「そろそろお父さんが還暦だけど、何をすればいいんだろう?」「赤いちゃんちゃんこって、今どき着るの?」
60歳という人生の大きな節目を迎えるご両親へ、感謝の気持ちを伝えたいと思う一方で、マナーやプレゼント選びに悩まれている方は非常に多いです。特に現代の60代は、昔と違って若々しく現役で活躍されている方が大半です。そのため、従来の「長寿祝い」としての形式的なお祝いをしてしまうと、かえって「年寄り扱いされた」と複雑な気持ちにさせてしまうことさえあります。
結論から申し上げますと、現代の還暦祝いにおける正解は、「長寿の祝い」ではなく「人生の節目を祝う感謝のイベント」として企画することです。形式的なしきたりを押さえつつも、ご両親の若々しいライフスタイルに合わせた「体験」や「記念品」を選ぶことが、心から喜ばれる成功の鍵となります。
この記事では、百貨店のギフトサロンで数多くのお客様の還暦祝いをサポートしてきた経験を基に、以下の3つのポイントを徹底解説します。
- 「年寄り扱い」で失敗しない!現代版・還暦祝いの新しいマナーと常識
- 【相手別】父・母・義理の両親に喜ばれるプレゼントの選び方と金額相場
- 赤いちゃんちゃんこは必要?のしの書き方は?プロが教える疑問解決ガイド
一生に一度の還暦祝い。マナーの不安を解消し、ご家族全員が笑顔になれる素敵なお祝いを一緒に作り上げていきましょう。
そもそも「還暦祝い」とは?現代の60歳に合わせた新しい考え方
還暦祝いの準備を始める前に、まずは「還暦」という言葉の本来の意味と、現代における捉え方の変化について正しく理解しておくことが大切です。ここを誤解したまま準備を進めてしまうと、良かれと思ってやったことが裏目に出てしまう可能性があります。特に「親を年寄り扱いしたくない」という想いをお持ちの方は、このセクションで紹介する「新しい考え方」をぜひ参考にしてください。
還暦(満60歳)の意味と由来|なぜ「赤」でお祝いするのか
還暦とは、干支(えと)である十干十二支(じっかんじゅうにし)が60年で一巡し、生まれた年の干支に戻ることから「暦(こよみ)が還(かえ)る」という意味で名付けられました。60年で一回りして、再び赤ちゃんに戻って生まれ変わるという意味合いが込められています。
では、なぜ還暦のお祝いには「赤」が用いられるのでしょうか。これには大きく分けて2つの理由があります。
一つ目は、「魔除け」の意味です。古来より日本では、赤色には魔を払い厄を除ける力があると信じられてきました。鳥居の色が赤であることや、赤飯を炊いて祝う文化もここに通じています。これからの人生を災いなく健康に過ごしてほしいという願いが込められているのです。
二つ目は、「赤ちゃんに戻る」という意味です。昔は産着(うぶぎ)に赤色が使われることが多かったため、60年で干支が一巡して赤ちゃんに還ることにちなみ、赤いちゃんちゃんこや頭巾を贈る風習が生まれました。つまり、赤は「再生」と「リスタート」の象徴的な色なのです。
このように、還暦の赤には単なる派手さではなく、ご本人のこれからの健康と新しい人生のスタートを応援する、非常にポジティブで深い意味が込められています。由来を知ることで、お祝いの席での話題作りにも役立つはずです。
昔と今は違う!「長寿祝い」から「感謝とリスタートの祝い」へ
かつて平均寿命が50歳前後だった時代において、60歳を迎えることは大変な長寿であり、驚くべき慶事でした。しかし、平均寿命が男女ともに80歳を超える現代の日本において、60歳は決して「お年寄り」ではありません。定年延長や再雇用制度により、現役バリバリで働いている方も多く、趣味やスポーツをアクティブに楽しむ「人生の全盛期」とも言える年代です。
そのため、従来の「長寿祝い」という感覚でお祝いをすると、ご本人との認識にズレが生じてしまいます。「まだまだ現役なのに、おじいちゃん扱いされた」とショックを受けてしまうケースも少なくありません。
現代の還暦祝いにおいて最も重要なコンセプトは、「長寿への労い」ではなく、「人生の第一線で走り続けてきたことへの感謝」と「第二の人生(セカンドライフ)の幕開けを祝うリスタート」です。
「長生きしてね」という言葉よりも、「今まで家族のためにありがとう」「これからも素敵な人生を楽しんでね」というメッセージの方が、現代の60歳には響きます。お祝いのスタイルも、形式張った儀式よりも、家族で美味しい食事を囲んだり、旅行に出かけたりするような、明るく楽しいイベントとして捉える方が主流になっています。
お祝いするタイミングはいつ?満年齢の誕生日?お正月?
還暦祝いを行うタイミングについて、明確な決まりはありませんが、現代では「満60歳の誕生日」にお祝いするのが一般的です。かつては数え年(生まれた時を1歳とし、お正月に年を取る数え方)の61歳のお正月にお祝いする風習がありましたが、現在では満年齢でお祝いすることがほとんどです。
ただし、誕生日にこだわらなくても問題ありません。ご家族が集まりやすいタイミングを優先しましょう。よく選ばれるのは以下のタイミングです。
- 満60歳の誕生日当日またはその週末:最もスタンダードで、本人も実感が湧きやすいタイミングです。
- お正月やお盆の帰省時:家族や親戚が一堂に会しやすいため、盛大にお祝いしたい場合に適しています。
- ゴールデンウィークやシルバーウィーク:気候が良く、旅行を兼ねたお祝いにする場合に人気です。
- 定年退職のタイミング:誕生日と定年が近い場合、退職祝いと還暦祝いを兼ねて盛大に行うこともあります。
大切なのは「いつやるか」という形式よりも、「家族みんなで集まってお祝いする」という気持ちです。主役であるご両親のスケジュールと体調を最優先に、無理のない日程を調整してください。
シニアギフト専門コンシェルジュのアドバイス
「年寄り扱い」は最大のタブー!言葉選びのポイント
現代の60歳は現役バリバリの方が大半です。店頭で接客をしていても、ご自身を高齢者だと思っている方はほとんどいらっしゃいません。そのため、「長寿」「おじいちゃん・おばあちゃん」「余生」という言葉は避けましょう。代わりに「人生の第2ステージの幕開け」「一区切りの感謝」「新たな青春のスタート」というニュアンスで伝えると、素直に喜んでいただけます。言葉一つで受け取り方は大きく変わりますので、メッセージカードや乾杯の挨拶では特に意識してみてください。
【関係性別】還暦祝いの金額相場と予算の決め方
還暦祝いを計画する際、最も悩みが多いのが「予算」の問題です。「安すぎて失礼になるのは避けたいけれど、高すぎても相手に気を遣わせてしまう…」という葛藤は誰もが抱えるものです。また、兄弟姉妹がいる場合は、誰がいくら出すかという調整も必要になります。
ここでは、過去の膨大なギフト相談データに基づき、関係性別の適正な金額相場と、予算決めのポイントを具体的に解説します。相場を知ることは、相手への敬意を表すと同時に、自分自身の負担を適切に管理するためにも重要です。
実の両親(父・母)へ贈る場合の相場【3万〜5万円】
実のお父様、お母様へ贈る還暦祝いの相場は、30,000円〜50,000円が最も一般的なボリュームゾーンです。これは、プレゼント代と食事会の費用を合わせた総額として考える場合が多いです。
例えば、3万円の記念品(時計や財布など)を贈り、2万円で家族での食事会を開催するといった内訳です。もちろん、これはあくまで目安であり、ご家庭の経済状況や地域性によっても異なります。特別な感謝を込めて10万円以上の旅行をプレゼントする方もいれば、手作りのアルバムや心のこもった手紙を中心に、1万円程度でアットホームにお祝いする方もいらっしゃいます。
重要なのは金額の多寡ではなく、「還暦」という特別感を演出できるかどうかです。普段の誕生日プレゼントよりは少し予算を上乗せし、特別感を出すことを意識すると良いでしょう。
義理の両親へ贈る場合の相場と注意点【パートナーと相談】
義理のご両親(夫の親、妻の親)へ贈る場合の相場も、基本的には実の両親と同じく30,000円〜50,000円程度が目安となります。しかし、ここで最も重要なのは、「実の両親へのお祝い額と差をつけないこと」です。
自分の親には豪華なものを贈ったのに、義理の親には控えめにしてしまった、あるいはその逆のパターンは、後々の夫婦喧嘩や親族間のトラブルの火種になりかねません。基本的には夫婦で話し合い、双方の両親へのお祝い予算を統一することをおすすめします。
また、義理のご実家によっては、「親族間でのお祝い事は派手にしない」あるいは「盛大に行うのが当たり前」といった独自のルールが存在する場合があります。必ずパートナーを通じて、義実家の慣習や過去の事例(義兄姉はどうしたか等)を確認しておきましょう。
祖父母・親戚・上司へ贈る場合の相場【1万〜3万円】
祖父母や叔父・叔母などの親戚、または職場の上司や恩師へ贈る場合の相場は、10,000円〜30,000円程度となります。
- 祖父母へ(孫から贈る場合):
孫の年齢にもよりますが、学生であれば金額よりも手紙や写真などの気持ちが重視されます。社会人であれば1万円〜3万円程度で、使いやすい実用品や好きなお菓子などが喜ばれます。 - 親戚へ:
親族間の取り決めがある場合が多いので、まずは両親に相談しましょう。一般的には1万円〜2万円程度のお花やお酒などが選ばれます。 - 上司・恩師へ:
あまり高額なものを贈ると「お返し」の心配をさせてしまうため、1万円〜2万円程度で、後に残らない「消えもの(お酒・グルメ)」や、職場で使える上質な小物が適しています。部署全員で連名にして贈る場合は、一人当たり1,000円〜3,000円程度集めれば十分立派なギフトが選べます。
兄弟・姉妹でお金を出し合う場合の「連名」ルールと配分
兄弟姉妹がいる場合、個別にプレゼントを渡すよりも、全員でお金を出し合って一つの豪華なプレゼント(旅行や高級家電など)を贈るケースが増えています。その際のルール作りは非常に重要です。
配分の方法:
基本的には「均等割り」が最もトラブルが少ないです。しかし、兄弟間で年齢差が大きく収入に差がある場合や、既婚・未婚の違いがある場合は、年長者が多めに出すというケースもあります。
例:総額5万円の予算で、長男3万円、次男2万円など。
連名の熨斗(のし):
プレゼントにかける熨斗の送り主名は、年齢順(右から左へ)に書くのが正式なマナーです。3名までなら全員の名前を書き、4名以上の場合は代表者の名前を書き、その左側に「他一同」や「家族一同」と添えます。
シニアギフト専門コンシェルジュのアドバイス
兄弟間での「温度差」を防ぐための事前調整
還暦祝いでよくあるトラブルが、兄弟間での金額や熱量のバラつきです。「兄貴が勝手に高い旅館を予約して、高額な請求が来た」といった不満が出ないよう、事前の調整が不可欠です。
おすすめは、まず「プレゼント代として一人〇万円」と予算の上限を決めてしまうこと。そして、食事代は当日割り勘にするか、代表者がまとめて手配し、後で等分する方法が最もスマートです。LINEグループなどを作成し、候補の商品画像やURLを共有しながら「みんなで選んだ」というプロセスを経ることで、当日の盛り上がりも格段に違ってきます。
悩みの種「赤いちゃんちゃんこ」問題と現代のスタイル
「還暦といえば赤いちゃんちゃんこ」というイメージは根強いですが、実際にそれを着るご本人たちはどう思っているのでしょうか?「着たくない」というのが本音なのか、それとも「記念だから着てみたい」のか。贈る側としては非常に迷うポイントです。
このセクションでは、現代の還暦祝いにおける「ちゃんちゃんこ問題」の解決策と、それに代わるおしゃれなスタイルの提案を行います。
ちゃんちゃんこは「着たくない」が本音?アンケートから見る実態
実際のところ、60歳を迎える方の多くは、赤いちゃんちゃんこを着ることに抵抗感を持っています。
「年寄りくさい」「恥ずかしい」「罰ゲームみたい」といったネガティブな意見が、特に男性側から多く聞かれます。女性の場合も、「おばあちゃんみたいで嫌だ」という意見が目立ちます。
一方で、「一生に一度のイベントだから、記念写真の時だけなら着てもいい」「家族が喜ぶなら着る」という、家族サービスとしての許容派も一定数いらっしゃいます。
つまり、「普段使いとしてプレゼントされるのは困るが、イベントの演出グッズとしてならアリ」というのが、現代のリアルな感覚と言えるでしょう。
写真撮影だけならアリ?レンタル活用という選択肢
そこでおすすめなのが、「写真撮影の一瞬だけ着用する」というスタイルです。
食事会の冒頭や記念撮影のタイミングだけ、場を盛り上げる小道具としてちゃんちゃんこを用意します。これならご本人も「あくまで余興」として割り切りやすく、家族みんなで笑顔の写真を残すことができます。
この場合、わざわざ高価なちゃんちゃんこを購入する必要はありません。数千円で購入できる簡易的なものや、ホテルやレストランの還暦祝いプランに含まれている無料レンタルを利用するのが賢い方法です。ネット通販でも、撮影用と割り切った安価なセットが多く販売されています。
「記念に一瞬だけ着てみて!」と明るく提案すれば、案外ノリノリで着てくれることも多いですよ。
ちゃんちゃんこに代わる「赤いおしゃれアイテム」の提案
ちゃんちゃんこは着たくないけれど、還暦らしい「赤」のアイテムは身につけてお祝いしたい。そんなニーズに応えるのが、実用的でおしゃれな赤いギフトです。真っ赤な色に抵抗がある場合は、ワインレッドやボルドーなど、落ち着いた深みのある赤を選ぶと喜ばれます。
男性向けのおすすめアイテム:
- 赤いポロシャツ・ゴルフウェア: スポーツ好きのお父様に最適。名入れ刺繍を小さく入れるのも人気です。
- 赤いネクタイ: ビジネスシーンやちょっとしたお出かけに使える、深紅やエンジ色のネクタイ。
- 赤いスニーカー: アクティブな若々しいお父様に。足元から元気を演出します。
女性向けのおすすめアイテム:
- 赤いスカーフ・ストール: 顔周りを明るく見せる効果があり、ファッションのアクセントになります。
- 赤いバッグ・財布: 還暦の記念品として長く愛用できる上質な革製品がおすすめです。
- ルビーやガーネットのジュエリー: 赤い宝石をあしらったネックレスや指輪は、特別感満載のギフトです。
- プリザーブドフラワー: お手入れ不要で長く楽しめる、赤いバラのインテリア。
| 項目 | 赤いちゃんちゃんこ | 赤いおしゃれアイテム(服・小物) |
|---|---|---|
| メリット | ・還暦祝いらしさが一目でわかる ・写真映えし、イベントが盛り上がる ・伝統的な儀式感がある |
・お祝いの後も日常的に使える ・本人の好みに合わせやすい ・「年寄り扱い」を感じさせにくい |
| デメリット | ・お祝いの後、使い道がなくタンスの肥やしになる ・「着たくない」と拒否されるリスクがある |
・「還暦祝い」という特別感が少し薄れる場合がある ・サイズや好みのリサーチが必要 |
| 結論 | レンタル等で撮影時のみ使用がおすすめ | メインのプレゼントとして最適 |
失敗しない還暦祝いプレゼントの選び方 3つの鉄則
いざプレゼントを選ぼうとすると、商品の選択肢が多すぎて迷ってしまうものです。ここでは、数ある商品の中から「ご両親にとってのベスト」を選び抜くための、3つの判断基準(鉄則)をご紹介します。
「記念に残るもの」か「実用的なもの」か?相手のライフスタイルで判断
プレゼント選びの最初の分岐点は、「記念品(メモリアル)」にするか「実用品(プラクティカル)」にするかです。
- 記念に残るもの: 時計、似顔絵、フォトフレーム、名入れ酒など。
「形として残したい」「見るたびに還暦の喜びを思い出してほしい」という場合に適しています。物を大切にするタイプの方や、インテリアにこだわりがある方に喜ばれます。 - 実用的なもの: 財布、バッグ、家電、ウェアなど。
「使わないと意味がない」「古くなったものを買い替えたい」という合理的な考えをお持ちの方に適しています。普段の会話から「最近これが調子悪いんだよね」といったニーズを拾うことが成功の秘訣です。
どちらが良い・悪いではなく、ご両親の性格や現在の持ち物状況に合わせて方向性を決めましょう。
「名入れ」は特別感があるが、デザインには注意が必要
還暦祝いギフトで人気なのが、名前やメッセージを刻印できる「名入れギフト」です。「世界に一つだけ」という特別感は格別ですが、デザイン選びには注意が必要です。
あまりに大きく「祝 還暦 〇〇様」と入っていると、恥ずかしくて外では使えないという事態になりかねません。
自宅で飾る置物やお酒のラベルなら大きくても構いませんが、持ち歩く財布やボールペン、ウェアなどの場合は、イニシャルだけ刻印する、内側の目立たない場所に刻印する、英語でおしゃれにデザインするなど、さりげない名入れを選ぶのがセンスの良い大人の選び方です。
NGアイテムに注意!「老い」を感じさせるものや縁起の悪いもの
良かれと思って選んだものでも、マナー的にNGとされるアイテムがあります。特に目上の方への贈り物にはタブーが存在するため、事前にチェックしておきましょう。
▼(クリックで展開)避けるべきNGプレゼント一覧
以下のアイテムは、還暦祝いのプレゼントとしては避けたほうが無難です。
- 老眼鏡・補聴器・杖:
「老い」を直接的に連想させ、「年寄り扱い」と受け取られるリスクが最も高いアイテムです。本人が強く希望している場合以外は避けましょう。 - お茶(日本茶):
弔事(香典返し)によく使われるため、お祝い事には不向きとされる場合があります。ただし、最近はおしゃれな缶に入った高級茶など、お祝い用のパッケージであれば許容される傾向にあります。 - 靴・靴下・スリッパ:
「足で踏みつける」という意味があり、目上の方への贈り物としては失礼にあたります。ただし、親しい親子関係であれば「素敵な靴でいろんな場所へ出かけてね」というメッセージを添えて贈れば問題ない場合も多いです。 - 櫛(くし):
「苦(く)」「死(し)」という音を連想させるため、縁起が悪いとされています。 - ハンカチ(白い無地):
白いハンカチは亡くなった方の顔にかける布を連想させ、「手巾(てぎれ)」として縁切りを意味する場合があるため、避けるのがマナーです。贈るなら色柄物やタオルハンカチを選びましょう。
【父親・男性編】還暦祝いにおすすめのプレゼント人気5選
お父様へのプレゼント選びは、「何が欲しい?」と聞いても「何でもいい」と言われがちで難航しやすいものです。男性へのギフト選びのポイントは、「品質の良さ」と「所有する喜び(ストーリー)」です。ここでは、60代の男性に確実に喜ばれる鉄板アイテムを厳選しました。
お酒好きのお父さんへ:生まれ年ワイン・名入れ日本酒
お酒が好きなお父様には、ただのお酒ではなく「特別感」をプラスした一本を贈りましょう。
特に人気なのが、お父様が生まれた年(60年前)に作られた「ヴィンテージワイン」です。「お父さんが生まれた年のブドウで作られたワインだよ」と手渡せば、60年という歳月の重みと歴史を味わう特別な時間になります。
また、日本酒や焼酎のラベルに、名前や感謝のメッセージを筆文字で入れた「名入れ酒」も定番人気です。飲み終わった後もボトルを記念に飾っておける点が好評です。一緒に江戸切子のグラスや錫(すず)の酒器をセットにするのもおすすめです。
現役で働くお父さんへ:上質な革小物(財布・名刺入れ)
まだまだ現役でビジネスの最前線にいるお父様には、ビジネスシーンで使える上質な革小物が喜ばれます。
60歳という年齢にふさわしい、コードバン(馬革)やブライドルレザーなど、耐久性が高く、使い込むほどに味が出る高級素材を選びましょう。色は黒やダークブラウンも良いですが、還暦にちなんで内装が赤いデザインのものや、深みのあるボルドー色を選ぶのも粋な計らいです。
趣味を楽しむお父さんへ:ゴルフグッズ・スポーツウェア
ゴルフやランニング、ウォーキングなどの趣味をお持ちなら、その時間をより楽しくするアイテムが最適です。
ゴルフ好きなら、オーダーメイドのゴルフグローブや、名前入りのゴルフボール、有名ブランドのキャディバッグなどが人気。ウェアを贈る際は、普段自分では買わないような、少し派手めで若々しい色・デザイン(赤を取り入れたものなど)を選んであげると、プレー中の気分も上がります。
毎日の生活を豊かに:高級タンブラー・江戸切子のグラス
自宅でのリラックスタイムを格上げするアイテムも人気です。
保温・保冷機能に優れたチタン製やステンレス製の高級タンブラーは、ビールやコーヒーを長時間美味しく楽しめる実用品として評価が高いです。
また、伝統工芸品である「江戸切子」や「薩摩切子」のグラスは、その美しい輝きが見ているだけで心を豊かにしてくれます。赤色の切子グラスを選べば、還暦祝いらしさも満点です。
物欲がないお父さんへ:カタログギフト(体験型・グルメ)
「特に欲しいものはない」というお父様や、こだわりが強くて好みがわからない場合は、カタログギフトが救世主となります。
ただし、洗剤やタオルが載っている一般的なカタログではなく、「体験」や「高級グルメ」に特化したカタログを選びましょう。全国の温泉旅館の宿泊券や、有名レストランのディナー券、自宅に取り寄せられる高級和牛などが選べるカタログなら、「選ぶ楽しみ」と「体験する喜び」の両方をプレゼントできます。
シニアギフト専門コンシェルジュのアドバイス
男性へのギフトは「うんちく」が喜ばれるスパイス
男性は商品そのものだけでなく、「モノの背景」や「機能美」を好む傾向があります。渡すときに「これ、ただの財布じゃなくて、英国王室御用達の職人が手作業で作ったものなんだよ」や「このお酒のラベル、有名な書道家の先生にお願いしたんだ」といった、その商品を選んだ理由やストーリー(うんちく)を添えてみてください。その一言で、プレゼントの価値と満足度が格段に上がります。
【母親・女性編】還暦祝いにおすすめのプレゼント人気5選
お母様へのプレゼントは、「いつまでも女性として輝いていてほしい」という願いを込めたものが喜ばれます。家事や育児を卒業し、これからは自分のために時間を使ってほしい。そんなメッセージが伝わる、華やかで実用的なアイテムを選びましょう。
定番だけど一番嬉しい:60本の赤いバラの花束・フラワーギフト
女性にとって、花束のプレゼントはいくつになっても嬉しいものです。特に還暦祝いならではの「60本の赤いバラの花束」は、その圧倒的なボリュームと美しさで、一生の思い出に残るサプライズになります。
「60本は重すぎるし、手入れが大変…」という場合は、枯れないお花「プリザーブドフラワー」のアレンジメントがおすすめです。ガラスドームに入ったものや、時計と一体になったデザインなら、インテリアとして長く楽しんでいただけます。
おしゃれを楽しんでほしい:ブランドスカーフ・バッグ
お出かけが楽しくなるようなファッションアイテムも人気です。
シルク素材の上質なスカーフは、首元のシワを隠しつつ顔色を明るく見せてくれる魔法のアイテム。還暦カラーの赤やピンクが入った華やかな柄を選びましょう。
バッグを贈るなら、重い革バッグよりも、軽量で機能的なナイロン素材と革を組み合わせたものや、小ぶりなショルダーバッグなど、体に負担がかからないものが60代女性には好評です。
ずっと綺麗でいてほしい:美容家電・高級コスメ
「いつまでも若々しくいてね」というメッセージと共に、美容グッズを贈るのも素敵です。
自分ではなかなか手が出せない高級ブランドの美容液やハンドクリーム、または高機能なヘアドライヤー、美顔器などの美容家電は、女性心をくすぐるプレゼントです。ただし、エイジングケア用品は「老い」を意識させてしまう場合もあるので、「最近話題の人気商品だから使ってみて!」と明るく渡すのがポイントです。
家での時間を贅沢に:高級パジャマ・リラックスグッズ
おうち時間を大切にするお母様には、着心地にこだわった高級パジャマがおすすめです。
シルクやオーガニックコットンなど、肌触りの良い素材を選べば、毎日の睡眠の質を高めてくれます。また、アロマディフューザーや入浴剤セットなど、香りで癒やされるリラックスグッズも、忙しい日々を送ってきたお母様への労いのギフトとして最適です。
料理好きのお母さんへ:ル・クルーゼなどの赤いキッチンウェア
料理やテーブルコーディネートが好きなお母様には、キッチンを明るく彩る赤いキッチンウェアも選択肢の一つです。
ル・クルーゼやストウブなどのホーロー鍋は、還暦の赤色(チェリーレッドなど)が定番人気で、そのまま食卓に出しても絵になります。ただし、「これからも家事を頑張って」というプレッシャーにならないよう、「これで美味しい煮込み料理を作って、みんなで食べようね」といった共有の楽しみとして提案するのが良いでしょう。
| カテゴリ | 父親(男性) | 母親(女性) |
|---|---|---|
| 記念品 | 名入れ酒、時計、似顔絵 | ジュエリー、プリザーブドフラワー |
| 実用品 | 財布、タンブラー、ゴルフグッズ | バッグ、財布、スカーフ |
| 体験 | 温泉旅行、ゴルフプレー券 | エステ券、観劇チケット、食事会 |
| キーワード | 「歴史」「機能性」「趣味」 | 「美」「癒やし」「華やかさ」 |
「モノ」より「思い出」派が急増中!食事会・旅行のプランニング
最近の還暦祝いのトレンドとして、「物はもう十分に持っているから、これ以上増やしたくない」という親世代の声が増えています。そんなご両親に最も喜ばれるのが、家族との時間を共有する「体験ギフト(コト消費)」です。
家族全員で祝う「食事会」のお店の選び方と予約のコツ
食事会は、還暦祝いの最もスタンダードな形式です。お店選びのポイントは「特別感」と「プライベート空間」です。
- お店のジャンル:
ご両親の好みが最優先ですが、一般的には懐石料理、お寿司、フレンチ、中華などのコース料理がゆっくり会話を楽しめるのでおすすめです。 - 個室の確保:
孫(小さなお子様)がいる場合は、周囲を気にせず過ごせる個室が必須です。座敷よりも、足腰に負担のかからないテーブル席の個室が60代には喜ばれます。 - 予約時の伝え方:
予約時に必ず「還暦祝いでの利用です」と伝えましょう。お店によっては、赤いちゃんちゃんこの貸し出し、デザートプレートへのメッセージ入れ、記念撮影サービスなどの特典を用意してくれる場合があります。
両親に贈る「温泉旅行」のプレゼント方法(旅行券・カタログ)
夫婦水入らず、あるいは家族全員での温泉旅行は、最高の親孝行になります。
プレゼントの方法としては、以下の3パターンがあります。
- 子供たちが全て手配して招待する:
日程調整から宿の予約、交通手段の手配まで全て子供たちが行い、当日は「行くだけ」の状態にしてあげる方法。最も負担がなく喜ばれますが、日程調整の難易度が高いです。 - 旅行券(JTBナイストリップなど)を贈る:
金額分の金券を贈り、好きな時に好きな場所へ行ってもらう方法。自由度は高いですが、手配自体は両親が行う必要があるため、旅行慣れしていない両親には不向きかもしれません。 - 旅行カタログギフトを贈る:
厳選された宿の中から選べるカタログを贈る方法。写真を見ながら選ぶワクワク感があり、手配も電話やハガキで簡単なため、バランスの良い方法です。
サプライズ演出のアイデア(ムービー、フォトブック、ケーキ)
食事や旅行にプラスして、ちょっとしたサプライズを用意すると感動が倍増します。
- 感謝のムービー:
スマホにある写真や動画を繋ぎ合わせ、家族からのメッセージをテロップで入れた動画を食事会の最後に流します。最近はスマホアプリで簡単に作成できます。 - フォトブック(アルバム):
生まれてから現在までの写真や、孫との写真を一冊のフォトブックにまとめてプレゼント。デジタルな画像よりも、手にとって見返せるアルバムは親世代に非常に好評です。 - オリジナルケーキ:
賞状の形をした「感謝状ケーキ」や、似顔絵ケーキ、数字の「60」をかたどったケーキなど、視覚的にインパクトのあるケーキを用意すれば、場が一気に盛り上がります。
シニアギフト専門コンシェルジュのアドバイス
「孫」の存在が最高のプレゼント
お孫さんがいらっしゃる場合、どんな高価なプレゼントよりも「孫からの手紙」や「孫と一緒に撮った写真」が一番の宝物になります。食事会では、ぜひお孫さんが主役になるような演出(花束贈呈や、乾杯の音頭など)を取り入れてみてください。おじいちゃん・おばあちゃんの目尻が下がりっぱなしになること間違いなしです。まだお孫さんが小さい場合は、手形や足形をとった色紙なども素敵な記念になりますよ。
ここで差がつく!「のし(熨斗)」とメッセージカードのマナー
親しい間柄とはいえ、還暦祝いは正式な慶事です。「親しき仲にも礼儀あり」の精神で、のし紙や包装のマナーをしっかり押さえておくことで、「しっかりした大人になったな」とご両親を安心させることができます。
水引は「紅白蝶結び」!表書きの正しい書き方(祝還暦・寿・御祝)
還暦祝いののし紙(掛け紙)の選び方には明確なルールがあります。
- 水引(みずひき):紅白の蝶結び(花結び)
還暦は「何度あっても嬉しいお祝い」ですので、解いてもまた結べる「蝶結び」を選びます。結婚祝いのような「結び切り」は使いませんので注意してください。 - 表書き(上段):
「祝還暦」「還暦御祝」「寿」「御祝」などが一般的です。「感謝」や「ありがとう」といった柔らかい表現も最近は人気です。4文字(死文字)を避けるため、「還暦御祝」とするのが最も無難で丁寧です。 - 名入れ(下段):
贈る人の名前を書きます。個人の場合はフルネーム、連名の場合は前述の通り右から年齢順、または「子供一同」「家族一同」と記載します。
包装紙の色は?内祝い(お返し)は必要?
包装紙の色:
還暦のテーマカラーである「赤」を基調とした包装紙や、慶事用の明るい色(金、銀、ピンク、クリーム色など)を選びましょう。百貨店やギフトショップで「還暦祝い用です」と伝えれば、適切な包装を提案してくれます。
内祝い(お返し):
基本的に、身内(子供から親へ)の還暦祝いに対して、お返し(内祝い)は不要です。お祝いの席での食事代を親が負担したり、後日「ありがとう」という電話やお礼状があればそれで十分です。
ただし、親戚や知人から高額なお祝いを頂いた場合は、「還暦内祝」として頂いた金額の3分の1〜半額程度の品をお返しするのがマナーです。紅白饅頭やお菓子、タオルなどの実用品が一般的です。
【相手別】心に響くメッセージ文例集
プレゼントに添えるメッセージカードは、短くても手書きであることに価値があります。相手別の文例をご紹介しますので、アレンジして使ってみてください。
実の父・母へ:感謝と健康を願う言葉
「お父さん、還暦おめでとう。家族のために長い間働いてくれて本当にありがとう。これからも健康に気をつけて、お母さんと一緒に趣味の旅行を楽しんでね。いつまでも若々しいお父さんでいてください。」
義理の父・母へ:丁寧さと親しみを込めた言葉
「お母様、つつがなく還暦をお迎えのこととお慶び申し上げます。いつも私たち家族を温かく見守ってくださり、ありがとうございます。ささやかですが、感謝の気持ちを込めてお祝いの品を贈ります。これからもお体に気をつけて、ますますお元気でいらしてください。」
還暦祝いに関するよくある質問(FAQ)
最後に、還暦祝いの準備を進める中でよく出てくる「細かい疑問」にお答えします。
Q. 還暦祝いは数え年?満年齢?どっちで祝うべき?
A. 現代では「満年齢(満60歳の誕生日)」で祝うのが一般的です。
本来の伝統的なしきたりでは「数え年の61歳(満60歳になる年のお正月)」にお祝いしていましたが、現在ではわかりやすく満60歳の誕生日にお祝いすることがほとんどです。地域の風習などで数え年で行う場合もありますので、気になる場合は祖父母や親戚に確認してみると良いでしょう。
Q. 本人が「お祝いなんてしなくていい」と言った場合は?
A. 言葉通りに受け取らず、形を変えてお祝いしましょう。
「年寄り扱いされたくない」「子供にお金を使わせたくない」という遠慮から辞退されるケースが多いです。その場合は、「還暦祝い」という看板を下ろし、「誕生祝い」として食事に誘ったり、「いつもありがとう」とプレゼントを渡したりするのがスマートです。何もしないと後で寂しく思われることも多いので、ささやかでも感謝を伝える場を設けることをおすすめします。
Q. 喪中の場合は還暦祝いをしても大丈夫?
A. 四十九日(忌明け)を過ぎていれば行うのが一般的ですが、派手な宴席は控えます。
身内が亡くなって間もない時期は、お祝い事を避けるのがマナーです。忌明け後であれば、家族だけで静かに食事会を行うなど、規模を縮小して行いましょう。「おめでとう」という言葉の代わりに「ありがとう」「健康を祈っています」という言葉を中心にすると良いでしょう。もし気落ちされているようであれば、時期をずらして(一周忌が過ぎてからなど)行うのも一つの配慮です。
Q. プレゼントを渡す日は誕生日当日じゃないとダメ?
A. 当日でなくても全く問題ありません。
離れて暮らしている場合など、当日にお祝いするのが難しいことも多いです。その場合は、誕生日の直近の週末や、お盆・お正月などの集まりやすい時期に行いましょう。ただし、誕生日当日に電話やメール、LINEで「おめでとう」の一言を伝えることだけは忘れないようにしてください。
シニアギフト専門コンシェルジュのアドバイス
本人の辞退は「照れ隠し」の可能性も
長年多くのお客様を見てきましたが、「何もしなくていい」と言われて本当に何もしなかった結果、後になって「やっぱり寂しかった」とご本人が漏らされたり、ご兄弟の誰かが単独でお祝いをして気まずくなったりするケースがあります。
本人の辞退は「照れ隠し」や「遠慮」であることが大半です。「せっかくだから美味しいもの食べに行こうよ」「孫が会いたがってるから」といった理由をつけて、さりげなくお祝いの席に連れ出すのが、家族円満の秘訣です。
まとめ:還暦は「人生の節目」。感謝を伝えて家族の絆を深めよう
還暦祝いは、単なる60歳の誕生日以上の意味を持つ、人生の大きなマイルストーンです。
しかし、形式やマナーにとらわれすぎて、一番大切な「お祝いする気持ち」がおろそかになってしまっては本末転倒です。
現代の還暦祝いのポイントを振り返りましょう。
- 「長寿祝い」ではなく「感謝とリスタートの祝い」として企画する。
- ちゃんちゃんこは強制せず、写真撮影などのイベントとして楽しむ。
- プレゼントは「記念」か「実用」か、相手のタイプに合わせて選ぶ。
- 予算やマナーは兄弟・パートナーとしっかり共有し、足並みを揃える。
- 何より大切なのは、家族で集まり、笑顔で時間を共有すること。
ご両親にとって、子供や孫たちが自分のために集まり、笑顔でお祝いしてくれる時間こそが、何にも代えがたい最高のプレゼントになります。
この記事を参考に、あなたのご家族らしい、温かくて素敵な還暦祝いを実現してください。ご両親の第二の人生が、笑顔あふれる素晴らしいものになりますように。
▼還暦祝い準備・最終チェックリスト
- [ ] お祝いの日程を決める(誕生日前後の週末など)
- [ ] 参加者を確認し、食事会の場所を予約する(個室推奨)
- [ ] 予算を決め、兄弟・姉妹間で分担を相談する
- [ ] プレゼントを選び、手配する(名入れや納期に注意)
- [ ] のしの表書き・水引を確認する
- [ ] メッセージカードや手紙を用意する
- [ ] (必要であれば)ちゃんちゃんこや赤いグッズの手配
- [ ] 当日の進行やサプライズ演出を考える
- [ ] カメラ・ビデオの準備(スマホの充電も忘れずに!)
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