メーガン妃(サセックス公爵夫人)に関するニュースを見ない日はありません。しかし、流れてくる情報は「わがままなプリンセス」というバッシングか、あるいは「悲劇のヒロイン」という擁護か、極端に二極化しているのが現状です。
結論から申し上げますと、メーガン妃を巡る絶え間ない議論は、単なる個人の性格問題だけが原因ではありません。これは、「米英の文化摩擦」と「現代的なPR戦略の副作用」が複雑に絡み合い、増幅された結果なのです。感情的な好悪のフィルターを外し、現地英国の空気感とビジネス的な視点から分析することで、初めて彼女の行動の真意と、私たちが感じる「モヤモヤ」の正体が見えてきます。
本記事では、長年ロンドンで王室取材を続けてきた筆者が、タブロイド紙の煽り文句から距離を置き、以下の3点を中心に徹底解剖します。
- メーガン妃の最新動向と新ブランド「American Riviera Orchard」の真の狙い
- 専門家が分析する「なぜ嫌われる?なぜ支持される?」の構造的理由
- 王室離脱から現在までのビジネス展開と資産、ヘンリー王子との関係の真実
メーガン妃の「現在」:最新の活動とライフスタイル
まず、多くの読者が最も気になっているであろう「今、彼女は何をしているのか?」という点から紐解いていきましょう。王室を離脱してから数年、彼女の活動拠点は完全にアメリカ西海岸へと移り、その活動内容は「元ロイヤル」という枠組みを超え、実業家あるいは活動家としての色彩を強めています。
英国王室・異文化コミュニケーターのアドバイス
「英国の伝統的な価値観では、王室メンバーは『存在すること』そのものが職務であり、個人の野心を表に出すことは美徳とされません。しかし、米国での彼女は『自らの手で成功を掴み取る女性』として再ブランディングを図っています。この温度差こそが、英国側から『品がない』と批判され、米国側から『自立した女性』と称賛される根本的な原因です。今の彼女を見る際は、王族としてではなく『アメリカのセレブリティ』として見る方が、その行動原理を理解しやすいでしょう」
2024年以降の主な活動:新ブランド立ち上げとメディア露出
2024年、メーガン妃は新たなチャプターに突入しました。その象徴が、自身のライフスタイルブランド「American Riviera Orchard(アメリカン・リビエラ・オーチャード)」の立ち上げです。突如としてインスタグラムのアカウントが開設され、わずか数日で数十万人のフォロワーを獲得したこのブランドは、彼女が長年温めてきた「マーサ・スチュワート」的なポジション、つまり「暮らしのカリスマ」への回帰を意味しています。
具体的には、ジャムやテーブルウェア、カトラリー、料理本などを展開する計画が報じられています。特に先行してインフルエンサーたちに配布された「番号付きのストロベリージャム」は、SNS上で大きな話題となりました。これは単なる物販ではなく、彼女が提唱する「エレガントで、かつ地に足のついたカリフォルニア・ライフ」そのものを商品化しようとする試みです。
また、メディア露出においては、以前のような「暴露」中心のインタビューからシフトし、女性のエンパワーメントやメンタルヘルス、オンライン上の安全性といった社会的なテーマでの登壇が増えています。テキサス州で開催されたSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)でのパネルディスカッションなどがその好例です。
居住地モンテシートでの暮らしと「アーチウェル」財団の活動状況
現在、サセックス公爵夫妻はカリフォルニア州サンタバーバラ郡のモンテシートにある広大な邸宅で暮らしています。この地域はオプラ・ウィンフリーやエレン・デジェネレスなど、超A級セレブリティが住むエリアとして知られ、プライバシーが厳重に守られています。
彼らが設立した慈善団体「アーチウェル(Archewell)」財団の活動も継続しています。主な活動内容は以下の通りです。
- オンライン上のいじめや誤情報の拡散防止への取り組み
- アフガニスタン難民の支援
- 自然災害時の救援活動への寄付
- 「責任あるテクノロジー」の推進
しかし、財団の活動報告書によると、寄付金の集まり具合には波があり、運営コスト(特にスタッフの人件費)とのバランスについて、一部の専門家からは持続可能性を懸念する声も上がっています。彼らの活動は「具体的な現場支援」よりも「アドボカシー(提言・啓発)」に重きを置いている点が特徴です。
今後の展望:政界進出やハリウッド復帰の可能性はあるか?
常に噂されるのが、メーガン妃の政界進出です。特にアメリカ民主党に近い姿勢を示してきた経緯から、将来的な上院議員選挙への出馬や、さらには大統領選への野心を抱いているのではないかという憶測が絶えません。彼女自身が連邦議会議員にロビー活動(育児休暇に関する法案など)を行った実績もあり、政治的な発言力を持つことへの意欲は隠していません。
一方で、ハリウッド女優としての復帰については、現時点では否定的です。彼女は「プロデューサー」や「クリエイター」としての裏方に徹する意向を示しており、『スーツ』のスピンオフ作品への出演オファーなども断ったと報じられています。彼女が目指しているのは、単なる「出演者」ではなく、物語をコントロールし、社会にメッセージを発信する「オーナー」のポジションなのです。
女優から公爵夫人、そして離脱へ:激動のタイムライン
メーガン妃を理解するためには、彼女が歩んできた激動の道のりを、単なる事実の羅列ではなく「文脈」と共に振り返る必要があります。なぜ彼女は王室に入り、そしてなぜ去らなければならなかったのか。そのターニングポイントを整理します。
▼クリックして詳細を表示:メーガン妃の経歴と王室との関係性年表
| 時期 | 出来事 | 背景と文脈 |
|---|---|---|
| 2011年 – 2017年 | ドラマ『SUITS/スーツ』出演 | レイチェル・ゼイン役でブレイク。自身のブログ『The Tig』運営など、発信力のある女優として活動。 |
| 2016年7月 | ヘンリー王子との出会い | ロンドンで共通の友人の紹介により出会う。遠距離恋愛を経て交際が公に。 |
| 2018年5月 | ロイヤルウェディング | ウィンザー城で挙式。多文化を取り入れた式は「新しい王室」の象徴として世界中が熱狂。 |
| 2019年5月 | 第一子アーチー誕生 | 出産直後の写真撮影(フォトコール)を拒否するなど、慣例を破る姿勢が明確化。 |
| 2020年1月 | 「メグジット」発表 | 主要王族からの引退を突然発表。女王との事前協議が不十分だったとされ、英国内で波紋を呼ぶ。 |
| 2021年3月 | オプラ・インタビュー放映 | 王室内の人種差別疑惑や自殺願望を告白。英米間の評価が決定的に分断される。 |
| 2022年12月 | Netflix『ハリー&メーガン』 | 二人の視点からのドキュメンタリー。出会いから離脱までの詳細を映像で公開。 |
| 2023年1月 | ヘンリー王子回顧録『スペア』 | 王室内部の喧嘩や確執を暴露。メーガン妃への擁護と王室への批判が展開される。 |
「スーツ」女優時代の成功とヘンリー王子との出会い
メーガン・マークルは、ロサンゼルスで生まれ育ちました。父は照明ディレクター、母はヨガインストラクター兼ソーシャルワーカーという家庭環境は、彼女に「ショービジネス」と「社会貢献」という二つの軸を与えました。長い下積み時代を経て掴んだドラマ『SUITS/スーツ』のパラリーガル役は、彼女にとってキャリアの頂点であり、自立した女性としての自信を確固たるものにしました。
ヘンリー王子との出会いは2016年。当時のヘンリー王子は、母ダイアナ元妃の死のトラウマや軍役を経て、自身の役割を模索していた時期でした。自立し、知的で、人道支援活動に熱心なメーガンは、彼にとって単なる恋人以上の「導き手」に見えたのかもしれません。二人の交際は急速に進展しましたが、当初からタブロイド紙による人種差別的な報道や過熱取材が問題視されていました。
ロイヤルウェディングから「メグジット(王室離脱)」までの経緯
2018年の結婚式は、黒人聖歌隊によるゴスペルや、アメリカ聖公会総裁主教による説教など、英国王室の歴史上類を見ない多様性に満ちたものでした。多くの人々が、彼女が古い王室に新しい風を吹き込むことを期待しました。
しかし、蜜月は長くは続きませんでした。職員への高圧的な態度(いわゆる「いじめ疑惑」)や、ウィリアム王子(当時)夫妻との不仲説、そして何より「プライバシーを守りたい」と言いながら「注目を浴びる行動」をとる矛盾に対し、英国メディアの論調は厳しさを増していきました。
そして2020年1月、歴史的な「メグジット」が起こります。彼らは「財政的に自立し、北米と英国を行き来する」というハーフ・イン・ハーフの役割を望みましたが、エリザベス女王(当時)は「公務を行わない王族が、王室ブランドを利用して利益を得ることは許されない」としてこれを却下。結果的に、すべての公務と軍の名誉職を返上する形での完全離脱となりました。
オプラ・ウィンフリー・インタビューと暴露本『スペア』の衝撃
離脱後、決定的な亀裂を生んだのが2021年のオプラ・ウィンフリーによるインタビューです。ここでメーガン妃は、「生まれてくる子供の肌の色を懸念する会話があった」と示唆し、王室全体を人種差別の疑いで揺さぶりました。また、「助けを求めたが無視された」というメンタルヘルスの告白は、王室という組織の冷徹さを浮き彫りにしました。
さらに、ヘンリー王子の著書『スペア』では、ウィリアム皇太子との物理的な喧嘩や、キャサリン妃とメーガン妃の些細な諍い(シャーロット王女のドレスを巡るやり取りなど)が詳細に暴露されました。これにより、「沈黙を守る」王室と、「すべてを語る」サセックス公爵夫妻という対立構造は修復不可能なレベルに達しました。
英国王室・異文化コミュニケーターのアドバイス
「オプラ・インタビューが放映された翌日、ロンドンの街は異様な静けさと怒りに包まれていました。英国民が感じたのは、単なるゴシップへの興味ではなく、病床にあったフィリップ殿下(当時)への配慮の欠如や、エリザベス女王への敬意を欠いた『裏切り』の感情でした。英国において王室は単なるセレブ一家ではなく、国家統合の象徴です。その内幕を外国メディアで一方的に暴露することは、英国民のアイデンティティそのものを傷つける行為と受け取られたのです」
【徹底分析】なぜメーガン妃は批判され、同時に熱狂されるのか?
ここからが本記事の核心です。なぜメーガン妃はこれほどまでに、ある人々からは熱狂的に支持され、別の人々からは蛇蝎のごとく嫌われるのでしょうか。その理由は、彼女個人の資質以上に、彼女が体現してしまった「現代社会の対立構造」にあります。
英国王室・異文化コミュニケーターのアドバイス
「メーガン妃の言動は、典型的な米国流『セルフ・エンパワーメント(自己肯定・自己実現)』に基づいています。『声を上げる』『自分の真実を語る』ことはアメリカでは称賛される美徳です。しかし、英国王室の精神は『Duty(義務)』と『Service(奉仕)』であり、そこでは『滅私』こそが美徳です。彼女が自己実現を追求すればするほど、英国的な価値観からは『わがまま』で『公務を私物化している』と見なされてしまう。この決定的なOSの違いが、悲劇的な摩擦を生み続けているのです」
「米英文化ギャップ」:アメリカ的な自己主張とイギリス的な慎み深さ
最大にして根本的な要因は、文化的なギャップです。アメリカ文化、特に西海岸の文化は、セラピー用語を多用し、感情をオープンにし、個人の幸福を最優先します。メーガン妃が使う「My Truth(私の真実)」という言葉は、客観的な事実よりも主観的な感情体験を重視する現代アメリカのリベラルな価値観を象徴しています。
対してイギリス、特に上流階級の文化は、感情の抑制(スティッフ・アッパー・リップ)を良しとし、伝統や形式を重んじます。王室に入ったメーガン妃が、自身の感情や権利を主張したことは、イギリス側から見れば「プロトコル(儀礼)への無理解」であり「敬意の欠如」と映りました。逆に、アメリカ側の支持者から見れば、彼女は「古臭く抑圧的なシステムに立ち向かう勇敢な女性」と映るのです。
メディアとの戦争:タブロイド紙との確執とプライバシー問題の矛盾
メーガン妃とヘンリー王子は、英国のタブロイド紙(大衆紙)を「有害な力」として激しく敵視し、数々の訴訟を起こしています。彼らの主張は「メディアが嘘を書き、メーガンを追い詰めた」というものです。
しかし、ここで批判を生んでいるのが「プライバシーの矛盾」です。彼らはメディアの追跡を嫌い、静かな生活を求めて離脱したはずでした。しかし実際には、Netflixのドキュメンタリーで自らプライベートな映像を公開し、ポッドキャストやインタビューで私生活を語り続けています。この行動は、「自分たちがコントロールできる露出は良いが、批判的な報道は許さない」という、メディア選別の姿勢(コントロールフリーク)として批判されています。
「人種」と「ジェンダー」:彼女が象徴する現代社会の対立軸
メーガン妃の存在は、人種とジェンダーの問題を避けて通れません。彼女が王室初のバイレイシャル(混血)の公爵夫人となったことは歴史的な出来事であり、多くの有色人種の人々に希望を与えました。彼女に対する批判の一部に、無意識的あるいは意識的な人種差別が含まれていることは否定できない事実です。
また、彼女はフェミニストとしても知られています。「女性は声を上げるべきだ」という彼女のメッセージは、旧態依然とした家父長制的な王室のシステムと衝突しました。支持者たちは、彼女へのバッシングを「出る杭(特に有能な有色人種の女性)を打つ」社会の構造的な差別だと捉え、彼女を守ることを正義と考えています。
PR戦略の功罪:コントロールフリークな一面とブランディングの手腕
メーガン妃は非常に優秀なセルフ・プロデューサーでもあります。彼女のPR戦略は、ハリウッドのエージェント仕込みの高度なものです。タイミングを見計らった声明の発表、計算されたファッション、同情を誘うストーリーテリングの手法など、その手腕はビジネス界では高く評価されます。
しかし、王室という「神秘性」で成り立つ組織において、あからさまなPR戦略は逆効果となることがあります。「すべてが計算されているように見える」「演技じみている」という不信感は、彼女の完璧主義的なPR戦略が生んだ副作用とも言えるでしょう。
| 比較項目 | 米国メディアの傾向 (People, CBSなど) | 英国メディアの傾向 (Daily Mail, The Sunなど) |
|---|---|---|
| 基本的な視点 | 個人の自由、メンタルヘルス、人種正義 | 伝統の尊重、義務の履行、公的資金の監視 |
| メーガン妃の評価 | 古い因習と戦う革新的なリーダー、被害者 | 伝統を破壊するナルシスト、トラブルメーカー |
| 主な批判対象 | 英国王室の閉鎖性、英国メディアの人種差別 | サセックス公爵夫妻の言行不一致、偽善性 |
ビジネスと資産:サセックス公爵夫妻の経済基盤
王室からの「経済的自立」を掲げて離脱した彼らですが、実際の懐事情はどうなっているのでしょうか。ゴシップとしてではなく、一つのビジネスモデルとして彼らの活動を分析します。
Netflix『ハリー&メーガン』とSpotify契約の明暗
離脱直後、彼らはNetflixおよびSpotifyと巨額の契約を結びました。Netflixとの契約金は推定1億ドル(約150億円)とも言われています。ドキュメンタリーシリーズ『ハリー&メーガン』は、Netflix史上最高の視聴時間を記録する大ヒットとなり、商業的には大成功を収めました。
一方で、Spotifyとの契約は約2000万ドル(約30億円)とされましたが、わずか1シーズン(12エピソード)のポッドキャスト『Archetypes』を配信したのみで、2023年に契約打ち切りとなりました。Spotifyの幹部が彼らを「Grifters(詐欺師たち)」と呼んだことは大きなニュースとなりました。これは、彼らが「話題性」は提供できても、継続的に高品質なコンテンツを生産する能力、あるいは勤勉さに欠けているのではないかというビジネス界からの厳しい評価を露呈しました。
新ライフスタイルブランド「American Riviera Orchard」の勝算
メディアコンテンツ制作での躓きを経て、現在注力しているのが前述の「American Riviera Orchard」です。これは、グウィネス・パルトロウの「Goop」のような、高付加価値の物販ビジネスモデルを目指しています。
勝算は十分にあります。「メーガン妃が使っている」という事実は、依然として強力な購買動機になります(いわゆる「メーガン効果」)。しかし、課題はブランドの持続性です。単なる知名度だけでなく、商品の品質やブランドの世界観が消費者に受け入れられるか、そして何より「王室の肩書きを利用して商売をしている」という批判をどうかわすかが鍵となります。
警備費と豪邸の維持費:王室からの自立は経済的に成功したか?
彼らの経済状況を圧迫しているのが、膨大な警備費用です。公的な警備(ロンドン警視庁による警護)を失ったため、年間数億円とも言われる民間警備費用を自腹で賄わなければなりません。また、モンテシートの豪邸の維持費や固定資産税も莫大です。
現時点では、Netflixからの収入やヘンリー王子の著書の印税で潤沢な資金があるように見えますが、これらは「切り売り」できるネタ(王室時代の暴露)があったからこそ得られた収益です。今後、暴露ネタが尽きた後に、彼ら自身の実力で同規模の収益を上げ続けられるかが、真の経済的自立の試金石となるでしょう。
英国王室・異文化コミュニケーターのアドバイス
「欧米の富裕層コミュニティにおいて、王室ブランドを露骨にマネタイズする行為は、実はあまり上品とは見なされません。真のセレブリティは『ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)』を重視します。サセックス公爵夫妻がビジネスに傾倒すればするほど、本来彼らが持っていた『ロイヤルとしての威光』は消費され、薄まっていくというジレンマを抱えています」
ファッションとスタイル:メッセージ性のある装い
メーガン妃のファッションは、常に世界の注目の的です。しかし、彼女の装いは単におしゃれなだけではありません。そこには常に、彼女の置かれた状況や主張したいメッセージが込められています。
王室時代の「ルール破り」と評価されたファッション
王室在籍時、彼女のファッションは称賛と批判の的でした。ジバンシィやディオールなどのハイブランドを着こなし、モダンで洗練されたスタイルは多くの女性を魅了しました。一方で、ストッキングを履かずに公務に出たり、ダークな色のネイルを塗ったり、肩を露出するドレスを選んだりと、暗黙のロイヤル・プロトコルを次々と破っていきました。
これらは単なる無知ではなく、意図的な「モダナイズ(近代化)」の表明でした。「私は従来の枠にはまらない」という意思表示を、服を通じて行っていたのです。
現在のスタイル:「クワイエット・ラグジュアリー」と愛用ブランド
カリフォルニアに移住してからのスタイルは、よりリラックスした、しかし計算された「クワイエット・ラグジュアリー(静かなる贅沢)」へと変化しています。ロゴが目立つ服を避け、上質な素材とシンプルなシルエット(カシミアのコート、リネンのシャツ、ワイドパンツなど)を好んで着用しています。
愛用ブランドも、ロロ・ピアーナやマックスマーラ、ザ・ロウといった、知る人ぞ知る超高級ブランドが中心です。これは、富と洗練を誇示しつつも、成金的な派手さを嫌う、現代の超富裕層のトレンドを完璧に押さえています。
ジュエリーに込められた意味:ダイアナ元妃の形見と独自のアレンジ
彼女の装いで特に注目すべきはジュエリーです。彼女は頻繁に、故ダイアナ元妃の形見であるカルティエのタンクウォッチや、アクアマリンの指輪などを身につけます。これには、「自分こそがダイアナの精神を受け継ぐ正当な後継者である」という強烈なメッセージが込められていると分析されています。
また、小指にピンキーリングをつけるなど、伝統的な王室のジュエリー使いとは異なる、モダンなアレンジを加えることで、自分らしさを主張することも忘れていません。
複雑な人間関係の真実:王室・実家・友人
メーガン妃を巡るニュースの多くは、人間関係のトラブルに関するものです。ここでは、憶測を排し、確認されている事実と専門家の見解に基づいて、主要人物との関係性を整理します。
キャサリン皇太子妃との「不仲説」:涙の真相と現在の距離感
キャサリン皇太子妃(ケイト)との不仲は、もはや公然の事実となっています。発端は結婚式前のブライズメイド(花嫁介添人)のドレス選びでの衝突でした。当初「メーガンがケイトを泣かせた」と報じられましたが、後にメーガン妃はオプラのインタビューで「泣かされたのは私の方だ」と反論しました。
現在、両者の関係は「冷戦状態」どころか「断絶」に近いと言われています。ヘンリー王子の著書での暴露が決定打となり、信頼関係は崩壊しました。キャサリン皇太子妃が癌の治療を公表した際、サセックス公爵夫妻はお見舞いのメッセージを発表しましたが、個人的な接触があったかどうかは不明です。
チャールズ国王・ウィリアム皇太子との修復の可能性
チャールズ国王は、次男であるヘンリー王子に対して愛情を持ち続けているとされますが、カミラ王妃への批判(『スペア』内での記述)には深く傷ついていると報じられています。国王即位後、ヘンリー王子との短時間の面会はありましたが、本格的な和解には至っていません。
より深刻なのは兄ウィリアム皇太子との関係です。皇太子は、弟夫妻が王室と家族を裏切り、商業的に利用したことに激しい怒りを抱いているとされ、現時点で対話の糸口は全く見えていません。兄弟の絆は、悲しいことに完全に断ち切られた状態が続いています。
マークル家(父・異母姉)との絶縁状態と裁判沙汰
王室だけでなく、実家であるマークル家とも絶縁状態にあります。父トーマス・マークル氏は、結婚式直前にパパラッチと結託して写真を捏造したことが発覚して以来、メーガン妃と一度も会っていません。彼はメディアを通じて娘に会いたいと訴え続けていますが、メーガン妃側は沈黙を貫いています。
また、異母姉のサマンサ・マークル氏からは、「名誉毀損」で訴訟を起こされています。実の家族の中で現在も交流があるのは、母ドリア・ラグランド氏のみです。
ヘンリー王子との夫婦仲:不仲説・離婚説のファクトチェック
定期的にタブロイド紙を賑わせる「離婚秒読み説」ですが、現時点でこれを裏付ける確固たる証拠はありません。確かに、以前のように公衆の面前で常に手を繋ぐ場面は減ったかもしれませんが、それは関係が落ち着いた夫婦の自然な変化とも取れます。
二人はビジネス上のパートナーでもあり、運命共同体です。彼らのブランド価値は「二人セット」であることに大きく依存しているため、戦略的な観点からも、簡単に別れることは考えにくいというのが大方の見方です。
英国王室・異文化コミュニケーターのアドバイス
「戴冠式などの重要な王室行事において、ヘンリー王子の席次が『3列目』だったことは、王室側からの無言ですが明確な意思表示でした。『あなたは家族だが、もはや中心メンバーではない』という線引きです。王室は言葉で反論する代わりに、こうしたプロトコル(席次や服装の規定)を通じて、冷徹なまでに序列を示す組織なのです」
メーガン妃に関するよくある質問(FAQ)
最後に、検索エンジンで頻繁に問われている素朴な疑問について、事実に基づいて簡潔に回答します。
Q. メーガン妃の子供たち(アーチー、リリベット)に王子の称号はある?
A. はい、あります。チャールズ国王の即位に伴い、国王の孫として「王子(Prince)」「王女(Princess)」の称号を使用する権利が発生しました。現在、公式サイトなどでは「アーチー王子」「リリベット王女」と表記されています。ただし、「殿下(HRH)」の敬称は使用されません。
Q. 結局、王室からのお金はもらっているの?
A. いいえ、現在は受け取っていません。離脱当初はチャールズ皇太子(当時)の私領地からの収入が渡されていましたが、完全離脱後は打ち切られました。現在は自分たちの事業収益と遺産(ダイアナ元妃からの遺産など)で生活しています。
Q. メーガン妃は現在、イギリスに入国できる?
A. 法的にはもちろん入国可能です。しかし、実際にはほとんど帰国していません。その主な理由は「警備問題」です。ヘンリー王子は、自分と家族に対する英国滞在中の警察による警護を求めて英国内務省と裁判で争ってきましたが、敗訴しました。十分な警備が保証されない限り、メーガン妃と子供たちが渡英する可能性は低いと考えられます。
英国王室・異文化コミュニケーターのアドバイス
「彼女が英国に戻らないもう一つの理由は、国民感情です。各種世論調査において、彼女の好感度は歴史的な低水準を記録し続けています。もし公の場に姿を現せば、ブーイングが起きるリスクが非常に高く、それが映像として世界に配信されることは、彼女のブランドにとって致命的なダメージになりかねないのです」
まとめ:メーガン妃という現象から私たちが学ぶべきこと
メーガン妃は、単なる「わがままなプリンセス」でもなければ、完全無欠の「聖女」でもありません。彼女は、古い慣習と新しい価値観が衝突する最前線に立ち、自らの信念(と野心)に従って行動し、その結果として大きな摩擦を生んでいる一人の女性です。
彼女の行動が正しいか間違っているか、その評価はあなたの立ち位置によって変わるでしょう。しかし、彼女が世界で最も有名な女性の一人として、既存の権威に問いを投げかけ、私たちに「伝統とは何か」「個人の自由とは何か」を考えさせていることは間違いありません。
彼女の物語はまだ終わっていません。新しいビジネスの成否、王室との関係の変化、そして子供たちの成長。これからも彼女の一挙手一投足が、世界中の議論を巻き起こし続けることでしょう。ぜひ、表面的なニュースの奥にある「なぜ?」を考える視点を持ち続けてみてください。
メーガン妃のニュースを読み解くためのキーワード解説リスト
▼キーワード詳細(Megxit、The Firm、ロイヤル・ロタなど)
- Megxit (メグジット): メーガン(Meghan)とExit(脱出)を掛け合わせた造語。ブレグジット(英国のEU離脱)になぞらえてメディアが使用し定着しました。本人はこの言葉を「女性蔑視的だ」と批判しています。
- The Firm (ザ・ファーム): 英王室を「王家」としてではなく、一つの巨大な「企業・組織」として捉える際の呼称。フィリップ殿下が使い始めたと言われ、メーガン妃もインタビューでこの言葉を使用し、王室の冷徹な組織性を強調しました。
- Royal Rota (ロイヤル・ロタ): 王室取材を独占的に許可された英国の主要新聞・メディア連合。サセックス公爵夫妻は、このシステムが偏った報道を生むとして離脱し、独自の広報チャネルを持つことを選びました。
Sussex.com (サセックス公爵夫妻公式サイト)
The Royal Family (英国王室公式サイト)
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