ローファー選びで最も重要なのは、デザインやブランドではなく、間違いなく「サイズ感」です。紐靴のように締め付け具合を調整できないローファーは、ご自身の足の特徴を正確に把握し、購入時は「ややきつめ」を選ぶのが鉄則となります。
しかし、単にきつい靴を選べば良いわけではありません。足の健康を損なわないための正しいフィッティング理論が必要です。
この記事では、業界歴15年、累計20,000足以上のフィッティングに携わってきた上級シューフィッターである私が、痛くならないサイズの選び方から、ビジネスシーンでも失礼にならない種類の見極め方、そして日本人の足に合うおすすめブランドまでを徹底的に解説します。
この記事でわかること
- 失敗しないサイズ選びの3つの鉄則と「捨て寸」の正しい確認方法
- ビジネスから休日まで使えるローファーの種類とTPOマナー
- 【目的別】プロが厳選するおすすめローファーブランド15選
大人なら知っておきたいローファーの「種類」と「TPO」
ローファーと一口に言っても、そのデザインによって与える印象や適した着用シーンは大きく異なります。「学生っぽく見えてしまう」「ビジネスで履いたら上司に注意された」といった失敗は、ローファーの種類とTPOの不一致から生じます。
大人の男性が選ぶべき主要な3つのデザインについて、それぞれの特徴とマナーとしてのOK/NGラインを明確にしていきましょう。まずは、ご自身の使用目的がビジネス寄りなのか、カジュアル寄りなのかを整理しながら読み進めてください。
上級シューフィッターのアドバイス
「ビジネスシーンでローファーを履く場合、その『許容範囲』は職場のドレスコードに依存します。厳格なスーツスタイルが求められる場面や、重要な商談、冠婚葬祭の式典では、紐付きの革靴(オックスフォード)を選ぶのが無難です。ローファーはあくまで『カジュアルな革靴』という立ち位置。しかし、近年のオフィスカジュアル化に伴い、ジャケパンスタイルやクールビズにおいては、足元に抜け感を出す最適なアイテムとして認知されています。選ぶ際は、装飾が少なく、シルエットが細身で甲が低めのものを選ぶと、スーツにも馴染みやすくなります」
ペニーローファー(コインローファー):最も定番で万能な一足
ペニーローファーは、甲の部分に切れ込みの入った帯(サドル)があしらわれているのが特徴です。1950年代にアメリカの学生たちが、この切れ込みに1セント硬貨(ペニー)を差し込んでファッションを楽しんだことからこの名がつきました。
最もベーシックなデザインであり、学生靴のイメージが強い方もいるかもしれませんが、素材や木型(ラスト)選びによって、大人の品格漂う一足になります。丸みを帯びたトゥ(つま先)のものはカジュアル向きですが、ノーズが長くシュッとしたシルエットのものを選べば、ジャケパンスタイルからデニムまで幅広く対応できる万能選手です。
初めてローファーを購入する場合、まずはこのペニーローファーから入ることを強くおすすめします。黒の表革(スムースレザー)を選べば、オフィスカジュアルの足元として最も汎用性が高いでしょう。
タッセルローファー:ドレッシーでスーツとも相性抜群
甲の部分に房飾り(タッセル)が付いたデザインです。アメリカの弁護士が好んで履いたという歴史的背景から「弁護士の靴」とも呼ばれ、ローファーの中では最もドレッシーでフォーマル度が高いとされています。
歩くたびに揺れるタッセルがエレガントな印象を与え、スーツスタイルとの相性が抜群に良いのが特徴です。紐靴では堅苦しすぎるが、スニーカーでは軽すぎるというシーンにおいて、タッセルローファーは絶妙なバランスをもたらしてくれます。
クラシックな装いを好む方や、ビジネスメインで履きたい方には最適です。特にダークブラウンやバーガンディといった色味を選ぶと、より色気のある大人の足元を演出できます。
ビットローファー:華やかさと大人の色気を演出
甲の部分に馬具(ホースビット)を模した金属の飾りが付いているタイプです。1950年代にイタリアのハイブランドが発表したことで広まりました。金属の輝きがアクセントとなり、ラグジュアリーで華やかな印象を与えます。
ゴールドやシルバーのビット金具はアクセサリーのような効果を持つため、シンプルなコーディネートを一気に格上げしてくれます。ただし、その華やかさゆえにビジネスシーンでは「派手すぎる」と捉えられる場合もあるため注意が必要です。
パーティシーンや、休日のデート、あるいはクリエイティブな職種の方のビジネスシューズとして適しています。エレガントさを強調したい場合は、スエード素材のビットローファーを選ぶと、ギラつきが抑えられて上品にまとまります。
ローファー種類別:フォーマル度とおすすめ着用シーン早見表
| 種類 | フォーマル度 | 主な特徴 | おすすめ着用シーン | スーツ着用 |
|---|---|---|---|---|
| タッセルローファー | High | 房飾りが知的でドレッシー | ビジネス、会食、デート | ◎(最適) |
| ペニーローファー | Mid | シンプルで万能、アメトラの定番 | オフィスカジュアル、通学、休日 | ○(ジャケパン向き) |
| ビットローファー | Low〜Mid | 金属飾りが華やかでラグジュアリー | パーティ、休日、クリエイティブ職 | △(職場による) |
【最重要】プロが教える「痛くない・脱げない」サイズ選びの極意
ここが本記事の核心部分です。ローファー購入者の多くが直面する「踵が抜ける(スポスポする)」あるいは「甲が痛くて歩けない」という悩み。これらはすべて、ローファー特有の構造を理解しないままサイズを選んでしまったことに起因します。
紐靴(レースアップシューズ)であれば、多少サイズが大きくても紐をきつく縛ることで足を固定できます。しかし、ローファーには調整機能がありません。つまり、靴そのもののフィット感だけで足を固定しなければならないのです。
これから解説する3つのチェックポイントを理解し、試着時に実践することで、失敗のリスクを劇的に減らすことができます。
なぜローファーは「紐靴と同じサイズ」を買ってはいけないのか?
結論から申し上げますと、普段履いているスニーカーや紐付き革靴よりも、0.5cm〜1.0cm小さいサイズ(表記)を選ぶケースがほとんどです。
理由は2つあります。1つ目は、スニーカーは足の実寸よりも大きめに作られていることが多く、厚手のクッションで足を包み込む構造だからです。対して革靴は、捨て寸(つま先の空間)を含んだサイズ表記になっていることが多いですが、ローファーは特に「踵」と「甲」で足をロックする必要があるため、よりタイトな設計が求められます。
2つ目は「革の伸び」と「沈み込み」です。新品の状態がジャストサイズだと、履き込んでいくうちに革が伸び、底材(コルクなど)が沈み込んで空間が生まれ、数ヶ月後にはブカブカになってしまいます。そのため、購入時は「少しきついかな?」と感じる程度のタイトフィットを目指すのが正解なのです。
試着時のチェックポイント①:踵(かかと)の浮きと食いつき
ローファーにおいて最も重要なのが踵のフィッティングです。試着したら、必ず店内を歩き回ってください。その際、一歩踏み出すたびに踵がカパカパと浮いてしまう場合は、サイズが大きすぎるか、その靴の踵の形状(ヒールカップ)があなたの足に合っていません。
理想的な状態は、「歩く際に踵が靴に吸い付いてくる感覚」があることです。手で踵を押さえても隙間がなく、食いついている状態を確認しましょう。多少の圧迫感があっても、踵が抜けるよりはマシです。踵が抜けると、無意識に足の指に力が入り、疲労や靴擦れの原因となります。
試着時のチェックポイント②:甲の圧迫感と「沈み込み」の計算
次に確認すべきは「甲(インステップ)」のフィット感です。ローファーは甲の部分(サドルやタン)で足を上から押さえつけることで固定します。ここが緩いと、足が前滑りしてつま先が痛くなります。
試着した瞬間に「痛い!」と激痛が走る場合はサイズが小さすぎますが、「ギュッと握手されているような強めの圧迫感」であれば、それは適正範囲内である可能性が高いです。特にグッドイヤーウェルト製法の靴は、履き込むことで中底のコルクが沈み込み、数ミリ単位で空間が広がります。また、アッパーの革も足の形に合わせて伸びていきます。
「今は少しきついが、我慢できないほどではない」というラインを見極めるのが、プロのシューフィッターの腕の見せ所でもあります。
試着時のチェックポイント③:捨て寸(つま先の余裕)の確保
サイズを下げていくと、心配になるのがつま先です。ここで重要なのが「捨て寸(すてすん)」の確保です。どれだけタイトなサイズを選んでも、つま先が靴の先端に当たってはいけません。
足の指が靴の中で自由に動かせる空間が、最低でも1.0cm〜1.5cm程度は必要です。踵と甲はしっかり固定されているのに、指先だけは動かせる状態がベストです。もし、サイズを下げてつま先が当たってしまう場合は、その靴の木型(ラスト)が足に合っていないため、サイズを上げるのではなく、「ワイズ(足幅)」の広いモデルに変えるか、別のブランドを検討すべきです。
上級シューフィッターのアドバイス
「試着のタイミングについてよく質問を受けますが、一般的に人の足は朝よりも夕方の方がむくんで大きくなると言われています。そのため、夕方から夜にかけて試着を行うのがベストです。また、試着時に履いていく靴下にも注意してください。普段ローファーを履く際に着用予定の靴下(ビジネス用ソックスや薄手のカバーソックスなど)を持参し、それで試着しないと、サイズ感が大きく狂ってしまいます」
▼【コラム】日本人の足(幅広・甲高)に海外ブランドが合わない理由とは?
「憧れの海外ブランドのローファーを買ったのに、どうしても足が痛い」という相談をよく受けます。これは、欧米人と日本人の骨格の違いによるものです。
一般的に、欧米人の足は「甲が低く、幅が狭く、踵が出っ張っている」傾向にあります。対して日本人は「甲が高く、幅が広く、踵が小さい(絶壁気味)」という特徴を持つ方が多いです。
海外ブランドの靴は、現地の人の足に合わせて木型(ラスト)を作成しているため、日本人が履くと「幅に合わせてサイズを上げると踵が抜ける」「踵に合わせると幅がきつくて入らない」という現象が起きがちです。無理して履き続けると、外反母趾や魚の目などのトラブルに繋がります。
もちろん海外ブランドでも日本人向けの木型を採用しているモデルもありますが、基本的には「自分の足の形に合った木型を持つブランド」を選ぶことが、快適なローファーライフへの第一歩です。
素材で変わる「手入れの手間」と「履き心地」
サイズ選びと同じくらい重要なのが、素材選びです。素材によって見た目の印象だけでなく、手入れの手間や雨への耐性、そして履き心地が大きく変わります。ご自身のライフスタイルに合わせて選びましょう。
本革(天然皮革):足に馴染み、エイジング(経年変化)を楽しめる
牛革などの天然皮革を使用したローファーの最大の魅力は、「足への馴染みの良さ」です。履き始めは硬くても、時間の経過とともに繊維がほぐれ、持ち主の足の形に成形されていきます。これが、先述した「きつめを選ぶ」ことができる理由です。
また、適切なケアを行えば10年以上履き続けることができ、色艶が増していくエイジング(経年変化)を楽しめるのも本革ならではの喜びです。クリームを塗って磨く時間が苦にならない方、長く愛用したい方におすすめです。
合成皮革・ガラスレザー:雨に強く、手入れが楽でコスパ優秀
合成皮革(フェイクレザー)や、本革の表面に樹脂コーティングを施したガラスレザーは、水や汚れに強いのが特徴です。雨の日でも気兼ねなく履くことができ、汚れてもさっと拭き取るだけで綺麗になります。
特にガラスレザーは独特の光沢感があり、ドレッシーな印象を与えます。ただし、表面がコーティングされているため革が伸びにくく、足に馴染むまで時間がかかる(あるいは馴染まない)というデメリットもあります。また、通気性が悪いため蒸れやすい点にも注意が必要です。メンテナンスフリーを好む方や、雨用の一足を探している方に最適です。
スエード:柔らかく、カジュアルダウンに最適
革の裏面を起毛させたスエード素材は、非常に柔らかく、履き始めから足当たりが良いのが特徴です。靴擦れが心配な方や、硬い革靴が苦手な方におすすめです。
見た目の温かみがあり、起毛感がカジュアルな雰囲気を演出するため、デニムやチノパンとの相性は抜群です。また、防水スプレーをかけておけば、実は表革よりも雨に強いという特性を持っています。オンオフ兼用で、少しリラックスした雰囲気を出しやすい素材です。
素材別メリット・デメリット比較表
| 素材 | 価格帯 | 耐久性 | 耐水性 | 手入れの手間 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 本革(スムース) | High | ◎(長持ち) | △(弱い) | 必要(楽しみ) | 足に馴染む、高級感、育てる靴 |
| 合成皮革 | Low | △(加水分解) | ◎(強い) | 不要(楽) | 安価、雨用、伸びない |
| ガラスレザー | Mid | ○(丈夫) | ○(強い) | 少(楽) | 光沢感、硬い、伸びにくい |
| スエード | Mid〜High | ○(丈夫) | ○(撥水可) | 中(ブラッシング) | 柔らかい、カジュアル、お洒落 |
目的別!メンズローファーおすすめブランド15選
数あるブランドの中から、プロの視点で厳選した15ブランドをご紹介します。「日本人の足に合うか」「コスパ」「機能性」など、それぞれの強みを比較して、あなたに最適な一足を見つけてください。
上級シューフィッターのアドバイス
「ブランド選びの際、初めての一足であれば製法にも注目してください。底の張り替えが可能で耐久性の高い『グッドイヤーウェルト製法』は、最初は硬いですが徐々に足に馴染みます。一方、『マッケイ製法』は底の返りが良く、最初から柔らかい履き心地ですが、耐久性や耐水性はやや劣ります。長く履きたいならグッドイヤー、軽快さを求めるならマッケイがおすすめです」
【日本人の足に最適】信頼の国産ブランド5選
日本人の「幅広・甲高・小さめの踵」を知り尽くした国産ブランドは、フィッティングの成功率が非常に高いです。
- REGAL(リーガル)
日本のビジネスマンの足元を支え続けるド定番。特にローファーのラインナップは豊富で、グッドイヤーウェルト製法のモデルは堅牢で長持ちします。日本人の足型に合わせた木型は信頼性抜群です。 - HARUTA(ハルタ)
学生靴のイメージがありますが、実は大人向けのラインも非常に優秀。ガラスレザーを使用したモデルは雨にも強く、驚くほどの高コスパ。トラッドなデザインは流行り廃りがありません。 - SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)
東京・墨田区発の本格革靴ブランド。使用する革の質にこだわり、日本人の足に合うタイトなヒールカップが特徴。踵の抜けにくさに定評があります。 - SANYO YAMACHO(三陽山長)
「日本人のための高級靴」をコンセプトに掲げるブランド。非常に美しいシルエットと、日本人の足に吸い付くようなフィット感は、海外高級靴にも引けを取りません。 - UNION IMPERIAL(ユニオンインペリアル)
日本で初めてマッケイ製法を取り入れた老舗。手作業による「ハンドソーン・ウェルテッド製法」のモデルは、返りが良く足馴染みが極上です。
【コスパ重視】1万円以下で買える高見えブランド3選
予算は抑えたいけれど、安っぽく見えるのは嫌だという方におすすめのブランドです。
- GU(ジーユー)
トレンドを押さえたボリュームソールやビットローファーが低価格で手に入ります。「リアルレザー」シリーズは本革を使用しており、この価格帯では信じられないクオリティです。 - texcy luxe(テクシーリュクス)
アシックス商事が展開する「スニーカーのような履き心地の革靴」。見た目は革靴ですが、ソールはスニーカー仕様で非常に歩きやすい。営業回りの多い方に。 - HAWKINS(ホーキンス)
ABCマートのハウスブランド。防水機能を備えたモデルや、幅広設計(3E, 4E)のモデルが多く、実用性と価格のバランスが取れています。
【一生モノ】所有欲を満たす海外名門ブランド4選
手入れをしながら10年、20年と履き続けたい、ステータス性の高い名作ローファーです。
- Paraboot(パラブーツ)
フランスのブランド。名作「ランス」や「コロー」は、ラバーソールを自社製造しており、雨にも強くクッション性が高いのが特徴。ボリューム感があり、カジュアルスタイルに最適です。 - G.H.BASS(ジーエイチバス)
ローファーの元祖と言われるアメリカブランド。マイケル・ジャクソンも愛用したことで有名です。ガラスレザーの光沢とクラシックなデザインは唯一無二の存在感。 - J.M. WESTON(ジェイエムウエストン)
「180 シグニチャーローファー」はローファーの王様とも称されます。サイズ展開だけでなくワイズ(幅)展開も豊富で、万力締めと呼ばれるタイトフィッティングから自分の足に馴染ませる過程は、靴好きの通過儀礼です。 - Crockett&Jones(クロケット&ジョーンズ)
イギリスの老舗。タッセルローファーの「キャベンディッシュ」は世界中で大ヒットした傑作。日本人の足に合わせて踵を小さく改良したラストを採用しており、フィット感も良好です。
【機能性重視】歩きやすさ特化のスニーカーライクな3選
革靴の見た目とスニーカーの機能を融合させたハイブリッドなローファーです。
- ASICS Runwalk(アシックス ランウォーク)
スポーツシューズのテクノロジー「GEL」を搭載し、衝撃緩衝性に優れています。走れる革靴として有名で、足への負担を極限まで減らしたい方に。 - ROCKPORT(ロックポート)
アメリカ発のレザーシューズブランド。独自のクッション素材を使用し、軽量で柔軟性が高いのが特徴。長時間歩いても疲れにくい設計です。 - COLE HAAN(コールハーン)
伝統的なデザインに最新のクッション技術を組み合わせた「グランド」シリーズが人気。ソールがスニーカーのような形状のものもあり、都会的でスタイリッシュです。
おすすめブランド別:価格帯・ワイズ(足幅)・特徴スペック比較一覧
| ブランド | 価格帯 | 主なワイズ | 特徴・おすすめポイント |
|---|---|---|---|
| REGAL | 2〜3万円 | 2E (標準) | 国産の安心感、修理体制が充実、堅牢 |
| HARUTA | 1万円前後 | 2E〜3E | 高コスパ、ガラスレザーで雨に強い |
| GU | 4,000円〜 | – | 圧倒的安さ、トレンドデザイン、本革あり |
| Paraboot | 7〜9万円 | 広め | 雨に強いラバーソール、カジュアル向け |
| J.M. WESTON | 13万円〜 | A〜E (豊富) | 一生モノ、豊富なサイズ展開、最高級革 |
| ASICS Runwalk | 3〜4万円 | 2E〜4E | GEL搭載で疲れない、機能性No.1 |
買ってから「痛い・緩い」と気付いた時のリカバリー術
どれだけ慎重に選んでも、実際に履いて生活してみると「やっぱり踵が抜ける」「小指が痛い」といった問題が発生することはあります。しかし、諦めてはいけません。プロが現場で行っている調整テクニックを使えば、履けない靴を「快適な靴」に変えることができます。
体験談:タンパッドによるサイズ調整事例
以前、「ネットで購入したローファーが緩くて、歩くたびに踵が抜けてしまう。インソールを入れたがきつくならなかった」と相談に来られたお客様がいらっしゃいました。拝見すると、インソールで底上げした結果、踵の位置が浅くなり、余計に抜けやすくなっていました。そこで私は、甲の裏側(タンの裏)に貼る「タンパッド」を提案しました。これにより、足を上から押さえつけて踵をヒールカップに押し付ける効果が生まれ、「踵が全く抜けなくなった!」と大変喜んでいただけました。
「踵が抜ける・緩い」場合はインソールより〇〇調整が正解
ローファーが緩い時、多くの方がまず「インソール(中敷き)」を入れようとします。しかし、これは半分正解で半分間違いです。厚手のインソールを入れると、靴の中の容積は減りますが、同時に踵の位置が持ち上がってしまい、踵の引っかかりが浅くなって余計に脱げやすくなることがあるのです。
踵抜け対策の正解は、体験談でも触れた「タンパッド」です。靴の甲の裏側(ベロの裏)にフェルトやスポンジのパッドを貼り付けることで、甲を下方向に押さえつけます。これにより、足が靴の後方に押し付けられ、踵がしっかりと食いつくようになります。見た目にも響かず、フィット感を劇的に改善できるプロ御用達のアイテムです。
「小指・くるぶしが痛い」場合の革伸ばし(ストレッチ)テクニック
逆に「きつくて痛い」場合です。特に小指の付け根やくるぶしが当たって痛い場合は、「ポイントストレッチャー」という器具を使用します。痛い部分だけをピンポイントで押し広げることができる器具で、靴修理店に持ち込めば数百円〜千円程度で対応してくれます。
自宅で行う場合は、「デリケートクリーム」などの保湿クリームを靴の内側からたっぷりと塗り込み、革を柔らかくしてから、厚手の靴下を履いて室内で少しずつ慣らす方法が有効です。革は水分と油分を含むと柔軟性が増し、伸びやすくなります。
靴擦れ防止のための事前のケア方法
新しいローファーを下ろす際、何の対策もせずに一日中履いて出かけるのは自殺行為です。必ず事前のケアを行いましょう。
まず、踵や小指など、靴擦れしそうな箇所にあらかじめ「保護テープ」や「絆創膏」を貼っておきます。靴側ではなく、肌側に貼るのがポイントです。また、靴の踵の内側に固形石鹸やロウを薄く塗っておくと、滑りが良くなり摩擦を軽減できます。
そして、最初の3〜5回は、近所のコンビニに行く程度や、オフィス内での履き替え用として短時間だけ着用し、徐々に足を慣らしていく「履き慣らし期間」を設けることが、血を見ないための鉄則です。
ローファーに関するよくある質問(FAQ)
最後に、店頭でお客様から頻繁にいただく質問にお答えします。細かな疑問を解消して、自信を持ってローファーを履きこなしましょう。
Q. ローファーに合わせる靴下(ソックス)は何が正解?
ローファーの軽快さを活かすなら、素足履き風に見える「インビジブルソックス(カバーソックス)」が基本です。パンツの裾から肌がチラリと見えることで、抜け感と色気が生まれます。
もちろん、ビジネスシーンや秋冬には、通常のロングホーズ(長靴下)を合わせても問題ありません。その際は、靴の色に合わせた無地のリブソックスや、アーガイル柄などでアクセントをつけると洒落て見えます。白いスポーツソックスだけは学生っぽくなるので避けましょう。
上級シューフィッターのアドバイス
「見えない靴下を選ぶ際、『すぐに脱げて靴の中で丸まる』というストレスを抱えている方が多いです。選ぶポイントは、踵の内側にシリコンの滑り止めが付いていること、そして履き口が浅すぎないものを選ぶことです。最近ではローファー専用設計の、甲が深めで脱げにくいカバーソックスも販売されていますので、そういった専用品を選ぶと快適さが段違いです」
Q. 雨の日にローファーを履いても大丈夫?
基本的には、本革のレザーソール(革底)のローファーは雨に弱いため避けるべきです。水が染み込み、革が傷むだけでなく、滑りやすくて危険です。
雨の日にも履きたい場合は、アッパーに「撥水加工レザー」や「合成皮革、ガラスレザー」が使われており、ソールが「ラバーソール(ゴム底)」になっているモデルを選びましょう。今回ご紹介したブランドの中では、ParabootやHARUTA、GUなどが雨の日用として優秀です。
Q. 就活や冠婚葬祭でローファーはNG?
厳密なマナーとしては、就職活動や葬儀、結婚式(親族や主賓の場合)でのローファー着用はNGとされています。これらは最もフォーマルな場であり、紐付きのストレートチップ(内羽根式)を履くのが礼儀です。
ただし、結婚式の二次会や、カジュアルなパーティー、また業界によっては面接でも許容される場合があります(アパレルや美容業界など)。TPOをわきまえ、迷ったら紐靴を選ぶのが大人の賢明な判断です。
まとめ:運命の一足で大人の足元を手に入れよう
ローファーは、サイズ選びさえ間違えなければ、オンオフ問わず活躍する最強のパートナーになります。紐を結ぶ手間から解放され、それでいてスニーカーにはない品格を足元に宿すことができるのです。
最後に、失敗しないためのチェックリストを振り返りましょう。
失敗しないローファー選び 最終チェックリスト
- [ ] サイズ感:踵が食いつき、甲に適度な圧迫感があるか?(紐靴より0.5〜1.0cm下げたか?)
- [ ] 捨て寸:つま先に1.0cm以上の余裕があり、指が動かせるか?
- [ ] 試着時間:足がむくむ「夕方」に、実際に履く靴下で試着したか?
- [ ] 素材:手入れを楽しむなら「本革」、楽さをとるなら「合皮・ガラスレザー」を選んだか?
- [ ] TPO:ビジネスで使うなら「タッセル」かシンプルな「ペニー」、色は黒か濃茶を選んだか?
上級シューフィッターのアドバイス
「購入して自宅に持ち帰ったら、履き下ろす前に必ず『プレメンテナンス』を行ってください。新品の靴は革が乾燥していることが多いです。デリケートクリームを塗って水分と油分を補給することで、革が柔らかくなり、靴擦れのリスクを減らすことができます。このひと手間が、靴の寿命とあなたの足の快適さを大きく左右します。ぜひ今日から実践してみてください」
あなたにぴったりの一足が見つかり、軽快で洗練された大人のスタイルが完成することを願っています。
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