街が華やかなイルミネーションに彩られ、どこからともなく「第九」が聞こえてくる季節となりました。12月は、一年の締めくくりと新年の準備が重なる、日本人にとって特別な一ヶ月です。
私たち日本人は古くから、この月を「師走(しわす)」と呼び、一年間の感謝を捧げると同時に、新たな「年神様(としがみさま)」をお迎えするための準備を整えてきました。忙しさに追われがちな時期ですが、一つひとつの行事には、先人たちが込めた「より良く生きるための知恵」と「祈り」が詰まっています。
この記事では、日本文化研究家としての視点から、12月の主要な行事・記念日の正しい由来や意味、そして現代の忙しい生活の中でも無理なく取り入れられる「粋な過ごし方」を網羅的に解説します。
旬の行事食や、手紙・メールですぐに使える季節の挨拶まで、12月を心豊かに過ごすための情報を余すところなくお届けします。ぜひ、このページを「歳時記」のように活用し、清らかな心で新年をお迎えください。
この記事でわかること(クリックで展開)
- 12月の行事・記念日カレンダーとそれぞれの正しい由来・意味
- 冬至・大晦日・正月事始めなど、伝統行事の作法と現代的な楽しみ方
- 12月の挨拶文例や旬の食材など、暮らしと仕事に役立つ実用情報
12月(師走)の行事・記念日カレンダーと全体像
まずは、12月全体の流れを把握しましょう。12月は上旬の「事始め」から始まり、中旬の「冬至」、そして下旬の「クリスマス」「大晦日」へと、行事が目白押しです。スケジュールを俯瞰することで、心の準備と段取りがスムーズになります。
12月の別名「師走(しわす)」の意味と由来
12月の別名として最も有名なのが「師走(しわす)」です。この言葉の由来には諸説ありますが、最も有力とされているのが「師馳す(しはす)」説です。
ここでの「師」とは、普段はどっしりと構えている僧侶(法師)や教師のことを指します。年末になると、僧侶は仏名会(ぶつみょうえ)などの法要で東西を走り回り、教師も一年のまとめで多忙を極めることから、「師でさえも走り回るほど忙しい月」という意味で「師走」の字が当てられたと言われています。
また、別の説として、四季が果てる月という意味の「四極(しはつ)」や、一年の最後に成し遂げるという意味の「為果つ(しはつ)」が転じたという説もあります。いずれにせよ、この言葉には「一年の総決算」という切迫感と充実感が込められているのです。
筆者は毎年この時期になると、「忙しい」という字は「心を亡くす」と書くことを思い出します。師走だからこそ、意識的に立ち止まり、行事を通じて心を取り戻す時間を大切にしたいものです。
二十四節気「大雪」「冬至」と雑節の概要
日本の暦には、季節の移ろいを細やかに捉える「二十四節気(にじゅうしせっき)」という区分があります。12月には、以下の2つの節気が巡ってきます。
- 大雪(たいせつ):12月7日頃
本格的な冬の到来を告げる時期です。山々は雪に覆われ、平地でも北風が強まり、冬の寒さが厳しくなり始めます。動物たちは冬眠に入り、私たち人間も寒さに備えて「冬支度」を完成させるタイミングです。 - 冬至(とうじ):12月21日頃
一年で最も昼が短く、夜が長い日です。太陽の力が一番弱まる日とされていますが、翌日からは再び太陽の力が蘇ることから、「一陽来復(いちようらいふく)」という運気上昇の起点としても重要視されています。
これらの節気を意識することで、単に「寒い」と感じるだけでなく、自然界のリズムに自分の生活を調和させることができます。
【一覧リスト】12月の主要な行事・記念日・祝日
12月の行事は、伝統的な「和」の行事と、現代的なイベントが混在しているのが特徴です。以下に主要な日程をまとめました。
| 日程 | 行事・記念日 | 内容・備考 |
|---|---|---|
| 【上旬】冬の訪れと準備の始まり | ||
| 12月1日 | 映画の日 | 日本で初めて映画が公開されたことにちなむ記念日。 |
| 12月2日 | 秩父夜祭 | 日本三大曳山祭の一つ。冬の夜空に花火が上がります。 |
| 12月5日 | 納めの水天宮 | 今年最後の水天宮の縁日。 |
| 12月7日頃 | 大雪(二十四節気) | 本格的な積雪の時期。冬の魚(ブリなど)が美味しくなります。 |
| 12月8日 | 事八日(針供養) | 一年の事を納め、針を休めて感謝する日。 |
| 【中旬】新年の準備「事始め」と感謝 | ||
| 12月13日 | 正月事始め(煤払い) | 年神様を迎える準備を開始する日。お歳暮を贈る目安。 |
| 12月14日 | 赤穂義士祭 | 赤穂浪士の討ち入りにちなんだ行事。 |
| 12月17日〜19日 | 羽子板市(浅草寺) | 新年の縁起物や女の子の厄除けとして羽子板が並びます。 |
| 【下旬】一年の締めくくりとクライマックス | ||
| 12月21日頃 | 冬至(二十四節気) | 柚子湯に入り、かぼちゃを食べて無病息災を祈ります。 |
| 12月24日・25日 | クリスマス | キリスト降誕祭。日本では家族や恋人と過ごすイベントとして定着。 |
| 12月28日 | 御用納め(仕事納め) | 官公庁や多くの企業で業務を終了する日。 |
| 12月31日 | 大晦日(大祓) | 年越しそばを食べ、除夜の鐘を聞きながら新年を迎えます。 |
【上旬~中旬】一年の汚れを落とし、新年の準備を始める
12月に入ると、街の雰囲気も少しずつ慌ただしくなってきます。しかし、焦る必要はありません。上旬から中旬にかけては、物理的な汚れを落とすと同時に、お世話になった方への感謝を形にする期間です。
昔から伝わる「事八日」や「正月事始め」の意味を知ることで、年末の大掃除やお歳暮といったルーティンが、より意義深いものに変わるはずです。
日本文化研究家のアドバイス
「現代では『大掃除』というと、ただ家をきれいにする作業と思われがちですが、本来の『煤払い(すすはらい)』は神事でした。一年の厄を払い、清浄な空間に年神様をお招きするための神聖な儀式なのです。『汚れを落とす』のではなく『神様のための場所を整える』という意識を持つだけで、掃除機をかける背筋も自然と伸びるものです」
12月8日「事八日(ことようか)」と針供養
12月8日と2月8日は対になっており、まとめて「事八日(ことようか)」と呼ばれます。12月8日は「事納め」と呼ばれ、その年の農作業や仕事を締めくくる日とされてきました(地域によってはこれから正月の準備を始めるため「事始め」と呼ぶ場合もあります)。
この日に行われる代表的な行事が「針供養(はりくよう)」です。かつて裁縫は女性にとって欠かせない仕事であり、折れたり曲がったりした針を、柔らかい豆腐やこんにゃくに刺して神社やお寺に納めました。
「硬い布を刺し続けてくれた針を、最後は柔らかいところで休ませてあげたい」という日本人の優しい感性が表れています。現代では裁縫をする機会は減りましたが、愛用している仕事道具(ペンやPC、工具など)の手入れをして感謝する日として過ごしてみてはいかがでしょうか。
12月13日「正月事始め」とは?現代の「大掃除」との関係
12月13日は「正月事始め(しょうがつことはじめ)」です。旧暦のこの日は「鬼宿日(きしゅくにち)」といって、婚礼以外は何をするにも吉とされる最高の大吉日でした。そのため、この日に正月の準備を始めるのが習わしとなったのです。
江戸時代、江戸城ではこの日に「煤払い(すすはらい)」を行いました。単にホコリを払うだけでなく、長い竹笹を使って天井や軒下の煤を落とすことは、家の中の邪気を払う意味がありました。
現代の生活においては、12月13日から少しずつ大掃除を始めると良いでしょう。一度にすべて終わらせようとすると大変ですが、「今日はキッチン」「明日は窓」と、13日を起点に計画的に進めることで、年末ギリギリに慌てずに済みます。筆者も、まずは神棚や仏壇の掃除から始め、神聖な場所から順に清めるようにしています。
お歳暮を贈る時期とマナー(いつからいつまで?)
お歳暮は、今年一年お世話になった方へ感謝の気持ちを伝え、来年もよろしくお願いしますという挨拶を込めて贈るものです。
贈る時期:
本来は「正月事始め」の12月13日から20日頃までに贈るのがマナーでした。しかし、現在では早まる傾向にあり、関東では12月初旬から、関西では12月13日頃から贈ることが一般的です。
遅れてしまった場合:
もし手配が遅れ、年内に届かない場合は、のしの表書きを変えて贈ります。
- 年明け〜松の内(1月7日頃、関西は15日頃):「御年賀」
- 松の内以降〜立春(2月4日頃):「寒中御見舞」
相手が喪中の場合でも、お歳暮はお祝い事ではなく感謝のしるしなので贈っても問題ありません。ただし、紅白の水引は避け、白無地の奉書紙や短冊を使用するなど、配慮が必要です。
12月中旬のイベント(漢字の日、お楽しみ会など)
伝統行事以外にも、12月中旬には話題となるイベントがあります。
- 漢字の日(12月12日):
「いい(1)じ(2)いち(1)じ(2)」の語呂合わせから、日本漢字能力検定協会が制定しました。毎年、京都の清水寺で「今年の漢字」が発表され、その年を象徴する世相を反映した一文字が注目を集めます。 - クリスマスのお楽しみ会・忘年会:
学校や職場では、中旬頃から忘年会やお楽しみ会が増えます。一年の労をねぎらう場ですが、「忘年」とは「その年の苦労を忘れる」という意味。ポジティブに年を越すための区切りの宴です。
【下旬】冬至・クリスマス・大晦日…盛り上がる年末行事の由来と過ごし方
12月も下旬に入ると、いよいよ年末のクライマックスです。冬至、クリスマス、大晦日と大きな行事が続きます。それぞれの行事が持つ本来の意味を理解することで、単なるイベント消費ではなく、心に残る体験となるでしょう。
【冬至】なぜ「かぼちゃ」と「柚子湯」なのか?運盛りと禊(みそぎ)の文化
冬至(とうじ)は、北半球において太陽の位置が最も低くなり、昼が一番短くなる日です。古代の人々は、この日を境に太陽の力が弱まり「死」に近づくと恐れる一方で、翌日から再び日が長くなることを「一陽来復(いちようらいふく)」と呼び、太陽が生まれ変わるめでたい日と考えました。
かぼちゃ(南瓜)を食べる理由:
かぼちゃは夏野菜ですが、長期保存がきくため、野菜が不足する冬場の貴重な栄養源でした。また、「なんきん」という名前に「ん」がつくことから、「運(ん)」を盛る「運盛り」の食材として縁起が良いとされています。
柚子湯(ゆずゆ)に入る理由:
柚子湯には血行促進や風邪予防の効果がありますが、語呂合わせとしての意味も深いです。「冬至(とうじ)」=「湯治(とうじ)」、「柚子(ゆず)」=「融通(ゆうずう)が利く」にかけて、お湯に入って身を清め、融通よく世渡りができるようにとの願いが込められています。また、強い香りは邪気を払うと信じられていました。
日本文化研究家のアドバイス
「私自身、冬至の夜には必ず柚子を浮かべたお風呂にゆっくりと浸かります。柚子の香りに包まれながら、『今年も一年、健康で過ごせたな』と身体に感謝し、『来年も融通を利かせてしなやかに生きよう』と誓うのです。この『一陽来復』という考え方は、悪いことが続いても必ず好転するという希望のメッセージでもあります。落ち込んでいる時こそ、冬至を大切に過ごしてみてください」
【クリスマス】日本における受容の歴史と楽しみ方
日本のクリスマスは、宗教的な意味合いよりも、家族やパートナーとの絆を深める季節のイベントとして定着しています。その歴史は意外に古く、戦国時代にフランシスコ・ザビエルによって伝えられました。
明治時代には銀座でクリスマス商戦が始まり、大正時代には一般家庭にも普及し始めました。現代の日本では、チキンやケーキを食べ、プレゼントを交換するのが定番ですが、これは日本独自の進化を遂げた文化と言えます。
和の文化を大切にする筆者ですが、クリスマスを否定するつもりはありません。むしろ、日本の「八百万(やおよろず)の神」を受け入れる寛容さが、クリスマスの平和な風景を作り出していると感じます。部屋にポインセチアを飾ったり、リースを玄関に掛けたりして、冬の彩りを楽しむ良い機会です。
【大晦日】除夜の鐘と年越しそばの深い意味
12月31日、一年の最後の日を「大晦日(おおみそか)」と呼びます。「晦日(みそか)」とは月の最終日のこと。12月は一年の最後なので「大」がつきます。
除夜の鐘(じょやのかね):
大晦日の夜から元旦にかけて突かれる鐘です。「108回」という数は、人間の煩悩(ぼんのう)の数と言われています。鐘の音を聞くたびに一つずつ煩悩を消し去り、清らかな心で新年を迎えるための仏教行事です。
年越しそば:
江戸時代から定着した風習です。そばは細く長く伸びることから「健康長寿」「家運長命」を願う意味があります。また、他の麺類に比べて切れやすいため、「今年一年の災厄を断ち切る」という意味も込められています。必ず年を越す前(12月31日中)に食べ終えるのがルールです。
【大祓(おおはらえ)】半年間の罪穢れを落とす神社の儀式
多くの神社では、6月と12月の末日に「大祓(おおはらえ)」という神事が行われます。12月の大祓は「年越の祓(としこしのはらえ)」とも呼ばれます。
半年間の生活で知らず知らずのうちに身についた罪や穢れ(けがれ)を、人形(ひとがた)と呼ばれる紙に移して祓い清めます。大掃除で家の汚れを落とすように、大祓で心の汚れを落とす。心身ともに真っ白な状態で新年を迎えるための、非常に重要な節目です。近くの神社で人形を受け付けていれば、ぜひ参加してみてください。
12月に食べたい「行事食」と旬の味覚リスト
「旬」の食材には、その時期に身体が必要とする栄養がたっぷりと詰まっています。12月の寒さに負けない体を作るためにも、行事食や旬の味覚を積極的に食卓に取り入れましょう。
冬至の七種(ななくさ)と運気アップの食材
春の七草は有名ですが、実は「冬至の七種(ななくさ)」も存在します。これらは名前に「ん」が2つ付く食材で、運を呼び込むとされています。
詳細:冬至の七種リスト(クリックで展開)
- 南瓜(なんきん):かぼちゃ。ビタミンA・Cが豊富。
- 蓮根(れんこん):先が見通せる縁起物。
- 人参(にんじん):赤い色は魔除けの意味も。
- 銀杏(ぎんなん):滋養強壮に。
- 金柑(きんかん):喉の痛みに効く。
- 寒天(かんてん):食物繊維が豊富。
- 饂飩(うんどん):うどん。温かい汁物で。
これらをすべて揃えるのは大変ですが、「うどん」に「かぼちゃ」や「人参」を入れた「冬至うどん」なら、手軽に運盛りを楽しめます。
年越しそばの正しい食べ方・タイミング
前述の通り、年越しそばは「災厄を断ち切る」ためのものです。そのため、年をまたいで食べるのは「厄を持ち越す」ことになるため縁起が悪いとされています。除夜の鐘が鳴り始める前、遅くとも大晦日の23時頃までには食べ終えるようにしましょう。
具材には、腰が曲がるまで長生きできるように「海老」、運がつくように「とろろ」、まめ(健康)に暮らせるように「油揚げ」などがおすすめです。
12月が旬の魚介・野菜・果物一覧(ブリ、大根、みかん等)
12月は寒さが増すにつれて、食材の甘みや脂の乗りが良くなります。以下に代表的な旬の食材をまとめました。
| 分類 | 主な食材 | 特徴・選び方 |
|---|---|---|
| 魚介類 | ブリ(寒ブリ)、タラ、カキ、カニ、ヒラメ | 寒ブリは脂が乗って最も美味しい時期。お正月の照り焼き用にも最適。 |
| 野菜 | 大根、白菜、ネギ、ほうれん草、春菊 | 霜に当たった葉物野菜や根菜は糖度が増して甘くなります。鍋料理に欠かせません。 |
| 果物 | みかん、りんご、いちご、ゆず | こたつで食べるみかんは冬の風物詩。ビタミンC補給に。 |
手紙・メール・スピーチで使える「12月の挨拶」と季語
12月は、お歳暮の添え状、年賀状の準備、年末の挨拶回りなど、文章を書く機会が多い月です。相手を気遣う温かい言葉を添えて、円滑なコミュニケーションを図りましょう。
【上旬・中旬・下旬別】時候の挨拶・書き出しの文例
【12月上旬】
- 師走に入り、寒気ことのほか厳しくなってまいりました。
- カレンダーも最後の一枚となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
- 寒冷の候、貴社におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
【12月中旬】
- 年の瀬も押し迫ってまいりました。
- 街はクリスマスのイルミネーションで華やいでおります。
- 寒気厳しき折、皆様におかれましてはお変わりございませんか。
【12月下旬】
- 今年も残すところあとわずかとなりました。
- 年末ご多忙の折ではございますが、いかがお過ごしでしょうか。
- 歳末の候、平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
ビジネス・フォーマルで使える結びの言葉
- 年末ご多忙の折ではございますが、何卒ご自愛くださいませ。
- 来年も変わらぬご愛顧のほど、心よりお願い申し上げます。
- どうぞ良いお年をお迎えになられますよう、お祈り申し上げます。
親しい人へ送るカジュアルなメッセージ・LINE例文
- 寒くなってきたけど、風邪ひいてない?温かくして過ごしてね。
- 今年も一年ありがとう!来年も美味しいもの食べに行こうね。
- 忙しい年末だと思うけど、無理しないでね。良いお年を!
12月の主要な季語(初冬・仲冬・晩冬)
手紙や俳句に季節感を添える季語です。
- 時候:師走、冬至、極月(ごくげつ)、年の暮、クリスマス
- 生活:煤払い、お歳暮、年越しそば、カレンダー、日記、暖房
- 植物:ポインセチア、シクラメン、寒椿、枯れ木
- 動物:熊(冬眠)、千鳥
【対象別】12月の行事・レクリエーションのアイデア集
12月の行事は、伝える相手や環境によって楽しみ方が異なります。ここでは、保育、介護、家庭それぞれのシーンに合わせた具体的なアイデアを提案します。
【保育園・幼稚園向け】子供に伝えたい行事の由来と製作アイデア
子供たちには、難しい言葉よりも「体験」を通じて行事の楽しさを伝えましょう。
- 伝え方のヒント:
「大掃除はね、お正月に神様が来た時に『きれいなお部屋だね!』って喜んでもらうためにするんだよ」と、神様(お客様)を迎える視点で話すと伝わりやすいです。 - 製作アイデア:
クリスマスリース作り(紙皿やマカロニを使用)、年賀状ごっこ(芋版スタンプ)、ミニ門松作り(トイレットペーパーの芯を使用)。
【高齢者施設向け】回想法にも使える12月の話題とレク
高齢者の方々にとって、年末行事は懐かしい記憶を呼び起こす大切なきっかけになります。
- 話題提供(回想法):
「昔の煤払いはどんな道具を使っていましたか?」「子供の頃、お正月にはどんな着物を着ましたか?」など、五感に訴える質問が効果的です。 - レクリエーション:
柚子湯体験(手浴や足浴でも可)、紅白歌合戦の歴代名曲クイズ、しめ飾り作り(わらの代わりに紙紐を使用)。
【家庭向け】子供と楽しむ年末の準備と伝統体験
家庭は伝統文化を継承する最小単位です。完璧でなくても構いません。
- 一緒に大掃除:
子供専用の雑巾を用意し、「窓拭き隊長」など役割を与えてイベント化します。 - 冬至の実験:
柚子湯に入る前に、お風呂に柚子を浮かべて「浮くかな?沈むかな?」と実験したり、香りを嗅いだりして楽しみます。 - 年越しそばのトッピング:
好きな具材を自分で乗せる「セルフ年越しそば」にすると、子供も喜んで食べます。
12月の行事に関するよくある質問
最後に、12月の行事に関してよく寄せられる質問に、専門家の視点からお答えします。
Q. 喪中の場合、お歳暮や年越しそばはどうすればいい?
日本文化研究家のアドバイス
「喪中であっても、お歳暮を贈ることに問題はありません。お歳暮は『お祝い』ではなく、日頃の感謝を伝える『お礼』だからです。ただし、紅白の水引は避け、地味な包装紙を選びましょう。贈る時期も、松の内(お正月)にかからないよう、年内に届くように手配するのがマナーです。
年越しそばも同様に、食べて構いません。『細く長く生きる』という長寿の願いや、『災厄を断ち切る』という意味ですので、喪中だからといって控える必要はないのです。ただし、派手な宴会騒ぎは慎み、静かに一年を振り返る時間としてください」
Q. 冬至の日付は毎年変わるのですか?
はい、変わります。冬至は「二十四節気」の一つであり、太陽の動き(黄道上の位置)によって決まります。地球が太陽の周りを回る公転周期はきっちり365日ではないため、毎年少しずつズレが生じます。現在は12月21日か22日になることが多いですが、必ずカレンダーや国立天文台の情報を確認することをおすすめします。
Q. 門松やしめ飾りはいつから飾るのが正解?(一夜飾りの回避)
お正月飾りは、12月13日の「正月事始め」以降ならいつでも飾って良いとされていますが、現代ではクリスマスが終わった25日以降〜28日頃に飾るのが一般的です。
避けるべき日は以下の通りです。
- 12月29日:「二重苦」「苦立て」につながり縁起が悪いとされます(ただし、「ふく(福)」と読んで良しとする地域もあります)。
- 12月31日:「一夜飾り(いちやかざり)」と言い、神様をお迎えするのに前日に慌てて飾るのは失礼にあたるため、避けます。
したがって、12月28日までに飾るか、30日に飾るのがベストです。
まとめ:12月の行事を丁寧に過ごし、清らかな心で新年を迎えましょう
12月(師走)の行事について、その由来から実践方法までをご紹介しました。
忙しい年末ですが、一つひとつの行事には「一年の穢れを祓い、新しい力をチャージする」という共通の目的があります。すべてを完璧にこなそうとする必要はありません。柚子湯にゆっくり浸かるだけでも、玄関を少し丁寧に掃除するだけでも、それは立派な「迎春準備」です。
日本文化研究家のアドバイス
「師走の忙しさの中でこそ、『心に余白』を持つことを意識してください。行事はタスク(義務)ではなく、心を整えるための栞(しおり)です。丁寧に入れたお茶を飲む時間、季節の花を一輪飾る余裕。そうした小さな積み重ねが、清々しい新年を迎えるための土台となります。どうぞ、穏やかで良いお年をお迎えください」
最後に、年末年始の準備に向けた最終チェックリストをご用意しました。これらを参考に、残りの日々を計画的にお過ごしください。
年末年始準備・最終チェックリスト
- お歳暮の手配(12月20日頃まで)
- 年賀状の投函(12月25日までに投函で元旦到着)
- 大掃除の計画と実施(ゴミ収集日の最終確認)
- クリスマスケーキ・チキンの予約
- お正月飾り(門松・しめ縄・鏡餅)の購入と飾り付け(28日or30日)
- おせち料理の材料買い出し・予約
- ポチ袋(お年玉)と新札の準備
- 年越しそばの準備
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