「朝は完璧に隠せたはずのクマが、夕方になるとひび割れて目立ってしまう」
「シミを隠そうとすればするほど、厚塗り感が出て逆に老けて見える」
メイクアップの現場で多くのお客様から寄せられる、切実な悩みのひとつがコンシーラーの使い方です。特に20代後半から30代にかけては、肌の水分量が変化し、学生時代と同じアイテムや塗り方では対応できなくなる時期でもあります。
結論から申し上げますと、コンシーラーで最も重要なのは「悩みに合わせた色とテクスチャーの使い分け」と「薄膜(はくまく)で仕上げるツール使い」です。どんなに高価なデパコスを使っても、この2つの理論が間違っていれば、美しい仕上がりは持続しません。
この記事では、現役メイクアップアーティストである筆者が監修し、あなたの肌悩み(クマ・シミ・ニキビ跡)を自然にカバーし、夕方まで乾燥・ヨレ知らずの肌を作るためのプロの技術を余すことなく伝授します。明日からのメイクが劇的に変わる「一生モノの技術」を、ぜひ持ち帰ってください。
この記事でわかること
- 悩み別(青クマ・茶クマ・黒クマ・シミ)に最適な色の選び方と補色理論
- プロが現場で愛用する、乾燥肌でも割れないおすすめコンシーラーの選び方
- 「隠しています感」を出さずにカバーする、ブラシと指を使った実践テクニック
コンシーラー選びの基礎知識:種類と特徴を理解する
「コンシーラー」とひと口に言っても、その形状や性質は多岐にわたります。現在お使いのアイテムが「なんとなく合わない」と感じている場合、そもそも選んでいる種類が、隠したいトラブルの性質とマッチしていない可能性が高いです。
まずは、コンシーラーの主要な4つのタイプについて、それぞれのメリット・デメリットと、適した使用箇所を整理しましょう。ここを理解することが、コンシーラー選びの第一歩です。
リキッドタイプ:広範囲のカバーと保湿力が魅力
リキッドタイプは、水分と油分のバランスが良く、ファンデーションに近い感覚で使える最もポピュラーな形状です。チップや筆が付属していることが多く、肌への伸びが良いのが最大の特徴です。
このタイプの最大のメリットは「保湿力」と「ストレッチ性」です。皮膚が薄く、瞬きなどで常によく動く目元や口元に使用しても、表情の動きに合わせて伸縮してくれるため、ひび割れやヨレが起きにくいのです。カバー力はナチュラルなものから高いものまで様々ですが、広範囲の色ムラ補正や、クマ隠しに最適です。
クリーム・パレットタイプ:カバー力と調整のしやすさが両立
小さなパレットに2〜3色が入っていることが多いクリームタイプは、プロの現場でも使用頻度が非常に高いアイテムです。リキッドよりも硬く、スティックよりも柔らかい、絶妙なテクスチャーを持っています。
このタイプの強みは「色のカスタマイズができること」です。自分の肌色や隠したいトラブルの色に合わせて、パレット上の色を混ぜ合わせ、オーダーメイドの色を作ることができます。また、密着力が高いため、濃いクマやニキビ跡など、ピンポイントでしっかり隠したい場所に効果を発揮します。
スティックタイプ:頑固なシミやニキビ跡に密着
口紅のような形状をしたスティックタイプは、油分とワックス成分が多く配合されており、硬めのテクスチャーが特徴です。肌にピタッと留まる力が非常に強く、一度塗ると動きにくい性質があります。
そのため、「濃いシミ」や「治りかけのニキビ跡」など、絶対に動かしたくない、透けさせたくないポイントのカバーに特化しています。ただし、厚塗りになりやすいため、目元などの広い範囲に塗るとシワに入り込んでしまうリスクがあります。あくまで「点」で使うアイテムだと認識してください。
ペンシルタイプ:ほくろや唇の輪郭補正に特化
鉛筆のような形状のペンシルタイプは、最も硬く、細かい作業に適しています。小さなほくろや、シミをピンポイントで塗りつぶす際に使用します。
また、眉毛の輪郭を整えたり、唇の口角をキュッと上げたりといった「パーツの形を補正する」用途でも活躍します。カバーするというよりは、ラインを整えて清潔感を出すためのツールとして持っておくと便利です。
詳細解説:コンシーラーの種類別「カバー力」×「保湿力」マトリクス
| 種類 | カバー力 | 保湿力・ストレッチ性 | 最適な使用部位 |
|---|---|---|---|
| スティック | ★★★★★ (非常に高い) |
★★☆☆☆ (低い) |
頬のシミ、ニキビ跡 (動かない部分) |
| クリーム (パレット) |
★★★★☆ (高い) |
★★★☆☆ (普通) |
クマ、小鼻の赤み、ニキビ (万能) |
| リキッド | ★★★☆☆ (中〜高) |
★★★★★ (非常に高い) |
目元のクマ、広範囲のくすみ (よく動く部分) |
| ペンシル | ★★★★☆ (高い) |
★☆☆☆☆ (非常に低い) |
ほくろ、唇の輪郭、眉周り (線・点) |
【プロ監修】失敗しないコンシーラーの選び方3つの鉄則
種類を理解したところで、次は具体的な選び方のルールを解説します。「人気ランキング1位だから」という理由だけで選ぶと、自分の肌質や悩みと合致せず、失敗する原因になります。プロがアイテムを選定する際に必ずチェックしている、3つの鉄則をご紹介します。
鉄則1:肌質と部位でテクスチャーを使い分ける
コンシーラー選びで最も重要なのは、「塗る場所の皮膚の動き」と「テクスチャーの硬さ」を合わせることです。
顔の皮膚は一枚で繋がっていますが、部位によって厚みや動きが全く異なります。特に目元は、顔の中で最も皮膚が薄く(頬の約3分の1の薄さ)、1日に約2万回もの瞬きをする過酷な環境です。ここに、動きに追従できない「硬いスティックタイプ」を塗ってしまうと、瞬きのたびにコンシーラーの層が割れ、夕方にはシワが目立つ「老け見え」状態になってしまいます。
逆に、頬にあるシミは皮膚があまり動かない場所にあるため、柔らかいリキッドでは定着せず、すぐに取れてしまいます。動く場所には柔らかいものを、動かない場所には硬いものを。これが崩れないベースメイクの基本原則です。
現役メイクアップアーティストのアドバイス
「多くの人が、カバー力を求めすぎて目元に硬いスティックタイプを使い、夕方にシワ割れを起こしています。目元は顔の中で最も皮膚が薄く、瞬きで常に動くパーツです。カバー力よりも『ストレッチ性(伸縮性)』と『保湿力』のあるリキッドや柔らかいクリームを選びましょう。多少透けていても、質感が整っている方が肌は綺麗に見えます。」
鉄則2:「補色(反対色)」を使って色で打ち消す
「コンシーラーを塗っても、下の色がグレーっぽく透けて見える」という経験はありませんか?これは、色の選び方が間違っている証拠です。色ムラを隠すには、単に肌色を重ねるのではなく、「補色(反対色)」の原理を利用する必要があります。
補色とは、色相環(カラーサークル)において正反対に位置する色の組み合わせのことです。補色同士を混ぜ合わせると、お互いの色を打ち消し合い、無彩色(グレーやベージュ)に近づく性質があります。
- 青クマ(血行不良):青の補色である「オレンジ」や「サーモンピンク」
- 赤み(ニキビ・小鼻):赤の補色である「グリーン」や「イエロー」
- 茶クマ(色素沈着):くすみを飛ばす「イエロー」や「ベージュ」
このように、トラブルの色と反対の色をぶつけることで、薄塗りでも驚くほど綺麗にカバーすることができます。肌色と同じベージュを厚塗りするよりも、補色の薄い膜を一枚挟む方が、圧倒的に自然で透明感のある仕上がりになります。
鉄則3:ファンデーションの種類との相性を考える
普段使っているファンデーションが「リキッド(またはクッション)」なのか、「パウダー」なのかによって、コンシーラーを使うべきタイミングと相性の良い質感が変わります。
原則として、コンシーラーは「油分の多いものから粉体の多いものへ」という順序で使用します。リキッドファンデーションの場合は、ファンデーションの後にコンシーラーを使います。これにより、ファンデーションで隠しきれなかった部分だけをピンポイントでカバーでき、厚塗りを防げます。
一方、パウダーファンデーションの場合は、ファンデーションの前にコンシーラーを仕込みます。パウダーの上に油分の多いコンシーラーを重ねると、粉がヨレて汚くなってしまうからです。自分のベースメイクのルーティンに合わせて、最適なアイテムを選定しましょう。
悩み別・肌質別!プロが推すおすすめコンシーラーの選び方
ここでは、特定のブランドや商品をランキング形式で紹介するのではなく、プロの視点で「どのようなスペックの商品を選ぶべきか」という具体的な選定基準を、悩み別に解説します。ドラッグストアやデパートで商品を選ぶ際の「チェックリスト」としてご活用ください。
【頑固なクマに】血色感でカバーするオレンジ系コンシーラー
青黒いクマに悩む方が選ぶべきは、「鮮やかなオレンジ色」が含まれているアイテムです。ベージュ色だけで隠そうとすると、どうしてもグレーに濁ってしまいます。
おすすめは、オレンジとベージュがセットになった2色以上のパレットタイプ、もしくはオレンジ味の強いリキッドタイプです。プチプラ・デパコス問わず、「アプリコット」や「サーモン」という色名がついているものを探してください。手の甲に出した時に「少し派手かな?」と思うくらいのオレンジの方が、肌に乗せると青みと中和して自然な肌色に変化します。
【シミ・ニキビ跡に】高密着でヨレないハード系コンシーラー
点在するシミやニキビ跡を消すには、肌への「固着力」が何よりも重要です。選ぶべきは、硬めのテクスチャーのスティックタイプ、またはパレットタイプの中でも硬めの質感のものです。
パッケージや説明文に「高密着」「ハード」「ウォータープルーフ」といったキーワードがある商品を選びましょう。また、色は自分の肌よりも「ワントーン暗め」を選ぶのがポイントです。明るい色は膨張色となり、かえってシミを浮き上がらせてしまうからです。
【乾燥肌・目元に】美容液成分配合の保湿重視コンシーラー
目元の乾燥や小じわが気になる方、あるいは30代以降の方は、メイク効果だけでなく「スキンケア効果」も兼ね備えたコンシーラーを選ぶ必要があります。
成分表示を見て、ヒアルロン酸、コラーゲン、セラミド、植物オイルなどの保湿成分が上位に配合されているか確認してください。形状は間違いなくリキッドタイプ、あるいは美容液成分を固めたようなメルティングなクリームタイプが推奨されます。「美容液コンシーラー」と銘打たれている商品は、時間が経ってもパサつきにくく、目元のエイジングサインを悪目立ちさせません。
【万能選手】色を混ぜて使える多色パレット
「クマもシミも赤みも気になる」という方には、3色〜4色がセットになったパレットタイプが最もコストパフォーマンスが良いでしょう。明るいベージュ、暗いベージュ、そしてオレンジやピンクが入っているものが理想的です。
パレットタイプの利点は、季節によって変化する肌色に合わせて色を微調整できることです。また、付属のブラシが使いやすいかどうかも選ぶポイントになります。ブラシが硬すぎず、大小2種類のチップや筆がついているものは、初心者でも扱いやすく失敗が少ない傾向にあります。
詳細解説:失敗しないためのスペック比較表
| 悩み | 推奨タイプ | 必須カラー | 重視すべき機能 |
|---|---|---|---|
| 青クマ | リキッド / クリーム | オレンジ / サーモン | 保湿力・ストレッチ性 |
| 茶クマ | リキッド | イエロー / ベージュ | トーンアップ効果 |
| シミ | スティック / ペンシル | 肌より暗いベージュ | 高密着・硬さ |
| ニキビ・赤み | クリーム / スティック | グリーン / ベージュ | 殺菌成分・ノンコメド |
基本の使い方:プロ級の仕上がりを作る「塗る順番」と「ツール」
最適なコンシーラーを手に入れても、塗り方が自己流ではその効果を半減させてしまいます。特に重要なのは「ツール(道具)」の使い方です。指だけで仕上げようとすると、どうしても厚塗りになりがちです。ここでは、プロが実践しているツール使いと手順を解説します。
ファンデーションとの正しい使用順序
前述の通り、ファンデーションのタイプによって順番が変わりますが、ここでは現在主流の「リキッドファンデーション(またはクッションファンデーション)」を使用する場合の手順を詳しく見ていきます。
- 下地(コントロールカラー):顔全体のトーンを整えます。
- ファンデーション:顔全体に薄く塗ります。この時点で隠れなかったトラブルだけを確認します。
- コンシーラー:気になる部分にのみ、最小限の量を乗せます。
- フェイスパウダー:コンシーラーを定着させるために、必ず上からパウダーで押さえます。
この「最小限の量」というのがポイントです。ファンデーションで7割カバーし、残りの3割をコンシーラーで補うイメージを持つと、厚塗りを防げます。
指・スポンジ・ブラシの使い分けで仕上がりが変わる
プロのメイクアップアーティストは、必ずと言っていいほどコンシーラーブラシを使用します。なぜなら、指には指紋という凹凸があり、均一な面を作ることが難しいからです。
- ブラシ(平筆):コンシーラーを肌に「置く」ために使います。色ムラなく、極薄の膜を作ることができます。
- スポンジ:余分な油分を吸い取りながら、肌にコンシーラーを「密着」させるために使います。
- 指:体温を利用して、コンシーラーの境界線を「ぼかす」ために使います。
現役メイクアップアーティストのアドバイス
「指で塗ると、指紋の凹凸がスタンプされてしまったり、体温でコンシーラーが溶けすぎてカバー力が落ちたりすることがあります。プロのような均一な『薄膜』を作るなら、コシのある合成繊維の平筆コンシーラーブラシが必須です。指は最後の『ぼかし』の工程だけで使いましょう。」
厚塗りを防ぐ「点置き」と「なじませ」の極意
コンシーラーを塗る際、ベタッと塗り絵のように塗りつぶしていませんか?これは崩れの原因になります。正しくは「点置き」です。
隠したい部分の中心にコンシーラーをブラシで少量置き、その周囲(アウトライン)だけをブラシや指でトントンとぼかしていきます。中心部分には触れないことが重要です。中心を触ってしまうと、せっかく乗せたカバー材が剥げてしまい、いつまで経っても隠れないという悪循環に陥ります。「中心は触らず、輪郭だけぼかす」。これを徹底するだけで、カバー力は格段に上がります。
【部位別実践編】クマ・シミ・ニキビを自然に消すテクニック
ここからは、具体的な悩み別の実践テクニックを解説します。鏡を見ながら、ご自身の悩みと照らし合わせて実践してみてください。
【クマ編】「隠す」のではなく「光で飛ばす」3点置きテクニック
クマを隠そうとして、目のキワ(まつ毛の生え際)ギリギリまでコンシーラーを塗っていませんか?これは目が小さく見え、厚塗り感が出る最大の原因です。
正解は、「クマが一番濃いライン(影になっている部分)」にのみコンシーラーを乗せることです。目のキワは数ミリ空けておきます。
- 色選び:青クマならオレンジ、茶クマならイエロー系のリキッドを選びます。
- 配置:目頭の下、クマの境界線上にコンシーラーを少量のせます。
- なじませ:指かスポンジで、下方向と横方向へ放射状にぼかします。目のキワに残ったわずかなコンシーラーを薄く伸ばす程度で十分です。
こうすることで、目の下の「三角ゾーン」が明るくなり、レフ板効果で顔全体がパッと明るく見えます。厚塗りせずとも、光の反射でクマを目立たなくさせるテクニックです。
【シミ編】自分の肌色より「ワントーン暗め」が正解な理由
シミを隠す際、肌を明るく見せたい心理から、明るい色のコンシーラーを選んでしまう方が多いですが、これは逆効果です。白い紙の上に黒い点を打ち、その上から白い絵の具を塗るとグレーに見えるのと同じ現象が起きます。
シミは「茶色い色素」です。これを打ち消すには、肌と同じか、少し暗めのベージュが必要です。
筆者の体験談
「新人時代、シミを隠そうとして肌より明るい色を重ね続け、逆にシミ部分が灰色っぽく浮き上がってしまった経験があります。シミは『影』ではなく『色素』なので、肌と同じか少し暗いベージュで色素を沈めてから、周囲をぼかすのが鉄則です。暗い色でカバーした後、上からパウダーを重ねれば、色は自然に馴染みます。」
【ニキビ・赤み編】グリーンとベージュのミルフィーユ塗り
炎症を起こしている赤ニキビは、立体感があるため隠すのが最も難しいトラブルです。ここでは「色」と「質感」のサンドイッチ技を使います。
- 赤み消し:グリーンのコントロールカラーかコンシーラーを、赤みのある部分にピンポイントで乗せます。
- カバー:その上から、肌色に合った硬めのコンシーラー(ベージュ)を重ねます。
- 定着:最後にフェイスパウダーをブラシでふわっと乗せます。
この時、絶対に擦ってはいけません。優しく「置く」ように重ねていくのがポイントです。ニキビ用の薬用コンシーラーを使うと、メイクしながらケアもできるのでおすすめです。
【口角・小鼻編】清潔感を底上げする「くすみ飛ばし」術
年齢とともに下がってくる口角や、赤みが出やすい小鼻の周りは、顔の印象を左右する重要なパーツです。ここがくすんでいると、疲れた印象や不潔な印象を与えてしまいます。
小鼻の脇の赤みにはイエロー系のコンシーラーを、口角の下のくすみには明るめのベージュコンシーラーを、筆でラインを引くように入れます。そしてスポンジで上に向かって引き上げるようにぼかします。これだけで、口角がキュッと上がって見え、顔全体の清潔感とリフトアップ効果が得られます。
夕方まで崩さない!乾燥・ヨレを防ぐプロの「仕込み」と「直し」
朝きれいに仕上げても、夕方に崩れてしまっては意味がありません。崩れの原因は主に「乾燥」と「過剰な油分」のどちらかです。プロが撮影現場で行っている、崩れ防止の仕込みと、万が一崩れた時のリカバリー術を紹介します。
スキンケア段階での保湿が8割を決める
コンシーラーがひび割れる最大の原因は、土台となる肌の水分不足です。メイク前のスキンケアでは、特に目元を入念に保湿してください。ただし、油分の多いクリームを塗りすぎると、逆にコンシーラーが滑ってヨレてしまいます。
化粧水でたっぷりと水分を与えた後、乳液やクリームは薄く均一に伸ばし、最後にハンドプレスでしっかりと浸透させます。肌の表面がベタベタせず、吸い付くような「もちっ」とした状態が、メイク開始のベストタイミングです。
余分な油分をオフする「ティッシュオフ」の重要性
スキンケアの後、またはファンデーションを塗った後、コンシーラーを塗る直前に、一度ティッシュで軽く押さえて余分な油分を取り除きます。このひと手間があるだけで、コンシーラーの密着度が劇的に向上します。
特に油分が出やすい小鼻周りや、スキンケアが溜まりやすい目尻のキワなどは、綿棒で軽く拭っておくと、時間の経過によるヨレを防げます。
仕上げのフェイスパウダーは「置くように」乗せる
コンシーラーを塗った後は、必ずフェイスパウダー(おしろい)で蓋をします。コンシーラーは油分を含んでいるため、そのままにしておくと瞬きの摩擦などで簡単に取れてしまいます。
パウダーをパフやブラシに取ったら、一度手の甲で量を調節し、コンシーラーを塗った部分に「ふわっと置くように」乗せます。決して横に滑らせてはいけません。滑らせると、下のコンシーラーが剥がれてしまいます。垂直に圧をかけるイメージで、粉をフィックスさせましょう。
もしヨレてしまったら?乳液を使ったリカバリー術
どんなに対策しても、乾燥したオフィス環境などで夕方に目元が割れてしまうことはあります。そんな時、上からパウダーを重ねるのはNGです。乾燥が進み、さらにシワが目立ってしまいます。
現役メイクアップアーティストのアドバイス
「撮影現場でモデルさんの目元が乾燥で割れてしまった時、絶対に上からパウダーを重ねてはいけません。綿棒に少量の乳液やバームを含ませ、ヨレた部分を優しく拭き取って保湿してから、リキッドコンシーラーを極薄く重ね直します。これが最も綺麗に復活する方法です。乳液がない場合は、リップクリームを指に少量取り、トントンと馴染ませるだけでもシワが目立たなくなります。」
コンシーラーに関するよくある質問 (FAQ)
最後に、コンシーラー選びや使い方に関して、よくある質問にお答えします。
Q. プチプラとデパコス、コンシーラーに大きな違いはありますか?
近年はプチプラコスメの品質も非常に向上しており、カバー力だけで言えばデパコスに引けを取らないものも多くあります。しかし、大きな違いが出やすいのは「保湿力の持続性」と「色出しの繊細さ」です。
デパコス(高価格帯)のコンシーラーは、美容液成分が豊富に含まれており、長時間つけていても乾燥しにくい処方になっているものが多い傾向にあります。また、カラーバリエーションが豊富で、絶妙な肌色のニュアンスに合わせやすいのも特徴です。目元の乾燥が深刻な方はデパコスを、ニキビ跡などのポイントカバーにはプチプラをと、使い分けるのも賢い方法です。
Q. コンシーラーを使うと逆にシワが目立ってしまいます。対策は?
シワが目立つ主な原因は「塗りすぎ(厚塗り)」と「乾燥」です。まず、使用量を現在の半分に減らしてみてください。そして、塗る位置をシワの真上ではなく、シワの影になっている部分にずらします。
また、テクスチャーが硬すぎる可能性があります。より柔らかいリキッドタイプや、光拡散効果(パール配合など)のあるハイライト的なコンシーラーに変えて、シワを「埋める」のではなく「光で飛ばす」アプローチに変えてみましょう。
Q. 敏感肌で荒れやすいのですが、選び方のポイントは?
敏感肌の方は、カバー力よりも「落としやすさ」と「成分」を重視しましょう。石けんで落とせるミネラルコスメブランドのコンシーラーや、「ノンコメドジェニックテスト済み」「アレルギーテスト済み」と記載のある商品が安心です。
また、チップやブラシを清潔に保つことも重要です。直接肌に触れるチップは雑菌が繁殖しやすいため、使用後はティッシュで拭き取るか、手の甲に出してから指で塗るように心がけてください。
Q. メンズ用コンシーラーと女性用の違いは何ですか?
メンズ用コンシーラーは、一般的に女性用よりも色が暗めに設定されており、男性の肌色に馴染みやすいように作られています。また、皮脂吸着パウダーなどが配合されており、テカリを抑える機能がついているものが多いです。
しかし、成分的に大きな違いがあるわけではないため、女性がメンズ用を使っても、男性が女性用を使っても全く問題ありません。自分の肌色に合うかどうかが最も重要な基準です。
まとめ:自分に合ったコンシーラー選びで「素肌美人」を目指そう
コンシーラーは、単に欠点を隠すための道具ではありません。自分の骨格や肌質を理解し、適切な色と位置に乗せることで、顔全体の印象を明るくし、清潔感を引き出す魔法のアイテムです。
「隠す」ことに必死になるのではなく、光と色の力を借りて「目立たなくする」。この意識を持つだけで、メイクの仕上がりは驚くほどナチュラルになります。今回ご紹介したテクニックを一つずつ実践し、夕方鏡を見てもガッカリしない、自信の持てる肌を手に入れてください。
要点チェックリスト
- 自分の悩み(クマ・シミ・ニキビ)の種類を特定できているか
- 悩みに対応した「補色」を選べているか(青クマならオレンジ、赤みならグリーン等)
- 目元には保湿力の高いリキッド、シミには密着するスティックを選んだか
- ツール(ブラシ・スポンジ)を使って、中心を触らず周囲をぼかす「薄膜仕上げ」を意識しているか
- 仕上げにフェイスパウダーで優しく蓋をしているか
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