(ポテンツァ・ダーマペン)との比較と併用効果
よく比較される「ポテンツァ」や「ダーマペン」は、針で穴を開けて「創傷治癒力」を利用する治療です。これらとリジュランを組み合わせる(ドラッグデリバリーシステムでリジュランを導入する)ことは非常に理にかなっています。
ポテンツァなどで肌に微細な穴を開け、そこにリジュランを浸透させることで、真皮層への薬剤到達率を高めつつ、針刺激によるコラーゲン生成も同時に狙えるため、ニキビ跡や毛穴治療においては最強の組み合わせの一つと言えます。
後悔しないクリニックの選び方と価格相場
リジュランは薬剤そのものの原価が高いため、極端な低価格で提供しているクリニックには注意が必要です。安物買いの銭失いにならないよう、クリニック選びのポイントを押さえましょう。
価格相場:安すぎるクリニックには理由がある(注入量・製剤の真贋)
リジュラン(ヒーラー2cc)の日本国内での相場は、1回あたり4万円〜8万円程度です。
もし「1回1万円台」など相場を大きく下回る場合、以下の可能性が考えられます。
- 注入量が少ない: 本来2cc使うべきところを1ccしか使っていない、あるいは他の薬剤で薄めている(カクテル注射)。
- 別途手技料がかかる: 薬剤費は安いが、医師の手打ち料金や麻酔代が高額に設定されている。
- 類似品の使用: 正規のリジュランではなく、安価なPN製剤を使用している。
予約前に、必ず「総額でいくらか」「使用する薬剤は純正のリジュランか」「注入量は何ccか」を確認しましょう。
医師の技術力:手打ちは「深さ」と「均一さ」が命
特に手打ちを希望する場合、医師の技術力が結果に直結します。リジュランは真皮層という非常に浅い層に注入する必要がありますが、これが深すぎると(皮下脂肪層に入ると)吸収されてしまい効果が出ません。逆に浅すぎると薬剤が漏れてしまいます。
適切な深さに、均一な間隔で、膨大な回数の注入を行うには、熟練した技術と根気が必要です。症例写真を見て、エンボス(ボコボコ)が均一に並んでいるかどうかが、上手な医師を見分ける一つの指標になります。
痛み対策の充実度:麻酔の種類や冷却対応を確認しよう
「痛みへの配慮」があるかどうかも重要です。麻酔クリームを塗って放置する時間を十分に取ってくれるか、施術中もクーリング(冷却)を行いながら打ってくれるか、ブロック麻酔や笑気麻酔のオプションがあるかなど、痛みを和らげるための工夫をしているクリニックを選びましょう。
カウンセリングでの確認事項チェックリスト
カウンセリングに行く際は、以下の項目を確認してください。
- 希望する部位にはどのリジュラン(ヒーラー/i/s/HB)が適しているか?
- 注入方法は手打ちか、機械(水光注射)か? 手打ちの場合、追加料金はかかるか?
- 麻酔代は含まれているか? どのような麻酔が使えるか?
- 万が一の内出血やトラブル時の対応はどうなっているか?
リジュランに関するよくある質問(FAQ)
最後に、診察室で患者様からよくいただく質問にお答えします。
Q. 目の下のクマにはリジュランiと脱脂、どちらが先ですか?
A. クマの種類によりますが、膨らみが大きい場合は「脱脂」が先です。
目の下の脂肪(眼窩脂肪)が突出して影になっている黒クマの場合、まずは外科的に脂肪を取る「脱脂術」を行うのが基本です。脱脂後に残った小じわや皮膚の透け感に対して、仕上げとしてリジュランiを行うのが最も美しい仕上がりになります。膨らみが軽度の場合は、リジュランiだけでハリを出して目立たなくすることも可能です。
Q. 施術当日の洗顔・メイク・入浴は可能ですか?
A. 施術後6時間は避けてください。
針穴が完全に塞がるまで、最低でも6時間はメイクや洗顔を控えることを推奨します。当日はシャワーのみにし、長時間の入浴やサウナ、激しい運動など血行が良くなる行為は、内出血や腫れを悪化させる可能性があるため避けてください。翌朝からは通常通りで構いません。
Q. ボトックスやヒアルロン酸と同日に受けられますか?
A. 可能です。
同日施術は可能です。むしろ、表情ジワをボトックスで止めつつ、リジュランで肌質を改善するのは非常に良い組み合わせです。ただし、注入部位が重なる場合や、ヒアルロン酸の定着を優先したい場合など、医師の判断で順番を調整したり、日程を分けたりすることもあります。
Q. リジュランの効果はずっと続きますか?(永続性について)
A. 効果は永続ではありませんが、貯金は残ります。
リジュランで再生した細胞や増えたコラーゲンは、ご自身の組織ですので、ヒアルロン酸のように急になくなることはありません。しかし、人間は生きている限り老化し続けるため、時間の経過とともに再びコラーゲンは減少していきます。「時計の針を少し巻き戻し、そこからまたゆっくり進み始める」イメージです。良い状態をキープするには、定期的なメンテナンスをお勧めします。
現役美容皮膚科医のアドバイス
「美容医療において『一生モノ』の施術は外科手術以外ほとんどありません。しかし、リジュランのような肌育治療をコツコツ続けることは、高級な美容液を使い続けるよりも遥かに確実な投資になります。5年後の同窓会で差が出るのは、こうした地道なケアを継続している方です。」
まとめ:リジュランは「痛み」を乗り越える価値がある最強の肌育治療
リジュラン注射は、一時的なごまかしではなく、肌の生理機能を根本から立て直すことができる画期的な治療です。「痛い」というハードルは確かにありますが、それを乗り越えた先には、メイクでは作れない本物の「水光肌」と、年齢に負けない「厚みのある肌」が待っています。
リジュラン施術を受ける前の最終確認チェックリスト
- 自分の悩み(部位)に合ったリジュランの種類(ヒーラー/i/s/HB)を選べているか?
- 「手打ち」か「機械打ち」か、効果と痛みのバランスを考えて決めたか?
- 痛みに弱い場合、ブロック麻酔や笑気麻酔などの対策を準備しているか?
- 施術後数日間のダウンタイム(ボコボコ・内出血)があっても大丈夫なスケジュールか?
- 1回で終わらせず、3回通う予算と覚悟はあるか?
現役美容皮膚科医のアドバイス
「これからリジュランを受ける方へ。最初は痛みに驚くかもしれませんが、2回目、3回目と肌が生まれ変わっていく喜びを知ると、その痛みが『効いている証拠』としてポジティブに感じられるようになる患者様も多いです。まずは信頼できる医師に相談し、あなたに最適なプランを見つけることから始めてみてください。その一歩が、未来の美肌への確実な投資となります。」
ぜひ今日から、ご自身の肌と向き合い、最適な「肌育」を始めてみてください。
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