40代を迎えてから、「夕方になるとパソコンの文字がぼやける」「目の奥が重くて頭痛がする」「光が以前よりまぶしく感じる」といった症状に悩まされていませんか?
結論から申し上げますと、40代以降の「目の霞み」や「疲れ」は、単なる老化現象や眼精疲労ではなく、緑内障や網膜疾患など、最悪の場合「失明」につながる病気の初期サインである可能性が否定できません。
自己判断で市販の目薬を使い続けることは、病気の発見を遅らせる最大のリスク要因です。将来にわたって視力を守り、仕事のパフォーマンスを維持するためには、適切な設備と経験豊富な専門医がいる眼科での早期検査が唯一の解決策です。
この記事では、臨床現場で多くの患者さんを診てきた眼科専門医の視点から、以下の3点を中心に解説します。
- 眼科専門医が教える「信頼できるクリニック」を見極める5つの基準
- 「ただの疲れ目」では済まされない、即受診すべき危険な症状チェックリスト
- 初診にかかる費用・時間と、検査時にやってはいけない注意点
この記事を読むことで、あなたの現在の症状が「様子見で良いもの」か「すぐに眼科に行くべきもの」かが明確になり、自分に合った最適な眼科クリニックを選べるようになります。ぜひ最後までお読みいただき、大切な「目の健康寿命」を守る行動につなげてください。
まず確認!眼科を受診すべき「危険なサイン」とセルフチェック
多くの働き盛りの男性は、目に違和感があっても「寝れば治る」「市販の目薬でなんとかなる」と考えがちです。しかし、目の病気の中には、自覚症状が出た時にはすでに進行してしまっているものが少なくありません。まずは、ご自身の症状が眼科受診に値するかどうか、以下のチェックリストで確認してください。
Checklist here|眼科受診セルフチェックシート
- 夕方になるとピントが合いにくい、文字がぼやける(近くが見えにくい、または遠くが見えにくい)
- 光を見るとまぶしい、街灯の周りに虹のような輪が見える(眼圧上昇の可能性)
- 視野の一部が欠けている気がする(片目ずつ隠して確認すると、見えない範囲がある)
- 黒い点や糸くずのようなものが飛んで見える(飛蚊症:ひぶんしょう)
- 目の奥が重い、頭痛やひどい肩こりが続く
- 直線が歪んで見える(障子の桟やエクセルなどの格子状の線が波打って見える)
- 目が乾く、ゴロゴロする感覚が1週間以上続く
上記の項目に一つでも当てはまる場合、または「なんとなく見え方がおかしい」と感じる場合は、眼科での精密検査を強くお勧めします。
「疲れ目(眼精疲労)」と「病気」の境界線
日常的に使われる「疲れ目」という言葉ですが、医学的には「眼疲労」と「眼精疲労」に区別されます。「眼疲労」は一時的なもので、十分な睡眠や休息をとれば回復する状態を指します。一方、「眼精疲労」は休息をとっても目の痛み、霞み、頭痛、肩こり、吐き気などの症状が残り、継続的に不快感が続く状態です。
しかし、ここで注意が必要なのは、「眼精疲労だと思っていたら、実は背後に重大な病気が隠れていた」というケースが非常に多いという事実です。例えば、初期の緑内障や白内障、あるいはドライアイによって見えにくさが生じ、それを補おうとして目に過度な負担がかかり、結果として眼精疲労の症状が出ている場合があります。
つまり、疲れ目は「原因」ではなく、何らかの目のトラブルによる「結果」である可能性が高いのです。特に40代以降は、目の調節機能(ピントを合わせる力)が低下する「老眼」が始まる時期とも重なるため、単なる使いすぎによる疲れなのか、機能低下によるものなのか、あるいは病的なものなのかを自己判断することは極めて困難です。
【緊急度別】すぐに眼科に行くべき症状 vs 様子見で良い症状
目の症状には、「数日様子を見ても良いもの」と、「一刻も早く、今日中にでも受診すべきもの」があります。この判断を誤ると、取り返しのつかない視力障害を残すことになりかねません。
【緊急度:高(即日受診を推奨)】
- 急激な視力低下: 朝起きたら急に見えなくなった、数時間で見え方が悪化した。網膜中心動脈閉塞症などの血管障害や、網膜剥離の可能性があります。
- 激しい目の痛みと頭痛・吐き気: 急性緑内障発作の疑いがあります。放置すると数日で失明する恐れがある緊急事態です。
- 視野の欠損: カーテンが下りたように視野の一部が見えない。網膜剥離や脳梗塞の可能性があります。
- 飛蚊症の急増: 飛んでいる黒い点の数が急に増えた、光が走る(光視症)場合、網膜裂孔や網膜剥離の前兆かもしれません。
【緊急度:中(数日以内の受診を推奨)】
- 充血・目やに: 結膜炎の可能性があります。細菌性かウイルス性かによって治療法が異なり、ウイルス性は他人に感染させるリスクがあります。
- 持続する異物感: 角膜(黒目)に傷がついているか、異物が刺さっている可能性があります。
- 物が二重に見える: 乱視の進行や白内障、あるいは脳神経の麻痺などが考えられます。
【緊急度:低(セルフケアで改善しなければ受診)】
- 一時的な目の乾き: コンタクトレンズの使用時間を減らす、市販の人工涙液を点眼するなどで改善が見られる場合。
- 軽度の疲れ: 睡眠後にスッキリ解消している場合。
市販の目薬で治らない場合に考えられるリスク
ドラッグストアには多種多様な目薬が並んでおり、手軽に購入できます。しかし、市販薬はあくまで「一時的な症状緩和」を目的としたものであり、病気そのものを治療するものではありません。
例えば、充血をとる成分(血管収縮剤)が入った目薬を常用すると、薬の効果が切れた時にリバウンドでさらに充血がひどくなることがあります。また、防腐剤が含まれている目薬を頻繁にさすことで、角膜障害(ドライアイの悪化)を引き起こすこともあります。
最も恐ろしいのは、「目薬をさしているから大丈夫」という安心感が、受診を遅らせてしまうことです。緑内障や網膜色素変性症などは、初期には痛みもかゆみもありません。市販薬で「なんとなくスッキリした気」になっている間に、病気は静かに進行していきます。
▼【専門医の体験談】市販薬で凌いでいた患者さんの後悔
以前、40代後半の男性患者さんが「最近どうも右目が見えにくい」と来院されました。彼は半年ほど前から目の違和感を感じていましたが、仕事が忙しいことを理由に、市販のクール系(清涼感の強い)目薬を1日に何度もさしてごまかしていたそうです。
検査の結果、診断は「緑内障」でした。しかも中期まで進行しており、右目の視野の3分の1がすでに失われている状態でした。緑内障で失われた視野や視神経は、現代の医学では二度と元に戻すことができません。治療はあくまで「これ以上の進行を食い止めること」に限られます。
「もっと早く来ていれば、点眼薬だけで今の視野を維持できたはずです」とお伝えした時の、患者さんの呆然とした表情は忘れられません。このケースのように、自己判断での市販薬依存は、一生に関わる後悔を生む可能性があるのです。
[眼科専門医・医学博士のアドバイス:40代からの「見えにくさ」は老化だけではない]
老眼が始まる40代は、同時に緑内障や網膜疾患のリスクが急上昇する年代でもあります。「老眼だろう」と自己判断して放置するのが最も危険です。特に緑内障は日本人の失明原因第1位でありながら、初期には自覚症状がほぼないまま進行するため、40歳を過ぎたら症状がなくても一度は眼科でスクリーニング検査(眼底検査・眼圧検査)を受けることを強く推奨します。
医師が教える「信頼できる眼科クリニック」を見極める5つのポイント
いざ眼科に行こうと思っても、コンビニエンスストアよりも多いと言われる歯科医院ほどではないにせよ、街中には多くの眼科クリニックが存在します。「どこに行っても同じだろう」と考えるのは間違いです。眼科医療は専門性が高く、医師の技量や導入している設備によって、診断の精度や治療の質に大きな差が出ることがあります。
特に40代からの目のメンテナンスを任せる「かかりつけ医」を選ぶ際は、慎重な判断が必要です。ここでは、現役の眼科医が実際に重視している「良い眼科」を見極めるための5つのポイントを解説します。
ポイント1:「日本眼科学会認定専門医」が在籍しているか
まず最も基本的な基準となるのが、診察する医師が「日本眼科学会認定 眼科専門医」の資格を持っているかどうかです。
眼科専門医になるためには、医師免許取得後、日本眼科学会が指定する研修施設で最低5年以上の臨床研修を行い、手術や診療の実績を積み、さらに難関な専門医認定試験に合格する必要があります。また、資格取得後も5年ごとの更新が必要であり、常に最新の知識と技術を学び続けていることの証明となります。
クリニックのホームページの「医師紹介」や「院長プロフィール」の欄を必ず確認してください。「眼科専門医」という記載があれば、一定水準以上の知識と経験を持っていると判断できます。単に「医学博士」とだけ書かれている場合は、研究職としての実績はあっても、眼科臨床のスペシャリストであるとは限らないため注意が必要です。
ポイント2:検査機器の充実度(OCT・視野検査計の有無)
眼科医療の進歩はめざましく、かつては発見が難しかった病気も、最新の検査機器を用いれば早期に発見できるようになっています。特に重要なのが「OCT(光干渉断層計)」と「ハンフリー視野計(静的量的視野検査)」の有無です。
OCTは、網膜の断面をミクロン単位で撮影できる画期的な装置です。これにより、眼底検査(医師が目で見る検査)だけでは判別しにくいごく初期の緑内障や、加齢黄斑変性などの網膜疾患を正確に診断することが可能になります。現代の眼科診療において、OCTは「聴診器」のような必須アイテムと言っても過言ではありません。
[眼科専門医・医学博士のアドバイス:ホームページでチェックすべき設備]
「OCT(光干渉断層計)」があるかどうかは非常に重要な指標です。これは網膜の断面を撮影する機器で、医師の経験や勘だけに頼らず、緑内障や加齢黄斑変性を極めて早期に発見するために必須のツールです。HPの設備紹介ページで「OCT導入」を確認しましょう。もしOCTがないクリニックの場合、精密検査のために結局大学病院などを紹介され、二度手間になる可能性があります。
ポイント3:説明(インフォームドコンセント)の丁寧さと画像提示
良い眼科医は、患者さんに病状を説明する際、専門用語を並べ立てるのではなく、画像や模型を使って視覚的にわかりやすく説明します。
例えば、スリットランプ(細隙灯顕微鏡)で撮影した目の表面の写真や、眼底カメラ、OCTの画像をモニターに映し出し、「ここの神経が薄くなっているから緑内障の疑いがあります」「ここが白く濁っているのが白内障です」と具体的に示してくれる医師は信頼できます。
逆に、患者の目を見ずにパソコンの画面ばかり見ている、質問に対して威圧的な態度をとる、検査結果の画像を見せてくれないといった医師は、長期的な治療パートナーとしては不適切かもしれません。納得いくまで説明してくれる(インフォームドコンセントを重視している)かどうかは、口コミや初診時の印象で判断しましょう。
ポイント4:院内感染対策と清潔感・スタッフの対応
眼科は、流行性角結膜炎(はやり目)など、感染力の強いウイルス性疾患の患者さんも来院します。そのため、院内感染対策が徹底されているかは非常に重要です。
- 検査機器の顎台(あごだい)や額当てを、患者ごとにアルコール消毒しているか。
- 待合室の空気清浄や換気が行われているか。
- 医師やスタッフが処置ごとに手指消毒を行っているか。
また、眼科の検査(視力検査や眼圧検査など)の多くは、視能訓練士(ORT)や看護師などのスタッフが行います。スタッフの対応が丁寧で、テキパキと正確に検査を行ってくれるクリニックは、医師の指導が行き届いている証拠であり、診療の質も高い傾向にあります。
ポイント5:通いやすさと診療時間(土日診療・WEB予約)
緑内障やドライアイなどの慢性疾患は、一度受診して終わりではなく、数ヶ月から数年にわたる定期的な通院が必要になります。そのため、どんなに名医でも「通いにくい」場所では治療の継続が困難になります。
特に忙しいビジネスマンにとっては、以下の条件が揃っているかが重要です。
- WEB予約・順番待ちシステム: 待ち時間を短縮できるか。
- 土日祝日の診療: 平日の仕事帰りや休日に受診できるか。
- 立地: 通勤経路や自宅からアクセスが良いか。
ただし、「駅近で土日もやっているコンタクトレンズ処方専門の眼科」の場合、病気の精密検査に必要な設備が揃っていないこともあるため、診療内容(一般眼科診療を行っているか)を確認することが大切です。
Table here|眼科タイプ別比較表(大学病院 vs 地域クリニック vs 駅近コンタクト眼科)
タイプ メリット デメリット こんな人におすすめ 大学病院・総合病院
- 最先端の設備と高度な治療
- 難症例や手術に対応可能
- 複数の専門医が在籍
- 待ち時間が非常に長い
- 紹介状がないと初診料が高い
- 平日昼間しか受診できないことが多い
- 手術が必要と言われた人
- 原因不明の症状がある人
- 重篤な全身疾患がある人
地域の眼科クリニック
(開業医)
- 通いやすく、かかりつけ医に最適
- 丁寧な説明を受けやすい
- 待ち時間が比較的短い
- 設備や医師の腕にバラつきがある
- 特殊な手術は対応できない場合がある
- 40代の目の不調を感じる人(最初に行くべき)
- 慢性疾患(緑内障等)の管理
- 子供の視力相談
駅近・コンタクト専門眼科
- アクセスが良く、夜遅くまで診療
- 土日祝も開いている
- コンタクト処方がスムーズ
- 精密検査機器がない場合がある
- 専門医が常駐していない場合がある
- 病気の治療には不向きなことも
- コンタクトレンズを作りたい人
- 単に視力を測りたい人
40代男性に多い目のトラブルと治療の基礎知識
40代は「目の曲がり角」と言われます。今まで視力が良くて眼科とは無縁だった人ほど、急激な変化に戸惑うことが多いものです。ここでは、40代の男性が特に注意すべき代表的な4つの目のトラブルについて、その概要と対策を解説します。
老眼(調節機能不全):スマホ老眼との違いと対策
老眼(老視)は、加齢に伴い水晶体が硬くなり、ピントを調節する毛様体筋の働きが低下することで、近くのものにピントが合いづらくなる生理現象です。40代半ばから自覚する人が急増します。
一方、最近増えている「スマホ老眼」は、スマートフォンなどの画面を長時間見続けることで毛様体筋が凝り固まり、一時的にピント調節ができなくなる状態です。これは年齢に関係なく20代・30代でも起こりますが、40代では本来の老眼とスマホ老眼が合併し、症状が重くなる傾向があります。
対策としては、無理をして裸眼で見ようとせず、適切な度数のリーディンググラス(老眼鏡)や、遠近両用コンタクトレンズを使用することです。無理な「頑張り見」は、眼精疲労や頭痛、肩こりの主原因となります。
緑内障:日本人の失明原因第1位、働き盛りが注意すべき理由
緑内障は、眼圧(目の硬さ)などの影響で視神経が傷つき、視野が少しずつ欠けていく病気です。恐ろしいのは、日本人の40歳以上の約20人に1人(5%)が緑内障であるというデータがありながら、その9割近くが未発見のまま放置されているという現実です。
初期〜中期では、片目の視野が欠けても、もう片方の目が補ったり、脳が映像を補正したりするため、本人は全く気づきません。「見えにくい」と自覚した時には、すでに末期に近い状態であることが多いのです。失われた視神経は回復しないため、早期発見・早期治療(点眼薬による眼圧降下)が視力を守る唯一の手段です。
ドライアイ:デスクワークによる「目の乾き」の最新治療
パソコンやタブレットに向かう時間が長い現代人にとって、ドライアイは国民病とも言えます。単に「目が乾く」だけでなく、目の表面(角膜)に微細な傷がついたり、光をまぶしく感じたり、視力が不安定になったりします。
従来のヒアルロン酸点眼に加え、最近では涙の成分である「ムチン」の分泌を促す点眼薬(ジクアスやムコスタなど)が登場し、治療効果が向上しています。また、マイボーム腺(油分を出す分泌腺)の詰まりを解消するIPL治療などの新しい選択肢も出てきています。市販薬で改善しない場合は、眼科で涙の量や質を調べる検査を受けましょう。
白内障:若年化する傾向と手術のタイミング
白内障は、水晶体が白く濁り、視力が低下したり、霞んで見えたりする病気です。一般的には60代以降に多い病気ですが、アトピー性皮膚炎や糖尿病がある場合、あるいはステロイド薬の使用、強い紫外線の暴露、目の打撲などが原因で、40代・50代で発症する「若年性白内障」も珍しくありません。
治療の基本は手術ですが、日常生活に支障がなければ点眼薬で進行を遅らせながら経過観察を行います。「運転免許の更新ができない」「仕事で細かい文字が見えない」「対向車のライトがまぶしくて夜間の運転が怖い」など、生活の質(QOL)が下がった時が手術のタイミングです。現在は日帰り手術が主流となっており、多焦点眼内レンズを選べば老眼も同時に治療できる可能性があります。
[臨床歴18年の眼科医のアドバイス:働きながら治療を続けるコツ]
「緑内障などの慢性疾患は、通院の中断が一番のリスクです。自覚症状がないため、『忙しいから来月でいいか』と先延ばしにし、そのまま数年放置して悪化させてしまう方が後を絶ちません。現在は点眼薬も進化しており、1日1回で済むものや、副作用の少ないものも増えています。また、合剤(2種類の成分が1本に入った目薬)を使えば点眼の手間も減らせます。仕事のパフォーマンスを維持するためにも、『忙しくて通えない』と諦めるのではなく、ライフスタイルに合った無理のない治療計画を医師と相談することが大切です。」
初診でも安心!眼科受診の流れと費用・所要時間
久しぶりに眼科を受診する際、どのくらいの時間がかかるのか、いくらくらい費用が必要なのか、不安に思う方もいるでしょう。特に仕事の合間や休日の貴重な時間を使って受診する場合、効率よく済ませたいものです。ここでは、初診時の一般的な流れと注意点を解説します。
受診時の持ち物と服装(お薬手帳・眼鏡など)
スムーズな診療のために、以下のものを持参しましょう。
- 健康保険証(マイナンバーカード): 必須です。
- お薬手帳: 現在服用している薬(特に糖尿病薬や血液サラサラの薬、ステロイド薬など)の情報は診断に重要です。
- 現在使用している眼鏡・コンタクトレンズ: 度数が合っているか確認するため必要です。コンタクトレンズの箱やデータがわかるものがあれば持参してください。
- 紹介状(あれば): 他院や健診からの紹介の場合。
服装に決まりはありませんが、眼圧検査などで目に風を当てたり、医師が顔を近づけて診察したりするため、前髪が目にかからないようにするか、髪留めなどがあると便利です。女性の場合、濃いアイメイク(特にマスカラやアイライナー)は、診察の妨げになったり、検査機器を汚したりする可能性があるため、控えめにするのがマナーです。
初診にかかる費用目安と所要時間
【費用目安(3割負担の場合)】
- 初診料+基本検査: 約2,000円〜3,000円程度
(視力検査、眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査など) - 精密検査を追加する場合: +1,000円〜3,000円程度
(眼底検査、OCT検査、視野検査など) - 薬の処方がある場合: +500円〜1,500円程度(薬代は薬局で別途)
合計で3,000円〜6,000円程度用意しておけば安心です。ただし、アレルギー検査や特殊な検査を行う場合はこれより高くなることもあります。
【所要時間】
- 受付〜検査〜診察〜会計: スムーズにいけば1時間〜1時間半程度です。
- 散瞳検査(瞳孔を開く検査)を行う場合: 薬が効くまで待つ時間が必要なため、プラス30分〜1時間見ておく必要があります。
【最重要】車での来院は避けるべき?(散瞳検査について)
眼科受診において最も注意すべき点は、「散瞳(さんどう)検査」の可能性がある場合、車やバイク、自転車での来院は絶対に避けるべきということです。
▼散瞳(さんどう)検査とは?なぜ車で行ってはいけないのか
散瞳検査(眼底検査)とは、目薬(散瞳薬)を使って瞳孔(黒目の中心部分)を大きく開き、目の奥の網膜や視神経の状態を詳しく調べる検査です。飛蚊症、糖尿病網膜症、白内障の精密検査などで必須となります。
この目薬の効果は、個人差はありますが4〜6時間程度続きます。その間、瞳孔が開いたままになるため、以下のような状態になります。
- 光を過剰に取り込んでしまい、外に出ると非常にまぶしい。
- ピント調節機能が麻痺するため、手元や近くがぼやけて見えない。
この状態で車の運転をすることは、信号や標識が見えにくく、対向車のライトや西日が極端にまぶしく感じるため、事故につながる危険性が極めて高く、法律上の安全運転義務違反に問われる可能性もあります。眼科に行く際は、公共交通機関を利用するか、家族に送迎してもらうのが鉄則です。
[眼科専門医・医学博士のアドバイス:効率よく診察を受けるための問診票の書き方]
「医師に短時間で正確に症状を伝えるには、『いつから』『どのような時に』『右目か左目か(あるいは両目か)』『具体的にどう見えにくいか(歪む、欠ける、ぼやける)』を整理しておくことが重要です。また、『糖尿病』や『高血圧』などの全身疾患、家族に緑内障の方がいるかどうかも診断の大きなヒントになります。事前にスマホのメモなどにまとめておき、問診票に詳しく書くか、診察時に見せていただけると非常にスムーズです。」
眼科受診に関するよくある質問 (FAQ)
最後に、眼科を受診する際によくある疑問についてお答えします。些細なことでも、事前に知っておくことで安心して受診できるはずです。
Q. コンタクトレンズをしたまま受診しても良いですか?
基本的にはコンタクトレンズをして行っても構いませんが、診察や検査の際には外す必要があります。特に、角膜の状態を見たり、正確な眼圧を測ったりするためには裸眼の状態が必要です。
クリニックには保存液やケースが用意されていることが多いですが、使い捨てレンズを使用している場合は、帰宅時用の予備のレンズ(または眼鏡)を必ず持参してください。また、カラーコンタクトレンズ(サークルレンズ含む)は、目の表面の状態が見えにくくなるため、できるだけ装着せずに受診するか、すぐに外せる準備をしておきましょう。
Q. 眼科の検査は痛いですか?(眼圧検査など)
眼科の検査のほとんどは、痛みを伴いません。よくある「眼圧検査」では、目に空気をプシュッと当てますが、これは一瞬驚くのみで痛みはありません。また、直接目に触れるタイプの眼圧検査や、特殊な検査を行う場合は、事前に点眼麻酔(目薬の麻酔)を使用するため、痛みを感じることはほぼありません。
ただし、まぶたを裏返して結膜を診る際や、涙の通り道を調べる通水検査など、多少の不快感を伴う処置もありますが、医師やスタッフが声をかけながら行いますので、過度な心配は不要です。
Q. 内科と眼科、どちらに行けばいいか迷う症状は?
「頭痛がする」「めまいがする」といった症状の場合、内科(または脳神経外科)か眼科か迷うことがあると思います。
- 目の奥が痛む、見え方がおかしい、充血がある場合: まずは眼科を受診してください。眼精疲労や緑内障発作の可能性があります。
- 激しい頭痛、手足のしびれ、呂律が回らない場合: 脳の病気の可能性があるため、すぐに脳神経外科または救急を受診してください。
- まぶたが腫れている、ものもらい: 眼科です。皮膚科ではありません。
[臨床歴18年の眼科医のアドバイス:目の異常は全身病のサインかも]
「目は『むき出しの臓器』であり、体の中で唯一、血管を直接観察できる場所です。そのため、糖尿病や高血圧、動脈硬化などの全身疾患が、眼底出血や血管の変化として最初に目に現れることがよくあります。『目がおかしい』と感じて眼科を受診し、そこから重度の糖尿病が見つかって内科へ紹介するケースも少なくありません。目は全身の健康のバロメーターでもあります。迷ったらまずは眼科で目の状態を確認することをお勧めします。」
まとめ:40代の目は曲がり角。信頼できる眼科を見つけて「目の健康寿命」を延ばそう
40代からの目の不調は、単なる疲れや老化と片付けてしまうにはあまりにもリスクが高いサインを含んでいます。特に緑内障のような失明につながる疾患は、早期発見こそが最大の防御策です。
最後に、良い眼科選びのポイントを再確認しましょう。
Summary here|良い眼科選びの最終チェックリスト
- [ ] 日本眼科学会認定専門医が在籍しているか
- [ ] OCT(光干渉断層計)や視野検査計などの設備が整っているか
- [ ] 画像やデータを見せながら、納得いくまで説明してくれるか
- [ ] WEB予約や土日診療など、通い続けやすいシステムがあるか
- [ ] 院内感染対策がされ、清潔感があるか
- [ ] 40歳を過ぎたら、自覚症状がなくても一度は検診を受ける!
「まだ見えるから大丈夫」ではなく、「ずっと見えるようにするために」今行動することが大切です。この記事をきっかけに、あなたが信頼できる「目のかかりつけ医」と出会い、健やかな視生活を送れることを心より願っています。まずは、気になっているその症状について、今すぐ最寄りの専門医がいる眼科を調べてみてください。
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