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コンセンサスとは?ビジネスでの正しい意味と「確実に合意を取る」4つの手順【例文・類語付】

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「来週の会議までに、関係部署のコンセンサスを取っておいてくれ」

上司からこのように指示されたとき、あなたは具体的にどのような行動を取るべきか、即座にイメージできるでしょうか?

ビジネスシーンにおいて頻繁に使われる「コンセンサス(Consensus)」という言葉。直訳すれば「合意」ですが、実際の現場では単なるイエス・ノーの確認以上の、非常に深く複雑なプロセスを指しています。

結論から申し上げますと、ビジネスにおけるコンセンサスとは、関係者全員の「合意」だけでなく、実行に向けた「納得感」を得るプロセスそのものです。単なる多数決や形式的な承認とは異なり、事前の調整によって、プロジェクト実行段階での協力体制を確約させるための極めて重要なビジネススキルと言えます。

もし、言葉の意味をあいまいにしたまま進めてしまうと、「そんな話は聞いていない」と後から梯子を外されたり、決定事項が現場で実行されなかったりといった手痛い失敗を招きかねません。

この記事では、組織人事コンサルタントとして数多くの企業の意思決定支援を行ってきた筆者が、以下の3点を中心に、現場で本当に役立つコンセンサスの技術を徹底解説します。

  • 「コンセンサス」の正しい意味と、アグリーメントや根回しとの決定的な違い
  • 上司や関係者を確実に納得させる、失敗しないコンセンサスの取り方(4ステップ)
  • 実際のビジネスシーンやメールですぐに使える具体的な例文

この記事を読み終える頃には、あなたは「誰に」「どのような順序で」「何を話せばよいか」が明確になり、自信を持ってプロジェクトを前に進めることができるようになっているはずです。組織で仕事をする上で一生モノの武器となる「合意形成力」を、ぜひここで身につけてください。

  1. 【基礎知識】コンセンサスとは?ビジネスにおける正しい意味と定義
    1. コンセンサスの意味:「合意」だけでなく「納得感」が重要
    2. なぜビジネスで「コンセンサスを取れ」と言われるのか?
    3. 類語との違いと使い分け(アグリーメント、コミットメント、オプトイン)
  2. 【実践編】失敗しない「コンセンサスの取り方」4つのステップ
    1. Step1:関係者(ステークホルダー)とキーマンの特定
    2. Step2:個別ヒアリングによる事前調整(事実上の根回し)
    3. Step3:反対意見の反映と妥協点の模索
    4. Step4:全体会議での最終確認と形式的な合意
  3. 「根回し」と「コンセンサス」の違いは?日本企業での現実
    1. 根回しは「悪」ではない!スムーズな合意形成の必須スキル
    2. 欧米企業と日本企業でのコンセンサスの取り方の違い
    3. 「コンセンサス方式(全会一致)」のメリットとデメリット
  4. そのまま使える!シーン別「コンセンサス」の使用例文
    1. 上司への報告・相談で使う場合
    2. 会議のファシリテーションで使う場合
    3. ビジネスメールで「コンセンサス」を用いる際の文面例
  5. ビジネス以外での「コンセンサス」の意味
    1. 金融・株用語としての「市場コンセンサス」
    2. 医療・看護現場における「インフォームド・コンセント」との関連
    3. 政治・行政における合意形成
  6. コンセンサスに関するよくある質問 (FAQ)
    1. Q. コンセンサスは「全員の賛成」が必要ですか?反対者がいる場合は?
    2. Q. 「コンセンサスを得る」と「コンセンサスを取る」どちらが正しい?
    3. Q. コンセンサスを取るのに時間がかかりすぎる場合はどうすればいい?
  7. まとめ:コンセンサスとは「仕事を進めるための信頼作り」

【基礎知識】コンセンサスとは?ビジネスにおける正しい意味と定義

ビジネスの現場に身を置いていると、毎日のように耳にする「コンセンサス」というカタカナ語。まずはこの言葉が持つ本来の意味と、ビジネスシーン特有のニュアンスを正確に理解することから始めましょう。ここを誤解していると、いくらテクニックを駆使しても、期待される成果を出すことはできません。

ここでは、辞書的な定義を超えて、なぜ企業組織においてこれほどまでにコンセンサスが重視されるのか、その本質的な理由を深掘りしていきます。

コンセンサスの意味:「合意」だけでなく「納得感」が重要

「コンセンサス(Consensus)」は、もともとラテン語の「consentire(共に感じる)」に由来する言葉で、一般的には「合意」「意見の一致」「総意」と訳されます。しかし、日本のビジネスシーンで使われる場合、単に「賛成票を集めること」とは少し異なるニュアンスが含まれている点に注意が必要です。

ビジネスにおけるコンセンサスとは、「関係者全員が、その決定に対して『反対はしない』という状態に達し、かつ決定事項に協力する意思を持っている状態(=納得感)」を指します。

例えば、あるプロジェクトを進める際に、10人の関係者がいたとします。多数決で6人が賛成、4人が反対の場合、民主主義的には「可決」ですが、ビジネスでは「コンセンサスが取れていない」と判断されることが多々あります。なぜなら、反対している4人が納得していないまま進めれば、後の実行フェーズで非協力的になったり、妨害要因になったりするリスクがあるからです。

つまり、「コンセンサスを取る」という行為は、全員から諸手を挙げての賛成を得ること(全会一致)を目指しつつも、現実的には「積極的な賛成ではないが、この条件なら反対はしない(消極的賛成)」というラインまで妥協点を探り、全員の腹落ちを目指すプロセスなのです。

「合意形成」という言葉もよく使われますが、これもコンセンサスとほぼ同義です。重要なのは、結果としての「合意」というハンコだけでなく、そこに至るまでの「プロセス」が共有されているかどうかなのです。

なぜビジネスで「コンセンサスを取れ」と言われるのか?

では、なぜ上司や先輩は口を酸っぱくして「コンセンサスは取れたか?」と確認するのでしょうか。トップダウンで「社長が決めたからやれ!」と命令するほうが、スピードが速いように思えるかもしれません。

しかし、現代の複雑化したビジネス環境において、コンセンサスを軽視した意思決定は、以下のような重大なリスクを孕んでいます。

  • 実行段階でのサボタージュ(面従腹背):
    会議では誰も反対しなかったのに、いざ実行となると「忙しい」「聞いていない」といって現場が動かない現象です。これは納得感(コンセンサス)が欠如している典型例です。
  • 後出しの批判による手戻り:
    プロジェクトが進んでから、「そもそもこの方針はおかしい」と有力者が異を唱え、計画が白紙に戻るケースです。事前のコンセンサスがあれば防げる事態です。
  • 責任の所在の不明確化:
    誰が合意したのか曖昧なまま進むと、トラブルが起きた際に誰も責任を取ろうとしません。コンセンサスのプロセスを経ることで、「私たち全員で決めたこと」という当事者意識(コミットメント)を醸成できます。

逆に言えば、しっかりとコンセンサスが取れていれば、多少の困難があっても「自分たちも合意したことだから」と、チーム一丸となって乗り越える力が生まれます。コンセンサスとは、仕事をスムーズに進めるための「保険」であり、推進力を生む「エンジン」でもあるのです。

類語との違いと使い分け(アグリーメント、コミットメント、オプトイン)

ビジネス用語には「合意」や「約束」に関連する言葉が数多く存在します。これらを混同して使うと、相手に誤った期待を与えたり、認識のズレを生んだりする原因になります。ここで主要な類語との違いを明確にしておきましょう。

特に「アグリーメント」との違いは重要です。アグリーメントが契約や条件面での明確な合意を指すのに対し、コンセンサスはより心理的な「納得」や集団としての「総意」に重きが置かれます。

以下の表に、それぞれの言葉のニュアンスと使用シーンを整理しました。

▼【比較表】コンセンサスと類語の違い(クリックして展開)
用語 主な意味 強制力・拘束力 使用シーンの例
コンセンサス
(Consensus)
関係者の総意、納得感、合意形成のプロセス
(心理的な拘束力が強い)
社内調整、会議前の根回し、チームの方針決定
アグリーメント
(Agreement)
同意、承諾、契約、協定
(文書化されることが多く、契約的拘束力がある)
取引先との契約締結、SLA(サービスレベル合意書)、条件の確定
コミットメント
(Commitment)
公約、確約、責任を持って関わること
(個人の責任と結果に対する約束)
目標達成の宣言(コミットする)、プロジェクトへの参画姿勢
オプトイン
(Opt-in)
事前承諾、参加の意思表示 低〜中
(許可を与える行為)
メールマガジンの配信許諾、データ利用の同意

このように比較すると、コンセンサスが単なる「イエス」の獲得ではなく、組織全体を動かすための「空気作り」に近い性質を持っていることがわかります。

現役組織人事コンサルタントのアドバイス
「現場で上司が『コンセンサスを取れ』と言うとき、それは単に『許可をもらってこい』という意味ではありません。真の意図は、『後で誰からも文句が出ないように、関係者の顔を立てつつ、全員を味方につけておけ』ということです。

特に日本企業においては、論理的な正しさ(正論)だけでは人は動きません。『事前に相談してくれた』という事実が、相手の自尊心を満たし、協力関係を築く鍵になります。コンセンサスとは、この人間心理への配慮を含んだ、高度なコミュニケーションスキルなのです」

【実践編】失敗しない「コンセンサスの取り方」4つのステップ

ここからは、実際にあなたがプロジェクトリーダーや担当者として、社内のコンセンサスを取るための具体的な手順を解説します。

多くの若手ビジネスパーソンが、「会議でいきなり提案して玉砕する」という失敗を犯します。コンセンサス形成の勝負は、会議室に入るずっと前から始まっています。以下の4つのステップを順守することで、合意形成の確率は飛躍的に高まります。

Step1:関係者(ステークホルダー)とキーマンの特定

最初に行うべきは、「誰の合意が必要なのか」を漏れなく洗い出すことです。これを怠ると、後になって「私は聞いていない」という強力な反対者が現れ、プロジェクトが頓挫します。

まず、今回の案件に関わる部署や人物をリストアップします(ステークホルダー分析)。その上で、以下の2種類の人物を特定してください。

  • 決裁者(Decision Maker):
    最終的な承認権限を持つ人(部長、役員など)。ハンコを押す人です。
  • キーマン(Key Person):
    公式な権限はなくても、周囲への影響力が強い人、実務を握っている現場のリーダー、あるいは声の大きいベテラン社員など。

コンセンサス作りで最も重要なのは、実は「隠れたキーマン」の特定です。例えば、部長が決裁者であっても、部長が全幅の信頼を置いている課長が「No」と言えば、部長も「No」と言う可能性が高いでしょう。この場合、真に説得すべき相手(ラスボス)はその課長になります。

組織図だけでなく、普段の人間関係や力関係を観察し、「誰を押さえればドミノ式に全員が賛成に回るか」を見極めることが、戦略の第一歩です。

Step2:個別ヒアリングによる事前調整(事実上の根回し)

キーマンが特定できたら、いきなり全体会議を開くのではなく、個別にアプローチを開始します。これがいわゆる「根回し」と呼ばれるプロセスですが、現代風に言えば「事前・個別コンセンサス」です。

この段階での目的は、相手を論破することではなく、「相手の懸念点や要望を聞き出すこと」「決定プロセスに参加してもらうこと」です。

具体的には、「今度こういう企画を考えているのですが、正式に提案する前に、〇〇さんのご意見を伺いたくて」と相談を持ちかけます。人間は、完成された案を突きつけられると粗を探したくなりますが、未完成の段階で相談されると「一緒に良くしてやろう」という協力的な心理が働きます。

▼【体験談】いきなり会議で提案して失敗した私の実体験(クリックして展開)

私がまだ20代後半の頃、ある業務フローの改善プロジェクトを任されました。論理的に完璧な改善案を作成し、自信満々で関係部署が集まる全体会議でプレゼンを行いました。

結果は惨敗でした。古参の経理担当者から「現場の負担が増える」「システム連携のリスクはどうする」と矢継ぎ早に質問攻めにされ、私はしどろもどろに。結局、その場の空気は「時期尚早」となり、提案は却下されました。

後日、先輩から「会議は『決める場』ではなく『確認する場』だ」と教わりました。もし事前にその経理担当者の席に行き、「今のフローで困っていることはありませんか?」「こういう改善を考えていますが、経理の観点から懸念はありますか?」と聞いていれば、結果は全く違っていたはずです。彼らの懸念を事前に案に盛り込んでおけば、彼らは「反対者」ではなく「共同提案者」になってくれたのです。

Step3:反対意見の反映と妥協点の模索

個別のヒアリングを進めると、必ず反対意見や懸念事項が出てきます。ここで重要なのは、反対意見を無視したり、説き伏せようとしたりしないことです。

コンセンサスとは「全員が100点満点をつける案」を作ることではありません。それは不可能です。目指すべきは「全員が及第点(60点〜70点)を出せる妥協点」を見つけることです。

A部署の要望を立てればB部署が損をする、といったトレードオフが発生する場合、調整役であるあなたの腕の見せ所です。「A部署にはこの点を譲ってもらう代わりに、B部署にはこの条件を飲んでもらう」といったバーター取引や、代替案の提示を行い、双方が「まあ、それなら納得できる」という着地点を探ります。

この調整プロセスを通じて、各関係者は「自分の意見も聞いてもらえた」「配慮してもらった」と感じ、信頼関係が構築されていきます。

現役組織人事コンサルタントのアドバイス
「真っ向から反対された時は、『イエス・バット(Yes, But)法』を活用しましょう。まず『なるほど、その懸念はごもっともです(Yes)』と相手の意見を肯定して受け止めます。

その上で、『しかし(But)、現状のままではこのようなリスクもあります。〇〇さんの懸念を解消するために、この部分は修正しますので、大枠の方針には賛成していただけませんか?』と切り返します。相手の顔を立てつつ、条件付きの賛成を引き出すテクニックです」

Step4:全体会議での最終確認と形式的な合意

主要なキーマンとの個別調整が済み、大まかな合意(握り)が得られたら、いよいよ全体会議や稟議といった公式な場を設定します。

ここまでのステップが正しく踏まれていれば、この会議は「議論して決める場」ではなく、「すでに決まっていることを、全員の前で公に確認し、儀式として承認する場(シャンシャン総会)」になります。

会議では、事前に調整した内容に基づき提案を行います。根回し済みのキーマンたちは、予定通り賛成(あるいは沈黙による承認)をしてくれるはずです。もし想定外の質問が出ても、事前に各所の意見を聞いているため、落ち着いて回答できるでしょう。

最後に議事録を作成し、決定事項として関係者全員に共有することで、正式なコンセンサス形成が完了します。

「根回し」と「コンセンサス」の違いは?日本企業での現実

ここまで読んで、「結局コンセンサスって、古臭い『根回し』のことじゃないか」と感じた方もいるかもしれません。その感覚は半分正解で、半分は誤解が含まれています。

「根回し」という言葉には、密室政治や派閥争いといったネガティブなイメージがつきまといますが、実務におけるその機能は見直されるべきものです。ここでは、日本企業における現実的な視点から解説します。

根回しは「悪」ではない!スムーズな合意形成の必須スキル

「根回し」とは、もともと園芸用語で、木を移植する前にあらかじめ根を切って細根を発生させ、移植後の定着を良くする作業を指します。ビジネスにおいても同様で、「本格的な決定(移植)の前に、環境を整えておく準備作業」こそが根回しの本質です。

欧米企業であっても、重要な意思決定の前には主要なステークホルダーへの事前説明(Lobbying)が行われます。呼び方が違うだけで、人の感情や利害を調整するプロセスは万国共通です。

「根回し=悪」と捉えて一切の事前調整を行わないと、会議は紛糾し、意思決定は遅れ、結果としてビジネスのスピードが落ちます。現代のビジネスパーソンにとって、スマートな根回し(事前コンセンサス)は、仕事を円滑に進めるための必須スキルであり、マナーの一種とさえ言えるでしょう。

欧米企業と日本企業でのコンセンサスの取り方の違い

ただし、アプローチの方法には文化的な違いがあります。

  • 欧米型(トップダウン&ディスカッション):
    リーダーが明確なビジョンを示し、会議の場で激しく議論(ディスカッション)を戦わせて合意を形成します。対立を恐れず、論理的な正しさが優先される傾向があります。
  • 日本型(ボトムアップ&調整):
    現場の意向を汲み上げ、会議の前に調整を済ませておくスタイルです。会議の場での対立を避け、「和」を保つことが重視されます。

最近では日本企業でも欧米型のスタイルが増えていますが、それでも多くの組織では「事前の仁義切り」が求められます。相手がどちらのスタイルを好むかを見極めて使い分ける柔軟性が求められます。

「コンセンサス方式(全会一致)」のメリットとデメリット

組織運営の手法として、多数決ではなく全会一致を目指す「コンセンサス方式」を採用することには、明確なメリットとデメリットが存在します。これらを理解した上で活用することが重要です。

▼【比較表】トップダウン方式 vs コンセンサス方式(クリックして展開)
項目 トップダウン方式(リーダー決定) コンセンサス方式(全会一致・合議)
決定スピード 速い
(リーダーの一存で決まる)
遅い
(全員の納得を得るのに時間がかかる)
実行スピード 遅くなるリスクあり
(現場の反発ややらされ感が出る)
速い
(全員が納得しているため初動がスムーズ)
決定の質 リーダーの能力に依存する
(独断のリスク)
多角的な視点が入る
(ただし、角が取れた凡庸な案になるリスクも)
チームワーク 一時的に悪化する可能性あり 一体感や信頼関係が醸成されやすい

緊急時や危機管理の場面ではトップダウンが有効ですが、チームの結束が必要な長期プロジェクトや、正解のない課題に取り組む際は、コンセンサス方式が強みを発揮します。

そのまま使える!シーン別「コンセンサス」の使用例文

意味と手順を理解したところで、実際に明日からの業務で使える具体的なフレーズを紹介します。「コンセンサス」という言葉自体を使う場合と、言葉を使わずにコンセンサス形成を行う場合の文面を用意しました。

上司への報告・相談で使う場合

上司に対しては、「自分は勝手に進めているわけではなく、周囲の合意を取り付けている」という安心感を与えることがポイントです。

  • 「本件につきましては、すでに関係各所のコンセンサスを得ておりますので、すぐに着手可能です。」
  • 「A案で進めたいと考えておりますが、営業部とのコンセンサスがまだ取れていないため、一度調整の時間をいただけますでしょうか。」
  • 「次回の会議までに、主要メンバーのコンセンサスを形成しておくようにいたします。」

会議のファシリテーションで使う場合

会議の進行役(ファシリテーター)として、議論をまとめたり、合意を確認したりする際に使用します。

  • 「今の議論で、方向性について参加者全員のコンセンサスが取れたと判断してよろしいでしょうか?」
  • 「まだ意見が割れているようですので、無理に結論を出さず、もう少しコンセンサスを深める時間をとりましょう。」
  • 「この点については、前回のミーティングで既にコンセンサス済みですので、次の議題に移ります。」

ビジネスメールで「コンセンサス」を用いる際の文面例

メールで事前調整を行う際は、相手に「決定事項の押し付け」と感じさせない配慮が必要です。以下は、会議前の事前確認(根回し)を行うためのメールテンプレートです。

▼【コピペOK】コンセンサス確認のためのメールテンプレート(クリックして展開)

件名:【ご相談】〇〇プロジェクトに関する方針の事前すり合わせについて

営業部
〇〇課長

お疲れ様です。企画部の佐藤です。
平素よりプロジェクトへの多大なるご協力をいただき、ありがとうございます。

さて、来週水曜日の全体会議にて提案予定の「〇〇プロジェクトの実施方針」につきまして、
事前に〇〇課長のご意見を伺いたく、ご連絡いたしました。

私としては添付資料の通り、A案で進めるのが最善と考えておりますが、
現場を統括される〇〇課長の視点から、懸念点や修正すべき点がございましたら、
会議の前に反映させていただきたく存じます。

もしよろしければ、明日以降で10分〜15分ほど、
少しお時間をいただけないでしょうか。
(または、本メールへの返信にて気兼ねないご意見をいただけますと幸いです)

お忙しいところ恐縮ですが、
プロジェクトを円滑に進めるため、何卒よろしくお願いいたします。

————————————————–
署名
————————————————–

このメールのポイントは、「決定事項の通達」ではなく「相談(ご意見を伺いたい)」というスタンスを取っている点です。これにより、相手は「尊重されている」と感じ、コンセンサス形成に応じやすくなります。

ビジネス以外での「コンセンサス」の意味

最後に、教養として知っておくべき、ビジネス以外の分野における「コンセンサス」の意味を簡潔に解説します。ニュースや新聞で目にした際に戸惑わないようにしておきましょう。

金融・株用語としての「市場コンセンサス」

投資の世界では、「市場コンセンサス(マーケット・コンセンサス)」という言葉が頻繁に使われます。これは、複数の証券アナリストやエコノミストによる、企業の業績予想や経済指標の予測値の「平均値」を指します。

例えば、「A社の決算はコンセンサスを上回った」というニュースは、「プロたちの事前の平均予想よりも良い成績が出た」という意味になり、株価が上昇する要因となります。ここでは「合意」というよりは「市場の総意としての予測」という意味合いが強くなります。

医療・看護現場における「インフォームド・コンセント」との関連

医療現場では、治療方針について医師団の間で形成される合意を「コンセンサス」と呼びます。例えば、特定の病気に対する標準的な治療指針を「コンセンサス・ガイドライン」と呼ぶことがあります。

また、患者と医師の間で合意形成を行うことを「インフォームド・コンセント(説明と同意)」と言いますが、これも語源は同じです。患者が納得した上で治療を受けるというプロセスは、ビジネスにおけるコンセンサスと本質的に同じ構造を持っています。

政治・行政における合意形成

政治や行政の場では、住民、企業、行政など立場の異なるステークホルダーの間で合意を形成することを「パブリック・インボルブメント(PI)」や「コンセンサス形成」と呼びます。ダム建設や都市開発など、利害が対立しやすい問題において、いかに納得感のある解決策を見出すかが重視されます。

コンセンサスに関するよくある質問 (FAQ)

コンセンサスについて、現場のビジネスパーソンからよく寄せられる疑問に回答します。

Q. コンセンサスは「全員の賛成」が必要ですか?反対者がいる場合は?

A. 全員の「積極的な賛成」までは必要ありません。

前述の通り、ビジネスではスピードも重要です。全員が諸手を挙げて賛成するまで待っていては、タイミングを逃してしまいます。目指すべきは「積極的賛成」ではなく、「消極的賛成(反対はしない)」の状態です。

現役組織人事コンサルタントのアドバイス
「どうしても強硬な反対者が一人いて説得できない場合は、その人を『例外』として扱うか、決定権を持つさらに上の上司(役員など)からのトップダウンと組み合わせる手法を取ります。

『〇〇さんの懸念点は議事録にリスク要因として明記します。その上で、今回は会社の方針として進めさせてください』と伝え、責任の所在を切り分けることで、相手のメンツを守りつつ進めるのがテクニックです」

Q. 「コンセンサスを得る」と「コンセンサスを取る」どちらが正しい?

A. どちらも正しく、ビジネスシーンで使えます。

一般的には以下のように使い分けられる傾向があります。

  • コンセンサスを「取る」:能動的に働きかけて合意を形成するプロセスを指す場合。(例:「根回ししてコンセンサスを取ってくる」)
  • コンセンサスを「得る」:結果として合意が得られた状態を指す場合。(例:「上層部のコンセンサスは得ている」)

他にも「コンセンサスを図る(努力する)」「コンセンサスを形成する(作り上げる)」といった表現も使われます。

Q. コンセンサスを取るのに時間がかかりすぎる場合はどうすればいい?

A. 期限を区切り、決定方式を事前に握っておくことが有効です。

いつまでも議論が終わらない場合、「〇月〇日までに全員の合意が得られない場合は、プロジェクトリーダーである私の判断で決定させていただきます」と最初に宣言(ルール作り)をしておくのが効果的です。これを「期限付きコンセンサス」と呼びます。議論の時間と決定の権限を明確に分けることで、スピードと納得感の両立を図ります。

まとめ:コンセンサスとは「仕事を進めるための信頼作り」

ここまで、ビジネスにおけるコンセンサスの意味から具体的な手順まで解説してきました。最後に要点を振り返りましょう。

  • コンセンサスとは、全員の「合意」だけでなく、実行に向けた「納得感」を得るプロセスである。
  • いきなり会議で提案するのではなく、事前の「個別ヒアリング(根回し)」が成否の9割を決める。
  • 反対意見は排除せず、「イエス・バット法」で受け止め、妥協点を探る材料にする。
  • 日本企業では、スムーズな意思決定のために、この「泥臭い調整プロセス」が信頼の証となる。

「コンセンサスを取る」という作業は、一見すると面倒で遠回りに思えるかもしれません。しかし、急がば回れという言葉の通り、丁寧に地ならしをすることで、実行フェーズに入ってからのスピードと成果は劇的に向上します。

何より、汗をかいて調整に回ったあなたの姿を、周囲は必ず見ています。「あいつに任せれば、関係者をうまくまとめてくれる」という評価こそが、ビジネスパーソンとしてのあなたの市場価値を高めてくれるはずです。

現役組織人事コンサルタントのアドバイス
「明日からできる小さな一歩として、まずは会議の前に、隣の席の関係者に『今度の件、どう思う?』と声をかけることから始めてみてください。たったその一言が、コンセンサス形成の第一歩であり、最強の信頼構築術です。あなたのプロジェクトが、関係者全員の笑顔と共に成功することを応援しています」

【コンセンサス獲得のための最終チェックリスト】

  • □ キーマン(決裁者・影響力のある人)は特定できているか?
  • □ キーマン全員に対して、会議前の個別説明(根回し)は済んでいるか?
  • □ 反対されそうな懸念点に対して、対策や回答を用意しているか?
  • □ 各部署の利害対立に対して、妥協点やバーター案を用意しているか?
  • □ 会議のゴール(何を承認してもらうか)は明確になっているか?
この記事を書いた人

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