医療現場における安全管理は、患者の生命を守るための最重要課題であると同時に、現場スタッフや管理者にとって終わりなき研鑽が求められる領域です。しかし、年2回の必須研修の企画、全職員への周知、受講管理、そしてインシデントレポートの集計と、医療安全管理者の業務負担は限界に達しているのが実情ではないでしょうか。
本記事で解説する「SafetyPlus(セーフティプラス)」は、世界的な学術出版社であるエルゼビアが提供する、医療機関向け医療安全研修eラーニングシステムです。最大の特徴であるドラマ形式の「再現動画」による圧倒的な学習効果と、管理者の事務作業を自動化する強力な学習管理機能により、医療安全管理者の業務負担を劇的に軽減しつつ、職員の安全意識を根本から変革します。
この記事では、長年医療安全管理の現場に携わってきた専門家の視点から、以下の3点を中心に徹底解説します。
- 「再現動画」が従来のテキストベースの研修と決定的に異なり、なぜ行動変容を促すのか
- 研修準備、テスト採点、未受講者対応を自動化するLMS(学習管理システム)の具体的機能
- 導入コストの考え方や稟議を通すためのロジック、失敗しない運用のためのプロのアドバイス
※注記:本記事は医療機関向けの研修システムに関する専門的な解説記事です。防災グッズとして販売されている「SAFETY PLUS(防災セット)」や、自動車の安全機能、通信会社の保証サービスをお探しの方は、本記事の対象外となりますのでご注意ください。
医療安全研修eラーニング「SafetyPlus」とは?なぜ選ばれるのか
医療安全管理者の皆様がeラーニングシステムを選定する際、最も重視すべき点は「情報の信頼性」と「継続的な学習効果」です。市場には数多のeラーニングツールが存在しますが、なぜ多くの基幹病院や地域中核病院が「SafetyPlus」を選ぶのでしょうか。その理由は、単なるシステムの利便性だけではなく、提供されるコンテンツの圧倒的な「質」と、その背景にある確固たる「エビデンス」にあります。
本セクションでは、SafetyPlusの基本概要とともに、なぜこのツールが医療安全のプロフェッショナルたちから高い評価を得ているのか、その根拠を深掘りして解説します。
世界的学術出版社「エルゼビア」と「日本医療機能評価機構」の連携
SafetyPlusの開発・提供元であるエルゼビア(Elsevier)は、医学・科学技術分野における世界最大規模の出版社であり、情報分析企業です。「ランセット(The Lancet)」や「セル(Cell)」といった世界的に権威ある学術雑誌を出版している企業と言えば、その情報の正確性と信頼性の高さがイメージできるでしょう。医療安全研修において、教材の内容が医学的に正しいか、最新のガイドラインに沿っているかは死活問題です。エルゼビアが提供するという事実は、それだけで院内の医師や専門職に対する強力な説得材料となります。
さらに特筆すべきは、公益財団法人日本医療機能評価機構との連携です。SafetyPlusのコンテンツは、同機構に報告された膨大なインシデントレポートや医療事故情報収集等事業のデータベースに基づいています。架空の事例ではなく、日本の医療現場で実際に発生した事例をベースに教材が作成されているため、現場のスタッフは「これは自分の病院でも起こりうる」という強い当事者意識を持って学習に臨むことができます。この「エビデンスに基づく教材作成」の姿勢こそが、他のeラーニング教材とは一線を画す最大の信頼の証です。
最大の特徴は「ドラマ形式の再現動画」による疑似体験
従来のeラーニングや院内研修では、パワーポイントのスライドを読み上げたり、テキストベースの資料を読んだりする形式が主流でした。しかし、文字情報だけで「なぜ事故が起きたのか」「その時現場はどういう雰囲気だったのか」を理解することは困難です。SafetyPlusが選ばれる最大の理由は、プロの俳優を起用したドラマ仕立ての「再現動画」にあります。
この再現動画では、インシデントが発生するまでの経緯、当事者の心理状態、周囲の環境、コミュニケーションの齟齬などがリアルに描かれています。視聴する職員は、まるで自分がその場にいるかのような没入感で事例を疑似体験することになります。「忙しくて確認を省略してしまった焦り」や「上司に声をかけづらかった空気感」など、言語化しにくい文脈情報(コンテキスト)まで共有できるため、記憶への定着率が格段に高まります。これは、認知心理学的にも「エピソード記憶」として定着しやすく、実際の現場で類似の状況に直面した際に、危険予知能力として機能することが期待できます。
医療安全だけでなく感染対策・コンプライアンスも網羅
医療安全管理室が管轄する領域は年々拡大しており、狭義の医療事故防止だけでなく、院内感染対策、医薬品安全、医療機器安全、さらには職員の接遇や個人情報保護、ハラスメント対策といったコンプライアンス領域まで多岐にわたります。SafetyPlusは、これらの領域を網羅的にカバーするコンテンツを標準搭載しています。
例えば、標準予防策(スタンダードプリコーション)の実技動画や、個人情報漏洩のリスク事例、チーム医療におけるコミュニケーション技法など、病院機能評価の受審に必要な研修テーマの多くをこのシステム一つで賄うことが可能です。複数の教材やシステムを契約する必要がなく、管理を一元化できる点は、コストパフォーマンスの観点からも大きなメリットと言えるでしょう。
▼SafetyPlusの収録コンテンツカテゴリ一覧(詳細)
| カテゴリ | 主な収録内容 |
| 医療安全基礎 | 医療安全管理の基本概念、ヒューマンエラーのメカニズム、KYT(危険予知トレーニング) |
| インシデント事例 | 転倒転落、誤薬、患者取り違え、ドレーン・チューブ管理、検査処置のミス等の再現ドラマ |
| 感染対策 | 手指衛生、個人防護具の着脱、針刺し事故対応、感染経路別予防策 |
| 病院機能評価対応 | 倫理・法令遵守、個人情報保護、防災・防犯、ハラスメント防止 |
| ノンテクニカルスキル | チームステップス(TeamSTEPPS)の概念、状況認識、リーダーシップ |
医療安全管理コンサルタントのアドバイス
「教材選びで最も重要なのは『誰が作ったか』という出典の明確さです。私が現役の管理者だった頃、インターネット上の不確かな情報を基にした資料で研修を行い、医師から内容の不備を指摘されて立ち往生した経験があります。その点、エルゼビアと日本医療機能評価機構という『権威』がバックにある教材は、医師を含む全職員に対して自信を持って提示できます。特に専門職は情報の出処に敏感ですので、この信頼性は管理者自身の身を守る鎧にもなるのです。」
現場の行動が変わる!「再現動画」の教育効果を深掘り
多くの医療安全管理者が抱える最大の悩みは、「研修を行っても現場の行動が変わらない」「インシデントが減らない」という点に尽きます。研修への参加が出席確認のための「儀式」になってしまっては意味がありません。SafetyPlusの再現動画は、この「マンネリ化した研修」を打破し、職員の感情を揺さぶることで行動変容を促す強力なツールです。
ここでは、なぜテキスト教材ではなく「動画」なのか、そしてそれが具体的にどのような教育効果をもたらすのかについて、学習理論や現場の実感を交えて詳しく解説します。
「文字」では伝わらない切迫感と空気感を共有する
医療事故の背景には、マニュアルの手順ミスだけでなく、その場の「切迫感」や「同調圧力」、「思い込み」といった心理的・環境的要因が複雑に絡み合っています。テキストで「確認不足により誤薬が発生した」と読んでも、読者は「自分は気をつけるから大丈夫だ」と他人事として処理してしまいがちです。これを「正常性バイアス」と呼びます。
しかし、ドラマ形式の動画で、看護師が多重課題に追われてパニックになっている様子や、医師の威圧的な態度に萎縮して声を上げられない場面を目の当たりにすると、視聴者は「自分も同じ状況ならやってしまうかもしれない」という恐怖を感じます。この「感情の動き」こそが学習の出発点です。SafetyPlusの動画は、単なる手順の解説ではなく、事故に至るまでの文脈を共有することで、職員の想像力を刺激し、「明日は我が身」という当事者意識を醸成します。
ノンテクニカルスキル(NTS)の学習に最適な理由
近年の医療安全教育において重要視されているのが、専門的な技術や知識以外のスキル、すなわち「ノンテクニカルスキル(NTS)」です。状況認識、意思決定、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップなどがこれに該当します。NTSは教科書を読んで暗記するものではなく、具体的な状況の中でどう振る舞うかを学ぶ必要があります。
SafetyPlusの動画教材は、NTSの失敗事例と成功事例を対比させる構成が多く採用されています。例えば、「声をかけにくい雰囲気で沈黙してしまった事例(失敗)」と、「適切なタイミングでアサーティブに意見を伝えた事例(成功)」を見比べることで、具体的な行動モデルをイメージしやすくなります。抽象的な概念であるNTSを、具体的な行動レベルに落とし込んで学習できる点は、動画教材ならではの強みと言えます。
著名な専門家による講義で「説得力」を担保
院内研修の講師を院内のスタッフが務める場合、どうしても「身内感」が出てしまい、受講者の緊張感が薄れることがあります。また、講師役のスタッフにかかる準備の負担も甚大です。SafetyPlusでは、医療安全の分野で著名な大学教授や専門医、弁護士などが解説する講義動画も充実しています。
外部の権威ある専門家による解説は、受講者に「重要な話である」という認識を植え付ける効果(ハロー効果)があります。特に、医療訴訟のリスクや法的責任に関するテーマなどは、弁護士による解説動画を活用することで、職員のコンプライアンス意識を効果的に高めることができます。管理者は、自ら資料を作成して講義を行う必要がなく、質の高い講義を「流すだけ」で良いため、教育の質を担保しながら業務負担を軽減できます。
1テーマ10分程度だから隙間時間で受講完了
医療従事者は常に時間に追われており、まとまった時間を確保して研修に参加することは極めて困難です。1時間の集合研修のために業務を中断することは、現場にとって大きなストレスとなります。SafetyPlusのコンテンツは、1つのテーマが5分から15分程度にまとめられており、マイクロラーニングに最適化されています。
夜勤の休憩時間、カンファレンスの前後の待ち時間、あるいは通勤時間など、ちょっとした隙間時間を利用してスマホやタブレットで受講を完了させることができます。また、途中から再開できるレジューム機能も備わっているため、急なナースコールで中断してもストレスなく学習を継続できます。「忙しいから研修に出られない」という現場の言い訳を解消し、受講率の向上に直結する設計となっています。
医療安全管理コンサルタントのアドバイス
「集合研修で照明を落としてスライドを流すと、夜勤明けのスタッフは5分で船を漕ぎ始めます。これはやる気の問題ではなく、生理現象なので叱責しても解決しません。しかし、ドラマ仕立ての動画を流すと、全員の目が画面に釘付けになります。『えっ、そこで間違えるの?』『うわ、この医師怖い…』といった感情が動くからです。寝ているスタッフを起こして回る労力を使うくらいなら、教材自体を『見たくなるもの』に変える方が、教育効果は何倍も高くなります。」
管理者の残業をゼロに|研修準備・集計の手間を省くLMS機能
医療安全管理者の業務時間の多くは、実は「教育そのもの」よりも、研修の案内、出欠確認、未受講者の追いかけ、テストの採点、そして報告書の作成といった「事務作業」に奪われています。SafetyPlusに搭載されているLMS(Learning Management System:学習管理システム)は、これらの煩雑な業務を一手に引き受け、管理者を事務作業から解放するための強力なツールです。
ここでは、具体的にどのような機能が管理者の業務効率化に貢献するのか、実務のフローに沿って解説します。
全職員の受講状況をリアルタイムで可視化・CSV出力
紙ベースの運用や簡易的なアンケートツールでは、誰が受講して誰が未受講なのかを把握するために、名簿と照らし合わせる膨大な手作業が発生します。SafetyPlusの管理画面では、全職員の受講進捗状況がリアルタイムでグラフ化され、一目で把握することができます。
職種別、部署別、個人別といった詳細なフィルタリングが可能で、必要なデータはいつでもCSV形式でダウンロードできます。これにより、医療安全管理委員会や院内の運営会議での報告資料作成が数分で完了します。また、労働基準監督署や保健所の立入検査、病院機能評価の審査時にも、受講記録を即座に提示できるため、監査対応のストレスが大幅に軽減されます。
未受講者への「催促メール」自動配信機能
研修期間の終了間際になっても受講していない職員に対し、電話をかけたり、師長を通じて伝言を頼んだりするのは、管理者にとって精神的にも時間的にも大きな負担です。SafetyPlusには、未受講者のみを自動で抽出し、ワンクリックで催促メール(リマインドメール)を一斉配信する機能があります。
システムから自動的に送られるメールであれば、管理者個人の感情的な摩擦を生むことなく、事務的に受講を促すことができます。また、メールの文面もテンプレート化できるため、毎回文章を考える手間もありません。この機能により、受講率100%達成に向けた追い込み業務が劇的に効率化されます。
テストの自動採点と理解度確認レポート
研修後の理解度確認テストは、学習効果を測定するために必須ですが、数百人分の回答用紙を回収し、採点し、点数を入力する作業は気の遠くなるような重労働です。SafetyPlusでは、動画視聴後に設定されたテストの採点が自動で行われます。
合格点に達しない場合の再受講設定や、解説の表示なども柔軟に設定可能です。管理者は、テストの平均点や、正答率の低い設問(=職員が理解していないポイント)を分析レポートとして確認できるため、次回の研修企画や現場へのフィードバックにデータを活用するという、本来の管理者業務に集中することができます。
自院独自のマニュアルや動画もアップロード可能
SafetyPlusの優れた点は、提供される教材だけでなく、自院オリジナルのコンテンツも配信できることです。例えば、院長による年度初めの挨拶動画、改訂された院内マニュアルのPDF、自院で発生したインシデントの共有資料などをシステムにアップロードし、受講管理を行うことができます。
これにより、院内のあらゆる研修・周知事項をSafetyPlusという一つのプラットフォームに集約することが可能になります。職員は「研修関係はここを見ればいい」と迷うことがなくなり、管理者は複数のツールを使い分ける手間から解放されます。
医療安全管理コンサルタントのアドバイス
「監査の時、調査官に『全職員の研修受講記録を見せてください』と言われて、分厚いバインダーを必死にめくった経験はありませんか? デジタル化された受講管理システムがあれば、その場でタブレットを見せながら『現在の受講率は98.5%で、未受講者には昨日督促済みです』と涼しい顔で答えることができます。この即答性と管理体制の明確さこそが、病院のガバナンス能力を示す証拠となり、調査官の心証を良くする最大のポイントです。」
他社eラーニング教材との比較・差別化ポイント
医療安全研修のeラーニング導入を検討する際、学研メディカルサポートの「Gakkenメディカルサポート」や、その他の医療系eラーニングシステムと比較検討されることが多いでしょう。それぞれに強みがありますが、SafetyPlusを選ぶべき決定的な理由はどこにあるのでしょうか。
ここでは、競合他社と比較した際のSafetyPlusの優位性や差別化ポイントについて、コンテンツの鮮度、システムの使用感、サポート体制の観点から整理します。
コンテンツの更新頻度と情報の鮮度
医療の世界は日進月歩であり、ガイドラインや法令は頻繁に改正されます。買い切りのDVD教材や更新頻度の低いシステムでは、古い情報に基づいて研修を行ってしまうリスクがあります。SafetyPlusはクラウド型のサービスであり、エルゼビアの編集チームによってコンテンツが定期的に追加・更新されます。
特に、新しい感染症の流行や、社会的に注目された重大事故の事例などは、迅速に教材化される傾向にあります。常に最新のトピックに基づいた研修を提供できることは、職員の関心を引きつけ続けるためにも重要な要素です。他社サービスと比較する際は、「年間でどれくらいの新作動画が追加されるか」を確認することをお勧めします。
システムの使いやすさとスマホ対応(マルチデバイス)
機能が多機能であっても、操作が複雑で使いにくければ、ITリテラシーの高くない職員にとっては苦痛でしかありません。SafetyPlusのユーザーインターフェースは、直感的に操作できるように設計されており、YouTubeなどの動画サイトを閲覧する感覚で受講が可能です。
また、PCだけでなく、スマートフォンやタブレットでの表示に完全対応(レスポンシブデザイン)しています。他社システムの中には、スマホ対応が不十分で画面が見づらかったり、専用アプリのインストールが必要だったりする場合もありますが、SafetyPlusはブラウザベースで快適に動作するため、個人のデバイスを活用した(BYOD)受講推進もスムーズに行えます。
導入後のサポート体制とカスタマイズ性
システム導入後に最も困るのは、「使い方がわからない」「設定がうまくいかない」といったトラブルです。SafetyPlusは、導入時の初期設定サポートや、管理者向けのマニュアル、ヘルプデスク体制が充実しています。
また、病院ごとの運用ルールに合わせた設定のカスタマイズ性も比較ポイントです。例えば、職種ごとに受講必須科目を出し分けたり、視聴期間を細かく設定したりといった柔軟性は、大規模な組織であればあるほど重要になります。単なる「動画配信サイト」ではなく、「組織の教育管理ツール」としての完成度の高さが、SafetyPlusの強みと言えます。
▼主要医療安全eラーニングツール機能比較表(イメージ)
| 比較項目 | SafetyPlus | A社(大手出版社系) | B社(医療機器系) |
| 教材形式 | 再現ドラマ・実写重視 | 講義スライド・アニメ | テキスト・静止画中心 |
| 没入感・臨場感 | 極めて高い(感情に訴求) | 普通(座学に近い) | 低い(資料閲覧) |
| 監修・エビデンス | エルゼビア・医療機能評価機構 | 著名講師陣 | 自社開発・監修医 |
| スマホ対応 | 完全対応(ブラウザ) | 対応(一部アプリ) | PC推奨 |
| 自院資料UP | 可能(動画・PDF) | プランにより可 | 不可 |
導入前に確認すべき料金体系と導入フロー
SafetyPlusは法人向けのB2Bサービスであるため、公式サイト上に具体的な価格表は公開されていません。しかし、導入検討にあたって予算取りやスケジュール感の把握は不可欠です。ここでは、一般的な料金体系の考え方や、導入までの標準的な流れについて解説します。
施設規模に応じた料金プランの仕組み(ID数・病床数)
一般的に、この種のeラーニングシステムの料金体系は、「初期導入費用」と「月額(または年額)利用料」で構成されています。利用料は、利用するID数(職員数)や病床数に応じたレンジ制になっていることが多く、小規模病院から大規模病院まで、規模に合わせたプランが用意されています。
SafetyPlusの場合も、職員全員にIDを付与する「全職員ライセンス」が基本となりますが、詳細な見積もりは代理店や販売元への問い合わせが必要です。予算申請の際は、単なる「教材費」としてだけでなく、外部講師への謝礼金削減、会場設営にかかる人件費削減、資料印刷代の削減といった「コストダウン効果」とセットで提示することが、稟議を通すためのポイントです。
トライアル(デモ体験)の活用方法
いきなり本契約を結ぶ前に、必ず「無料トライアル」や「デモ画面の確認」を行うことを強くお勧めします。多くの代理店では、期間限定で管理者用アカウントを発行し、実際の動画コンテンツや管理画面を試用させてくれます。
トライアル時には、管理者だけでなく、現場の看護師長や若手スタッフ、あるいは院長などの決裁者にも実際に触ってもらい、「これなら現場でも使えそうだ」「動画が面白い」という感触を得ておくことが重要です。現場のキーマンを味方につけておくことで、導入後の普及がスムーズになります。
申し込みから利用開始までの標準スケジュール
導入決定から利用開始までの期間は、概ね1ヶ月〜2ヶ月程度を見ておくと安全です。主なプロセスは以下の通りです。
- 問い合わせ・資料請求:公式サイト等からコンタクトを取り、製品説明を受ける。
- 見積もり・デモ体験:利用人数に基づいた見積もりを取得し、トライアルを実施。
- 契約手続き・発注:院内稟議を経て正式契約。
- 環境構築・ID登録:職員データのCSVを用意し、システムに一括登録する。
- 管理者向け操作説明会:運用担当者が操作方法のレクチャーを受ける。
- 利用開始・全職員への周知:IDとパスワードを配布し、研修スタート。
▼導入時に必要な院内環境チェックリスト
- インターネット接続環境(院内Wi-Fiの整備状況や帯域幅の確認)
- 職員一人ひとりのメールアドレス有無(個人のメアドを使うか、共通のアドレスを使うか)
- 視聴用デバイスの確保状況(病棟の共用PC、タブレットの台数、個人スマホ利用の可否)
- ブラウザのバージョン確認(古いInternet Explorerなどがメインでないか)
医療安全管理コンサルタントのアドバイス
「予算申請を通す際のキラーフレーズは『費用対効果』です。『年間〇〇万円』という金額だけを見ると高く感じられますが、『職員一人あたり月額数百円で、最高品質の教育と法的リスク回避が担保できる』と説明すれば、経営陣も納得しやすくなります。また、医療事故が一件起きれば、その対応コストや社会的信用の失墜は計り知れません。安全への投資は『保険』であるというロジックを組み立ててください。」
失敗しないために!導入時によくある課題と対策
どれほど優れたツールであっても、導入すれば自動的にすべてが解決するわけではありません。特に、新しいITツールを導入する際には、現場からの抵抗や運用上の課題が必ず発生します。ここでは、導入時によくあるつまづきポイントと、それを乗り越えるための具体的な対策を紹介します。
高齢スタッフへのIT操作フォロー体制
「ログインの仕方がわからない」「パスワードを忘れた」「画面が動かない」といった問い合わせは、導入直後に殺到します。特に、PC操作に不慣れなベテランスタッフや、非常勤の職員へのサポートは必須です。
対策としては、写真付きのわかりやすい「簡易ログインマニュアル」を各部署の掲示板に貼る、各部署に「eラーニング推進担当者(キーマン)」を配置して操作方法を教えてもらう、といった草の根のフォローが有効です。管理室だけですべて対応しようとせず、現場を巻き込んだサポート体制を構築しましょう。
「見ただけ」で終わらせないためのディスカッション活用
動画を見てテストに合格すれば形式上は完了ですが、それだけでは「見ただけ」で終わってしまう可能性があります。学習効果を最大化するためには、動画視聴後に部署ごとのカンファレンスで「今の動画の事例、うちの病棟だったらどう防ぐ?」と5分間ディスカッションする時間を設けるのが効果的です。
SafetyPlusの動画は共通言語としての役割を果たします。同じ映像を見ているからこそ、具体的な議論が可能になります。eラーニングを個人の学習で完結させず、チームの対話を促す「ネタ」として活用することで、組織全体の安全文化が醸成されます。
院内LANへの負荷と通信環境の整備
全職員が一斉に動画を視聴し始めると、院内のネットワーク回線が圧迫され、電子カルテの動作が遅くなるといったトラブルが発生するリスクがあります。特に、昼休みや夕方などの特定に時間にアクセスが集中しがちです。
導入前にシステム担当部署と連携し、帯域制限の有無やWi-Fiの強度を確認しておくことが重要です。場合によっては、職員の私物スマホ(4G/5G回線)での視聴を推奨(通信料の補助やWi-Fi開放など)することで、院内LANへの負荷を分散させる運用も検討が必要です。
医療安全管理コンサルタントのアドバイス
「新しいツールを入れると、必ず『忙しいのに手間を増やすな』という反発の声が上がります。これに対する特効薬は、まず管理職(師長・主任クラス)を完全に味方につけることです。彼らに『これであなたたちの集計業務や指導の手間が減るんです』というメリットを徹底的に伝え、現場での普及推進役になってもらいましょう。トップダウンだけでなく、ミドルマネジメント層からのボトムアップを促すことが、定着への近道です。」
SafetyPlusに関するよくある質問 (FAQ)
最後に、SafetyPlusの導入を検討されている方からよく寄せられる疑問について、Q&A形式で回答します。
Q. 医師や看護師以外の職員(事務・委託)も受講対象にできますか?
はい、可能です。医療安全研修は、医療法により全職員(委託業者含む)への実施が義務付けられています。SafetyPlusは職種を問わず理解しやすいドラマ形式であるため、事務職員や助手、委託スタッフの教育にも最適です。ID数に応じた契約となることが一般的ですので、対象範囲については導入時にご相談ください。
Q. 自宅や通勤中にスマホで視聴してもセキュリティは大丈夫ですか?
SafetyPlusはSSL暗号化通信などの標準的なセキュリティ対策が施されており、IDとパスワードによる認証が行われるため、院外からのアクセスでも安全に利用できます。ただし、カフェのフリーWi-Fiなど、セキュリティリスクの高い回線での利用は避けるよう、職員への注意喚起は必要です。
Q. 日本医療機能評価機構の認定更新に役立ちますか?
大いに役立ちます。SafetyPlusの受講履歴やテスト結果は、医療安全管理体制が機能していることを示す客観的なエビデンス(証拠資料)となります。また、収録コンテンツ自体が機能評価の項目(感染対策、倫理、安全管理など)に対応しているため、認定更新に向けた教育計画の立案が容易になります。
Q. 防災セットの「SAFETY PLUS」とは関係ありますか?
いいえ、全く関係ありません。本記事で紹介しているのはエルゼビア社の医療機関向けeラーニングシステムです。同名の防災グッズ(非常用持ち出し袋など)や、自動車の安全パッケージ、通信会社の保証サービスとは異なる製品ですので、お問い合わせの際はご注意ください。
まとめ:質の高い研修で「医療安全文化」を醸成しましょう
医療安全管理者にとって、研修は単なる義務ではなく、職員の命と患者の命を守るための重要な防衛線です。SafetyPlusを導入することで、以下のメリットを享受し、理想的な医療安全管理体制を構築することができます。
- ドラマ形式の再現動画により、職員の感情を動かし、具体的な行動変容を促すことができる。
- 強力なLMS機能により、研修準備・集計・督促業務が自動化され、管理者の残業時間が削減される。
- エルゼビアと機能評価機構の信頼性により、医師を含む全職員に対して説得力のある教育を提供できる。
- マルチデバイス対応により、隙間時間を活用した学習が可能となり、受講率が飛躍的に向上する。
「研修が変われば、意識が変わる。意識が変われば、行動が変わる。」
今の研修体制に限界を感じているのであれば、まずはSafetyPlusが自院の課題解決にどう役立つか、詳細な情報を確認してみてはいかがでしょうか。
Checklist|SafetyPlus導入検討チェックシート
- 現状の研修参加率が悪く、改善の兆しが見えない
- インシデントレポートは上がるが、再発防止策が徹底されていない
- 研修の準備や受講確認、集計業務に膨大な時間を取られている
- 監査や機能評価の受審を控えており、教育体制のエビデンスを整備したい
- 文字だけのマニュアルでは、若手スタッフに危機感が伝わらないと感じている
ご興味を持たれた方は、エルゼビア・ジャパンの公式サイトにて製品の詳細情報や、導入事例、デモ体験の申し込みについてご確認ください。
医療安全管理コンサルタントからの最後のエール
「ツールはあくまで道具ですが、優れた道具は使う人のポテンシャルを最大限に引き出します。SafetyPlusという武器を使って事務作業を効率化し、そこで生まれた時間を、現場ラウンドやスタッフとの対話といった『人間でなければできない医療安全活動』に充てください。それが、真に患者と職員を守る組織作りへと繋がります。」
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