2025年の旧正月(春節)における元日は、1月29日(水)です。中国、台湾、ベトナム、韓国などの中華圏およびアジア諸国では、この日を中心とした前後1週間程度が1年で最も重要な大型連休となります。
毎年日付が変わる旧正月ですが、2025年は例年よりも早い「1月」に到来するため、ビジネスにおける準備期間が短くなる点に注意が必要です。この記事では、アジアビジネス・現地事情リサーチャーである筆者が、各国の正確な連休スケジュールと、現地の実態に基づいたビジネス・旅行対策を徹底解説します。
この記事でわかることは以下の3点です。
- 【一覧表】中国・台湾・韓国・ベトナム等の2025年旧正月連休期間
- 現地専門家が教える「物流ストップ」や「工場稼働」の実態とビジネス対策
- 旧正月期間の旅行における混雑状況と、店選びの注意点
特に、貿易実務や現地とのやり取りがあるビジネスパーソン、そしてこの時期のアジア旅行を計画している方にとって、カレンダー上の休日だけでなく「実質的にいつ社会機能が停止するのか」を知ることは極めて重要です。ぜひ最後までご覧いただき、リスク回避とスムーズな計画立案にお役立てください。
2025年の旧正月(春節)は1月29日!主要国の連休期間一覧
2025年の旧正月(春節・旧暦1月1日)は、グレゴリオ暦(新暦)の1月29日(水)にあたります。アジアの多くの国では、この日を挟んで長期休暇が設定されますが、国によって休みの長さや振替休日のルールが異なります。まずは主要国のスケジュールを把握しましょう。
2025年アジア主要国 旧正月連休比較テーブル
以下の表は、各国政府の発表および慣例に基づいた2025年の旧正月連休予測一覧です。ビジネスや旅行の計画を立てる際の基礎データとしてご活用ください。
| 国・地域名 | 連休期間(予測含む) | 元日 | 備考・注意点 |
|---|---|---|---|
| 中国 (春節) |
1月28日(火) 〜 2月4日(火) ※8連休となる可能性が高い |
1/29 | 前後の土日(1/26や2/8など)が振替出勤日(平日扱い)になる可能性大。 |
| 台湾 (春節) |
1月25日(土) 〜 2月2日(日) ※9連休 |
1/29 | 大晦日の前日から休みに入る慣例があり、大型連休化しやすい。 |
| ベトナム (テト) |
1月25日(土) 〜 2月2日(日) ※9連休前後 |
1/29 | 政府発表により決定するが、実質的に前後を含め長く休む傾向が強い。 |
| 韓国 (ソルラル) |
1月28日(火) 〜 1月30日(木) ※週末接続で最大5〜9連休も |
1/29 | 基本は三が日(前日・当日・翌日)だが、有給をつなげて大型連休にする人が多い。 |
| 香港 | 1月29日(水) 〜 1月31日(金) | 1/29 | カレンダー通りだが、週末と接続して5連休となるケースが多い。 |
| シンガポール | 1月29日(水) 〜 1月30日(木) | 1/29 | 公休は2日間のみ。ビジネス再開は比較的早い。 |
※上記の日程は、各国の公式発表(国務院等)前の予測を含みます。正式な発表は通常、前年の10月〜11月頃に行われますが、旧暦に基づくため大きなズレは生じません。
なぜ毎年日付が変わる?旧暦の仕組みと2025年の特徴
日本では新暦(太陽暦)の1月1日を正月として祝いますが、アジアの多くの国では、月の満ち欠けに基づく「太陰太陽暦(旧暦)」の1月1日を盛大に祝います。旧暦の1年は新暦よりも約11日短いため、毎年旧正月の時期はズレていきます。一般的には1月21日から2月20日の間で変動します。
2025年の大きな特徴は、旧正月が1月の末(1月29日)に来るということです。2024年は2月10日でしたので、それよりも約12日早まることになります。
これがビジネスや旅行にどのような影響を与えるかというと、新暦の正月(1月1日)が終わってから旧正月までの期間が極めて短くなることを意味します。実質的な稼働日が3週間程度しかないため、1月は業務が非常にタイトになります。
アジアビジネス・現地事情リサーチャーのアドバイス
「2025年は『1月』に旧正月が来る点に最大の注意が必要です。例年であれば2月に入ってから本格化する休暇モードが、1月中旬から始まってしまいます。つまり、1月の実働日は実質2〜3週間しかありません。1月の売上目標や納期設定は、この『短縮された稼働日数』を前提に組まないと、月末に痛い目を見ることになります。特に月末締めの業務がある場合は、前倒しが必須です」
【国・地域別詳細】2025年の休暇スケジュールと現地の様子
一覧表で概要を把握したところで、次は主要国ごとの詳細な休暇事情と現地の雰囲気について解説します。国によって「休み」の概念や社会の止まり具合が異なります。
中国:最大規模の「春節」と振替出勤の罠
中国の旧正月は「春節(チュンジエ)」と呼ばれ、延べ数十億人が移動するといわれる「春運(帰省ラッシュ)」が発生します。中国国務院の規定では、春節の法定休日は3日間ですが、前後の土日を振り替えることで7〜8日間の大型連休にするのが通例です。
ここで日本人が最も戸惑うのが、中国特有の「振替出勤(調休)」システムです。連休を長くするために、連休前後の土曜日や日曜日を「平日扱い」として出勤日に設定します。
2025年の場合、1月28日(火)から連休を開始するために、直前の1月26日(日)などが「平日」として稼働日になる可能性があります。現地のパートナー企業と連絡を取る際は、「今週の土日は平日扱いなのか?」を確認しておくことが重要です。カレンダー上は土日でも、中国全土がフル稼働している日があるのです。
台湾:春節連休と帰省ラッシュ
台湾でも春節は最大のイベントです。台湾の行政院人事行政総処が発表するカレンダーに基づきますが、台湾には「大晦日の前日から休みにして帰省を促す」という近年の傾向があります。これにより渋滞緩和を図っています。
2025年は1月29日が元日ですので、その数日前、例えば1月25日(土)頃から休みに入り、2月2日(日)まで続く9連休となる可能性が高いです。台湾の企業は中国本土に比べてカレンダー通りに動く傾向がありますが、中小企業や工場では長めの休みを取ることも珍しくありません。
台北などの都市部からは人が減り、静まり返る一方で、地方の観光地や実家周辺は大変な賑わいを見せます。
ベトナム:テト(Tet)休暇の長さと重要性
ベトナムでは旧正月を「テト(Tet)」と呼びます。ベトナム人にとってテトは、日本人にとっての正月とお盆とクリスマスを合わせたような、絶対的な意味を持つ祝日です。
テト休暇は公的には7日間程度ですが、多くの企業や工場では有給休暇を組み合わせて10日〜2週間近く休むことが一般的です。特に地方出身の労働者は、テトの1週間以上前から帰省を始めることもあり、1月20日頃から都市部の労働力が極端に不足する現象が起きます。
ベトナムとのビジネスにおいては、「テト前は誰も仕事に手がつかない」と割り切るくらいの心構えが必要です。テト明けも、地方から戻ってこない労働者が一定数いるため、通常稼働に戻るまで時間がかかります。
韓国(ソルラル)、香港、シンガポールの休暇事情
韓国では「ソルラル」と呼ばれます。基本は当日と前後1日の計3日間が祝日ですが、土日と繋げて5連休程度になることが多いです。中国やベトナムほど長期間社会が停止するわけではありませんが、ソウル市内のお店は閉まり、帰省ラッシュで交通機関は麻痺します。
香港は、初一(元日)から初三(3日目)までが公的な休みです。2025年は1月29日〜31日が該当し、直後の週末と合わせて5連休となるでしょう。国際金融都市であるため、カレンダー通りの再開が早く、ビジネスへの影響は比較的限定的です。
シンガポールでは「チャイニーズ・ニューイヤー」として2日間が祝日となります。多民族国家であるため、中華系以外の企業は通常通り稼働していることもありますが、街全体はお祝いムード一色となります。
【ビジネス編】貿易・物流担当者が知るべき「実質的な休み」とリスク対策
ここからは、貿易、物流、海外調達などの実務担当者が最も警戒すべき「ビジネスへの影響」について深掘りします。カレンダー上の休日と、現場の実態には大きな乖離があります。このギャップを理解していないと、納期遅延や生産ラインの停止といった重大なトラブルに直結します。
アジアビジネス・現地事情リサーチャーのアドバイス
「カレンダー通りの休みだと思ってはいけません。特に製造業の現場では、『工場の早期休暇』と『物流停止』が公式発表より遥かに早く始まります。私の経験上、1月15日を過ぎたら、いつ連絡が取れなくなってもおかしくないという危機感を持つべきです」
「民族大移動」による工場稼働停止のタイミング
中国やベトナムの工場で働くワーカーの多くは、内陸部の地方出身者です。彼らは年に一度の帰省のために、春節のかなり前から休暇を申請します。これを「春運」とも呼びますが、実質的な工場の稼働率は以下のように推移します。
- 春節2週間前(1月15日頃〜):一部のワーカーが帰省を開始。稼働率が80%程度に低下。
- 春節1週間前(1月22日頃〜):大半のワーカーが帰省。工場は実質的に生産停止状態。出荷作業のみ対応。
- 春節直前(1月25日頃〜):事務所スタッフも休暇入り。連絡が完全に取れなくなる。
▼【失敗事例】カレンダー明け初日に連絡がつかない理由
ある日本メーカーの担当者が、春節明けの初日(公式カレンダー上の営業開始日)に現地工場へ納期確認の電話を入れました。しかし、誰も出ません。ようやく連絡がついたのはその3日後。理由は「ワーカーが田舎からまだ戻ってきていないため、ラインを動かせない」というものでした。
春節明けは、ワーカーが「より条件の良い工場」へ転職するタイミングでもあります。戻り率が悪く、新人採用と教育が必要になるため、フル稼働に戻るまでさらに1〜2週間かかるケースが多々あります。春節明けの納期は、バッファを十分に持たせる必要があります。
物流・通関の混雑ピークと出荷停止(カットオフ)への対策
工場の稼働停止と同様に深刻なのが、物流のボトルネックです。春節前は「休みの前に製品を出荷してしまいたい」という駆け込み需要が殺到し、船や飛行機のスペースが奪い合いになります。
これを回避するための具体的なアクションプランは以下の通りです。
- 12月中旬まで:1月末出荷分の船便・航空便のスペース予約(Booking)を完了させる。
- 1月上旬まで:生産完了と検品を済ませる。工場の最終出荷日(カットオフ)を確認する。
- 運賃高騰への備え:この時期、スポット運賃は通常の2〜3倍に跳ね上がることがあります。コスト増を見込んだ予算組みが必要です。
特に2025年は1月末が春節ですので、12月の年末進行と重なり、ロジスティクス担当者は非常に多忙になります。早め早めのスペース確保が勝負を分けます。
旧正月期間中の連絡体制とトラブル回避術
春節期間中は、現地の担当者と連絡がつかなくなることが前提です。緊急時の連絡体制を事前に握っておくことが重要です。
まず、休暇に入る1週間前までに、相手の緊急連絡先(携帯電話やWeChat、WhatsAppなど)を確認しておきましょう。ただし、よほどの緊急事態でない限り、休暇中の連絡は控えるのがマナーです。
また、春節前の最終営業日には、必ず「挨拶メール」を送りましょう。これは単なる儀礼ではなく、「休暇明けにスムーズに業務を再開するための布石」です。「一年間ありがとうございました。良いお年を。休暇明けの〇月〇日にまた連絡します」と明確に伝えておくことで、相手も再開のタイミングを意識してくれます。
【旅行編】旧正月期間のアジア旅行は楽しめる?混雑と営業状況
次に、この時期にアジア旅行を計画している方へ向けて、現地の状況を解説します。「せっかくの旅行なのに店が全部閉まっていた」という事態を避けるため、国ごとの事情を把握しておきましょう。
航空券・ホテルの価格高騰と予約難易度
旧正月期間は、現地の人々の帰省だけでなく、海外旅行に出かけるアジアの人々で空港が大混雑します。日本からアジアへの航空券、およびアジア各地のホテル価格は高騰します。
特に、旧正月元日の前後3日間(1月28日〜1月31日頃)はピークとなります。この期間に移動する場合、航空券は通常期の1.5倍〜2倍以上の価格になることを覚悟しなければなりません。予約も非常に取りづらくなるため、数ヶ月前からの手配が必須です。
観光地・レストラン・ショップの営業状況(国ごとの違い)
旅行者にとって最大の懸念は「お店が開いているか」です。これは国によって大きく異なります。
- 中華圏(中国・台湾・香港)やベトナム:
個人商店や地元のレストランは、元日から3日目くらいまで徹底的に閉まります。街中の食堂で食事をする計画は立てない方が無難です。一方で、大手デパート、ショッピングモール、有名観光地、ホテル内のレストランは営業している場合が多いです。ただし、営業時間が短縮されたり、特別料金(サービス料増額)が加算されたりします。 - シンガポール・タイ・マレーシア:
中華系のお店は閉まりますが、それ以外の民族のお店や観光客向けの施設は通常通り営業しています。比較的旅行しやすい環境です。
アジアビジネス・現地事情リサーチャーのアドバイス
「あえて元日を外して『春節の雰囲気』だけを楽しむ日程ずらしのテクニックをおすすめします。例えば、1月29日の元日は避け、お店が徐々に開き始める2月1日以降に渡航するのです。街にはまだ赤い提灯や飾りが残っており、お祝いムードを楽しみつつ、食事や買い物にも困らない『いいとこ取り』ができます」
現地での移動手段(タクシー・鉄道)確保の注意点
移動手段の確保も課題です。タクシーのドライバーも帰省してしまうため、都市部ではタクシーが捕まりにくくなります。GrabやUberなどの配車アプリを利用しても、マッチングに時間がかかったり、特別料金が適用されたりします。
鉄道や長距離バスは、帰省客でチケットが完売していることがほとんどです。都市間の移動を伴う旅行計画(例:台北から高雄へ移動など)は、事前に指定席を確保できていない限り、避けた方が賢明です。この時期は、一つの都市に滞在してゆっくり過ごすスタイルが推奨されます。
旧正月に関するよくある質問 (FAQ)
最後に、旧正月に関してよく検索される疑問について、Q&A形式でお答えします。
Q. 2025年の干支(えと)は何ですか?
2025年の干支は「巳(み・ヘビ)」です。中華圏では、ヘビは「小龍(小さな龍)」とも呼ばれ、知恵や富の象徴として縁起が良いとされています。街中にはヘビをモチーフにした可愛らしいキャラクターや飾りが溢れます。
Q. お年玉(紅包/アンパオ)の習慣はありますか?
はい、あります。中国語では「紅包(ホンバオ)」、ベトナム語では「リ・シー」などと呼ばれます。赤い封筒に現金を入れて渡すのが通例です。
ビジネスの現場でも、現地の駐在員や工場長は、部下やワーカー、ビルの警備員などに紅包を配る習慣があります。これは一年の感謝と今後の円滑な関係構築のための重要な潤滑油となります。相場は相手との関係性によりますが、少額でも「渡すこと」に大きな意味があります。
Q. 挨拶の言葉は中国語・ベトナム語で何と言えばいい?
現地の言葉で挨拶をすると、大変喜ばれます。メールや口頭で使ってみてください。
- 中国・台湾:「新年快楽(シンニエン クワイラー)」=新年おめでとう、「恭喜発財(ゴンシー ファーツァイ)」=お金が儲かりますように(金運を願う定番の挨拶)
- ベトナム:「Chúc Mừng Năm Mới(チュック ムン ナム モイ)」=新年おめでとう
アジアビジネス・現地事情リサーチャーのアドバイス
「ビジネスメールで使える気の利いた挨拶文例を紹介します。春節前の最後のメールの結びに添えてみてください。
『Wishing you and your family a prosperous and healthy Year of the Snake. Happy Lunar New Year!』
(あなたとご家族にとって、繁栄と健康に恵まれた巳年になりますように。旧正月おめでとうございます!)」
まとめ:2025年の旧正月は1月29日。早めの準備でビジネスも旅行も成功させよう
2025年の旧正月(春節)は1月29日です。例年より早い到来により、1月のビジネス稼働日が短くなることに最大の注意が必要です。中国、台湾、ベトナムなど各国で大型連休となり、物流や工場稼働に大きな影響が出ます。
最後に、ビジネスと旅行それぞれの対策をチェックリストにまとめました。これらを確認し、早めの行動を開始してください。
旧正月対策 最終チェックリスト
【ビジネス・貿易担当者向け】
- 12月中旬までに、1月末出荷分の船便・航空便スペースを確保したか?
- 工場の最終稼働日(カットオフ)と、春節明けの再開予定日を確認したか?
- 1月20日頃からの「連絡不通」を想定し、重要事項の決定を前倒ししたか?
- 現地のパートナーへ、春節前の挨拶メールを送る準備はできているか?
【旅行者向け】
- 航空券とホテルは確保済みか?(直前予約は価格高騰のリスク大)
- 滞在先の元日(1月29日)の店舗営業状況をリサーチしたか?
- 都市間移動(新幹線など)のチケットは事前予約したか?
- 休業リスクを考慮し、食事難民にならないための予備プラン(ホテルのレストラン予約など)はあるか?
旧正月はアジアの人々にとって、一年で最も大切な充電期間です。この文化を尊重し、事前に適切な準備を行うことで、ビジネス上のトラブルを回避し、あるいは旅行者として現地の熱気を楽しむことができるはずです。ぜひ余裕を持ったスケジュールで、2025年の旧正月を迎えてください。
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