個人店や小規模店舗の開業準備において、レジ選びは最初にして最大の難関と言っても過言ではありません。「初期費用を抑えたいけれど、安かろう悪かろうでは困る」「エアレジは無料と聞くが、本当に裏はないのか?」といった不安を抱えているオーナー様は非常に多いのが実情です。
結論から申し上げますと、エアレジ(Airレジ)は月額0円で高機能なPOSレジシステムを利用できるため、コストを重視する個人店にとっては間違いなく最強の選択肢の一つです。しかし、アプリ自体は無料でも、iPadやレシートプリンターといった周辺機器の購入費は必ず発生しますし、Android端末が使えない、電話サポートが限定的であるといった「無料ゆえの制約」も存在します。
この記事では、累計150店舗以上のPOSレジ導入を支援してきた店舗DX導入コンサルタントの視点から、公式サイトには書かれていない「現場のリアル」を徹底解説します。
この記事でわかること
- 導入にかかる「リアルな初期費用」の総額と、予算別の機器構成
- 現場のプロだからこそ知るメリット・デメリットと、競合他社(スマレジ等)との決定的な違い
- 失敗しないiPad・レシートプリンターの選び方と、トラブルを回避する設定のコツ
これから開業を迎えるあなたが、後悔のないレジ選びを行い、スムーズに店舗運営をスタートさせるための判断材料をすべて提供します。
エアレジ(Airレジ)とは?プロが評価する3つの特徴
まず、エアレジがなぜこれほどまでに多くの店舗で採用されているのか、その本質的な特徴と仕組みについて解説します。多くのオーナー様が最初に抱く「なぜ高機能なレジが無料で使えるのか? 後から課金されるのではないか?」という疑念を解消しておきましょう。
エアレジは、株式会社リクルートが提供するタブレット型POSレジアプリです。従来の「ガチャレジ」と呼ばれる大きな物理レジスターとは異なり、iPadまたはiPhoneにアプリをインストールし、必要に応じてレシートプリンターやキャッシュドロアを接続して使用します。私が多くの現場で見てきた中で、エアレジの最大の特徴は「圧倒的な導入ハードルの低さ」と「リクルート経済圏との連携力」にあります。
初期費用・月額費用0円で使える理由(ビジネスモデルの仕組み)
エアレジの最も大きなインパクトは、「初期費用0円」「月額費用0円」という料金体系です。通常、POSレジシステムを導入する場合、サーバー利用料や保守費用として月額数千円から数万円のコストがかかるのが一般的です。しかし、エアレジはこれらを一切徴収しません。これには明確な理由があります。
リクルートの狙いは、レジアプリそのもので収益を上げることではありません。店舗がエアレジを利用することで蓄積される「決済データ」や「店舗運営データ」を基盤とし、それに付随するサービスを利用してもらうことで利益を得るビジネスモデルを採用しています。具体的には、キャッシュレス決済サービスである「Airペイ(エアペイ)」の手数料収入や、シフト管理サービス「Airシフト」、飲食店予約台帳「レストランボード」などの関連サービスへの送客、さらには将来的な融資サービスや人材採用支援などが収益源となっています。
つまり、ユーザーである店舗側は「データを提供する代わりに、高機能なシステムを無料で使わせてもらっている」という関係性が成り立っています。したがって、「ある日突然有料化されるのではないか」という心配は、現在のビジネスモデルが崩れない限り、過度に恐れる必要はありません。この「無料の仕組み」を理解することで、安心して導入検討を進めることができるはずです。
注文・会計から売上分析までできること一覧
「無料だから機能が制限されているのでは?」と考える方もいらっしゃいますが、エアレジの機能は有料のPOSレジと比較しても遜色がありません。基本的な会計機能はもちろん、店舗運営に必要な機能が網羅されています。
主な機能一覧
- 注文入力・会計: 直感的なタッチ操作で商品を登録し、現金、クレジットカード、電子マネーなどの支払い方法を選択して会計処理を行います。税率設定(8%、10%の混在)や割引・割増設定も柔軟に対応可能です。
- 売上管理・分析: 日別、月別、商品別、時間帯別の売上データをリアルタイムで集計・グラフ化します。「どの商品がいつ売れているか」が一目でわかるため、メニュー開発や在庫調整に役立ちます。
- 顧客管理: 来店履歴や購入履歴を記録し、顧客ごとの好みに合わせた接客が可能になります。
- 在庫管理: 商品の在庫数を登録し、販売ごとに自動で減算します。在庫切れアラート機能もあり、発注ミスを防ぎます。
- 点検・精算(レジ締め): 1日の現金の過不足を確認するレジ締め作業をサポートします。私が支援した店舗では、手書き集計からエアレジに切り替えたことで、レジ締め時間が30分から5分に短縮された事例もあります。
リクルートID(AirID)一つで広がる連携サービス
エアレジの真価は、単体での利用よりも、リクルートが提供する他の「Airシリーズ」と連携させたときに発揮されます。これらはすべて共通の「AirID」で管理できるため、ログインの手間やデータ連携の複雑さがありません。
主な連携サービス
| サービス名 | 概要と連携メリット |
|---|---|
| Airペイ(エアペイ) | カード・電子マネー・QR決済を一括導入できる決済サービス。エアレジと連携することで、金額の二度打ちが不要になり、会計ミスが激減します。 |
| レストランボード | 飲食店の予約台帳・空席管理アプリ。エアレジと連携し、予約客の来店処理や空席状況の把握がスムーズに行えます。 |
| Airシフト | シフト管理サービス。売上データとシフトデータを突き合わせることで、人件費率(FLコスト)の分析が容易になります。 |
| Airメイト | 経営アシスタントツール。複数のAirサービスのデータを統合し、店舗の課題発見や改善提案を自動で行ってくれます。 |
店舗DX導入コンサルタントのアドバイス
「多くのPOSレジサービスでは、無料プランだと『商品登録数に上限がある』『過去の売上データが3ヶ月しか見られない』といった機能制限(フリーミアムモデル)が設けられていることが一般的です。しかし、エアレジにはそのような機能制限が一切ありません。登録商品数は無制限ですし、過去のデータも永続的に閲覧可能です。これは、特に資金力の乏しい開業直後の店舗にとって、競合他社にはない圧倒的な優位性と言えます。まずはコストをかけずにフル機能を使い倒したいなら、エアレジ一択で間違いありません。」
【重要】エアレジは本当に無料?導入にかかる「リアルな初期費用」総額
ここからは、多くのオーナー様が最も気にされている「お金」の話をします。「エアレジは0円」というのは、あくまで「月額利用料」の話です。実際に店舗でレジとして稼働させるためには、iPad本体やレシートプリンターなどのハードウェアを購入する必要があります。
公式サイトでは「必要な機器」のリストはあっても、具体的な総額シミュレーションまでは踏み込んでいないことが多いです。ここでは、私が実際にクライアントに提示している見積もりベースの「リアルな初期費用」を包み隠さず公開します。
必須機器3点(iPad・プリンター・ドロア)の価格相場
エアレジを運用するための最小構成は、以下の3点です。これらは自前で用意するか、リクルートのオンラインストア(ポンパレモール等)やAmazon、家電量販店で購入する必要があります。
- 1. iPad または iPhone(操作端末):
エアレジはiOS専用アプリです。Androidタブレットは使用できません。画面の視認性や操作性を考慮すると、iPhoneではなくiPad(10.2インチ以上のモデル)を強く推奨します。
価格相場:約50,000円〜(新品iPad 第9世代・第10世代など) - 2. レシートプリンター:
お客様にレシートを渡すために必須です。エアレジ対応のプリンターは特定のメーカー(セイコーインスツル、スター精密、エプソンなど)の指定機種に限られます。
価格相場:約20,000円〜60,000円 - 3. キャッシュドロア:
現金を収納する引き出しです。プリンターとケーブルで接続し、会計時に自動で開くタイプが一般的です。手動開閉の簡易的なものであれば安価ですが、オペレーション効率は落ちます。
価格相場:約8,000円〜15,000円
業態別・おすすめ周辺機器セットの費用シミュレーション
店舗の規模や業態によって、最適な機器構成は異なります。ここでは「松・竹・梅」の3パターンに分けて、導入費用の目安を算出しました。ご自身の店舗に合うプランを検討してみてください。
▼【松・竹・梅】予算別・機器構成パターン詳細(クリックで展開)
【梅セット】とにかく初期費用を抑えたい小規模店舗・キッチンカー向け
- 構成: 手持ちのiPadを活用 + モバイルレシートプリンター(MP-B20など)
- 想定費用: 約25,000円〜(iPad代含まず)
- 特徴: 場所を取らず、持ち運びも可能。ドロアは使用せず、手持ちの金庫やポーチで代用するスタイル。レシートが出るだけの最小構成です。
【竹セット】一般的な飲食店・小売店向け(最も推奨される標準構成)
- 構成: 新品iPad + 据え置き型プリンター・ドロア一体型(mPOPなど)
- 想定費用: 約90,000円〜110,000円
- 特徴: スター精密の「mPOP」など、プリンターとドロアが一体化したスタイリッシュな機器を使用。カウンター周りがスッキリし、見た目もプロ仕様になります。Bluetooth接続で配線も最小限です。
【松セット】繁忙店・高単価サロン向け(トラブル回避と顧客満足度重視)
- 構成: 新品iPad + 高性能据え置きプリンター(有線LAN対応) + 大型ドロア + カスタマーディスプレイ
- 想定費用: 約130,000円〜160,000円
- 特徴: 接続安定性の高い有線LAN対応プリンター(TSP143IIILANなど)を採用し、通信トラブルを防止。お客様に金額を表示するカスタマーディスプレイも設置し、会計の透明性を高めます。自動釣銭機との連携を検討する場合は、別途100万円単位の費用がかかります。
意外な落とし穴!Wi-Fi環境構築と消耗品コスト
機器代金以外に見落としがちなのが「通信環境」と「消耗品」のコストです。
まず、エアレジはクラウド型のサービスであるため、常時接続可能なインターネット環境(Wi-Fi)が必須です。テザリングやポケットWi-Fiでも動作はしますが、接続が不安定になると注文データが飛ばない、会計が完了しないといった致命的なトラブルに繋がります。安定した光回線の契約と、業務用のWi-Fiルーターの設置を強く推奨します。これには初期工事費やルーター代(1〜2万円)、月額通信費(4,000〜5,000円)が別途かかります。
また、レシート用紙(感熱ロール紙)は消耗品です。1巻あたり数百円ですが、忙しい店舗では月に何十巻も消費します。ランニングコストとして計算に入れておく必要があります。
店舗DX導入コンサルタントのアドバイス
「初期費用を少しでも浮かせようと、メルカリやヤフオクで中古のiPadを購入される方がいますが、これには大きなリスクがあります。iPadのOS(iPadOS)は、古いモデルだと最新バージョンにアップデートできなくなります。エアレジアプリは定期的にアップデートされ、古いOSのサポートを打ち切ることがあるため、『安く買ったiPadが半年後にはエアレジで使えなくなった』という事例を何度も見てきました。業務の心臓部であるレジ端末には、必ず新品、あるいはApple認定整備済製品など、長く使えるモデルを選んでください。」
後悔しないために知っておくべきメリット・デメリット
どんなに優れたツールにも、必ずメリットとデメリットが存在します。公式サイトではメリットが強調されがちですが、導入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、現場レベルでの課題感も含めて率直にお伝えします。
メリット:直感的な操作性と圧倒的なコストパフォーマンス
最大のメリットは、やはり「誰でもすぐに使える操作性」です。スマホ世代のアルバイトスタッフであれば、マニュアルなしでも10分程度触れば基本的な会計操作を覚えられます。新人教育にかかるコストと時間を大幅に削減できるのは、人手不足に悩む店舗にとって大きな救いです。
また、前述の通り月額固定費が0円であることは、損益分岐点を下げること直結します。浮いた数千円〜数万円を、新メニューの開発費や集客のための広告費に回せるのは、経営戦略上非常に有利です。
メリット:Airペイとの連携で会計ミスが激減
エアレジとAirペイを連携させると、レジで入力した合計金額が自動的に決済端末に送信されます。これにより、従来のレジで頻発していた「レジでは3,000円と打ったのに、カード端末で誤って300円と入力して決済してしまった」といった金額入力ミス(違算)が物理的に発生しなくなります。忙しいランチタイムや閉店間際の会計でも、正確な処理が可能になり、スタッフの精神的負担も軽減されます。
デメリット:Android端末は使用不可(iOS専用)
エアレジの最大の制約は、iOS(iPad/iPhone)専用アプリであるという点です。安価なAndroidタブレットを使用することはできません。「手元に使っていないAndroidタブレットがあるから活用したい」というニーズには応えられないため、必ずApple製品を用意する必要があります。
デメリット:ネット環境がないと一部機能が制限される
エアレジはクラウド上にデータを保存する仕組みのため、インターネット接続が切れると一部の機能が使えなくなります。一時的なオフライン状態でも会計処理自体は可能ですが、クレジットカード決済(Airペイ)は通信が必須なため利用できなくなります。また、在庫データのリアルタイム更新や売上分析の閲覧もできません。
デメリット:電話サポートが限定的(基本はチャット・メール)
トラブル発生時のサポート体制についても理解しておく必要があります。エアレジの無料プランでは、電話によるサポート窓口が非常に限定的、もしくは繋がりにくい傾向があります。基本的には公式サイトのFAQを見るか、チャットボット、メールフォームでの問い合わせとなります。「レジが動かない!今すぐ電話で聞きたい!」という緊急事態に、即座に有人対応を求めるのは難しい場合があります。これに対して、有料のPOSレジ(スマレジの有料プランなど)は、365日の電話サポートを売りにしていることが多いです。
| 項目 | メリット(Positive) | デメリット(Negative) |
|---|---|---|
| コスト | 初期・月額0円で導入可能。機能制限なし。 | 周辺機器(iPad等)の実費は必要。 |
| 操作性 | 直感的で教育コストが低い。UIが洗練されている。 | カスタマイズ性が低く、画面配置の自由度は低い。 |
| 機能・連携 | Airペイ連携が強力。会計ミス防止。 | ハンディ機能などは別途有料の場合がある。Android不可。 |
| サポート | FAQやマニュアル動画が充実している。 | 有人電話サポートが弱く、緊急時の不安が残る。 |
店舗DX導入コンサルタントのアドバイス
「通信障害はいつ起こるかわかりません。私が支援する店舗では、万が一光回線が切断された場合に備えて、テザリング可能なスマートフォンをレジ横に常備するか、モバイルルーターをバックアップ回線として用意することを推奨しています。また、オフライン時には『現金会計のみ』に切り替えるオペレーションをスタッフ全員に周知しておくことが、パニックを防ぐための最良の策です。」
スマレジ・ユビレジ・Squareとの違いは?比較で選ぶ最適解
タブレットPOSレジには、エアレジ以外にも「スマレジ」「ユビレジ」「Square(スクエア)」といった強力な競合が存在します。「結局どれがいいの?」と迷ってしまう方のために、主要4社の特徴を比較し、あなたの店に最適なレジを判定します。
主要タブレットPOSレジ4社の料金・機能比較表
| サービス名 | 月額費用(基本) | 対応OS | 決済連携 | 最大の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Airレジ(エアレジ) | 0円 | iOSのみ | Airペイ(専用) | 完全無料で高機能。リクルート経済圏との連携が強力。 |
| スマレジ | 0円〜(有料プランあり) | iOSのみ | スマレジ・ペイゲート等 | 拡張性が高い。多店舗管理や外部システム連携に強い。 |
| ユビレジ | 6,900円〜(無料期間あり) | iOSのみ | 楽天ペイ等 | 飲食店向けのオーダー機能が使いやすい。継続利用率が高い。 |
| Square POSレジ | 0円 | iOS / Android | Square決済(内蔵) | Android対応。決済端末とレジが一体化可能。入金が早い。 |
飲食店におすすめなのは?(ハンディ・キッチンプリンター対応)
個人経営のカフェや居酒屋で、コストを最優先するならエアレジがおすすめです。無料でありながら、「Airレジ オーダー(旧:ハンディ)」というオーダーエントリーシステムを追加することも可能です(※Airレジ オーダーは別途月額費用がかかる場合があります)。
一方、多店舗展開を前提としている、あるいは複雑なコース料理の管理や、テーブルごとの細かな状況把握(飲み放題の残り時間管理など)が必要な大規模居酒屋の場合は、機能の拡張性が高いスマレジの有料プランの方が適している場合があります。
小売・サロンにおすすめなのは?(在庫管理・予約連携)
アパレルや雑貨店などの小売業で、数千点以上の商品を扱い、厳密な在庫管理(棚卸し機能やバーコード管理)が必要な場合は、在庫管理機能に定評のあるスマレジ(リテールビジネスプラン)が強力です。
美容室やネイルサロンの場合は、予約システムとの連携が鍵になります。リクルートの「ホットペッパービューティー」を利用しているなら、同じAirIDで連携できるエアレジが圧倒的に便利です。予約情報がそのままレジに連携されるため、顧客管理の手間が省けます。
店舗DX導入コンサルタントのアドバイス
「将来的に店舗を5店舗、10店舗と増やしていく計画があるのなら、最初から『スマレジ』を選んでおくのも一つの手です。エアレジも複数店舗管理は可能ですが、店舗間の在庫移動や全店舗横断の詳細な分析機能においては、有料版のスマレジに軍配が上がります。逆に、1〜3店舗程度の展開で、現場の使いやすさとコスト削減を重視するなら、エアレジが最適解です。後からレジシステムを変更するのは、データ移行やスタッフの再教育など膨大な労力がかかるため、3年後の事業規模を見据えて選定してください。」
失敗しない周辺機器の選び方とセッティングのコツ
「エアレジを使う」と決めたら、次は機器の購入です。ここで選択を誤ると、「接続が頻繁に切れる」「レジ周りがケーブルだらけになる」といったストレスを抱えることになります。IT機器が苦手な方でも失敗しない選び方をガイドします。
レシートプリンターは「Bluetooth」か「有線LAN」か?
プリンターとiPadの接続方法には、主に「Bluetooth(無線)」と「有線LAN(またはLightningケーブル)」の2種類があります。
- Bluetooth接続(mPOPなど):
メリット: 配線がなくスッキリする。設置場所の自由度が高い。
デメリット: 電子レンジなどの電波干渉を受けやすく、混雑時に接続が不安定になることがある。ペアリング設定が切れると再設定が必要。 - 有線LAN接続(TSP143IIILANなど):
メリット: 通信が非常に安定しており、接続トラブルがほぼない。複数のiPadから1台のプリンターを共有しやすい。
デメリット: LANケーブルの配線が必要。ルーターとプリンターを有線で繋ぐ必要があるため、設置場所に制約が出る。
キャッシュドロアはプリンターとの連動性を確認
キャッシュドロアは、基本的にレシートプリンターの背面にモジュラーケーブルで接続します。プリンターが印刷動作を行う信号を受け取って、ドロアが「ガチャン」と開く仕組みです。そのため、購入するプリンターに対応したドロアを選ぶ必要があります。メーカーが異なると接続できない場合があるため、不安な方は「プリンターとドロアのセット品」を購入するか、スター精密の「mPOP」のような一体型を選ぶのが無難です。
バーコードリーダーやカスタマーディスプレイは必要?
- バーコードリーダー: アパレルや物販店で、商品点数が多くJANコードで管理している場合は必須です。飲食店では基本的に不要です。
- カスタマーディスプレイ: お客様に金額を表示する画面です。必須ではありませんが、会計の透明性を高め、信頼感を醸成するために導入する店舗が増えています。iPadをもう1台用意してカスタマーディスプレイとして使う方法もあります。
自分でできる?初期設定と商品登録の難易度
エアレジの初期設定は、アプリのガイドに従って進めるだけで完了するよう設計されており、難易度は高くありません。プリンターとの接続も、Bluetoothならスマホのイヤホン設定と同じ要領です。
最も時間がかかるのは「商品登録」です。メニュー名、価格、税率、カテゴリなどを一つひとつ入力する必要があります。CSVファイルでの一括登録も可能なので、PCが得意な方はExcelでメニュー表を作成し、インポートすることをおすすめします。オープン前日はバタバタするため、商品登録だけは1週間前までに終わらせておくのが鉄則です。
店舗DX導入コンサルタントのアドバイス
「私が担当したカフェの事例ですが、デザイン重視でBluetoothプリンターを選んだところ、ランチタイムに電子レンジを使うたびにレジの接続が切れ、レシートが出ないトラブルが頻発しました。結局、後から有線LAN対応プリンターに買い替えることになりました。特にキッチンとレジが近い小規模店舗や、電波が混線しやすい商業施設内の店舗では、見た目よりも『安定性』を重視して有線接続を選ぶことを強くおすすめします。」
同時申し込み必須!「Airペイ」連携でキャッシュレス化
エアレジを導入するなら、セットで申し込むべきなのが決済サービス「Airペイ(エアペイ)」です。現代の店舗運営において、クレジットカードや電子マネーへの対応は避けて通れません。
Airペイ(エアペイ)とは?エアレジと連携するメリット
Airペイは、iPadまたはiPhoneと専用のカードリーダー1台で、クレジットカード、交通系電子マネー、iD、QUICPay、Apple Pay、そしてPayPayなどのQRコード決済まで、あらゆるキャッシュレス決済に対応できるサービスです。
最大のメリットは、前述した「エアレジとのシームレスな連携」です。エアレジで「カード支払い」を選択すると、自動的にAirペイのアプリが立ち上がり、金額が連携されます。これにより、会計スピードが向上し、打ち間違いによるトラブルを未然に防ぐことができます。
専用カードリーダーとiPadの無料貸与キャンペーン活用法
Airペイでは頻繁に「0円スタートキャンペーン」を実施しています。条件(新規申し込みかつ、半年以内の利用など)を満たせば、通常2万円ほどする専用カードリーダーが無料で提供されます。さらに、時期によってはiPad自体が無料で貸与されるキャンペーンが行われていることもあります。これを利用すれば、エアレジ導入にかかるハードウェア費用(iPad代)を大幅に節約できる可能性があります。導入検討時は、必ずAirペイの最新キャンペーン情報を公式サイトでチェックしてください。
決済手数料と入金サイクルの基礎知識
Airペイの決済手数料は、業界最安水準の3.24%(交通系電子マネーなどは一部異なる)です。初期費用や月額固定費はかかりません。
入金サイクル(売上が口座に振り込まれるタイミング)も重要です。Airペイは、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行の口座であれば最大月6回の入金があり、振込手数料も無料です。その他の銀行でも月3回の入金があります(振込手数料無料)。キャッシュフローが重要な個人店にとって、売上がすぐに現金化されるのは大きなメリットです。
導入前のよくある質問(FAQ)
最後に、導入相談の際によく聞かれる質問をQ&A形式でまとめました。
Q. 申し込みから導入まで何日かかる?
エアレジのアカウント作成(AirID取得)自体は、ネット上で数分で完了し、その瞬間からアプリを使い始められます。ただし、Airペイ(決済審査)の申し込みは、審査完了まで通常2週間〜1ヶ月程度かかります。オープンに間に合わせるためには、開業の1ヶ月半〜2ヶ月前には申し込みを済ませておく必要があります。
Q. 既存のレジからのデータ移行はできる?
残念ながら、他社のレジや古いガチャレジから、商品データや顧客データを自動で移行する機能はありません。商品データはCSV形式でインポート可能ですが、データ作成自体は手動で行う必要があります。これを機にメニュー構成を見直し、整理する良い機会と捉えましょう。
Q. インボイス制度には対応している?
はい、完全対応しています。適格請求書発行事業者の登録番号を設定画面に入力するだけで、インボイス要件を満たしたレシートや領収書を発行できます。
Q. 解約時に違約金は発生する?
エアレジ自体は月額無料のサービスなので、いつ利用を停止しても違約金は発生しません。Airペイに関しても、基本的に解約違約金はありませんが、貸与された機器の返却が必要になる場合があります。
店舗DX導入コンサルタントのアドバイス
「導入費用をさらに抑えたい場合、『IT導入補助金』などの公的支援制度が使えるか確認しましょう。通常、ハードウェア(iPad等)のみの購入は補助対象外のことが多いですが、有料のソフトウェアやPOSシステムとセットで導入する場合に補助が出るケースがあります。エアレジは無料のため単体では補助金申請の対象になりにくいですが、連携する有料ツールや、商工会議所の『小規模事業者持続化補助金』などを活用して、周辺機器購入費の一部を経費計上や補助金で賄う計画を立てるのが賢い経営者です。」
まとめ:エアレジは「コストを抑えて賢く開業したい」オーナーの強い味方
エアレジは、単なる「無料のアプリ」ではありません。リクルートという巨大企業のデータ活用戦略に支えられた、個人店が大手チェーン並みのIT武装をするための強力な武器です。
iPadとプリンターさえ用意すれば、明日からでも高機能なPOSシステムが手に入ります。特に「Airペイ」との連携による業務効率化は、少人数で運営する店舗にとって、スタッフ一人分の働きに匹敵する価値があります。
最後に、導入を成功させるためのチェックリストを確認して、準備を進めてください。
エアレジ導入・機器購入チェックリスト
- [ ] AirIDの取得: 公式サイトでアカウントを作成しましたか?
- [ ] Airペイの申し込み: 審査に時間がかかるため、最優先で申し込みましたか?(キャンペーン確認含む)
- [ ] iPadの購入: 新品または状態の良い中古(最新OS対応)を用意しましたか?
- [ ] 周辺機器の選定: お店の環境に合わせて、プリンター(Bluetooth/有線)とドロアを選びましたか?
- [ ] ネット環境の整備: 店舗に安定した光回線とWi-Fiルーターを手配しましたか?
- [ ] 商品登録: メニュー表を元に、カテゴリと商品を登録しましたか?
- [ ] テスト運用: オープン前にスタッフ全員でレジ打ちの練習を行いましたか?
店舗DX導入コンサルタントのアドバイス
「導入成功のカギは、間違いなく『開業1ヶ月前』からの準備スタートにあります。機器が届いてから『ケーブルが足りない』『Wi-Fiが繋がらない』と焦ることがないよう、余裕を持ってセッティングを行い、何度もシミュレーションを繰り返してください。エアレジを使いこなせば、あなたは煩雑な事務作業から解放され、本来注力すべき『お客様へのサービス』や『美味しい料理の提供』に全力を注げるようになります。ぜひ、賢い選択をして、素晴らしいお店を作り上げてください。」
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