「せっかく彩りの良いパプリカを買ったのに、子供が苦いと言って食べてくれない」
「1個使い切れずに、冷蔵庫の野菜室でシワシワにしてしまった」
このような経験はありませんか?実は、パプリカは「切り方」と「加熱法」を少し変えるだけで、まるでフルーツのように驚くほど甘くなる野菜です。野菜ソムリエプロとして長年、親子向けの食育講座を行ってきましたが、パプリカ嫌いのお子さんが「これなら食べられる!」と目を輝かせて完食する瞬間を何度も目にしてきました。
この記事では、野菜のプロである筆者が、子供の「苦い!」をなくすための科学的な下処理テクニックと、忙しい平日の夕食作りに役立つ電子レンジ活用レシピ、そしてお弁当に入れても傷まない作り置きのコツを徹底解説します。単なるレシピの羅列ではなく、なぜ美味しくなるのかという理由も合わせてお伝えします。
この記事でわかること
- 子供の「苦い!」をなくす、プロ直伝の下処理と切り方のコツ
- レンジで5分!お弁当にも使える「無限パプリカ」などの厳選レシピ
- 栄養を逃さず、冷蔵庫で長持ちさせる正しい保存方法と冷凍テクニック
今日からパプリカを「ただの彩り野菜」ではなく、「食卓の主役」として活用していきましょう。
パプリカ料理が劇的に美味しくなる!プロが教える3つの下準備テクニック
パプリカを料理する際、なんとなく半分に切って種を取り、適当な大きさに刻んでいませんか?実は、その何気ない下準備の中に、仕上がりの味を左右する重要なポイントが隠されています。特に「苦味」を感じやすいお子様や、「食感」を重視したい方にとっては、調理前のひと手間が料理のクオリティを劇的に変えるのです。
ここでは、野菜ソムリエとして私が普段実践している、「手間はかけずに美味しさを最大化する」ための3つの基本テクニックをご紹介します。これを知っているだけで、いつもの炒め物やサラダがワンランク上の味わいになります。
【切り方】繊維の向きで「苦味」と「食感」をコントロールする
野菜には繊維(維管束)が通っており、この繊維の向きに対して包丁をどう入れるかで、食感や味の感じ方が大きく変わります。パプリカの場合、縦方向(ヘタからお尻に向かって)に繊維が走っています。
まず、「繊維に沿って縦に切る」方法です。これは繊維を壊さずに残す切り方なので、加熱してもシャキシャキとした食感が残りやすくなります。炒め物やチンジャオロースなど、歯ごたえを楽しみたい料理に適しています。また、細胞があまり壊れないため、苦味成分や香り成分が外に出にくく、すっきりとした味わいになるのが特徴です。
一方、「繊維を断ち切るように横に切る」方法はどうでしょうか。繊維を短く切断することで、口当たりが非常に柔らかくなります。さらに重要なのが、細胞壁が壊れることで中の水分や成分が出やすくなる点です。生で食べるサラダやマリネにする場合、横切りにするとドレッシングが短時間で馴染みやすくなります。ただし、苦味成分も同時に感じやすくなる場合があるため、苦味が苦手な方の場合は、後述する加熱処理と組み合わせるのが正解です。
子供がパプリカを嫌がる理由の多くは「皮が硬い」「苦い」の2点です。これを解消するには、繊維を断ち切る横切りにしてから、しっかりと加熱して甘みを引き出すのが最も効果的です。料理の目的に合わせて、意識的に包丁の入れ方を変えてみてください。
【種取り】散らばらずにスポッと取る裏ワザ
パプリカの調理で地味にストレスなのが「種取り」です。半分に切ってから種を取ろうとすると、種がまな板や床に散らばったり、内側の白いワタがきれいに取れなかったりしませんか?実は、包丁を使わずに指だけで驚くほどきれいに取れる方法があります。
その方法は「親指押し込み法」です。パプリカを丸ごとの状態で持ち、ヘタの部分に親指をグッと強く押し込みます。すると、「バキッ」という音とともにヘタが中に落ち込みます。そのままヘタをつまんで引き抜くと、種とワタがヘタにくっついた状態で、スポッと一気に抜けるのです。
この方法の最大のメリットは、種が飛び散らないことだけではありません。包丁で半分に切ってから種を取る場合、どうしても果肉部分まで削ぎ落としてしまいがちですが、この方法なら可食部を無駄にすることがありません。空洞になったパプリカの中に肉詰めをする際も、この取り方ならカップ状の形をきれいに保てます。
もしヘタが硬くて指で押し込めない場合は、ペティナイフなどでヘタの周りに一周切り込みを入れてから引き抜くとスムーズです。この「快感」を覚えると、パプリカの調理が億劫でなくなります。
【皮の処理】剥くべき?そのまま?料理に合わせた使い分け基準
「パプリカの皮は剥いたほうがいいのですか?」という質問をよく受けます。結論から言うと、「食感を極めたいなら剥く、手軽さと栄養を摂るならそのまま」が正解です。パプリカの皮は薄いですが非常に硬く、加熱してもなかなか柔らかくなりません。これが口の中に残り、子供が「ペラペラして嫌だ」と感じる原因になります。
皮を剥くことで、果肉のトロッとした甘みがダイレクトに舌に伝わり、まるで高級レストランのような上品な口当たりになります。特にマリネやポタージュにする場合は、皮を剥くことを強くおすすめします。一方で、皮の直下には抗酸化作用のある色素成分やビタミンが多く含まれているため、栄養面を考えると皮ごと食べるのが理想的です。
以下に、皮あり・皮なしの食感と適した料理を比較表にまとめました。調理の際の参考にしてください。
▼Chart here|皮あり・皮なしの食感と用途比較表(クリックで展開)
| 状態 | 皮あり(そのまま) | 皮なし(剥く) |
|---|---|---|
| 食感 | シャキシャキ、歯ごたえがある 加熱しても形が崩れにくい |
トロトロ、滑らか 口の中でとろけるような柔らかさ |
| メリット | 下処理の手間がない 栄養(フィトケミカル)を逃さない お弁当で色鮮やかさを保てる |
甘みを強く感じる ドレッシングや味が染み込みやすい 子供や高齢者が食べやすい |
| 適した料理 | 炒め物(チンジャオロース等) 肉詰め お弁当のおかず |
マリネ、和え物 ポタージュ、ムース 離乳食・幼児食 |
| 剥き方 | – | 直火で真っ黒になるまで焼く またはトースターで加熱し冷水に取る |
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「皮に残る栄養も捨てがたいですが、子供が『口に残るから嫌』と言って食べないのなら、思い切って皮を剥いてしまいましょう。食べてくれないことには栄養も摂れません。まずは『パプリカって甘くて美味しい!』という体験をさせることが先決です。皮を真っ黒になるまで焼いて剥いたパプリカは、糖度が凝縮されて驚くほど甘くなりますよ」
「子供が食べてくれない」を解決!パプリカの甘みを極限まで引き出す科学
パプリカはピーマンの仲間ですが、完熟することで糖度が増し、ピーマン特有の青臭さが減少しています。しかし、それでも「苦い」と感じるお子様は少なくありません。これは味覚が敏感だからこそ感じる微細な苦味や酸味です。
ここでは、精神論ではなく「科学的なアプローチ」で苦味を消し、甘みを引き出す方法を解説します。この章の内容を理解すれば、砂糖を使わなくても自然な甘さの料理が作れるようになります。
なぜ苦い?赤と黄色で違う味の特徴と使い分け
スーパーでよく見かける赤パプリカと黄パプリカ。実はこれらは単なる色違いではなく、含まれる成分や味の傾向が異なります。これを理解して使い分けることが、料理上手への第一歩です。
赤パプリカは、完熟度が最も進んだ状態です。そのため糖度が非常に高く、時には糖度10度以上(イチゴやミカン並み)になることもあります。また、「カプサンチン」という赤い色素成分が含まれており、強力な抗酸化作用を持ちます。独特の香りも強くなりますが、加熱することで濃厚な甘みに変わります。甘みを重視したい料理や、ソースにするなら赤がおすすめです。
黄パプリカは、赤になる前の段階、あるいは黄色品種として完熟したものです。「ルテイン」という色素成分を含み、味の特徴としては、赤よりもさっぱりとしていて、フルーティーな酸味と甘みのバランスが良いことが挙げられます。また、赤パプリカに比べて苦味が少なく、クセがないため、生食やサラダに向いています。パプリカ初心者の子供には、まずはクセの少ない黄色から試してみるのも良い作戦です。
ちなみに、オレンジ色のパプリカを見かけることもありますが、これは赤と黄の中間的な特徴を持ち、非常に甘みが強く食べやすい品種が多いです。もし見かけたらラッキーアイテムとして迷わず購入してください。
油との相性抜群!β-カロテンの吸収率を上げつつ甘くする調理法
パプリカに含まれる代表的な栄養素「β-カロテン」や「ビタミンE」は、脂溶性ビタミンと呼ばれ、油と一緒に摂取することで体への吸収率が数倍にアップします。そして味の面でも、油は重要な役割を果たします。
パプリカの苦味成分や青臭さは、油でコーティングすることで舌に直接触れにくくなり、マスキング効果で感じにくくなります。さらに、油で炒めることでパプリカの水分が適度に飛び、味が凝縮されます。
子供向けに調理する場合のコツは、「低温からじっくり油で炒める」ことです。高温でサッと炒めるとシャキシャキ感は残りますが、甘みが引き出されきらず、青臭さが残ることがあります。多めのオリーブオイルやバターをフライパンに入れ、弱めの中火で皮が少ししんなりするまで炒めてみてください。油にパプリカの色素が溶け出し、オレンジ色のオイルになる頃には、驚くほど甘くまろやかな味に変化しています。この「パプリカオイル」ごと料理に使うのがポイントです。
じっくり加熱で糖度アップ!「焼きパプリカ」が甘い理由
スペイン料理やイタリア料理でよく見かける「パプリカの丸焼き」。なぜわざわざ真っ黒になるまで焼くのでしょうか?これには明確な科学的理由があります。
パプリカをじっくり加熱すると、細胞内の酵素が働きにくくなると同時に、水分が蒸発して糖分が濃縮されます。さらに、「メイラード反応」という現象により、香ばしさと深いコクが生まれます。直火やオーブンで時間をかけて焼くことで、細胞壁が完全に破壊され、閉じ込められていた甘み成分が溢れ出てくるのです。
家庭でこれを再現するなら、魚焼きグリルやトースターが便利です。アルミホイルを敷き、半分に切ったパプリカを皮目を上にして並べ、皮が黒く焦げるまで15分〜20分ほど焼きます。その後、熱いうちにボウルに入れてラップをし、蒸らすことで皮がツルンと剥けます。こうして作った「焼きパプリカ」は、もはや野菜というよりスイーツのような甘さです。これを細かく刻んでハンバーグに入れたり、カレーのトッピングにしたりすれば、子供は気づかずに喜んで食べてくれるはずです。
現役食育インストラクターのアドバイス
「子供がパプリカを好きになる『最初のひと口』への誘導方法として、視覚的なアプローチも有効です。星型やハート型の型抜きを使ってパプリカを抜き、ハンバーグの上にのせて焼くだけで、『あ!お星さまだ!』と興味を持ちます。まずは少量、好きなメニューに混ぜることから始め、食べた後に『実はパプリカが入っていたんだよ、すごーい!』と褒めてあげることで、自信と好きにつながります」
【レンジで5分】あと一品に!お弁当にも入る「無限パプリカ」副菜レシピ3選
仕事や育児に追われる平日、副菜を一から作るのは大変です。しかし、パプリカがあれば電子レンジを使って5分で彩り豊かな一品が完成します。ここでは、メイン料理を作っている間に完成する、時短かつ失敗知らずの「無限パプリカ」レシピを3つ厳選しました。すべてお弁当のおかずとしても優秀です。
ツナとパプリカの旨味爆発!レンジで簡単「無限マリネ」
ツナ缶の油と旨味をパプリカに吸わせることで、子供が大好きな味に仕上げます。酸味を抑えたまろやかなマリネなので、作り置きしておくと朝食のパンにもよく合います。
▼材料と詳しい作り方(クリックで展開)
材料(2人分)
- パプリカ(赤・黄):各1/2個(計1個分)
- ツナ缶(オイル漬け):1缶(70g)
- [A] 酢:大さじ1
- [A] 砂糖:小さじ1
- [A] 鶏ガラスープの素:小さじ1/2
- [A] 塩こしょう:少々
手順
- パプリカはヘタと種を取り、繊維を断つように横に細切り(5mm幅)にする。
- 耐熱ボウルにパプリカを入れ、軽く油を切ったツナ缶をのせる。
- ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で3分加熱する。
- 取り出してすぐに[A]を加え、熱いうちによく混ぜ合わせる。
- そのまま冷めるまで置いて味を馴染ませる。(冷蔵庫で冷やすとより美味しい)
彩り鮮やか!パプリカとちりめんじゃこの甘辛和え
ちりめんじゃこの塩気と食感が、甘いパプリカの良いアクセントになります。カルシウムも同時に摂れるため、育ち盛りのお子様に特におすすめです。冷めても味がぼやけないので、お弁当の隙間埋めに重宝します。
作り方は非常にシンプルです。細切りにしたパプリカ1個分をごま油小さじ1でコーティングし、電子レンジで2分加熱します。そこにちりめんじゃこ大さじ2、醤油小さじ1、みりん小さじ1、白ごま小さじ1を加えて混ぜ合わせ、さらに30秒〜1分加熱してアルコールを飛ばせば完成です。じゃこの旨味がパプリカに染み込み、ご飯が進む味になります。
ごま油香る!パプリカと塩昆布の即席ナムル
包丁いらずで手でちぎっても作れるほど簡単な、究極のズボラ飯ならぬズボラ副菜です。塩昆布に含まれる「グルタミン酸」の旨味が、パプリカの甘みを引き立てる相乗効果を生み出します。
パプリカを乱切りや細切りにし、耐熱容器に入れてごま油を回しかけ、レンジで2分加熱します。熱いうちに塩昆布(ふたつまみ程度)とおろしニンニク(チューブでOK)少々を和えるだけ。塩昆布から出る塩分だけで味が決まるので、調味料の計量すら不要です。ごま油の香りが食欲をそそり、ビールのおつまみとしても最高の一品です。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「レンジ調理で美味しく仕上げる最大のコツは、加熱後の『水切り』です。パプリカは水分が多い野菜なので、加熱すると水分が出ます。調味料を和える前に、一度ザルにあけるか、キッチンペーパーで余分な水分を拭き取ってください。このひと手間で味が薄まらず、お弁当に入れても汁漏れしにくくなります」
【メインおかず】ご飯が進む!パプリカが主役のボリュームレシピ厳選3選
パプリカは副菜だけでなく、メインのおかずとしても十分な存在感を発揮します。肉や魚の旨味を吸ったパプリカは、トロトロでジューシー。ここでは、ご飯が止まらなくなる主菜レシピを3つご紹介します。
豚肉の旨味を吸わせる!パプリカと豚こまのオイスター炒め
冷蔵庫にある安価な豚こま肉が、パプリカのおかげでご馳走に変わります。オイスターソースのコクとパプリカの甘みは相性抜群です。
ポイントは、豚肉にあらかじめ片栗粉をまぶしておくこと。これにより肉が柔らかく仕上がり、タレが全体によく絡みます。パプリカは乱切りにし、食感を残すために強火で短時間炒めるのがコツです。仕上げに黒胡椒を多めに振ると、味が引き締まって大人の味になります。ピーマンも加えて3色にすると、見た目も華やかで栄養バランスも完璧です。
見た目も豪華!パプリカの肉詰め(剥がれないコツ付き)
ピーマンの肉詰めは定番ですが、パプリカで作ると肉厚で食べ応えがあり、甘みが強いため子供ウケが抜群です。輪切りにして詰める方法と、縦半分に切ってボート型にする方法がありますが、お弁当には輪切りが詰めやすくておすすめです。
肉詰め作りで最大の悩みである「焼いている間に肉が剥がれる」問題。これを防ぐには、パプリカの内側にしっかりと薄力粉または片栗粉をまぶすことが絶対条件です。ポリ袋にパプリカと粉を入れて振ると、均一に粉がつきます。また、肉だねを詰める際は、隙間ができないようにギュギュっと強めに押し込み、焼くときは肉の面から焼いて固めることで、剥がれを防止できます。
鶏むね肉でヘルシー!パプリカとカシューナッツの中華風炒め
中華料理の定番「鶏とカシューナッツ炒め」を家庭用にアレンジします。鶏むね肉を使うので高タンパク・低脂質。ダイエット中のママにも嬉しいレシピです。
パプリカと鶏肉は同じくらいの大きさ(1.5cm角)に切り揃えることで、火の通りが均一になり、見た目も美しくなります。カシューナッツのカリッとした食感と、パプリカのジューシーさのコントラストが楽しめます。味付けは、鶏ガラスープの素、酒、醤油、少しの砂糖でシンプルに。カシューナッツは最後に加えて軽く混ぜる程度にすると、食感が損なわれません。
▼Chart here|主菜レシピの調理時間とカロリー目安表(クリックで展開)
| レシピ名 | 調理時間 | カロリー(1人分) | 主な栄養素 |
|---|---|---|---|
| 豚こまオイスター炒め | 15分 | 約320kcal | ビタミンB1、ビタミンC |
| パプリカの肉詰め | 25分 | 約380kcal | タンパク質、鉄分 |
| 鶏むねカシューナッツ炒め | 15分 | 約280kcal | タンパク質、ビタミンE |
現役調理師のアドバイス
「肉詰めの失敗を防ぐもう一つのコツは、『焼きすぎない』ことです。心配で長く焼きすぎると、肉が縮んでパプリカとの間に隙間ができ、そこから肉汁が逃げて剥がれやすくなります。表面に焼き色がついたら、弱火にして蓋をし、蒸し焼きにすることで、ふっくらとジューシーに、かつ剥がれずに仕上げることができます」
作り置き&お弁当派必見!パプリカの鮮度を保つ保存と冷凍のコツ
パプリカはお得な大袋で買うことが多いですが、一度に使いきれないこともあります。しかし、保存方法を間違えるとすぐにシワシワになったり、種の部分からカビが生えたりします。ここでは、鮮度を保ちながら最後まで美味しく使い切るための保存テクニックを解説します。
冷蔵で長持ち!「マリネ液漬け込み」なら5日間OK
生のまま冷蔵保存する場合、丸ごとならキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れれば1週間ほど持ちますが、カットしたものは2〜3日で傷んでしまいます。そこでおすすめなのが、買ってきたその日にすべてカットし、マリネ液に漬けてしまう「調理保存」です。
酢には強い殺菌作用があり、保存性を高めます。カンタン酢や、酢・砂糖・塩を混ぜた液にカットしたパプリカを浸しておけば、冷蔵庫で5日間は美味しく食べられます。日が経つにつれて味が馴染み、まろやかになるのもメリットです。そのまま副菜として出すのはもちろん、刻んでタルタルソースに入れたり、冷製パスタの具にしたりと、アレンジも自在です。
生のまま?加熱して?用途別・冷凍保存の正解
パプリカは冷凍保存も可能です。ポイントは「生のまま冷凍」するか「加熱して冷凍」するかです。
生のまま冷凍:
細切りや乱切りにして、保存袋に入れて冷凍します。約1ヶ月保存可能。解凍すると繊維が壊れてクタッとした食感になるため、サラダには向きません。凍ったままスープや炒め物、カレーなどに投入して加熱調理するのに最適です。細胞が壊れている分、火の通りが早く、味が染み込みやすくなっています。
加熱して冷凍:
グリルで焼いて皮を剥いた状態や、炒めた状態で小分けにして冷凍します。これなら自然解凍でお弁当に入れたり、和え物に使うことができます。忙しい朝のお弁当作りには、こちらの方法が圧倒的に便利です。
お弁当に入れる際の注意点:水分対策と抗菌効果
お弁当にパプリカを入れる際、最も気をつけたいのが「汁漏れ」と「傷み」です。パプリカは水分量が多いため、時間が経つと水分が出てきます。これが他のおかずの味を変えたり、菌の繁殖原因になったりします。
対策として有効なのが「吸水食材」との組み合わせです。かつお節、すりごま、とろろ昆布などを和えることで、出てきた水分をこれらの食材が吸い取ってくれます。旨味もアップして一石二鳥です。また、梅肉やお酢、カレー粉など、抗菌作用のある調味料を使って味付けするのも、夏場のお弁当対策として非常に有効です。
体験談:筆者の「汁漏れ事件」と解決策
「以前、レンジ加熱したパプリカのナムルをそのままお弁当に入れたところ、昼には水分が出てしまい、隣の卵焼きがびちゃびちゃになって子供に怒られた経験があります。それ以来、お弁当用には必ず『かつお節』をまぶすようにしました。かつお節が水分と旨味を吸ってコーティングしてくれるので、夕方まで汁漏れせず、美味しく保てます。これは本当におすすめのテクニックです」
パプリカの栄養を無駄にしない!効果的な食べ合わせ基礎知識
パプリカは「ビタミンの宝庫」と呼ばれるほど栄養価の高い野菜です。そのポテンシャルを無駄にせず、効率よく体に取り入れるための「食べ合わせ」を知っておきましょう。美容を気にするお母さんにも嬉しい情報です。
ビタミンCはレモンの2倍!?加熱しても壊れにくい理由
意外かもしれませんが、赤パプリカにはレモンの約2倍以上、ピーマンの約2倍以上のビタミンCが含まれています。通常、ビタミンCは熱に弱く、加熱すると壊れてしまうイメージがありますが、パプリカのビタミンCは少し特殊です。
パプリカには「ビタミンP」という成分が含まれており、これがビタミンCを熱や酸化から守る働きをしています。そのため、炒めたり焼いたりしてもビタミンCが比較的残りやすいのです。風邪予防や肌の健康維持のために、積極的に加熱調理して量をたくさん食べるのが賢い食べ方です。
ビタミンE(アボカド・ナッツ)との組み合わせでアンチエイジング
パプリカ、特に赤パプリカには「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEも豊富です。ビタミンCとビタミンEを同時に摂取すると、互いに作用し合って抗酸化力が持続する「ビタミンエース(ACE)」の相乗効果が期待できます。
おすすめの食べ合わせは、ビタミンEが豊富なアボカドやナッツ類とのサラダや炒め物です。例えば、パプリカとアボカドのサラダ、鶏肉とカシューナッツの炒め物(前述のレシピ)などは、味だけでなく栄養学的にも理にかなった最強の組み合わせと言えます。
鉄分(肉・魚)の吸収を助けるビタミンCの働き
女性や子供に不足しがちな鉄分。肉や魚、野菜に含まれる鉄分は、単体では吸収されにくい性質があります。しかし、ビタミンCと一緒に摂取することで、吸収率が大幅にアップします。
つまり、パプリカを肉料理(ステーキ、ハンバーグ、生姜焼き)の付け合わせにしたり、一緒に炒めたりすることは、鉄分補給の観点からも非常に理にかなっています。貧血気味の方は、レバーや赤身肉と一緒にたっぷりのパプリカを食べることを意識してみてください。
現役野菜ソムリエプロのアドバイス
「美容を気にするママにおすすめなのが、パプリカをすりおろして作る『食べるドレッシング』です。赤パプリカ、玉ねぎ、酢、オリーブオイル、塩こしょうをミキサーにかけるだけで、鮮やかなオレンジ色のドレッシングができます。加熱していないので酵素も摂れ、サラダにかけるだけでビタミンチャージが完了しますよ」
パプリカ料理の「困った」を解決!Q&A
最後に、パプリカを使う上でよくある疑問やトラブルについて、Q&A形式でお答えします。
Q. 冷蔵庫でシワシワになったパプリカは食べられる?復活方法は?
A. 腐敗臭やカビがなければ食べられますが、加熱調理がおすすめです。
表面がシワシワになるのは、水分が抜けてしまったためです。中身が溶けていたり、異臭がしたりしなければ食べても問題ありません。軽度のシワなら、「50度洗い」で復活することがあります。50度のお湯に2〜3分浸すと、ヒートショック現象で気孔が開き、水分を吸収してハリが戻ります。それでも戻らない場合は、スープやカレーなど、食感が気にならない煮込み料理に使いましょう。
Q. 輸入パプリカの農薬やワックスは大丈夫?洗い方は?
A. 日本の基準をクリアしたものしか輸入されないため、過度な心配は不要です。
スーパーで売られているパプリカの多くは韓国産やオランダ産ですが、これらは厳しい残留農薬検査を経て店頭に並んでいます。表面のツヤは野菜自身が出す成分や、水分の蒸発を防ぐための食用の被膜剤(ワックス)である場合が多いですが、これも安全なものです。気になる方は、流水でスポンジを使ってよくこすり洗いするか、下茹でする、または皮を剥いて調理すればより安心です。
Q. 緑色のピーマンとパプリカ、栄養価はどう違う?
A. 栄養価の高さではパプリカ(完熟)が圧倒的です。
緑色のピーマンは未熟な状態で収穫されたものです。これを完熟させると赤や黄色になります(品種によります)。完熟する過程で、ビタミンCやカロテンの含有量は倍以上に増加します。栄養を重視するなら断然パプリカですが、ピーマン特有の苦味成分「クエルシトリン」には血流改善効果などもあるため、どちらもバランスよく食べるのが理想です。
現役食育アドバイザーのアドバイス
「スーパーで新鮮なパプリカを見分けるポイントは『ヘタ』です。ヘタの切り口が新しく、緑色が鮮やかなものを選びましょう。ヘタが茶色く枯れていたり、黒ずんでいるものは収穫から時間が経っています。また、持った時にずっしりと重みがあり、皮にハリとツヤがあるものが水分たっぷりで美味しい証拠です」
まとめ:パプリカを使いこなして食卓に彩りと健康を
ここまで、パプリカの甘みを引き出すテクニックや、忙しい毎日に役立つレシピをご紹介してきました。パプリカは単なる彩り野菜ではなく、子供の成長や家族の健康を支えるパワフルな食材です。
最後に、今日からすぐに実践できるポイントをチェックリストにまとめました。
- 子供が苦手なら、繊維を断つ「横切り」にしてしっかり加熱する
- 苦味対策には「油でじっくり炒める」か「丸焼き」が最強
- 忙しい日は、ツナや塩昆布と合わせてレンジで「無限副菜」を作る
- お弁当に入れる時は、かつお節やすりごまで「水分対策」を忘れない
- ビタミン吸収率を上げるために、油やお肉と一緒に食べる
「今日はパプリカ食べてくれるかな?」と不安に思う必要はありません。今回ご紹介した方法を使えば、きっとお子様から「これ美味しい!また作って!」という言葉が聞けるはずです。ぜひ、今夜の食卓からパプリカの新しい魅力を楽しんでみてください。
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