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【2024年最新見本】領収書の書き方完全ガイド|インボイス対応・収入印紙のルールを税理士が解説

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ビジネスの現場において、金銭の授受を証明する「領収書」は、経理処理や税務申告の根幹を支える極めて重要な証憑(しょうひょう)書類です。しかし、2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)や、電子帳簿保存法の改正により、領収書に求められる記載項目や保存ルールは大きく変化しました。「今まで通りの書き方で大丈夫だろう」という安易な判断は、経費として認められないリスクや、税務調査での指摘、さらには取引先からの信用失墜を招く可能性があります。

結論から申し上げますと、現在の正しい領収書には、従来の「日付・宛名・金額・但し書き・発行者」の5項目に加え、インボイス制度に対応した「登録番号(Tから始まる13桁の番号)」「税率ごとの消費税額および適用税率」の記載が不可欠です。これらに不備があると、受け取った側が仕入税額控除を受けられず、消費税の納税額が増えてしまうという実害が発生します。

この記事では、税務の最前線で活動する税理士の視点から、以下の3点を中心に、法的に正しく、かつ実務で迷わない領収書の書き方を徹底解説します。

  • 【図解解説】インボイス制度に対応した正しい領収書の書き方と必須7項目
  • 収入印紙はいくらから必要か?「5万円の壁」の正しい判定方法と節約テクニック
  • クレジットカード払い、電子決済、PDF発行など、複雑化するケース別の対応方法

経理初心者の方から、日々の業務で再確認したいベテランの方まで、この記事を読むだけですべての疑問が解消され、自信を持って領収書を発行できるようになります。ぜひ最後までお読みいただき、日々の実務にお役立てください。

  1. 【図解】インボイス制度対応!正しい領収書の書き方と必須項目
    1. 領収書に記載すべき基本の5項目
    2. インボイス(適格簡易請求書)として必要な追加2項目
    3. 「上様」や「品代」はNG?宛名と但し書きの注意点
  2. 収入印紙はいくらから必要?金額のルールと節約術
    1. 収入印紙が必要になるのは「受取金額5万円」から
    2. 【重要】消費税を分けて書けば印紙代が不要になるケース
    3. 収入印紙の正しい貼り方と消印(割り印)のマナー
  3. 【ケース別】クレジットカード・電子決済・PDF領収書の扱い
    1. クレジットカード払いの場合:収入印紙は不要
    2. 電子領収書(PDF・メール)の場合:金額に関わらず印紙不要
    3. 銀行振込の場合:振込明細書は領収書代わりになるか
  4. 書き損じ・再発行・訂正印…トラブル時の正しい対処法
    1. 領収書を書き間違えたら?訂正印ではなく「再作成」が鉄則
    2. 領収書を紛失したと言われたら?再発行のリスクと対応手順
    3. 領収書を分割して発行してほしいと頼まれたら(違法性の解説)
  5. よくある質問(FAQ)
    1. Q. レシートと領収書、経費精算ではどちらが有利ですか?
    2. Q. インボイス登録番号がない領収書は経費になりませんか?
    3. Q. 個人事業主で屋号がない場合、発行者名はどうすればいいですか?
  6. まとめ:正しい領収書作成は信用の第一歩

【図解】インボイス制度対応!正しい領収書の書き方と必須項目

領収書を作成する際、最も重要なのは「受け取った相手が経費処理(仕入税額控除)を正しく行えるか」という視点です。インボイス制度施行後、領収書は単なる「受取証」としての機能だけでなく、「適格簡易請求書」としての役割も担うようになりました。ここでは、法的に有効な領収書を作成するための具体的な記載項目を、一つひとつ詳細に解説します。

領収書に記載すべき基本の5項目

まずは、インボイス制度以前から求められている、領収書としての基本的な5つの記載事項を確認しましょう。これらは所得税法や法人税法において、証憑書類として認められるための最低条件です。

1. 日付(発行年月日)
金銭を受け取った正確な日付を記載します。西暦(2024年など)でも和暦(令和6年など)でも問題ありませんが、省略せずに「年」から記載することが重要です。「10/1」のように年を省略すると、いつの取引か特定できず、税務調査で証拠能力を疑われる原因となります。また、実際に金銭を受け取っていない日にち(未来の日付や過去の日付)を記載することは、事実の隠蔽や改ざんとみなされるため絶対に避けてください。

2. 宛名(受取人)
誰からお金を受け取ったのかを明記します。原則として、相手方の正式名称(会社名や屋号、氏名)を略さずに記載します。「(株)」と略すことも一般的ですが、厳密な正式文書としては「株式会社」と書くのがマナーであり確実です。

3. 金額(受取金額)
受け取った税込合計金額を記載します。改ざん防止のため、数字の頭には「¥」や「金」、末尾には「-」や「也(なり)」を付け、3桁ごとにカンマ(,)を打ちます。例えば「¥10,000-」のように記載することで、後から数字を書き加えられるリスクを防ぎます。

4. 但し書き(内容)
何に対する対価なのか、具体的な取引内容を記載します。「お品代」という書き方は、使途不明金として扱われるリスクが高いため推奨されません。具体的な品名やサービス名を記載しましょう。

5. 発行者(住所・氏名・電話番号)
誰が領収書を発行したのかを明記します。店舗や会社の住所、名称、電話番号を記載し、必要に応じて社判(角印)を押印します。手書きの場合は署名でも構いませんが、ゴム印を使用するのが一般的です。

インボイス(適格簡易請求書)として必要な追加2項目

インボイス制度(適格請求書等保存方式)の下では、上記の基本項目に加え、以下の2項目が記載されていないと、原則として消費税の仕入税額控除が認められません。小売業、飲食店、タクシー業など、不特定多数の顧客を相手にする事業者は「適格簡易請求書」の発行が認められていますが、その要件を満たす必要があります。

6. インボイス登録番号
税務署に申請し、登録を受けた事業者に付与される「T」から始まる13桁の番号(法人番号がある場合はT+法人番号)を記載します。
例:T1234567890123
この番号がない領収書は、法的には「区分記載請求書」等の扱いとなり、受け取った側(課税事業者)が消費税の控除を全額受けられなくなります。ゴム印を作成するか、システムで自動印字されるよう設定を見直しましょう。

7. 税率ごとに区分した消費税額等 または 適用税率
取引金額に含まれる消費税額を、税率(10%または8%)ごとに明示する必要があります。
例えば、税込11,000円(うち消費税10%対象10,000円、消費税額1,000円)の場合、以下のように記載します。

  • 10%対象:11,000円(消費税額 1,000円)
  • または、税率10%対象 11,000円、税率8%対象 0円

このように、「どの金額にどの税率が適用され、消費税額はいくらなのか」が一目でわかるように記載しなければなりません。

「上様」や「品代」はNG?宛名と但し書きの注意点

領収書作成において、最もトラブルになりやすいのが「宛名」と「但し書き」の曖昧さです。

まず「宛名」についてですが、小売業や飲食店など一部の業種(適格簡易請求書の発行が認められる事業者)を除き、原則として宛名の省略は認められていません。また、適格簡易請求書であっても、消費税法上は宛名の記載が不要とされていますが、会社の経費精算ルールや税務調査時の心証を考慮すると、可能な限り正式名称を記載すべきです。「上様」という記載は、少額な取引であれば慣習として認められることもありますが、高額な領収書で「上様」となっている場合、架空経費や私的な支出を疑われる要因となります。

次に「但し書き」ですが、「お品代」という表現は極力避けてください。税務署は「事業に関係のある支出かどうか」を厳しくチェックします。「お品代」では内容が特定できず、否認されるリスクが高まります。以下に、具体的で適切な但し書きの例を挙げます。

▼具体的な但し書きの記載例リスト(クリックして展開)
費目 NG例 OK例(具体的で推奨される書き方)
接待交際費 飲食代、品代 〇〇様との会食費として(人数:4名)
※誰と行ったかメモを残すとより確実です。
会議費 飲食代 会議時のお弁当代として打ち合わせ時のコーヒー代として
消耗品費 品代 文房具代としてコピー用紙代としてPC周辺機器代として
新聞図書費 書籍代 業務参考資料として専門書籍代として
贈答品費 品代、花代 取引先へのお中元代として開店祝いの生花代として

※但し書きのスペースが狭い場合は、主な品目を記載し「他」と添える(例:「コピー用紙 他」)ことも可能ですが、できるだけ詳細に書くことが信頼につながります。

また、複数の品目を購入した場合、もっとも高額なものや代表的なものを書き、「文具代等」とするのも一つの方法です。しかし、軽減税率対象商品(飲食料品など)と標準税率商品(日用品など)が混在している場合は、それぞれの金額がわかるようにレシートを添付するか、明細を記載する必要があります。

現役税理士のアドバイス
「宛名と但し書きは、税務調査において調査官が真っ先に目を付けるポイントです。過去に私が立ち会った調査では、数万円の領収書が『上様』『品代』となっていただけで、社長の個人的な買い物ではないかと厳しく追及されたケースがありました。特にインボイス制度導入後は、領収書の記載事項が厳格化されています。『面倒だから』と省略せず、相手方の会社名を正しく聞き取り、何を買ったのかを具体的に書く習慣をつけることが、結果として自社と取引先を守ることになります。レシートがある場合は、手書きの領収書よりもレシートの方が購入品目が詳細に印字されているため、証拠能力が高いとされることもあります。無理に手書きに切り替えず、レシートをそのまま渡すのも賢い選択です。」

収入印紙はいくらから必要?金額のルールと節約術

領収書を発行する際に、もう一つ忘れてはならないのが「収入印紙」です。印紙税法に基づき、一定額以上の「金銭又は有価証券の受取書」には収入印紙を貼り、消印(割り印)をする義務があります。これを怠ると、過怠税というペナルティが課されるため、正確な知識が必要です。

収入印紙が必要になるのは「受取金額5万円」から

収入印紙が必要かどうかの境界線は、受取金額が5万円以上かどうかです。
受取金額が5万円未満(49,999円まで)の場合は非課税となり、収入印紙を貼る必要はありません。5万円以上になった瞬間から、最低でも200円の収入印紙が必要になります。

ここで注意したいのは、「受取金額」の定義です。これは単に領収書に書かれた総額だけを見るのではなく、消費税が含まれているかどうかによって判断が分かれる場合があります(後述)。

以下に、受取金額ごとの印紙税額をまとめました。一般的なビジネス取引で頻出する範囲ですので、デスクの近くに貼っておくと便利です。

▼受取金額別の印紙税額早見表(クリックして展開)
受取金額(記載金額) 印紙税額
5万円未満 非課税(0円)
5万円以上 ~ 100万円以下 200円
100万円超 ~ 200万円以下 400円
200万円超 ~ 300万円以下 600円
300万円超 ~ 500万円以下 1,000円
500万円超 ~ 1,000万円以下 2,000円

※これ以上の金額については、国税庁のウェブサイト等で最新の税額表をご確認ください。
※営業に関しないもの(個人が私物を売却した場合など)は非課税です。

【重要】消費税を分けて書けば印紙代が不要になるケース

「税込52,000円の領収書を切る場合、200円の印紙が必要ですか?」
この質問は非常によく受けますが、答えは「書き方による」です。

印紙税法において、消費税額等が区分記載されている場合、その消費税額は記載金額に含めないというルールがあります。つまり、税抜金額が5万円未満であれば、たとえ税込金額が5万円を超えていても、収入印紙は不要になるのです。

ケーススタディ:税込53,900円(税抜49,000円、消費税4,900円)の領収書の場合

  • 悪い書き方:
    金額:53,900円
    (消費税額の記載なし、または「税込」としか書かない)
    → 記載金額は53,900円とみなされ、200円の印紙が必要
  • 良い書き方:
    金額:53,900円
    但し書きや内訳欄に「税抜価格 49,000円」「消費税額等 4,900円」と明記する。
    → 記載金額は49,000円(5万円未満)とみなされ、印紙は不要(0円)

このように、消費税額を明確に分けるだけで、無駄なコストを削減できます。インボイス制度への対応で消費税額を記載することが標準化されていますので、この「節税テクニック」は自然と実践しやすくなっているはずです。

収入印紙の正しい貼り方と消印(割り印)のマナー

収入印紙を貼る際は、単に貼り付けるだけでなく、必ず「消印(けしいん)」を行う必要があります。これは印紙の再使用を防止するための措置です。

消印の正しい方法:

  • 位置: 印紙と領収書の台紙にまたがるように押します。
  • 道具: 印鑑(実印である必要はなく、認印やシャチハタ、屋号の角印でも可)を使用します。ボールペンでの署名(サイン)でも法的に有効ですが、鉛筆など消せるものは不可です。「印」と書かれた丸に斜線のマークを書くのは無効とされる場合があるため、署名かハンコを使用しましょう。
  • 誰が押すか: 原則として領収書の作成者が押しますが、代理人や従業員が押しても問題ありません。

消印がない場合、印紙が貼ってあっても「納税した」とみなされず、過怠税の対象となる可能性がありますので、貼り付けと消印はセットで行うよう徹底してください。

現役税理士のアドバイス
「『たかが200円』と侮ってはいけません。印紙税の調査(印紙税調査)が入った際、貼り忘れが発覚すると、本来の印紙代の3倍(過怠税)を支払うことになります。特に注意が必要なのは、税込5万円ギリギリのラインです。例えば、税込54,000円の売上が頻繁にある飲食店などの場合、消費税額を明記していないと全ての領収書に印紙が必要になり、年間で見ると大きな損失になります。また、消印は『彩り』ではありません。はっきりと、誰が消したかわかるように押すのがポイントです。ボールペンで『〆』と書くだけでは不十分と指摘されることもあるので、氏名や屋号をしっかり記入するか、スタンプを使うことを強くお勧めします。」

【ケース別】クレジットカード・電子決済・PDF領収書の扱い

ビジネスの決済手段は現金だけではありません。クレジットカードや電子マネー、銀行振込など多様化する中で、領収書の発行ルールもそれぞれ異なります。特に「印紙が必要か」「そもそも領収書を発行すべきか」という点について、実務的な正解を解説します。

クレジットカード払いの場合:収入印紙は不要

クレジットカードで決済された場合、金銭の直接的な授受は行われていません(信用取引)。そのため、印紙税法上の「金銭の受取書」には該当せず、金額が5万円以上であっても収入印紙を貼る必要はありません。

ただし、この特例を適用するためには、領収書の但し書きや備考欄に「クレジットカード利用」「カード決済」と明記することが条件です。この記載がないと、現金での受け取りと区別がつかず、税務調査で印紙が必要だと指摘される恐れがあります。

注意点:
お客様から「印紙を貼ってください」と言われることがありますが、「クレジットカード決済のため、印紙税法上、印紙は不要となります」と説明し、貼付しないのが正しい対応です。

電子領収書(PDF・メール)の場合:金額に関わらず印紙不要

近年増えているのが、領収書をPDFファイルで作成し、メールで送付する「電子領収書」です。実は、電子データとして発行された領収書には、金額に関わらず収入印紙が一切不要です。

印紙税法は、紙の文書(課税文書)を作成・交付した場合に課税される法律です。PDFなどの電子データは「文書の作成」には当たらないという解釈がなされているため、たとえ1億円の領収書であっても、PDFでメール送付するなら印紙代は0円です。

ただし、PDFで作成したものを印刷して紙で渡した場合は「課税文書」となり、印紙が必要になります。「どのように相手に渡したか(データか紙か)」が判断基準となります。コスト削減の観点からも、可能な限り電子発行システムの導入を検討すべきでしょう。

銀行振込の場合:振込明細書は領収書代わりになるか

銀行振込の場合、金融機関が発行する「振込明細書(受取証)」や、ネットバンキングの「振込完了画面の印刷」が、法的に領収書の代わりとして認められます。

そのため、受取側(売手)は原則として領収書を発行する義務はありません。二重発行を防ぐためにも、「銀行振込の場合は、振込明細書をもって領収書に代えさせていただきます」と請求書にあらかじめ記載しておくのが一般的です。

もし取引先から強く求められて領収書を発行する場合は、但し書きに「〇月〇日 銀行振込分として」と明記します。これにより、振込明細書と領収書が同じ取引であることが紐づけられ、二重計上の疑いを晴らすことができます。なお、この場合も紙で発行すれば印紙税の対象となります(5万円以上の場合)。

企業会計専門家のアドバイス
「クレジットカード決済時の領収書発行は、特に注意が必要です。もしお客様が『カード利用明細』と『店側が発行した領収書』の両方を経費精算に使ってしまった場合、二重計上(架空経費)のリスクが発生します。これを防ぐためにも、但し書きに『クレジットカード利用』と書くことは必須です。また、最近ではインボイス制度対応のため、カード利用明細だけでは記載要件(税率ごとの区分など)を満たさないケースがあり、領収書の発行を求められる頻度が増えています。現場のスタッフには『カード払いの時は印紙不要、ただし必ずカード利用と書く』というルールを徹底させてください。」

書き損じ・再発行・訂正印…トラブル時の正しい対処法

領収書作成中に金額を間違えてしまった、お客様から紛失したと言われた、といったトラブルは日常茶飯事です。しかし、ここで誤った対応をすると、不正を疑われたり、法的なトラブルに発展したりする可能性があります。ここでは、やってはいけないNG行動と正しい対処法を解説します。

領収書を書き間違えたら?訂正印ではなく「再作成」が鉄則

領収書の金額や日付、宛名を書き間違えた場合、二重線を引いて訂正印を押す修正方法は、ビジネス文書としては極めて不適切です。特に金額の訂正は、改ざんの疑念を持たれるため、金融機関や税務署からは無効とみなされることがほとんどです。

正しい対応:
間違えた領収書は破棄せず、大きく「×」や「無効」と書き、控え(複写の2枚目など)と重ねてホッチキスで留めて保管します。その上で、新しい用紙を使って一から書き直します。
なぜ保管が必要かというと、領収書には通し番号(No.)が振られていることが多く、1枚でも欠番があると「売上を抜いたのではないか(隠したのではないか)」と税務調査で疑われるからです。「書き損じ」という証拠を残すことが、身の潔白を証明することになります。

領収書を紛失したと言われたら?再発行のリスクと対応手順

お客様から「領収書をなくしたので再発行してほしい」と依頼された場合、安易に応じるのは危険です。元の領収書が見つかった場合、二重に経費計上されたり、悪用されたりするリスクがあるからです。

対応のポイント:

  1. 原則はお断りする: 「領収書の再発行はいたしかねます」と伝えるのが基本スタンスです。
  2. やむを得ず発行する場合:
    • 元の日付で作成します(再発行日の日付にしない)。
    • 目立つ場所に赤字で「再発行」と明記します。
    • 備考欄に「〇年〇月〇日発行分(No.xxxx)の紛失による再発行」と事情を記載します。

これにより、万が一二重に使われても、後から照合することが可能になります。

領収書を分割して発行してほしいと頼まれたら(違法性の解説)

「6万円の領収書を、3万円と3万円の2枚に分けてくれませんか?」
このような依頼を受けることがありますが、これは明確に断ってください。

領収書の分割発行は、以下の2つの不正を助長する恐れがあります。

  1. 印紙税の脱税: 5万円以上の領収書にかかる印紙税を逃れるための分割は、印紙税法違反の幇助(ほうじょ)になります。
  2. 社内規定違反の隠蔽: 相手方の会社の「〇万円以上の決済は上長の承認が必要」といった内部統制をすり抜けるために利用される可能性があります。

「規定により、1つの取引に対して1枚の領収書しか発行できません」と毅然とした態度で断ることが、自社のコンプライアンスを守ることになります。

現役税理士のアドバイス
「『お客様の要望だから』と安易に再発行や分割発行に応じると、税務調査の際に『この会社は管理がずさんだ』『不正に加担しているのではないか』という目で見られてしまいます。特に再発行スタンプなどは100円ショップでも売っていますので、必ず用意しておきましょう。また、書き損じた領収書を丸めてゴミ箱に捨ててしまう経理担当者の方をよく見かけますが、これは絶対にNGです。税務調査では『連番管理』が徹底されているかを必ずチェックします。ミスをした証拠こそ、大切に保管してください。」

よくある質問(FAQ)

最後に、領収書作成に関して、現場でよく挙がる疑問にQ&A形式でお答えします。

Q. レシートと領収書、経費精算ではどちらが有利ですか?

A. 多くの場合、レシートの方が有利(証拠能力が高い)です。
手書きの領収書は「但し書き」が簡易的になりがちですが、レジから発行されるレシートには「具体的な商品名」「日時」「店名」「インボイス登録番号」「税率ごとの内訳」が自動的に印字されています。税務署にとっても内容が明瞭であるため、信頼性が高いとされます。会社の規定で「領収書必須」となっていない限り、レシートをそのまま経費精算に使用して全く問題ありません。

Q. インボイス登録番号がない領収書は経費になりませんか?

A. 経費にはなりますが、消費税の控除額が減ります。
インボイス登録番号がない領収書(免税事業者からの仕入れなど)でも、法人税や所得税の計算上は「経費」として全額計上できます。ただし、消費税の計算においては「仕入税額控除」が原則として受けられなくなります(※経過措置として、一定期間は80%や50%の控除が認められています)。受け取る側としては、登録番号がある方が税金計算上有利であることは間違いありません。

Q. 個人事業主で屋号がない場合、発行者名はどうすればいいですか?

A. 個人名(氏名)をフルネームで記載してください。
屋号がない場合は、本名が正式な発行者名となります。住所と電話番号も併記することで、信頼性が高まります。インボイス登録をしている場合は、屋号がなくても「T+番号」があれば適格請求書として有効です。プライバシーの観点から住所等を省略したい場合は、バーチャルオフィスの利用や、インボイス公表サイトでの公表事項の調整などを検討する必要がありますが、領収書への記載自体は特定商取引法などの観点からも正確に行うべきです。

まとめ:正しい領収書作成は信用の第一歩

領収書は、単なる紙切れではなく、ビジネスの信頼関係と法的な正当性を証明する重要な書類です。インボイス制度の導入により、その記載ルールは複雑化しましたが、基本を押さえれば恐れることはありません。

最後に、領収書を発行する前、あるいは受け取った後に必ず確認すべきポイントをチェックリストにまとめました。このリストを活用し、ミスゼロを目指しましょう。

▼領収書発行前の最終確認リスト
  • 日付: 年月日が省略されずに入っているか(和暦・西暦の統一)
  • 宛名: 正式名称で記載されているか(「上様」は避ける)
  • 金額: 3桁区切りのカンマ、頭の「¥」、末尾の「-」はあるか
  • 但し書き: 具体的な品目やサービス名が書かれているか(「お品代」は避ける)
  • インボイス対応: 登録番号(T+13桁)と税率ごとの区分・税額はあるか
  • 収入印紙: (税抜5万円以上の場合)正しい金額の印紙が貼られ、消印があるか
  • 発行者情報: 住所、名称、連絡先、押印はあるか
  • 控え: 複写やコピーを取り、手元に残したか

正しい領収書をサッと発行できることは、経理担当者としてのスキルだけでなく、会社全体の品格を高めることにもつながります。ぜひ今日から、一つひとつの項目を意識して作成してみてください。

現役税理士のアドバイス
「経理業務の効率化を目指すなら、手書き領収書からの脱却を強くお勧めします。インボイス制度により記載事項が増えた今、手書きでの作成はミスを誘発しやすく、時間もかかります。レジシステムからのレシート発行や、領収書発行システムの導入、PDF領収書の活用など、デジタル化を進めることが、結果として印紙税の節約や計算ミスの防止、そして皆様の業務負担の軽減につながります。まずは『レシートでも経費になる』という正しい知識を社内に広めることから始めてみてはいかがでしょうか。」

この記事を書いた人

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