「ハンサムショートにしてみたいけれど、似合わなかったらどうしよう」「顔が大きく見えてしまわないか不安」
SNSで素敵なハンサムショートを見るたびに憧れを抱きつつも、あと一歩が踏み出せずにいませんか?実は、ハンサムショートは「顔型に合わせたカットライン」と「前髪・サイドのバランス」さえ緻密に計算すれば、丸顔や面長といったコンプレックスをカバーし、誰でも劇的に垢抜けることが可能なスタイルです。
この記事では、年間約3,000人のショートヘアを担当する現役美容師が、あなたの「似合わせ」に関する不安を論理的に解消します。
この記事でわかること
- 【顔型別】ショート専門美容師が教える「あなたに似合う黄金比」と骨格補正テクニック
- 前髪あり・なし・黒髪など、なりたい印象を叶えるスタイルガイド
- 「老ける」「男っぽい」を防ぐ!美容室での失敗しないオーダーとセットのコツ
自分に一番似合うスタイルを見つけて、新しい自分に出会う準備を始めましょう。
ハンサムショートとは?大人女性に選ばれる3つの理由
近年、30代から40代の大人女性を中心に爆発的な人気を誇る「ハンサムショート」。単なる流行にとどまらず、定番のスタイルとして定着しつつあります。しかし、具体的にどのような定義の髪型を指すのか、なぜこれほどまでに支持されているのか、その理由を正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
ハンサムショートとは、一般的に「前髪やサイドの髪を長めに残し、後ろの髪(襟足)を短くカットしたショートヘア」を指します。メンズライクなクールさと、女性らしい色気が同居する絶妙なバランスが特徴です。ここでは、他のショートスタイルとの違いや、大人女性にこそ選んでほしい3つの理由を深掘りします。
ハンサムショートとショートボブの決定的な違い
カウンセリングで最も多く質問されるのが、「ショートボブとハンサムショートは何が違うのですか?」という点です。この2つは似ているようでいて、シルエットの重心と軽さに大きな違いがあります。
ショートボブは、全体的に丸みがあり、サイドと後ろの長さがあまり変わらない、あるいは後ろ下がりのラインで作られることが多く、可愛らしさや柔らかい印象を与えます。重心はやや低めに設定される傾向があります。
対してハンサムショートは、「前下がり」のラインが基本です。後ろをスッキリと短く切り込み、前に向かって長くなるラインを作ることで、シャープで洗練された印象を作ります。また、表面にレイヤー(段差)を入れることで動きを出しやすくし、ショートボブよりも軽やかで都会的な雰囲気に仕上がるのが最大の違いです。
理由1:小顔効果が抜群(ひし形シルエットの作りやすさ)
大人女性がハンサムショートを選ぶ最大の理由は、その圧倒的な小顔効果にあります。日本人の骨格において、最も美しく小顔に見えるのは「ひし形シルエット」だと言われています。
ハンサムショートは、トップのボリュームと、タイトに引き締めた襟足のコントラストによって、自然とこの「ひし形」を作り出すことができます。特に、顔周りに長めの毛束を残すことで、気になるフェイスライン(頬の丸みやエラ)を物理的にカバーできる点が優秀です。顔を出すのが怖いという方こそ、実は顔周りの髪で輪郭を「削る」ことができるハンサムショートが適しているのです。
理由2:首が長く見え、全身のスタイルアップが叶う
髪型は顔だけで完結するものではありません。全身のバランスを見たときに、頭を小さく見せ、スタイルを良く見せる効果がハンサムショートにはあります。
襟足をタイトに切り込むことで、首筋が長く、細く見える視覚効果が生まれます。首が長く見えると、鎖骨のラインもきれいに映え、結果として全身がスラリとした印象になります。冬場にタートルネックやマフラーを巻く際も、髪がもたつかずにスッキリと決まるため、ファッションの幅が広がるというメリットもあります。頭身バランスが整うことで、身長に関わらずモデルのような立ち姿を演出できるのです。
理由3:甘すぎずクールすぎない「洗練された女性らしさ」
「ショートにするとボーイッシュになりすぎてしまうのでは?」という懸念を持つ方も多いですが、ハンサムショートこそ、大人の色気を引き出すのに最適なスタイルです。
その秘密は「アンニュイな毛流れ」にあります。前髪からサイドにかけて流れる長い髪が、顔にかかる瞬間の表情や、耳にかけた時の透け感は、ロングヘアにはない知的な色気を感じさせます。甘い服装を着ても媚びた印象にならず、カジュアルな服装でも手抜きに見えない。この「甘すぎず、辛すぎない」絶妙なバランス感覚が、自立した大人女性のライフスタイルにフィットするのです。
ショートヘア専門美容師のアドバイス
「なぜ今、30代以上の大人女性にハンサムショートが増えているのか?それは、年齢とともに変化する『髪質』と『顔の重心』に対応できるからです。年齢を重ねると、どうしても頬の位置が下がり、顔の重心が低くなりがちです。そこでハンサムショートにして『ウエイト(髪の重なり)』の位置を高く設定することで、視線が上に誘導され、リフトアップしたような若々しい印象を与えることができるのです。ロングヘアでトップがぺたんとなるよりも、ショートでふんわりさせた方が、マイナス5歳見えは確実に叶います。」
【プロが解説】顔型別・ハンサムショートの「似合わせ」攻略法
「モデルさんは美人だから似合うんでしょう?」「私は丸顔だから無理」と諦めていませんか?断言します。ショートヘアは顔の形を選びません。選ぶのは「カットのバランス」です。
私たち美容師は、お客様の顔型を見て「似合わない」と判断することはなく、「どう切れば卵型の黄金比に近づけるか」を計算しています。ここでは、日本人に多い4つの顔型タイプ別に、プロが実践している「似合わせのロジック」を完全公開します。ご自身の顔型に合わせて、オーダー時の参考にしてください。
ショートヘア専門美容師のアドバイス
「ショートは『顔が出る』髪型だと思われがちですが、実は逆です。ショートは『顔の形を補正する』ための髪型です。ロングヘアは顔の輪郭を隠すことはできても、骨格のバランスを変えて見せることは難しい。しかしショートなら、トップの高さ、サイドのボリューム、襟足の締め具合を調整することで、骨格そのものをきれいに見せる錯覚を作り出せます。コンプレックスがある方ほど、ショートヘアをおすすめしたい理由がここにあります。」
丸顔さん:縦ライン強調&前髪長めでスッキリ見せる
丸顔さんがハンサムショートにする際、最も意識すべきは「縦のライン」を作ることです。横幅を強調してしまうと、幼く見えたり、顔が大きく見えたりするリスクがあります。
攻略の鍵は「おでこを見せる」ことと「頬を隠す」ことの組み合わせです。前髪は長めに設定し、センターパートやかき上げバングでおでこを出すことで、視線を縦に誘導します。そして、サイドの髪は頬の丸みにかかるように前下がりにカットし、輪郭をシャープに見せます。
【詳細】丸顔さんに似合わせるカットのポイント
丸顔の方へのカットでは、以下の3点を徹底します。
- トップのボリューム出し:頭頂部に高さを出すレイヤーを入れ、縦長効果をプラスします。ハチ(頭の角)周りはボリュームが出ないように削ぎを入れます。
- サイドのライン設定:リップライン(唇の高さ)から顎ラインにかけて毛先が落ちるように設定します。これにより、一番気になる頬の肉付きを物理的にカバーし、顎先を尖らせて見せる効果があります。
- 前髪の透け感:もし前髪を作りたい場合は、幅を狭く取り(シースルーバング)、おでこの肌色を透けさせることで縦の抜け感を演出します。重たいパッツン前髪は横幅を強調するためNGです。
面長さん:サイドにボリューム&前髪ありでバランス調整
面長さんがハンサムショートで失敗しやすいのは、トップに高さを出しすぎたり、サイドをペタッとさせすぎたりして、顔の長さが強調されてしまうケースです。面長さんの攻略法は、丸顔さんとは逆に「横のライン」を意識することです。
おすすめは「前髪あり」のスタイル、もしくは「サイドに丸みのある」スタイルです。前髪を作ることで顔の縦の面積を分断し、小顔に見せることができます。また、サイド(耳横)にふんわりとしたボリュームを持たせる「マッシュライン」を取り入れると、ひし形の重心が下がり、面長感が緩和されます。
【詳細】面長さんに似合わせるカットのポイント
面長の方へのカットでは、重心コントロールが命です。
- ワイドバングの活用:前髪の幅をやや広め(目尻付近まで)にとることで、視線を横に広げ、縦長の印象を中和します。
- ウエイトの位置を下げる:後ろのボリュームの位置(ウエイト)を、目の高さ〜耳の高さに設定します。高すぎると顔が伸びて見えるため、低めの重心で丸みを作ることが重要です。
- パーマでの曲線プラス:ストレートタッチだと縦ラインが強調されるため、毛先にワンカールのパーマをかけ、横への動きを出すのが非常に効果的です。
ベース型(エラ張り)さん:顔周りの毛束で輪郭をカバー
エラが張っているベース型さんは、直線的なラインや、顔周りを出しすぎるスタイルに抵抗があるかもしれません。しかし、ハンサムショートはエラ隠しに最適な髪型です。
ポイントは、「エラ部分に毛先を遊ばせる」ことです。サイドの髪をエラより少し長めに設定し、毛先が顔の内側に入るようにカット、あるいは外にハネさせる動きを作ることで、角ばった骨格をカモフラージュします。直線的なパッツンラインよりも、動きのあるレイヤースタイルが似合います。
【詳細】ベース型さんに似合わせるカットのポイント
エラ張りをカバーし、柔らかい印象にするためのテクニックです。
- サイドバングの重要性:前髪とサイドの間の毛(サイドバング)を作り、頬骨からエラにかけてカーブを描くように繋げます。これにより、四角い輪郭を卵型に補正します。
- トップのふんわり感:ハチ周りが張っていることが多いため、トップ中心に高さを出し、視線を上に集めます。
- 曲線の活用:コテやパーマで、顔周りにS字のウェーブを作ると、骨格の硬さが和らぎ、女性らしい印象がプラスされます。
逆三角形さん:襟足のハネ感と低めウェイトで華やかに
顎がシャープでハチが張っている逆三角形さんは、クールで知的な印象を持たれやすい反面、きつく見られたり、貧相に見えたりする悩みがあります。
似合わせのコツは、「襟足に遊びを持たせる」ことです。顎周りが寂しくならないよう、襟足を少し長めに残して外ハネにしたり、ウエイトを低めにしてAライン気味のシルエットを作ったりすることで、華やかさと安定感が生まれます。
【詳細】逆三角形さんに似合わせるカットのポイント
シャープすぎる輪郭を優しく見せる工夫が必要です。
- 襟足の長さ設定:刈り上げや極端に短い襟足よりも、首に沿うような少し長めの襟足がおすすめ。視線を散らし、尖った顎の印象を和らげます。
- 前髪のカーブ:センターパートにする場合も、根元を立ち上げすぎず、頬にかかるような緩やかなカーブを描くことで、ハチ張りをカバーできます。
印象自在!前髪・カラー・パーマで選ぶハンサムショート図鑑
「顔型への対策はわかったけれど、具体的にどんな雰囲気にしよう?」と迷っている方へ。ハンサムショートは、前髪のデザイン、髪色、そしてパーマの有無で、その表情をガラリと変えます。美容室で見せる画像のイメージを固めるために、それぞれのスタイルの特徴を見ていきましょう。
【前髪なし】クールで知的な印象を作るセンターパート・かき上げ
ハンサムショートの王道といえば、前髪なし(ノーバング)のスタイルです。
- センターパート:おでこをすっきりと出し、顔の中心で分けるスタイル。知的でモードな印象を与えます。縦ラインが強調されるため、丸顔さんやベース型さんに特におすすめです。
- かき上げバング:根元を立ち上げて、片側に流すスタイル。大人の色気と余裕を感じさせます。根元の立ち上がりが華やかさを生むため、髪がペタンとしやすい方にも向いています。
ストレートアイロンで毛先を少し後ろに流すだけで、洗練された「できる女性」の雰囲気が完成します。
【前髪あり】目力アップ&モードな雰囲気を楽しむシースルー・ウザバング
ハンサムショートに前髪を合わせると、個性的でおしゃれな雰囲気が加速します。
- シースルーバング:薄めの前髪を合わせることで、ハンサムな中にも可憐さをプラス。抜け感が出るので、黒髪でも重くなりません。
- ウザバング(長めの前髪):目にかかるギリギリ、あるいは目にかかる長さの前髪。隙間から覗く視線が強調され、目力がアップします。ミステリアスでアンニュイな雰囲気が好きな方に。
- マッシュバング:厚めに前髪を取り、サイドへラインを繋げるスタイル。個性的でモードな印象になり、面長さんのカバーにも最適です。
【黒髪・暗髪】重たく見せない「透け感」カットと質感調整
仕事の都合などで髪を明るくできない方にも、ハンサムショートは最適です。むしろ、黒髪や暗髪のハンサムショートは、肌の白さを際立たせ、凛とした美しさを引き出します。
ショートヘア専門美容師のアドバイス
「黒髪ハンサムショートで失敗しないコツは、ズバリ『質感調整』です。ただ黒髪で短く切っただけでは、こけしやヘルメットのように重たく見えてしまいます。私たちプロは、髪の量を減らすだけでなく、髪の間に『隙間』を作るようにカット(スライドカットなど)を施します。これにより、光が透過するような透け感が生まれ、黒髪でも柔らかい動きが出せるのです。オーダー時は『黒髪でも重く見えないように、束感が出るように軽くしてください』と伝えてみてください。」
【パーマ】朝のセットが楽になるニュアンスパーマ・くせ毛風
直毛で動きが出にくい方や、朝のスタイリング時間を短縮したい方にはパーマが最強の味方です。
- ニュアンスパーマ:毛先にワンカール程度の緩い動きをつけるパーマ。自分で巻いたような自然な仕上がりで、ワックスを揉み込むだけで形になります。
- くせ毛風パーマ:全体にランダムな動きをつけるスパイラルやツイストパーマ。カジュアルで外国人のような雰囲気になり、ボリューム不足も解消できます。
30代・40代からのハンサムショートで気をつけるべきポイント
20代の頃とは違い、30代・40代になると髪質や頭皮の変化を感じる方が増えてきます。「昔ショートにした時は似合ったけれど、今はどうだろう?」という不安に対し、大人世代だからこそ気をつけるべきポイントと、その解決策を解説します。
トップのボリューム不足を解消するレイヤー技術
年齢とともに髪が細くなり、トップ(頭頂部)がペタンとしやすくなります。ハンサムショートにおいてトップのボリュームは、ひし形シルエットを作るための命綱です。
解決策は、表面の髪に独立したレイヤー(段)を入れることです。下の髪と繋げずに、表面だけ短めに切ることで、髪が立ち上がりやすくなります。また、分け目をジグザグにとる、分け目を定期的に変えるといった工夫も、根元の立ち上がりを維持するために有効です。
「老け見え」の原因は髪のツヤ不足!オイル使いの重要性
ショートヘアは髪の面積が狭い分、髪の「質感」がダイレクトに印象を左右します。パサついたショートヘアは、疲れた印象や老けた印象を与えてしまいがちです。
大人のハンサムショートに必須なのは「ツヤ」と「束感」です。ドライヤー前のアウトバストリートメントはもちろん、スタイリングの仕上げには必ずヘアオイルを使用してください。ウェットな質感にすることで、パサつきを抑えるだけでなく、白髪が光って目立つのを防ぐ効果もあります。
白髪も馴染ませやすいハイライトとの相性
ちらほらと出てくる白髪にお悩みの方にも、ハンサムショートは相性が良いスタイルです。ロングヘアのように面で白髪が見えることが少なく、動きがあるため目立ちにくいからです。
さらに、「白髪ぼかしハイライト」を入れることで、より立体的でおしゃれなスタイルになります。細かく明るいスジを入れることで、白髪をデザインの一部として馴染ませてしまうのです。ハンサムショートの毛流れとハイライトの縦ラインは非常に相性が良く、立体感が強調されてより小顔に見えるという相乗効果も期待できます。
ショートヘア専門美容師のアドバイス
「40代以降のお客様がショートにして『若返った』と言われる理由は、髪のボリューム位置が上がることで、お顔のリフトアップ効果が得られるからです。また、傷んだ毛先を切り落とすことで髪全体のツヤが蘇ることも大きな要因です。ロングヘアにしがみつくよりも、思い切ってショートにした方が、髪も肌もきれいに見えるケースは多々あります。」
「失敗したくない」あなたへ。美容室でのオーダー方法と注意点
いざ美容室へ。「今日はハンサムショートにしてください!」と伝えたものの、仕上がりがイメージと違った……そんな悲しい失敗を防ぐために。プロの視点から、失敗リスクを最小限に抑えるための具体的なオーダー手順と注意点を伝授します。
美容師に見せる画像は「正面・横・後ろ」の3枚用意する
「この雰囲気で」と正面の画像だけを見せていませんか?実はショートヘアにおいて、正面以上に重要なのが「横顔(サイドのシルエット)」と「後ろ姿(襟足のデザイン)」です。
- 正面:前髪の長さ、顔周りのニュアンスを伝えます。
- 横:後頭部の丸みの位置(ウエイト)、サイドのライン(前下がりか平行か)を伝えます。
- 後ろ:襟足の長さ、刈り上げるのか残すのかを伝えます。
この3方向の画像を用意することで、美容師とのイメージ共有のズレを大幅に減らすことができます。SNSで画像を探す際は、同じモデルさんの別アングルの写真も保存しておくことを強くおすすめします。
【Checklist】オーダー時に伝えるべき必須項目リスト
席に座ったら、まずこの5つを伝えましょう。
- なりたいイメージ(クール、女性らしい、モードなど)
- 普段のスタイリング方法(アイロンを使うか、乾かすだけか)
- 絶対に切りたくない部分(前髪は長めに残したい、など)
- 現在の髪の悩み(絶壁、ハチ張り、多毛、くせ毛)
- NGなスタイル(刈り上げは嫌、男っぽくなりすぎるのは嫌)
「襟足の生え癖」と「絶壁」は必ず最初に相談する
ショートヘアの美しさを決めるのは「襟足」です。しかし、襟足が浮いてしまう生え癖や、後頭部が平らな絶壁に悩む日本人は非常に多いです。
信頼できる美容師であれば、カット前に必ず襟足の生え方をチェックしますが、ご自身でも「襟足が浮きやすいんです」「絶壁がコンプレックスなんです」と最初に申告してください。それにより、美容師はカットの設計図を変更します。
歴15年の現役トップスタイリストの体験談
「実は私も新人の頃、お客様の襟足の強い浮き癖を見抜けず、短く切りすぎてカッパのように跳ねさせてしまった苦い経験があります。それ以来、私は『インナーグラデーション』という技術を徹底しています。襟足の内側を短く切り込み、上から被せる髪で抑え込むことで、どんなに浮きやすい癖でも首に吸い付くようなタイトな襟足を作ることができます。この技術があるかどうかで、ショートの仕上がりは天と地ほど変わります。」
「耳掛け」するかしないかでカットラインが変わる
普段、仕事中や食事中に髪を耳にかける癖はありますか?もしあるなら、それもオーダー時に伝えるべき重要事項です。
「耳にかけた時にバランスが良いように」カットする場合、耳後ろの毛量を特に減らしたり、もみあげの長さを調整したりする必要があります。これを伝えていないと、耳にかけた時にボテッと重くなったり、短い髪がパラパラ落ちてきたりする原因になります。「基本は耳にかけてスッキリさせたいです」と一言添えるだけで、扱いやすさが格段に向上します。
失敗例と対策:「男の子っぽくなった」「顔が大きく見える」原因
ハンサムショートにおける2大失敗例が「少年のような短さになってしまった」と「顔が丸出しで大きく見える」です。
よくある失敗原因とリカバリー策
| 失敗例 | 原因 | 対策・オーダーのコツ |
|---|---|---|
| 男の子っぽくなった | もみあげと襟足を短く切りすぎている。 全体に角が残っている。 |
「丸み」を残すようにオーダー。もみあげは耳にかけられる長さを残し、トップはふんわりさせる。スタイリングで毛先を少し巻くだけでも女性らしさが戻ります。 |
| 顔が大きく見える | 顔周りの毛(サイドバング)がない。 ひし形シルエットになっていない。 |
顔周りの毛を作る。頬骨を隠す毛束を作ってもらうことでリカバリー可能。トップの高さを出し、視線を縦に逃がすセットを心がけてください。 |
翌日から再現できる!スタイリング方法とメンテナンス頻度
美容室ではきれいに決まったのに、翌朝自分でセットしたら全然違う……。そんな「サロン帰り限定」の髪型にならないよう、自宅で簡単に再現できるスタイリング術と、きれいな形を保つためのメンテナンス周期について解説します。
ストレートアイロンを通すだけの基本セット
ハンサムショートのスタイリングは、実は非常にシンプルです。コテ(カールアイロン)よりも、ストレートアイロン1本あれば十分です。
【朝のスタイリング手順】
- 寝癖直し:根元からしっかり濡らし、ドライヤーで「後ろから前」に向かって乾かします。これで根元の割れを防ぎます。
- アイロンを通す(全体):表面の髪を軽く持ち上げ、ストレートアイロンを通して大きな弧を描くように丸みをつけます。
- アイロンを通す(毛先):前髪やサイドの毛先を、後ろに流すように軽くカーブさせます。
- スタイリング剤:オイルを手に広げ、まずは襟足の内側からつけます。その後、手櫛を通すように全体になじませ、最後に手に残ったオイルで前髪の束感を整えます。
ポイントは「頑張って巻こうとしない」こと。熱を通してツヤを出し、毛流れを整えるだけで、ハンサムショートのシルエットは完成します。
必須アイテム:スタイリングオイルとバームの使い分け
スタイリング剤選びも重要です。なりたい質感に合わせて使い分けましょう。
- スタイリングオイル(重め):ボリュームを抑えたい、タイトに見せたい、ウェットな質感でクールに決めたい時におすすめ。多毛さんやくせ毛さんに最適です。
- ヘアバーム(固形):少し動きを出したい、ふんわりさせたい時におすすめ。オイルよりセット力があるため、アホ毛を抑えたり、毛先の束感をキープしたりするのに向いています。軟毛さんはバームの方がペタンとなりすぎません。
美しいシルエットを保つためのカット頻度(賞美期限)
ショートヘアはロングヘアに比べて、形が崩れるのが早いです。髪は1ヶ月に約1cm伸びますが、ショートの1cmはシルエットに大きな影響を与えます。
ショートヘア専門美容師のアドバイス
「ハンサムショートの賞美期限(きれいに保てる期間)は、1.5ヶ月〜2ヶ月が目安です。2ヶ月を過ぎると、襟足が伸びて重くなり、ウエイトの位置が下がってきて、せっかくの小顔効果やひし形シルエットが崩れてしまいます。『セットしにくいな』と感じたら、それはメンテナンスのサインです。常にきれいな状態をキープしたいなら、45日周期でのご来店をおすすめしています。」
ハンサムショートに関するよくある質問(FAQ)
最後に、カウンセリングの現場でよくいただく細かい疑問にお答えします。
Q. くせ毛や多毛でもハンサムショートにできますか?
A. 可能です。むしろおすすめです。
多毛さんは、内側を効果的に削ぐ「ディスコネクション」というカット技法を使うことで、見た目のボリュームを劇的に減らすことができます。くせ毛さんは、その癖を活かしたパーマ風のスタイリングにすることで、直毛の人には出せないニュアンスを楽しむことができます。縮毛矯正をかけてハンサムショートにする方も多いですよ。
Q. ショートにすると顔の大きさが目立ちませんか?
A. バランス次第で、逆に小顔に見えます。
記事内でも解説した通り、顔周りの毛で輪郭をカバーし、トップに高さを出して視線を誘導することで、ロングヘアで顔を出している時よりも小顔効果が高まります。「隠す」よりも「補正する」という考え方が重要です。
Q. 伸ばしかけの期間はどう乗り切ればいいですか?
A. ショートボブを経由しましょう。
ハンサムショートから伸ばす場合、まずは襟足だけをカットし続け、サイドの髪が伸びるのを待ちます。サイドと襟足の長さが揃ったら「ショートボブ」や「ミニボブ」に移行し、そこから全体を伸ばしていくと、ストレスなく伸ばすことができます。
Q. メイクやファッションはどう変えればいいですか?
A. 少しだけ「女性らしさ」を足してみてください。
髪型がクールになる分、メイクはリップの色を少し濃くしたり、眉毛をしっかり描いて目力を出したりするとバランスが良いです。ファッションは、大ぶりのピアスやイヤーカフが非常によく映えます。首元が開いた服もきれいに着こなせるようになりますよ。
まとめ:勇気を出してハンサムショートで新しい自分へ
ハンサムショートは、単に髪を短くするだけのスタイルではありません。骨格を補正し、首を長く見せ、あなたの持つ本来の美しさを引き出す、計算され尽くしたデザインです。
「私には似合わない」という思い込みを捨てて、顔型に合わせた理論と、信頼できる美容師への的確なオーダーがあれば、失敗することはありません。むしろ、今までで一番垢抜けた自分に出会えるはずです。
最後に、美容室に行く前の最終チェックリストをおさらいしましょう。
ハンサムショート似合わせ最終チェックリスト
- 自分の顔型(丸顔・面長など)を理解し、カバーすべきポイント(縦ラインor横ライン)を把握しましたか?
- なりたいイメージ(前髪あり・なし)は固まりましたか?
- 美容師に見せる画像は「正面」「横」「後ろ」の3枚用意しましたか?
- 襟足の生え癖や絶壁など、骨格の悩みは伝えられますか?
- 翌日から使うスタイリング剤(オイルなど)の準備はできていますか?
髪型を変えることは、新しい自分への第一歩です。ぜひ今日から、鏡の前で自分の顔型をチェックして、あなただけの「似合うハンサムショート」を見つける準備を始めてみてください。勇気を出してカットしたその先には、きっと毎日のスタイリングが楽しくなる素敵な日々が待っています。
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