「夕食のポテトサラダ、お湯を沸かして茹でるのが面倒…」
「レンジで加熱したら、カスカスに干からびたり、芯が残ってしまった…」
そんな経験はありませんか?
忙しい毎日の救世主である電子レンジ調理ですが、実はじゃがいもはレンジ加熱の難易度が意外と高い野菜の一つです。水分の蒸発によるパサつきや、加熱ムラによる失敗が起きやすいからです。しかし、正しい「時間」と、プロが実践する「ひと手間」さえ知っていれば、鍋で茹でたのと同じくらい、いやそれ以上に濃厚でホクホクのじゃがいもを、わずか数分で作ることができます。
結論から申し上げますと、じゃがいものレンジ加熱時間は、中サイズ(約150g)1個あたり600Wで3〜4分が目安です。ただし、これはあくまで基本。個数や大きさ、そして「何を作るか」によって最適な時間は変わります。
この記事では、野菜ソムリエプロであり家庭料理研究家でもある筆者が、以下の3点を徹底解説します。
- 【一目でわかる】個数・グラム・ワット数別の加熱時間早見表
- 「固い」「パサパサ」を完全に防ぐ、プロ直伝の「二重包み」テクニック
- ポテトサラダ、カレー、コロッケなど用途別の最適な下処理方法
今日からあなたの電子レンジ活用術が劇的に変わり、夕食作りがもっと楽に、そして美味しくなることをお約束します。ぜひ最後までお付き合いください。
【保存版】個数・グラム・ワット数別!じゃがいものレンジ加熱時間早見表
調理中の皆さんが最も知りたいのは、「今手元にあるこのじゃがいもを、何分温めればいいのか」という正解ですよね。まずは、大きさや個数ごとの加熱時間をまとめた早見表をご覧ください。この表は、皮付きのまま丸ごと加熱する場合の目安です。
スクロールの手間を省くため、結論となる表を最初に配置しました。キッチンでスマホを見ながら作業する際に、ぜひご活用ください。
| サイズ・重量 | 500Wの加熱時間 | 600Wの加熱時間 |
|---|---|---|
| 小 1個 (約100g) | 約 3分 | 約 2分30秒 |
| 中 1個 (約150g) ※握りこぶし大 |
約 4分 | 約 3分 〜 3分30秒 |
| 大 1個 (約200g) | 約 5分 | 約 4分 |
| 中 2個 (約300g) | 約 8分 | 約 6分 〜 7分 |
| 中 3個 (約450g) | 約 10分 〜 12分 | 約 8分 〜 10分 |
※加熱時間はあくまで目安です。電子レンジの機種やじゃがいもの水分量、品種(男爵・メークイン等)によって火の通り方は異なります。まずは短めの時間で設定し、様子を見ながら追加加熱するのが失敗しないコツです。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「スーパーで袋入りを買うと、大きさがバラバラなことが多いですよね。そんな時は、一番大きいサイズに合わせて時間を設定するのではなく、中くらいのサイズに合わせて設定してください。大きいものは後で追加加熱すれば良いですが、小さいものが加熱されすぎると、水分が抜けてカチカチになってしまい、リカバリーができません。また、お皿に並べる際は、マイクロ波が当たりやすい『外側』に大きいものを、通りにくい『中心』に小さいものを置くと、加熱ムラを抑えられますよ」
500Wと600Wの換算方法と注意点
レシピサイトや料理本では「600W」での記載が主流になっていますが、ご家庭の電子レンジによっては500Wがデフォルト設定の場合もあるでしょう。基本的に、500Wの場合は600Wの時間の「1.2倍」を目安にしてください。
例えば、600Wで3分の場合は、3分 × 1.2 = 3.6分、つまり約3分40秒〜4分となります。単純に時間を延ばせば良いと考えがちですが、低いワット数でじっくり加熱する方が、じゃがいものようなデンプン質の野菜は甘みが引き出されやすい傾向にあります。時間がある場合は、あえて500Wで加熱するのも美味しく仕上げる一つのテクニックです。
加熱時間が足りない?追加加熱する時の目安
指定の時間加熱してもまだ固い場合、いきなり「あと2分!」と長く追加するのは危険です。すでに水分がかなり蒸発している状態での長時間加熱は、焦げや発火の原因になります。
追加加熱は必ず「10秒〜20秒単位」で行ってください。面倒に感じるかもしれませんが、レンジ加熱のラストスパートは一気に火が通ります。「あと少し」と思ったところから、わずか30秒でパサパサになってしまうことも珍しくありません。こまめに様子を見ることが、ホクホク仕上げへの最短ルートです。
竹串を使った火の通り具合の最終チェック方法
加熱が完了したかどうかの判断は、見た目では分かりません。必ず竹串(または爪楊枝)を使って確認しましょう。
じゃがいもの一番太い部分(中心)に向かって竹串を刺します。この時、「すっ」と抵抗なく中心まで通ればOKです。もし中心部分で「グッ」と硬い感触があったり、竹串が止まってしまったりする場合は、まだ芯が残っています。この状態で無理に調理を進めると、食べた時にガリッとした不快な食感が残ってしまいます。
また、竹串を抜いた後に、刺した穴から湯気がふわっと上がってくるのも、中までしっかり熱くなっている証拠の一つです。
【丸ごと】一番甘くてホクホク!皮付きじゃがいもの基本の加熱手順
「じゃがバター」のように素材の味をダイレクトに楽しむ場合や、皮をむくのが面倒な場合は、皮付きのまま丸ごと加熱するのがおすすめです。実は、皮付きのまま加熱することで、じゃがいもの風味や栄養を閉じ込め、より甘く仕上げることができます。
しかし、ただ皿に乗せてチンするだけでは失敗します。ここでは、プロが実践している「絶対にパサつかせないための二重包み」の手順を解説します。このひと手間で、仕上がりのクオリティが劇的に変わります。
手順1:皮ごときれいに水洗いし、水気は拭き取らない
まず、じゃがいもをタワシやスポンジを使って流水で丁寧に洗います。土がついていると、土臭さが残る原因になります。そしてここが最大のポイントですが、洗った後の水気は絶対に拭き取らないでください。
電子レンジは、食品に含まれる水分を振動させて熱を発生させます。じゃがいも表面についた水分は、加熱中の「蒸し水」となり、乾燥を防ぐ重要な役割を果たします。びしょびしょの状態でOKです。
手順2:芽があれば取り除き、皮に切り込みを入れる
洗ったじゃがいもに芽が出ている場合は、包丁のあご(根元)を使って完全に取り除きます。芽にはソラニンという毒素が含まれており、加熱しても毒性は消えません。
次に、皮の表面に包丁で十字に浅く切り込みを入れます。これは、加熱後の皮むきをスムーズにするためだけでなく、加熱中の破裂防止にもなります。皮の内側の圧力が高まりすぎると、ポン!と皮が破れて中身が飛び散ることがありますが、切り込みが蒸気の逃げ道となり、安全に加熱できます。
手順3:「濡らしたキッチンペーパー+ラップ」の二重包みがプロの技
ここが最も重要な工程です。多くの失敗例は、乾いたままラップだけで包んで加熱することに起因します。
- キッチンペーパーを水で濡らし、軽く絞ります。(水滴が垂れない程度)
- その濡れたペーパーで、じゃがいもを隙間なく包みます。
- さらにその上から、ラップでふんわりと包みます。
この「濡れたペーパー」が、擬似的な「蒸し器」の役割を果たします。加熱中、ペーパーに含まれた水分が蒸気となり、じゃがいもを包み込みます。これにより、じゃがいも自体の水分が奪われるのを防ぎ、しっとりとホクホクに仕上がるのです。「ラップだけ」と「ペーパー+ラップ」では、食べた時の喉越しが全く違います。
手順4:加熱後はすぐ開けず、2〜3分「蒸らす」のが重要
レンジの加熱終了音が鳴っても、すぐに扉を開けてラップを外してはいけません。庫内で、あるいは取り出してからお皿の上で、ラップをしたまま2〜3分放置して「蒸らす」時間を設けてください。
レンジ加熱直後は、加熱ムラ(熱い部分とぬるい部分)が生じていることがあります。蒸らすことで余熱が中心部までじっくり伝わり、均一に火が通ります。また、急激に冷めると水分が蒸発しやすいですが、蒸らすことで水分が組織内に留まり、しっとり感が持続します。この「待ち時間」も調理時間の一部と考えてください。
家庭料理研究家のアドバイス
「なぜ『二重包み』だと甘くなるのか、不思議に思いますよね。実はじゃがいものデンプンは、水分と熱が加わることで『糊化(こか)』し、甘みを感じる成分に変わります。乾燥した状態で急激に温度だけ上げても、この糊化がうまくいかず、甘みのない粉っぽい味になってしまうんです。濡れたペーパーで水分を補いながら加熱することは、科学的にも理にかなった『美味しくなる調理法』なんですよ」
【カット・用途別】ポテサラ・煮物・炒め物用の時短下処理テクニック
丸ごと加熱は美味しいですが、夕食作りを急いでいる時は、皮をむいてカットしてから加熱する方が圧倒的に早いです。また、料理の用途に合わせて加熱加減を調整することで、煮崩れを防いだり、味染みを良くしたりすることができます。
ここでは、代表的な料理別に最適なカット方法と加熱テクニックをご紹介します。
【ポテトサラダ・コロッケ用】皮をむいて一口大にカット&マッシュしやすくする
ポテトサラダやコロッケのように、最終的に「潰す」料理の場合は、中までしっかり柔らかくする必要があります。
- 皮をむき、3〜4cm角の一口大にカットします。
- 耐熱ボウルに入れ、大さじ1杯の水を振りかけます。
- ふんわりとラップをかけ、600Wで4〜5分(中2個分目安)加熱します。
- 竹串がスッと通る柔らかさになったら、熱いうちにマッシャーやフォークで潰します。
冷めるとデンプンが固まり、粘りが出て潰しにくくなるため、加熱直後のアツアツの状態で潰すのがコツです。また、ボウルの底に水分が残っている場合は、水っぽくなるのを防ぐために捨ててから潰してください。
【カレー・肉じゃが用】煮崩れ防止!大きめカットで半加熱
カレーやシチュー、肉じゃがなどの煮込み料理に使う場合、レンジで完全に火を通してしまうと、その後の煮込み工程で溶けてなくなってしまいます。
- 皮をむき、煮崩れしにくいよう少し大きめ(乱切り等)にカットします。
- 耐熱容器に入れ、同様に少量の水を振ってラップをします。
- 加熱時間は、完全に火が通る時間の「7〜8割」を目安にします。(中2個なら約4分〜5分)
- 中心に少し芯が残るくらいの「半加熱」状態で取り出し、鍋に加えます。
この「半加熱」の下処理をしておくことで、鍋での煮込み時間を10分以上短縮でき、かつ形がきれいに残った美しい煮物に仕上がります。
【炒め物・ジャーマンポテト用】薄切り・細切りで短時間加熱
ジャーマンポテトや野菜炒めに生の状態からじゃがいもを入れると、他の野菜が焦げているのにじゃがいもだけ硬い、という失敗が起きがちです。
- 皮をむき、5mm幅の半月切りや拍子木切りにします。
- 平らな耐熱皿に重ならないように広げ、水を小さじ1程度振ります。
- ラップをして、600Wで2〜3分(中2個分目安)加熱します。
- 透き通ってきたらOK。フライパンで表面に焼き色をつけるだけで完成します。
薄切りの場合は火の通りが非常に早いため、加熱しすぎに注意してください。少し硬めでも、その後の炒め工程で火が通るので問題ありません。
カットした場合の加熱時間の目安
丸ごと加熱する場合と比較して、カットした場合は表面積が増えるため、熱の伝わりが早くなります。一般的に、丸ごと加熱の時間の「約7〜8割」の時間で火が通ります。
例えば、中2個(300g)を丸ごと加熱すると6〜7分かかりますが、一口大にカットしてボウルで加熱する場合は、約5分程度で十分なことが多いです。時短を最優先するなら、カットしてからの加熱がおすすめです。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「料理に合わせて品種を使い分けるのも重要です。ポテトサラダやコロッケには、ホクホクして潰しやすい『男爵』や『キタアカリ』が向いています。一方、カレーや炒め物には、煮崩れしにくく形が残りやすい『メークイン』や『とうや』がおすすめです。レンジ加熱の特性と品種の特性を組み合わせれば、プロ顔負けの仕上がりになりますよ」
「固い」「パサパサ」「変色」…よくある失敗の原因と解決策
レンジ調理は手軽な反面、失敗するとリカバリーが難しいことがあります。「レシピ通りにやったはずなのに…」という方のために、よくあるトラブルの原因と解決策をまとめました。
失敗1:中心が固い、芯が残っている(加熱ムラ対策)
原因: 加熱時間が足りない、またはじゃがいものサイズが大きすぎて中心までマイクロ波が届いていない。
解決策: じゃがいもの上下を裏返して、追加で30秒〜1分加熱してください。レンジのマイクロ波は上から、あるいは横から照射されるタイプが多いため、位置を変えることでムラが解消されます。また、次回からは加熱時間の半分が経過した時点で一度扉を開け、裏返す工程を入れると確実です。
失敗2:水分が抜けてシワシワ・パサパサになった
原因: ラップのかけ方が甘い(隙間がある)、加熱しすぎ、または水を使わずに加熱した。
解決策: 残念ながら、一度完全に乾燥して硬くなったじゃがいもを元に戻すのは困難です。細かく刻んでスープに入れたり、リゾットの具材にするなどして、水分を吸わせる料理にリメイクするのが賢明です。予防策としては、前述の「濡らしたキッチンペーパー」の使用を徹底してください。
失敗3:加熱後に黒っぽく変色してしまった
原因: 酸化による変色。じゃがいもに含まれるチロシンという成分が酸化酵素(チロシナーゼ)によってメラニン色素に変化するためです。
解決策: 味や栄養には問題ないのでそのまま食べられますが、見た目が気になる場合は、加熱前にカットしたじゃがいもを「水にさらす」工程を入れてください。水にさらすことで表面のデンプンと酵素を洗い流し、変色を防げます。ただし、ビタミンCなどの水溶性成分も流れ出てしまうため、さらす時間は5分程度に留めましょう。
失敗4:皮がむきにくい、熱くて触れない
原因: 加熱直後の激熱状態で無理にむこうとしている。
解決策: キッチンペーパーを使ってじゃがいもを押さえながらむくか、清潔な布巾を使いましょう。もっと簡単な裏技として、加熱前にじゃがいもの中心(胴回り)に一周、浅く切り込みを入れておく方法があります。加熱後、両端を持って左右に引っ張ると、ツルッと気持ちよく皮がむけます。これは快感ですので、ぜひ試してみてください。
家庭料理研究家のアドバイス
「うっかり加熱しすぎて、カチカチの石のようになってしまったじゃがいも…。捨てるのはもったいないですよね。そんな時は、フードプロセッサーで粉砕してパン粉の代わりにハンバーグのつなぎにしたり、おろし金ですりおろして片栗粉と混ぜ、『じゃがいも餅』にしたりすると美味しく蘇ります。失敗も新しい料理の発見につながりますよ」
茹でるのとどっちが良い?レンジ調理のメリットと栄養価の違い
「レンジ調理は手抜きだと思われそう」「やっぱり鍋で茹でた方が美味しいんじゃないの?」という罪悪感や疑問をお持ちの方もいるかもしれません。しかし、栄養面やコスト面で見ると、レンジ調理には茹で調理を上回る大きなメリットがあります。
ビタミンC残存率はレンジの方が高い
じゃがいもは「大地のリンゴ」と呼ばれるほどビタミンCが豊富ですが、ビタミンCは水溶性のため、お湯で茹でるとどんどん水に溶け出してしまいます。一方、レンジ調理は水を使わず(または少量で)加熱するため、ビタミンCの流出を最小限に抑えることができます。
ある研究データでは、茹でた場合のビタミンC残存率が約50%まで低下するのに対し、レンジ加熱では約80〜90%も残るという結果も出ています。栄養を無駄なく摂取したいなら、レンジ調理こそが正解なのです。
甘み・食感の違いを徹底比較
味に関しては、好みが分かれるところです。
レンジ調理: 水分が適度に飛び、ホクホク感が強くなります。味が凝縮されるため、ポテトサラダやコロッケに向いています。
茹で調理: たっぷりの水で加熱するため、しっとりねっとりした食感になります。また、低温からゆっくり温度が上がるため、デンプンの糖化が進みやすく、甘みを強く感じやすい傾向があります。
「ホクホク派」ならレンジ、「ねっとり派」なら茹で、と使い分けるのも良いでしょう。ただし、先ほど紹介した「二重包み」でレンジ加熱すれば、茹で調理に近いしっとり感と甘みを出すことが可能です。
時短だけじゃない!ガス代・電気代の節約効果比較
コストパフォーマンスも比較してみましょう。
▼【比較表】茹で調理 vs レンジ調理(コスト・時間)
| 項目 | 鍋で茹でる (ガス) | 電子レンジ (600W) |
|---|---|---|
| 調理時間 | 約 25〜30分 (お湯沸かし含む) |
約 4〜5分 (下準備含む) |
| 光熱費目安 | 約 10〜15円 | 約 2〜3円 |
| 洗い物 | 鍋、ザル | 耐熱皿のみ |
このように、レンジ調理は時間の節約になるだけでなく、光熱費も約1/4〜1/5に抑えられます。夏場にキッチンが暑くならないのも大きなメリットですね。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「春先に出回る『新じゃが』の季節こそ、レンジ調理を強くおすすめします。新じゃがは水分が多く皮が薄いため、レンジで加熱してもパサつきにくく、皮ごと食べるのに最適です。ビタミンCも冬の貯蔵じゃがいもより豊富なので、レンジで栄養を逃さずいただきましょう」
【重要】レンジで発火・ボヤ騒ぎを防ぐための安全ガイド
非常に便利なレンジ調理ですが、使い方を誤ると火災につながるリスクがあります。「たかが野菜」と侮らず、安全に関する知識もしっかり持っておきましょう。
じゃがいもは「根菜類」特有の発煙・発火リスクがある
じゃがいも、さつまいも、人参などの根菜類は、水分が比較的少なく、糖分を含んでいるため、電子レンジで長時間加熱しすぎると、水分が完全に蒸発して「炭化」し始めます。この炭化した部分にマイクロ波が集中すると、一気に高温になり、煙が出たり発火したりすることがあります。
特に、「泥付きのまま」「極端に小さいサイズ」のものを加熱する場合にリスクが高まります。
少量(1個以下)加熱時の注意点とオート機能の危険性
最も危険なのが、「小さく切ったじゃがいも数切れだけ」を加熱するケースや、レンジの「オート加熱(自動あたため)」機能を使うケースです。
オート機能は、重量センサーや蒸気センサーで加熱時間を決めますが、少量のじゃがいもだとセンサーが正しく働かず、過剰に加熱し続けてしまうことがあります。根菜類の加熱には、絶対にオート機能を使わず、手動で時間を設定してください。また、100g以下の少量を加熱する場合は、必ずコップ1杯の水を庫内の隅に一緒に置いて加熱すると、マイクロ波が分散されて発火リスクを下げることができます。
毒素(ソラニン・チャコニン)はレンジで消える?芽と緑色の皮の正しい処理
じゃがいもの芽や、光に当たって緑色になった皮の部分には、「ソラニン」や「チャコニン」という天然毒素が含まれています。これらを摂取すると、吐き気や腹痛、めまいなどの中毒症状を引き起こすことがあります。
重要なことですが、これらの毒素は電子レンジで加熱しても分解されません。加熱すれば大丈夫、という考えは間違いです。調理前には必ず、芽を根元からえぐり取り、緑色の部分は皮を厚めにむいて、完全に取り除いてください。
▼もし焦げ臭いにおいがしたり、煙が出たら?
ただちに「停止/取消」ボタンを押し、絶対に電子レンジの扉を開けずに、電源プラグを抜いてください。
扉を開けると急激に酸素が入り込み、バックドラフト現象のように炎が噴き出す恐れがあります。庫内の煙が収まり、温度が下がるまで十分に待ってから対応してください。
家庭料理研究家のアドバイス
「安全に調理するために絶対にやってはいけない3つのことは、『オート機能を使うこと』『アルミホイルを使うこと』『密閉容器のフタをしたまま加熱すること』です。特にアルミホイルは火花(スパーク)が散り、レンジの故障や火災の直接的な原因になります。必ずラップか、レンジ対応のフタを使用しましょう」
レンジで下処理完了!5分で作れる絶品じゃがいもアレンジレシピ
レンジでの下処理をマスターすれば、夕食の「あと一品」があっという間に作れます。ここでは、下処理済みのじゃがいもを使って5分以内に完成する、簡単かつ満足度の高いアレンジレシピをご紹介します。
レンジで完結!デリ風ベーコンとチーズのホットポテトサラダ
マヨネーズたっぷりの冷たいポテサラも美味しいですが、温かいポテサラは格別です。
- じゃがいも(中2個)は皮をむいて一口大に切り、レンジで5分加熱して柔らかくします。
- 熱いうちにフォークで粗く潰し、バター10g、コンソメ顆粒小さじ1/2を混ぜます。
- 1cm幅に切ったベーコンとピザ用チーズを乗せ、さらにレンジで1分加熱してチーズを溶かします。
- 仕上げに黒こしょうと乾燥パセリを振れば、お酒のおつまみにもなるデリ風サラダの完成です。
揚げずにホクホク!レンジとトースターで作るスコップコロッケ
コロッケは丸めるのも揚げるのも手間ですが、これならスプーンですくって食べるだけ!
- じゃがいも(中3個)をレンジ加熱してマッシュし、炒めたひき肉と玉ねぎ(または市販のミートソース)を混ぜます。
- 耐熱皿に敷き詰め、その上にパン粉大さじ3とオリーブオイル大さじ1を混ぜたものをまんべんなく振りかけます。
- トースターでパン粉にこんがり焼き色がつくまで3〜4分焼くだけ。揚げていないのに、サクサクホクホクのコロッケの味わいです。
あと一品に!無限じゃがバターの塩昆布和え
包丁いらずでできる、箸が止まらない無限レシピです。
- じゃがいも(小〜中2個)をよく洗い、皮付きのままラップで包んでレンジ加熱します。
- 熱いうちに一口大に手で割るか、包丁でカットします。
- ボウルに入れ、バター10gと塩昆布ふたつまみを加えて和えるだけ。
じゃがいもの熱でバターが溶け、塩昆布の旨味が全体に絡みます。お弁当のおかずにも最適です。
じゃがいものレンジ調理に関するQ&A
最後に、記事内では触れきれなかった細かい疑問について、Q&A形式でお答えします。
Q. アルミホイルで包んでレンジしても大丈夫?
A. 絶対にNGです。
金属であるアルミホイルにマイクロ波が当たると、激しい火花(スパーク)が発生し、電子レンジの故障や火災の原因になります。アルミホイルを使いたい場合は、オーブントースターや魚焼きグリルを使用してください。
Q. 冷凍したじゃがいももレンジで解凍・調理できる?
A. 可能ですが、食感は変わります。
生のじゃがいもをそのまま冷凍すると、解凍時に水分が抜けてスカスカのスポンジ状になってしまいます。これを防ぐには、マッシュポテトの状態にしてから冷凍するのがベストです。もし生のまま冷凍したものを調理する場合は、解凍せずに凍ったままスープや煮物に使うのがおすすめです。
Q. 一度に何個までまとめて加熱していいの?
A. 家庭用レンジなら3〜4個(約500g)までが推奨です。
それ以上の量を一度に入れると、加熱ムラが激しくなり、一部は生なのに一部は焦げているという状態になりやすいです。大量に調理したい場合は、2回に分けるか、この場合は鍋で茹でる・蒸す方が結果的に早く、美味しく仕上がります。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「もし1kg以上のじゃがいもを一度に下処理したいなら、レンジよりも大きな鍋や蒸し器を使う方が効率的です。レンジは『少量・短時間』が得意な調理器具、鍋は『大量・じっくり』が得意な調理器具。それぞれの得意分野を活かして使い分けるのが、賢いキッチンの回し方ですね」
まとめ:レンジを使いこなして、時短でも美味しいじゃがいも料理を!
ここまで、じゃがいものレンジ加熱について詳しく解説してきました。最後に、失敗しないための重要ポイントを振り返りましょう。
じゃがいもレンジ加熱の失敗ゼロチェックリスト
- 加熱時間は中1個(150g)で600W・3〜4分が基本
- 丸ごと加熱なら「濡らしたペーパー+ラップ」の二重包みが鉄則
- 加熱後はすぐに開けず、2〜3分蒸らして中まで熱を通す
- 竹串がスッと通るまで、追加加熱は10秒単位で慎重に
- 発火防止のため、オート機能は使わず手動で設定する
「レンジだと美味しくない」というのは、正しい方法を知らなかった過去の話です。水分を逃さない「二重包み」と、適切な「時間管理」さえマスターすれば、レンジはあなたの最強の料理パートナーになります。
今日から早速、このテクニックを使って、ホクホクのじゃがいも料理を食卓に並べてみてください。浮いた時間で、ゆっくり食事を楽しむ余裕が生まれるはずですよ。
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