「せっかく美容院で綺麗なミルクティーベージュにしたのに、2週間もしないうちに金髪に戻ってしまった……」
「ブリーチ後の黄ばみが気になって、髪が傷んで見えるのが悩み」
このような経験はありませんか?実は、ヘアカラーの色持ちを左右するのは、美容院での施術そのものよりも、その後の「ホームケア」にかかっています。その中心的な役割を果たすのが、今回徹底解説する「カラーシャンプー」です。
しかし、ドラッグストアやネットショップには数え切れないほどの種類が並び、「どれを選べばいいのかわからない」「使ってみたけど効果が感じられなかった」「逆に髪がギシギシになった」という失敗談も後を絶ちません。
結論から申し上げますと、カラーシャンプー選びで最も重要なのは、自分の髪の現状に合った「適切な色選び」と、ダメージを進行させない「成分の見極め」です。そして、ただ洗うだけではない「プロ仕様の使い方」を実践することで、その効果は何倍にも跳ね上がります。
この記事では、月間150名以上の指名を受ける現役カラーリスト兼毛髪診断士の視点から、以下の3点を中心に徹底的に解説します。
- 髪色別・悩み別に厳選したおすすめカラーシャンプーと、失敗しない選び方の基準
- 黄ばみや色落ちを防ぎ、サロンカラーを1ヶ月キープするためのプロ直伝の正しい使い方
- 「爪が汚れる」「きしむ」「ムラになる」などのトラブルを未然に防ぐ具体的な対策
メーカーの公式サイトには書かれていない現場のリアルな知識と、今日から実践できるテクニックを網羅しました。この記事を読み終える頃には、あなたのバスタイムが「髪色を守る特別な時間」に変わり、次回の美容院まで美しい髪色を楽しめるようになるはずです。
カラーシャンプーとは?効果と仕組みを正しく理解する
まずはじめに、カラーシャンプーというアイテムの本質について深く理解しておきましょう。多くの人が抱く「シャンプーで髪が染まるの?」という疑問に対し、プロとして正確にお答えします。カラーシャンプーは、通常のシャンプーとは全く異なる目的で作られた、非常に特殊なヘアケアアイテムです。
このセクションでは、カラーシャンプーができること、そして逆に「できないこと」を明確にし、トリートメントやヘアマニキュアとの違いについても詳しく解説します。基礎知識を固めることで、後の選び方や使い方の理解度が格段に深まります。
洗浄と染色を同時に行う仕組みとメリット
カラーシャンプーとは、その名の通り「染料(色素)が配合されたシャンプー」のことです。一般的なシャンプーが「汚れを落とすこと」を主目的としているのに対し、カラーシャンプーは「汚れを落としながら、髪の表面に色素を定着させること」を目的としています。
その仕組みは、シャンプー剤の中に配合された微細な塩基性染料やHC染料などが、キューティクルの隙間や表面に付着することで発色するというものです。ヘアカラー剤(アルカリカラー)のように髪の内部にあるメラニン色素を分解して脱色する力はありません。あくまで、今の髪色の上から薄い色のヴェールを重ねるようなイメージを持ってください。
最大のメリットは、「毎日のバスタイムで手軽に色味を補充できること」です。美容院で染めたヘアカラーは、シャンプーをするたびに少しずつ流出し、色が抜けていきます。カラーシャンプーを使うことで、流出した色味をその都度補うことができるため、退色(色落ち)のスピードを緩やかにし、綺麗な髪色を長く楽しむことが可能になります。
【注意】黒髪や白髪には染まらない?カラーシャンプーの限界
ここで非常に重要な注意点をお伝えしなければなりません。それは、「カラーシャンプーは黒髪や健康な白髪を染める力はほとんどない」ということです。
カラーシャンプーに配合されている染料は、ブリーチなどで明るくなった髪や、ダメージを受けてキューティクルが開いている髪には吸着しやすい性質を持っています。しかし、健康で黒々とした髪や、撥水性の高い白髪に対しては、色素が入り込む隙間がなく、表面を滑り落ちてしまうだけです。
「黒髪を茶色くしたいからブラウンのカラーシャンプーを使う」や「白髪染めの代わりに黒のカラーシャンプーを使う」というのは、残念ながら期待する効果が得られません。カラーシャンプーはあくまで、「すでに明るくなっている髪の色味補正」や「退色防止」のためのアイテムであると認識してください。
トリートメントやヘアマニキュアとの違いと使い分け
「カラートリートメント」や「ヘアマニキュア(酸性カラー)」と何が違うのか、混同されがちですが、それぞれの役割は明確に異なります。以下の比較表で整理してみましょう。
▼【詳細比較】カラーシャンプー・カラートリートメント・ヘアカラーの違い
| 項目 | カラーシャンプー | カラートリートメント | ヘアカラー(アルカリ) |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 色持ちキープ・黄ばみ消し | ダメージ補修+染色 | 髪色を明るくする・しっかり染める |
| 染まり具合 | 淡い・徐々に染まる | 中程度・シャンプーより濃い | 濃い・一度でしっかり発色 |
| 色持ち | 数日〜1週間(使用をやめると落ちる) | 1週間〜2週間 | 1ヶ月〜2ヶ月 |
| 髪への負担 | 小(成分による) | 極小(ケア成分主体の為) | 大(脱色作用がある為) |
| おすすめの用途 | 日々のメンテナンス、黄ばみ予防 | しっかり色を入れたい時、ダメージケア | 根本的な髪色チェンジ |
カラーシャンプーは洗浄機能があるため、手軽さにおいては一番です。一方、カラートリートメントは補修力が高く、色素もシャンプーより濃い傾向にあります。プロのおすすめとしては、「普段はカラーシャンプーで黄ばみを抑え、色が抜けてきたと感じたらカラートリートメントでしっかり色をチャージする」という併用使いが、最も効率的に美しい髪色を維持する方法です。
現役カラーリストのアドバイス
「お客様によくお伝えするのは、カラーシャンプーは『髪を染める』ものではなく『失われた色を補うサプリメント』のようなものだということです。風邪を引いてから薬を飲むのではなく、健康な状態を保つためにビタミンを摂るように、色が抜けきる前から使い始めるのが美髪キープのコツですよ」
【色選びの失敗回避】髪色別・最適なカラーシャンプーの選び方
カラーシャンプーの効果を実感できない最大の原因は、「自分の髪色に合っていない色を選んでいること」にあります。間違った色を選ぶと、効果がないどころか、髪色が濁ったり、意図しない変な色(緑色など)になってしまったりするリスクさえあります。
このセクションでは、色彩学の基本である「補色(反対色)」の理論を用いて、なぜその色を選ぶべきなのかを論理的に解説します。感覚ではなく理論で選ぶことで、失敗のリスクを限りなくゼロに近づけましょう。
失敗しないための「補色(反対色)」の基礎知識
ヘアカラーの色持ちを良くするためには、色相環(しきそうかん)という色の関係性を理解する必要があります。特に重要なのが「補色」という関係です。補色とは、色相環で正反対に位置する色の組み合わせのことで、「互いの色を打ち消し合う」という性質を持っています。
日本人の髪は、ブリーチやカラーで明るくすると、メラニン色素の影響で「黄色」や「オレンジ(赤味)」が残りやすい特徴があります。この嫌な色味を打ち消すために、補色の関係にあるカラーシャンプーを使用するのです。
- 黄ばみ(Yellow)を消したい → 補色は紫(Purple)
- 赤み(Red)を消したい → 補色は緑(Green / Matte)
- オレンジ(Orange)を消したい → 補色は青(Blue / Ash)
この原則さえ覚えておけば、どのカラーシャンプーを選ぶべきか迷うことはなくなります。
【紫(ムラシャン)】黄ばみを消して透明感を出したい人へ
通称「ムラシャン」と呼ばれる紫シャンプーは、最もポピュラーで需要が高いアイテムです。その役割は、ブリーチ後の髪に出てくる「黄ばみ」を打ち消して白っぽく見せることにあります。
おすすめの対象者:
- ブリーチをして金髪っぽくなっている人
- ホワイト系、ブロンド系、ミルクティーベージュ系のカラーをしている人
- アッシュ系カラーの色落ちで黄色くなるのが嫌な人
紫は黄色の補色であるため、黄色味が強い髪に使うことで、無彩色に近いクリーミーな色合いや、透明感のある白っぽさを表現できます。ただし、黄色味が少ない茶髪に使ってもあまり変化は感じられないでしょう。
【ピンク・赤】暖色系カラーの色落ちを防ぎたい人へ
ピンクや赤のカラーシャンプーは、暖色系のヘアカラーをしている人に必須のアイテムです。暖色系の色素は分子が大きく、髪の表面付近に定着するため、シャンプーで流れ落ちやすいという弱点があります。
おすすめの対象者:
- ピンク、レッド、カシス、オレンジ系のカラーをしている人
- 暖色系特有のツヤ感を維持したい人
- ブリーチなしの茶髪で、ほんのりピンク味を足したい人
ピンクシャンプーは他の色に比べて発色がわかりやすく、ブリーチをしていない明るめの茶髪でも、継続して使うことでほんのりとしたピンクブラウンに変化させることができます。色持ち効果が非常に高いため、美容室に行く頻度を減らせるメリットもあります。
【シルバー・アッシュ】寒色系のくすみをキープしたい人へ
シルバーやアッシュシャンプーは、グレー系や青系の染料を含んでおり、髪の赤みやオレンジ味を抑えて、スモーキーな(くすんだ)色合いを維持するのに役立ちます。
おすすめの対象者:
- シルバー、グレー、グレージュ系のカラーをしている人
- アッシュ系の外国人風カラーを維持したい人
- 髪の赤みやオレンジ味が強く出てしまう人
注意点として、シルバーシャンプーは商品によって「青み」が強いものと「グレー(無彩色)」に近いものがあります。青みが強いものはオレンジ消しに有効ですが、黄色味が強い髪に使うと緑になるリスクがあるため注意が必要です(後述)。
【ブラウン・ベージュ】ナチュラルな退色を楽しみたい人へ
最近人気が高まっているのが、ブラウンやベージュ系のカラーシャンプーです。これは特定の色味を強調するというよりは、「退色してキラキラ浮いてきた白髪や茶髪を落ち着かせる」ために使われます。
おすすめの対象者:
- ナチュラルブラウンやベージュ系のカラーをしている人
- 退色して色が抜けた髪の「ヤンキー感」を消したい人
- 色味を変えずに、髪色の深みだけを戻したい人
まろやかな色合いに仕上がるため、オフィスワークなどで派手な髪色がNGな方にも最適です。
自分の髪色に合わない色を使うとどうなる?(緑になるリスクなど)
カラーシャンプー選びで最も恐ろしい失敗例、それが「髪が緑色になってしまう現象(マトリックス現象)」です。これは、絵の具の混色と同じ理屈で起こります。
「黄色(ブリーチ毛)」+「青(濃いアッシュシャンプー)」=「緑」
特に、ブリーチをして黄色味が強く残っている髪に、濃いブルー系やシルバー系のアッシュシャンプーを使うと、苔のようなマットグリーンにくすんでしまうことがあります。これを防ぐためには、まず「ムラシャン(紫)」で黄ばみを抑えてからアッシュ系を使うか、紫が配合されたアッシュシャンプーを選ぶ必要があります。
現役カラーリストのアドバイス
「ハイトーンの髪色が緑になってしまうと、次のカラー施術にも影響が出るほど厄介です。もし自分の髪の黄色味が強いと感じたら、迷わず『紫シャンプー』を選んでください。アッシュ系を使いたい場合でも、まずは紫でベースを整えることが、綺麗なシルバーヘアへの近道です」
【成分・品質】髪を傷ませないためのチェックポイント
「カラーシャンプーを使ったら、髪がバシバシになった」という声をよく耳にします。これは、染料を定着させるために洗浄力が強めに設定されていたり、髪の手触りを良くする成分が不足していたりする安価な製品を使った場合に起こりやすい現象です。
色を入れることと同じくらい、「髪を傷ませないこと」は重要です。ここでは、パッケージの裏面を見てチェックすべき品質のポイントを解説します。
「アミノ酸系」洗浄成分でダメージケアと色持ちを両立
最も重視すべきは「洗浄成分(界面活性剤)」です。おすすめは、マイルドな洗浄力を持つ「アミノ酸系」や「ベタイン系」の洗浄成分がベースになっているものです。
成分表示の最初の方(水の次あたり)に、以下のような名称があるか確認してください。
- ココイルグルタミン酸TEA
- ラウロイルメチルアラニンNa
- コカミドプロピルベタイン
これらは髪のタンパク質を守りながら優しく洗い上げるため、ヘアカラーの流出を最小限に抑え、きしみを防ぐことができます。逆に、「ラウレス硫酸Na」や「オレフィン(C14-16)スルホン酸Na」などの洗浄力が強い成分が主体のものは、色落ちは防げても髪の乾燥を招く恐れがあるため、ダメージ毛の方は避けたほうが無難です。
色素の濃さ(濃度)を確認する方法と口コミの活用法
カラーシャンプーにおいて「色素の濃さ」は命です。薄すぎるシャンプーでは何度使っても効果を実感できません。しかし、ボトルの外見からは中身の濃さは判断しにくいものです。
実店舗でテスターが見られる場合は、手の甲に少し出してみてください。「透明感のある薄い液体」よりも、「向こう側が見えないほど濃密でドロッとした液体」の方が、一般的に染まりが良い傾向にあります。
ネットで購入する場合は、口コミやレビュー画像で「1回でかなり色が入った」「爪まで染まるほど濃い」といった感想があるものを探すのが一つの目安になります。「爪が染まる」というのはネガティブに捉えられがちですが、裏を返せば「それだけ染料濃度が高く、髪もしっかり染まる」という証拠でもあります。
保湿成分(リピジュア、植物オイル等)の有無をチェック
ブリーチ毛は乾燥しやすいため、保湿成分の配合も欠かせません。以下のような高保湿成分が含まれていると、洗い上がりの手触りが格段に良くなります。
- ポリクオタニウム-61(リピジュア):ヒアルロン酸の2倍の保湿力を持つ成分。
- 加水分解ケラチン / 加水分解シルク:髪の内部補修を行う成分。
- アルガンオイル / シアバター:髪表面をコーティングしツヤを出す植物油。
泡立ちの良さはムラ防止に直結する重要な要素
意外と見落とされがちなのが「泡立ち」です。カラーシャンプーは泡立ちにくい製品も多いのですが、泡立ちが悪いと髪全体に色素が行き渡らず、「色ムラ」の原因になります。
モコモコの濃密な泡が立つシャンプーは、泡そのものに色素が含まれているため、髪全体を均一に包み込み(泡パック)、綺麗に染め上げることができます。成分表で「コカミドDEA」などの泡立ち補助成分が入っているか、あるいは「泡立ちが良い」という評判があるかどうかもチェックポイントの一つです。
現役毛髪診断士のアドバイス
「成分表を見るのが難しい場合は、『ブリーチ毛専用』や『ダメージケア』を謳っているサロン専売メーカーの製品を選ぶのが安心です。市販の安価なものとサロン品では、この『泡の質』と『洗い上がりのしっとり感』に決定的な差が出ます」
目的別!現役プロが推すおすすめカラーシャンプー比較
ここからは、数あるカラーシャンプーの中から、現役プロの視点で「これは使える」と判断したアイテムをタイプ別にご紹介します。特定のブランドを推奨するわけではありませんが、選び方の基準として参考にしてください。
【黄ばみ対策・総合】バランス最強のムラシャンおすすめタイプ
初めてムラシャンを使う方や、失敗したくない方には、「色の濃さ」「泡立ち」「ケア効果」のバランスが取れたサロン専売ブランドの製品がおすすめです。
▼ムラシャン比較のポイント(参考基準)
| タイプ | 色の濃さ | 泡立ち | おすすめの髪質 |
|---|---|---|---|
| バランス型 | ★★★★☆ | ★★★★★ | 軟毛〜普通毛、ブリーチ1〜2回 |
| 高濃度型 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | 剛毛、ブリーチ3回以上、ホワイト系 |
| ケア重視型 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ハイダメージ毛、きしみやすい髪 |
多くの美容室で取り扱われている定番のムラシャン(例:エヌドットやフィヨーレなど)は、日本人の髪質に合わせて調整されており、緑になりにくく、かつ黄ばみをしっかり抑える絶妙な配合になっています。迷ったらこの「サロン定番のバランス型」から始めると良いでしょう。
【ダメージケア重視】しっとり洗える高保湿カラーシャンプー
ブリーチの繰り返しで髪がゴムのように伸びてしまったり、パサつきが酷い方には、洗浄成分がリッチなタイプが適しています。成分表に「加水分解ケラチン」や「ヘマチン」などが配合されているものは、色を入れながら髪の強度を補強してくれます。
このタイプは、洗い上がりがトリートメントをしたかのようにしっとりするのが特徴です。色は少しマイルドな入り方のものが多いですが、毎日使っても髪への負担がほとんどありません。
【発色重視】ガツンと色を入れたい人向けの高濃度タイプ
「とにかく色を濃く入れたい」「1回で変化を感じたい」という方には、海外ブランドや、あえて染料濃度を極限まで高めた製品(例:グッバイイエロー、ロイドの特定のラインなど)が向いています。
液体がインクのように濃い紫色や紺色をしており、放置時間を置くことでかなりしっかりと色が入ります。ただし、手や爪も染まりやすいため、手袋の着用が必須となる場合が多いです。
【コスパ重視】ドンキやドラッグストアで買える市販の実力派
継続して使うものだからこそ、価格も重要です。最近ではドラッグストアやドン・キホーテなどで購入できる市販品の中にも、サロン品に引けを取らない優秀な製品が登場しています。
選ぶ際は、容量あたりの単価だけでなく、「1回の使用量」も考慮しましょう。安くても泡立ちが悪く大量に使わなければならない製品より、少し高くても少量でよく泡立つ製品の方が、結果的にコスパが良いこともあります。
美容師がサロンワークで実際に愛用している「裏名品」
実は、私たちプロがサロンワークでお客様に使う際、単一の商品ではなく「複数のカラーシャンプーを混ぜて使う」ことがあります。
例えば、「濃すぎてムラになりそうな高発色ムラシャン」と「泡立ちの良いケア系ムラシャン」を1:1でブレンドすることで、「操作性(泡立ち)」と「発色」と「ケア」の全てを兼ね備えた特製シャンプーを作ることができます。自宅でも、手持ちのカラーシャンプーが「色が薄い」と感じたら濃いものを足す、逆に「濃すぎる」と感じたら普通のシャンプーを少し混ぜる、といったカスタマイズも、上級者にはおすすめです。
色持ちが変わる!プロ直伝のカラーシャンプーの正しい使い方
最高級のカラーシャンプーを買っても、使い方が間違っていれば効果は半減します。逆に、正しいテクニックを使えば、普通のカラーシャンプーでも驚くほど綺麗に染まります。
ここでは、美容室で私たちが実際に行っている「色ムラなく、しっかり染めるための5ステップ」を伝授します。明日からのお風呂で必ず実践してください。
【準備】予洗いの徹底と水気を切る重要性
まず、シャンプーをつける前の「予洗い(お湯洗い)」を徹底してください。髪に整髪料や皮脂がついていると、カラーシャンプーの泡立ちが悪くなり、色ムラの原因になります。1〜2分かけてしっかりお湯ですすぎ、汚れを落としましょう。
そしてここが最大のポイントですが、「シャンプーをつける前に、髪の水気を手でしっかり絞る」ことです。髪がびしょ濡れの状態だと、水分で染料が薄まってしまい、色の入りが悪くなります。水が滴らない程度まで軽く絞ってから塗布しましょう。
【塗布】通常のシャンプーより多めに使い、空気を含ませて泡立てる
カラーシャンプーの使用量は、「通常のシャンプーの1.5倍〜2倍」が目安です。ケチって少量で洗おうとすると、泡が立たず、摩擦で髪が傷む上に色も入りません。
手のひらで軽く泡立ててから、頭皮ではなく「髪全体」に揉み込むようにして塗布します。空気を巻き込むようにして、モコモコの泡を作り、髪の一本一本を泡で包み込むイメージです。
【放置】5分〜10分が目安!コームを使って均一に馴染ませるテクニック
洗ってすぐに流してはいけません。染料が定着するための時間が必要です。製品にもよりますが、基本は「泡立てた状態で5分〜10分放置(泡パック)」します。
この時、目の粗いコーム(くし)を使って、根元から毛先まで優しくコーミングすると劇的に仕上がりが変わります。手だけでは行き届かない髪の内側まで泡が行き渡り、驚くほど均一に染まります。100円ショップのコームで十分ですので、ぜひ浴室に常備してください。
【洗い流し】色水が出なくなるまでしっかりすすぐ
放置時間が終わったら、ぬるま湯で洗い流します。この時、すすぎが不十分だとタオルや枕への色移りの原因になります。排水溝に流れるお湯の色が透明になるまで、念入りにすすいでください。
トリートメントの順序と併用時のポイント
カラーシャンプーの後は、通常通りトリートメントやコンディショナーで仕上げます。トリートメントは髪の表面をコーティングし、入れた色素を閉じ込める役割も果たします。
もし「カラートリートメント」も併用する場合は、「カラーシャンプー → すすぎ → カラートリートメント → 放置 → すすぎ」の順で行います。
現役カラーリストのアドバイス
「泡立てネットを使って、洗顔フォームのような濃密な泡を作ってから髪に乗せるのも裏技です。泡が濃密であればあるほど、液だれしにくく、放置時間中も快適に過ごせますし、何よりムラになりにくいですよ」
いつから?頻度は?使用タイミングに関する疑問を解決
「カラーした当日に使ってもいいの?」「毎日使うべき?」といった、使用サイクルに関する疑問にお答えします。適切なタイミングを知ることで、効率よく色持ちさせることができます。
カラー直後(当日・翌日)は使わないのが正解?
美容室でカラーをした「当日の夜」は、基本的にシャンプー自体を控えるのがベストです。カラー剤が髪に定着するには24時間程度かかると言われており、当日に洗うと色が抜けやすくなるからです。
カラーシャンプーを使い始めるのは、「カラー施術の翌々日(48時間後)」あたりからが理想です。ただし、美容師さんから「今日は洗わないでね」と言われなかった場合や、夏場でどうしても洗いたい場合は、ぬるま湯で流すだけにするか、洗浄力の優しいカラーシャンプーを軽く使う程度に留めましょう。
最適な頻度は「2〜3日に1回」が基本だが髪色による
使用頻度の目安は、「2〜3日に1回」が一般的です。
通常のシャンプーとカラーシャンプーを交互に使うイメージです。
- 色が抜けやすい人 / ハイトーンの人:2日に1回、あるいは毎日使用してもOK。
- 色をキープしたいだけの人:3日に1回程度で十分。
毎日使うと色が入りすぎて暗くなったり、くすみが強くなりすぎたりする場合があるので、髪色を見ながら調整してください。
次回の美容院に行く直前(1週間前)は使用を控えるべき理由
これは意外と知られていない重要ポイントですが、「美容院に行く1週間前からはカラーシャンプーの使用を中止」してください。
カラーシャンプーの染料が髪に残っていると、美容室での新しいカラー剤の入りを邪魔したり、ブリーチの抜けが悪くなったりする原因になります。美容師に最高の仕事をしてもらうためにも、施術前は素髪の状態に戻しておくのがマナーであり、成功の秘訣です。
色落ちが気になり始めてから使うか、最初から使うか
正解は「色が落ちたと感じる前から使う」です。完全に黄色くなってしまってからムラシャンを使っても、黄色を打ち消すのには限界があります。「まだ色は綺麗だけど、そろそろ落ちそうかな?」というタイミング、つまりカラー後3〜4日目くらいから予防的に使い始めるのが、最も美しい状態を長くキープするコツです。
よくあるトラブルと対処法(爪の汚れ・きしみ・ムラ)
カラーシャンプーには、いくつかの「困ったこと」がつきものです。しかし、事前の対策と事後のケアを知っていれば恐れることはありません。
爪や手が染まってしまった時の落とし方と予防策(手袋推奨)
色の濃いカラーシャンプーを使うと、爪の間や甘皮が薄っすら染まってしまうことがあります。特にネイルをしている方は気になりますよね。
- 予防策:使い捨てのビニール手袋を着用するのが最強かつ唯一の完全な予防策です。100円ショップで箱入りのものを買っておくと便利です。素手で使う場合は、事前に手を濡らしておくと多少染まりにくくなります。
- 落とし方:もし染まってしまったら、すぐに石鹸で洗ってください。それでも落ちない場合は、メラミンスポンジで軽く擦るか、クレンジングオイルや除光液を使って拭き取ると落ちやすくなります。
浴室の壁や床が汚れた時の緊急対処法
飛び散った泡を放置すると、お風呂場の壁や床に色が沈着してしまいます。
使用後は必ず、シャワーで壁や床を流す習慣をつけましょう。もし色がついてしまった場合は、カビ取り剤(塩素系漂白剤)をスプレーして数分置くと、綺麗に色が抜けます。ただし、素材によっては変色のリスクがあるため、浴室の取扱説明書を確認してください。
髪がギシギシ・バサバサになった時のリカバリーケア
カラーシャンプーで髪がきしんでしまった場合は、その後のトリートメントで油分をしっかり補いましょう。
おすすめは、トリートメントをつけてから粗めのコームで梳かし、数分放置する「トリートメントパック」です。また、お風呂上がりに「洗い流さないトリートメント(ヘアオイル)」を必ずつけ、ドライヤーの熱から守ることも必須です。
根元だけ染まらない、毛先だけ濃くなる「色ムラ」の修正法
「根元は黄色いのに、毛先だけ紫色に沈んでしまった」という失敗は、ダメージ差による吸着率の違いが原因です。毛先はダメージが大きく色が入りやすいのです。
これを防ぐには、「泡を根元中心にたっぷりつけ、毛先は最後に泡を伸ばす程度にする」という時間差塗布が有効です。もし毛先が濃くなりすぎたら、洗浄力の強い普通のシャンプーで毛先だけ重点的に洗うと、少し色を抜くことができます。
現役カラーリストのアドバイス
「私も自宅でカラーシャンプーを使いますが、浴室の汚れ防止のために、使い終わった後は必ず冷水のシャワーで浴室全体を流しています。冷水だと蒸気が立たず、カビ予防にもなるので一石二鳥ですよ」
カラーシャンプーに関するQ&A
最後に、お客様からサロンでよくいただく質問をQ&A形式でまとめました。
Q. 違う色のカラーシャンプーを混ぜて使ってもいいですか?
A. 基本的には問題ありません。例えば「ピンク」と「紫」を混ぜて「ピンクパープル」を作ったり、「アッシュ」に少量の「紫」を混ぜて緑化を防いだりするのは、プロもよくやる手法です。ただし、違うメーカー同士だと成分の相性で分離する場合があるので、手のひらで少量試してから行いましょう。
Q. 普通のシャンプーと混ぜて薄めて使うのはあり?
A. ありです。「色が濃すぎて暗くなるのが怖い」という場合や、「泡立ちをもっと良くしたい」という場合は、普段使っているシャンプーを1:1程度で混ぜて使うと、色の入りがマイルドになり、操作性も向上します。
Q. ネイルをしているのですが、色移りは大丈夫ですか?
A. ジェルネイルの場合、表面のトップコートによっては色が移ることがあります。特にマットな質感のネイルや、浮きがある部分は染まりやすいです。大切なネイルを守るためにも、手袋の着用を強くおすすめします。
Q. ブリーチなしの茶髪でも効果はありますか?
A. 色によります。「ピンク」や「赤」などの暖色系は、ブリーチなしの10トーン以上の茶髪なら、ほんのり色味を感じられる程度には染まります。一方、「紫(ムラシャン)」や「シルバー」は、茶髪の強いブラウン色素に負けてしまうため、色の変化はほとんど感じられないでしょう。ただし、退色防止(ケア)としての意味はあります。
Q. 妊娠中や敏感肌でも使用して問題ないですか?
A. カラーシャンプーは一般的なヘアカラー剤(ジアミン入り)とは異なり、アレルギーリスクは比較的低いですが、妊娠中は肌がデリケートになっています。香りで気分が悪くなることもありますので、体調と相談しながら、まずはパッチテストを行うか、成分がシンプルなものを選ぶことをおすすめします。
まとめ:自分に合ったカラーシャンプーでサロン帰りの髪色をキープしよう
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
カラーシャンプーは、ただの「色付き洗剤」ではなく、あなたの髪色を美しく保つための最強のパートナーです。
最後に、失敗しないためのチェックリストを振り返りましょう。
- 色選び:黄ばみには「紫」、暖色には「ピンク」、赤み消しには「アッシュ」。補色を意識して選ぶ。
- 成分選び:ダメージ毛には「アミノ酸系」洗浄成分と「保湿成分」入りを選ぶ。
- 使い方:通常の2倍の量を使い、しっかり泡立てて5分〜10分放置する。
- タイミング:美容院直前は避け、色が落ちきる前から2〜3日に1回のペースで使う。
- トラブル回避:手袋を使い、浴室はすぐに流す。
現役カラーリストのアドバイス
「ヘアカラーは『染めて終わり』ではありません。その後のケア次第で、1ヶ月後の髪色は天と地ほど変わります。カラーシャンプーを日々の習慣に取り入れて、鏡を見るたびに嬉しくなるような美しい髪色をキープしてくださいね。あなたの髪色ライフがより楽しくなることを応援しています!」
ぜひ今日から、あなたの髪質と髪色にぴったりの一本を見つけて、プロ級のホームケアを始めてみてください。
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