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【プロが解説】素因数分解のやり方とコツ!すだれ算・割る数の見つけ方

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「子供に素因数分解を教えたいけれど、自分もやり方を忘れてしまった」
「大きな数字が出てくると、どの数で割ればいいのか見当がつかない」
「テストで計算ミスばかりして点数が伸びない」

中学生のお子様を持つ保護者の方や、数学に苦手意識を持つ生徒さんから、このような相談を毎日のように受けます。結論から申し上げますと、素因数分解とは、自然数を「素数」だけの掛け算の形に分解することです。一見難しそうに見えますが、基本の「すだれ算」の手順と、割る数を素早く見つける「倍数判定法」さえマスターしてしまえば、パズルのようにスラスラと解けるようになります。

この記事では、数学指導歴20年の経験に基づき、教科書よりも分かりやすく以下の3点を徹底解説します。

  • 初心者でも絶対に迷わない「すだれ算」の正しい手順と書き方
  • 「どの数字で割ればいい?」が瞬時にわかる倍数判定の魔法のコツ
  • 子供がよくやる計算ミスのパターンと、それを防ぐための具体的な指導ポイント

これを読めば、ただ計算ができるようになるだけでなく、「なぜそうなるのか」という仕組みまで深く理解でき、応用問題にも自信を持って取り組めるようになるでしょう。ぜひ最後までお付き合いください。

  1. 素因数分解とは?教える前に整理したい3つの基礎用語
    1. 「因数(いんすう)」と「素数(そすう)」の違い
    2. 素因数分解=「素数の積」で表すこと
    3. なぜ素因数分解を学ぶの?(約分やルート計算への応用)
  2. 【図解】素因数分解のやり方「すだれ算」3ステップ
    1. ステップ1:割り算の記号を逆さにして数字を書く
    2. ステップ2:小さい「素数」で割り切れるまで割り続ける
    3. ステップ3:割った数(左側)と最後の商(下側)を掛け算で結ぶ
    4. 答えの書き方ルール(同じ数は「累乗」の指数を使う)
  3. 計算が速くなる!「割る数」を瞬時に見つける魔法のコツ
    1. まずは「2・3・5」の倍数判定法をマスターしよう
    2. 意外と気づかない「7・11・13」で割れる数
    3. 【要注意】素数に見えて素数じゃない「擬似素数」に気をつけろ
  4. プロが教える「よくある間違い」と子供への指導ポイント
    1. 途中で計算を止めてしまう(合成数が残っている)
    2. 「4」や「6」などの素数以外で割ってしまう
    3. 掛け算ではなく足し算をしてしまう
  5. テストに出る!素因数分解の応用問題(平方数を作る)
    1. 問題パターン:「ある自然数をかけて、ある整数の2乗にせよ」
    2. 解き方の手順:ペアになっていない数字を見つける
    3. 実際の入試問題レベルに挑戦してみよう
  6. 素因数分解のQ&A(ツール紹介・FAQ)
    1. Q. どこまで計算すれば終わりですか?
    2. Q. 大きな桁の数字を一瞬で素因数分解するツールはありますか?
    3. Q. 素因数分解はいつ習いますか?
  7. まとめ:素因数分解は「数の仕組み」を知る第一歩

素因数分解とは?教える前に整理したい3つの基礎用語

いきなり計算を始める前に、まずは「素因数分解」という言葉の意味をしっかりと理解しておくことが重要です。多くの生徒がつまずく原因の一つに、言葉の定義があやふやなまま計算手順だけを暗記しようとすることが挙げられます。

特に、お子様に教える立場の保護者の方は、まずこの「言葉の定義」をクリアにしておくことで、子供からの「これってどういう意味?」という鋭い質問にも自信を持って答えられるようになります。ここでは、専門用語を可能な限り平易な言葉に置き換えて解説します。

「因数(いんすう)」と「素数(そすう)」の違い

素因数分解という言葉は、「素因数」に「分解」するという意味ですが、そもそも「素因数」とは何でしょうか。これを理解するには、「因数」と「素数」という2つの概念を知る必要があります。

まず「因数」とは、ある整数を掛け算の形に変形したときの、それぞれの数のことです。例えば、「6」という数字は「2 × 3」と表すことができます。このとき、「2」と「3」は「6」の因数です。また、「1 × 6」とも表せるので、「1」と「6」も因数に含まれます。つまり、因数とはその数を割り切ることができる数、すなわち「約数」とほぼ同じ意味だと捉えて問題ありません。

次に「素数」です。これは数学において非常に重要な概念であり、素因数分解の主役とも言える存在です。素数とは、「1とその数自身でしか割ることのできない自然数」のことを指します。ただし、ここで最も重要なルールがあります。それは、「1」は素数に含まないということです。

具体的な例を見てみましょう。
「2」は、1と2でしか割れません。→ 素数です。
「3」は、1と3でしか割れません。→ 素数です。
「4」は、1と4以外に、2でも割れます(2×2)。→ 素数ではありません(合成数と呼びます)。
「5」は、1と5でしか割れません。→ 素数です。

このように、自然数は「素数」と「それ以外の数(合成数)」と「1」の3種類に分類されます。素因数分解を行う上で、この素数の感覚を掴んでおくことが第一歩となります。

素因数分解=「素数の積」で表すこと

「因数」と「素数」の意味がわかれば、「素因数分解」の意味もおのずと見えてきます。素因数分解とは、ある自然数を「素数である因数(=素因数)」だけの掛け算(積)の形に分解することを指します。

例えば、「12」という数字を考えてみましょう。
12を掛け算の形にする方法はいくつかあります。
A: 1 × 12
B: 2 × 6
C: 3 × 4
D: 2 × 2 × 3

この中で、Aの「1」や「12」、Bの「6」、Cの「4」は素数ではありません。しかし、Dを見てください。「2」も「3」も素数です。このように、バラバラにした数字がすべて素数になるまで分解しきった状態、これが素因数分解のゴールです。

料理に例えるなら、完成した料理(自然数)を、それ以上分けられない材料(素数)のリストに戻していく作業と言えるでしょう。カレーライスを「じゃがいも」「にんじん」「肉」「スパイス」に分解していくイメージです。これ以上細かくできない最小単位まで分解するのがルールです。

なぜ素因数分解を学ぶの?(約分やルート計算への応用)

「こんな計算をして、将来何の役に立つの?」
これは中学生から必ずと言っていいほど聞かれる質問です。確かに、日常生活で買い物をする際に素因数分解を使うことは稀でしょう。しかし、数学の学習においては、この先ずっと使い続ける「最強の道具」となります。

まず、中学1年生で習う「最大公約数」や「最小公倍数」を求める際に、素因数分解を使うと圧倒的に早く正確に答えが出せます。小学校までは書き出しで求めていたものが、数字が大きくなっても計算だけで求められるようになるのです。

さらに、中学3年生で習う「平方根(ルート)」の計算では、素因数分解ができないと手も足も出ません。例えば「√12」を「2√3」に直す作業は、頭の中で素因数分解を行っています。高校数学に進んでも、因数分解や整数の性質を調べる問題で必須のスキルとなります。

つまり、素因数分解は中学数学以降の「基礎体力」のようなものです。ここでつまずくと、その後の単元すべてに悪影響が出てしまいます。逆に言えば、ここでしっかりと「数の仕組み」を理解しておけば、今後の数学が非常に楽になるのです。

▼クリックで確認:素数一覧表(1〜100まで)

学習の初期段階では、この表を手元に置いて、割る数を確認しながら進めることをお勧めします。特に赤字で示した「1」が素数ではないことに注意してください。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75 76 77 78 79 80
81 82 83 84 85 86 87 88 89 90
91 92 93 94 95 96 97 98 99 100

ベテラン塾講師のアドバイス
「『1』を素数に入れてしまうミスは、中3になっても見かけます。1はどんな数にかけても元の数のままなので、分解の意味がなくなってしまいますよね。だから『1は素数チームには入れない!』と、最初に強く印象付けてあげてください。これができれば、第一関門突破です。」

【図解】素因数分解のやり方「すだれ算」3ステップ

素因数分解の定義が分かったところで、いよいよ実践的な計算方法に入ります。素因数分解を行うための最も一般的で確実な方法が「すだれ算(別名:逆さ割り算)」です。

通常の割り算は筆算の上へ上へと答えを書いていきますが、すだれ算はその逆で、下へ下へと掘り進めていく書き方をします。この方法のメリットは、計算過程が可視化されやすく、後で検算もしやすい点にあります。ここでは「72」という数字を例にして、誰でも解ける3つのステップで解説します。

ステップ1:割り算の記号を逆さにして数字を書く

まず、白い紙を用意してください。ノートの罫線に合わせて、数字を丁寧に書くことから始めます。
分解したい数字「72」を書いたら、その数字を囲むように、割り算の筆算記号「⟌」を上下逆さまにしたような記号「L」のような形を書きます。

これが「すだれ算」のスタート地点です。通常の割り算とは逆方向に進んでいくので、数字の下に十分なスペースがあることを確認してください。計算スペースが狭いと、字が小さくなり計算ミスの原因になります。お子様には「下に向かってどんどん伸びていくから、広めに場所を取ろうね」と声をかけてあげてください。

ステップ2:小さい「素数」で割り切れるまで割り続ける

次に、書いた数字「72」を割り切れる、一番小さい素数を見つけて、左側に書きます。
72は偶数(一の位が2)なので、一番小さい素数である「2」で割ることができますね。

  1. 「72」の左側に「2」と書きます。
  2. 72 ÷ 2 を計算します。答えは36です。
  3. その答え「36」を、72の真下に書きます。

これで一段階目が終了です。今、手元には新しい数字「36」があります。ここからがすだれ算の真骨頂です。この「36」に対して、同じ作業を繰り返します。

36も偶数なので、また「2」で割れます。

  1. 36の左側に、新しく逆さ割り算の記号を書き足し、「2」と書きます。
  2. 36 ÷ 2 = 18。答えの「18」を36の下に書きます。

さらに続けます。「18」も偶数なので、「2」で割れます。

  1. 18 ÷ 2 = 9。答えの「9」を下に書きます。

さて、「9」になりました。9は奇数なので、もう2では割れません。
そこで、2の次に小さい素数である「3」で割れるか試します。9は3で割れますね。

  1. 9の左側に「3」と書きます。
  2. 9 ÷ 3 = 3。答えの「3」を下に書きます。

最後に出てきた答えは「3」です。この「3」は素数でしょうか?
はい、3は素数です。
出てきた答え(商)が「素数」になったら、そこで計算は終了(ゴール)です。
もし最後の数がまだ分解できる(合成数である)場合は、素数になるまでこのステップを繰り返してください。

ステップ3:割った数(左側)と最後の商(下側)を掛け算で結ぶ

計算が終わったら、答えをまとめます。
すだれ算で使った数字たちを回収しましょう。
注目するのは、「左側に並んだ割った数すべて」「一番下に残った最後の商」です。
この字面が「L字型(またはJ字型)」に並んでいるはずです。

今回の72の例で言うと、
左側に並んでいるのは、上から順に「2」「2」「2」「3」です。
一番下に残ったのは「3」です。

これらをすべて掛け算の記号「×」でつなぎます。
72 = 2 × 2 × 2 × 3 × 3

これで素因数分解の形になりました。しかし、数学には「答えの書き方」のルールがあります。ここでもうひと手間加えて、完璧な正解に仕上げましょう。

答えの書き方ルール(同じ数は「累乗」の指数を使う)

中学生の数学では、同じ数を何度も掛ける場合、「累乗(るいじょう)」の指数を使って短く表すというルールがあります。

先ほどの式を見てみましょう。
2 × 2 × 2 × 3 × 3

  • 「2」が3回掛けられています。これは「2の3乗(2³)」と書きます。
  • 「3」が2回掛けられています。これは「3の2乗(3²)」と書きます。

これらをまとめて、最終的な答えは以下のようになります。
72 = 2³ × 3²

このとき、小さい素数から順に書くのが一般的なマナーです(3² × 2³ と書いても間違いではありませんが、通常は小さい順に並べます)。
ここまでできて、初めて「正解」となります。指数を書き忘れて減点されるケースが非常に多いので、最後の最後まで気を抜かないように指導しましょう。

ベテラン塾講師のアドバイス
「計算用紙に数字を書くとき、縦のラインをきれいに揃えるように言ってみてください。位(くらい)がずれると、割り算の桁を間違えたり、自分の字を見間違えたりするミスが激増します。『数字は綺麗に書かなくていいけど、丁寧に揃えて書こう』という声かけが、計算力アップの秘訣です。」

計算が速くなる!「割る数」を瞬時に見つける魔法のコツ

すだれ算の手順は分かっても、いざ問題を解こうとすると手が止まってしまう子がいます。その最大の原因は、「この数字、何で割れるのか分からない」という悩みです。

「2」や「3」なら簡単ですが、「51」や「91」のような数字が出てくると、一つ一つ割り算をして確かめるのは大変な時間がかかりますし、計算ミスのリスクも高まります。そこで役立つのが、数字を見た瞬間に割れる数を見抜く「倍数判定法」です。これを覚えているかどうかで、テストの解答スピードに雲泥の差が出ます。

まずは「2・3・5」の倍数判定法をマスターしよう

素因数分解で最も頻繁に使うのが、小さい素数である2、3、5です。まずはこの3つの判定法を完璧にしましょう。これだけで、出てくる問題の8割は解決の糸口が見つかります。

  • 2で割れる数(偶数):

    判定方法:一の位が 0, 2, 4, 6, 8 のどれか。

    解説:どんなに大きな桁の数字でも、見るべき場所は最後の一桁だけです。例えば「12,348」なら、一の位が8なので2で割れます。迷わず2で割り始めましょう。
  • 5で割れる数:

    判定方法:一の位が 0 か 5 のどちらか。

    解説:これも一の位を見るだけです。「135」や「2,020」など、最後が0か5なら必ず5で割れます。2で割れない(奇数)ときは、次に5で割れるかを確認するのが鉄則です。
  • 3で割れる数:

    判定方法:各位(かくい)の数字を足した合計が3の倍数になる。

    解説:これは少し魔法のようなルールですが、非常に強力です。

    例えば「57」という数字。一見素数に見えますが…

    5 + 7 = 12

    合計の「12」は3で割り切れますね(3×4)。

    合計が3で割れるなら、元の数字「57」も必ず3で割れます(57÷3=19)。

    「111」なら、1+1+1=3 なので、3で割れます。このルールを知っているだけで、計算の視界が一気に開けます。

意外と気づかない「7・11・13」で割れる数

2、3、5で割れない場合、次に疑うべきは「7」「11」「13」などの少し大きな素数です。これらには、3の倍数のような単純で覚えやすい判定法は(中学生レベルでは)ありません。

ではどうするか? 答えはシンプルで、「実際に筆算をして割ってみる」のが近道です。
「えっ、結局計算するの?」と思われるかもしれませんが、2, 3, 5の可能性をすでに排除しているので、試行回数は限られています。

  • 7で割ってみる:

    2, 3, 5で割れない数の代表格「49」「91」「119」などは7で割れます。特に「91」は要注意です。
  • 11で割ってみる:

    「121」 (11×11) や、「143」 (11×13) などが頻出です。3桁の数で「1○1」のようなサンドイッチ型になっている場合、11で割れることが多いです。
  • 13で割ってみる:

    「169」 (13×13) は平方数として覚えておくべき数字です。

【要注意】素数に見えて素数じゃない「擬似素数」に気をつけろ

テストで最も点数を落としやすいのが、一見すると素数に見えてしまうが、実は分解できる数字、いわゆる「擬似素数(ぎじそすう)」です。これらは「素因数分解しなさい」という問題のラスボスとしてよく登場します。

以下の数字は「要注意リスト」として、壁に貼っておくか、暗記してしまうことを強くお勧めします。

数字 分解結果 解説・覚え方
57 3 × 19 3の倍数判定法(5+7=12)で気づける。「トランプの57(ゴーナナ)」と覚えよう。
87 3 × 29 これも3の倍数(8+7=15)。奇数なので油断しやすい。
91 7 × 13 最重要注意ナンバー。見た目は完全に素数。「悔い(91)ないように7と13」などの語呂合わせも有効。
119 7 × 17 救急車(119)は7で割れる。これも7の倍数であることに気づきにくい。

ベテラン塾講師のアドバイス
「『57』を素数だと言い張る生徒には、『トランプのゲーム(グロム)で57ってあるよね、あれ足すと12だから3で割れるんだよ』と話すと、意外と記憶に残ります。特に『91』は、難関私立高校の入試でも計算の途中でしれっと出てくる曲者です。これに反応できるかどうかが、数学が得意な子と苦手な子の分かれ目になります。」

プロが教える「よくある間違い」と子供への指導ポイント

手順を教え、倍数の見分け方も伝えた。それでも子供は間違えます。それはなぜでしょうか?
長年の指導経験から、子供たちが陥るミスには明確な「パターン」があることが分かっています。親御さんがこのパターンを事前に知っておけば、「なんで間違えるの!」と怒る前に、適切なアドバイスができるようになります。

途中で計算を止めてしまう(合成数が残っている)

最も多いミスの一つが、まだ割れるのに「終わった」と勘違いしてしまうケースです。
例えば、「24」を素因数分解するとき、
24 ÷ 2 = 12
12 ÷ 2 = 6
ここで安心してしまい、答えを「2² × 6」と書いてしまうのです。「6」はまだ「2 × 3」に分解できますよね。

指導ポイント:
「最後に出てきた数字、本当に素数かな? 素数一覧表でチェックしてみよう」と声をかけてあげてください。特に「偶数が残っていないか」「3の倍数判定法でチェックしたか」を確認させる習慣をつけさせましょう。

「4」や「6」などの素数以外で割ってしまう

すだれ算の左側に「4」や「6」「9」といった合成数を書いてしまうミスです。
「72は8で割れる!」と気づくのは素晴らしい数感覚なのですが、素因数分解のルールはあくまで「素数」で割ることです。合成数で割ってしまうと、正確な素因数分解になりません。

指導ポイント:
「割る数は、素数(2, 3, 5, 7…)の中から選ぶルールだよ。迷ったら『2』か『3』か『5』のどれかを使おう」と基本に立ち返らせてください。慣れるまでは、左側に書く数字を丸で囲み、「丸の中は素数だけ!」という独自ルールを作るのも効果的です。

掛け算ではなく足し算をしてしまう

これは計算の最終段階で起こるミスです。分解は正しくできたのに、最後に答えを書くとき、
2 × 2 × 3 なのに、うっかり 2 + 2 + 3 = 7 と計算してしまう、あるいは頭の中で混同してしまうケースです。
また、指数を書くときに「2³(2の3乗=8)」を「2×3=6」と計算してしまうミスも多発します。

指導ポイント:
「素因数分解は、バラバラにした材料を掛け合わせると元の数に戻るんだよ。試しに掛けてみて、元の数になるか確かめ算(検算)してみよう」と促します。この「検算」こそが、ミスをゼロにする最強の武器です。

ベテラン塾講師のアドバイス
「テストで100点を取る子は、計算が速い子ではなく、自分のミスを自分で見つけられる子です。素因数分解は、出てきた答えを計算すれば元の数に戻るはず。つまり、その場で100%答え合わせができる単元なんです。『検算して元の数に戻ったら、自分に花丸をつけていいよ』と教えてあげてください。」

テストに出る!素因数分解の応用問題(平方数を作る)

素因数分解の計算ができるようになったら、次はテストで差がつく「応用問題」に挑戦しましょう。定期テストや高校入試で頻出なのが、「ある自然数をかけて、ある整数の2乗(平方数)にする」という問題です。

この問題は、素因数分解の意味を正しく理解していないと解けませんが、解き方のパターンさえ覚えてしまえば、確実に得点源にできます。

問題パターン:「ある自然数をかけて、ある整数の2乗にせよ」

典型的な問題文はこのようなものです。
「54にできるだけ小さい自然数をかけて、ある整数の2乗にするには、どんな数をかければよいか。また、その結果どんな数の2乗になるか。」

一読すると難しく感じますが、要するに「数字のペアを作ってね」というゲームなのです。
ある整数の2乗(平方数)になる数とは、素因数分解したときに、すべての素数が「ペア(2乗)」になっている数のことです。
例:36 = 2² × 3² = (2×3)² = 6²

解き方の手順:ペアになっていない数字を見つける

この問題を解く手順は以下の3ステップです。

  1. 素因数分解する: まずは与えられた数字をバラバラにします。
  2. ペアを作る: 同じ素数2つで1組のペアを作ります。
  3. 余った数字を見つける: ペアになれずに一人ぼっちで残っている数字(奇数個の素数)を探します。その「余った数字」こそが、かけるべき数(答え)です。

なぜなら、一人ぼっちの数字にもう一つ同じ数字をかけてあげれば、ペアが完成するからです。

実際の入試問題レベルに挑戦してみよう

では、先ほどの「54」の問題を実際に解いてみましょう。

▼練習問題と詳しい解説(ここをクリックして開く)

問題:
54にできるだけ小さい自然数をかけて、ある整数の2乗にするには、どんな数をかければよいか。

解説:

STEP 1:54を素因数分解する
54 ÷ 2 = 27
27 ÷ 3 = 9
9 ÷ 3 = 3
よって、54 = 2 × 3 × 3 × 3

STEP 2:ペアを作る
並んでいる数字を見てみましょう。
2 × 3 × 3 × 3
ここで、「3」が2つあるので、これが1つのペアになります(3²)。
しかし、残りの「2」と「3」はペアがいません。一人ぼっちです。

STEP 3:ペアになれなかった数字をかける
一人ぼっちの「2」には「2」を、一人ぼっちの「3」には「3」をかけてあげれば、全員ペアになれます。
つまり、かけるべき数は 2 × 3 = 6 です。

答え:6


(おまけ)どんな数の2乗になるか?
元の54に6をかけると、
54 × 6 = 324
素因数で見ると、(2×3×3×3) × (2×3) = 2² × 3² × 3² = (2×3×3)² = 18²
答えは18の2乗になります。

この「一人ぼっちを探す」という感覚が掴めれば、割り算をする問題(ある自然数で割って2乗にする)も全く同じ考え方で解くことができます。

素因数分解のQ&A(ツール紹介・FAQ)

最後に、学習中に疑問に思いがちな点や、知っておくと便利な情報をQ&A形式でまとめました。

Q. どこまで計算すれば終わりですか?

A. 出てきた答え(商)が「素数」になったら終わりです。

すだれ算の下に出てきた数字が、2, 3, 5, 7, 11, 13…などの素数になった時点でストップします。もし、まだ割れる数(例えば9や15など)であれば、続けて割ってください。不安な場合は、記事前半の「素数一覧表」と照らし合わせて確認しましょう。

Q. 大きな桁の数字を一瞬で素因数分解するツールはありますか?

A. はい、Web上には便利な計算サイトが多数あります。

宿題の答え合わせや、自分で作った問題の正解を確認したいときには、自動計算ツールを使うのが賢い方法です。「素因数分解 計算」などで検索すると、数字を入力するだけで一瞬で分解してくれるサイトが見つかります。ただし、最初からツールに頼ると計算力が身につかないので、あくまで「答え合わせ用」として活用してください。

Q. 素因数分解はいつ習いますか?

A. 中学校1年生の数学で習います。

通常、中1の1学期(最初のほう)に「正の数・負の数」と合わせて学習します。その後、中3の「因数分解(式の展開)」や「平方根(ルート)」で再びこの知識が必要になります。中1の段階で苦手意識を持ってしまうと、中3になってから苦労することになるので、早めの克服が非常に重要です。

ベテラン塾講師のアドバイス
「中1で習う素因数分解は、実は中3の数学をクリアするための『伏線』なんです。ここでしっかり基礎を固めておけば、受験生になったときに『あの時やっておいてよかった!』と必ず思いますよ。」

まとめ:素因数分解は「数の仕組み」を知る第一歩

素因数分解は、単なる計算作業ではなく、数字のDNAを解析するような面白い単元です。
最後に、今回解説したポイントをチェックリストにまとめました。お子様と一緒に確認してみてください。

  • 定義の確認: 素因数分解とは、自然数を「素数」だけの掛け算にすること。
  • 1の扱い: 「1」は素数ではない!絶対に入れないこと。
  • すだれ算のコツ: 小さい素数(2, 3, 5)から順に割っていく。
  • 倍数判定法: 偶数は2、合計が3の倍数なら3、一の位が0か5なら5で割る。
  • 答えの書き方: 同じ数字は「累乗(指数)」を使ってまとめる。小さい順に書く。
  • ミスの防止: 最後に掛け算をして、元の数に戻るか「検算」をする習慣をつける。

もし計算ミスをしてしまっても、決して叱らずに「どこで間違えたのかな?検算してみよう」と寄り添ってあげてください。「わかった!」「できた!」という小さな成功体験の積み重ねが、数学への苦手意識をなくす一番の近道です。

今日からぜひ、親子で「数のパズル」を楽しんでみてください。

この記事を書いた人

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