「家で作るもつ鍋は、なぜかお店のような濃厚なコクが出ない」「野菜が水っぽくなってしまい、味がぼやけてしまう」
そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。実は、もつ鍋の味の完成度は、スープのレシピ以上に「具材の選び方」と「投入する順序」で9割が決まります。たとえスーパーで買った手頃なホルモンであっても、それぞれの野菜が持つ「役割」を正しく理解し、プロが実践する手順で鍋の中に構築していけば、家庭でも専門店の味を完全再現することは十分に可能です。
本記事では、博多の中洲で長年厨房に立ち続けた元もつ鍋店長の私が、以下の3点を中心に徹底解説します。
- 元店長が厳選!もつ鍋の旨みを引き上げる「定番具材」の黄金比と役割
- マンネリ解消!意外と合う「変わり種具材」おすすめランキングと相性
- 鍋の中で旨みの層を作る、プロ直伝の「具材投入ルール」と火加減
週末の食卓が、まるで博多の名店に変わる体験をお約束します。ぜひ、この記事を読みながら準備を進めてみてください。
もつ鍋を「専門店の味」にするための基礎知識と定番具材
もつ鍋における具材選びで最も重要なことは、それぞれの食材を単なる「食べる具」としてだけでなく、「スープを育てる出汁の一部」として捉えることです。専門店では、すべての具材が計算されたバランスで共存し、煮込むほどにスープが完成形へと近づくように設計されています。
ここでは、失敗しないための「基本の型」となる定番具材について、プロの視点で深掘りしていきます。これさえ揃えれば間違いない、という鉄板のラインナップです。
元もつ鍋店長のアドバイス
「もつ鍋における『野菜』は、単に栄養を摂るための付け合わせではありません。キャベツは甘みを出す調味料であり、ごぼうは土台となる出汁、ニラは香りのスパイスです。これらが一体となって初めて『もつ鍋』という料理が完成します。どれか一つ欠けても、あのパンチのある味にはなりません」
【三種の神器】キャベツ・ニラ・ごぼうが絶対に必要な理由
もつ鍋において、キャベツ、ニラ、ごぼうの3つは「三種の神器」とも呼べる絶対不可欠な存在です。これらを外してはもつ鍋は成立しません。
まずキャベツです。キャベツは加熱することで強い甘みを出し、塩分や醤油の角が立ったスープをまろやかに中和する役割を果たします。また、物理的な役割として「落とし蓋」の効果もあります。鍋全体を覆うように大量のキャベツを乗せることで、下にある「もつ」や「ごぼう」を蒸し焼き状態にし、旨みを逃さず凝縮させるのです。選ぶ際は、葉が柔らかく水分が多い「春キャベツ」よりも、葉が肉厚で煮崩れしにくい「寒玉(冬キャベツ)」の方が、食感が残りやすく甘みも強いため、もつ鍋には適しています。
次にニラです。ニラ特有の香り成分である「アリシン」は、もつの動物性脂肪のしつこさを中和し、食欲を刺激する重要なアクセントになります。見た目の彩りだけでなく、スープに溶け出したアリシンがビタミンB1の吸収を助け、疲労回復効果も期待できるため、スタミナ食としてのもつ鍋には欠かせません。葉先までピンとハリがあり、緑色が濃いものを選びましょう。
そして、意外と軽視されがちなのがごぼうです。博多もつ鍋において、ごぼうは影の主役です。ごぼうに含まれる土の香りとポリフェノールが、もつの独特なクセをマスキングし、スープに深みのあるコクを与えます。ごぼうが入っていないもつ鍋は、単なる「ホルモン入り野菜スープ」になってしまうと言っても過言ではありません。泥付きのごぼうを選び、皮の香りを活かすことがポイントです。
【風味の要】ニンニク・唐辛子(鷹の爪)の適量と種類の選び方
ベースとなる野菜が決まったら、次は味の輪郭を作る香味野菜です。ニンニクと唐辛子は、単なる薬味ではなく、スープの味を決定づける主要具材として扱います。
ニンニクは、チューブ入りのすりおろしではなく、必ず「生のスライス」を使用してください。スープに溶け込む速度と香りの立ち方が全く異なります。薄くスライスされた乾燥チップも便利ですが、生のニンニクを包丁でスライスした直後のフレッシュな香りは、脂の甘みと混ざり合うことで強烈な旨みへと変化します。目安としては、2〜3人前で2〜3片(約20g〜30g)と、少し多いかな?と思うくらいの量を入れるのが専門店流です。
唐辛子(鷹の爪)は、味を引き締める役割を担います。脂の多いもつ鍋は、食べ進めるとどうしても味が重くなりがちですが、唐辛子のカプサイシンによるピリッとした辛味が、口の中をリセットさせ、次の一口を誘います。輪切りタイプが一般的ですが、辛さを抑えて風味だけを楽しみたい場合は、種を取り除いたホール(一本そのまま)を入れるのもおすすめです。韓国産の唐辛子は甘みがあり色が鮮やかで、国産の鷹の爪はシャープな辛味が特徴です。好みに合わせて使い分けましょう。
【食感と箸休め】豆腐・こんにゃくの選び方と水切りの重要性
濃厚なスープの箸休めとして、豆腐とこんにゃくも欠かせません。しかし、これらは水分を多く含む食材であるため、扱いを間違えるとスープを薄めてしまう原因になります。
豆腐は、煮崩れしにくい「木綿豆腐」か、あるいは煮込んでも食感が残る「焼き豆腐」がおすすめです。絹ごし豆腐は口当たりが良いですが、グツグツ煮込むもつ鍋では崩れてスープを濁らせてしまう可能性があります。重要なのは、事前にしっかりと「水切り」を行うことです。キッチンペーパーで包んで重石をするか、電子レンジで軽く加熱して余分な水分を抜いておくことで、その空いた隙間に濃厚なスープが染み込み、味がぼやけるのを防げます。
こんにゃくを入れる場合は、表面積を増やして味を染み込みやすくするために、包丁ではなくスプーンや手でちぎるのが鉄則です。また、独特の石灰臭を取り除くため、必ず下茹でしてから鍋に投入しましょう。黒こんにゃくよりも、臭みの少ない白こんにゃくや、糸こんにゃく(しらたき)を選ぶと、他の具材との馴染みが良くなります。
メイン食材「もつ(ホルモン)」の選び方|シマチョウとマルチョウの違い
もつ鍋の主役である「もつ(ホルモン)」選びは、最終的な満足度を左右する最大の要因です。スーパーや精肉店で見かける主な部位には「シマチョウ(大腸)」と「マルチョウ(小腸)」がありますが、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
シマチョウ(大腸・テッチャン)は、厚みのある皮と適度な脂身が特徴です。表面に縞模様が入っていることからその名がつきました。噛みごたえがあり、脂の甘みとホルモン特有の旨味のバランスが良いため、脂っこすぎるのが苦手な方や、食感を楽しみたい方におすすめです。下処理がしっかりされていないと臭みが残りやすい部位でもあります。
マルチョウ(小腸・コプチャン)は、もつ鍋において最もポピュラーな部位です。筒状のまま、あるいは開いて提供されますが、たっぷりとついたプルプルの脂身が最大の特徴です。この脂がスープに溶け出すことで、もつ鍋特有の濃厚でクリーミーなコクが生まれます。「もつ鍋=脂の甘み」と考えるなら、迷わずマルチョウを選びましょう。特に国産牛の小腸は、脂の融点が低く、口の中でサラッと溶ける上品な甘みを持っています。
▼詳細:部位別もつ鍋適性マップ(脂の量×食感)
| 部位 | 別名 | 脂の量 | 食感(皮) | もつ鍋適性 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小腸 | マルチョウ コプチャン |
★★★★★ (非常に多い) |
★★☆☆☆ (柔らかい) |
最適 | 脂の甘みを堪能する王道部位。濃厚なスープを作りたいならこれ一択。 |
| 大腸 | シマチョウ テッチャン |
★★★☆☆ (適度) |
★★★★☆ (歯応えあり) |
適している | 脂と食感のバランスが良い。あっさり派や、噛む旨みを楽しみたい人向け。 |
| 赤センマイ | ギアラ | ★★★☆☆ (適度) |
★★★★★ (硬め) |
好みによる | 濃厚な旨味があるが、硬いため隠し包丁が必要。煮込みに向く。 |
| ハツ | 心臓 | ★☆☆☆☆ (少ない) |
★★★☆☆ (サクサク) |
アクセント | 脂は少ないが、サクッとした食感がアクセントになる。ミックスホルモンによく含まれる。 |
【技術編】具材のポテンシャルを120%引き出す「プロの下ごしらえ」
同じ具材を使っても、プロが作るもつ鍋と家庭で作るもつ鍋で味が異なるのは、実は「切り方」や「下処理」のほんの少しの差に理由があります。ここでは、私が厨房で実践していた、具材のポテンシャルを最大限に引き出すための技術を公開します。
「たかが切り方」と思うかもしれませんが、スープの絡み方や火の通り方が劇的に変わります。ぜひ試してみてください。
キャベツは包丁を使わない?「手ちぎり」がスープを絡ませる秘訣
多くの方がキャベツを包丁でざく切りにしていますが、もつ鍋においては「手でちぎる」のが正解です。これは単なるパフォーマンスではありません。
包丁で切った断面はスパッと平滑になりますが、手でちぎると断面が複雑に毛羽立ち、凹凸が生まれます。この凹凸が表面積を増やし、スープをしっかりとキャッチしてくれるのです。また、繊維を断ち切る方向がランダムになるため、煮込んだ時に味が染み込みやすくなり、口当たりも柔らかくなります。
元もつ鍋店長のアドバイス
「修行時代、忙しい時に包丁でキャベツを切っていたら、親方に『手でちぎれ!』と怒られたことがあります。最初は精神論かと思いましたが、食べ比べてみて驚きました。手ちぎりのキャベツは、スープと一体化するんです。一口大より少し大きめ、5cm〜6cm角くらいに豪快にちぎるのがポイントです」
ごぼうは「ささがき」一択!アク抜きしすぎ厳禁の理由
ごぼうは、繊維を断ち切るように薄く削ぐ「ささがき」にします。こうすることで、短時間で火が通り、ごぼうの香りがスープ全体に広がりやすくなります。厚切りの乱切りなどでは、ごぼう自体の主張が強すぎてしまい、他の一体感を損ねてしまいます。
そして重要なのが「水さらし(アク抜き)」の時間です。通常、ごぼうは変色を防ぐために水にさらしますが、もつ鍋の場合は「サッと水にくぐらせる程度」、あるいは「あえてさらさない」のがプロの技です。ごぼうのアクと呼ばれる成分は、実はポリフェノールや旨み成分そのものです。これを水に流してしまうと、もつの臭みを消す効果も弱まってしまいます。泥を落としたら、そのまま鍋へ投入するくらいの気持ちで丁度良いのです。
ニラは「5cm幅」がベスト|食感と香りを最大化する切り方
ニラは短すぎると煮込んだ時に行方不明になり、長すぎると食べにくく、歯に挟まりやすくなります。試行錯誤の末にたどり着いたベストな長さは「5cm幅」です。
この長さであれば、箸でつかんだ時に適度なボリューム感があり、キャベツやもつと一緒に口に入れた時のバランスが絶妙です。また、根元の白い部分は糖度が高く香りが強いので、捨てずに必ず使いましょう。ただし、葉先よりも火が通りにくいため、切り分けた後に根元と葉先を分けておき、根元の方を先にスープに浸る位置に配置するなどの工夫をすると、より丁寧に仕上がります。
スーパーのもつを劇的に美味しくする「湯通し」のひと手間
精肉店で朝挽きの新鮮なホルモンが手に入るならそのまま入れても構いませんが、スーパーでパック詰めされたホルモンを使う場合は、必ず「湯通し(下茹で)」を行ってください。パックの中で時間が経過したホルモンには、特有の臭みや酸化した脂が付着しています。これをそのまま鍋に入れると、スープ全体が生臭くなってしまいます。
ただし、茹で過ぎは厳禁です。旨みである脂まで抜け落ちてしまい、ゴムのような食感になってしまいます。以下の手順で、秒単位の湯通しを行ってください。
▼詳細:臭みを消して脂を残す、絶妙な湯通し手順
このひと手間で、スープの透明度と旨みの純度が格段に上がります。
- たっぷりの湯を沸かす:鍋にたっぷりの水を入れ、沸騰させます。湯量が少ないと温度が下がり、臭みが出やすくなります。
- お酒を入れる:沸騰したら、日本酒または料理酒をお玉1杯程度入れます。アルコールが臭みを共沸させて飛ばしてくれます。
- もつを投入し、15秒〜30秒数える:もつを入れたら、すぐに箸でほぐします。表面の色が白っぽく変わったら、再沸騰を待たずにザルにあげます。
- 水気を切る:ザルにあげたもつは、水で洗わずにそのまま水気を切ります。余熱で少し火が入るくらいで丁度良いです。
※茹で過ぎると脂(旨み)が抜けるので、あくまで「表面の汚れと臭いを洗う」感覚で行ってください。
失敗しない!旨みの相乗効果を生む「具材の投入順序」
具材の準備ができたら、いよいよ鍋への投入です。ここで多くの人がやりがちな失敗が、「全ての具材を最初から鍋に入れて煮込んでしまう」ことです。これでは、ニラは色あせ、キャベツは溶け、もつは硬くなってしまいます。
もつ鍋は、具材を入れる順番によってスープの中に「旨みのレイヤー(層)」を作っていく料理です。プロは以下の4ステップで、完璧な状態を作り上げます。
ステップ1:土台作り|スープと「ごぼう・もつ」を最初に煮込む
まず、鍋にスープを入れ、火にかける前に「ごぼう」と、下処理を済ませた「もつ」を入れます。これが第一層、旨みの土台となります。
ごぼうともつを水(スープ)の状態から入れて加熱することで、徐々に温度が上がる過程で良い出汁が出ます。沸騰してから入れると、タンパク質が急激に固まり、旨みが中に閉じ込められてスープに出にくくなるためです。まずはこの2つだけで一煮立ちさせ、スープにもつの脂とごぼうの香りを移します。
ステップ2:蒸し焼き|「キャベツ」で蓋をして旨みを閉じ込める
スープが沸騰し、もつに火が通ってきたら、次は「キャベツ」の出番です。ここでは、鍋のスープが見えなくなるくらい、山盛りにキャベツを投入します。
このキャベツが「蓋」の役割を果たします。キャベツの下で対流する蒸気とスープが、もつをふっくらと蒸し上げます。また、キャベツ自体も蒸されることで甘みが引き出されます。この段階ではまだ混ぜてはいけません。じっと我慢して、キャベツがしんなりとしてカサが減ってくるのを待ちます。
ステップ3:仕上げ|「ニラ・ニンニク・唐辛子」は食べる直前に
キャベツがしんなりとしてスープに沈んできたら、いよいよ仕上げです。キャベツの上に、ニラを整列させて並べ、その上にスライスニンニクと唐辛子、お好みですりゴマをトッピングします。
この状態で強火にし、一気に煮立たせます。ニラは火が通りやすいので、予熱とスープを少しかける程度で十分に食べられます。食卓に出す直前、あるいは食べる直前にこの工程を行うことで、ニラの鮮やかな緑色とシャキシャキ感、ニンニクの強烈な香りを最高の状態で楽しむことができます。
元もつ鍋店長のアドバイス
「ニラを最初からグツグツ煮込むと、色が茶色く変色し、香りも飛んで台無しになります。ニラは『食べる直前の飾り付け』くらいの感覚で扱ってください。お客様の目の前でニラにスープをかけ、しなっとなった瞬間が食べごろの合図です」
ステップ4:追撃|野菜が減ってきたら「追い野菜」をするタイミング
もつ鍋の醍醐味は、煮詰まって濃厚になったスープで食べる野菜です。最初に投入した野菜がなくなってきたら、遠慮なく「追い野菜」をしましょう。
タイミングとしては、スープが半分くらいになり、味が濃くなってきた頃がベストです。新しいキャベツやニラを入れることで、野菜から出る水分がスープの濃さを調整し、再び丁度よい塩梅に戻してくれます。このサイクルを繰り返すことで、最後まで飽きずに食べ続けることができます。
脱マンネリ!意外と合う「変わり種具材」おすすめランキングTOP10
定番の具材で基本の味を楽しんだ後は、少し冒険してみませんか?「もつ鍋にこれを入れるの?」と驚かれるかもしれませんが、実は相性抜群な変わり種具材をご紹介します。マンネリ解消や、ホームパーティーでの話題作りに最適です。
第1位:餃子の皮・ワンタンの皮(とろける食感が絶品)
堂々の第1位は「餃子の皮」です。具を包まず、皮だけをしゃぶしゃぶのようにスープにくぐらせて食べます。
数秒〜数十秒煮込むと、皮がスープを吸ってトゥルンとした食感になり、まるで極上のワンタン麺を食べているような感覚になります。濃厚な脂のスープと炭水化物の相性は言わずもがな。安価で手に入り、子供から大人まで大人気になること間違いなしの食材です。
筆者の体験談
「現役時代、賄いでもつ鍋をする時に、たまたま余っていた餃子の皮を入れてみたのがきっかけでした。スタッフ全員が『これ、もつより美味いんじゃないか?』と絶賛し、一瞬で鍋から消えました。以来、個人的なもつ鍋には必ず用意しています」
第2位:油揚げ・厚揚げ(スープを吸ってジューシーに)
第2位は油揚げや厚揚げです。これらは元々「出汁を吸う」ために存在するような食材です。もつ鍋の濃厚な脂と旨みが溶け込んだスープをスポンジのように吸い込み、噛んだ瞬間にジュワッと口の中に溢れ出します。
特に、表面を軽く炙った厚揚げを入れると、香ばしさがプラスされて非常に美味です。豆腐よりも崩れにくいため、長時間煮込む鍋パーティーにも向いています。
第3位:明太子(博多風アレンジの決定版)
第3位は、もつ鍋と同じく博多名物の「明太子」です。仕上げに生の明太子をトッピングしたり、ほぐしてスープに溶かしたりします。
明太子のピリッとした辛味と塩気がスープに加わり、味が劇的に変化します。特に味噌味のスープとの相性は抜群で、スープがピンク色に染まり、見た目にも華やかになります。シメの雑炊まで明太子の粒々感が残り、最後まで楽しめます。
第4位〜6位:食感と風味のアクセント
- 第4位:キノコ類(エノキ・シメジ)
食物繊維が豊富で、もつの脂の吸収を穏やかにしてくれます。特にエノキのシャキシャキした食感は、柔らかいもつとのコントラストが良いアクセントになります。 - 第5位:ささがきネギ(白髪ネギ)
ニラの代わりに、あるいはニラと一緒に入れると、よりシャープな辛味と清涼感が加わります。脂っこさをリセットしたい時におすすめです。 - 第6位:くずきり・マロニー
春雨よりも太く、コシのあるくずきりは、スープを吸っても伸びにくいため鍋向きです。透明な麺が脂をまとい、ツルツルといくらでも食べられます。
第7位〜10位:トマト・チーズほか洋風アレンジ具材
醤油味や味噌味に飽きたら、洋風アレンジも試してみましょう。
- 第7位:トマト(酸味が脂をさっぱりさせる。特に味噌味に合う)
- 第8位:チーズ(とろけるチーズを仕上げに。コクが倍増)
- 第9位:キムチ(豚キムチならぬ、もつキムチ鍋に。発酵食品同士の相性は抜群)
- 第10位:柚子胡椒(具材というより薬味ですが、途中で味変するなら最強のアイテム)
| 具材 | 醤油スープ | 味噌スープ | 塩スープ |
|---|---|---|---|
| 餃子の皮 | ◎ | ◎ | ◯ |
| 油揚げ | ◎ | ◯ | ◎ |
| 明太子 | △ | ◎ | ◯ |
| トマト | ◯ | ◎ | ◎ |
| チーズ | △ | ◎ | △ |
最後の1滴まで楽しむ!もつ鍋の「シメ(締め)」バリエーション
もつ鍋の楽しみは、具材を食べ終えた後にこそあります。野菜ともつの旨みがすべて溶け出したスープは、まさに黄金の液体。これを余すことなく堪能するための「シメ」をご紹介します。
定番中の定番「ちゃんぽん麺」|煮込んでもコシが残る太麺の魅力
博多もつ鍋のシメといえば、間違いなく「ちゃんぽん麺」です。うどんや中華麺ではなく、なぜちゃんぽん麺なのか。それは「煮崩れしにくさ」と「スープとの絡み」に理由があります。
ちゃんぽん麺は、かんすいを使った太麺で、煮込んでもコシが残りやすい特徴があります。また、麺自体にほのかな甘みがあり、濃厚なスープを吸っても味が濃くなりすぎず、バランス良く食べられます。そのまま入れても良いですが、一度別鍋でサッと茹でてから入れるか、冷凍麺を解凍して入れると、スープの温度を下げずに済みます。
旨みを吸い尽くす「雑炊・リゾット」|卵とネギでふわとろに
スープを一滴も残したくないなら、ご飯を入れて雑炊にするのが一番です。ご飯が水分を吸い、お粥状になることで、旨みを余すことなく胃袋に収めることができます。
ポイントは、ご飯を入れる前にスープの量を調整すること。多すぎるとシャバシャバになり、少なすぎると焦げ付きます。ご飯がひたひたになる程度が目安です。仕上げに溶き卵を回し入れ、火を止めて蓋をして1分蒸らせば、ふわとろの雑炊が完成します。味噌味のスープなら、チーズと黒胡椒を加えてリゾット風にするのも絶品です。
まさかの変化球「パスタ・うどん」の活用法
変わり種として、パスタやうどんも選択肢に入ります。特にトマトやチーズを入れた洋風アレンジの後には、パスタ(特にフェットチーネなどの平打ち麺)がよく合います。
うどんは、冷凍うどんを使うのが手軽で美味しいです。コシが強く、煮込んでもドロドロになりにくいので、ちゃんぽん麺がない場合の代用としても優秀です。
元もつ鍋店長のアドバイス
「シメを作る前に、鍋の表面に浮いている脂をどうするか迷う方がいます。プロの見解としては、『半分取る』のがおすすめです。全ての脂を取ると旨みがなくなりますが、残しすぎるとシメとしては重たくなります。お玉ですくって、適度に残すのが美味しく食べるコツです」
もつ鍋の具材に関するよくある質問(FAQ)
最後に、もつ鍋を作る際によく寄せられる質問に、一問一答形式でお答えします。
Q. もつ鍋に「白菜」を入れてもいいですか?
A. 基本的にはおすすめしませんが、入れるなら工夫が必要です。
白菜はキャベツに比べて水分量が非常に多く、煮込むと大量の水が出てスープが薄まってしまいます。もつ鍋特有の濃厚なパンチが失われ、水っぽい鍋になりがちです。どうしても入れたい場合は、スープの味を濃いめに設定するか、白菜の芯の部分を避けて葉の部分だけを使うようにしましょう。
Q. もつ以外の肉(豚バラ・鶏肉)を入れる場合のおすすめは?
A. 豚バラ肉が最も相性が良いです。
もつが苦手な方や、ボリュームを足したい場合は、豚バラ肉の薄切りを加えましょう。豚バラの脂はもつの脂と性質が近く、スープのコクを損ないません。鶏肉を入れる場合は、もも肉を小さめに切って入れると、良い出汁が出ます。ソーセージや肉団子も、お子様向けには喜ばれます。
Q. 野菜の量は、もつ200gに対してどれくらいが目安?
A. キャベツ半玉(約500g〜600g)、ニラ1束(約100g)が目安です。
「えっ、そんなに?」と思われるかもしれませんが、キャベツは火を通すとカサが激減します。もつの脂を受け止めるためには、これくらいの野菜の量がバランスとして最適です。
元もつ鍋店長のアドバイス
「私が推奨する黄金比は、重量比で『もつ1:キャベツ3:ニラ0.5』です。もつ200gならキャベツ600g。これを目安に買えば、野菜不足になることも、余りすぎることもありません」
Q. 余った具材の活用レシピはありますか?
A. 野菜炒めや焼きうどんに転用するのがおすすめです。
中途半端に余ったキャベツ、ニラ、もつは、そのままフライパンで炒めて「ホルモン野菜炒め」にすると最高のおかずになります。もつ鍋のスープの素が少し余っていれば、それをタレとして使うと味が決まります。
まとめ:最高の具材と手順で「おうちもつ鍋」を極めよう
もつ鍋は、単に具材を煮込むだけの料理ではありません。それぞれの具材が持つ「役割」を理解し、正しい「下ごしらえ」と「投入順序」を守ることで、家庭のキッチンでも驚くほど本格的な味を作り出すことができます。
今回ご紹介したポイントを振り返りましょう。
- 三種の神器:キャベツ、ニラ、ごぼうは必須。それぞれの役割(甘み、香り、土台)を意識する。
- 下ごしらえ:キャベツは手でちぎり、ごぼうはアクを抜きすぎず、もつはサッと湯通しする。
- 投入順序:ごぼうともつで出汁を取り、キャベツで蓋をして蒸し、ニラは食べる直前に乗せる。
- 楽しみ方:餃子の皮などの変わり種や、ちゃんぽん麺でのシメまでフルコースで堪能する。
今度の週末は、ぜひスーパーで新鮮なホルモンと野菜を買い込み、ご家族や友人と「極上のおうちもつ鍋」を楽しんでみてください。「これ、本当にお家で作ったの?」という驚きの声が聞けるはずです。
スーパーでの買い忘れ防止!具材チェックリスト
買い物に行く際は、このリストをスクリーンショットして活用してください。
- 牛もつ(シマチョウまたはマルチョウ)※1人前100g〜150g目安
- キャベツ(春玉より寒玉推奨)
- ニラ(葉先がピンとしているもの)
- ごぼう(泥付きがベスト)
- ニンニク(生のもの)
- 鷹の爪(輪切りまたはホール)
- 豆腐(木綿または焼き豆腐)
- ちゃんぽん麺(シメ用)
- 餃子の皮、油揚げなどの変わり種(お好みで)
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