「お風呂場に入ったら、壁に足の長い奇妙な虫が張り付いていた…!」
「あまりの気味悪さに悲鳴を上げて逃げ出してしまった」
今まさに、このような恐怖体験をして、震える手でスマホを検索されているのではないでしょうか。そのお気持ち、痛いほどよくわかります。あの独特なフォルムと高速で移動する姿は、どんなに「害がない」と言われても、生理的な嫌悪感を抱かずにはいられないものです。
結論から申し上げますと、ゲジゲジ(正式名称:ゲジ)に毒はなく、人間に危害を加えることは基本的にありません。
彼らは非常に臆病な性格で、むしろ人間を恐れて逃げ回る生き物です。
しかし、だからといって「益虫だから我慢して一緒に暮らしましょう」とは、私は言いません。家は安らぎの場所であるべきです。見た目の不快感が強く、精神的なストレスになるのであれば、無理に共存せず、適切に駆除・予防して全く問題ありません。
この記事では、害虫防除技術者として18年間、数多くのご家庭で虫トラブルを解決してきた私が、以下の3点を中心に徹底解説します。
- 毒性や噛む危険性の有無と、ムカデとの見分け方
- 殺虫剤を使わずに今すぐ退治・追い出す具体的な方法
- プロが教える「二度と家に入れない」鉄壁の侵入経路対策
読み終える頃には、今のパニック状態から解放され、「もう怖くない」と自信を持って対策できるようになっているはずです。まずは深呼吸をして、正しい知識から確認していきましょう。
【緊急確認】ゲジゲジに毒はある?噛む?まずは安全性を正しく理解しよう
このセクションでは、あなたが今抱えている「刺されたらどうしよう」「毒で死ぬことはあるの?」という最大の不安を解消します。
まず、はっきりとお伝えします。日本国内の家屋で見かけるゲジゲジ(ゲジおよびオオゲジ)は、人体に影響を及ぼすような毒を持っていません。
ネット上の情報や噂で「ゲジゲジに噛まれて腫れた」といった話を見かけることがあるかもしれませんが、それは多くの場合、ムカデとの誤認か、極めて稀なアレルギー反応によるものです。生物学的な事実として、彼らは人間を攻撃対象として認識していません。
以下の解説で、その安全性と生態を詳しく見ていきましょう。
Note
※本記事では、虫が苦手な方に最大限配慮し、リアルなゲジゲジの画像は初期状態で表示しません(イラストやボカシ処理を使用、または文章のみで解説)。生態解説のためにどうしても必要な箇所のみ、タップして詳細を確認できる仕様を想定して執筆しています。どうぞ安心して読み進めてください。
結論:毒性はなく、積極的に人を噛むこともない
ゲジゲジに対する恐怖心の根源は、「得体が知れない」「何かされそう」という点にあると思います。しかし、彼らの生態を知れば、そのリスクが限りなくゼロに近いことがわかります。
まず「毒」についてですが、ゲジゲジも捕食のために微弱な毒を持ってはいます。しかし、その毒は小さな昆虫(ゴキブリやハエなど)を麻痺させるためのものであり、人間の皮膚を貫通させたり、人体にダメージを与えたりするほどの強さは持っていません。
次に「噛む力」についてです。ゲジゲジの顎(あご)は非常に弱く、人間の皮膚を噛み切ることは困難です。私が過去18年間の現場経験の中で、数えきれないほどのゲジゲジを見てきましたが、彼らが人間に対して攻撃を仕掛けてくる場面に遭遇したことは一度もありません。
彼らが人間に向かってくるように見えるときは、単に「逃げた先に人間がいただけ」か「パニックになって暴走しているだけ」です。基本的には、あなたの姿を見た瞬間に、全力で暗がりへと逃げ込もうとするはずです。
ムカデとの決定的な違い(見た目・動き・攻撃性)
「でも、もしかしたらムカデかもしれない…」という不安が残る方もいるでしょう。ムカデは強力な毒を持ち、攻撃性も高いため、区別することは非常に重要です。
ゲジゲジとムカデは、同じ「多足類」の仲間ですが、その特徴は驚くほど異なります。以下の比較表で確認してみましょう。
| 特徴 | ゲジゲジ(ゲジ・オオゲジ) | ムカデ(トビズムカデ等) |
|---|---|---|
| 毒の有無 | 微弱(人体にほぼ影響なし) | 強力(激痛・腫れ・アナフィラキシーの危険あり) |
| 攻撃性 | 極めて低い(臆病で逃げる) | 高い(触れると噛みつく) |
| 見た目 | 足が非常に長く、体よりも足が目立つ。 全体的にフワッとした印象。 |
足は短く、体が太くて平べったい。 赤黒い、または黒っぽい色で硬そう。 |
| 移動速度 | 超高速(ゴキブリ並み) | 比較的速いが、ゲジほどではない。 くねくねと這うように動く。 |
| 発生場所 | お風呂場、洗面所、トイレ、床下など湿気の多い場所。壁や天井も走る。 | 庭の石の下、落ち葉の下、湿った床下。 布団の中に潜り込むこともある。 |
最大の違いは「足の長さ」と「逃げ足の速さ」です。ゲジゲジは足が体長以上に長く、まるで蜘蛛の足が増えたような見た目をしています。一方、ムカデは短い足が整然と並んでおり、体が重厚です。
もし、目の前の虫が「異常に足が長くて、風のようにササッと動いた」のであれば、それはほぼ間違いなくゲジゲジです。つまり、噛まれる心配をする必要はないということです。
赤ちゃんやペットが触れてしまっても大丈夫?
小さなお子様やペット(犬・猫)がいるご家庭では、誤って触れてしまったり、口に入れてしまったりする事故が心配かと思います。
基本的に、触れただけで皮膚炎を起こすような毒成分は体表にはありません。ムカデのように、触った瞬間に振り返って噛みつくという反射行動も、ゲジゲジにはほとんど見られません。したがって、赤ちゃんがハイハイしていて偶然触ってしまったとしても、慌てて救急病院へ走る必要はありません。
ただし、ペットが遊んで口に入れてしまったり、好奇心旺盛な小さなお子様が誤食してしまったりした場合は、念のため注意が必要です。
万が一、誤食してしまった場合の対応(クリックで展開)
ゲジゲジ自体に致死性の毒はありませんが、野生の生き物である以上、以下のリスクが考えられます。
- 寄生虫のリスク: 野外から侵入した個体の場合、寄生虫(線虫など)を保有している可能性があります。
- 細菌のリスク: 床下や排水溝など不衛生な場所を歩き回っているため、体表に雑菌が付着しています。
- アレルギー反応: 稀ですが、昆虫食などでアレルギー反応が出るのと同様に、体質によってはアレルギー症状が出ることがあります。
【対応手順】
- まずは口の中を確認し、残骸があれば取り除いてうがいをさせます(ペットの場合は水を飲ませる)。
- 直後は何もなくても、数時間は様子を観察してください。
- 嘔吐、下痢、発熱、発疹などの症状が見られた場合は、食べたものが「ゲジゲジ」であることを伝え、医師(ペットなら獣医師)の診察を受けてください。
基本的には胃酸で消化されて問題ないケースが大半ですが、「野生の虫を食べた」という点での衛生的な経過観察は必要です。
害虫防除技術者のアドバイス:パニックにならないための心構え
「ゲジゲジはおそらく日本で一番『見た目で損をしている虫』です。お客様から『この世の終わりみたいな虫が出た!』と通報を受けて駆けつけると、ちょこんとゲジゲジが壁に止まっていることがよくあります。
遭遇した瞬間は心臓が止まるほど驚くと思いますが、彼らは非常に臆病で、人影を感じると全力で逃げようとします。向かってくることはまずないので、まずは深呼吸をして落ち着いてください。あなたが攻撃を仕掛けない限り、彼らがあなたを傷つけることは絶対にありません。」
今すぐなんとかしたい!場所別・状況別のゲジゲジ駆除・排除方法
安全だとわかっても、同じ部屋にあの姿があること自体が耐えられない。その気持ちは当然です。このセクションでは、今まさに目の前にいるゲジゲジを、できるだけ近づかずに、かつ確実に処理する方法を伝授します。
特に「殺虫剤を室内で撒きたくない」「潰したくない」というニーズに応える方法を中心に紹介します。
【お風呂場・洗面所】シャワーや熱湯を使った対処法
ゲジゲジの出現率No.1スポットといえば、お風呂場です。裸で無防備な状態での遭遇はトラウマレベルですが、実は水回りは駆除に最も有利な場所でもあります。
最強の武器は「熱湯」です。
昆虫や多足類は、タンパク質で構成されているため、高温に非常に弱いです。殺虫剤が手元になくても、シャワーの温度設定を変えるだけで瞬殺できます。
【手順】
- シャワーの温度を50℃以上(できれば60℃近く)に設定します。火傷には十分注意してください。
- ゲジゲジに向かって、少し離れた位置から一気に熱湯シャワーをかけます。
- 数秒かければ動きが止まります。完全に動かなくなったら、割り箸やチリトリで回収してゴミ箱へ捨てるか、そのまま排水溝へ流してしまいましょう(大きい個体の場合は詰まりの原因になるので回収推奨)。
もし熱湯が出せない状況や、シャワーが届かない位置にいる場合は、「カビ取り剤」や「洗剤」も有効です。界面活性剤が含まれている液体をかけると、虫の体にある呼吸口(気門)が塞がり、窒息死させることができます。ただし、即効性は熱湯に劣るため、かけてから少し暴れる可能性があることを覚悟してください。
【リビング・寝室】殺虫剤を使わずに捕獲・追い出すコツ(凍殺スプレー・紙コップ)
リビングや寝室、特に小さなお子様がいる部屋やペットがいる部屋では、殺虫成分を含むスプレーを噴射するのはためらわれます。また、殺虫剤をかけて苦しんで暴れ回られるのも避けたいところです。
そこでおすすめなのが「凍殺(冷却)スプレー」です。
1. 凍殺スプレーの使用
マイナス85℃などの冷気で瞬間的に凍らせて動きを止めるスプレーです。殺虫成分が入っていない製品が多く、室内でも安心して使えます。動きが止まっている間に、ティッシュなどで包んで処理します。ただし、生き返る可能性もあるため、凍らせたらすぐにトイレに流すか、屋外へ出してください。
2. 紙コップや空き容器での捕獲
もしスプレーがない場合は、物理的に捕獲して外へ逃がすのが最も平和的かつクリーンな方法です。
- 大きめの紙コップ、プラスチック容器、空き瓶などを用意します。
- 壁や床にいるゲジゲジの上から、容器をそっと被せます。
- 壁(床)と容器の隙間に、下敷きや厚紙をゆっくりとスライドさせて差し込みます。
- 厚紙で蓋をした状態のまま、ベランダや玄関の外へ運び、遠くへ放します。
この方法は、ゲジゲジを傷つけず、体液で床を汚すこともないため、慣れれば最もスマートな対処法です。
【注意】掃除機で吸うのはNG?バラバラになる「自切」のリスク
「触りたくないから掃除機で吸ってしまいたい!」と考える方は多いですが、プロとしては掃除機の使用は強く反対します。
理由は2つあります。
- 中で生きている可能性が高い: 掃除機の吸引力程度では死なないことが多く、ゴミパックの中で生きたまま蠢いている可能性があります。ゴミ捨ての際に飛び出してくる恐怖は計り知れません。
- 排気口からの悪臭: サイクロン式などで高速回転するブラシやファンに巻き込まれると、体がバラバラになり、体液が飛び散ります。その臭いが排気と一緒に部屋中に撒き散らされることになります。
どうしても掃除機を使う場合は、吸い込んだ直後に殺虫スプレーを吸わせるか、紙パック式であれば吸い込み口をガムテープですぐに塞ぎ、パックごと即座に廃棄してください。
叩いて潰すのは厳禁!体液とニオイの被害
恐怖のあまり、新聞紙やスリッパで叩き潰してしまうこともあるかもしれません。しかし、これも推奨できません。
ゲジゲジの体は非常に脆く、少しの衝撃で簡単に潰れます。潰れると、体液が出て床や壁紙を汚します。この体液はシミになりやすく、独特の不快なニオイを発することがあります。
また、後述する「自切(じせつ)」という習性により、叩いた衝撃で数十本の足がバラバラと外れ、本体は死んでいるのに足だけがピクピクと動き続ける…という、ホラー映画のような光景を目の当たりにすることになります。精神衛生上、叩き潰すのは絶対に避けるべきです。
害虫防除技術者のアドバイス:捕獲時の失敗談と「自切」について
「新人時代、お客様の前でホウキで無理に掃き出そうとして、ゲジゲジの足をバラバラに切り離してしまった(自切)ことがあります。ゲジゲジは敵に襲われると、トカゲの尻尾のように自ら足を切り離して囮(おとり)にし、その隙に逃げようとする習性があるのです。
本体は逃げ去ったのに、切れた数本の足だけが床でピクピクと跳ね回り、お客様を余計にパニックにさせてしまいました。あの時の悲鳴は今でも忘れられません。無理な捕獲や物理的な攻撃よりも、凍殺スプレーで固めるか、大きめの容器で優しく覆う方法を強くおすすめするのは、この『バラバラ事件』を防ぐためでもあるのです。」
もう二度と会わないために!プロが教える鉄壁の侵入防止対策
目の前の1匹を処理しても、安心してはいけません。ゲジゲジは「家の中で繁殖する」ことよりも、「外から侵入してくる」ことの方が圧倒的に多いからです。つまり、侵入経路を塞がない限り、第2、第3のゲジゲジが現れる可能性が高いということです。
ここでは、ペルソナであるあなたが最も知りたい「予防策」について、プロの視点で徹底解説します。これを実践すれば、遭遇率は劇的に下がります。
ゲジゲジはどこから入る?意外な侵入経路ランキング
ゲジゲジの体は平たく、わずか数ミリの隙間があれば簡単に通り抜けることができます。「窓は閉めているのに!」と思っていても、家には意外な隙間が無数に存在します。
私が現場調査で特定した、主な侵入経路ランキングは以下の通りです。
- 玄関ドア・勝手口の隙間(特に下部)
ドアのパッキンが劣化していたり、建て付けが悪かったりすると、地面に近い部分に隙間ができます。ここが最大の入り口です。 - 床下通気口・エアコンのドレンホース
床下はゲジゲジの楽園です。そこから通気口を通じて壁の中に入り、室内の配管周りの隙間から出てきます。また、エアコンの排水ホース(ドレンホース)は、虫にとっての直通トンネルです。 - お風呂場・キッチンの排水溝周り
配管が床を貫通している部分には、見えない隙間(配管と床板の間の穴)が空いていることが多く、ここから這い上がってきます。 - 換気扇・通風孔
プロペラ式の換気扇や、フィルターのない通風孔も侵入経路になります。
【DIYで可能】100均グッズやパテでできる「隙間埋め」テクニック
侵入経路がわかれば、あとは塞ぐだけです。高額なリフォーム工事をしなくても、ホームセンターや100円ショップで手に入る道具で十分に対策可能です。
1. エアコンのドレンホース対策
これは今すぐにやってください。100円ショップで売っている「防虫キャップ」をホースの先端に差し込むだけです。これだけで、エアコンからの侵入は100%防げます。キャップがない場合は、ストッキングや排水溝ネットを被せて輪ゴムで止めるだけでも効果絶大です。
2. 排水管周りの隙間埋め
洗面台の下やキッチンのシンク下の扉を開けてみてください。床から出ている排水パイプと、床板の間に隙間がありませんか?ここが「隙間パテ(配管用パテ)」で埋めるべき最重要ポイントです。粘土のようなパテで穴を塞ぐだけで、床下からの侵入を遮断できます。
3. 玄関ドアの隙間テープ
ドアの下からの光漏れや風を感じる場合は、スポンジ状の「隙間テープ」を貼って隙間をなくしましょう。
家の周りの環境改善(落ち葉、雑草、湿気対策)
家の中への侵入を防ぐと同時に、家の周りを「ゲジゲジが住みにくい環境」にすることも重要です。
ゲジゲジは「暗くて、湿っていて、隠れる場所がある」環境を好みます。家の周りに以下のようなものはありませんか?
- 積み重なった落ち葉や枯れ草
- 放置された植木鉢やプランターの下
- 腐った木材や段ボール
- 雑草が生い茂った庭
これらはすべてゲジゲジの隠れ家(コロニー)になります。定期的に草むしりをし、落ち葉を掃除し、家の基礎周辺(犬走り)を乾燥した状態に保つことで、ゲジゲジは「ここは居心地が悪い」と判断し、寄り付かなくなります。
待ち伏せ効果のある殺虫剤(粉剤・スプレー)の効果的な撒き場所
物理的な隙間埋めと環境改善を行った上で、最後の仕上げとして「化学的防除(薬剤)」を行います。
家の外周、特に基礎コンクリート沿いに、粉剤(粉状の殺虫剤)を帯状に撒くのが効果的です。これを「ライン散布」と呼びます。ゲジゲジが家に入ろうとしてこのラインを越えると、腹部に薬剤が付着し、侵入する前に駆除できます。
また、玄関ドアや窓枠には、あらかじめスプレー式の「待ち伏せ殺虫剤(忌避効果のあるもの)」を噴射しておきましょう。効果は製品によりますが、1ヶ月〜数ヶ月持続するものが多いです。雨が降った後は効果が薄れるので、定期的に撒き直すのがポイントです。
害虫防除技術者のアドバイス:5年間出現ゼロを達成した「隙間埋め」の威力
「以前担当した虫嫌いのお客様宅では、薬剤散布だけでなく、配管周りと巾木(壁と床の境目)の隙間を徹底的にコーキング(埋める作業)しました。築年数が古く隙間だらけの家でしたが、地道に全ての穴を塞ぎました。
その結果、周辺は雑木林で自然豊かな環境にも関わらず、5年以上室内への侵入ゼロを達成しています。薬剤はいずれ効果が切れますが、物理的に塞いだ穴は開きません。『殺す』より『入れない』対策こそが、最強かつ恒久的な防除なのです。」
そもそもゲジゲジは「益虫」?ゴキブリを食べるって本当?
ここまで駆除と対策の話をしてきましたが、ここで少し視点を変えて、ゲジゲジの「益虫」としての側面について触れておきます。これを理解することで、「殺してしまった罪悪感」を減らし、冷静な判断ができるようになります。
「家の守り神」と呼ばれる理由:ゴキブリやダニを捕食する能力
ゲジゲジが「益虫」と呼ばれる最大の理由は、その驚異的なハンティング能力にあります。彼らの主食は、人間が最も嫌う「ゴキブリ」「ハエ」「カ」「ダニ」「シロアリ」などの衛生害虫です。
特にゴキブリに対する捕食能力は凄まじく、あの素早いゴキブリを上回るスピードで追いかけ、捕らえて食べてしまいます。しかも、ゲジゲジは非常に大食漢で、お腹がいっぱいでも目の前に獲物がいる限り捕殺し続けるという習性があるとも言われています。
また、食事のマナー(?)も良く、捕食後は獲物の残骸をきれいに食べ尽くすため、汚染を広げにくいという特徴もあります。昔の人がゲジゲジを「家の守り神」と呼んだり、あえて駆除せずに放置したりしたのは、この「天然のゴキブリ駆除機」としての能力を評価してのことでした。
それでも駆除していい理由:精神衛生と「不快害虫」という定義
「そんなに役に立つなら、殺さない方がいいの?」と迷うかもしれません。しかし、プロとしての私の答えは「無理しなくていい」です。
現代の住宅事情や衛生観念において、いくら益虫とはいえ、あの見た目の虫が室内を走り回るストレスは計り知れません。実際、行政や保健所の区分でも、ゲジゲジは「不快害虫」に分類されています。これは「実害はないが、外見や動きで人間に不快感を与える虫」という意味です。
「ゴキブリを食べてくれるメリット」と「ゲジゲジと同居する精神的苦痛」を天秤にかけたとき、後者の方が重いのであれば、迷わず駆除して構いません。ゴキブリ対策は、ブラックキャップなどのベイト剤(毒餌)を使えば十分代用可能です。
益虫として放置する場合のメリット・デメリット整理
最後に、判断に迷う方のためにメリットとデメリットを整理します。
- 放置するメリット(共存派)
- ゴキブリやダニを無料で駆除してくれる。
- 殺虫剤を使わなくて済む。
- 生態系のバランスを保てる。
- 放置するデメリット(駆除派)
- いつ出てくるかわからない恐怖におびえる生活になる。
- 来客時に出現して騒ぎになる可能性がある。
- 脱皮した皮やフンがハウスダストの原因になる可能性がある。
- 稀に誤って踏んでしまい、汚れるリスクがある。
害虫防除技術者のアドバイス:プロとしての「共存」への見解
「生態系としては優秀なハンターですが、家の中でリラックスできないほどの恐怖を感じるなら、無理に共存する必要はありません。心の平穏を優先し、堂々と対策してください。
ただし、屋外で見かけたときは話が別です。庭や外壁にいるゲジゲジは、家に入ろうとするゴキブリを水際で食い止めてくれている『外の警備員』です。外で見かけたときは『家の周りの虫を食べてくれているんだな』と感謝しつつ、そっとしておくのが、人間とゲジゲジの良い距離感だと言えるでしょう。」
ゲジゲジに関するよくある質問(FAQ)
最後に、現場でお客様からよくいただく質問にお答えします。細かい疑問を解消して、完全に不安を拭い去りましょう。
Q. ゲジゲジが大量発生する原因は?
A. 「エサ」と「環境」が揃っているからです。
家の中にゴキブリや小さな虫(エサ)が沢山いる場合、それを求めてゲジゲジが集まってきます。また、床下が湿気ていたり、雨漏りがあったりすると、繁殖に適した環境となり、大量発生につながることがあります。ゲジゲジが多い家は、実は「ゴキブリも多い家」である可能性が高いのです。
Q. 1匹いたら100匹いる?(ゴキブリと同じ?)
A. いいえ、そこまで密集して生活していません。
ゴキブリは集団で生活しますが、ゲジゲジは基本的に単独行動を好みます。1匹見かけたからといって、壁の裏に100匹潜んでいるということは稀です。ただし、侵入しやすい環境であることは確かなので、2匹目、3匹目が入ってくる可能性はあります。
Q. 燻煙剤(バルサンなど)は効果がある?
A. 今いる個体には効きますが、予防にはなりません。
煙や霧タイプの殺虫剤(燻煙剤)は、部屋の隅々に隠れているゲジゲジを駆除するのには非常に有効です。しかし、薬剤の成分がなくなれば、また外から新しい個体が入ってきます。
害虫防除技術者のアドバイス:燻煙剤を使う際の注意点
「燻煙剤は『リセットボタン』のようなものです。一度クリアな状態にできますが、バリア機能はありません。燻煙剤を使用した直後に、侵入経路対策(隙間埋めや粉剤散布)をセットで行うことが重要です。そうしないと、数週間後には元の木阿弥になってしまいます。」
Q. 業者に駆除を頼むべき判断基準は?
A. 「自力での対策に限界を感じた時」や「床下などの確認が難しい時」です。
以下のような場合は、プロへの依頼を検討してください。
- 市販薬や隙間埋めをしても、毎日のように出現する。
- お風呂場の天井裏や床下など、自分では確認できない場所から出ている気がする。
- 虫への恐怖心が強すぎて、死骸の処理すらできず生活に支障が出ている。
プロは専用の薬剤と機材を使い、侵入経路の特定から封鎖までを徹底的に行います。
まとめ:正しく怖がれば大丈夫。侵入対策で安心できる家を取り戻そう
ここまで、ゲジゲジの正体と対策について詳しく解説してきました。最初は恐怖でパニックになっていたかもしれませんが、今は「敵の正体」と「倒し方」がわかり、少し気持ちが楽になっているのではないでしょうか。
最後に、今回の記事の重要ポイントをチェックリストで振り返ります。
- ゲジゲジに毒はなく、人を噛むこともないので、まずは落ち着く。
- 室内に出たら、潰さずに「凍殺スプレー」か「容器」で外へ追い出す。
- 掃除機で吸うのは「自切」や悪臭のリスクがあるためNG。
- 侵入経路(エアコンホース、配管の隙間、玄関下)を塞ぐことが最大の予防策。
- 屋外の雑草や湿気対策を行い、家の周りを虫が住みにくい環境にする。
ゲジゲジは見た目こそ恐ろしいですが、家を破壊したり病気を運んだりする悪者ではありません。しかし、あなたの平穏な生活を守るためには、毅然とした態度で「家に入れない対策」を実行することが大切です。
ぜひ今日から、まずはエアコンのドレンホースにキャップを付けるところから始めてみてください。その小さな一歩が、虫に怯えない安心な暮らしへの第一歩となります。
Call to Action
自分で対策してもどうしても侵入が止まらない場合や、床下などの確認が難しく不安な場合は、一度お近くの害虫駆除専門業者(ペストコントロール協会加盟店など)に調査を依頼することをおすすめします。プロの目で侵入経路を特定し、根本から解決することで、長期間の安心を手に入れることができます。
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