スーパーのきのこ売り場で、太くて立派なエリンギを見かけるとついついカゴに入れてしまいませんか?クセがなく使いやすい食材ですが、実は「切り方」ひとつで食感が劇的に変わる、まさにカメレオンのような万能食材なのです。
しかし、「買ってきたパックのまま冷蔵庫に入れていたら、いつの間にか傷んでしまった」「いつもバター炒めばかりでレパートリーがマンネリ化している」というお悩みもよく耳にします。特に、特売で3パックセットなどを購入した際は、使い切りに困ることもあるでしょう。
結論から申し上げますと、エリンギは基本は洗わず、余ったらすぐに冷凍するのが正解です。特に冷凍保存は、単に長持ちするだけでなく、細胞壁が壊れることで旨味成分が約3倍にアップするという嬉しいメリットがあります。
この記事では、野菜ソムリエプロとしての経験に基づき、以下の3点を中心にエリンギの魅力を余すことなく徹底解説します。
- 食感が劇的に変わる!野菜ソムリエ直伝の「4つの切り方」
- 脱マンネリ!メインおかずから常備菜まで人気レシピ12選
- 1ヶ月美味しく長持ちさせる正しい「冷蔵・冷凍保存テクニック」
今日からあなたのキッチンのエリンギ料理が、料亭やレストランのような本格的な味わいに変わります。ぜひ最後までお付き合いください。
【基礎知識】エリンギの下処理の正解|洗う?石づきはどこまで?
料理の仕上がりを左右する最初のステップは「下処理」です。多くの料理教室や店頭での実演販売において、最も頻繁に聞かれる質問が「エリンギって洗うんですか?」というものです。また、「石づき(根元)をどこまで切り落とせばいいのか分からず、なんとなく大きく切り捨てている」という方も少なくありません。
このセクションでは、エリンギの風味と食感を最大限に活かすための、正しい下処理の作法について詳しく解説します。
結論:エリンギは基本的に「洗わない」が正解
まず結論として、スーパーで売られている一般的なパック入りのエリンギは、水洗いせずに調理するのが基本です。これには明確な理由が2つあります。
一つ目の理由は「風味と栄養の流出を防ぐため」です。エリンギを含むきのこ類に含まれる旨味成分や水溶性のビタミン(ビタミンB群など)は、水に溶け出しやすい性質を持っています。水洗いすることで、せっかくの栄養素や特有の香りが水と一緒に流れ出てしまうのです。
二つ目の理由は「食感の悪化を防ぐため」です。エリンギはスポンジのような構造をしており、非常に吸水性が高い食材です。水で洗うと瞬く間に水分を吸い込んでしまい、加熱調理した際にその水分が滲み出てきます。これが原因で、炒め物がベチャッとした仕上がりになったり、味がぼやけてしまったりするのです。特に、エリンギの魅力である「コリコリとした食感」は、余分な水分によって損なわれてしまいます。
では、汚れが気になる場合はどうすればよいのでしょうか。基本的には、目に見える汚れがある場合のみ、湿らせたキッチンペーパーで優しく拭き取るだけで十分です。ヒダの間に入り込んだおがくずなどが気になる場合は、乾いた布巾やペーパーで軽くはたいて落としましょう。
ただし、例外的に洗っても良いケースもあります。それは、直売所などで購入した土付きのものや、どうしても汚れがひどい場合です。その際も、ボウルに溜めた水で手早く洗い、すぐにキッチンペーパーで水気を完全に拭き取ることが鉄則です。決して水につけ置きしてはいけません。
どこまで食べる?「石づき」の正しい処理位置
次に多い悩みが「石づきの処理」です。しめじやえのき茸には明確な石づき(菌床部分)がありますが、実はエリンギには「石づき」と呼べる部分はほとんどありません。
スーパーで販売されているエリンギは、すでに出荷時に石づき部分がカットされているものが大半です。根元の少し膨らんだ部分も、実は一番食感が良くて美味しい部分なのです。ここを大きく切り落として捨ててしまうのは、非常にもったいないことです。
正しい処理方法は、「おがくずが付いている部分や、茶色く変色して硬くなっている底面のみを薄く削ぎ落とす」ことです。包丁でスパッと横に切り落とすのではなく、鉛筆を削るように汚れている部分だけを取り除けば、可食部を最大限に残すことができます。
多くの人が、根元から1〜2センチほどバッサリと切り落としていますが、これはNG例です。エリンギの根元は、ホタテの貝柱のような弾力と甘みがあり、こここそがエリンギの醍醐味と言っても過言ではありません。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「私も料理を始めたばかりの頃は、きのこ=洗うものと思い込み、ボウルに水を張ってジャブジャブ洗っていました。ある時、野菜炒めを作ったら、エリンギから大量の水が出て全体が水っぽくなり、味も薄まってしまったのです。『きのこは水が大敵』という教訓は、この痛い失敗から学びました。今では、どんなに急いでいても洗わず、汚れはペーパーで拭うだけにしています。これだけで香りと食感が格段に違いますよ」
根元の硬い部分は捨てずに活用できる
先ほど触れた通り、エリンギの根元部分は繊維が密で、非常に良い食感を持っています。この部分は捨てずに、むしろ積極的に料理の主役として活用しましょう。
おすすめの活用法は、根元部分を厚さ1.5cm〜2cm程度の輪切りにすることです。こうすることで、まるで「ホタテの貝柱」のような見た目と食感になります。バター醤油でソテーして、隠し包丁を格子状に入れれば、見た目も味も高級食材のアワビやホタテに匹敵する一品になります。
また、細かく刻んでハンバーグのタネに混ぜ込んだり、キーマカレーの具材にしたりするのもおすすめです。お肉のような弾力が出るため、カサ増し効果とともに満足感を高めてくれます。
食感の魔術師!料理が10倍美味しくなる「エリンギの切り方」4選
エリンギの最大の魅力は、なんといってもその独特の食感にあります。しかし、いつも同じ切り方をしていては、そのポテンシャルを半分も引き出せていないかもしれません。
エリンギは繊維の方向がはっきりしているため、「繊維に沿って切るか」「繊維を断つように切るか」で、全く別の食材かと思うほど食感が変化します。ここでは、料理に合わせて使い分けたい、プロ直伝の4つの切り方をご紹介します。
【縦薄切り】炒め物や巻き料理に(メンマ風・肉巻き)
最も一般的な切り方が、繊維に沿って縦にスライスする「縦薄切り」です。繊維を残す切り方なので、加熱してもシャキシャキとした歯ごたえがしっかりと残ります。
厚さによっても印象が変わります。3mm程度の薄切りにすれば、火の通りが早く、野菜炒めやスープの具として他の食材とよく馴染みます。一方、5mm〜7mmと少し厚めに切れば、エリンギの存在感が増し、噛むほどに旨味を感じられます。
この切り方は、ごま油で炒めて中華風の味付けにする「メンマ風エリンギ」や、豚バラ肉を巻き付けて焼く「肉巻き」に最適です。繊維が縦に通っているため、加熱しても形が崩れにくく、見た目もきれいに仕上がります。
【輪切り】アワビやホタテのような弾力(ソテー・ステーキ)
エリンギのポテンシャルを最も驚きをもって体感できるのが「輪切り」です。繊維を断ち切るように横にスライスすることで、シャキシャキ感ではなく、「コリコリ」「プリプリ」とした強い弾力が生まれます。
特に、軸が太い立派なエリンギが手に入った時は、ぜひこの切り方を試してください。厚さは1cm〜2cmと厚めに切るのがポイントです。フライパンでじっくり焼くと、アワビやホタテの貝柱のようなジューシーで贅沢な食感になります。
オリーブオイルと塩だけで焼く「エリンギステーキ」や、バター醤油ソテーなど、エリンギそのものを味わうシンプルな料理に最適です。噛んだ瞬間にジュワッと溢れるエリンギのジュースを楽しめます。
【手で裂く】味染み抜群!煮込みや和え物に(無限エリンギ)
包丁を使わず、指で裂く「手裂き」は、味をしっかりと染み込ませたい料理にうってつけの方法です。
包丁で切った断面は平滑でツルツルしていますが、手で裂いた断面は繊維が毛羽立ち、凹凸ができます。この表面積の増加と凹凸が、調味料や煮汁をしっかりとキャッチしてくれるのです。
手順は簡単です。まずカサの部分に少し切り込みを入れるか、親指をグッと差し込み、そこから軸に向かって縦に裂いていきます。太さは料理に合わせて調整できますが、あまり細くしすぎると食感が弱くなるので、ある程度の太さを残すのがコツです。
この切り方は、レンジで加熱して調味料と和える「無限エリンギ」や、鍋物、煮込み料理に最適です。短時間でも味が中心まで染み込みやすく、口当たりも優しくなります。
【乱切り】存在感を出したい煮物やスープに
エリンギを回しながら斜めに切っていく「乱切り」は、立体的な形になるため、加熱しても縮みにくくボリューム感を維持できます。
カレーやシチュー、筑前煮などの煮込み料理に入れる際、薄切りだと溶けてしまったり存在感がなくなったりしがちですが、乱切りにすればゴロッとした具材感を最後まで楽しめます。また、噛む方向によって繊維の当たり方が変わるため、複雑で飽きのこない食感になります。
一口サイズより少し大きめにカットするのがポイントです。煮込んでも煮崩れせず、噛んだ時に中から熱々のスープが溢れ出すようなジューシーさを味わえます。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「料理に合わせて切り方を選ぶ基準として、私は『食感を楽しみたいか』『味を染み込ませたいか』で判断しています。例えば、お酒のおつまみとして歯ごたえを楽しみたいなら迷わず『輪切り』にします。逆にお弁当のおかずなど、冷めてもしっかり味を感じさせたい場合は『手裂き』を選びます。同じエリンギでも切り方を変えるだけで、『これ本当に同じきのこ?』と家族に驚かれることもありますよ」
脱マンネリ!エリンギの人気レシピ&活用アイデア12選
エリンギの使い方が「バター炒め」一辺倒になっていませんか?クセのない味わいは、和洋中どんな味付けにも馴染みます。ここでは、忙しい日のあと一品から、メインのおかず、作り置きまで、エリンギを使い倒すための厳選レシピアイデアをご紹介します。
【5分で完成】あと一品に!スピード副菜・おつまみ
忙しい夕食作りや、急な来客時のおつまみに最適な、パパッと作れるレシピです。
1. やみつき!無限エリンギ(レンジ活用)
手で裂いたエリンギを耐熱容器に入れ、ごま油、鶏ガラスープの素を加えてレンジで2〜3分加熱するだけ。仕上げに黒胡椒とネギを散らせば、箸が止まらない一品の完成です。火を使わないので、夏場や忙しい朝にも重宝します。
2. エリンギのバター醤油ソテー
定番ですが、失敗しないコツがあります。それは「強火で焼き色がつくまでいじらない」こと。輪切りにしたエリンギをフライパンに並べ、こんがり焼き目がついてから裏返し、最後にバターと醤油を回し入れます。香ばしさが段違いです。
3. エリンギとベーコンのガーリック炒め
縦薄切りにしたエリンギとベーコンを、オリーブオイルと刻みニンニクで炒めます。ベーコンの脂と塩気がエリンギに染み込み、ビールやワインが進む最高のおつまみになります。
【メインおかず】ボリューム満点!肉代わり&カサ増し術
エリンギのしっかりとした食感を活かせば、お肉の使用量を減らしても満足度の高いメイン料理が作れます。節約やダイエットにも効果的です。
1. 食感が肉そっくり?エリンギの豚肉巻き
縦に4〜6等分に切ったエリンギに、豚バラ薄切り肉を巻き付けて焼きます。甘辛い照り焼きダレで絡めれば、エリンギの弾力がまるで塊肉のような食べ応えを演出します。お弁当のメインにも最適です。
2. エリンギと鶏肉のオイスターソース炒め
乱切りにしたエリンギと鶏もも肉を炒め合わせ、オイスターソースとマヨネーズでコク旨に仕上げます。エリンギが鶏肉の旨味を吸い、ご飯が何杯でもいける味になります。
3. アワビの食感を再現!エリンギのオリーブオイルステーキ
極太のエリンギを厚さ2cmの輪切りにし、両面に格子状の切り込みを入れます。多めのオリーブオイルで揚げ焼きのようにじっくり火を通し、岩塩とレモンでいただきます。シンプルながら、素材の味を極限まで引き出す贅沢な一皿です。
【作り置き】お弁当にも便利!日持ちする常備菜
週末にまとめて作っておけば、平日のお弁当作りや朝食が楽になります。
1. 自家製なめたけ風エリンギの佃煮
細かく刻んだエリンギを、醤油、みりん、砂糖、酢で煮詰めます。えのき茸で作るのが一般的ですが、エリンギで作るとコリコリ感が残り、よりリッチな味わいになります。ご飯のお供はもちろん、冷奴に乗せても絶品です。
2. エリンギのマリネ
薄切りにして茹でた(またはレンジ加熱した)エリンギを、熱いうちに酢、砂糖、オリーブオイル、塩胡椒のマリネ液に漬け込みます。酸味が効いてさっぱりしており、冷蔵庫で冷やすとより味が馴染みます。日持ちも良く、彩り野菜と一緒に漬ければ見た目も華やかです。
3. 冷凍保存もできる「きのこミックス」の素
エリンギだけでなく、しめじ、舞茸などをほぐしてミックスし、酒と塩少々で蒸し煮にしておきます。これを冷蔵・冷凍しておけば、味噌汁の具やパスタの具としてすぐに使えて便利です。
人気レシピの調理時間とカロリー目安表
| レシピ名 | 調理時間 | カロリー(1人前) | 主な材料 |
|---|---|---|---|
| 無限エリンギ | 5分 | 約60kcal | エリンギ、ごま油、鶏ガラ素 |
| バター醤油ソテー | 7分 | 約85kcal | エリンギ、バター、醤油 |
| 豚肉巻き | 15分 | 約250kcal | エリンギ、豚バラ肉、タレ |
| エリンギのマリネ | 10分(漬け時間除く) | 約70kcal | エリンギ、酢、オリーブ油 |
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「お子様がきのこ独特の香りを嫌がる場合は、カレー粉やマヨネーズを使った味付けがおすすめです。例えば、手で裂いたエリンギに片栗粉をまぶして唐揚げにし、カレー塩を振ると、スナック感覚で喜んで食べてくれますよ。『これポテト?』と勘違いして完食してくれたという嬉しい報告もよくいただきます」
【保存方法】旨味3倍!?冷凍保存と冷蔵のコツ
エリンギを買ってきても一度に使いきれないことはよくあります。そんな時、冷蔵庫に入れっぱなしにして傷ませてしまった経験はありませんか?
実は、エリンギは「冷凍保存」することで真価を発揮する食材です。保存期間が延びるだけでなく、なんと旨味が増すという魔法のような効果があるのです。
エリンギは「冷凍」が最強!旨味が増すメカニズム
なぜ冷凍すると美味しくなるのでしょうか。その秘密は「細胞壁」にあります。
きのこ類の旨味成分(グアニル酸やグルタミン酸など)は、硬い細胞壁の中に閉じ込められています。生の状態では、調理してもこの細胞壁が邪魔をして旨味が完全には出てきません。しかし、冷凍することで細胞内の水分が膨張し、細胞壁を破壊してくれます。
これにより、解凍・加熱した際に細胞の中から旨味成分や酵素が一気に溶け出し、生のエリンギよりも約3倍もの旨味を感じられるようになるのです。ただし、食感は少し柔らかくなるため、炒め物よりもスープや炊き込みご飯、煮込み料理などに向いています。
【冷凍保存】使いやすく長持ちさせる3ステップ
エリンギを美味しく冷凍するための手順は非常にシンプルです。買ってきたらすぐに処理を行うのが、鮮度を保つポイントです。
- 用途に合わせてカットする(丸ごとはNG)
冷凍すると包丁が入りにくくなるため、あらかじめ使いやすい大きさにカットします。薄切り、乱切り、手裂きなど、いくつかの種類を用意しておくと便利です。石づき部分の汚れは事前に取り除いておきましょう。 - 保存袋に入れて空気をしっかり抜く
カットしたエリンギを冷凍用保存袋に入れ、できるだけ平らにならします。空気に触れると酸化や冷凍焼けの原因になるため、ストローを使うなどしてしっかりと空気を抜いて密閉します。 - 金属トレイに乗せて急速冷凍する
旨味を逃さないためには、できるだけ短時間で凍らせることが重要です。熱伝導率の良い金属製のトレイに乗せて冷凍庫へ入れましょう。
この方法で保存すれば、約1ヶ月は美味しく食べられます。
【冷蔵保存】鮮度を保つためのひと手間
すぐに使い切る予定がある場合は冷蔵保存で構いませんが、買ってきたパックのまま保存するのはおすすめできません。パックの中は湿気がこもりやすく、エリンギ自身の水分で蒸れて傷みが早まるからです。
冷蔵保存の正解は、「キッチンペーパーで包んで湿気対策をする」ことです。パックから取り出し、キッチンペーパーで1本ずつ、あるいは数本まとめて包み、ポリ袋に入れて口を軽く縛ります。これを冷蔵庫の野菜室で保存すれば、余分な水分をペーパーが吸い取ってくれるため、約1週間は鮮度を保てます。
干しエリンギ(ドライエリンギ)で保存食にする方法
冷凍以外に、「干す」という選択肢もあります。水分を抜くことで旨味が凝縮され、独特の歯ごたえが生まれます。
縦に薄くスライスしたエリンギを、ザルに並べて天日で1〜2日干すだけで完成です。時間がない場合は、耐熱皿に並べてラップをせずに電子レンジで加熱し、水分を飛ばす簡易的な方法もあります。
干しエリンギは、水で戻して出汁ごとスープに使ったり、そのまま炒め物に加えたりと、保存食として非常に優秀です。
現役食生活アドバイザーのアドバイス
「冷凍したエリンギを調理する際の絶対ルール、それは『解凍せずに凍ったまま加熱する』ことです。自然解凍やレンジ解凍をしてしまうと、壊れた細胞から旨味を含んだ水分(ドリップ)が流れ出てしまい、ベチャベチャで味のない仕上がりになってしまいます。凍ったままフライパンや鍋に投入し、強火で一気に加熱することで、旨味を閉じ込めたまま美味しく調理できますよ」
意外と知らない?エリンギの栄養効能とダイエット効果
「きのこはカロリーが低いだけ」と思っていませんか?確かに低カロリーですが、エリンギには現代人に不足しがちな栄養素が豊富に含まれており、美容や健康を気遣う方にとって最強の味方となります。
便秘解消と美肌に!豊富な「食物繊維」
エリンギは、きのこ類の中でもトップクラスの食物繊維含有量を誇ります。特に「不溶性食物繊維」が多く含まれており、胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸のぜん動運動を活発にする働きがあります。
これにより、便秘の解消が期待できるだけでなく、体内の有害物質を吸着して排出するデトックス効果も見込めます。腸内環境が整うことは、肌荒れの改善など美肌効果にも直結します。
むくみ予防に役立つ「カリウム」
エリンギにはミネラルの一種であるカリウムも豊富です。カリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を水分とともに排出する作用があります。
塩分の摂りすぎによる「むくみ」が気になる方や、高血圧の予防を意識している方には積極的に摂っていただきたい栄養素です。
ダイエットの味方!低カロリー&噛み応え
エリンギのカロリーは、100gあたり約24kcalと非常に低カロリーです。茶碗一杯のご飯(約150g・約234kcal)と比較すると、その低さは圧倒的です。
さらにエリンギ特有の弾力ある食感は、自然と咀嚼回数を増やします。よく噛むことで満腹中枢が刺激され、少量でも満足感が得られやすいため、食べ過ぎ防止にも繋がります。カサ増し食材として優秀なだけでなく、食べる行為そのものがダイエットをサポートしてくれるのです。
エリンギと他のきのこの栄養比較表
| 食材(100gあたり) | カロリー | 食物繊維総量 | カリウム |
|---|---|---|---|
| エリンギ | 24kcal | 3.4g | 340mg |
| ぶなしめじ | 22kcal | 3.0g | 370mg |
| まいたけ | 22kcal | 3.5g | 230mg |
| 生しいたけ | 25kcal | 4.2g | 270mg |
※日本食品標準成分表2020年版(八訂)参照
現役食生活アドバイザーのアドバイス
「食物繊維の効果をさらに高めるなら、味噌やキムチ、ヨーグルトなどの発酵食品と組み合わせるのがおすすめです。善玉菌のエサとなる食物繊維と、善玉菌そのものを一緒に摂る『シンバイオティクス』の効果で、腸活パワーが倍増します。また、エリンギに含まれるビタミンDは脂溶性なので、油を使って調理すると吸収率がアップしますよ」
失敗しないエリンギの選び方と見分け方
美味しいエリンギ料理を作るためには、新鮮なものを選ぶ目利きも重要です。スーパーでどれを手に取るべきか、スマホでさっと確認できるようにポイントをまとめました。
新鮮なエリンギの3つの特徴
以下の3点をチェックして、最も状態の良いものを選びましょう。
- カサの裏が白く、開きすぎていない
カサの裏側のヒダが白くきれいで、ピンと張っているものが新鮮です。カサが開ききって平らになっているものは、収穫から時間が経っているか、育ちすぎている可能性があります。 - 軸が太く、白くて弾力がある
軸が太くて硬く、しっかりとした弾力があるものは、水分を保っており食感が良い証拠です。白さが際立っているものを選びましょう。 - パックの内側に水滴がついていない
パックの中に水滴がついている場合、温度変化によって結露し、傷み始めている可能性があります。中がサラッとしているものを選んでください。
避けるべき劣化サイン
逆に、以下のような特徴があるものは鮮度が落ちているため、購入を避けるか、冷蔵庫にある場合は早急に使い切る(または廃棄を検討する)必要があります。
- 酸っぱい匂いがする:腐敗が進んでいます。
- カサの裏が茶色く変色している:鮮度が落ちています。
- 全体的にぬめりがある:きのこ自身の水分が出て傷んでいます。
こんな時どうする?エリンギに関するよくある質問 (FAQ)
最後に、エリンギを扱う上でよくある疑問や不安について、Q&A形式でお答えします。
Q. 生で食べても大丈夫ですか?
A. 絶対に加熱してください。
エリンギを含む多くのきのこ類は、生で食べると消化不良を起こしたり、微量の有害成分(シアン化合物など)による食中毒のような症状を引き起こしたりするリスクがあります。サラダなどに使う場合でも、必ず茹でるか炒めるなどして、中心までしっかり火を通してから食べてください。
Q. エリンギが少しぬるぬるしていますが食べられますか?
A. 腐敗の可能性が高いので廃棄を推奨します。
なめこのように元々ぬめりがあるきのことは異なり、エリンギは新鮮な状態では乾いています。表面にぬめりが出ていたり、糸を引いていたりする場合は雑菌が繁殖しているサインです。酸っぱい臭いが併発していることも多いため、無理して食べずに廃棄しましょう。
Q. 妊娠中や子供でも食べて大丈夫?
A. 問題ありませんが、消化のためにしっかり加熱し、細かく切ることを推奨します。
エリンギは食物繊維が多く消化に時間がかかるため、胃腸がデリケートな時期や小さなお子様には、細かく刻んでよく加熱してから与えると安心です。妊婦さんに必要な葉酸なども含まれているため、適量を守れば健康的な食材です。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「特売で3パックセットなどを買ってしまい、どうしても使いきれない!という時は、フードプロセッサーで細かく刻んで『きのこペースト』にしてしまうのがプロの裏技です。オリーブオイルとニンニクと一緒に炒めてペースト状にし、製氷皿などで小分け冷凍しておけば、パスタソースやスープのコク出し、ハンバーグの隠し味として驚くほど重宝しますよ」
まとめ:エリンギは切り方と保存で主役級の食材になる!
ここまで、エリンギの魅力を最大限に引き出す方法をお伝えしてきました。エリンギは単なる脇役やカサ増し食材ではなく、扱い方ひとつで食卓の主役になれるポテンシャルを秘めています。
記事のポイントを改めて振り返ります。
- 下処理は「洗わない」が基本:風味と食感を守るため、汚れは拭き取るだけにしましょう。
- 「切り方」を変えて食感を楽しむ:縦切り、輪切り、手裂きを使い分ければ、料理の幅が広がります。
- 余ったら迷わず「冷凍」して旨味アップ:使いやすいサイズに切って冷凍すれば、1ヶ月持ち、旨味も3倍になります。
今夜のおかずには、ぜひ今回ご紹介した「切り方」を意識したレシピを取り入れてみてください。「今日のエリンギ、いつもと違うね!」と家族に喜ばれること間違いありません。
エリンギ活用・最終チェックリスト
- [ ] 使う直前まで洗わない(汚れは拭く)
- [ ] 料理に合わせて切り方を変えたか?(輪切り・縦切り・手裂き)
- [ ] 使いきれない分はすぐにカットして冷凍したか?
- [ ] 食べる際は中心までしっかり加熱したか?
さあ、冷蔵庫のエリンギを取り出して、食感の魔法を体験してみましょう。
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