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【タイ料理探究家直伝】トムヤムクンの本格レシピ!ナムサイ・ナムコンの違いと「3種のハーブ」の極意

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タイ料理の代名詞とも言える「トムヤムクン」。その魅力は、辛味、酸味、甘味、塩味、そしてハーブの香りが複雑に絡み合う、世界でも類を見ないスープの構造にあります。しかし、自宅で作ろうとすると「ただ辛いだけのスープになってしまった」「お店のような奥深いコクが出ない」と悩む方が非常に多いのが現実です。

結論から申し上げますと、本格的なトムヤムクンの味を決めるのは、「カー・レモングラス・バイマックルー」という3種のハーブの鮮烈な香りと、有頭エビの味噌から出る濃厚な旨味です。日本の生姜やレモン汁で代用してしまうと、どうしても「あともう一歩」の味になってしまうのです。

この記事では、現地タイで7年間、屋台や料理学校で修行を重ねた筆者が、濃厚なクリーミータイプ「ナムコン」とクリアなすまし汁タイプ「ナムサイ」の決定的な違いから、日本のスーパーや輸入食品店で揃う食材で作る再現レシピ、さらには市販ペーストを劇的に美味しくするプロの格上げ術までを徹底解説します。

この記事でわかること

  • ナムサイ(クリア)とナムコン(濃厚)の決定的な違いと、現地流の使い分け
  • トムヤムクンの魂である「3種の神器」ハーブの正しい扱い方と入手・代用ガイド
  • 失敗知らず!本格トムヤムクン(ナムコン)の調理工程と、市販ペーストのアレンジ術

トムヤムクンの正解とは?2種類のスープと味の構造

「トムヤムクン」と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどのようなスープでしょうか? おそらく多くの方が、赤くて少し白濁した、クリーミーなスープをイメージされるかと思います。しかし、実はタイ現地には大きく分けて2種類のトムヤムクンが存在します。自分が作りたい味がどちらなのか、その「正解」を定義することから始めましょう。

「ナムサイ(クリア)」と「ナムコン(濃厚)」の違い

トムヤムクンには、透き通ったスープの「トムヤムクン・ナムサイ」と、ココナッツミルクやエバミルク(無糖練乳)を加えた濃厚な「トムヤムクン・ナムコン」があります。日本で一般的に親しまれているのはナムコンですが、歴史的に古く、伝統的なスタイルはナムサイの方です。

ナムサイは、ハーブの香りと唐辛子の辛さがダイレクトに感じられる、非常にシャープでキレのある味わいが特徴です。一方、ナムコンはミルク類が入ることで辛味や酸味がマイルドになり、コクと甘みが加わったリッチな味わいになります。現地の食堂やレストランでは、注文時にどちらにするか聞かれることも珍しくありません。

以下の表に、それぞれの特徴をまとめました。ご自身の好みがどちらに近いか、確認してみてください。

特徴 ナムサイ(Nam Sai) ナムコン(Nam Khon)
スープの見た目 透明感があり、澄んでいる 白濁したオレンジ色、クリーミー
味の印象 酸味と辛味が鋭く、ハーブの香りが直接的。
さっぱりとしていてキレがある。
コクと甘みがあり、マイルド。
濃厚でリッチな味わい。
使用するミルク なし(水またはストックのみ) ココナッツミルク、またはエバミルク(無糖練乳)
主要な調味料 ナンプラー、マナオ汁、生唐辛子 ナンプラー、マナオ汁、
ナムプリックパオ(チリインオイル)
カロリー傾向 低め(ヘルシー志向に人気) 高め(満足感が高い)

日本人の味覚には、旨味と甘みのバランスが良い「ナムコン」が馴染みやすい傾向にありますが、現地の年配の方や通な人々は、素材の味が誤魔化せない「ナムサイ」を好むことも多いです。どちらが優れているということではなく、その日の気分や合わせる料理によって選ぶのがタイ流の楽しみ方です。

世界三大スープと言われる理由と味の黄金バランス

トムヤムクンは、フランスのブイヤベース、中国のフカヒレスープと並び「世界三大スープ」の一つと称されることがあります。なぜこれほどまでに世界中で評価されているのでしょうか。その理由は、単なる「辛いスープ」ではなく、味覚の基本要素が極めて高いレベルで融合している点にあります。

タイ料理の基本哲学でもある以下の4つの要素が、ひとつの丼の中で完璧なバランスを保っていることが、美味しいトムヤムクンの条件です。

  • 辛味 (Spicy): 唐辛子(プリッキーヌ)による刺激。発汗を促し、食欲を増進させます。
  • 酸味 (Sour): マナオ(ライム)のフレッシュな酸味。これがなければトムヤムクンとは呼べません。
  • 塩味 (Salty): ナンプラー(魚醤)による塩気と発酵の旨味。
  • 甘味 (Sweet): 砂糖、ナムプリックパオ、またはココナッツミルク由来のほのかな甘み。これが辛さと酸味をまとめ上げます。

この4つのバランスが崩れると、ただ辛いだけ、あるいは酸っぱいだけのスープになってしまいます。特に「甘味」の存在は重要で、隠し味程度に砂糖を加えることで、スープに奥行きが生まれます。

補足:トムヤムクンの語源

料理名の「トムヤムクン(Tom Yum Goong)」は、タイ語の3つの単語から成り立っています。

  • トム (Tom): 煮る
  • ヤム (Yum): 混ぜる(特に酸味と辛味のある和え物を指すことが多い)
  • クン (Goong): 海老

つまり直訳すると「海老を酸っぱくて辛い味で煮込んだスープ」という意味になります。ちなみに鶏肉を使えば「トムヤムガイ」、魚介類全般を使えば「トムヤムタレー」と名前が変わります。

タイ料理探究家のアドバイス
「現地の屋台や家庭では、ナムコン(濃厚版)を作る際、ココナッツミルクではなく『エバミルク(無糖練乳)』を使うのが最近の主流であり、伝統的な手法の一つでもあります。ココナッツミルクだと香りが強すぎてエビの繊細な旨味を消してしまうことがあるため、さらっとしたコクが出せるエバミルクが好まれるのです。日本ではココナッツミルク入りが一般的ですが、もし『くどすぎる』と感じるなら、牛乳やエバミルクで作ってみると、より現地の食堂の味に近づきますよ。」

本格的な味を作るための「3種の神器」と食材選び

「レシピ通りに作ったはずなのに、何かが違う」。そう感じる原因の9割は、ハーブ(香草)の不足または代用にあります。トムヤムクンは「食べるハーブティー」とも形容されるほど、香りが命の料理です。日本のスーパーにある食材で代用しようとすると、どうしても本場の味からは遠ざかってしまいます。

ここでは、本格的な味を作るために絶対に欠かせない「3種の神器」と呼ばれるハーブと、その他の重要食材について詳しく解説します。これらを揃えることが、成功への最短ルートです。

味の魂!必須ハーブ3種(カー・レモングラス・バイマックルー)

以下の3つのハーブは、トムヤムクンのアイデンティティそのものです。これらは基本的に「香りづけ」のために使用し、食べることはしません(細かく刻めば食べられますが、通常は残します)。

1. カー(南姜 / ナンキョウ / Galangal)

役割: 土のような力強い香りと、爽やかな清涼感、そしてピリッとした辛味を与えます。魚介類の生臭さを消す最強の消臭剤でもあります。
代用不可の理由: よく「日本の生姜」で代用されるレシピを見かけますが、これは全く別物です。生姜は加熱すると香りが穏やかになり甘みが出ますが、カーは加熱しても香りが鋭く残り、スープに野性味を与えます。生姜で代用すると、ただの「生姜風味のエビスープ」になってしまい、トムヤムクン特有のパンチが出ません。

2. レモングラス(タクライ / Lemongrass)

役割: 名前の通り、レモンのような爽やかな香りをつけます。しかし酸味はありません。
選び方: 根元の太い部分に香りが凝縮されています。乾燥したものよりも、生(フレッシュ)または冷凍のものを使うと、香りの立ち方が劇的に変わります。

3. バイマックルー(こぶみかんの葉 / Kaffir Lime Leaves)

役割: 柑橘系の爆発的な爽やかさをプラスします。仕上げに入れることで、スープ全体を華やかにまとめ上げます。
代用不可の理由: 柚子やレモンの皮では、この独特の「アロマオイルのような濃厚な柑橘香」は出せません。これが一枚入るだけで、キッチンがタイの香りになります。

入手方法ガイド:
これら3種は、輸入食品店(カルディコーヒーファームなど)や、アジア食材店で「トムヤムクンセット」として冷凍販売されていることが多いです。最近では大きめのスーパーのハーブコーナーに生のレモングラスやバイマックルーが置かれていることもあります。どうしても手に入らない場合は、乾燥ハーブよりも、瓶詰めの「トムヤムペースト」をベースに使う方が、香りのバランスは良くなります。

有頭エビが絶対に必要な理由

トムヤムクンの主役はエビですが、ここで重要なのは「身」よりも「頭」です。タイ語で「マン・クン」と呼ばれるエビの味噌(コマン)こそが、スープに深いコクと旨味、そして美しいオレンジ色をもたらします。

むきエビだけで作ると、出汁が出ずに淡白な味になってしまいます。スーパーで売られている有頭エビ(ブラックタイガーやバナメイエビで十分です)を使い、頭から出る濃厚な出汁をスープに移すことが、お店の味を再現する最大のポイントです。現地では、さらに旨味を足すために川エビ(オニテナガエビ)を使うこともありますが、日本では入手しやすい有頭エビで十分に美味しく作れます。

その他の具材と調味料(フクロタケ、ナンプラー、チリインオイル)

ハーブとエビ以外にも、脇を固める重要なプレイヤーたちがいます。

  • フクロタケ: タイの定番キノコ。独特の食感と、スープを含んでジューシーになるのが特徴です。日本では水煮缶が手に入りますが、なければエリンギやしめじで十分に代用可能です。エリンギの食感はフクロタケに近く、非常によく合います。
  • ナムプリックパオ(チリインオイル): 干しエビ、唐辛子、ニンニク、砂糖などを油で炒めたペースト状の調味料。これを加えることで、スープに「甘み」「コク」「赤い色」がつきます。ナムコン(濃厚スープ)を作る場合は必須です。
  • ナンプラー(魚醤): タイ料理の塩味の基本。メーカーによって塩分濃度や香りが異なりますが、透き通った色のものが上質とされています。
  • マナオ(ライム): 酸味の決め手。レモンよりも酸味がまろやかで、独特の芳香があります。生のライムがベストですが、市販のライム果汁でも代用可能です。

タイ料理探究家のアドバイス
「ハーブはただ鍋に入れるだけでは香りが立ちません。これこそが最大の秘訣なのですが、『香りが出るまで叩く・潰す』ことが鉄則です。レモングラスは包丁の背でバシバシと叩いて繊維を壊し、バイマックルーは手でちぎって葉脈を折る。カーは薄切りにしてから少し叩く。このひと手間で、細胞壁が壊れて精油成分がスープに溶け出しやすくなります。優しく扱ってはダメ。親の敵のように(笑)、しっかりと叩いてから鍋に入れてください。」

【完全保存版】自宅で再現!本格トムヤムクン(ナムコン)の作り方

それでは、いよいよ調理に入ります。ここでは、日本人の好みに合いやすい、クリーミーで濃厚な「ナムコン」スタイルのレシピを紹介します。各工程には必ず「なぜそうするのか」という理由があります。それを理解しながら進めることで、失敗のリスクはゼロに近づきます。

材料(2人分)

  • 有頭エビ:4〜6尾
  • 水(または鶏ガラスープ):600ml
  • 【3種のハーブ】
    • カー(薄切り):5〜6枚
    • レモングラス(斜め切り):2本分
    • バイマックルー(手でちぎる):4〜5枚
  • フクロタケ(またはエリンギ):適量
  • 【調味料A】
    • ナムプリックパオ:大さじ1.5〜2
    • ナンプラー:大さじ2〜3
    • 砂糖:小さじ1〜2
    • 生唐辛子(お好みで):1〜3本
  • ココナッツミルク(またはエバミルク/牛乳):100ml
  • マナオ汁(ライム果汁):大さじ2〜3(仕上げ用)
  • パクチー:適量(トッピング用)

下準備:エビの処理とハーブの香りを引き出すコツ

料理の味の8割は下準備で決まります。特にエビの下処理は臭みを消し、旨味を引き出すために丁寧に行いましょう。

  1. エビの下処理: エビは殻付きのまま背中にハサミを入れて背わたを取り除きます。頭は残しますが、ヒゲや尖った部分はハサミで切り落としておくと食べやすくなります。頭と身を切り離しても良いですが、繋げたままの方が豪華に見えます。
  2. ハーブの準備:
    • カー: 皮付きのまま薄いスライスにします。
    • レモングラス: 根元の硬い部分を包丁の背で強く叩き、香りを立たせてから、3〜4cmの長さに斜め切りにします。
    • バイマックルー: 真ん中の筋(葉脈)を取り除くように手でちぎります。ちぎることで断面から強い香りが放出されます。
    • 唐辛子: 包丁の腹で潰しておきます。
  3. キノコの準備: フクロタケは半分に、エリンギなら食べやすい大きさに裂いておきます。

調理手順:旨味の抽出から味の調整まで

火にかけてからのスピード勝負ではありません。じっくりと香りと旨味を移していくイメージで調理しましょう。

1. スープベース作り(香りの抽出)

鍋に水(または薄めの鶏ガラスープ)を入れ、カー、レモングラス、唐辛子を入れて中火にかけます。沸騰したら弱火にし、蓋をして3〜5分ほど煮出します。ここでお湯にハーブの香りをしっかりと移すことが重要です。バイマックルーは香りが飛びやすいので、まだ入れません。

2. 具材の投入(旨味の抽出)

ハーブの香りが立ってきたら、火を強めて有頭エビとキノコを投入します。エビの色が赤くなり、頭から赤い味噌が溶け出してスープがオレンジ色になるまで煮込みます。アクが出てきたら丁寧にすくい取ってください。このエビ味噌こそが天然の出汁となります。

3. 味付け(ベースの味を整える)

エビに火が通ったら、弱火にして【調味料A】(ナムプリックパオ、ナンプラー、砂糖)を加えます。ナムプリックパオが溶けにくいので、お玉の中でスープと溶いてから混ぜると良いでしょう。この段階で味見をし、塩気と甘みのバランスを確認します。

4. 仕上げ(濃厚さと酸味のプラス)

ココナッツミルクを加え、一煮立ちさせます。沸騰させすぎると分離するので注意してください。最後にバイマックルーを加えてひと混ぜし、火を止めます。

ここが最重要ポイント! 火を止めてから、最後にマナオ汁(ライム果汁)を加えます。酸味は加熱すると飛んでしまい、ライム特有のフレッシュな香りも失われます。「酸味は火を止めてから」が鉄則です。

調理工程フローチャート
STEP 1: 香りの抽出
水+カー・レモングラス

煮出す
STEP 2: 旨味の抽出
有頭エビ・キノコ投入

エビ味噌を溶かす
STEP 3: 調味
ナムプリックパオ・ナンプラー・砂糖

ココナッツミルク
STEP 4: 仕上げ(火を止める)
バイマックルー・ライム果汁

完成!

濃厚さの決め手!ココナッツミルクとエバミルクの使い分け

スープを白濁させて濃厚にする際、ココナッツミルクを使うと「タイカレー」に近い、甘くトロピカルな風味になります。これが日本で人気のあるスタイルです。

一方、現地でよく見かける「濃厚だけどスープとしてのキレがある」タイプを作りたい場合は、エバミルク(無糖練乳)を使います。エバミルクは乳脂肪のコクだけをプラスし、ココナッツのような特有の香りがないため、ハーブやエビの香りを邪魔しません。もし手に入らなければ、牛乳でも代用可能です。牛乳を使う場合は、沸騰させるとタンパク質が固まって分離しやすいので、必ず仕上げ直前に入れ、沸騰させないように温めるだけにしてください。

タイ料理探究家のアドバイス
「もし味見をして『酸味が飛んでしまった』と感じたら、迷わずライム果汁を追加してください。トムヤムクンの美味しさは、口に入れた瞬間の酸味のインパクトにかかっています。また、コクが足りないと感じたら、砂糖をひとつまみ足すと味がまとまります。タイ料理において砂糖は『甘くする』ためではなく『味の角を取り、旨味を引き立てる』ためのうま味調味料のような役割を果たします。」

平日はこれでOK!市販の「トムヤムクンの素」を劇的に美味しくする裏技

「平日の夜にハーブを叩いて煮出す時間なんてない!」という日もあるでしょう。そんな時は、市販の「トムヤムクンの素」や「ペースト」に頼っても全く問題ありません。ただし、そのまま使うのではなく、ほんの少しの工夫で「手作り風」に格上げするテクニックがあります。

市販ペースト+「フレッシュハーブ」の合わせ技

市販のペーストには、塩味、辛味、旨味のベースが完成されていますが、決定的に欠けているのが「フレッシュな香り」です。加工の段階で揮発性の香りはどうしても飛んでしまうからです。

そこで、ペーストをベースにしつつ、生のパクチー(特に根っこ)や、冷凍のハーブセットを少しだけ追加して煮込んでみてください。味の土台はペーストに任せ、香りだけをフレッシュなハーブで上書きするのです。これだけで、インスタント感が消え、一気に本格的な料理に変わります。パクチーの根っこは素晴らしい出汁が出るので、捨てずに叩いて一緒に煮込みましょう。

コクとまろやかさを足す「ちょい足し」アイテム

市販の素は、保存性を高めるために塩分が強めに設定されていることが多いです。そのままでは「塩辛い」「酸っぱいだけ」と感じる場合は、以下のアイテムをちょい足ししてマイルドに仕上げましょう。

  • 牛乳・豆乳: 水の分量の2〜3割を牛乳や豆乳に置き換えると、ナムコン風のまろやかさが出ます。特に豆乳はココナッツミルクに近いコクが出るのでおすすめです。
  • 砂糖: 小さじ1杯の砂糖を加えるだけで、尖った塩味が丸くなり、お店の味に近づきます。
  • ミニトマト: 具材としてミニトマトを加えると、グルタミン酸(旨味成分)が溶け出し、酸味にも奥行きが出ます。
おすすめ市販ペーストの選び方

カルディやスーパーで購入できるペーストにも特徴があります。

  • 瓶入りペースト(ナンファーなど): ナムプリックパオがベースになっていることが多く、油分とコクが強め。炒め物にも使えて便利です。
  • 袋入りペースト(ロイタイなど): ココナッツミルクが最初から入っているタイプが多く、温めるだけで完成度が高いです。
  • 固形キューブ: 味の調整がしやすいですが、香りは弱めなのでフレッシュハーブとの併用が必須です。

タイ料理探究家のアドバイス
「市販ペーストを使う時の最大のコツは、最初にペーストを少量の油で『炒める』ことです。いきなりお湯に溶かすのではなく、鍋でペーストを軽く炒めて香りを立たせてから水や具材を入れると、香ばしさが増し、レトルト臭さが消えます。これはカレーを作る時のスパイスのテンパリングと同じ原理です。」

よくある失敗と解決Q&A

トムヤムクン作りで初心者が陥りやすい失敗と、その解決策をまとめました。これを知っておけば、いざという時に慌てずに済みます。

Q. スープが酸っぱすぎる・辛すぎる時はどう調整する?

A. 砂糖とココナッツミルク(または水)で調整します。
タイ料理の味の調整は「足し算」が基本です。酸っぱすぎる・辛すぎると感じたら、まず砂糖を少しずつ足してみてください。甘みが対抗して刺激を和らげてくれます。それでも濃い場合は、水やココナッツミルクを足して全体量を増やし、濃度を下げます。決して塩やナンプラーを足してはいけません。

Q. ココナッツミルクが分離してボソボソになってしまった

A. 沸騰させすぎが原因です。次回は火加減に注意を。
ココナッツミルクは高温で激しく煮立たせると、油分と水分が分離して口当たりが悪くなります。これを防ぐには、ココナッツミルクを入れた後は「弱火で温める程度」に留めるか、沸騰直前で火を止めるのがコツです。分離してしまったスープは元には戻りませんが、味自体に大きな問題はないので、よく混ぜて食べましょう。

Q. ハーブ(レモングラスや葉っぱ)は食べていいの?

A. 基本的には香りづけなので残します。
カー(ナンキョウ)、レモングラス、バイマックルーは繊維が硬く、噛み切れないため、現地でもお皿の端によけるか、器に残すのがマナーです。ただし、若くて柔らかい葉や、極薄にスライスされたカーなどは食べられることもあります。「食べられないものが入っている」のではなく、「最高の出汁ガラが入っている」と考えてください。

タイ料理探究家のアドバイス
「余った生のレモングラスやバイマックルーは、使いやすい分量に小分けして冷凍保存が可能です。香りは多少落ちますが、乾燥品よりはずっと良い働きをします。また、余ったカーは薄切りにして焼酎に漬け込むと、独特の香りのハーブ酒になり、ソーダ割りにすると絶品ですよ。」

まとめ:本格トムヤムクンで食卓をタイ旅行気分に!

トムヤムクンは、一見難しそうに見えますが、味の構造(辛・酸・甘・塩)と、香りの主役(カー・レモングラス・バイマックルー)さえ理解してしまえば、日本の家庭でも驚くほど本格的な味を再現できます。

今回ご紹介したポイントを振り返ってみましょう。

  • トムヤムクンにはクリアな「ナムサイ」と濃厚な「ナムコン」がある。
  • 味の決め手は「3種のハーブ」と「有頭エビの味噌」。生姜での代用は避ける。
  • ハーブは親の敵のように叩いて香りを出し、酸味(ライム)は火を止めてから入れる。
  • 市販ペーストを使う場合も、生ハーブや砂糖のちょい足しで劇的に美味しくなる。

週末はぜひ、輸入食品店でハーブセットと有頭エビを買い込み、キッチン中に広がる爽やかな香りと共に、タイ旅行気分を味わってみてください。「お店より美味しい!」という家族や友人の言葉が、きっと聞けるはずです。

買い物用:必須食材チェックリスト

スーパーやカルディに行く前に、このリストをスクリーンショットして活用してください。

  • 【最重要】有頭エビ(ブラックタイガー等)
  • 【最重要】トムヤムクン用ハーブセット
    (レモングラス、カー、バイマックルー、生唐辛子が入っているものが便利)
  • フクロタケ(またはエリンギ・しめじ)
  • ココナッツミルク(またはエバミルク・牛乳)
  • ナンプラー(魚醤)
  • ナムプリックパオ(チリインオイル) ※ナムコンを作るなら必須
  • ライム(またはライム果汁100%)
  • パクチー(お好みで)
この記事を書いた人

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