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概要とは?意味と「要約」との決定的な違いを解説!ビジネスで評価される書き方・例文集

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ビジネスシーンにおいて、上司や取引先から「この資料の概要をまとめておいて」「プロジェクトの概要を説明して」と求められることは日常茶飯事です。しかし、いざ書こうとすると「要約と何が違うのか?」「どこまで詳しく書けばいいのか?」と迷ってしまう若手社員は少なくありません。

結論から申し上げます。「概要(がいよう)」とは、物事の全体像や大まかな内容を客観的に短くまとめたものです。「要約」が文章の論旨(言いたいこと)の抽出であるのに対し、「概要」は構造(全体の中身)の提示である点に決定的な違いがあります。

この記事では、ビジネス文書改善のプロフェッショナルとして、以下の3点を徹底的に解説します。

  • 「概要」と「要約・あらすじ・レジュメ」の明確な使い分け基準
  • 上司が一発でOKを出す、ビジネス文書における概要の書き方テンプレート
  • 英語でのOverview/Summaryの使い分けと実務的な例文

言葉の定義を曖昧にしたまま仕事を進めると、手戻りが発生し、評価を下げる原因になります。この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って「伝わる概要」を作成できるようになり、業務効率と周囲からの信頼を劇的に向上させることができるでしょう。

  1. 「概要」の正確な意味とは?ビジネスと辞書の違いを理解する
    1. 辞書における「概要」の定義(goo国語辞書・デジタル大辞泉より)
    2. ビジネスシーンで求められる「概要」の正体
    3. なぜビジネスでは「詳細」ではなく「概要」が先に求められるのか?
  2. 【図解あり】「概要」と「要約」「あらすじ」の決定的な違い
    1. 一目でわかる!「概要・要約・あらすじ・レジュメ・要旨」比較一覧表
    2. 「概要」と「要約」の最大の違いは「視点」にある
    3. 「あらすじ」は時系列、「レジュメ」は箇条書き
    4. 「要旨」との使い分け(公用文や論文でのルール)
  3. 評価される「概要」の書き方4ステップ【基本編】
    1. ステップ1:情報の全体像を把握する(5W1Hの整理)
    2. ステップ2:ターゲット(読み手)と目的を定める
    3. ステップ3:必須4項目(背景・目的・内容・結論)を抽出する
    4. ステップ4:客観的な視点で簡潔な文章に整える
  4. 【添削事例】ダメな概要 vs 良い概要のBefore/After
    1. 事例1:プロジェクト報告書の概要
    2. 事例2:会議議事録の概要
    3. 事例3:企画提案書の概要
  5. そのまま使える!シーン別「概要」テンプレート集
    1. 会社概要・事業概要のテンプレート(必須項目と構成)
    2. 企画書・提案書の「実施概要」テンプレート
    3. イベント・セミナーの開催概要テンプレート
    4. 業務マニュアル・手順書の「概要」セクション
  6. 英語で「概要」はどう表現する?OverviewとSummaryの使い分け
    1. Overview(全体像・鳥瞰図)
    2. Summary(要約・まとめ)
    3. Abstract(論文などの要旨)
    4. Outline(構成・アウトライン)
    5. ビジネスメールで使える英語フレーズ集
  7. 「概要」作成でよくある質問(FAQ)
    1. Q. 概要の適切な文字数はどのくらいですか?
    2. Q. 箇条書きと文章、どちらで書くべきですか?
    3. Q. 「概要」の中に図や表を入れてもいいですか?
    4. Q. プレゼン資料の「概要」ページはどこに入れるべき?
  8. まとめ:概要とは「相手への配慮」である
    1. 提出前チェックリスト:あなたの「概要」はこれで完璧!

「概要」の正確な意味とは?ビジネスと辞書の違いを理解する

まず、「概要」という言葉が持つ本来の意味と、ビジネス現場で期待される役割について深く掘り下げていきましょう。多くの人が辞書的な意味だけで理解したつもりになっていますが、実務ではそれ以上の「ニュアンス」が含まれていることが多々あります。ここを誤解していると、どれだけ文章力があっても「求めているものと違う」と言われてしまいます。

辞書における「概要」の定義(goo国語辞書・デジタル大辞泉より)

国語辞典における「概要」の定義を確認することから始めます。言葉の基礎を固めることは、論理的なビジネス文書を作成する上での土台となります。

小学館の『デジタル大辞泉』および『goo国語辞書』によると、概要とは以下のように定義されています。

全体の要点を取りまとめたもの。あらまし。「事件の―」

出典:デジタル大辞泉(小学館)

ここで重要なキーワードは「全体の要点」と「あらまし」です。「あらまし」とは、物事の大体の内容や筋道を指します。つまり、詳細なデータや個別のエピソードを省き、全体がどのような構造や内容で成り立っているかを、ざっくりと掴めるようにしたものが概要の辞書的な定義です。

しかし、これだけでは「要約」との違いがまだ曖昧です。辞書の定義はあくまで言葉の核を示したものであり、ビジネスシーンでの具体的なアウトプット形式までは規定していません。次のセクションで、ビジネスにおける「実戦的な定義」を見ていきましょう。

ビジネスシーンで求められる「概要」の正体

ビジネスの現場、特に報告書や企画書、プレゼンテーションにおいて求められる「概要」は、辞書の定義よりもさらに機能的な役割を担っています。ビジネスにおける概要とは、「読み手がその先の詳細を読むべきかどうかを判断するための判断材料」、あるいは「詳細を読み解くための全体地図(マップ)」です。

例えば、100ページのプロジェクト報告書があったとします。忙しい経営陣は100ページ全てを隅から隅まで読む時間はありません。彼らが最初に読むのが「概要(エグゼクティブ・サマリー)」です。ここで彼らは、「このプロジェクトは成功したのか失敗したのか」「主な成果は何か」「今後どうすべきか」という大枠を瞬時に把握しようとします。

つまり、ビジネスにおける概要には、単なる「あらまし」だけでなく、以下のような要素が求められます。

  • 客観性:書き手の感想や主観を排除し、事実ベースで構成されていること。
  • 網羅性:詳細を読まなくても、全体像(5W1H)が把握できること。
  • 構造化:ダラダラとした文章ではなく、項目ごとに整理されていること。

「概要を教えて」と言われたら、「全体像を地図のように見せて」と言われていると変換して考えると良いでしょう。詳細はその地図の中に配置される建物や木々であり、概要はそのエリア全体の地形図なのです。

なぜビジネスでは「詳細」ではなく「概要」が先に求められるのか?

新入社員や若手社員がやりがちなミスの一つに、「自分の頑張りを伝えたいあまり、最初から詳細なプロセスや苦労話を書いてしまう」というものがあります。しかし、上司やクライアントは、まず「概要」を求めます。なぜでしょうか。

最大の理由は「情報のフィルタリング(選別)」と「メンタルモデルの構築」にあります。

現代のビジネスパーソンは、日々膨大な情報にさらされています。すべてのメールや資料を詳細まで読み込むことは物理的に不可能です。そのため、まず「概要」を見て、その情報が自分にとって重要か、今すぐ対応すべき案件か、後回しで良いかを瞬時に判断(フィルタリング)します。

また、人間は最初に「全体像(メンタルモデル)」を理解してから詳細を聞いた方が、理解度が飛躍的に高まるという特性を持っています。「何の話か」がわからないまま詳細な説明を聞くのは、完成図を見ずにパズルを組み立てるようなもので、非常にストレスがかかります。先に「概要」という完成図を提示することで、相手の脳内に情報の受け皿を作ることができるのです。

ビジネス文書改善コンサルタントのアドバイス
「上司が『概要をまとめて』と言う時の心理を想像してみてください。彼らは決してあなたの文章力を試しているわけではありません。彼らは『30秒でこの案件の全貌を把握し、次の意思決定を行いたい』と考えているのです。ですから、概要作成においては『情報を削る勇気』よりも『相手の時間を節約する配慮』が最も重要なマインドセットになります。詳細を省くことに不安を感じる必要はありません。むしろ、詳細への入り口を綺麗に整備することこそが、概要の役割なのです」

【図解】「概要」が果たす情報のフィルタリング機能

以下のイメージで情報の階層構造を理解してください。

膨大な情報・事実 現場で起きた全ての事象、全データ、詳細な経緯、個人の感情など(100%)
抽出・構造化
概 要(Overview) 全体像・結論・主要なポイントのみ(約10〜20%)
※ここで読み手は「詳細を見る価値があるか」を判断する
関心・必要性あり
詳細情報(Detail) 特定のデータ、根拠、補足説明、経緯の詳細など
※必要な部分だけが読まれる

【図解あり】「概要」と「要約」「あらすじ」の決定的な違い

「概要」という言葉を使う際、最も混同しやすいのが「要約」「あらすじ」「レジュメ」「要旨」といった類似語です。これらは似て非なるものであり、ビジネスシーンで使い間違えると、相手の期待値を大きく裏切ることになります。

このセクションでは、それぞれの言葉の違いを明確にし、迷いなく使い分けられるようになるための基準を提供します。ここがこの記事のハイライトであり、最も実務に直結する部分です。

一目でわかる!「概要・要約・あらすじ・レジュメ・要旨」比較一覧表

まずは、以下の比較表でそれぞれの違いを俯瞰してください。特に「目的」と「主観の有無」の違いに注目すると、使い分けのポイントが見えてきます。

用語 意味・定義 主な目的 主観 ビジネスでの使用例
概要
(Overview)
全体の構造や大まかな内容をまとめたもの 全体像の把握
中身のカタログ提示
なし 会社概要、事業概要、企画書の冒頭、プロジェクト概要
要約
(Summary)
文章の論旨(言いたいこと)を短くまとめたもの 論点の理解
時間の節約
なし 会議の議事録要約、長文レポートの要約、ニュースの要約
あらすじ
(Synopsis)
物語などの筋道を時系列で追ったもの ストーリーの把握
興味付け
あり
(可)
映画や小説の紹介、トラブル発生時の経緯報告(時系列)
レジュメ
(Resume)
発表内容を箇条書きなどで簡潔に記した資料 発表の補助
聞き手の理解促進
なし セミナー配布資料、会議の進行表、履歴書(英語圏)
要旨
(Abstract)
述べられている内容の中心となる趣旨 核心の伝達
最も重要な主張のみ
なし 論文の冒頭、公用文、スピーチの趣旨説明

「概要」と「要約」の最大の違いは「視点」にある

表の中でも特に混同されやすいのが「概要」と「要約」です。両者の最大の違いは、情報を切り取る「視点」にあります。

「概要」は、空から全体を見下ろす「鳥の目(鳥瞰)」の視点で書かれます。「何について書かれているか」「どんな構成要素があるか」という構造の説明に重きが置かれます。例えば、本の「目次」や「背表紙の紹介文」に近いイメージです。「この本には、AとBとCについて書かれています」というのが概要です。

一方、「要約」は、文章の中に入り込み、書き手の主張を抽出する「虫の目」または「編集者」の視点で書かれます。「結局、筆者は何を言いたいのか」というメッセージの凝縮です。「筆者はAという理由からBであると主張している」というのが要約です。

ビジネス文書で「概要」を求められたのに、詳細な議論の「要約」を書いてしまうと、「細かい議論はいいから、全体として何をするプロジェクトなのか教えてくれ」と指摘されることになります。

「あらすじ」は時系列、「レジュメ」は箇条書き

「あらすじ」は主に小説や映画、演劇などで使われる言葉ですが、ビジネスでも「トラブルのあらすじ(経緯)」として使われることがあります。あらすじの特徴は「時系列(タイムライン)」であることです。「最初にAが起き、次にBになり、最後にCになった」という流れを重視します。概要は必ずしも時系列である必要はなく、重要度順やカテゴリー別に構成されることが多いです。

「レジュメ」は、フランス語の「résumé(要約)」に由来しますが、日本のビジネスシーンでは「講演や会議のための配布資料」を指すことが一般的です。文章形式ではなく、箇条書きや体言止めを多用し、視覚的にポイントを整理したものがレジュメです。概要は文章(パラグラフ)で書かれることもあれば、レジュメ形式(箇条書き)で書かれることもあります。

「要旨」との使い分け(公用文や論文でのルール)

「要旨」はさらに堅い表現で、主に学術論文や公用文で使われます。要旨は「その文章で最も言いたいこと(Main Idea)」そのものを指します。概要が「全体像」であるのに対し、要旨は「核心」です。

文化庁の「公用文作成の要領」などの公的なガイドラインでも、文書の最初に「趣旨」や「要旨」を記載することが推奨されていますが、これは読み手に対して「この文書は何のために存在し、何を決定しようとしているのか」を最短で伝えるためです。ビジネス実務では、概要の中に要旨(結論)が含まれる構成にするのが一般的です。

ビジネス文書改善コンサルタントのアドバイス
「新入社員の方がよくやる失敗に、『会議の概要報告』と言われて、発言を時系列に並べた『あらすじ』を出してしまうケースがあります。『A部長がこう言い、次にB課長がこう反論し…』というのはあらすじであって、概要ではありません。概要であれば、『本会議では〇〇について議論され、××という結論に至った。主な争点は△△であった』と構造化して報告する必要があります。『時系列』から脱却し、『構造』で捉えること。これが概要作成の第一歩です」

評価される「概要」の書き方4ステップ【基本編】

概念的な理解ができたところで、実際にビジネスで評価される「概要」を書くための具体的な手順を解説します。いきなり書き始めるのではなく、以下の4つのステップを踏むことで、誰でも論理的で分かりやすい概要を作成することができます。

ステップ1:情報の全体像を把握する(5W1Hの整理)

概要を書くためには、まず対象となる情報の全体像を自分自身が完全に理解していなければなりません。元となる資料や情報を読み込み、以下の5W1Hの要素をメモに書き出してください。

  • Why(背景・目的):なぜこの企画や報告が必要なのか?
  • What(内容・課題):具体的に何を行うのか?何が問題なのか?
  • Who(主体・対象):誰がやるのか?誰に向けてか?
  • When(時期・期限):いつ実施するのか?いつ起きたのか?
  • Where(場所・範囲):どこで?どの範囲で?
  • How(方法・手段):どのように実現するのか?

この段階では、文章にする必要はありません。キーワードの羅列で構いませんので、要素を漏れなく抽出することが重要です。

ステップ2:ターゲット(読み手)と目的を定める

次に、「誰が」「何のために」その概要を読むのかを明確にします。ターゲットによって、抽出・強調すべき情報が変わるからです。

  • ターゲットが経営層の場合:「コスト」「利益」「リスク」「最終的な成果」などの経営判断に必要な情報を優先します。技術的な詳細は省きます。
  • ターゲットが現場担当者の場合:「具体的な手順」「スケジュール」「役割分担」などの実務に必要な情報を優先します。

「誰に何を判断させたいのか」という目的(ゴール)を設定することで、情報の取捨選択の基準が定まります。

ステップ3:必須4項目(背景・目的・内容・結論)を抽出する

ビジネス文書の概要において、最低限含めるべき「鉄板の構成」があります。それが以下の4項目です。

  1. 背景 (Background):現状の課題や、その取り組みに至った経緯。
  2. 目的 (Purpose):その活動によって何を達成したいのか(ゴール)。
  3. 内容 (Content):具体的な実施事項、施策、主なトピック。
  4. 結論/成果 (Conclusion/Result):最終的な決定事項、得られる効果、今後のアクション。

ステップ1で整理した5W1Hを、この4つの箱に振り分けていく作業を行います。この4項目が揃っていれば、ビジネス文書としての体裁は整います。

ステップ4:客観的な視点で簡潔な文章に整える

最後に、抽出した情報を文章化します。ここで重要なのが「客観性」と「簡潔さ」です。

  • 客観性:「とても大変だった」「画期的だと思う」といった形容詞や感想は削除します。「工数が20%削減された」「業界初の機能を搭載」といった事実や数字に置き換えます。
  • 簡潔さ:一文を短くします。接続詞(~が、~ので)でダラダラと繋げず、言い切り型にします。「~である。また、~である。」と区切ることで、リズム良く読めるようになります。

ビジネス文書改善コンサルタントのアドバイス
「概要を書く際に、多くの人が無意識に使ってしまう『形容詞』や『副詞』を削るテクニックをお教えしましょう。例えば『非常に多くの顧客から好評を得た』という文。これは主観的で曖昧です。これを『顧客アンケートで95%の満足度を獲得した』と書き換えます。形容詞を数字や事実に置き換えるだけで、文章の解像度が上がり、プロフェッショナルな『概要』に生まれ変わります。一度書いた文章から、形容詞を探して削除する推敲をぜひ試してみてください」

【添削事例】ダメな概要 vs 良い概要のBefore/After

理屈は分かっても、実際に書こうとすると難しいものです。ここでは、よくある「残念な概要」と、それを修正した「評価される概要」を対比させることで、具体的な改善ポイントを解説します。ご自身の作成した文章と照らし合わせてみてください。

事例1:プロジェクト報告書の概要

あるシステム導入プロジェクトの完了報告書の冒頭に載せる概要の例です。

▼【添削】ダラダラ書かれた報告書をスッキリさせる(クリックで展開)

Before:時系列で全部書こうとして長くなった文章

昨年から検討していた営業支援システムの導入ですが、4月にはベンダー選定を行い、5月から要件定義を開始しました。現場からは使いにくいという意見もあり、調整に難航しましたが、なんとか8月に開発を完了し、9月からテスト運用を行いました。その結果、大きなバグもなく、無事に10月1日から本稼働を開始することができました。営業部からは入力が楽になったという声も上がっており、今後はデータ分析にも活用していきたいと考えています。

【ダメな理由】
・「~が、~し、~た。」と文が長く続いている。
・「難航しましたが」「なんとか」といった主観や苦労話が含まれている。
・時系列の羅列(あらすじ)になっており、成果が一目でわからない。

After:要点のみを構造化した文章

【プロジェクト完了報告概要】
本報告書は、営業支援システム導入プロジェクトの完了および成果についてまとめたものである。

1. 目的:営業担当者の入力負荷軽減および顧客データの可視化
2. 実施期間:202X年4月~10月(10月1日より本稼働中)
3. 成果:
・システム稼働により、日報作成時間が平均30分短縮。
・重大な不具合なく安定稼働中。
4. 今後の展望:蓄積データの分析による営業戦略への活用推進。

【改善ポイント】
・項目(目的、期間、成果)ごとに箇条書きで構造化した。
・苦労話(プロセス)を削除し、結果(成果)にフォーカスした。
・「~である」と言い切り、客観的な事実のみを記載した。

事例2:会議議事録の概要

1時間の定例会議の内容を、欠席した上司にメールで報告する際の概要です。

Before:
「今日の定例会議では、A社の件について話し合いました。田中さんからは値引きの提案がありましたが、佐藤課長は利益率の観点から反対意見が出ました。結局、もう少し検討することになりました。あと、来月のイベントの件ですが、場所の予約が取れたそうです。」

After:
「本日の定例会議の概要は以下の2点です。
1. A社への提案方針について:
値引き案と利益確保案で意見が分かれたため、継続審議となりました。次回までに田中氏が再見積もりを作成します。
2. 来月のイベントについて:
会場予約が完了しました(場所:〇〇ホール)。詳細な案内は別途共有されます。」

解説:
Beforeは会話の流れを追っていますが、Afterは「決定事項」と「ネクストアクション(誰が何をするか)」を中心にまとめています。ビジネスでは「結局どうなったのか」が最優先です。

事例3:企画提案書の概要

新しいマーケティング施策を提案する企画書の「実施概要」です。

Before:
「若者の間でSNSが流行っているので、我が社もインスタグラムを使ったキャンペーンをやりたいと思います。写真を投稿してもらって、いい写真には商品をプレゼントすることで、認知度を高めたいです。」

After:
SNS活用による若年層の認知拡大キャンペーン
目的:20代のブランド認知度を現状の15%から30%へ引き上げる。
施策内容:Instagramを用いたハッシュタグキャンペーンの実施。
ターゲット:20代~30代の女性。
期待効果:UGC(ユーザー生成コンテンツ)の創出によるオーガニックな拡散。」

解説:
「やりたい」という願望ではなく、「目的・ターゲット・効果」を明確に示すことで、企画の妥当性を論理的に訴求しています。

ビジネス文書改善コンサルタントのアドバイス
「文章を短くまとめる際の黄金律として、『ワンセンテンス・ワンメッセージ』という原則があります。一つの文には一つの情報しか入れない、というルールです。読みにくい概要の9割は、一文の中に『現状』と『課題』と『対策』を詰め込んでいます。これらを『句点(。)』で切り分け、箇条書きにするだけで、あなたの書く概要は劇的に分かりやすくなります。一文は長くても60文字以内に収めるよう意識してみてください」

そのまま使える!シーン別「概要」テンプレート集

「書き方は分かったけれど、ゼロから考えるのは時間がかかる」という方のために、コピー&ペーストして使える実務的なテンプレートを用意しました。空欄を埋めるだけで、標準レベル以上の概要が完成します。状況に合わせて項目を増減させて使用してください。

会社概要・事業概要のテンプレート(必須項目と構成)

Webサイトやパンフレットに掲載する、最も基本的な会社概要です。

【会社概要】

  • 商号(会社名): 株式会社〇〇
  • 設立: 20XX年〇月〇日
  • 資本金: 〇〇万円
  • 代表者: 代表取締役 〇〇 〇〇
  • 本社所在地: 〒000-0000 東京都〇〇区…
  • 従業員数: 〇〇名(20XX年〇月現在)
  • 事業内容:
    • 〇〇システムの開発・販売
    • 〇〇に関するコンサルティング事業
  • 主要取引先: 〇〇株式会社、〇〇商事…

企画書・提案書の「実施概要」テンプレート

企画書の1ページ目や、上司への承認依頼メールで使えるフォーマットです。

【企画概要:〇〇(企画名)について】

1. 企画の背景・目的
現状の〇〇という課題に対し、〇〇を実施することで、〇〇を達成することを目的とする。

2. 実施内容(What)
・日時:20XX年〇月〇日 ~ 〇月〇日
・場所/媒体:〇〇
・対象者:〇〇部員、または〇〇層の顧客
・施策詳細:〇〇を行う。

3. 予算・リソース(Cost/Resource)
・概算費用:〇〇万円
・必要人員:〇名

4. 期待される効果(Effect)
本施策により、〇〇(数値目標など)の達成が見込まれる。

イベント・セミナーの開催概要テンプレート

社内向け告知や、社外へのプレスリリースで使える開催概要です。

【開催概要】

  • イベント名: 第〇回 〇〇セミナー
  • テーマ: 「〇〇(魅力的なキャッチコピー)」
  • 日時: 20XX年〇月〇日(曜日) 13:00~15:00(受付開始 12:30)
  • 会場: 〇〇カンファレンスセンター(オンライン配信あり)
  • 登壇者: 〇〇氏(株式会社〇〇 代表)
  • 参加費: 無料(事前登録制)
  • 定員: 100名
  • 主催: 株式会社〇〇
  • 申込方法: 社内ポータルより登録、またはWebフォームより

業務マニュアル・手順書の「概要」セクション

マニュアルの冒頭に置くことで、作業者が「何のための作業か」を理解するための概要です。

【〇〇業務 概要】

■ 本業務の目的
顧客からの問い合わせに対し、迅速かつ正確に回答し、顧客満足度を維持すること。

■ 業務の全体フロー
1. 受付(電話・メール)
2. 内容確認・分類
3. 回答作成・承認
4. 顧客への返信
5. 履歴の登録

■ 重要事項・注意点
個人情報の取り扱いには十分注意し、回答期限(24時間以内)を厳守すること。

Callout|テンプレート利用時の注意点
テンプレートはあくまで「型」です。そのまま使うだけでなく、自社の状況や上司の好みに合わせて項目を増減させる「柔軟性」を持ってください。例えば、コスト意識の高い上司であれば「予算」の項目を一番上に持ってくるなどの工夫が、あなたの評価をさらに高めます。

英語で「概要」はどう表現する?OverviewとSummaryの使い分け

グローバル化が進む現代では、英語で「概要」を書く機会も増えています。日本語同様、英語にも「概要」に相当する単語がいくつかあり、明確な使い分けが存在します。間違った単語を使うと、ネイティブスピーカーに違和感を与えてしまうため、正しいニュアンスを理解しておきましょう。

Overview(全体像・鳥瞰図)

日本語の「概要」に最も近いのが Overview です。「上から見渡す(Over + View)」という語源の通り、全体像を俯瞰する際に使われます。

  • Company Overview: 会社概要
  • Project Overview: プロジェクト概要
  • Product Overview: 製品概要

詳細には立ち入らず、全体的な構造や特徴を説明するニュアンスです。

Summary(要約・まとめ)

日本語の「要約」に相当するのが Summary です。長い文章や議論のポイントを短くまとめたものを指します。

  • Executive Summary: 事業計画書などの冒頭につける、経営陣向けの要約。
  • Meeting Summary: 会議のまとめ(議事録の要約)。

Overviewとの違いは、Summaryの方が「内容の凝縮」というニュアンスが強い点です。

Abstract(論文などの要旨)

Abstract は、主に学術論文や研究レポートの冒頭に置かれる「要旨」です。非常に堅い表現で、研究の目的、方法、結果、結論を数行〜数百語で簡潔に記述したものを指します。一般的なビジネスメールで使うことは稀です。

Outline(構成・アウトライン)

Outline は「輪郭」「構成案」を指します。文章として完成された概要というよりは、箇条書きの見出しレベルで構成を示したものです。「概要を説明する」というよりは「骨組みを示す」というニュアンスになります。

ビジネスメールで使える英語フレーズ集

海外のチームメンバーに概要を伝える際にそのまま使えるフレーズです。

  • Here is a brief overview of the project.
    (これがプロジェクトの簡単な概要です。)
  • Could you give me a quick overview of the situation?
    (状況の概要を簡単に教えていただけますか?)
  • I have attached the meeting summary.
    (会議の要約を添付しました。)
  • The outline of the proposal is as follows.
    (提案の骨子は以下の通りです。)

ビジネス文書改善コンサルタントのアドバイス
「外資系企業やグローバルプロジェクトで特に重視されるのが『Executive Summary(エグゼクティブ・サマリー)』です。これは単なる要約ではなく、『この資料を読むことで、読み手は何を得られるか』というベネフィットを提示する売り込み(ピッチ)の要素を含みます。英語で資料を作る際は、Overviewと書くよりも、冒頭にExecutive Summaryというセクションを設け、結論と推奨アクションをバシッと書くと、非常にプロフェッショナルに見られます」

「概要」作成でよくある質問(FAQ)

最後に、概要を作成する際によくある細かい疑問について、Q&A形式で回答します。迷った時の判断基準として活用してください。

Q. 概要の適切な文字数はどのくらいですか?

A. 本文全体の5%〜10%、または「30秒で読める分量」が目安です。

例えば、A4用紙1枚の報告書なら、概要は3〜5行程度。10ページの企画書なら、半ページ〜1ページ程度が適切です。文字数で言えば、200文字〜400文字程度に収めると、読み手はストレスなく全体像を把握できます。長すぎる概要は、もはや概要ではありません。

Q. 箇条書きと文章、どちらで書くべきですか?

A. ビジネスでは「箇条書き」が圧倒的に好まれます。

文章(パラグラフ)形式は、文脈や情緒を伝えるのには適していますが、情報を素早く取得するのには不向きです。「目的」「期間」「結論」などの項目を立てて箇条書きにする方が、視認性が高く、スキャンして読む(流し読みする)ことができるため、忙しいビジネスパーソンには親切です。

Q. 「概要」の中に図や表を入れてもいいですか?

A. はい、積極的に入れるべきです。

「百聞は一見に如かず」です。複雑なスキームやスケジュール、体制図などは、文章で説明するよりも図(ポンチ絵)や表を入れた方が、瞬時に理解できます。ただし、図が細かすぎて見えなくならないよう、シンプルにデフォルメしたものを使用してください。

Q. プレゼン資料の「概要」ページはどこに入れるべき?

A. 表紙の次(2ページ目)、目次の前または後が定位置です。

プレゼンテーションの冒頭で「今日お話しする内容の全体像(概要)」を示すことで、聴衆は安心して話を聞くことができます。これを「アジェンダ」と兼ねる場合もありますが、重要な提案の場合は、アジェンダとは別に「本提案の概要(サマリー)」を1枚挟むと効果的です。

ビジネス文書改善コンサルタントのアドバイス
「私の研修では、常に『相手の時間を奪わないこと』がビジネス文書の最大の礼儀だと教えています。概要の文字数に正解はありませんが、『エレベーターピッチ』のように、上司とエレベーターに乗っている30秒の間で口頭で説明できる分量、これを目安にしてみてください。それが書くべき『概要』の分量です」

まとめ:概要とは「相手への配慮」である

ここまで、「概要」の意味から要約との違い、具体的な書き方、テンプレートまでを解説してきました。最後に、この記事の重要ポイントを振り返ります。

【この記事の要点まとめ】

  • 概要と要約は違う:「概要」は全体像(構造・カタログ)、「要約」は論旨(メッセージ・凝縮)を示すもの。視点が「鳥の目」か「虫の目」かで使い分ける。
  • ビジネスでの役割:読み手に「詳細を読むかどうか」を判断させるためのフィルタリング機能を持つ。
  • 書き方の鉄則:主観(感想・形容詞)を排除し、事実(数字・固有名詞)で構成する。「背景・目的・内容・結論」の4要素を網羅する。
  • 形式:文章よりも箇条書きや図解を活用し、視認性を高める。

「概要」を適切に書ける能力は、単なる文章テクニックではありません。それは、膨大な情報を整理し、相手が必要としている形に加工して届けるという、ビジネスにおける「知的な配慮」そのものです。

上司や取引先が求めているのは、あなたの苦労話や詳細な経過報告ではなく、「で、結局どういうこと?」という全体像です。今日から作成する資料の冒頭に、意識して「概要」のセクションを設けてみてください。そして、そこで「詳細への入り口」を丁寧に整備してあげてください。

その小さな配慮の積み重ねが、「こいつの資料は分かりやすい」「仕事ができる」というあなたの評価へと直結していきます。

ビジネス文書改善コンサルタントのアドバイス
「概要作成力が上がると、実は仕事全体の設計力(段取り力)も上がります。なぜなら、最初に『概要(ゴールイメージ)』を描けない仕事は、詳細も詰められないからです。資料を作る前に、まず手書きで『概要』をメモ書きしてみてください。それがあなたの仕事の羅針盤になります。ぜひ今日から、この『概要思考』を実践してみてください」

提出前チェックリスト:あなたの「概要」はこれで完璧!

  • 「要約(論旨の抽出)」や「あらすじ(時系列)」になっていないか?
  • 5W1H(特に目的と結論)が網羅されているか?
  • 主観的な感想や形容詞(「大変」「すごい」等)を削り、数字や事実に置き換えたか?
  • 箇条書きや項目分けを使い、パッと見で構造がわかるか?
  • 30秒程度で読み切れる分量(全体の5〜10%)に収まっているか?
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