ダイニングチェア選びにおいて、あなたが最も重視すべきポイントは何でしょうか?デザイン、価格、あるいはブランドでしょうか。もちろん、それらも大切な要素ですが、結論から申し上げます。ダイニングチェア選びで最も重要なのは、デザインよりも「差尺(テーブルと座面の高さ関係)」と「生活動線に合った機能」です。
これらを無視して見た目だけで選んでしまうと、購入後に「長時間座っていると腰が痛くなる」「子供の食べこぼしがシミになって取れない」「掃除のたびに椅子を動かすのがストレス」といった、深刻な後悔に直結します。毎日使う家具だからこそ、身体への負担とメンテナンス性は妥協してはいけないポイントなのです。
この記事では、業界歴15年のインテリアコーディネーターである筆者が、カタログスペックだけでは分からない「本当に失敗しない椅子の選び方」を徹底解説します。
具体的には、以下の3点について、どこよりも詳しく掘り下げていきます。
- 業界歴15年のプロが教える、身長とテーブルに合う「正しい椅子の高さ」の計算式
- 子供の食べこぼしや在宅ワークに対応できる、素材と形状の選び方
- コスパ重視から一生モノまで、目的別に厳選したおすすめダイニングチェア15選
これから紹介する知識を身につければ、ネット通販での購入であっても、まるでオーダーメイドのようにあなたの生活にフィットする最高の1脚を見つけ出すことができるでしょう。ぜひ最後までお読みいただき、理想のダイニング空間を実現してください。
失敗の9割は「高さ」で決まる!最適なサイズと差尺の基礎知識
ダイニングチェアを購入して後悔する理由の第1位は、間違いなく「高さが合わない」ことです。「お店で座った時は良く感じたのに、家のテーブルに合わせたら使いにくい」という現象は、なぜ起こるのでしょうか。それは、椅子単体の座り心地だけでなく、テーブルとの関係性である「差尺(さじゃく)」を考慮していないことが原因です。
このセクションでは、プロが現場で必ず確認する数値根拠に基づき、あなたにとって最適なサイズ選びの基準を解説します。ここを理解するだけで、失敗のリスクを劇的に減らすことができます。
「差尺(さじゃく)」とは?快適な食事と作業のための黄金比
「差尺(さじゃく)」とは、椅子の座面からテーブルの天板上までの垂直距離のことを指します。この数値が、食事のしやすさや、作業時の疲労度を決定づける最も重要な要素です。
一般的に、日本人の体型における快適な差尺の目安は「27cm〜30cm」と言われています。この範囲内であれば、自然に腕をテーブルに乗せることができ、肩に力を入れずに食事や作業を行うことが可能です。
しかし、この数値はあくまで目安であり、用途によって微調整することがプロのテクニックです。
- 食事がメインの場合(差尺 29cm〜30cm):
少しゆとりを持たせることで、食器やグラスを扱いやすくなります。 - パソコン作業や勉強がメインの場合(差尺 27cm〜28cm):
相対的にテーブルが高くなる(座面が低くなる)位置関係の方が、キーボードを打つ際に肩が上がらず、長時間の作業でも疲れにくくなります。 - リラックスして寛ぎたい場合(差尺 26cm〜28cm):
リビング学習や食後の団欒を重視する場合、低めの設定の方が落ち着きます。
差尺が合っていないとどうなるでしょうか。差尺が短すぎる(座面が高すぎる・テーブルが低すぎる)と、太ももが天板の裏(幕板)に当たって窮屈になり、前傾姿勢をとるのが苦しくなります。逆に、差尺が長すぎる(座面が低すぎる・テーブルが高すぎる)と、テーブルの上が顎の近くに来てしまい、子供が食事をするような姿勢になります。これは肩こりや腕の痛みの直接的な原因となります。
ご自身の身長やテーブルの高さに合わせて、以下の早見表を活用し、最適な座面高(SH:Seat Height)を割り出してください。
| 身長 / テーブル高 | テーブル高 70cm (一般的) |
テーブル高 72cm (海外規格・IKEA等) |
テーブル高 68cm (低め・リビングダイニング) |
|---|---|---|---|
| 150cm | SH 40〜42cm | SH 42〜44cm | SH 38〜40cm |
| 160cm | SH 41〜43cm | SH 43〜45cm | SH 39〜41cm |
| 170cm | SH 42〜44cm | SH 44〜46cm | SH 40〜42cm |
| 180cm | SH 43〜45cm | SH 45〜47cm | SH 41〜43cm |
靴を脱ぐ日本人のための「座面高(SH)」の正解
次に注意すべきは、座面高(SH)そのものの数値です。ここで多くの人が陥る罠が「海外ブランドの椅子」です。欧米のブランド(北欧家具を含む)の多くは、靴を履いて生活することを前提に設計されており、平均的な座面高がSH45cm〜46cmと高めに設定されています。
一方で、日本の一般的なダイニングテーブルの高さは70cm前後が多く、かつ私たちは室内で靴を脱ぎます。身長160cm前後の日本人が、靴を履かずにSH45cm以上の椅子に座るとどうなるでしょうか。多くの場合、かかとが床にしっかりと着かず、ブラブラと浮いた状態になります。
「足裏全体が床にしっかりと着くこと」は、長時間座っても疲れないための絶対条件です。足が浮いていると、太ももの裏側が座面の先端で圧迫され、血流が悪くなります。これが足のむくみや痺れの原因となり、無意識のうちに姿勢を崩してしまうのです。
日本人の体型に合いやすい「正解」の座面高は、一般的にSH40cm〜43cmの範囲です。もしデザインが気に入ってどうしても座面が高い海外製の椅子を使いたい場合は、椅子の脚をカットする加工を依頼するか、厚みのあるスリッパを履く、あるいは足元にラグを敷くなどの対策が必要になります。
幅と奥行き:隣の人と肘が当たらないスペースの確保
高さの次は、平面的なサイズ感です。特に4人掛け以上のテーブルを使用する場合、「隣の人と肘が当たらないか」「椅子を引くスペースはあるか」を確認する必要があります。
食事をする際、1人に必要な幅(有効寸法)は最低でも60cmと言われています。これは、隣の人とストレスなく食事ができる最低限の距離です。しかし、ゆったりと過ごしたい場合や、体格の良い男性がいる場合は、70cm〜75cm程度の幅が理想的です。
ここで確認すべきは、椅子の全幅(W)と、テーブルの脚と脚の間隔(脚間寸法)です。例えば、幅150cmのテーブルでも、太い脚が内側についている場合、脚間は120cm程度しかないことがあります。ここに幅55cmのアームチェアを2脚並べると、合計110cmとなり、余裕はわずか10cm。これでは椅子の出し入れが窮屈で、隣の人と肘がぶつかってしまいます。
また、椅子の奥行き(D)も重要です。椅子に座るためには、テーブルから椅子を引くスペースが必要です。具体的には、テーブルの端から壁や食器棚まで、最低でも70cm〜80cmの通路幅がないと、スムーズに立ち座りができません。さらに、椅子の後ろを人が通る場合は、100cm以上のスペースが必要になります。
[業界歴15年のインテリアコーディネーターのアドバイス:サイズ選びの失敗談]
インテリアコーディネーターのアドバイス
「新人の頃、デザイン重視で海外製の素敵なチェア(SH46cm)をお客様に提案しましたが、日本の一般的なテーブル(高さ70cm)と合わせると差尺が24cmしかなく、『太ももが圧迫されて座り心地が悪い』と全脚交換になった苦い経験があります。カタログの写真は素敵に見えますが、日本の住環境とは前提が異なります。まずはデザインの前に、必ずご自宅のテーブルの高さとご自身の身長から、理想の数値をメジャーで測ることから始めましょう。1cmの違いが、毎日の快適さを大きく左右します。」
子供・テレワーク…生活スタイルに合わせた「形状」の選び方
サイズが決まったら、次は「形状」です。ダイニングチェアには様々な形がありますが、これらは単なるデザインの違いではなく、それぞれの「機能」と「適した生活スタイル」があります。あなたの家庭環境(子供の有無、テレワークの頻度、掃除のしやすさ重視など)に合わせて、最適な形状を選びましょう。
肘掛けあり(アームチェア)vs 肘掛けなし(アームレス)
椅子の形状で最も悩むのが「肘掛け(アーム)」の有無です。それぞれのメリット・デメリットを比較してみましょう。
アームチェア(肘掛けあり)
最大のメリットは「くつろぎやすさ」です。腕の重さは体重の約15%〜20%と言われており、肘を置くことで肩や首への負担を大幅に軽減できます。食後にコーヒーを飲んでゆっくりしたり、読書やテレワークをするには最適です。また、立ち上がる際に肘掛けを支えにできるため、高齢者や腰痛持ちの方にも推奨されます。
デメリットは、幅をとるためテーブルへの収まりが悪くなることや、横からの出入りがしにくい(椅子を大きく引く必要がある)点です。
アームレスチェア(肘掛けなし)
メリットは「省スペース」と「動線の良さ」です。椅子をあまり引かなくても横からスッと座れるため、配膳や子供の世話などで頻繁に立ち座りする方に向いています。また、視覚的な圧迫感が少なく、部屋を広く見せる効果もあります。
デメリットは、腕の置き場がないため長時間の着座には不向きであることです。
ハーフアーム(ちょい肘)
最近のトレンドであり、プロとしてもおすすめなのがこのタイプです。短い肘掛けがついている形状で、アームチェアのくつろぎ感と、アームレスの出入りのしやすさを両立しています。さらに、この短い肘掛けをテーブルの天板に引っ掛けて、脚を浮かせて掃除ができる「ハンギング機能」を持つものも多く、実用性が非常に高いのが特徴です。
ベンチタイプは本当に便利?メリットと意外な落とし穴
ダイニングセットでよく見かける片側ベンチスタイル。おしゃれでカフェのような雰囲気になりますが、安易に選ぶと後悔することがあります。
メリット:
背もたれがない(または低い)ため、視界を遮らず部屋が非常に広く見えます。また、詰めて座れば子供が3人並べたり、友人が来た時に荷物置き場として使えたりと、フレキシブルに活用できます。
デメリット・落とし穴:
最大の欠点は「またがないと座れない」こと。特にスカートを履いている女性や高齢者には不親切です。また、中央に座った人がトイレに行く場合、端の人が一度立たなければなりません。さらに、背もたれがないタイプは長時間座っていると背中や腰が疲れるため、食事以外の時間を過ごすのには不向きです。
ベンチを選ぶなら、壁付けレイアウトにするか、あくまで「短時間の食事用」と割り切って使うのが良いでしょう。
回転式・キャスター付き・スタッキング機能の要否
特殊な機能を持った椅子も検討の価値があります。
回転式チェア:
座面が回転するため、椅子を後ろに引くスペースがなくても体の向きを変えるだけで立ち座りができます。狭いダイニングや、後ろにソファや壁が迫っているレイアウトでは救世主となります。ただし、回転盤の重量があるため椅子自体が重く、掃除の際の移動が大変になることがあります。
キャスター付き:
移動が楽で、オフィスチェアのような利便性があります。高齢者施設などでも採用されることが多いですが、フローリングを傷つけやすいため、ラグやチェアマットが必須です。また、デザインが事務的になりがちな点も注意が必要です。
スタッキング(積み重ね):
使わない時に重ねて収納できる機能です。普段は2人暮らしだが、週末に来客があるという家庭では、予備の椅子としてスタッキングチェアを持っておくと便利です。
| あなたの状況・重視すること | おすすめの形状 |
|---|---|
| テレワークや食後の団欒を重視したい | アームチェア または ハイバックチェア |
| 子供が小さく、頻繁に世話をする | アームレス または ハーフアーム |
| 部屋が狭い・動線を確保したい | アームレス または ベンチ(背なし) |
| ルンバ等のロボット掃除機を使っている | ハンギング可能なハーフアーム |
| 椅子を引くスペースがない | 回転式チェア |
[業界歴15年のインテリアコーディネーターのアドバイス:ルンバブルな椅子の選び方]
インテリアコーディネーターのアドバイス
「最近はロボット掃除機を活用するご家庭が増えています。『ハンギング(肘掛けをテーブルに掛けて脚を浮かせる)』ができる椅子を選ぶと、毎日の床掃除のストレスが劇的に減ります。いちいち椅子をテーブルの上に上げたり、別の部屋に移動させたりする必要がなくなるからです。ただし、購入前にはテーブルの天板強度(重みに耐えられるか)や、肘掛けの裏に傷防止のフェルトやゴムがついているかを必ずセットで確認してください。ここを見落とすと、大切なテーブルの天板が傷だらけになってしまいます。」
汚れに強く、長く使える「素材」とメンテナンスの真実
デザインとサイズが決まったら、最後に「素材」を選びます。ここは見た目の好みだけでなく、「誰が使うか」という視点で選ぶことが非常に重要です。特に小さなお子様がいるご家庭では、素材選びを間違えると、日々の掃除が苦行となってしまいます。
【座面】ファブリック vs 合皮 vs 本革 vs ペーパーコード
座面の張り地(カバー)は、肌触りとメンテナンス性に直結します。
ファブリック(布):
温かみがあり、色や柄のバリエーションが豊富でインテリアに合わせやすいのが特徴です。通気性が良く、夏場でも蒸れません。しかし、液体をこぼすと染み込みやすく、シミになりやすいのが難点です。選ぶなら、自宅の洗濯機で洗える「カバーリング仕様」か、強力な「撥水加工」が施された生地を選ぶのが必須条件です。
合皮(PVC/PUレザー):
水拭きが可能で、カレーやジュースをこぼしてもサッと拭き取れるため、子育て世帯には最強の素材です。かつては安っぽいイメージがありましたが、最近は本革に近い質感を持つ「ソフトレザー」や、汚れに強い機能性レザーも増えています。デメリットは通気性が悪く、夏場は太ももが張り付くような感覚があることです。
本革:
耐久性が高く、使い込むほどに味わいが出る高級素材です。適切にメンテナンスすれば10年、20年と使えますが、水や油汚れには弱く、専用のクリーナーでの手入れが必要です。また、価格も高額になります。
ペーパーコード(紙ひも):
Yチェアなどに代表される、樹脂を含ませた紙ひもを編み込んだ座面です。通気性が抜群で、座るとお尻の形に合わせて適度に沈み込むため、座り心地は最高クラスです。意外にも耐久性は高く、10年〜15年程度で張り替えることで半永久的に使えます。ただし、隙間に食べかすが詰まりやすい点には注意が必要です。
【木部】無垢材と塗装(ウレタン vs オイル)の違い
椅子のフレーム(木部)の仕上げ塗装も、使い勝手を左右します。
ウレタン塗装:
木の表面をプラスチック樹脂の薄い膜でコーティングする方法です。水や汚れを弾くため、水拭きができ、輪染みもできません。定期的なメンテナンスも不要で、扱いやすさはNo.1です。デメリットは、テカリが出やすく木の質感が少し損なわれることと、深い傷がつくとプロでないと修復が難しい点です。
オイル仕上げ:
植物性のオイルを木に染み込ませる方法です。木の表面に塗膜を作らないため、木本来の質感や手触りを楽しめます。傷がついてもサンドペーパーで削ってオイルを塗れば自分で補修できるのが魅力です。しかし、水滴がつくとすぐにシミになるため、コースターの使用や定期的なオイル塗布(半年に1回程度)が必要です。
長時間座っても疲れないクッション性の見極め方
座面のクッション性は「柔らかければ良い」というものではありません。あまりに柔らかすぎると、お尻が沈み込みすぎて骨盤が安定せず、腰痛の原因になります。
理想的なのは、「表面はソフトだが、奥にしっかりとしたコシがある」状態です。ウレタンフォームの密度が高いものを選ぶと、長期間使用してもへたりにくく、底付き感(お尻の骨が座面の板に当たる感覚)がありません。
また、クッションがない「板座(いたざ)」の椅子を選ぶ場合は、「座ぐり」という加工に注目してください。これは、お尻の形に合わせて座面を立体的に削り取る加工のことです。座ぐりがしっかり施されている板座の椅子は、クッションがなくても驚くほど座り心地が良く、長時間座っても痛くなりにくい特長があります。
[業界歴15年のインテリアコーディネーターのアドバイス:子育て世代への推奨素材]
インテリアコーディネーターのアドバイス
「小さなお子様がいるご家庭には、断然『ウレタン塗装の木部』+『合皮(または洗えるカバーリングの布)』の組み合わせをおすすめします。おしゃれなオイル仕上げや、張り込み式のファブリックは、子供が小学生になってからでも遅くありません。今の時期に無理をして手入れの難しい素材を選ぶと、『こぼさないで!』と叱る回数が増え、食事の時間がストレスになってしまいます。今のストレスを減らす選択が、結果的に家族の笑顔と家具への愛着につながります。」
部屋が一気におしゃれになる!コーディネートと配色のコツ
「センスに自信がないから、とりあえずセット品を買おう」と考えていませんか?もちろんセット品も悪くありませんが、少しの工夫で、モデルルームやカフェのようなおしゃれな空間を作ることができます。
あえて揃えない「バラバラ配置」でおしゃれ上級者に
最近のトレンドは、あえて異なるデザインの椅子を組み合わせるスタイルです。しかし、闇雲に違う椅子を並べると散らかった印象になります。以下のいずれかのルールを守ることで、統一感を保ちつつ個性を出すことができます。
- 色を揃えて、形を変える:
例えば「全て黒い椅子にする」と決めれば、デザインが全く違っても統一感が出ます。 - 素材を揃えて、形を変える:
「全てオーク材の椅子」「全て座面がグレーの布」など、共通項を一つ作ります。 - 形(ブランド)を揃えて、色を変える:
同じ椅子で、座面の色だけを4色バラバラにする手法です。これが最も簡単で失敗が少ない方法です。
また、2脚ずつ揃える「シンメトリー配置」もおすすめです。向かい合う椅子を同じ種類にし、隣り合う椅子を変えることで、リズム感と安定感を両立できます。
テーブルと椅子の色の組み合わせ(同色系 vs ミックス)
同色系コーディネート:
テーブルと椅子の木種(色味)を合わせる王道のスタイルです。オークのテーブルにはオークの椅子、ウォールナットにはウォールナットを合わせます。失敗がなく、部屋全体が広くスッキリ見えます。
ミックスコーディネート:
あえて濃淡をつける手法です。例えば、明るい床・テーブルに対して、椅子だけ濃いウォールナットや黒を選ぶと、空間が引き締まりメリハリが生まれます。逆に、濃い色の床に明るい色の椅子を置くと、家具のシルエットが際立ち、軽やかな印象になります。
狭いLDKを広く見せる「背もたれ」の視覚効果
LDKがあまり広くない場合、椅子の背もたれの高さが空間の印象を左右します。
背もたれが高い「ハイバックチェア」は、フォーマルで豪華な印象を与えますが、視線を遮るため圧迫感が出ます。一方、背もたれが低い「ローバックチェア」や、背もたれがスポーク状(棒状)で向こう側が透けて見える「ウィンザーチェア」などは、視線が抜けるため部屋を広く見せる効果があります。
[業界歴15年のインテリアコーディネーターのアドバイス:失敗しないバラバラ配置]
インテリアコーディネーターのアドバイス
「椅子をバラバラにする勇気がない場合は、『形は同じで色を変える』か『色は同じで形を変える』のどちらかに絞ると失敗しません。最も簡単なのは、両親用の椅子2脚と子供用の椅子2脚で種類を分ける方法です。例えば、大人は座り心地重視のアームチェア、子供は出入りしやすいアームレスやベンチにする。これなら機能性とデザイン性を自然に両立でき、『家族それぞれの特等席』というストーリーも生まれます。」
プロ厳選!目的別おすすめダイニングチェア15選
ここからは、これまでの選び方の基準を踏まえ、プロの視点で厳選したおすすめのダイニングチェアを目的別にご紹介します。単なる人気ランキングではなく、「耐久性」「座り心地」「メンテナンス性」の観点から評価しました。
【コスパ・耐久性】子育て世帯におすすめの最強チェア5選
子供が小さいうちは、汚れや傷は避けられません。ここでは「汚れに強い」「カバーが洗える」「頑丈」かつ、買い替えやすい価格帯の椅子を選びました。
| ブランド / 商品名 | 特徴・推しポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| ニトリ / Nコレクション | 天然木を使用しながら驚異の低価格。座面高や色のバリエーションが豊富で、日本の住宅サイズに完璧にフィットする。 | デザインはシンプルで無難。高級感にはやや欠ける。 |
| Re:CENO / ダイニングチェア folk | カバーリング仕様で洗濯可能。丸みのある優しいデザインで子供がぶつかっても安心。クッション性が高く座り心地も抜群。 | 人気商品のため入荷待ちになることが多い。 |
| IKEA / EKEDALEN(エーケダーレン) | カバーを取り外して洗濯機で洗える。背もたれが高く、大柄な男性でもゆったり座れる。コストパフォーマンスが非常に高い。 | 座面高が45cmと高め。小柄な方は試座か靴の着用が必要。 |
| カリモク家具 / 食堂椅子 CT61モデル | 「合成皮革」の質感が非常に高く、汚れを水拭きできる。超軽量設計で、掃除の際の移動が指一本でできるほど楽。 | 価格は高めだが、耐久性とメンテナンス性は一生モノ。 |
| 無印良品 / オーク材アームチェア | 丸脚の優しいデザイン。座面が広く、あぐらをかけるほどの安定感。別売りのカバーが豊富。 | アームがテーブルの幕板に当たらないか高さ確認が必要。 |
【座り心地・機能】テレワーク兼用の疲れにくいチェア5選
ダイニングで仕事をすることが多い方には、オフィスチェア並みの機能性と、リビングに馴染むデザイン性を兼ね備えた椅子がおすすめです。
| ブランド / 商品名 | 長時間着座適性 | 解説 |
|---|---|---|
| 飛騨産業 / SEOTO(セオト) | ★★★★★ | 人間工学に基づいた座ぐりと背もたれのカーブが絶妙。板座なのに痛くない奇跡の座り心地。ハーフアームが作業をサポート。 |
| カリモク60 / アームレスダイニングチェア | ★★★★☆ | 高密度のウレタンを使用し、底付き感がない。背もたれの角度が絶妙で、PC作業の前傾姿勢にも対応。 |
| 柏木工 / CIVIL(シビル)チェア | ★★★★★ | ハイバックのスポークが背中全体を包み込む。和洋どちらにも合うモダンデザイン。座面のフィット感が素晴らしい。 |
| Herman Miller / イームズ シェルチェア | ★★★☆☆ | プラスチックの適度な「しなり」が背中にフィット。デザインアイコンとして有名だが、クッションがないため長時間はシートパッド推奨。 |
| ACTUS / SOUP(スープ) | ★★★★☆ | 北欧の定番スタイル。笠木(背もたれの上部)が太く、しっかりと背中を支えてくれるため疲れにくい。 |
【デザイン・一生モノ】所有欲を満たす名作・北欧チェア5選
初期投資はかかりますが、リセールバリューが高く、経年変化を楽しみながら一生使える名作椅子たちです。
| ブランド / 商品名 | 経年変化の楽しみ方 | 特徴 |
|---|---|---|
| Carl Hansen & Søn / CH24(Yチェア) | ペーパーコードの馴染みと木部の飴色変化 | 世界で最も売れている北欧家具。座り心地、軽さ、美しさのバランスが完璧。修理体制も万全。 |
| Fritz Hansen / セブンチェア | ラッカー塗装の深みやウッドの質感 | 成形合板が生み出す「しなり」が快適。スタッキング可能で機能的。モダンな空間の主役に。 |
| マルニ木工 / HIROSHIMA(ヒロシマ) | 無垢材の手触りが滑らかに育つ | Apple本社にも採用された日本の名作。ずっと撫でていたくなるような木肌の滑らかさは感動的。 |
| Werner / シューメーカーチェア | お尻の形に木が馴染む | 靴職人が座るために作られた3本脚のスツール。姿勢が良くなり、ちょっとした作業に最適。 |
| J.L. Møllers / No.78 | ペーパーコードとチーク材の風合い | 「北欧家具の宝石」と呼ばれる美しい削り出し。背もたれの繊細なラインは芸術品の域。 |
[筆者の体験談:名作椅子を10年使ってみて]
筆者の体験談
「私は自宅でYチェア(ペーパーコード)を10年以上愛用しています。購入当初は汚れを気にして慎重に使っていましたが、使い込むほどにコードが体に馴染み、木の色が飴色に変化していく様子は、新品にはない深い魅力です。一度、子供がジュースをこぼしたこともありますが、固く絞った布で叩いてメンテナンスし、今ではそれも『家族の歴史』としての味になっています。初期投資は高いですが、毎日使うものなので日割り計算すれば決して高くありませんし、何より座るたびに幸せな気持ちになれる投資価値があります。」
ネット通販で失敗しないための最終チェックリスト
実店舗で全て確認できればベストですが、種類豊富なネット通販で購入したい場合も多いでしょう。ここでは、画面越しでも失敗しないための「最終確認ポイント」を伝授します。
試座できない場合の「類似品確認」と「レビュー解読法」
近くに実物が置いていない場合でも、諦めてはいけません。近くの家具屋やインテリアショップに行き、「検討している椅子とサイズ(特に座面高と奥行き)が近い椅子」を探して座ってみてください。「座面高43cmだと、自分には少し高いな」「奥行き50cmは深く座れていいな」といった身体感覚の基準を持つことが重要です。
また、ネットのレビューを見る際は、星の数(総合評価)だけで判断してはいけません。重要なのは「自分と似た体格・環境の人のコメント」を探すことです。「身長155cmの私には足がつかなかった」「子供が食べこぼしてもすぐ拭き取れた」といった具体的な記述こそが、あなたにとっての真実の情報となります。
搬入経路と組み立ての有無を確認しよう
意外と見落としがちなのが「搬入」です。特にアームチェアや完成品で届く椅子は、箱のサイズがかなり大きくなります。玄関のドア幅、廊下の曲がり角、マンションのエレベーターのサイズを通るか事前に確認しましょう。
また、商品は「完成品」か「ノックダウン(組立式)」かも要チェックです。組立式の場合、強度が完成品より劣る場合がありますが、搬入は楽です。逆に完成品は強度が保証されていますが、搬入経路の確保が必須です。さらに、届いたその日から床を傷つけないよう、脚の裏に貼るフェルトが付属しているかどうかも確認し、なければ事前に100円ショップやホームセンターで準備しておきましょう。
アフターサービスと保証期間の重要性
椅子は毎日体重を預ける道具ですので、構造的な強度は非常に重要です。安価な椅子の中には保証期間がないものもありますが、信頼できるメーカーであれば通常1年〜3年、長いところでは10年の保証がついています。
また、将来的に「座面の張替え」や「パーツ交換」が可能かどうかも確認しておくと安心です。使い捨てではなく、修理しながら長く使える椅子を選ぶことは、長い目で見れば経済的であり、SDGsの観点からも推奨されます。
よくある質問(FAQ)
最後に、ダイニングチェア選びでよく寄せられる質問に、プロの視点で端的に回答します。
Q. ネットで買った椅子がガタつくのですが、調整できますか?
A. はい、多くの場合調整可能です。
組立式の場合は、一度全てのネジを緩め、平らな床の上で上から強く押さえつけながら(荷重をかけながら)対角線上のネジを少しずつ締めていくとガタつきが直ります。完成品の場合や、それでも直らない場合は、浮いている脚の裏にフェルトを重ね貼りして高さを調整してください。床自体の水平が出ていないケースも多々あります。
Q. 今あるテーブルの色と微妙に合わないのが心配です。
A. 「繋ぎ役」のアイテムを使えば解決します。
木の色味が微妙に違う場合、テーブルの上にランチョンマットを敷いたり、椅子にクッションを置いたりして、視覚的に色を分断すると気にならなくなります。また、テーブルの下にラグを敷くことで、床と椅子の色の不調和も緩和できます。
Q. 予算を抑えたい場合、どこを妥協すべきですか?
A. 「座り心地(構造)」は妥協せず、「素材のグレード」でコストダウンしましょう。
例えば、無垢材ではなく「突き板(表面だけ天然木)」の製品や、本革ではなく「合皮」を選ぶことで、座り心地や強度を維持したまま価格を抑えることができます。逆に、クッションの中身やフレームの太さなど、構造部分を妥協している激安品はすぐに壊れるため避けるべきです。
[業界歴15年のインテリアコーディネーターのアドバイス:予算配分の考え方]
インテリアコーディネーターのアドバイス
「テーブルと椅子、どちらにお金をかけるべきか迷ったら、迷わず『椅子』にお金をかけてください。テーブルはクロスをかければ傷や安っぽさを隠せますが、椅子の座り心地は誤魔化せません。また、身体に直接触れ、体重を支える道具への投資は、健康と生活の質に直結します。良い椅子は20年使えます。日割りすれば1日数十円の違いですので、ぜひ妥協せずに選んでください。」
まとめ:最高の1脚を選んで、ダイニングを家族の特等席に
ここまで、失敗しないダイニングチェアの選び方について解説してきました。重要なポイントを振り返りましょう。
- まずは高さ確認:身長とテーブル高から「差尺(27〜30cm)」と「座面高」を確認することが最優先。
- 生活に合った形状:くつろぎ重視ならアーム付き、動きやすさ重視ならアームレスやハーフアームを選ぶ。
- 素材は実用性で:子育て中はウレタン塗装や合皮・カバーリングを活用し、ストレスを減らす。
- コーディネート:バラバラ配置でも「色」か「形」を揃えればおしゃれにまとまる。
ダイニングチェアは単なる「座るための道具」ではありません。家族がおいしい食事を囲み、今日あった出来事を話し、子供が宿題をし、夫婦が晩酌をする。そんな「家族の絆が深まる時間」を支える場所です。
座り心地の良い椅子が一脚あるだけで、食後にすぐソファへ移動せず、ダイニングでの会話が自然と長くなります。ぜひこの記事を参考に、あなたとご家族にとって「ずっと座っていたくなる特等席」を見つけてください。
ダイニングチェア選び・最終確認シート
- テーブルの高さと天板の厚みを測ったか?
- 家族の身長に合う座面高(差尺27-30cm)か?
- テーブルの脚間に収まる幅か?(隣と肘が当たらないか)
- 掃除や手入れの頻度は許容範囲か?(ルンバブル、水拭き可否)
- 玄関や廊下の搬入経路は確保できているか?
※このリストをスクリーンショットして、家具店やネット通販での確認にお使いください。
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