タイ料理店で食べるあの甘酸っぱくて香ばしい焼きそば「パッタイ」。もちもちの米麺に、エビの旨味とナッツの食感が絡み合う美味しさは格別ですが、いざ自宅で作ろうとすると「麺が団子状に固まってしまった」「なんかただの焼きそばになってしまった」という失敗を経験したことはありませんか?
結論から申し上げますと、パッタイは「麺の戻し方」と「甘・辛・酸のバランス」さえ押さえれば、スーパーの食材だけで現地の味を9割以上再現することが可能です。特別な輸入食材店に行かなくても、日本の家庭にある調味料と食材で、驚くほど本格的な味を作り出すことができるのです。
本記事では、元タイ料理店オーナーシェフである筆者が、入手困難なタマリンドを使わずに作る「プロの代用テクニック」と、家庭用コンロでも麺がベチャつかない「下準備の秘訣」を徹底解説します。これを読めば、あなたも今夜から「おうちパッタイ」の達人になれるはずです。
この記事でわかること:
- スーパーで揃う食材で作る、本格パッタイの代用レシピと黄金比
- 「麺がベチャベチャ」「くっつく」を防ぐ、プロ直伝の下準備と炒め方
- カルディや無印良品のキットを「お店の味」に格上げする裏技
パッタイ(タイ風焼きそば)とは?味の特徴とカロリーを知ろう
まず、美味しいパッタイを作るためには、その料理が本来どのような特徴を持っているのか、正解のイメージ(ゴール)を明確にしておくことが重要です。パッタイは単なる「タイ風の焼きそば」ではありません。その歴史的背景や味の構成要素を理解することで、調理時の味見の精度が格段に上がります。
アジア料理研究家のアドバイス
「日本人がパッタイにハマる最大の理由は、舌の異なる場所を同時に刺激する『甘・辛・酸』の絶妙なバランスにあります。日本の焼きそばがソースの『塩味・旨味』中心であるのに対し、パッタイは砂糖の甘み、タマリンドやお酢の酸味、唐辛子の辛味が複雑に絡み合います。現地の味を目指すなら、恐れずに『甘み』と『酸味』をしっかり効かせることがポイントです」
パッタイの定義と歴史:米麺を使ったタイの国民食
パッタイ(Pad Thai)は、直訳すると「タイ(Thai)を炒める(Pad)」という意味を持つ、タイを代表する米麺料理です。実はこの料理、数百年続く伝統料理というよりは、比較的新しい「国策料理」としての側面を持っています。
第2次世界大戦前後、当時のタイ首相がナショナリズムを高め、同時に米の消費拡大(麺に加工することで保存性を高める等の意図もあり)を促すために考案・普及させたと言われています。そのため、中国由来の麺料理でありながら、タイ料理特有の調味料(ナンプラー、パームシュガー、タマリンド)を多用し、タイのアイデンティティを強く反映した味付けになっているのです。
使用される麺は、主に「センレック」と呼ばれる中細の米麺(ライスヌードル)です。もちもちとした弾力があり、ソースをよく吸うのが特徴です。具材にはエビ、もやし、ニラ、卵、厚揚げ、干しエビ、ピーナッツなどが一般的に使われます。
どんな味?甘酸っぱさと香ばしさの絶妙なハーモニー
パッタイの味を決定づけるのは、以下の4つの要素のバランスです。
- 酸味(Sour):本来はタマリンドという豆科のフルーツの果肉を使います。フルーティーで奥深い酸味が特徴です。
- 甘味(Sweet):パームシュガー(ヤシ砂糖)による、コクのある強い甘みが必要です。
- 塩味(Salty):ナンプラー(魚醤)の旨味を含んだ塩気がベースとなります。
- 辛味(Spicy):粉唐辛子でお好みの辛さを加えますが、基本の味付けは辛くせず、後から足すスタイルも一般的です。
これらの味が、高温で炒められた麺の香ばしさ(メイラード反応)と合わさることで、パッタイ特有の食欲をそそる香りが生まれます。日本の焼きそばソースのような「単一の濃厚さ」ではなく、一口食べるごとに異なる風味が顔を出す、立体的で鮮やかな味わいが魅力です。
気になるカロリーと糖質:他の麺料理との比較
「米麺だからヘルシー」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実はパッタイはカロリーと糖質が比較的高めの料理です。米麺自体が炭水化物であることに加え、調理に多めの油を使用すること、そして味付けにたっぷりの砂糖を使うことが理由です。
以下に、一般的な1人前あたりのカロリーと栄養素の比較目安をまとめました。
▼パッタイと一般的な焼きそば・ラーメンのカロリー比較表(クリックして展開)
| 料理名 | カロリー (kcal) | 糖質 (g) | 脂質 (g) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| パッタイ | 700〜900 | 80〜100 | 30〜40 | 砂糖とナッツ、炒め油でカロリー高め。野菜やエビで栄養バランスは良い。 |
| ソース焼きそば | 500〜600 | 70〜80 | 15〜20 | 豚肉の脂質によるが、砂糖の使用量はパッタイより少ない。 |
| 醤油ラーメン | 400〜500 | 60〜70 | 5〜10 | スープを飲み干さなければ脂質は低めだが、塩分が高い。 |
※数値は一般的なレシピに基づく目安であり、具材の量や調理法により変動します。
※出典:文部科学省 食品成分データベース等の一般値を参考に算出
ダイエット中の方は、麺の量を少し減らして「もやし」の量を倍増させることで、満足感を維持しながらカロリーダウンを図るのがおすすめです。もやしのシャキシャキ感はパッタイの命とも言える食感ですので、増量しても味のバランスは崩れません。
買い物はスーパーで完結!本格パッタイの材料と「代用」の黄金比
本格的なパッタイを作ろうとした時、最大の壁となるのが「食材集め」です。「タマリンドペースト」や「パームシュガー」、「センレック」などは、一般的なスーパーマーケットでは手に入らないことが多いでしょう。
しかし、ご安心ください。私が長年厨房で試行錯誤してたどり着いた「代用ロジック」を使えば、近所のスーパーで売っている食材だけで、驚くほど現地の味に近いパッタイを作ることができます。ここでは、妥協ではなく「工夫」によって味を再現するための材料選びを解説します。
元タイ料理店オーナーシェフのアドバイス
「私がまだ日本で店を始めたばかりの頃、タマリンドが一時的に輸入ストップしてしまったことがありました。その時、苦肉の策で試したのが『梅干し』です。タマリンド特有の『酸味』と『果実味』は、実はお酢だけでは出せません。梅肉を少し加えることで、あの独特のフルーティーな酸味が見事に再現できるのです。これはプロの裏技として自信を持っておすすめします」
必須食材リスト:これだけは揃えたい基本の材料
まずは、スーパーの食品売り場とアジア食材コーナー(あれば)で以下のものを探してください。これらが揃えば準備は9割完了です。
- 麺:ライスヌードル(フォー用、ビーフン、または平麺タイプの米麺)。※詳細は後述します。
- メイン具材:むきエビ(または豚肉)、厚揚げ、卵。
- 野菜:もやし、ニラ。
- 香味野菜:にんにく、玉ねぎ(あれば赤玉ねぎ)。
- トッピング:ピーナッツ(無塩)、桜海老(干しエビの代用)、レモン(ライムの代用)。
特に「厚揚げ」は意外かもしれませんが、パッタイには欠かせない名脇役です。細かく切って炒めると、ソースの旨味を吸い込み、肉のような満足感を出してくれます。豆腐コーナーにある一般的な厚揚げで十分です。
【プロの代用術】タマリンド・パームシュガーがない時は?
ここが今回の最重要ポイントです。パッタイソース(合わせ調味料)を作る際、特殊食材がない場合の「代用黄金比」を公開します。この比率で作れば、ケチャップ味の「なんちゃってパッタイ」ではなく、奥深い本格的な味になります。
▼代用調味料の黄金比率(合わせ調味料レシピ・1人前)
以下の材料をすべて混ぜ合わせ、砂糖が溶けるまでよくかき混ぜておきます。
| 本来の食材 | 代用食材と分量 | ポイント |
|---|---|---|
| タマリンドペースト | 酢(大さじ1.5)+ 梅肉(叩いたもの 小さじ1/2) ※レモン汁で作る場合は加熱で香りが飛ぶので仕上げに追加推奨 |
梅干しの塩分があるため、ナンプラーを少し控えめに調整すると良い。梅のフルーティーさがタマリンドに酷似。 |
| パームシュガー | 三温糖 または 黒糖(大さじ1.5〜2) ※上白糖でも可だが、茶色い砂糖の方がコクが出る |
思い切って多めに入れるのがコツ。甘みが足りないとボヤけた味になる。 |
| ナンプラー | ナンプラー(大さじ1.5) ※苦手な場合は後述の代用を参照 |
加熱することで独特の臭みは飛び、旨味だけが残る。 |
| オイスターソース | オイスターソース(小さじ1) | 隠し味としてコクと深みをプラスする。 |
| チリパウダー | 一味唐辛子(少々〜お好みで) | 辛さが苦手なら入れなくてもOK。 |
その他の代用テクニック:
- 「チャイポー(塩漬け大根)」の代用 → たくあん(微塵切り)
黄色い日本のたくあんを水でさっと洗い、細かく刻んで使います。食感と甘じょっぱさが完璧なアクセントになります。 - 「ホムデン(赤小玉ねぎ)」の代用 → 赤玉ねぎ または 普通の玉ねぎ
薄切りやみじん切りにして、香りのベースにします。
ナンプラーが苦手・ない場合の対処法
ナンプラー(魚醤)の香りがどうしても苦手、あるいは使い切れないから買いたくない、という方もいらっしゃるでしょう。その場合は、以下の組み合わせで代用可能です。
- 薄口醤油(大さじ1) + 鶏ガラスープの素(ひとつまみ) + レモン汁(少々)
醤油だけだと「和風焼きそば」になってしまうため、鶏ガラスープで動物性の旨味を補い、レモン汁で魚醤特有の発酵したような酸味のニュアンスを加えます。ただし、ナンプラーに含まれるグルタミン酸の旨味はパッタイの核となるため、可能であれば小瓶のナンプラーを一本用意することをおすすめします。加熱すれば生臭さは消え、香ばしさに変わります。
具材の選び方:エビ、厚揚げ、ニラ、もやし、卵の役割
具材選びにもそれぞれ重要な役割があります。
- エビ:プリッとした食感と赤い彩り。殻付きのエビを使う場合は、殻から出る出汁も旨味になります。
- 厚揚げ:1cm角のサイコロ状に切って使います。ソースを吸ってジューシーになり、ボリューム感を出します。
- ニラ:日本のパッタイでは必須。加熱しすぎず、最後に加えてシャキシャキ感を残すのがコツです。緑色が料理を引き締めます。
- もやし:麺と同じくらいの量を入れます。食感のコントラストを生むため、絶対に欠かせません。
- 卵:全体をマイルドにまとめ上げるつなぎ役です。
【最重要】プロが教える「麺(センレック)」の選び方と失敗しない戻し方
パッタイ作りで最も失敗が多いのが「麺」の扱いです。「フライパンに入れた途端に団子状に固まった」「ちぎれてベチャベチャになった」「芯が残って硬い」……これらはすべて、麺の選び方と戻し方のミスに起因します。
ここが、ただのレシピ記事には書かれていない、プロだけが知る「成功の分岐点」です。
アジア料理研究家のアドバイス
「米麺は小麦の麺と違い、グルテンがない代わりにデンプン質が非常に多い食材です。そのため、茹で過ぎるとデンプンが溶け出して糊(のり)のようになり、麺同士が強力にくっついてしまいます。これを防ぐ唯一の方法は、『お湯で茹でない』こと。そして炒める直前の『油コーティング』です」
麺の種類:ビーフン、フォー、センレックの違いとおすすめ
スーパーの麺売り場には様々な米麺が並んでいますが、パッタイに最適なのはどれでしょうか。太さと食感で分類してみましょう。
▼米麺の太さと食感・用途のマトリクス図(クリックして詳細を確認)
| 名称(タイ語) | 太さ・形状 | 特徴・用途 | パッタイ適合度 |
|---|---|---|---|
| センレック (Sen Lek) | 2〜3mm (中細) | 最も一般的。程よい弾力とソース絡みの良さが特徴。 | ◎ (ベスト) |
| センミー (Sen Mee) | 極細 (ビーフン) | すぐに戻るが、炒めると切れやすい。汁ビーフン向け。 | △ (食感が弱い) |
| センヤイ (Sen Yai) | 1cm以上 (幅広) | きしめんのような形状。モチモチ感が強いがくっつきやすい。 | ◯ (別料理パッシーユ向け) |
| フォー (Pho) | 3〜5mm (平麺) | ベトナムの米麺。表面がツルツルしており、炒めにも使える。 | ◯ (代用として優秀) |
基本的にはパッケージに「パッタイ用」や「センレック」と書かれたものを選びますが、ない場合はベトナムの「フォー(乾麺)」でも代用可能です。日本の「ケンミン焼きビーフン」などの極細麺は、食感が別物になるため避けた方が無難です。
水戻しか、お湯戻しか?モチモチ食感を生む正解の手順
ここが最大のポイントです。パッケージの裏面には「熱湯で〇分茹でる」と書いてあることが多いですが、炒め料理にする場合はこれを無視してください。
正解は「水(またはぬるま湯)でじっくり戻す」です。
- 大きめのボウルに水を張る:たっぷりの水を用意します。
- 麺を浸す:乾麺をそのまま水に浸けます。浮いてくる場合は皿などで重しをします。
- 放置する(1時間〜1時間半):水温によりますが、麺が白く不透明なまま、手で曲げても折れない程度の柔らかさになるまで待ちます。
- チェック方法:指で麺を巻き付けられるくらいしなやかだが、まだ芯があって食べられない状態(アルデンテ以前の状態)がベストです。
なぜ茹でてはいけないのでしょうか? 熱湯で茹でると、麺の表面が一気に糊化(α化)して粘りが出ます。その状態でフライパンに入れると、炒めている間にさらに熱が入り、ドロドロに溶けてしまうのです。水戻しなら、麺の中心まで水分を含ませつつ、表面は硬いままキープできるため、炒めた時に初めて「ちょうどよいモチモチ感」に仕上がります。
炒める前に絶対やるべき「麺のコーティング」処理
水で戻した麺をザルにあげたら、すぐに調理しない場合や、よりくっつきにくくするために、以下のひと手間を加えます。
「少量のサラダ油を麺にまぶして、手でほぐしておく」
これにより、麺一本一本が油膜でコーティングされ、フライパンの中で重なってもくっつきにくくなります。この工程を挟むだけで、仕上がりのパラパラ感(タイ語で言う「ルアン」な状態)が劇的に向上します。
麺がない時の代用:うどんや焼きそば麺で作る「パッタイ風」のコツ
どうしても米麺が手に入らない、あるいはもっと手軽に作りたい場合は、「冷凍うどん」や「中華蒸し麺(焼きそば用)」でもパッタイ風の味付けは楽しめます。
- 冷凍うどんの場合:モチモチ感が米麺に近いので相性が良いです。解凍してから使い、ソースを吸わせる時間を短くします。
- 焼きそば麺の場合:一度お湯でさっと洗って表面の油を落としてから炒めると、パッタイソースがよく馴染みます。
手順を写真で解説!自宅で絶対失敗しないパッタイの作り方
材料と下準備が整ったら、いよいよ調理です。タイ料理は中華料理と同様、火力が命のスピード勝負です。炒め始めてから調味料を探している時間はありません。全ての材料を手元に並べてから点火しましょう。
元タイ料理店オーナーシェフのアドバイス
「家庭のコンロは業務用のハイカロリーバーナーに比べて火力が圧倒的に弱いです。そのため、全ての具材を一度に炒めようとすると、フライパンの温度が下がって野菜から水が出てしまい、ベチャベチャの原因になります。家庭で作る際は、面倒でも『具材を炒めて取り出す』→『麺を炒める』→『合わせる』という分割調理を行うことが、美味しく仕上げる最大の近道です」
下準備:合わせ調味料(パッタイソース)を先に作っておく
前述の「黄金比」で紹介した調味料(砂糖、ナンプラー、酢+梅肉、オイスターソース、粉唐辛子)を全てボウルに入れ、よく混ぜておきます。砂糖が完全に溶けていなくても、炒める熱で溶けるので大丈夫です。
工程1:具材(エビ・厚揚げ・たくあん)を香ばしく炒める
- フライパンに多めの油(大さじ1〜2)を引き、みじん切りのニンニク(あれば赤玉ねぎ)を弱火で炒めて香りを出します。
- エビを入れ、両面の色が変わるまで中火で炒めます。
- 厚揚げ(1cm角)、たくあん(みじん切り)、干しエビ(あれば)を加え、厚揚げの表面がカリッとするまで炒めます。
- 【重要】 ここで一度、炒めた具材をすべて皿に取り出します。
- ※フライパンに残った旨味のある油はそのまま使います。
工程2:麺とソースを投入し、一気に吸わせる(ここが勝負!)
- 空いたフライパンに、水戻ししておいた麺を入れます。
- すぐに水(大さじ2〜3程度)を加えます。ジュワッという音と共に蒸気が上がり、この蒸気で麺を蒸し焼きにします。
- 麺が少し透明になり柔らかくなってきたら、作っておいた合わせ調味料(パッタイソース)を一気に入れます。
- 強火で手早く混ぜ合わせます。麺がソースをぐんぐん吸い込み、茶色く色づいていきます。
- ※この時点で麺がまだ硬い場合は、水を少量ずつ足して調整します。逆に柔らかすぎる場合は水分を飛ばします。
工程3:卵と野菜(もやし・ニラ)を加えてサッと仕上げる
- 味が馴染んだ麺をフライパンの端に寄せ、空いたスペースを作ります。
- スペースに油を少し足し、溶き卵を流し入れます。
- 卵が半熟状になるまでいじらずに待ち、固まりかけたら大きく混ぜてスクランブルエッグ状にします。
- 麺を卵の上に被せるようにして合わせます。
- 取り出しておいた具材(エビ・厚揚げ等)を戻し入れます。
- 最後に、もやしとニラを加えます。
- 野菜を入れたら手早く30秒〜1分炒めるだけで火を止めます。余熱で火が通るので、炒めすぎないことがシャキシャキ感を残すコツです。
盛り付け:砕いたピーナッツと生野菜で本格感を演出
お皿に盛り付けたら、仕上げに以下のトッピングを添えます。
- 砕いたピーナッツ:食感と香ばしさをプラス。ビニール袋に入れて麺棒などで叩くと簡単です。
- レモン(またはライム):食べる直前に絞ると、味が引き締まり爽やかになります。
- 生のもやし・ニラ(お好みで):現地では生で添えられることも多いですが、気になる方は加熱したものだけでOKです。
- 粉唐辛子:辛いのが好きな方は脇に添えます。
「味が決まらない…」を解決!よくある失敗原因とリカバリー術
レシピ通りに作ったつもりでも、調理環境や食材の水分量によって仕上がりが変わることがあります。もし失敗してしまっても、諦めないでください。リカバリーする方法はあります。
アジア料理研究家のアドバイス
「タイ料理は『足し算の料理』と言われます。味がぼやけていたら、卓上で調味料を足して完成させれば良いのです。失敗を恐れず、自分の舌を信じて調整しましょう」
ケース1:麺がベチャベチャに固まってしまった
原因:麺の戻しすぎ、または炒める時の水分が多すぎた。
対策:残念ながら一度糊化した麺を元に戻すことはできませんが、ごま油を少し回しかけて強火で焼き付けるように炒めると、表面がカリッとして食感が改善されます。次回は「水戻し時間を短くする」「炒める時の差し水を減らす」ことを意識してください。
ケース2:味が薄い、またはパンチが足りない
原因:麺の量が多かった、または調味料の煮詰め不足。
対策:ナンプラーと砂糖を1:1で混ぜたものを少量ずつ足してください。コクが足りない場合は、砕いたピーナッツを多めにかけると、脂質と旨味が補われて味が濃厚に感じられます。
ケース3:酸味が強すぎて食べにくい
原因:酢やタマリンドの入れすぎ。
対策:砂糖を追加して甘みでバランスを取ります。また、卵をもう一つ炒めて加えることで、酸味がマイルドに中和されます。
ケース4:水っぽくなってしまった
原因:もやしから水分が出た、火力が弱かった。
対策:具材と麺を端に寄せ、出てきた水分だけを強火で煮詰めるか、キッチンペーパーで吸い取ってしまいます。仕上げに砕いたピーナッツや干しエビ(またはかつお節)を加えると、水分を吸ってくれます。
さらに美味しく!本場の食べ方「クルワンプルーン」と具材アレンジ
基本のパッタイができたら、現地の食文化を取り入れてさらに楽しみましょう。タイの食堂には必ずと言っていいほど「クルワンプルーン」と呼ばれる4つの調味料セットが置いてあります。
元タイ料理店オーナーシェフのアドバイス
「タイでは、提供された料理をそのまま食べる人は稀です。皆、卓上の調味料セットを使って『自分好みの味』にカスタマイズ(味変)してから食べます。甘党の人は砂糖を山盛り入れますし、辛党は唐辛子を大量に入れます。この自由さこそがタイ料理の醍醐味です」
タイの卓上調味料セット「クルワンプルーン」を家で再現
自宅にある小皿や小さな容器に以下の4つを用意して、食卓に並べてみてください。家族それぞれが好みの味に調整できるので、盛り上がること間違いなしです。
- ナムターン(砂糖):辛さを和らげ、コクを出します。パッタイには一番重要です。
- ナンプラー(魚醤):塩気を足したい時に。
- ナムソム(お酢):さっぱりさせたい時に。唐辛子の輪切りを漬け込んでおくと本格的です。
- プリックポン(粉唐辛子):辛さを足したい時に。
おすすめのアレンジ具材(鶏肉、豚肉、シーフードミックス)
エビ以外にも、パッタイに合う具材はたくさんあります。
- 鶏肉(鶏もも・鶏むね):一口大に切って使用。あっさりとして食べやすい定番アレンジです。
- 豚肉(豚バラ・細切れ):脂の旨味が出るので、ガッツリ食べたい時におすすめです。
- シーフードミックス:冷凍庫にあるミックスを使えば、解凍するだけで豪華な海鮮パッタイになります。
余ったパッタイソースの活用レシピ
合わせ調味料を多めに作って余ってしまった場合は、以下の料理に活用できます。
- 鶏肉の炒め物:鶏肉とカシューナッツを炒めれば「鶏肉のカシューナッツ炒め」風になります。
- チャーハン:ご飯を炒める時の味付けに使えば、タイ風チャーハン(カオパッド)の完成です。
時間がない時は?市販キット(カルディ・無印)をプロ級に格上げする裏技
平日の夜など、一から調味料を合わせる時間がない時は、市販の「パッタイキット」を活用するのも賢い選択です。カルディや無印良品などで手に入るキットは優秀ですが、そのまま作ると少しレトルト感が出たり、具材が寂しかったりすることも。そこで、プロが実践する「ちょい足し格上げ術」をご紹介します。
アジア料理研究家のアドバイス
「キットの弱点は『フレッシュな香り』と『食感』が不足しがちな点です。付属のソースは加熱殺菌されているため、どうしても香りが飛んでいます。ここに生の香味野菜や酸味を足すだけで、劇的に手作り感が増しますよ」
人気のパッタイキット実食レビューと特徴比較
- カルディ(スータイ パッタイセット):
- 特徴:本場タイからの輸入品で、甘みと辛みが強めのパンチのある味。
- 麺:細めのセンレックで戻しやすい。
- 無印良品(手づくりキット パッタイ):
- 特徴:日本人の口に合うマイルドな味付け。酸味は控えめ。
- 麺:少し太めの麺でモチモチ感が強い。
付属の乾麺を美味しく戻すポイント
キットの裏面には「茹でてから炒める」と書かれていることが多いですが、ここでも前述の「水戻し」テクニックを適用してください。キットの麺でも、水で戻してから炒める方が断然コシが残り、美味しく仕上がります。
ちょい足しでレトルト感を消すマジック食材
キットで作る際、以下の食材をどれか一つ足すだけで味が激変します。
- 生のレモン(またはライム)を絞る:付属ソースの酸味に加え、フレッシュな果汁を足すことで香りが立ちます。
- 桜海老を乾煎りして入れる:香ばしさがプラスされ、屋台の味に近づきます。
- ニラともやしは必ず「生」で用意する:キットに乾燥野菜が入っている場合でも、フレッシュな野菜を使うだけで料理の格が上がります。
パッタイ作りに関するよくある質問(FAQ)
最後に、パッタイ作りに関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 子供でも食べられる辛くないパッタイは作れますか?
A. はい、簡単に作れます。
パッタイの基本の味(甘・酸・塩)には辛味成分は含まれていません。唐辛子を入れなければ、甘めの焼きそばとしてお子様にも大人気です。大人は後から卓上の粉唐辛子で辛さを調整してください。
Q. パクチーは必須ですか?苦手な場合の代用は?
A. 実は、本場のパッタイにはパクチーは乗っていないことが多いです。
日本ではタイ料理=パクチーのイメージが強いですが、現地のパッタイ専門店ではパクチーではなく、バナナの蕾や生ニラが添えられます。ですので、パクチーがなくても全く問題ありません。彩りが欲しい場合は、万能ネギやニラの緑色で十分代用できます。
Q. 作ってから時間が経つと麺が固まりますか?お弁当には向いている?
A. 米麺の性質上、冷めるとどうしてもくっつきやすくなります。
お弁当に入れる場合は、炒める時の油を少し多めにするか、仕上げにごま油を絡めておくとほぐれやすくなります。また、食べる直前に電子レンジで温め直すと、モチモチ感が復活して美味しく食べられます。
まとめ:プロのコツを押さえれば、おうちパッタイはもっと美味しくなる!
いかがでしたでしょうか。難しそうに見えるパッタイも、「麺は水で戻す」「タマリンドは梅干しで代用」「具材と麺は分けて炒める」というポイントさえ押さえれば、誰でも失敗なく作ることができます。
特別な調味料を買い揃える必要はありません。まずは今週末、スーパーで買える食材を使って、あなただけの「最高のおうちパッタイ」に挑戦してみてください。キッチンに広がる甘酸っぱい香りが、食卓をタイの屋台へと変えてくれるはずです。
元タイ料理店オーナーシェフのアドバイス
「料理に正解はありません。今回ご紹介したレシピをベースに、『もっと酸っぱい方が好き』『もっと甘い方がいい』と、ご自身の舌に合わせて自由に調整してください。その試行錯誤こそが、料理上手への一番の近道であり、家庭料理の楽しさです」
パッタイ作り成功のための最終チェックリスト
- [ ] 麺は茹でずに「水」で戻しましたか?(芯が残る程度)
- [ ] 合わせ調味料(パッタイソース)は事前に混ぜておきましたか?
- [ ] タマリンドがない場合、梅干しと酢で代用しましたか?
- [ ] 具材を一度取り出し、麺だけで味を含ませる工程を行いましたか?
- [ ] 仕上げのもやしとニラは、炒めすぎずにシャキシャキ感を残しましたか?
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