ハレの日やお祝いの食卓を彩る「ちらし寿司」。一見華やかで難しそうに見えますが、実は美味しさを決めるポイントはたった2つ。「酢飯の水分コントロール」と「具材の味と食感のバランス」です。
この記事では、和食の道に入って20年、数多くの懐石料理店で腕を磨き、現在は料理教室で家庭料理のコツを伝えている筆者が、初心者の方でも絶対に失敗しないちらし寿司の作り方を徹底解説します。
基本となる五目ちらしの「黄金比」レシピから、市販の「ちらし寿司の素」を使ったプロ級の格上げテクニック、そして食卓に出した瞬間に歓声が上がる盛り付けのコツまで、余すところなくお伝えします。
この記事でわかること
- 初心者でも絶対に失敗しない「黄金比の酢飯」と「具材の煮方」
- 市販の素を使っても手抜きに見えないプロの格上げアレンジ術
- ひな祭りやお祝いに映える、センスの良い盛り付けと海鮮の扱い方
どうぞ最後までお付き合いいただき、今年のお祝いは自信作のちらし寿司で、ご家族の笑顔を引き出してください。
ちらし寿司を作る前に:地域による違いと美味しく作る心構え
本格的なレシピに入る前に、少しだけ「ちらし寿司」という料理の全体像について触れておきましょう。料理は「ゴール」を明確にイメージすることで、仕上がりのクオリティが格段に上がります。
「江戸前ちらし」と「五目ちらし(ばら寿司)」の違い
皆さんが「ちらし寿司」と聞いて思い浮かべるのは、どのようなスタイルでしょうか?実は、地域によって大きく2つのタイプに分かれます。
一つは、関東を中心に親しまれている「江戸前ちらし」です。これは、白い酢飯の上に、マグロやエビ、コハダなどの寿司ネタ(刺身)を綺麗に並べたものを指します。寿司店で提供される「ちらし」と言えば、一般的にこちらを指すことが多いでしょう。白いキャンバスに絵を描くような華やかさが特徴です。
もう一つは、関西や西日本で主流の「五目ちらし(ばら寿司)」です。こちらは、酢飯の中に甘辛く煮た椎茸や干瓢(かんぴょう)、蓮根などの具材を混ぜ込み、その上に錦糸卵や海老などを飾るスタイルです。家庭料理としてのお祝いの寿司と言えば、こちらをイメージされる方が多いかもしれません。
この記事では、家庭での再現性が高く、作り置きもしやすい「五目ちらし」をベースにしつつ、現代風に海鮮も取り入れたハイブリッドな楽しみ方を提案します。伝統的な「混ぜ込み」の技術と、現代的な「映える」盛り付けの両方をマスターすれば、どのようなシーンにも対応できるからです。
美味しいちらし寿司の条件とは?「シャリ」と「具」の一体感
私が修行時代、親方に耳にタコができるほど言われた言葉があります。「寿司はシャリが6割、ネタが4割だ」と。これは握り寿司に限った話ではありません。ちらし寿司においても、土台となる「酢飯(シャリ)」の出来栄えが、最終的な美味しさを決定づけます。
美味しいちらし寿司の条件、それは「冷めても美味しいこと」、そして「シャリと具材の一体感があること」です。
家庭で作るちらし寿司は、作ってすぐ食べることもあれば、お重に詰めて時間が経ってから食べることもあります。そのため、熱々の状態で美味しいだけでなく、冷めた時に味が馴染み、ご飯が硬くならず、かつベチャつかない絶妙な水分コントロールが求められます。
また、具材の味付けも重要です。酢飯自体に酸味と甘みがあるため、混ぜ込む具材の味付けが薄すぎると味がボケてしまい、濃すぎると喉が渇くような味になってしまいます。酢飯の酸味をまろやかに包み込むような、出汁の効いた甘辛い具材。このバランスこそが、プロと素人の差を生むのです。
和食専門調理師のアドバイス
「家庭で目指すべきは『冷めても美味しい』味付けです。温かいうちは香りが立ちますが、冷めると味を感じにくくなるのが人間の舌の特性。そのため、合わせ酢の塩味や砂糖の甘みは、炊きたてのご飯に合わせる段階では『少し強いかな?』と感じるくらいで丁度よいのです。時間が経つにつれてお米に調味料が浸透し、食べる頃には角が取れてまろやかな味わいになります。この『時間の経過による味の変化』まで計算に入れるのが、料理上手の秘訣ですよ。」
【完全保存版】基本の五目ちらし寿司の作り方とコツ
ここからは、いよいよ実践編です。まずは基本となる「五目ちらし」をマスターしましょう。スーパーで手に入る食材だけで、高級店のような深みのある味を出すための工程を、理由とともに詳しく解説します。
準備する具材と合わせ酢の黄金比率
ちらし寿司の味の要となるのが「合わせ酢(寿司酢)」です。市販の寿司酢も便利ですが、自宅で調合することで、好みの甘さや酸味に調整でき、何より添加物のないすっきりとした後味に仕上がります。
私が長年の経験から導き出した、誰にでも好まれる「黄金比率」をご紹介します。この比率は、甘すぎず酸っぱすぎず、具材の味を引き立てる万能な配合です。
| ご飯の量 | 米酢(または穀物酢) | 砂糖(上白糖) | 塩(自然塩推奨) |
|---|---|---|---|
| 2合 | 大さじ4 (60ml) | 大さじ2〜3 | 小さじ1 |
| 3合 | 大さじ6 (90ml) | 大さじ3〜4.5 | 小さじ1.5 |
| 4合 | 大さじ8 (120ml) | 大さじ4〜6 | 小さじ2 |
ポイント:
- 砂糖の量:お子様がいる家庭や、甘めの関西風が好みの場合は多めに設定してください。さっぱりと食べたい場合は少なめにします。
- 昆布の旨味:もし時間があれば、合わせ酢の中に5cm角の出し昆布を1枚入れておくと、一晩でグルタミン酸が溶け出し、まろやかな「昆布酢」になります。これがプロの隠し味です。
- 混ぜ方:調味料を合わせたら、弱火にかけて砂糖と塩を溶かすか、電子レンジで数十秒加熱して完全に溶かし切ってください。ただし、煮立たせると酢の風味が飛んでしまうので、あくまで「溶かすだけ」に留めましょう。
【最重要】酢飯(シャリ)を失敗しないための炊き方と混ぜ方
「ちらし寿司作りで失敗した!」という声で最も多いのが、「ご飯がベチャベチャになってしまった」というものです。これを防ぐためには、炊飯の水加減と、炊き上がってからの手早い処理が命です。
まず、お米を研いだらザルに上げ、30分ほど置いてしっかりと水を切ります。そして炊飯器の内釜に入れたら、「すし飯」の目盛りに合わせて水を入れます。もし目盛りがない場合は、通常より1割ほど水を減らして炊いてください。合わせ酢という「水分」を後から加えるため、炊き上がりは少し硬めでなければなりません。この時、酒大さじ1と出し昆布1枚を入れて炊くと、お米一粒一粒が立ち、風味豊かに仕上がります。
ご飯が炊き上がったら、いよいよ最大の難関「酢合わせ」です。ここではスピードとテクニックが要求されます。
▼プロが教える「切るように混ぜる」具体的な手順(クリックして展開)
この工程は、できれば「飯台(寿司桶)」を使うのがベストですが、ない場合は大きめのボウルやバットで代用可能です。
- 移す:炊きたての熱いご飯を、湿らせた飯台(またはボウル)に一気に空けます。この時、お釜に残ったご飯を無理にこそげ落として入れないこと。粘りが出て食感を損ないます。
- 回しかける:合わせ酢を、しゃもじに伝わせながらご飯全体にまんべんなく回しかけます。一箇所に集中させないのがポイントです。
- 切るように混ぜる:ここが重要です。しゃもじを横に寝かせず、立てて使います。ご飯の山を崩し、しゃもじで縦・横に「切る」ように動かしながら、底から大きくひっくり返します。お米を練らないよう、空気を含ませるイメージです。
- あおぐ:全体に酢が回ったら、うちわでパタパタと扇ぎます。表面の余分な水分を飛ばし、急速に冷ますことで、お米一粒一粒がコーティングされ、美しいツヤが生まれます。
- 上下を返す:表面が冷めたら、底のご飯と入れ替えるように上下を返し、再度うちわで扇ぎます。これを人肌程度の温度になるまで繰り返します。
- 保湿:乾燥を防ぐため、硬く絞った濡れ布巾(さらしなど)をかけておきます。
和食専門調理師のアドバイス
「なぜ『うちわ』が必要なのか、疑問に思ったことはありませんか?これは単に冷ますためだけではありません。熱々の状態で酢を含んだお米は、表面が柔らかくなっています。そこで風を当てて急激に表面温度を下げることで、お米のデンプン質がキュッと締まり、特有の『照り(ツヤ)』と『ハリ』が生まれるのです。この工程をサボると、時間が経った時にボソボソとした食感になったり、逆にベタついたりする原因になります。右手にしゃもじ、左手にうちわ。これが美味しい酢飯を作る基本姿勢です。」
定番具材の下処理と煮方(干し椎茸・干瓢・人参・蓮根)
酢飯に混ぜ込む具材は、それぞれ食感や火の通りやすさが異なります。手間はかかりますが、一つ一つ丁寧に処理することで、全体の調和が生まれます。
- 干し椎茸:
旨味の塊です。前日から冷蔵庫でゆっくりと水戻しするのがベスト。戻し汁は捨てずに煮汁として使います。薄切りにして、戻し汁、砂糖、醤油で、煮汁がなくなるまでじっくり煮含めます。 - 干瓢(かんぴょう):
塩もみをしてから下茹でし、柔らかくなったら椎茸と同じ煮汁で煮ても構いません。独特の弾力がアクセントになります。 - 人参:
細切り(千切り)にします。人参は火が通りやすいので、さっと出汁で煮る程度でOKです。色が鮮やかなので、煮過ぎて黒くならないよう注意しましょう。 - 蓮根(レンコン):
「見通しが良い」という縁起物。薄いいちょう切りにし、酢水にさらしてアクを抜きます。甘酢(酢、砂糖、塩、水)でサッと煮て、シャキシャキ感を残すのがポイント。これは混ぜ込まずに、トッピング用に取っておくのもおすすめです。
これらの具材は、煮上がったらザルに上げ、煮汁をしっかりと切ることが非常に重要です。水分が残っていると、せっかくの酢飯が水っぽくなってしまいます。
鮮やかな「錦糸卵」を破かずに薄く焼く裏技
ちらし寿司の「黄色」担当、錦糸卵。薄く焼こうとして破れてしまったり、厚ぼったくなってしまったりと、意外と難しいものです。ここで、プロが使う「破れにくい卵液」の作り方を伝授します。
【破れない錦糸卵の配合】
- 卵:2個
- 塩:少々
- 砂糖:小さじ1
- 水溶き片栗粉:水小さじ1+片栗粉小さじ1/2
この「少量の水溶き片栗粉」が魔法のアイテムです。片栗粉が卵のつなぎとなり、薄く広げても驚くほど破れにくくなります。また、焼くときはフライパンをしっかり熱してから一度濡れ布巾の上に置いて温度を均一にし、弱火で焼くと綺麗に仕上がります。
切る時は、焼いた薄焼き卵を完全に冷ましてから行います。まな板の上で数枚重ね、さらに半分に折り畳んでから包丁を入れると、均一な細さに切り揃えることができます。
具材を混ぜ込むタイミングと冷まし方
具材と酢飯を合わせるタイミングは、「酢飯が人肌程度に冷めてから」が正解です。熱々の酢飯に具材を入れると、具材が温まって傷みやすくなったり、野菜の色が悪くなったりします。
汁気をよく絞った具材を酢飯に散らし、ここでも「切るように」さっくりと混ぜ合わせます。混ぜすぎるとご飯が粘るので、全体に均一に行き渡ればOKです。この状態で、乾燥しないように濡れ布巾をかけ、食べる直前まで常温(涼しい場所)で置いておきます。冷蔵庫に入れるとご飯が硬くなるので、当日に食べる場合は避けてください。
誰でもセンスアップ!「映える」盛り付けの法則と海鮮アレンジ
ベースとなる五目ちらしができたら、次は仕上げの工程です。料理は見た目が8割とも言われます。特にちらし寿司のようなハレの日の料理は、蓋を開けた瞬間や食卓に出した瞬間の「わぁっ!」という歓声こそが、作り手への最大の賛辞です。
彩りの基本「赤・黄・緑」のバランスとトッピング順序
盛り付けに自信がない方でも、色彩学に基づいた「赤・黄・緑」の3色を意識するだけで、誰でも美しく仕上げることができます。そして、乗せる順番にもセオリーがあります。
【失敗しないトッピングの順序】
- 刻み海苔(黒):
まず最初に、混ぜ込んだご飯の上に刻み海苔を散らします。これは風味付けだけでなく、上に乗せる具材の色を引き立てる背景色の役割を果たします。 - 錦糸卵(黄):
次に、錦糸卵を「これでもか」というくらいふんわりと全面に敷き詰めます。これが「菜の花畑」のような明るいベースになります。 - メイン具材(赤・ピンク):
ここで主役の登場です。海老、マグロ、サーモン、いくらなどを配置します。一点に集中させず、ランダムに散らすとリズムが生まれます。 - アクセント(緑):
最後に、絹さや、スナップエンドウ、木の芽、大葉、きゅうりなどを添えます。緑が入ることで全体が引き締まり、新鮮さを演出できます。
この順番を守るだけで、具材が埋もれてしまうことなく、立体的で美しい層を作ることができます。
海鮮ちらしにする場合のネタ選びと下処理(ヅケにする?そのまま?)
五目ちらしの上に刺身を乗せて「海鮮ちらし」にする場合、買ってきた刺身をそのままパックから出して乗せていませんか?実は、ほんのひと手間で魚の臭みが消え、旨味が凝縮されるプロの技があります。
白身魚やマグロなどは、表面の水分をキッチンペーパーで拭き取り、軽く塩を振って5分ほど置いてから出てきた水分を拭き取る「振り塩」をすると、味がぼやけず、酢飯との相性が抜群に良くなります。
また、味のアクセントとして一部のネタを「ヅケ(漬け)」にするのもおすすめです。醤油:みりん=2:1のタレに10分ほど漬け込むだけで、ねっとりとした食感と濃厚な味わいが生まれ、淡白な酢飯の良いおかずになります。特にマグロやサーモンはヅケに最適です。
和食専門調理師のアドバイス
「スーパーの刺身を高級店の味に変えるには、『洗い』と『脱水』のひと手間が有効です。パックの中で魚から出ている赤い汁(ドリップ)は臭みの元。これを冷水でさっと洗い流し、すぐにペーパーで水気を完全に拭き取ってください。これだけで生臭さが消え、クリアな味になります。海鮮を乗せる場合は、食べる直前に乗せるのが鉄則。温かいご飯に長時間乗せていると、生魚が温まって味が落ちてしまいますからね。」
子供が喜ぶ!ケーキ寿司やカップ寿司への応用アイデア
小さなお子様がいるご家庭では、平らなお皿や桶に盛るだけでなく、立体的な盛り付けも喜ばれます。
- ケーキ寿司:
底が抜けるタイプのケーキ型(15cm〜18cm)を使います。「酢飯」→「桜でんぶや鮭フレーク」→「酢飯」→「アボカドや炒り卵」→「酢飯」のように層にして詰め、上から軽く押して型を抜きます。断面が層になっていて、まるでショートケーキのような見た目に子供たちは大喜びです。 - カップ寿司:
透明なプラスチックカップに一人分ずつ盛り付けます。これなら取り分ける手間もなく、パーティーでも食べやすいのが利点です。カップの側面に薄切りのきゅうりやサーモンを貼り付けてからご飯を詰めると、横から見た時も華やかです。
仕上げに差がつく「あしらい」の魔法(木の芽、いくら、金箔など)
最後に、料理を格上げする「あしらい」について。これはファッションで言うアクセサリーのようなものです。
- いくら:「海の宝石」と呼ばれる通り、散らすだけで高級感が段違いになります。
- 木の芽(山椒の若葉):手のひらでパンと叩いてから乗せると、爽やかな香りが立ちます。大人のちらし寿司には欠かせません。
- 桜の塩漬け:ひな祭りには最適。塩抜きして飾れば、季節感を演出できます。
- 金箔:お正月や特別なお祝いに。ほんの少し乗せるだけで、非日常の特別感が演出できます。
忙しい日の味方!「ちらし寿司の素」を格上げするプロの裏技
「一から具材を煮る時間がない!」という方も多いでしょう。そんな時は、市販の「ちらし寿司の素」に頼っても全く問題ありません。プロの視点から言わせていただくと、最近の市販品は非常によく研究されています。
ただし、そのまま使うとどうしても「あの味」になりがち。そこで、市販品を使っていると悟らせないための「格上げ術」をご紹介します。
市販の素特有の「酸味」をまろやかにする調整テクニック
市販の素は保存性を高めるために、酸味が強く、塩分も多めに設定されていることが多いです。これをご家庭の味に近づけるには、以下の方法を試してみてください。
- 炊きたてのご飯に混ぜる前に、素を温める:
具材入りの調味液を耐熱容器に移し、レンジで軽く温めます。これだけでツンとする酸味の角が取れ、味がまろやかになります。 - 「追い砂糖」をする:
甘みが足りないと感じる場合は、砂糖を小さじ1〜2杯足してみてください。コクが出て、手作りのような優しい味になります。
「素」+「手作り具材1品」で手抜き感を完全に消す方法
市販の素には、蓮根や人参などの具材が入っていますが、どうしても細かくて存在感が薄くなりがちです。そこで、「何か1品だけ」大きめの具材を手作りして加えることをお勧めします。
例えば、「大きめに切った干し椎茸の甘煮」や「茹でた海老」、「さっと煮たタケノコ」などです。食感のある具材が一つ入るだけで、食べた時の満足感が劇的に向上し、「これ、全部手作り?」と錯覚させるほどの効果があります。
和食専門調理師のアドバイス
「市販品に足すべきは『香り』と『食感』のある食材です。例えば、炒った白ごまをたっぷりと追加したり、刻んだ大葉やミョウガを混ぜ込んだりしてみてください。市販のレトルト特有の香りが消え、フレッシュな風味が加わることで、料理としての格が数段上がります。手抜きではなく『賢い活用』、それが忙しい現代の家庭料理の正解です。」
混ぜるだけで豪華に見える!おすすめの追加具材リスト
火を使わず、切って混ぜる(乗せる)だけで劇的に美味しくなる「ちょい足し食材」の相性をまとめました。
| 食材 | 効果・特徴 | おすすめのシーン |
|---|---|---|
| アボカド | 濃厚なコクとクリーミーさが加わり、サラダ感覚に。サーモンとの相性抜群。 | 女子会、子供向け |
| スモークサーモン | 生魚よりも日持ちし、塩気と薫香がアクセントになる。 | 洋風アレンジ、お酒のお供 |
| クリームチーズ | サイコロ状に切って混ぜると、意外なほど酢飯に合う。 | ワインに合わせる時 |
| カニカマ(高級タイプ) | 本物のカニのような食感と彩りを安価に追加できる。 | 節約しつつ豪華に見せたい時 |
| ツナマヨ | 油分が加わり、子供がバクバク食べる味に。 | 子供の誕生日、普段の食事 |
食卓の会話が弾む!ちらし寿司の具材に込められた意味
美味しいちらし寿司を囲みながら、ちょっとした豆知識を披露できれば、食卓の会話もさらに弾みます。和食には、食材一つ一つに「願い」が込められています。
海老(長寿)、蓮根(見通し)、豆(まめに働く)の縁起
- 海老:
茹でると背が丸くなることから、「腰が曲がるまで長生きできるように」という長寿の願いが込められています。鮮やかな赤色は魔除けの意味もあります。 - 蓮根(レンコン):
多数の穴が空いていることから、「将来の見通しが良い」とされます。先が見通せる、明るい未来への願いです。 - 豆(絹さや・枝豆など):
「まめ(豆)に働く」「まめに暮らす」という語呂合わせから、健康で勤勉に過ごせるようにという意味があります。
ひな祭りにちらし寿司を食べる由来とは?
実は、ひな祭りにちらし寿司を食べるという明確な歴史的由来は定かではありません。しかし、平安時代の「なれ寿司」から始まり、江戸時代に華やかな具材を乗せるスタイルが定着する中で、海老(赤)、卵(黄)、野菜(緑)といった彩りが、春の訪れや桃の節句の華やかさにふさわしいとして、現代に受け継がれてきました。
具材それぞれに込められた「娘の健やかな成長を願う親心」が、ちらし寿司をひな祭りの定番料理にした最大の理由と言えるでしょう。
地域色豊かな具材たち
日本各地には、その土地ならではのちらし寿司が存在します。
例えば、岡山県の「ばら寿司」には、瀬戸内海の魚介類がふんだんに使われますし、西日本の一部では「ままかり(サッパの酢漬け)」を入れることもあります。また、九州などでは甘い「桜でんぶ」を多用する傾向があります。
農林水産省の「うちの郷土料理」などのデータベースを見ると、自分の住んでいる地域以外のユニークな寿司文化を知ることができ、新たなアレンジのヒントになるかもしれません。
ちらし寿司のよくある失敗・疑問を解決(FAQ)
最後に、読者の皆様からよく寄せられる質問や、調理中のトラブルシューティングについてお答えします。
Q. 酢飯がベチャベチャになってしまいました。復活できますか?
これは最も多い失敗ですが、諦めないでください。軽度であればリカバリー可能です。
和食専門調理師のアドバイス
「修行時代の失敗から学んだ、水分過多のリカバリー術をお教えします。まず、平らな大皿に酢飯をできるだけ薄く広げます。そして、ラップをかけずに電子レンジ(600W)で1分ほど加熱してください。水分を蒸発させるのです。その後、すぐにうちわで扇いで冷まします。これを様子を見ながら繰り返すと、余分な水分が飛び、ベチャつきが改善されます。仕上げに炒りごまを多めに混ぜると、ごまが水分を吸ってくれるのでさらに効果的です。」
Q. 酸っぱいのが苦手な子供向けに味を調整するには?
お子様向けには、合わせ酢の砂糖を多めにするのが基本ですが、それでも酸味を嫌がる場合は、「マヨネーズ」を隠し味に使ってみてください。酢飯を作る際、ご飯に少量のマヨネーズを混ぜ込んでから合わせ酢を混ぜると、酸味がコーティングされてマイルドになり、コクも出ます。ツナマヨやコーンをトッピングするのも良い手です。
Q. 前日にどこまで作り置きしても大丈夫ですか?
当日の負担を減らすため、以下の作業は前日に済ませておきましょう。
- 具材の煮込み:干し椎茸や干瓢などは、前日に煮て冷蔵庫で一晩寝かせた方が味が染みて美味しくなります。
- 錦糸卵:焼いて切った状態で、密閉容器に入れて冷蔵保存可能です。
- 海鮮の下処理:柵(サク)の状態で買う場合は、キッチンペーパーで包んでラップをし、冷蔵庫のチルド室へ。
ただし、「酢飯を炊いて混ぜる」工程だけは、必ず当日に行ってください。酢飯を冷蔵庫で一晩置くと、デンプンが老化してボソボソになり、温め直しても元の美味しさには戻りません。
Q. 余ってしまったちらし寿司の美味しいリメイク方法は?
どうしても作りすぎて余ってしまった場合、翌日も美味しく食べるためのリメイクレシピがあります。
- 蒸し寿司:
関西の冬の定番です。器に入れて蒸し器(またはレンジ)で温め直すと、酢の酸味が飛んで甘みが立ち、ホカホカの別の料理として楽しめます。 - 焼きおにぎり・チャーハン:
酢飯は油との相性が良いです。おにぎりにしてフライパンで香ばしく焼いたり、細かく刻んでチャーハンにすると、さっぱりとした味で驚くほど美味しくなります。 - いなり寿司:
市販の味付け油揚げに詰めれば、具沢山の豪華ないなり寿司に変身します。お弁当にも最適です。
まとめ:今年のハレの日は、手作りちらし寿司で家族を笑顔に
ここまで、基本のレシピからプロの裏技、リカバリー術までをご紹介してきました。
ちらし寿司は、具材の一つ一つに意味があり、作る人の「想い」がダイレクトに伝わる料理です。
難しく考える必要はありません。「酢飯の水加減」と「冷ます工程」さえ丁寧に守れば、あとは市販品を使おうが、具材が少なかろうが、必ず美味しく仕上がります。完璧を目指して疲れてしまうよりも、彩り豊かな食卓を家族みんなで囲み、笑顔で食事を楽しむことこそが、ハレの日の本当の目的だからです。
和食専門調理師のアドバイス
「料理は『段取り』が8割です。前日に具材を煮ておけば、当日はご飯を炊いて混ぜ、盛り付けるだけ。これなら忙しい方でも余裕を持って楽しめますよね。記事で紹介したテクニックを一つでも取り入れて、ぜひ『我が家の味』を作ってみてください。あなたの作ったちらし寿司が、ご家族にとっての素敵な思い出になることを願っています。」
ちらし寿司作り 成功のための最終チェックリスト
- [ ] お米の水加減は「すし飯」目盛りか、少し少なめにしたか?
- [ ] 合わせ酢は、ご飯が熱いうちに回しかけたか?
- [ ] うちわで扇ぎ、人肌まで冷ましてツヤを出したか?
- [ ] 煮た具材の汁気は、しっかり絞ったか?
- [ ] 盛り付けの順番(海苔→卵→メイン→緑)は意識したか?
- [ ] 楽しんで作る心構えはできているか?
ぜひ、この週末や次のイベントで、自信を持ってちらし寿司作りに挑戦してみてください。
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