「ウォシュレットが壊れたけれど、業者に頼むと費用が高い」「ネットで安く買って自分で交換したいけれど、水漏れが怖い」
温水洗浄便座の不調に直面し、このような悩みを抱えている方は非常に多いです。結論から申し上げますと、温水洗浄便座(ウォシュレット)は、事前の「適合確認」さえ確実に行えば、初めての方でもDIYで安く、かつ安全に交換することが可能です。特別な資格も必要ありません。
しかし、水道設備に関わる作業である以上、たった一つのパッキンの入れ忘れや、ナットの締め付け不足が、階下への漏水など取り返しのつかない事故につながるリスクもゼロではありません。だからこそ、正しい手順とプロの視点を知っておくことが不可欠です。
この記事では、以下の3点を中心に、現場で培ったノウハウを余すことなく解説します。
- 購入前に絶対確認すべき「設置可否」と「サイズ適合」のチェックポイント
- 水道設備工事のプロが教える、失敗しない交換手順と水漏れ防止のコツ
- 目的別・予算別のおすすめ温水洗浄便座(TOTO・LIXIL・パナソニック)
この記事を読み終える頃には、あなたは自信を持って最適な機種を選び、プロ顔負けの確実な施工で快適なトイレ空間を取り戻すことができるでしょう。
【最重要】購入前の「適合チェック」で失敗を防ぐ
多くのDIYチャレンジャーが陥る最大の失敗は、取り付け作業そのものではなく、実は「購入段階」にあります。「どれも同じだろう」と安易に購入し、いざ箱を開けてみたら自宅のトイレに取り付けられなかった、というケースは後を絶ちません。開封後の衛生陶器製品は、基本的に返品が不可能です。数万円を無駄にしないために、まずはこのセクションで解説する適合チェックを徹底的に行ってください。
水道設備工事の熟練技術者のアドバイス
「私がこれまでに受けた相談の中で最も悲惨なのは、ネットで購入した便座が自宅の便器のサイズに合わず、結局新品を廃棄することになったケースです。特に築年数が古い物件や、デザイン性の高い特殊な便器を使用している場合は要注意です。メジャーを片手に、必ず現物を確認してからポチるようにしましょう。このひと手間が、数万円の損失を防ぎます。」
便器のサイズ(大型・標準)と取り付け穴の間隔を測る
日本の家庭用洋式便器には、大きく分けて2つのサイズ規格が存在します。一つは「エロンゲートサイズ(大型)」、もう一つは「レギュラーサイズ(標準・普通)」です。このサイズの違いを理解せずに購入すると、便座が便器からはみ出したり、逆に小さすぎて便器の縁が露出してしまったりと、使い心地や衛生面に大きな悪影響を及ぼします。
サイズを見分ける方法はシンプルです。便座を取り付ける穴(便座取付穴)の中心から、便器の先端までの距離を測ってください。この距離が約470mmであればエロンゲートサイズ(大型)、約440mmであればレギュラーサイズ(標準)となります。最近の温水洗浄便座の多くは、取り付け位置を前後に調整できる「兼用サイズ」となっていますが、古い団地などで見られる極端に小さいレギュラーサイズの便器の場合、兼用便座を取り付けると先端が数センチ飛び出すことがあります。機能上の問題はありませんが、見た目や男性が立って用を足す際の使い勝手に影響するため、許容できるか事前にシミュレーションが必要です。
次に確認すべきは「取り付け穴の間隔」です。便器には便座を固定するためのボルトを通す穴が2つ開いていますが、この穴の間隔は一般的に140mmが標準規格となっています。しかし、海外製便器や一部の古い国産便器では、この間隔が異なる場合があります。もし140mm以外の間隔であった場合、通常の市販温水洗浄便座はそのままでは取り付けられません。専用のアタッチメントや、特殊な便座が必要になる可能性があるため、必ず定規を当てて確認してください。
(※ここに便器サイズの測り方図解:エロンゲートサイズ・レギュラーサイズの寸法測定位置を示す画像のプレースホルダー)
トイレ内のスペースとタンクの位置・形状を確認する
便器そのもののサイズだけでなく、トイレという個室全体の空間把握も重要です。温水洗浄便座、特に操作パネルが便座の横に張り出している「袖リモコンタイプ」を選ぶ場合、便器の側面から壁までの距離が十分にないと、リモコンが壁に干渉して取り付けられないことがあります。必要なスペースは機種によりますが、一般的に便器の中心から左右にそれぞれ35cm以上の空間が推奨されています。
また、ドアの開閉軌道にも注意が必要です。トイレのドアが内開きの場合、新しい便座(特に袖リモコン部分)にドアが当たらないか確認してください。ギリギリのスペースに無理やり設置すると、ドアが開かなくなったり、リモコンが破損したりする原因になります。
タンクの位置と形状も無視できません。標準的なトイレは背面にタンクがありますが、中には部屋の隅に三角形のタンクが設置されている「隅付タンク」というタイプがあります。この場合、温水洗浄便座への給水ホースを接続するために、通常のセットには含まれていない延長ホースや特殊な接続金具が必要になることが多いです。さらに、便器のデザインによっては、タンクの下部が張り出しており、便座を奥まで押し込めないケースもあります。便座取り付け穴からタンク前面までの距離が最低でも50mm程度確保されているかを確認しましょう。
止水栓の種類と電源コンセントの有無をチェック
最後に確認するのは、水と電気の供給元です。まず、トイレ内に電源コンセントがあるかを確認してください。温水洗浄便座は電気製品ですので、当然ながら電気がなければ動きません。もしトイレ内にコンセントがない場合、延長コードで廊下から引き込むことは漏電や火災のリスクが高いため厳禁です。その場合は、電気工事士の資格を持つ業者に依頼し、コンセントの増設工事を行う必要があります。
次に「止水栓」の確認です。止水栓とは、トイレタンクへの給水管の途中にある、水を止めたり水量を調節したりするための栓のことです。壁や床から出ている給水管の根元付近にあります。この止水栓が「マイナス溝タイプ」か「ハンドルタイプ」かを確認してください。どちらも機能は同じですが、マイナス溝タイプの場合はマイナスドライバーが必要になります。
さらに重要なのが、止水栓とタンクを結ぶ給水管が「フレキシブルホース(自由に曲がるホース)」なのか、「固い金属パイプ」なのかという点です。既存が金属パイプの場合、新しい温水洗浄便座に付属する分岐金具を取り付けると、パイプの長さや角度が合わなくなるため、フレキシブルホースへの交換が必須となります。DIYで交換する場合、既存の金属パイプを切断・加工するのは難易度が高いため、最初からフレキシブルホースを用意しておくのが賢明です。
▼【要確認】取り付けできないトイレのタイプ一覧
| タンクレス便器 | 便座と機能部が一体化しているため、便座部分だけの交換は基本的に不可能です。メーカーメンテナンスまたは本体ごとの交換が必要です。 |
| 隅付タンク式 | 取り付け自体は可能ですが、給水ホースの長さが足りなかったり、専用の接続金具が必要になるケースが多いため、初心者にはハードルが高い場合があります。 |
| フラッシュバルブ式 | タンクがなく、レバーやボタンで直接水道管から水を流すタイプ(店舗や公共施設に多い)。専用のアダプターが必要で、水圧調整も難しいためプロへの依頼を推奨します。 |
| ユニットバス内 | お風呂とトイレが同室にある3点ユニットバスの場合、通常の温水洗浄便座は湿気で故障・漏電します。必ず「防湿対応」の専用機種を選ぶ必要があります。 |
瞬間式?貯湯式?後悔しない温水洗浄便座の選び方
適合チェックをクリアしたら、次はいよいよ機種選びです。温水洗浄便座のカタログを見ると、価格差が数万円もあることに驚くかもしれません。この価格差の最大の要因は、お湯を作る仕組みである「瞬間式」と「貯湯式」の違いにあります。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、ご自身のライフスタイルと予算に合ったタイプを選ぶことが、後悔しない買い物の秘訣です。
「瞬間式」と「貯湯式」のメリット・デメリットと電気代比較
貯湯式(ちょとうしき)は、本体内蔵のタンクに水を貯め、ヒーターで常時温めておく方式です。魔法瓶ポットのようなイメージです。
最大のメリットは「本体価格の安さ」です。1万5千円〜3万円程度で購入できるモデルが多く、初期費用を抑えたい方には魅力的です。一方でデメリットは、タンク内のお湯を使い切ると水になってしまう「湯切れ」が起きることと、保温のために常に電気を使うため「電気代が高くなりやすい」ことです。家族の人数が少なく、使用頻度が低い家庭に向いています。
瞬間式(しゅんかんしき)は、使用する瞬間にヒーターで水を急速加熱してお湯にする方式です。
メリットは「湯切れがない」ことと、「電気代が安い」ことです。使う時だけ電気を使うため、貯湯式に比べて年間の電気代を数千円節約できる場合もあります。また、タンクがないため本体が薄くスタイリッシュなデザインが多いのも特徴です。デメリットは、本体価格が3万円〜とやや高価になることです。しかし、長期的なランニングコストを考えれば、4人以上の家族や頻繁に使用する家庭では数年で元が取れる計算になります。
(※ここに瞬間式 vs 貯湯式のコスト・機能比較表のチャートのプレースホルダー)
メーカー別特徴:TOTO、LIXIL、パナソニックの強み
主要3大メーカーには、それぞれ独自の特徴と強みがあります。
TOTO(ウォシュレット)
温水洗浄便座の代名詞とも言えるTOTOの最大の特徴は、「洗浄感の快適さ」です。水玉に空気を含ませて吐水する「ワンダーウェーブ洗浄」など、少ない水でも量感のある洗い心地を実現しています。また、「きれい除菌水」という機能搭載モデルでは、使用後にノズルや便器を自動で除菌してくれるため、黒ずみ汚れの発生を抑える効果が高く評価されています。
LIXIL(シャワートイレ)
LIXIL(旧INAX)は、女性目線の機能や洗浄力の強さに定評があります。「おしりターボ洗浄」などのパワフルな洗浄モードを搭載したモデルがあり、しっかり洗いたい派に人気です。また、継ぎ目がなく掃除がしやすい「キレイ便座」や、便座が真上に持ち上がり隙間掃除ができる「お掃除リフトアップ」など、清掃性の高さも魅力です。
パナソニック(ビューティ・トワレ)
家電メーカーならではの視点で、「省エネ」と「清潔性」を追求しています。最大の特徴は「ステンレスノズル」です。他社が樹脂製ノズルを採用する中、汚れが付きにくく丈夫なステンレスを採用しており、長期間清潔に使えます。また、使わない時は保温を切るなど、賢い節電機能が充実しており、ランニングコストを重視する方におすすめです。
操作パネルは「壁リモコン」か「袖リモコン」か
操作パネルのタイプも重要な選択肢です。便座の横に一体化している「袖リモコン」と、壁に取り付ける「壁リモコン」の2種類があります。
水道設備工事の熟練技術者のアドバイス
「予算が許すなら、断然『壁リモコン』をおすすめします。袖リモコンは本体価格が安いのが魅力ですが、便座の横に出っ張りがあるため、床掃除の際に非常に邪魔になります。また、操作盤に尿飛びなどの汚れが付着しやすく、故障の原因になることもあります。壁リモコンなら便器周りがスッキリし、奥まで手が届くので掃除が格段に楽になりますよ。リモコンの電池交換の手間はありますが、清潔維持の観点からは壁リモコン一択と言っても過言ではありません。」
プロが厳選!DIYにおすすめの温水洗浄便座ランキング
数ある製品の中から、特に「DIYでの取り付けやすさ」と「コストパフォーマンス」に優れたモデルを厳選しました。プロの視点から、施工性の良さも含めてご紹介します。
【TOTO】施工性抜群で失敗が少ない定番モデル
DIY初心者には、やはりTOTOの「KMシリーズ」などの瞬間式モデルがおすすめです。TOTOの製品は、施工説明書が非常に分かりやすく図解されており、取り付けに必要な部材(ベースプレートや分岐金具)の精度も高いため、作業中のストレスが少ないのが特徴です。特に給水ホースの接続部分がワンタッチ式のクイックファスナーを採用しているモデルが多く、工具での締め付け不足による水漏れリスクを低減できる設計になっています。「迷ったらTOTO」と言われるだけの施工品質があります。
【パナソニック】コスパ最強!省エネ性能に優れたモデル
予算を抑えつつ、高機能な瞬間式が欲しい場合はパナソニックの製品が有力候補です。本体が非常に軽量でコンパクトなため、狭いトイレでの作業でも取り回しが楽です。また、付属の分岐金具がフレキシブルパイプと一体化しているタイプが多く、既存の配管状況に柔軟に対応できる点がDIY向きです。スパナ一本で締め付けるだけの簡易的な構造も、専門工具を持っていない一般ユーザーにはありがたいポイントです。
【LIXIL】洗浄力重視の方におすすめのパワフルモデル
LIXILの「RWAシリーズ」などは、清掃性と施工性のバランスが良いモデルです。取り付けベースプレートの固定方法が直感的で分かりやすく、便座本体をスライドさせて「カチッ」と嵌める時のクリック感が明確なため、設置不良を防ぎやすいです。また、給水ホースがクリップ接続式になっており、パッキンの入れ忘れや斜め締めといったミスが物理的に起こりにくい構造になっている点も評価できます。
(※ここにTOTO、パナソニック、LIXILのおすすめ3機種のスペック・実売価格比較表のテーブルのプレースホルダー)
【写真解説】素人でもできる!ウォシュレットの交換・取り付け手順
ここからは、いよいよ実際の交換作業に入ります。このセクションが本記事の核心です。水道設備工事のプロが現場で行っている手順を、一般の方でも再現できるように噛み砕いて解説します。焦らず、一つ一つの工程を確認しながら進めてください。
水道設備工事の熟練技術者のアドバイス
「作業を始める前に、必ず道具を揃えてください。最低限必要なのは『プラスドライバー』『マイナスドライバー』『モンキーレンチ(250mmサイズ推奨)』の3点です。付属の簡易スパナでも作業は可能ですが、力が入りにくく、ナットを舐めてしまう(角を削ってしまう)原因になります。ホームセンターで1,000円程度のモンキーレンチを一本買うだけで、作業効率と確実性が劇的に向上します。また、床には古タオルや雑巾を敷き詰め、洗面器やバケツを手元に置いておくと、残水が出た時に慌てずに済みます。」
Step1:既存の便座の取り外しと給水管の取り外し
1. 止水栓を閉める
全ての作業の基本にして最重要工程です。マイナスドライバーまたはハンドルを使って、止水栓を右(時計回り)に回して閉めます。この時、何回回したかを覚えておくと、後で元の水量に戻す際に役立ちます。止水栓が固くて回らない場合は、無理をせず、家全体の水道メーター(元栓)を閉めてください。
2. タンク内の水を抜く
止水栓を閉めたら、トイレのレバーを回してタンク内の水を完全に流し切ります。水が出なくなるまでレバーを保持してください。これで給水管を外しても水が噴き出すことはありません。
3. 給水管を外す
モンキーレンチを使って、タンク側のナットと止水栓側のナットを緩めて給水管を取り外します。この時、管の中に残っていた少量の水がこぼれるので、下に洗面器や雑巾をセットしておきましょう。
4. 既存便座を外す
便座の裏側(便器の下)にある固定ナットを手や専用工具で回して外し、便座本体を引き抜きます。
プロのコツ:古いナットが固着して回らない時の対処法
長年使用した便座の固定ナットは、水垢やサビで固着してビクともしないことがあります。ここで力任せに回すと、樹脂製の専用工具が割れたり、最悪の場合便器が破損したりします。そんな時は、市販の浸透潤滑剤(KURE 5-56など)をナットの隙間に吹き付け、5分〜10分ほど放置してください。油がネジ山に浸透し、驚くほど軽く回るようになります。
Step2:ベースプレート(取付板)の設置
古い便座を外すと、便器の取り付け穴周辺は長年の汚れで汚れているはずです。新しい便座を付ける前に、トイレ用洗剤でピカピカに掃除しましょう。このタイミング以外に掃除できるチャンスはありません。
きれいになったら、新しい便座に付属している「ベースプレート(取付板)」を設置します。取り付け穴に合わせてプレートを置き、ボルトを通して裏側からナットで固定します。以前は裏からナットを締めるタイプが主流でしたが、最近は上からドライバーでネジを回すと、裏側のゴムブッシュが膨らんで固定される「上面施工タイプ」が増えています。
位置決めのポイント
ベースプレートを完全に固定する前に、一度便座本体を仮設置してみるのがコツです。便座の先端が便器と合っているか、タンクに干渉していないかを確認し、ベストな位置でプレートを本締めします。締め付けが甘いと、使用中に便座がガタついて不快なだけでなく、接続部に負荷がかかり水漏れの原因になります。「もう回らない」というところまでしっかりと締め込んでください。
Step3:分岐金具の接続と給水ホースの取り付け
ここが最も水漏れ事故が起きやすい、慎重さが求められる工程です。
1. 分岐金具の取り付け
止水栓に、製品に付属している「分岐金具」を取り付けます。分岐金具には必ず「パッキン」が入っていることを確認してください。古いパッキンが止水栓側に張り付いている場合は、必ず剥がしてから新しいパッキンを使用します。パッキンの二重重ねは水漏れの元です。
2. 給水ホースの接続
分岐金具からタンクへ行くホースと、便座本体へ行くホースをそれぞれ接続します。
最重要工程:パッキンの入れ忘れ・斜め締めによる「水漏れ」を完全回避するテクニック
ナットを締める際は、いきなりレンチを使わず、まずは「手締め」で回るところまで回してください。スムーズに回らない場合は、ナットが斜めに入っている証拠です。一度緩めて、真っ直ぐになるよう調整してから再度手締めします。手で回らなくなってから、最後にレンチを使って本締めを行います。締め付けトルクの目安は、抵抗を感じてからさらに半回転〜1回転程度です。締めすぎるとパッキンが切れてしまい、逆に水漏れします。
(※ここに正しいパッキンの位置とスパナの回し方図解の画像のプレースホルダー)
Step4:本体の設置とアース線・電源の接続
ベースプレートに向けて、便座本体を「カチッ」と音がするまでスライドさせて押し込みます。手で軽く揺すって、ガタつきがないか確認してください。
次にアース線を接続します。コンセントのアース端子のカバーを開け、アース線の銅線部分を確実に差し込み、ネジを締めます。これは万が一の漏電時に感電を防ぐ命綱です。最後に電源プラグをコンセントに差し込みます。
Step5:試運転と水漏れ最終チェック
1. 止水栓を開ける
閉めていた止水栓をゆっくりと左(反時計回り)に回して開けます。一気に全開にするのではなく、徐々に水圧をかけていくのがコツです。
2. 接続部の確認
水を通したら、まずは目視で分岐金具やホースの接続部を確認します。さらに、ティッシュペーパーを接続部に巻き付けたり、指で触ったりして、わずかな滲みもないか入念にチェックしてください。
3. 動作確認
便座の着座センサーを手で覆うなどして(肌検知センサーの場合)、ノズルから水が出るかテストします。洗浄の強弱、ノズルの位置調整、温風乾燥などが正常に動くか確認しましょう。
水道設備工事の熟練技術者のアドバイス
「通水直後に水漏れがなくても安心はできません。『スローリーク』と呼ばれる、じわじわとした水漏れがあるからです。設置完了から30分後、そして数時間後にもう一度、接続部を指で触って確認してください。ここで乾いていれば、合格です。DIY交換の成功は、この最後の確認にかかっています。」
よくあるトラブルと対処法・古い便座の捨て方
作業中に予期せぬトラブルが起きても、落ち着いて対処すれば大丈夫です。また、取り外した古い便座の処分方法についても解説します。
作業中に水が止まらない!緊急時の止水方法
万が一、止水栓を閉め忘れてナットを外してしまったり、止水栓が壊れていて水が止まらなかったりした場合は、慌てずに「家全体の元栓」を閉めに行きましょう。元栓は、戸建てなら敷地内の地面にある「量水器」と書かれたボックスの中に、マンションなら玄関ドア横のパイプスペースの中にあります。ここを閉めれば、家中の水が止まります。落ち着いて対処すれば、床が濡れる程度で済みます。
取り付け後にノズルから水が出ない原因と対策
設置完了後、リモコンを押してもノズルから水が出ない場合、以下の原因が考えられます。
- 着座センサーが反応していない: 便座に深く座っていない、または肌の色や服の素材によってセンサーが反応しにくい場合があります。センサー部分を手でしっかりと覆ってテストしてください。
- 止水栓が開いていない: 意外と多いミスです。止水栓が閉まったままだと、タンクには水が溜まっても、ウォシュレット本体には水が行きません。
- 初期給水が終わっていない: 設置直後はタンク内に水を充填するため、1〜2分ほど動作しないことがあります。しばらく待ってから操作してください。
取り外した古い温水洗浄便座の正しい廃棄方法(粗大ごみ・小型家電)
不要になった古い温水洗浄便座は、一般的に「粗大ごみ」として扱われます。自治体によって異なりますが、コンビニなどで処理券を購入し、回収を依頼するのが一般的です。費用は数百円〜1,000円程度です。
また、自治体によっては「小型家電リサイクル法」の対象品目として、専用の回収ボックスでの回収や、処理施設への持ち込みを受け付けている場合もあります。不燃ごみとして通常のゴミ捨て場に出すと、回収されずに警告シールを貼られて残されることもあるため、必ずお住まいの自治体のホームページやゴミ出しカレンダーで「温水洗浄便座」の区分を確認してください。
水道設備工事の熟練技術者のアドバイス
「新しい便座を購入した際に、販売店が古い便座の下取りや引き取りを行っている場合がありますが、ネット通販の最安値店などでは対応していないことがほとんどです。不用品回収業者に依頼すると数千円〜高いと1万円近く請求されることもあるため、自治体の粗大ごみ回収を利用するのが最もコストパフォーマンスが良い方法です。取り外した便座からは水が垂れてくることがあるので、大きなビニール袋に入れて保管・搬出しましょう。」
ウォシュレットに関するFAQ
最後に、よくある質問にお答えします。疑問を解消して、安心してDIYに取り組んでください。
Q. 賃貸住宅でも勝手に交換していいですか?
賃貸物件の場合、備え付けの設備は大家さんや管理会社の所有物です。勝手に交換すると契約違反になる可能性があります。ただし、「壊れたので自費で交換したい」「今の便座には洗浄機能がないので取り付けたい」と相談すれば、許可されるケースがほとんどです。重要なのは、退去時に元の状態に戻す「原状回復」の義務があるかどうかです。取り外した元の便座や部品は絶対に捨てずに保管しておき、退去時に元に戻せるようにしておく必要があります。必ず事前に管理会社へ確認を入れましょう。
Q. 必要な工具は100均で揃いますか?
プラスドライバーやマイナスドライバーは100円ショップのものでも十分使えます。しかし、モンキーレンチに関しては、100円ショップで売られているものはサイズが小さかったり(最大開口幅が足りない)、精度が悪くてガタつきが大きかったりすることがあります。水回りのナットは23mm〜25mm程度の大きさがあるため、最大口開きが25mm以上ある、ホームセンターで売られている1,000円前後のしっかりしたモンキーレンチを用意することを強くお勧めします。
Q. 業者に依頼した場合の工事費相場は?
自分でやるのが不安になった場合、プロに依頼するとどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
標準的な交換工事費の相場は、以下の通りです。
- ネットで購入した製品の取り付けのみ依頼:8,000円〜15,000円
- 製品購入+工事セット:製品代 + 5,000円〜10,000円
- 古い便座の処分費:1,000円〜3,000円
水道設備工事の熟練技術者のアドバイス
「もし、止水栓が錆びついていて全く回らない、給水管の取り回しが複雑で自信がない、といった場合は、無理をせずプロに頼むのが正解です。無理に作業をして配管を破損させると、修理費が数万円に跳ね上がります。『止水栓が回るか』『工具が使えるスペースがあるか』この2点が、DIYかプロ依頼かの判断ラインです。」
まとめ:正しい知識があればDIY交換は怖くない!
ここまで、温水洗浄便座の選び方から交換手順までを解説してきました。DIYでの交換は、一見難しそうに見えますが、ポイントさえ押さえれば決して危険な作業ではありません。
重要なのは以下の3点です。
- 購入前に便器のサイズとタンク位置を確実に測り、適合する製品を選ぶこと。
- 作業中はパッキンの入れ忘れや、ナットの斜め締めに細心の注意を払うこと。
- 設置後、時間を置いてからの水漏れチェックを怠らないこと。
自分で交換すれば、工賃の1万円前後を節約できます。その浮いたお金で、ワンランク上の機能を持った快適な機種を選ぶのも賢い選択です。ぜひ、この記事を参考に、快適で清潔なトイレ空間をご自身の手で作り上げてください。
DIY交換最終チェックリスト
- [ ] 便器サイズ(エロンゲート/レギュラー)・タンク位置の適合確認は済んだか?
- [ ] 止水栓はマイナスドライバーで閉まるタイプか?(固着していないか)
- [ ] 適切なサイズのモンキーレンチは用意したか?
- [ ] パッキンは古いものを剥がし、新しいものを正しく入れたか?
- [ ] 交換後の水漏れ確認(接続部をティッシュで拭く)を30分後に行ったか?
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