トヨタの世界的コンパクトカー「ヤリス」。新車販売台数で常に上位を独走するこの車は、中古車市場でも圧倒的な人気を誇ります。しかし、流通台数が多いからこそ「どれを選べばいいか分からない」「安易に選んで後悔したくない」という悩みを抱える方が後を絶ちません。
結論から申し上げます。予算150万円以内で長く満足して乗りたいなら、「2020年式以降の1.5Lガソリン車(Gグレード)」が最もバランスの良い選択肢です。ハイブリッドモデルは確かに燃費性能が世界トップクラスですが、中古車相場においては車両価格が高止まりしており、走行距離が少ないユーザーにとっては元を取るのが難しいケースが多々あるからです。
この記事では、業界歴15年の中古車査定士である筆者が、プロの視点で以下の3点を徹底解説します。
- 査定の現場でプロが見ている「買ってはいけないヤリス」と「狙い目」の具体的基準
- カタログ燃費だけでは分からない1.0L・1.5L・ハイブリッドの実用面での違い
- 展示場で状態の良い車両を見抜くための、具体的な実車チェックポイント
この記事を読み終える頃には、あなたは膨大な中古車在庫の中から、自分に最適な「当たりの1台」を自信を持って選べるようになっているはずです。
ヤリス中古車が今「買い」な理由と最新相場動向
このセクションでは、なぜ今ヤリスの中古車が注目されているのか、その市場背景と価格的なメリットについて解説します。新車の納期遅延は解消傾向にありますが、それでも中古車を選ぶ合理的な理由が存在します。
新車納期遅延と価格高騰の中で光る「即納」と「割安感」
2020年の発売以来、ヤリスは爆発的なヒットを記録しましたが、半導体不足による長期の納期遅延が発生していました。現在は新車の納期も正常化しつつありますが、それでも注文から納車まで数ヶ月を要するケースは珍しくありません。対して中古車の最大のメリットは、契約から2〜3週間程度で乗り出せる「即納性」にあります。
また、昨今の原材料費高騰により、新車価格は実質的な値上げ傾向にあります。一方で中古車市場には、初期型(2020年式)を中心に、車検のタイミングで手放された良質な個体が大量に流入し始めています。これにより需給バランスが改善し、一時期のような「新車より高い中古車」という異常現象は解消され、適正な価格で良質な車両が手に入る環境が整ってきました。
特に、走行距離が1万km〜3万km程度の個体は、機関系が馴染んで調子が良く、かつ新車時の初期不良も解消されていることが多いため、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。新車にこだわらなければ、浮いた予算で上位グレードを選んだり、最新のナビゲーションシステムを導入したりすることも可能です。
【2024年最新】ヤリス中古車の相場推移と底値の予測
中古車の相場は生き物のように変動しますが、ヤリスに関しては一定の法則性が見えてきました。発売から数年が経過し、初回車検(3年目)、2回目車検(5年目)を迎える車両が増えるにつれて、相場は緩やかな下落トレンドに入っています。
具体的には、1.0Lガソリンモデルであれば、支払総額100万円〜120万円程度で条件の良い車両が見つかるようになっています。これが1.5Lガソリンモデルになると130万円〜150万円、ハイブリッドモデルでは160万円〜190万円あたりがボリュームゾーンとなります。
ここで重要なのは「底値」をどう見極めるかです。中古車市場において、人気車種であるヤリスが極端に値崩れすることは考えにくいです。特にコンパクトカー需要は常に底堅いため、「もっと安くなるまで待つ」という戦略は、良質な個体を逃すリスクの方が高いと言わざるを得ません。現在の相場は、新車価格からの減価償却を考慮しても十分に「買い」の領域に入っています。
「登録済未使用車」は本当にお得?新車との総額差を検証
中古車検索サイトを見ていると、「登録済未使用車」という言葉をよく目にすると思います。これは、ディーラーが販売目標達成のために自社名義で登録だけを行い、実際には公道をほとんど走っていない車両のことです。走行距離は数km〜数十km程度で、シートにはビニールが被ったままということも珍しくありません。
「新車同然なのに安い」という触れ込みで人気ですが、購入時には冷静な計算が必要です。確かに車両本体価格は新車より安く設定されていますが、諸費用を含めた「乗り出し価格」で比較すると、新車との差額が10万円〜20万円程度に縮まることがあります。この差額をどう捉えるかが判断の分かれ目です。
登録済未使用車とは?(詳細解説)
登録済未使用車とは、ナンバー登録だけされて公道を走っていない車両のことを指します。かつては「新古車」と呼ばれていましたが、消費者に誤解を与える恐れがあるため、現在は「登録済未使用車」という呼称が一般的です。
メリット:
- 新車に近いコンディションの車が、新車よりも安く手に入る。
- すでに登録されているため、納車までの期間が非常に短い(最短数日〜)。
- 重量税などの一部税金が支払い済みである場合が多い。
デメリット・注意点:
- 書類上は「ワンオーナー」ではなく「ツーオーナー」扱いになる(リセールバリューに若干影響する可能性)。
- 車検の有効期間が、登録日からカウントされているため、購入時点で3年を切っている(例えば残り2年半など)。
- メーカーオプション(サンルーフや特定の安全装備など)を後から追加することはできない。
- ボディカラーやグレードが在庫限りで選べない。
もし、あなたが「希望する色やグレードが在庫にあり、かつ車検残期間が短くなっていることを許容できる」のであれば、登録済未使用車は賢い選択となります。しかし、色や装備に妥協してまで選ぶほどの価格差がない場合は、新車や通常の中古車と比較検討する余地があります。
業界歴15年の中古車査定士のアドバイス
「相場が下がるタイミングについてよく質問を受けますが、決算期の3月・9月直後は在庫が動き相場が変動しやすいのは事実です。しかし、ヤリスのような回転の速い人気車種は『欲しい時が買い時』というのが現場の真実です。数万円の値下がりを待っている間に、状態の良い『一点モノ』の個体が売れてしまうリスクの方がはるかに高いのです。特に状態の良いGグレードやZグレードは、掲載から1週間以内に成約することも珍しくありません。」
【徹底比較】1.0L・1.5L・ハイブリッド、どれを選ぶべき?
ヤリスの中古車選びで最も悩ましいのが、パワートレイン(エンジン)の選択です。ヤリスには大きく分けて「1.0Lガソリン」「1.5Lガソリン」「1.5Lハイブリッド」の3種類が存在します。これらは外見こそ同じですが、乗り味や適した利用シーンは全くの別物と言っていいほど異なります。
このセクションでは、カタログスペックだけでは見えてこない、実際の走行フィールや維持費の観点から、あなたに最適なエンジンを導き出します。
1.0Lガソリン:街乗り専用ならアリだが「パワー不足」に注意
1.0Lガソリンエンジンは、最も安価にヤリスを手に入れられる選択肢です。自動車税も最も安い区分(排気量1.0リットル以下)となるため、維持費を極限まで抑えたい方には魅力的です。
しかし、走行性能に関しては割り切りが必要です。最高出力は69馬力と控えめで、特に3気筒エンジン特有の振動や音が気になる場面があります。街中での買い物や送迎、時速60km以下での巡航であれば不満は出にくいですが、急な坂道や幹線道路での合流、高速道路での追い越し加速では、アクセルを床まで踏み込んでも「進まない」と感じるストレスが生じやすいです。
また、1.0Lモデルはリアサスペンションの形式が他のモデルと異なり(トーションビーム式は同じですが、スタビライザーの設定などが簡易化されている場合があります)、乗り心地や安定感において上位モデルに見劣りする部分があります。あくまで「近距離の移動手段」として割り切れる方向けです。
1.5Lガソリン:高速道路も快適なオールラウンダー(筆者イチオシ)
私が最もおすすめするのが、この1.5Lガソリンエンジン(ダイナミックフォースエンジン)搭載モデルです。最高出力は120馬力を発揮し、軽量なヤリスのボディを軽快に加速させます。発進直後から力強いトルクを感じられ、アクセル操作に対して車が素直に反応してくれるため、運転していて「楽しい」と感じられるレベルに仕上がっています。
高速道路での100km/h巡航も余裕があり、エンジン回転数を低く抑えられるため静粛性も保たれます。燃費に関しても、実燃費で15km/L〜20km/L程度(WLTCモード)を記録することが多く、ハイブリッドほどではないにせよ、十分に経済的です。
中古車市場での流通量も多く、価格と性能のバランスが最も取れているため、初めての車としても、ダウンサイジングを検討しているベテラン勢にも自信を持って推奨できる「ど真ん中」の選択肢です。
ハイブリッド:圧倒的燃費だが、車両価格差を埋めるには距離が必要
トヨタのお家芸であるハイブリッドシステム(THS II)を搭載したモデルは、WLTCモード燃費で35km/Lを超える驚異的な数値を叩き出します。実燃費でも25km/L〜30km/Lは堅く、給油回数が劇的に減ることは間違いありません。静粛性やモーター駆動によるスムーズな発進加速も魅力です。
しかし、中古車購入における経済合理性という点では注意が必要です。ハイブリッド車はガソリン車に比べて、中古車相場が30万円〜50万円ほど高く設定されています。この価格差をガソリン代だけで回収しようとすると、年間走行距離が1万5千km〜2万km以上で、かつ5年以上乗り続けるといったハードな使い方が求められます。
「週末しか乗らない」「年間5,000km程度」というユーザーの場合、高い車両代を払ってハイブリッドを買っても、経済的なメリットが出る前に乗り換え時期が来てしまう可能性が高いのです。ハイブリッドを選ぶべきは、距離を乗るヘビーユーザーか、あるいは「先進的な乗り味」そのものに価値を見出せる方に限られます。
結論:あなたのライフスタイルに合うのはこのエンジン
それぞれの特徴を整理するために、以下の比較表を作成しました。
| エンジン | 1.0L ガソリン | 1.5L ガソリン | ハイブリッド |
|---|---|---|---|
| 実勢相場 | 100〜130万円 | 130〜160万円 | 160〜200万円 |
| 自動車税 | 25,000円/年 | 30,500円/年 | 30,500円/年 |
| パワー感 | 必要最低限 | 余裕あり・軽快 | スムーズ・静粛 |
| おすすめな人 | 近所の買い物メイン とにかく安く乗りたい |
週末の遠出もする 走りとコスパ重視 |
年間1万km以上走る 静かさを重視する |
業界歴15年の中古車査定士のアドバイス
「『安いから』という理由だけで1.0Lを選んで後悔するお客様を数多く見てきました。特に、合流での加速や長い坂道でエンジンが唸りを上げることにストレスを感じ、購入から1年足らずで手放す方がいらっしゃいます。もし週末に家族で遠出をしたり、高速道路を使う機会が月に数回でもあるなら、税金が年間5,000円ほど高くても迷わず1.5Lをおすすめします。長く乗ることを考えれば、この差額は『快適料』として十分に元が取れます。」
失敗しないグレード選び:X・G・Zの装備差を完全網羅
エンジンが決まったら、次はグレード選びです。ヤリスには主に「X(エントリー)」「G(スタンダード)」「Z(上級)」の3つのグレードが用意されています。中古車情報サイトでは価格順に並べ替えがちですが、グレードによる装備の差は後から埋められないものが多いため、慎重な検討が必要です。
エントリー「X」:価格は魅力だが「ヘッドレスト一体型」は要確認
「X」グレードは、レンタカーや法人営業車として導入されることが多いエントリーモデルです。そのため中古車市場には安価な個体が多く流通しています。しかし、個人所有の車として選ぶにはいくつかの妥協点があります。
最大の特徴(デメリット)は、フロントシートが「ヘッドレスト一体型」である点です。ヘッドレストの高さ調整ができないため、体格によってはポジションが合わず、長時間の運転で首や肩が疲れる可能性があります。また、後席のヘッドレストも装備されていなかったり(オプション扱い)、内装の質感がプラスチック全開であったりと、コストダウンが顕著です。
さらに、「Toyota Safety Sense」などの安全装備は標準ですが、スマートエントリー(鍵を持っていればドアが開く機能)がオプション設定となっている個体が多く、いちいち鍵を取り出してボタンを押す手間が発生することもあります。
スタンダード「G」:実用装備が充実し、コスパ最強のバランス型
「G」グレードは、Xのネガティブな要素を解消し、日常使いに必要な装備を標準化したモデルです。フロントシートはヘッドレスト分離型になり、調整が可能になります。スマートエントリー&スタートシステムも標準装備(1.5Lの場合)されることが多く、利便性が格段に向上します。
内装の質感も向上し、オートエアコン(ハイブリッドは標準、ガソリンはマニュアルの場合あり)や、バックガイドモニターなどの快適装備が充実し始めます。中古車市場での流通量も豊富で、価格と装備のバランスが最も優れているため、基本的にはこの「G」グレードを基準に探すのが正解です。
上級「Z」:フルLEDやシートヒーターなど高級感重視ならこれ
「Z」グレードは、所有満足度を高める装備が満載の最上級モデルです。外観では、ヘッドライトがフルLEDになり、ウインカーもLED化されるなど、夜間の視認性とデザイン性が大幅にアップします。足回りも15インチまたは16インチのアルミホイール(またはスチールホイールでもデザインが異なる)が設定され、見栄えが良くなります。
内装では、上級ファブリックを使用したシートや、運転席・助手席のシートヒーターが装備される点が大きな魅力です。冬場の快適性は段違いです。ただし、新車価格が高かった分、中古車相場も高めに推移しています。「小さな高級車」として乗りたい方には最適ですが、コスパ重視ならGで十分とも言えます。
中古車市場で狙い目のグレードはずばり「G」である理由
私が「G」グレードを推す理由は、リセールバリューと満足度のバランスです。「X」は安く買えますが、手放す際の査定額も低くなりがちです。逆に「Z」は高値安定していますが、中古車としての割安感は薄れます。「G」は、実用的な装備が揃っていながら、タマ数が豊富で価格競争が起きているため、状態の良い個体を適正価格で見つけやすいのです。
主要グレード装備比較リスト(詳細)
| 装備項目 | Xグレード | Gグレード | Zグレード |
|---|---|---|---|
| ヘッドライト | ハロゲン | ハロゲン(OPでLED) | フルLED |
| フロントシート | ヘッドレスト一体型 | ヘッドレスト分離型 | 上級・分離型 |
| スマートキー | △(要確認) | ○(標準) | ○(標準) |
| エアコン | マニュアル | オート(HVは全車) | オート |
| シートヒーター | × | △(OP) | ○(標準) |
業界歴15年の中古車査定士のアドバイス
「中古車市場には、レンタカー上がりの『X』グレードが多く流通しています。これらはスマートキーではなく、鍵をシリンダーに挿して回すタイプや、リモコンキーのボタンを押して解錠するタイプの場合が多いです。今の時代、鞄やポケットから鍵を出さずにドアを開け閉めできる『スマートエントリー』がないと、日常の利便性で大きなストレスを感じます。ネット上のスペック表だけでなく、必ず現車の写真や装備表で『スマートエントリー』の有無をチェックしてください。」
プロが現場で見ている「ハズレ車両」を避けるチェックポイント
狙うべきスペックが決まったら、最後は「個体の状態」を見極めるフェーズです。写真では綺麗に見えても、実車には前オーナーの使い方によるダメージが残っていることがあります。ここでは、査定士が実際に現場でチェックしている、ハズレ車両を避けるためのポイントを伝授します。
走行距離の目安:5万km超えは買いか?過走行のリスク許容範囲
中古車選びで最初に目が行くのが走行距離です。一般的に「年間1万km」が標準的な使用頻度とされています。2020年式のヤリスであれば、現在3万km〜4万km程度が標準的です。
では、5万kmを超えた個体は避けるべきでしょうか? 答えは「メンテナンス履歴による」です。現代のトヨタ車、特にヤリスのような量産車は耐久性が非常に高く、適切なオイル交換がされていれば10万km程度ではビクともしません。むしろ、5万kmを超えると価格が一段下がる傾向があるため、点検記録簿がしっかり残っている個体であれば、あえて5万km〜7万kmの車両を安く買うのも賢い戦略です。
逆に、年式に対して極端に走行距離が少ない(例:4年落ちで3,000kmなど)車両は、「チョイ乗り」の繰り返しでエンジン内部に汚れが溜まっている(スラッジの発生)や、バッテリーが弱っている可能性があるため、必ず試乗してエンジンの吹け上がりを確認することをお勧めします。
修復歴あり(事故車)は絶対に避けるべき?プロの判断基準
「修復歴あり」の車は相場より大幅に安く売られていますが、基本的には避けるのが無難です。特にヤリスのようなコンパクトカーは、衝撃吸収構造が緻密に設計されており、一度フレームにダメージを受けると、完全に元の剛性や直進安定性に戻すのが難しい場合があります。
修復歴の定義と確認方法
修復歴とは、車の骨格(フレーム)部分に損傷があり、修正または交換した履歴があることを指します。バンパーやドア、フェンダーを交換しただけでは修復歴にはなりません。
確認方法:
- 販売店には修復歴の開示義務があります。「修復歴なし」と表示されていれば基本的には安心ですが、念のため「車両状態評価書(コンディションノート)」の提示を求めましょう。
- 評価書の中で、車のイラストに「XX(交換済み)」や「W(再塗装)」のマークが骨格部分についていないか確認します。
どうしても予算の都合で修復歴ありを検討する場合は、ダメージが「リア(後方)」の軽微なもの(トランクフロアの歪み程度)に限定しましょう。フロント(前方)の修復歴は、エンジンや足回り、ステアリング機構に影響を及ぼしているリスクが高いため、絶対に避けてください。
内装のヘタリと臭い:レンタカー上がりを見抜くコツ
ヤリスはレンタカーやカーシェアで多用されている車種です。これらの中古車は「レンタアップ」と呼ばれ、整備はされているものの、不特定多数に手荒く扱われている可能性があります。
見抜くポイントは「運転席のシートのヘタリ」と「荷室の傷」です。シートのサイドサポート(乗り降りする際に擦れる部分)が極端にヨレていたり、クッションが潰れていたりしないか確認してください。また、荷室のプラスチック部分に無数の引っかき傷がある場合、重い荷物を頻繁に出し入れしていた証拠です。
そして最も重要なのが「臭い」です。禁煙車となっていても、電子タバコやペットの臭い、あるいはそれらを消すための強い芳香剤の臭いが染み付いている場合があります。臭いは納車後に消すのが非常に困難なため、ドアを開けた瞬間の第一印象を信じてください。違和感があれば見送る勇気が必要です。
ハイブリッドを選ぶなら「駆動用バッテリー」の保証を確認せよ
ハイブリッド車を検討している場合、最大の懸念事項は「駆動用バッテリー(メインバッテリー)」の寿命です。交換となると15万円〜20万円近い出費になります。
トヨタのハイブリッドバッテリーは長寿命ですが、過走行車や年式の古い車両では劣化が進んでいる可能性があります。購入時には、メーターパネル内のインフォメーションディスプレイで「ハイブリッドシステムチェック」の警告が出ていないかはもちろん、販売店独自の保証内容を必ず確認してください。
業界歴15年の中古車査定士のアドバイス
「ハイブリッドの中古車を買う際は、必ず『ハイブリッドシステム診断』を実施しているか、または駆動用バッテリーを含む長期保証(1年以上)が付帯しているかを確認してください。現状渡しや保証なし(1ヶ月1,000kmのみ等)の格安ハイブリッド車は、購入直後にバッテリー交換のリスクがあり、結果的に高い買い物になります。車両価格の安さだけで飛びつくのは危険です。」
ヤリス特有のデメリットと購入前に知っておくべき注意点
どんな車にも欠点はあります。購入後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、ヤリス特有の弱点や注意点を正直にお伝えします。これらを許容できるかどうかが、満足度を左右します。
「後部座席が狭い」は本当?ファミリーユースでの限界点
ヤリス最大の弱点は、間違いなく「後部座席の狭さ」です。デザインと空力性能を優先した結果、後席の足元スペースと頭上空間はかなりタイトになっています。身長170cm以上の大人が長時間乗車するのは窮屈に感じるでしょう。
また、後部ドアの開口部も狭く、開く角度も大きくないため、チャイルドシートへの子供の乗せ降ろしは正直苦労します。もし、日常的に後席に大人を乗せる、あるいはチャイルドシートを使う予定がある場合は、必ず家族全員で販売店に行き、実際に乗り込んでシミュレーションを行ってください。広さを求めるなら、同じプラットフォームを使った「ヤリス クロス」や「アクア」を検討するのも一つの手です。
荷室の広さは?ベビーカーやゴルフバッグは積めるか検証
荷室(ラゲッジスペース)に関しても、コンパクトカーの平均的なサイズです。容量は約270リットル(デッキボード下段時)。日常の買い物袋程度なら問題ありませんが、ベビーカーはA型などの大型のものは畳んでも載らない場合があります。ゴルフバッグも、リアシートを倒さなければ積載は厳しいでしょう。
ただし、リアシートは6:4分割可倒式(一部グレード除く)になっているため、シートを倒せば長尺物や大きな荷物も積むことができます。ご自身の趣味や生活スタイルに合わせて、必要な荷物が載るかどうかのメジャー計測をお勧めします。
初期型(2020年式)に見られるリコール情報の確認方法
2020年に発売された初期モデルには、いくつかのリコール(回収・無償修理)やサービスキャンペーンが出ています。例えば、ハイブリッドシステムの制御プログラムの書き換えや、衝突回避支援システムのセンサー関連などです。
中古車として販売されている車両の多くは対策済みですが、念のため購入前に車台番号を確認し、メーカー公式サイトや国土交通省の検索ページで未実施のリコールがないかチェックすることをお勧めします。大手販売店であれば、納車整備時に未実施のリコール作業を行ってくれることが一般的です。
業界歴15年の中古車査定士のアドバイス
「ヤリスの後席を確認する際は、まず運転席を自分のドライビングポジションに合わせてから、その真後ろの席に座ってみてください。足元のスペースだけでなく、頭上の圧迫感(Cピラーの傾斜によるもの)や、窓の小ささによる閉塞感もチェックポイントです。お子様が乗る場合、窓の位置が高くて外が見えず、車酔いしやすくなるケースもあります。家族全員で『座り心地』ではなく『過ごしやすさ』を確認することをお勧めします。」
ヤリス中古車に関するよくある質問 (FAQ)
Q. 認定中古車(トヨタ認定中古車)と一般中古車、どっちがいい?
予算が許すなら、間違いなく「トヨタ認定中古車」がおすすめです。メーカー基準の厳しい点検・整備が実施され、内外装のクリーニング(まるごとクリーニング)も徹底されています。何より「ロングラン保証(1年間・走行距離無制限)」が付帯し、全国のトヨタディーラーで保証修理が受けられる安心感は絶大です。
一般の中古車店で購入する場合でも、第三者機関(JAAAやAISなど)の鑑定書が付いている車両や、カーセンサーアフター保証などの有償保証に加入できる車両を選ぶことで、リスクを低減できます。
Q. Toyota Safety Sense(自動ブレーキ)は全車についている?
ヤリスは発売当初から、予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」をほぼ全車に標準装備しています(ただし、Xグレードの1.0L車など一部のエントリーモデルではメーカーオプション設定だったため、非装着車も存在します)。
注意点として、年式によって機能がアップデートされています。例えば、2021年の一部改良以降のモデルでは、交差点右折時の対向直進車や右左折時の横断歩行者検知機能が強化されています。最新の安全性能を求めるなら、年式の新しいモデルを選ぶ必要があります。
Q. 購入後の維持費(車検・税金)はどれくらい?
ヤリスは維持費の安さも魅力です。1.5Lガソリン車の場合、毎年の自動車税は30,500円。燃費が良いのでガソリン代も抑えられます。車検費用は、大きな交換部品がなければ、法定費用を含めても7万円〜10万円程度(民間車検場やカー用品店の場合)で収まることが一般的です。タイヤサイズも14〜15インチが主流で、交換用タイヤも安価に手に入ります。
業界歴15年の中古車査定士のアドバイス
「ヤリスは発売当初からToyota Safety Senseが標準(一部Xを除く)ですが、実は年式によって細かな機能差があります。特に『全車速追従機能付レーダークルーズコントロール』は、ハイブリッド車とガソリン車(MT車除く)で停止保持機能の有無などが異なります。高速道路を多用する方は、自分の狙っている車両の年式における安全装備の仕様を、カタログのバックナンバー等で確認しておくと安心です。」
まとめ:良質なヤリス中古車と巡り合うための行動リスト
ここまで、ヤリス中古車の選び方について詳しく解説してきました。最後に、あなたが失敗せずに最高の一台を手に入れるための具体的な行動リストをまとめます。
膨大な在庫の中から「当たり」を見つけるための条件は以下の通りです。
- エンジン:予算と走りのバランスが良い「1.5Lガソリン」を第一候補にする。
- グレード:スマートキーやヘッドレスト分離型シートが標準の「Gグレード」以上を狙う。
- 条件:「修復歴なし」は絶対条件。「保証付き(できれば認定中古車)」を選ぶ。
- 実車確認:運転席のヘタリ、タバコ・ペット臭、そして「後席の狭さ」を家族で確認する。
- アクション:良い車はすぐに売れてしまいます。気になった車があれば、まずは「在庫確認」の問い合わせをし、週末に店舗へ足を運びましょう。
ヤリスは、正しく選べば長く付き合える素晴らしいパートナーになります。この記事の知識を武器に、ぜひあなたにぴったりの一台を見つけてください。
公式情報でのスペック確認や、リコール情報の検索は以下のサイトを活用してください。
公式:トヨタ自動車 ヤリス公式ページ
参考:JNCAP 自動車アセスメント ヤリス評価
参考:国土交通省 リコール情報検索
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