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【プロ監修】横顔イラストの描き方決定版!バランスが崩れる原因とEラインのコツ

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魅力的なキャラクターを描きたいと思ったとき、多くの人がぶつかる壁が「横顔」です。正面顔は可愛く描けるのに、横を向いた途端に「誰これ?」「顔が平たい」「バランスが崩壊する」といった悩みを抱えていませんか?

結論から申し上げますと、魅力的な横顔を描く鍵は、感覚頼りの手癖をきっぱりと捨て、「頭蓋骨の構造」と「黄金比率(Eライン)」を正しく理解することにあります。プロのイラストレーターも、最初から感覚だけで描いているわけではありません。確固たるロジックと骨格の知識に基づき、その上でデフォルメを行っているのです。

この記事では、現役のキャラクターデザイナーであり、専門学校で多くの生徒を指導してきた筆者が、「絶対に失敗しないアタリの取り方」から、パーツごとの詳細な配置ルール、そしてよくあるNG例の修正法までを徹底的に解説します。これを読み終える頃には、あなたの描く横顔は劇的に立体的で、説得力のあるものに変わっているはずです。

この記事でわかること

  • 初心者でも驚くほどバランスが整う「横顔の黄金比率」とアタリの正しい描き方
  • 「目が正面を向いてしまう(ヒラメ顔)」「後頭部が絶壁になる」などの違和感を解消する具体的修正テクニック
  • 男女・年齢・デフォルメ度合い(リアル寄り・アニメ寄り)による横顔の描き分けポイント

 

  1. なぜ「横顔」を描くとバランスが崩壊するのか?
    1. 正面顔と同じ感覚で描いてしまう「平面認識」の罠
    2. 多くの人が躓く3大要素(奥行き・首の位置・あごのライン)
    3. プロと初心者の決定的な違いは「見えない骨格」の意識
  2. 【基礎編】絶対に失敗しない「横顔のアタリ」と比率のルール
    1. ステップ1:頭蓋骨となる「円」を描く
    2. ステップ2:十字線と「耳の位置」を確定させる
    3. ステップ3:美しさの基準「Eライン(エステティックライン)」を結ぶ
    4. ステップ4:あご先と首の付け根をつなぐ補助線の引き方
  3. 【パーツ別】立体感を演出する横顔の描き込みテクニック
    1. 目・眉:奥の目をどう描く?「断面」を意識した三角形の捉え方
    2. 鼻・口:鼻の穴の見え方と、口元の「M字」シルエット
    3. あご・首:あご下のたるみ(オトガイ)と胸鎖乳突筋の流れ
    4. 耳:ただの記号にしない、傾きと厚みの表現
  4. 髪の毛を描くコツ:後頭部の「絶壁」を回避する方法
    1. 生え際とつむじの位置を特定する
    2. 「カツラ」を被せる感覚で頭蓋骨にボリュームを足す
    3. 髪の束感と流れ:重力と奥行きを意識する
  5. 【修正実践】よくある失敗パターン(NG例)と劇的改善策
    1. ケース1:目が正面を向いている「ヒラメ顔」の修正
    2. ケース2:あごが長すぎて「しゃくれ」て見える現象
    3. ケース3:首が細すぎて頭が落ちそうに見えるバランス
    4. ケース4:後頭部が足りない「絶壁頭」の直し方
  6. キャラクター属性別:描き分けのポイントとデフォルメ
    1. 男女の違い:男性の直線的なライン vs 女性の曲線的なライン
    2. 年齢の違い:子供から老人まで
    3. デフォルメの違い:リアル寄り(劇画)とアニメ寄り(萌え絵)
  7. 効率的に上達する!おすすめの練習方法とツール
    1. 写真模写とクロッキー:実写から「嘘のないライン」を学ぶ
    2. 3Dデッサン人形アプリの活用
    3. 好きなイラストレーターの横顔を「トレース」して構造を分析する
  8. 横顔イラストに関するよくある質問(FAQ)
  9. まとめ:横顔をマスターしてキャラクターの表現力を広げよう

なぜ「横顔」を描くとバランスが崩壊するのか?

このセクションでは、具体的な描き方に入る前に、まず「なぜ私たちは横顔を描くのが苦手なのか」という根本的な原因を解明します。原因を知ることは、修正への最短ルートです。多くの初心者が陥っているのは、画力不足ではなく「認識のズレ」なのです。

正面顔と同じ感覚で描いてしまう「平面認識」の罠

私たちが普段、人の顔を見るとき、無意識に「目」「鼻」「口」といったパーツを個別に認識しています。特に正面顔を描くときは、キャンバスという平面に対して、パーツを並べていく感覚で描いても、ある程度それらしくはなります。しかし、横顔は違います。

横顔は、「立体の側面図」です。球体である頭部を横から見た状態であり、そこには必ず「奥行き」が存在します。しかし、多くの人は正面顔を描くときと同じ「平面的な感覚」のまま、輪郭線の内側に目や口を配置しようとします。これがバランス崩壊の最大の原因です。

例えば、紙に描かれた円を想像してください。正面から見れば円ですが、横から見れば線に見えるはずです。顔のパーツも同様で、正面から見た形と横から見た形は全く異なります。この「立体の断面を見る意識」への切り替えができていないと、どんなに綺麗な線を引いても、違和感のある絵にしかならないのです。

多くの人が躓く3大要素(奥行き・首の位置・あごのライン)

指導現場で生徒さんの作品を見ていると、横顔の失敗には明確な共通点があります。それが以下の3大要素です。

  • 奥行きの欠如:顔の前面(目や鼻がある面)から耳までの距離が短すぎる。これにより、顔がペラペラに見えたり、頭脳が入っていないような薄い頭部になってしまいます。
  • 首の位置の誤り:首をあごの真下から生やしてしまうミスです。実際の人体では、首は頭蓋骨の後方、耳の後ろあたりから背骨に向かって伸びています。ここを間違えると、頭が今にも落ちそうな不安定な絵になります。
  • あごのラインの曖昧さ:耳の下からあご先にかけてのフェイスライン(下顎骨)の形を理解していないため、どこで線を止めていいかわからず、結果としてあごが長すぎたり(しゃくれ)、短すぎたりします。

これらはすべて、目に見えている表面的なパーツだけでなく、その下にある構造を把握していないことから起こります。

プロと初心者の決定的な違いは「見えない骨格」の意識

プロのイラストレーターがさらさらと魅力的な横顔を描けるのは、キャンバスの白紙の上に「見えない頭蓋骨」が見えているからです。彼らは輪郭線を描く前に、脳内で立体的な頭部モデルを回転させ、そのシルエットをなぞるように描画しています。

一方、初心者は「目」や「鼻」という記号を配置することに必死になりがちです。プロは「骨格の上に皮膚を被せる」感覚で描きますが、初心者は「福笑い」のようにパーツを置いてしまいます。この意識の差を埋めるのが、次章で解説する「アタリ」の技術です。アタリとは単なる下書きではなく、見えない骨格を可視化するための設計図なのです。

現役キャラクターデザイナーのアドバイス
「自分の描いた横顔に違和感があるときは、キャンバスを左右反転させてみてください。長時間同じ絵を見ていると脳が勝手に『正しい』と思い込む補正をかけてしまいますが、反転させることで新鮮な目で見ることができ、デッサンの狂いが客観的に見えてきます。私が現場でリテイクを出す際も、まずは反転チェックから行います。アナログで描いている場合は、紙を裏返して光に透かして見るのが効果的です。」

 

【基礎編】絶対に失敗しない「横顔のアタリ」と比率のルール

ここからは、実際に手を動かして横顔を描いていくための具体的な手順を解説します。このセクションの内容は、今後のイラスト人生における「横顔の土台」となる重要な部分です。感覚ではなく、論理的な手順として覚えてしまいましょう。

ステップ1:頭蓋骨となる「円」を描く

まずは、すべての基本となる「円」を描きます。これは顔の輪郭ではなく、「脳が入っている頭蓋骨(頭蓋腔)」を表す円です。

初心者の多くは、この円を小さく描きすぎる傾向があります。人間の頭部は想像以上に後ろに長いため、少し大きめの円を描く意識を持ってください。綺麗な正円でなくても構いませんが、歪みすぎていると後のバランスに響くため、何度か線を重ねて丸い形をとらえましょう。この円が、キャラクターの「頭の良さ」や「頭身バランス」を決定づける土台となります。

ステップ2:十字線と「耳の位置」を確定させる

描いた円に、中心を通る十字線(縦線と横線)を薄く引きます。この十字線は、顔の向きと各パーツの配置を決めるガイドラインです。

次に、最も重要な「耳の位置」を決めます。ここが最大のポイントです。耳は、円の中心(十字の交点)よりも「後ろ」かつ「下」のエリアに配置します。具体的には、円を縦に4等分したとき、後ろから2番目のエリアの下半分あたりが目安です。

多くの人は耳を顔の前面(目や鼻)に近づけすぎてしまいますが、鏡で自分の横顔を見てみてください。目尻から耳の穴までは、意外なほど距離があることに気づくはずです。この「目と耳の距離」こそが、顔の側面(奥行き)を表現するために不可欠なスペースなのです。

ステップ3:美しさの基準「Eライン(エステティックライン)」を結ぶ

顔の前面の輪郭を描く際、指標となるのが「Eライン(エステティックライン)」です。これは、鼻先とあご先を結んだ直線のことを指します。

一般的に美しいとされる横顔(特にリアル寄りや美少女・美男子イラスト)では、このEライン上に唇が収まる、あるいは唇がラインに軽く触れる程度が良いバランスとされています。アタリを描く段階で、円の前面に「鼻の高さ」と「あごの先端」を決める点を打ち、それを結んでEラインを引いてみましょう。

このラインを基準にすることで、「口が飛び出しすぎている(口ゴボ)」や「あごが引っ込みすぎている」といったバランス崩壊を防ぐことができます。ただし、幼いキャラクターやデフォルメの強い絵柄の場合は、鼻を低くするためにEラインを無視するケースもありますが、基本を知った上で崩すことが大切です。

ステップ4:あご先と首の付け根をつなぐ補助線の引き方

最後に、輪郭を完成させます。円の側面(こめかみ付近)から垂直に線を下ろし、あご先に向かってなだらかにカーブさせます。このとき、あごの角(エラ)の位置を意識しましょう。エラは耳のすぐ下にあります。

そして首を描きます。首のスタート地点は2箇所あります。

  • 首の前側:あごの下(喉仏のあたり)から、やや斜め後ろに向かって下ろします。
  • 首の後ろ側:これが重要です。後頭部の円のラインに沿って下ろし、耳の後ろあたりから自然に背中へつながるように描きます。

首を垂直な円柱として描くのではなく、背骨のS字カーブを意識して、やや斜めに生えているイメージを持つと、自然な立ち姿になります。

現役イラスト講師のアドバイス
「授業で生徒さんの絵を添削するとき、最も修正が多いのが『耳の位置』です。多くの人は耳を顔のパーツに近づけすぎてしまいますが、実際は『頭の中心(円の中心)』よりも少し後ろにあります。耳の位置が正しいと、自然と後頭部のボリュームが確保でき、立体的な横顔になります。迷ったら『自分が思うよりも少し後ろ』に描いてみてください。それだけで絵の説得力が変わります。」

 

【パーツ別】立体感を演出する横顔の描き込みテクニック

アタリで全体のバランスが取れたら、次は細部のパーツを描き込んでいきます。ここでは、正面顔とは全く異なる「横顔特有のパーツ形状」について、解剖学的な視点を取り入れながら解説します。

目・眉:奥の目をどう描く?「断面」を意識した三角形の捉え方

横顔における目は、正面の目をそのまま横に圧縮したものではありません。眼球は球体であり、横から見るとレンズのような厚みが見えます。

  • 形状の変化:横顔の目は、基本的に「三角形」に近い形になります。上下のまぶたが眼球のカーブに沿って前方に伸び、頂点で交わるイメージです。
  • 瞳(黒目):正円ではなく、細長い楕円形になります。視線が正面を向いている場合、瞳はまぶたの三角形の先端部分に位置します。
  • 奥の目:完全に真横を向いている場合、奥側の目は鼻に隠れて見えません。しかし、少し斜めのアングルやデフォルメされたイラストでは、奥のまつ毛や目の一部が見えることがあります。この場合、奥の目は手前の目よりも幅を狭く描き、パース(遠近感)を表現します。

眉毛も同様に、眉骨のカーブに沿って描きます。眉尻が耳の上に向かって流れるラインを意識すると、骨格を感じさせる表現になります。

鼻・口:鼻の穴の見え方と、口元の「M字」シルエット

鼻と口は、キャラクターの美醜を左右する重要なパーツです。

  • 鼻:鼻筋だけでなく、鼻先から鼻翼(小鼻)にかけての立体感を意識します。真横から見た場合、鼻の穴は見えにくいですが、少し下からのアングル(アオリ)ではしずく型に見えます。デフォルメイラストでは「く」の字で表現されることが多いですが、鼻の付け根(眉間)の窪みをしっかり描くことで、彫りの深さを表現できます。
  • 口:横顔の口は、単純な線ではなく「M字」のシルエットを意識しましょう。上唇は少し前方に突き出し、下唇は少し控えめに、そして唇の下(オトガイ唇溝)で一度窪んでからあご先に向かいます。この「出る・引く・出る」のリズムが、横顔の美しさを作ります。

あご・首:あご下のたるみ(オトガイ)と胸鎖乳突筋の流れ

あごの下には、舌を収納するための筋肉や皮膚があり、完全な直線ではありません。特にリアルな絵柄では、あご先から喉仏にかけて少しだけたるみを持たせると自然です。これを「二重あご」と恐れずに、柔らかいカーブとして描くことで人間らしが出ます。

首を描く際に欠かせないのが「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」です。これは耳の後ろから鎖骨の中心に向かって斜めに伸びる太い筋肉です。横顔を描くとき、この筋肉のラインを一本うっすらと入れるだけで、首の立体感と「頭を支えている感じ」が劇的に向上します。

耳:ただの記号にしない、傾きと厚みの表現

耳は垂直についているわけではなく、顔の傾きに合わせて少し斜め後ろに倒れています。また、耳自体にも厚みがあります。

  • 位置:目尻と鼻の下のラインの間に収まるのが一般的です。
  • 構造:耳の穴(外耳道)の手前にある小さな突起(耳珠)を描くと、一気にリアルになります。耳の輪郭だけでなく、内側の軟骨の凹凸も「y」や「?」のような形状をイメージして描き込みましょう。

現役キャラクターデザイナーのアドバイス
「横顔でキャラクターの感情を表現するとき、口の開閉によるあごの骨の動きを意識しましょう。口を開けるときは、下あごの関節(耳の下あたり)を支点に回転して開きます。単に口の線を開くだけでなく、あごの位置を少し下げるだけで、リアリティのある叫び顔や笑顔が描けるようになります。鏡の前で自分で口を開け閉めして、あごの骨がどう動くか触ってみると理解が深まりますよ。」

 

髪の毛を描くコツ:後頭部の「絶壁」を回避する方法

顔のパーツが描けた後に待ち受けているのが「髪の毛」の難関です。特に横顔では、後頭部の形がそのまま髪のシルエットに影響するため、「絶壁」に見えてしまう悩みが尽きません。

生え際とつむじの位置を特定する

髪を描く前に、必ず「生え際」のラインを薄く描いておきましょう。おでこからこめかみ、もみあげ、耳の後ろ、そして襟足へと続くラインです。これガイドラインがあることで、髪がどこから生えているかが明確になります。

また、「つむじ」の位置を決めることも重要です。横顔の場合、つむじは頭頂部よりも少し後ろ側に見えることが多いです。すべての髪の毛は、このつむじを中心にして放射状に流れていきます。

「カツラ」を被せる感覚で頭蓋骨にボリュームを足す

初心者がやりがちなミスは、頭蓋骨のアタリ線(円のライン)をそのまま髪の輪郭にしてしまうことです。これでは髪の毛の厚みがゼロになってしまい、ペタンコの頭に見えてしまいます。

髪にはボリュームがあります。頭蓋骨のラインから、指1〜2本分(キャラクターの髪質によってはもっと多く)浮かせた位置に髪の輪郭を描いてください。イメージとしては、頭蓋骨というマネキンに「厚手のカツラ」や「ヘルメット」をスポッと被せる感覚です。特に後頭部は、自分が思っているよりも大きく膨らませることで、頭の形が綺麗に見えます。

髪の束感と流れ:重力と奥行きを意識する

横顔の髪を描くときは、以下の3つのブロックに分けて考えると整理しやすくなります。

  1. 前髪:おでこの前にふんわりと乗る部分。重力に従って下に落ちつつ、毛先は少し前にカーブさせると可愛らしくなります。
  2. サイドの髪(横髪):もみあげ周辺の髪。耳にかけるのか、耳を隠すのかで印象が変わります。
  3. 後ろ髪:後頭部から背中にかけて流れる髪。首のラインに沿いすぎず、空間を含ませて描きます。

特にロングヘアの場合、背中側にある髪と、肩の手前にある髪を描き分けることで、絵に奥行きが生まれます。

 

【修正実践】よくある失敗パターン(NG例)と劇的改善策

ここでは、実際に多くの人が描いてしまいがちな「NG横顔」のパターンを挙げ、それをどう修正すればプロのようなバランスになるのか、具体的な処方箋を提示します。

ケース1:目が正面を向いている「ヒラメ顔」の修正

症状:横顔なのに、目の形が正面顔のようにぱっちりと開いており、まるでヒラメのように目が顔の側面に張り付いて見える現象。

修正策:

目の横幅を思い切って「半分」に縮めてください。そして、まぶたのラインを「<」の字(三角形)に近づけます。瞳(黒目)も正円ではなく、縦長の楕円に変形させます。これだけで、眼球が球体であり、横から見ているという説得力が生まれます。

ケース2:あごが長すぎて「しゃくれ」て見える現象

症状:Eラインを意識しすぎた結果、あご先が前方に突き出しすぎて、三日月のような顔になってしまう現象。

修正策:

下唇からあご先にかけてのラインを垂直に近づけてみましょう。あご先は、上唇よりも「後ろ」にあるのが基本です(しゃくれキャラを除く)。また、あごの先端を鋭角にしすぎず、少し丸みを持たせることで自然な骨格になります。

ケース3:首が細すぎて頭が落ちそうに見えるバランス

症状:首が極端に細く、しかもあごの真下から生えているため、頭の重さを支えきれないように見える現象。

修正策:

首の開始位置を「耳の後ろ」まで下げてください。そして、首の太さは「目の外側から目尻までの幅」を目安にするか、男性キャラならもっと太くします。首を太くし、後ろに下げるだけで、キャラクターの姿勢が良くなり、堂々とした印象に変わります。

ケース4:後頭部が足りない「絶壁頭」の直し方

症状:顔の前面は描けているが、耳から後ろの頭蓋骨が極端に短く、頭が切れているように見える現象。

修正策:

最初に描いた「円」のアタリを信じてください。そして、耳の位置を顔の中心より後ろにずらします。もし描いてしまった後なら、後頭部の髪の毛をさらに盛り上げてください。「こんなに頭が大きくていいの?」と不安になるくらいボリュームを出して、ようやく丁度よいバランスになります。

現役イラスト講師のアドバイス
「『ヒラメ顔』になってしまう原因は、目の横幅を正面と同じ長さで描いてしまうことにあります。横顔では眼球の球体を横から見るため、横幅は正面の半分〜2/3程度に短くなります。また、瞳(黒目)も楕円に細く描くことで、レンズのような眼球の厚みを表現できます。最初は違和感があるかもしれませんが、『横顔の目は三角形』と念じて描いてみてください。」

 

キャラクター属性別:描き分けのポイントとデフォルメ

基本の横顔が描けるようになったら、次はキャラクターの個性に合わせて描き分ける応用テクニックです。性別や年齢によって、骨格のラインは大きく異なります。

男女の違い:男性の直線的なライン vs 女性の曲線的なライン

パーツ 男性キャラクターの特徴 女性キャラクターの特徴
おでこ・鼻 おでこは垂直気味か、少し斜めに傾斜する。鼻筋は直線的で高く、眉間の段差(窪み)をしっかり描くことで男らしさを出す。 おでこは丸みを帯びてふっくらさせる。鼻筋はなだらかなカーブを描き、鼻先を少し上向きにすると可愛らしい。
あご・輪郭 あごの骨(エラ)をしっかり描き、ラインを角張らせる。あご先は太く、しっかりとした印象に。 エラは目立たせず、耳からあご先まで滑らかな曲線でつなぐ。あご先は小さく尖らせる傾向がある。
太く描く。特に筋肉質なキャラは顔の幅と同じくらい太くし、喉仏や筋肉の筋を描写する。 細く長く描く。喉仏は描かず、華奢なラインを意識する。

年齢の違い:子供から老人まで

  • 子供(幼児):頭身が低いため、頭蓋骨の円に対して顔のパーツが下半分に集中します。鼻は低く小さく、おでこが前に出ているのが特徴です。Eラインよりも口が少し前に出るくらいが、子供らしい愛嬌になります。
  • 老人:皮膚がたるみ、重力で下がったラインを意識します。頬骨やあごの骨が浮き出て、口元は歯が抜けた影響で内側に窪むことがあります。首のシワや背中の丸まり(猫背)も年齢表現のポイントです。

デフォルメの違い:リアル寄り(劇画)とアニメ寄り(萌え絵)

デフォルメの度合いによって、横顔の「省略の仕方」が変わります。

  • リアル寄り(劇画・厚塗り):骨格に忠実です。鼻の穴、唇の厚み、まぶたの重なりなどを省略せずに描きます。陰影をつけて立体感を出すことが前提の線画になります。
  • アニメ寄り(萌え絵・ライトノベル):記号的な表現が強くなります。鼻は極端に小さく(あるいは点だけ)、口は横顔の輪郭線から切り離して内側に描かれることもあります。ここで重要なのは、「嘘をつくなら徹底的に嘘をつく」ことですが、それでも「目と耳の位置関係」だけは守らないと、バランスが崩れます。

現役キャラクターデザイナーのアドバイス
「最近のソーシャルゲームやアニメのトレンドでは、横顔の鼻を極端に低く、あるいは点だけで表現するスタイルも人気です。ただし、これを成立させるには『目と耳の位置関係』が完璧であることが前提です。デフォルメこそ、基礎的な骨格理解がないと単なる『崩れた絵』に見えてしまうので注意が必要です。上手い人のデフォルメ絵をよく見ると、線は少なくても骨格のポイントは絶対に外していません。」

 

効率的に上達する!おすすめの練習方法とツール

横顔をマスターするためには、ただ闇雲に描くだけでなく、効果的な練習を取り入れることが近道です。ここでは、筆者が実際に上達を感じた練習法を紹介します。

写真模写とクロッキー:実写から「嘘のないライン」を学ぶ

イラストのアタリだけを練習していると、どうしても手癖がついてしまいます。週に一度でいいので、実写のモデル写真(ファッション誌や写真集など)を見て、横顔を模写してみてください。

「実際の人間はこんなに頭が後ろに長いのか」「首はこんなに斜めについているのか」という発見があるはずです。実写で得た「事実」を、自分のイラストのデフォルメに落とし込むことで、説得力が生まれます。

3Dデッサン人形アプリの活用

想像だけで描くのが難しい場合は、テクノロジーに頼りましょう。現在はスマホやタブレットで使える優秀な「3Dデッサン人形アプリ」が多数あります。

アプリ内でモデルを真横に向け、それをグリグリと回しながら観察してください。「少しアオリ(下から)」「少しフカン(上から)」の角度にしたとき、あごのラインや耳の見え方がどう変わるかを確認し、それをトレス(なぞり描き)するのも非常に有効な練習です。

好きなイラストレーターの横顔を「トレース」して構造を分析する

憧れの絵師さんのイラストを、練習としてトレース(上からなぞる)してみましょう。ただし、線をなぞるだけでは意味がありません。「この絵のアタリはどうなっているんだろう?」と考えながら、完成イラストの上に、自分で「円」や「十字線」「Eライン」を書き込んでみてください。

「この人は耳をかなり後ろに描いているな」「鼻をあえて低く描いているな」といった、プロごとの「バランスの正解」が見えてきます。これを分析トレースと呼び、構造理解に絶大な効果があります。

 

横顔イラストに関するよくある質問(FAQ)

最後に、横顔を描く際によく寄せられる細かい疑問にお答えします。

Q. メガネをかけたキャラの横顔はどう描く?

横顔のメガネは、レンズの厚みと「つる(テンプル)」のパースが重要です。レンズは正面よりも薄い楕円、あるいは長方形になります。つるは、レンズの端から耳の上に向かって一直線に伸びます。このとき、つるが目の横を通り、耳の上にしっかり乗っていることを意識して描くと、メガネが顔にフィットしているように見えます。

Q. アオリ(見上げ)やフカン(見下ろし)の横顔が描けません

角度がついた横顔は難易度が高いです。アオリの場合は「あごの裏側」が見え、耳の位置は下がります。フカンの場合は「頭頂部」が広く見え、耳の位置は上がります。このときも、箱や円柱などの単純な図形を傾けたアタリを描いてから、顔のパーツを乗せていくと考えやすくなります。

Q. 横顔を描くと、いつも同じ向き(左向き)になってしまいます

右利きの人は、手の構造上、左向きの顔(顔が左、後頭部が右)が描きやすい傾向にあります。これを「向き癖」と呼びます。無理に苦手な向きを描く練習も大切ですが、デジタル作画であれば「描きやすい向きで描いてから、最後に左右反転する」という技を使っても全く問題ありません。プロも時短のために頻繁に行っています。

現役イラスト講師のアドバイス
「『左向きは描けるけど右向きが苦手』という人は非常に多いです。これは手首の可動域と直線の引きやすさが関係しています。克服するには、苦手な向きをひたすら練習するのも手ですが、デジタル作画なら『得意な向きで描いて反転する』のも立派なプロの技術です。まずは完成させることを優先しましょう。ただし、反転した際にデッサンが崩れて見えないか、必ずチェックを行ってください。」

 

まとめ:横顔をマスターしてキャラクターの表現力を広げよう

横顔は、正面顔以上に「ごまかしが効かない」アングルです。しかし、今回解説した「頭蓋骨の円」「耳の位置」「Eライン」という3つのロジックさえ押さえておけば、誰でも違和感のない横顔を描くことができます。

横顔が描けるようになると、キャラクター同士が向かい合って会話するシーンや、遠くを見つめる切ないシーンなど、表現できるシチュエーションが一気に広がります。ぜひ今日から、手癖で描くのを一度やめて、しっかりアタリを取ることから始めてみてください。最初は面倒に感じるかもしれませんが、急がば回れで、それが最短の上達ルートです。

最後に、描き終わった後の「セルフチェックリスト」を用意しました。自分の絵を確認する際に活用してください。

横顔バランス最終チェックリスト

  • 耳の位置は、頭(円)の中心よりも「後ろ」にあるか?
  • 目の横幅は、正面顔のときよりも狭く(半分程度に)なっているか?
  • 鼻先・唇・あご先を結んだライン(Eライン)のバランスは取れているか?
  • 後頭部に十分な丸みとボリュームがあり、絶壁になっていないか?
  • 首はあごの下ではなく、耳の後ろから背骨に向かって生えているか?

あなたの描くキャラクターが、横顔でも魅力的に輝くことを応援しています。

この記事を書いた人

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