オフィスで急に複合機が動かなくなり、操作パネルに見慣れない「fct0139」というエラーコードが表示されてお困りではないでしょうか。特に月末の締め作業や会議直前の資料印刷中など、一刻を争うタイミングで発生するトラブルは、担当者の方にとって非常に大きなストレスとなります。
結論から申し上げますと、エラーコード「fct0139」は複合機内部のシステム通信異常や基板トラブルを示唆するものですが、必ずしも致命的な故障(部品交換)が必要とは限りません。現場での経験上、正しい手順での完全再起動や、見落としがちな電源環境の見直しを行うだけで、嘘のように復旧するケースも多々あります。
まずは焦る気持ちを抑えて、本記事で紹介するプロ直伝の対処法を順番に試してください。この記事では、メーカーのマニュアルには載っていない現場レベルの復旧テクニックと、それでも改善しない場合の修理依頼の判断基準を、業界歴15年のメンテナンス専門家が徹底解説します。
この記事でわかること
- サービスマンが現場に到着して最初に行う「正しい再起動」の具体的な手順
- 意外な落とし穴!「タコ足配線」などの電源環境がエラーを引き起こすメカニズム
- 修理が必要かどうかの明確な判断基準と、やってはいけない危険なNG行為
【緊急対応】fct0139が出た時にまず行うべき「完全再起動」手順
複合機の画面に「fct0139」が表示された際、多くのユーザーが最初に行うのが「再起動」です。しかし、実は多くの方が「間違った再起動」を行っており、そのせいで復旧のチャンスを逃しています。単に電源ボタンを押して入り切りするだけでは、このエラーは解消しないことが多いのです。
このセクションでは、私たちプロのサービスマンが現場に到着した際、まず最初に実施する「完全再起動(パワーサイクル)」の手順を詳細に解説します。これは、機械内部に残った不要な電気(残留電荷)を完全に取り除き、システムをクリーンな状態で立ち上げ直すための作業です。一刻も早い復旧を求めている今こそ、自己流ではなく、確実な手順を順を追って実行してください。
再起動フロー図のイメージ
1. 主電源スイッチをOFFにする
2. 電源ケーブルをコンセントから抜く
3. 最低1分間(できれば3分間)放置する
4. 電源ケーブルを壁のコンセントに挿す
5. 主電源スイッチをONにする
手順1:主電源スイッチを正しく切る
まず最初に行うべきは、複合機の「主電源」を切ることです。ここで注意が必要なのは、操作パネルの脇にある「節電ボタン」や「スリープボタン」の長押しでは意味がないという点です。これらはあくまでスリープモードへの移行や簡易的な電源オフであり、システムの中枢部分は通電したままになっているケースがほとんどだからです。
主電源スイッチは通常、複合機の前面カバーの内側や、側面の下部など、普段あまり触らない場所に設置されています。「|」と「○」のマークが書かれたシーソースイッチを探してください。カバーを開けてスイッチを見つけたら、「○」の方へしっかりと押し込み、電源をオフにします。
スイッチを切った後、すぐに次の動作へ移ってはいけません。主電源を切っても、操作パネルのランプや画面が完全に消えるまでには数秒から数十秒のタイムラグがあります。機械内部のハードディスクが回転を停止し、システムがシャットダウンプロセスを完了するまで、画面が完全に暗くなるのを静かに見守ってください。この「終了プロセス」を待たずに次のステップに進むと、ハードディスクのデータ破損を招く恐れがあります。
手順2:コンセントを抜き、放電時間を確保する(重要)
画面が完全に消え、機械の動作音が止まったことを確認したら、次は電源プラグをコンセントから引き抜きます。「スイッチを切ったのだから、電気は流れていないはず」と思われるかもしれませんが、ここが最大のポイントです。
電源プラグを抜いた後、最低でも1分間、可能であれば3分〜5分間そのまま放置してください。
この「放置時間」こそが、fct0139エラーを解消するための鍵となります。多くのユーザーは、コンセントを抜いてすぐにまた挿し込んでしまいますが、これでは意味がありません。なぜなら、複合機の内部回路には、電源供給が絶たれた後もしばらくの間、電気が蓄えられているからです。
業界歴15年の複合機メンテナンス専門家のアドバイス
「なぜ『1分待つ』ことが重要なのか、疑問に思う方も多いでしょう。複合機の内部には『コンデンサ』と呼ばれる、電気を一時的に蓄える部品が数多く使われています。主電源を切ってコンセントを抜いた直後は、このコンデンサにまだ電気が残っている状態(残留電荷)です。
fct0139のようなシステムエラーは、基板上の微細な電気信号のトラブルで発生することが多いのですが、残留電荷がある状態で電源を入れ直しても、エラーを検知した際の情報(メモリ)がリセットされず、そのまま引き継がれてしまうのです。
人間で言えば、嫌なことを忘れてリフレッシュするために寝ようとしたのに、すぐに起こされてしまったような状態です。完全にリセットするには、コンデンサ内の電気が自然放電され、回路内の電圧がゼロになるのを待つ必要があります。その目安が『最低1分』なのです。焦る気持ちは痛いほど分かりますが、この待ち時間が復旧率を劇的に高めます。ぜひ、時計を見ながらしっかりと時間を空けてください」
▼専門家メモ:残留電荷によるエラー誤検知について
複合機は高度な精密機器であり、内部には数多くのセンサーと制御基板が搭載されています。fct0139エラーが発生した際、一時的なノイズや電圧の乱れによって、誤って「故障」と判定されているケースがあります。
この「誤った判定」の情報は、揮発性メモリや制御チップ内のレジスタに保持されています。これらは電力が供給されている限り情報を保持し続けます。コンセントを抜いてすぐに挿し直すという行為は、いわば「瞬断」と同じであり、内部の電気は完全に枯渇しないため、エラー情報も保持されたまま再起動してしまいます。
完全に放電させることで、これらのメモリ上のゴミ情報をクリアし、ハードウェアを初期状態からチェックし直すプロセス(POST: Power On Self Test)を正常に走らせることができます。これが「完全再起動」のメカニズムです。
手順3:再起動後の動作確認ポイント
十分な放電時間を確保したら、電源プラグをコンセントに差し込み、主電源スイッチをオンにします。この時、複合機が起動プロセスを開始します。
通常よりも起動に時間がかかる場合がありますが、これはシステムチェックを入念に行っている証拠ですので、無理にボタンを押したりせず、ホーム画面が表示されるまでじっと待ってください。以下のポイントに注目して動作確認を行います。
- 起動中の異音:「ガリガリ」「キュルキュル」といった普段聞かない異音がしていないか。
- エラー表示のタイミング:起動直後にすぐfct0139が出るのか、それとも一度ホーム画面が出てから、コピーなどの操作をした瞬間に再発するのか。
- 機能の制限:コピーはダメだがスキャンはできる、あるいはFAX受信だけは動いている、といった機能ごとの動作状況。
もし、この完全再起動を行ってもfct0139が消えない、あるいは一度消えてもすぐに再発する場合は、単純なシステムの一時的な不具合ではない可能性が高まります。しかし、まだ諦めるのは早いです。次に疑うべきは、機械そのものではなく「環境」です。
再起動で直らない場合に確認すべき「電源環境」の落とし穴
「再起動を試したけれど、やっぱりfct0139が出る。もう故障確定か……」と落ち込む前に、もう一つだけ確認していただきたい重要な要素があります。それは「電源環境」です。
実は、複合機本体には何の問題もないのに、供給される電気の質や量が不安定なせいでエラーが出ているケースが、現場では意外なほど多く見受けられます。特にfct0139のような通信系やシステム制御系のエラーは、電圧の微細な変動(ノイズや電圧降下)に非常に敏感です。公式マニュアルには詳しく書かれていませんが、私たちメンテナンス担当者にとっては「あるある」の原因の一つです。
このセクションの内容を確認し、電源環境を改善することで、高額な修理費用をかけずにエラーが解消する可能性があります。まさにペルソナであるあなたにとっての「救世主」となり得る情報ですので、ぜひ現場の状況と照らし合わせてみてください。
「タコ足配線」による電圧不足を疑う
オフィスのデスク周りや複合機の裏側を確認してみてください。複合機の電源プラグは、どこに刺さっているでしょうか?もし、安価な電源タップ(延長コード)を使用していて、そこにシュレッダー、電気ポット、ヒーター、パソコンの充電器などが所狭しと並んで接続されているなら、それがエラーの真犯人である可能性が非常に高いです。
いわゆる「タコ足配線」の状態です。複合機、特にレーザープリンター方式の大型複合機は、印刷を開始する際や、スリープから復帰して定着器(トナーを熱で溶かす部品)を温める瞬間に、ドライヤー並みの大電流(1000W〜1500W)を消費します。
タコ足配線で他の機器と電源を共有していると、複合機が必要とする瞬間に十分な電力が供給されず、一時的な「電圧降下(電圧不足)」が発生します。人間で言えば、貧血を起こしてフラッとするような状態です。この一瞬の電圧低下によって、CPUやメモリが正常に動作できなくなり、システムエラーとして「fct0139」を吐き出してしまうのです。
業界歴15年の複合機メンテナンス専門家のアドバイス
「現場でよく遭遇する『電圧降下』の実例をお話ししましょう。ある冬の寒い日、『朝一で必ずエラーが出る』というお客様の元へ伺いました。機械を点検しても異常は見当たりません。しかし、よく観察すると、複合機のすぐ隣にある事務員さんの足元に電気ストーブがありました。
始業時、寒いのでストーブをつけます。同時に複合機もスリープから復帰して温めを開始します。さらに電気ポットでお茶を沸かします。これらが全て同じ延長コードや、壁の中の同じブレーカー系統に繋がっていたのです。
テスターで電圧を測ると、複合機が動く瞬間に通常100Vあるはずの電圧が85V近くまで下がっていました。これでは精密機器はまともに動きません。ストーブを別のコンセントに移しただけで、エラーは嘘のように出なくなりました。
『機械が壊れた』と思う前に、『電気が足りていないのでは?』と疑う視点を持つことが、無駄な修理出費を防ぐコツです」
延長コードを使用せず「壁のコンセント」に直挿しする
電圧不足によるエラーを解消するための最も確実な方法は、「複合機の電源プラグを、壁のコンセントに直接挿すこと」です。
壁のコンセントは、建物の屋内配線から直接電力を供給できるため、延長コードを経由する場合に比べて電気抵抗が少なく、安定した電圧を確保できます。もし現在、延長コードを使用している場合は、一時的にでも構いませんので、複合機を移動させるか、長い延長コードをやめて、壁のコンセント(できれば単独使用)に繋ぎ変えてみてください。
その状態で再度、先ほどの「完全再起動」の手順を試します。これでエラーが出なくなるようであれば、原因は複合機の故障ではなく、これまでの配線環境にあったと断定できます。
電源環境チェックリスト
- [ ] 複合機の電源コードが、細くて古い延長コードに繋がれていないか?
- [ ] 同じコンセント(またはタップ)に、消費電力の大きい家電(ポット、電子レンジ、ヒーター、シュレッダー、ドライヤー等)が繋がっていないか?
- [ ] 電源プラグの刃の根元にホコリが溜まっていないか?(トラッキング現象だけでなく、接触不良の原因にもなります)
- [ ] コンセントの差し込みが緩くなっていないか?(グラグラしていると瞬断の原因になります)
冬場に多い?暖房器具との同時使用による影響
季節的な要因も無視できません。fct0139エラーに関する相談は、実は冬場や真夏に増える傾向があります。これは、エアコンや電気ストーブ、ファンヒーターといった空調・暖房機器の使用率が上がり、オフィス全体の電力消費量が増えるためです。
特に古い雑居ビルや、増築を繰り返したオフィスの場合、壁のコンセントが別々に見えても、壁の裏側では同じブレーカーに繋がっていることがよくあります。
「延長コードは使っていないから大丈夫」と思っていても、隣のデスクでセラミックファンヒーターを全開にしていたり、給湯室の電気ポットが沸騰中だったりすると、同じ系統の電圧全体が下がってしまいます。もし特定の時間帯(朝一番や昼休み明けなど)にだけエラーが出る場合は、周囲で使われている他の電気製品との兼ね合いをチェックしてみてください。
そもそも「fct0139」とはどんなエラー?原因と深刻度
ここまで対処法を優先してお伝えしてきましたが、そもそもこの「fct0139」とは何を意味するエラーコードなのでしょうか。上司に報告する際や、修理を待つ間の予備知識として、概要を理解しておきましょう。
エラーコードの意味:通信不良や基板トラブルの可能性
メーカーや機種によって細かな定義は異なりますが、一般的に「fct」で始まるエラーコードや、それに類するシステムエラー(System Error)は、複合機の脳みそにあたる「メインコントローラー基板」と、手足にあたる各パーツ(スキャナー、プリンターエンジン、フィニッシャーなど)との間の通信異常を示していることが多いです。
具体的には、以下のような状況が考えられます。
- メイン基板と各ユニットを繋ぐケーブルの接触不良や断線
- 制御基板上のチップやメモリの物理的な破損
- ソフトウェア(ファームウェア)のバグや暴走
- 外部からのノイズによる信号の乱れ
つまり、「紙が詰まった」「トナーがない」といった物理的で分かりやすいトラブルではなく、電子的な「会話」が内部で成立しなくなっている状態と言えます。
ユーザーの操作ミス?それとも機械の寿命?
「私が何か変なボタンを押したから壊れたの?」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、fct0139に関しては、ユーザーの操作ミスが直接の原因であることはほとんどありません。
無理やり紙を引き抜いてセンサーを破損させた、といった物理的な破壊行為がない限り、通常の使用範囲内でこのエラーが出るのは、経年劣化や偶発的な電子部品の故障、あるいは前述した電源環境の問題が主因です。したがって、ご自身を責める必要はありません。堂々と「機械の不調」として報告して問題ない事象です。
頻発する場合のリスク:完全に動かなくなる前兆かも
もし、再起動すると一時的に直るものの、数日後や数週間後にまたfct0139が出る、という状況を繰り返している場合は要注意です。これは、電子部品が完全に壊れる一歩手前の「瀕死の状態」である可能性が高いからです。
例えば、基板上のコンデンサが劣化して膨らんでいたり、ハンダ付けに微細なクラック(ひび割れ)が入っていたりする場合、温度変化や振動によって「繋がったり切れたり」を繰り返します。これを放置して使い続けると、ある日突然、電源すら入らなくなったり、発煙などの重大な事故に繋がったりするリスクがあります。
業界歴15年の複合機メンテナンス専門家のアドバイス
「『だましだまし使う』のが一番危険です。エラーログ(履歴)を見ると、ユーザーが気づいていない深夜やスリープ復帰時に、何度もエラーを吐き出しては自動リブートしているケースがあります。fct0139が一度でも出たら、それは機械からのSOSサインです。頻発する場合は、完全に動かなくなる『Xデー』が近いと考えて間違いありません。
業務の繁忙期に完全にダウンしてしまう前に、早めにプロの点検を受けることが、結果的にダウンタイムを最小限に抑える賢い選択です」
【修理判断】プロに任せるべきボーダーラインと依頼時のコツ
再起動も試した、電源環境も見直した、それでもfct0139が消えない。あるいは、頻繁に再発する。こうなった場合、残念ながらユーザー側でできる対処は限界です。これ以上の深追いは時間の無駄になるだけでなく、状況を悪化させるリスクがあります。
ここでは、自力解決を諦めて修理を依頼すべき明確なボーダーラインと、スムーズに修理手配を進めるためのコツを解説します。
この症状なら即連絡!自力復旧が不可能なケース
以下のいずれかの症状に当てはまる場合は、内部のハードウェア故障が確定的なため、迷わず保守会社やメーカーの修理窓口へ連絡してください。
- 再起動を3回試してもエラーが消えない:
手順通りに放電時間を設けた再起動を3回繰り返しても状況が変わらない場合、一時的な誤検知ではなく、部品が物理的に壊れています。 - 異音や異臭がする:
「ガリガリ」「バキッ」という音や、焦げ臭いにおいがする場合、モーターの破損や基板のショートが発生しています。直ちに通電をやめてください。 - 特定の機能を使うと必ず落ちる:
「コピーボタンを押した瞬間」「両面印刷をした時だけ」など、再現性が100%ある場合、その機能に関連する特定の基板やセンサーが故障しています。
修理依頼時に伝えるべき3つの情報
修理を依頼する際、電話口のオペレーターやサービスマンに的確な情報を伝えることで、部品の手配がスムーズになり、復旧までの時間を短縮できます。単に「壊れました」と伝えるだけでなく、以下の3点を必ず伝えてください。
- 正確なエラーコード:
「fct0139」という英数字を正確に伝えます。似たようなコード(fct0138など)でも原因部品が全く異なるため、メモを取っておきましょう。 - 発生したタイミングと頻度:
「朝一番の起動時」「大量印刷の途中」「スキャン中」など、いつ起きたか。また、「初めて出た」のか「最近よく出る」のかも重要です。 - 試した対処法:
「主電源を切ってコンセントを抜き、5分待ってから再起動したが直らなかった」と伝えてください。これにより、サービスマンは「初期対応済みだから、部品を持っていく必要があるな」と判断でき、訪問回数を減らせる可能性があります。
修理費用の目安と保守契約の確認
修理を依頼する前に、社内の契約状況を確認しましょう。多くの企業では、複合機導入時に「保守契約(カウンター保守など)」を結んでいるはずです。
保守契約がある場合、基本的に修理費(部品代・技術料・出張費)は無料です。トナー代やカウンター料金に含まれているからです。この場合、迷う理由は何もありません。すぐに連絡しましょう。
一方、保守契約を結んでいない「スポット修理」の場合は、高額な費用が発生する可能性があります。
▼修理種別ごとの概算費用・対応時間目安表
| 修理種別 | 費用目安(スポット修理) | 作業時間目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 基板交換 (メイン基板等) |
50,000円〜150,000円 | 1〜2時間 | 部品が高額。取り寄せに日数がかかる場合あり。 |
| 配線・センサー調整 | 20,000円〜40,000円 | 30分〜1時間 | 接触不良の直しや清掃のみの場合。 |
| 出張費・技術料 | 15,000円〜30,000円 | – | 修理内容に関わらず発生する基本料金。 |
※上記はあくまで一般的な目安であり、メーカーや機種、故障箇所によって大きく変動します。正確な見積もりは必ずメーカーへお問い合わせください。
絶対にやってはいけないNG対処法
エラーを何とか直そうとするあまり、良かれと思ってやった行動が、逆に複合機にとどめを刺してしまうことがあります。特にfct0139のような原因が見えにくいエラーの場合、ネット上の不確かな情報を鵜呑みにするのは危険です。以下の行為は絶対に行わないでください。
内部を「エアダスター」で掃除するのは厳禁
「センサーが汚れているかもしれない」と考え、パソコンの掃除などで使うスプレー式のエアダスターを、複合機の通気口や隙間からシューッと吹きかける方がいます。これは複合機においては自殺行為に等しいNG行動です。
業界歴15年の複合機メンテナンス専門家のアドバイス
「エアダスターの使用による故障は、修理現場で後を絶ちません。複合機の内部には、微細なトナー(粉)が溜まっている場所があります。そこに強力な風を吹き込むと、溜まっていたトナーが舞い上がり、制御基板やレーザーの読み取りレンズなど、本来トナーがあってはいけない場所に付着してしまいます。トナーは帯電しやすい性質を持つため、基板に付着するとショートを引き起こし、fct0139どころではない致命的な基板全損を招く恐れがあります。
また、可燃性ガスを含むスプレーの場合、内部の高温部分で引火するリスクすらあります。掃除はプロに任せ、絶対にエアダスターは使わないでください」
無理にカバーを開けて部品(基板など)に触れる
ドライバーを使って背面のカバーを外したり、内部の基板を触ったりする行為も厳禁です。複合機の内部には、高電圧がかかっている部分や、鋭利な金属パーツが存在し、感電や怪我の危険があります。
また、静電気にも非常に弱いため、人間の指先から飛んだわずかな静電気で、メイン基板のチップが一瞬で破壊されることもあります。「コネクタを挿し直せば直るかも」という安易な考えは捨ててください。
サービスマンモード(裏メニュー)へのアクセス
インターネット上には、特定のボタン操作で入れる「サービスマンモード(メンテナンスモード・ダイアグモード)」への入り方が書かれていることがあります。ここに入ればエラー履歴を消去したり、センサーの感度を変えたりできる場合がありますが、一般ユーザーは絶対にアクセスしてはいけません。
これはメーカーの技術者が特別な訓練を受けて操作する領域であり、一つの設定値を間違えるだけで、複合機が起動しなくなったり、電圧設定が変わって発火したりする恐れがあります。また、不正な操作による故障は、保守契約の対象外(有償修理)となる場合もあるため、リスクしかありません。
複合機エラートラブルに関するよくある質問 (FAQ)
最後に、fct0139エラーが発生した際にお客様からよくいただく質問にお答えします。修理を待つ間の不安解消にお役立てください。
Q. fct0139が出たままFAXの受信はできますか?
基本的に、システムエラー(fct0139)が表示されている状態では、FAXの受信・印刷機能も停止しています。
ただし、複合機の機種によっては、受信したデータを一度メモリ(ハードディスク)に蓄積する機能が働いている場合があります。この場合、エラーが解消して復旧した後に、溜まっていたFAXが一気に印刷されます。
もし緊急のFAX受信が予想される場合は、相手先に連絡してメールで送ってもらうか、コンビニエンスストアのFAXサービスを利用するなどの代替案を検討すべきです。「受信できているかもしれない」という期待は持たない方が安全です。
Q. コンセントを抜くと保存されているデータは消えませんか?
コンセントを抜いて放電させる際、複合機内に保存されているデータが消えないか心配される方が多いですが、基本的に重要なデータは消えません。
業界歴15年の複合機メンテナンス専門家のアドバイス
「消えるデータと消えないデータの違いを整理しましょう。消えるデータ:
・受信中でまだ印刷や保存が完了していないFAXデータの一部
・コピーやスキャンの設定途中の内容(枚数設定など)
・印刷待ちの一時的なプリントジョブ(PCから送ったデータ)消えないデータ:
・アドレス帳(宛先登録)
・親展ボックス(ハードディスク)に保存済みの文書
・ネットワーク設定やIPアドレス
・過去のジョブ履歴アドレス帳や設定情報、ボックス保存文書は『不揮発性メモリ』や『ハードディスク』に書き込まれているため、電源を抜いても保持されます。安心して完全再起動を行ってください」
Q. 叩いたり揺らしたりすると直るというのは本当ですか?
昔のテレビのように「叩けば直る」ということは、現代の精密機器である複合機においてはあり得ません。むしろ、衝撃によってハードディスクの磁気ヘッドがディスク面を傷つけたり(クラッシュ)、繊細な光学レンズの軸がずれたりして、状況を決定的に悪化させます。
イライラして扉を強く閉めたり、本体を揺すったりすることは絶対に避けてください。
まとめ:fct0139はまず「完全再起動」と「電源確認」を!直らなければ早めの修理依頼を
複合機のエラー「fct0139」は、突然発生して業務を停滞させる厄介なトラブルですが、冷静に対処すればユーザー自身で解決できる可能性も残されています。今回の記事で解説したポイントを改めて整理します。
- fct0139はシステムや通信の異常だが、一時的な誤検知の可能性もある。
- 復旧の鍵は「主電源OFF」→「コンセントを抜く」→「1分以上放置」による完全放電。
- タコ足配線や暖房器具との併用による「電圧不足」が原因の場合、壁コンセントへの変更で劇的に改善することがある。
- これらを試しても直らない、あるいは異音・異臭がする場合は、内部基板の故障が濃厚。無理せずプロへ修理を依頼する。
- エアダスターや分解は故障を悪化させるため、絶対に行わない。
エラーが出るとどうしても「早く直さなきゃ」と焦ってしまいますが、まずは深呼吸をして、電源ケーブルの抜き差しと放電時間を試してみてください。それで直れば儲けものですし、直らなければ「やるだけのことはやった」と胸を張って修理を依頼できます。
修理依頼の際は、以下のチェックリストの内容を手元に用意しておくと、手続きが非常にスムーズになります。
修理依頼前の最終チェックリスト
- [ ] 主電源を切り、コンセントを抜いて5分以上放置する「完全再起動」を試したか?
- [ ] タコ足配線をやめ、壁のコンセントに直接挿して動作確認をしたか?
- [ ] エラーコード「fct0139」を正確にメモしたか?
- [ ] 機械の「型番(Model Name)」を控えたか?(本体前面や側面のラベルに記載があります)
この記事の対処法によって、あなたのオフィスの複合機が無事に復旧し、滞っていた業務が再開できることを願っています。もし自力での復旧が難しい場合は、各メーカーの公式サイトからサポート窓口へ連絡し、専門家の手による修理を受けてください。
富士フイルムビジネスイノベーションの複合機をご利用の場合は、公式サポートページにてエラーコード検索や修理申し込みが可能です。お手元の取扱説明書や保守契約書に記載されている連絡先をご確認ください。
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