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【公認心理師解説】心理検査とは?種類や費用、大人の発達障害がわかる検査を徹底解説

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「仕事で同じようなミスばかり繰り返してしまう」

「周りの空気が読めず、対人関係でいつもつまずいてしまう」

「自分はどこか他の人と違うのではないか?」

社会生活を送る中で、このような漠然とした「生きづらさ」を感じていませんか? もしかすると、その悩みはあなたの努力不足や性格の問題ではなく、生まれ持った脳の特性や情報処理の偏りに原因があるかもしれません。

結論から申し上げますと、心理検査は、あなたの「性格」や「能力の偏り」を客観的な数値やデータで明らかにする、いわば心の「取扱説明書」を作るための専門的なツールです。

雑誌やインターネット上の「心理テスト」や「占い」とは異なり、医学的・統計学的な根拠に基づいて設計されており、医療機関では医師の診断を補助する重要な資料として扱われます。

この記事では、現役の公認心理師である筆者が、以下の3点を中心に心理検査の全貌を徹底的に解説します。

  • 心理検査で具体的に何がわかるのか(大人の発達障害、IQ、性格傾向など)
  • 代表的な検査の種類(WAIS-IV、ロールシャッハテスト等)と具体的な内容
  • 検査を受けられる場所、費用相場、受検から結果活用までの流れ

ご自身の特性を正しく理解することは、決して怖いことではありません。それは、自分を責める日々を終わらせ、自分らしく生きるための具体的な対策を立てるための第一歩なのです。

  1. 心理検査とは?受ける目的と「心理テスト」との決定的な違い
    1. 心理検査の定義と3つの主な目的(診断補助・自己理解・治療方針)
    2. 雑誌の「心理テスト」やネット診断と何が違うのか?(標準化と信頼性)
  2. 【目的別】代表的な心理検査の種類とわかること
    1. 知能検査:得意・不得意のバランスを知る(WAIS-IVなど)
    2. 人格検査(質問紙法):性格の傾向やストレス状態を知る(MMPI、YGなど)
    3. 人格検査(投影法):無意識の深層心理を探る(ロールシャッハ、バウムテストなど)
    4. 発達障害のスクリーニング検査(AQ、CAARSなど)
  3. 大人の発達障害(ADHD/ASD)と心理検査の活用事例
    1. 「仕事のミスが多い」「対人関係が疲れる」…検査で何が見えてくる?
    2. 【事例紹介】検査結果を生活や仕事にどう活かすか
  4. 心理検査はどこで受けられる?費用と保険適用について
    1. 医療機関(精神科・心療内科):保険適用になる条件とは
    2. カウンセリングルーム・大学相談室:自費診療のメリット・デメリット
    3. 費用相場の目安(保険適用3割負担の場合 vs 自費の場合)
  5. 申し込みから結果判明までの具体的な流れ
    1. ステップ1:問診・インテーク面接(医師の指示)
    2. ステップ2:検査実施(所要時間や当日の服装・持ち物)
    3. ステップ3:フィードバック面接(結果報告書の受け取り方)
  6. 心理検査に関するよくある質問(FAQ)
    1. Q. 検査を受けるのに事前勉強や準備は必要ですか?
    2. Q. 検査中に答えられない問題があると、知能が低いということですか?
    3. Q. 検査結果は就職活動や会社への提出に義務付けられますか?
  7. まとめ:心理検査は「自分らしく生きる」ためのツールです
    1. 心理検査を受ける前のチェックリスト & 病院選びのポイント

心理検査とは?受ける目的と「心理テスト」との決定的な違い

まず、「心理検査」という言葉を聞いて、どのようなものをイメージされるでしょうか。インターネット上で気軽にできる性格診断や、雑誌の裏表紙にあるような占いを想像される方も多いかもしれません。

しかし、医療や福祉、教育の現場で行われる「心理検査」は、それらとは明確に一線を画すものです。ここでは、専門的な視点から心理検査の定義と目的、そして一般的な心理テストとの違いについて詳しく解説します。

心理検査の定義と3つの主な目的(診断補助・自己理解・治療方針)

心理検査(Psychological Testing)とは、個人の心理的な特徴、能力、状態を、標準化された手続きを用いて客観的に測定・評価する方法のことです。専門的なトレーニングを受けた公認心理師や臨床心理士、医師によって実施されます。

心理検査を受ける目的は、大きく分けて以下の3つに集約されます。

1. 診断の補助(アセスメント)
精神科医療において、医師が診断を下すための客観的な材料を提供します。例えば、「うつ病」のように見えても、その背景に「発達障害(ADHDやASD)」が隠れている場合があります。問診だけでは見えにくい認知機能(脳の働き方)の偏りを検査で可視化することで、誤診を防ぎ、より正確な診断につなげることができます。

2. 自己理解と特性の把握
自分自身の得意なこと(強み)と苦手なこと(弱み)を客観的に知ることができます。「なぜか仕事がうまくいかない」という悩みに対して、「聴覚的な情報の処理が苦手」や「同時に複数のことを処理するのが苦手」といった具体的な理由が明らかになります。理由がわかることで、無闇に自分を責めることが減り、自己肯定感の回復につながります。

3. 治療方針や支援計画の策定
個人の特性に合わせて、どのような治療や支援が効果的かを検討するために用いられます。例えば、言葉で説明するよりも図解した方が理解しやすいタイプの方には、カウンセリングでも視覚的な資料を多用するといった工夫が可能です。就労支援の現場では、適職を見つけたり、職場環境を調整したりするための根拠データとして活用されます。

雑誌の「心理テスト」やネット診断と何が違うのか?(標準化と信頼性)

私たちが普段、臨床の現場で実施している「心理検査」と、一般的に楽しまれている「心理テスト」の最大の違いは、「標準化(Standardization)」されているかどうかにあります。

標準化とは、数千人単位のデータを収集し、統計学的な処理を行って、「平均的な人がどのくらいのスコアを取るか」という基準(規範)が確立されていることを指します。これにより、あなたの結果が「集団の中でどの位置にあるか」を客観的に比較することが可能になります。

また、心理検査には以下の2つの科学的要件が求められます。

  • 信頼性(Reliability): いつ、誰が実施しても、同じような結果が得られる安定性があること。
  • 妥当性(Validity): 測定したいものを正しく測定できていること(例:知能を測る検査で、本当に知能が測れているか)。

一方、雑誌やネットの心理テストは、これらの統計的な裏付けが必ずしも十分ではありません。あくまでエンターテインメントとして楽しむものであり、個人の能力や性格を断定する根拠にはなり得ないのです。

現役公認心理師のアドバイス
「検査結果は『通知表』ではなく『地図』です。良い点数を取ることが目的ではありませんし、結果が悪かったからといってあなたの価値が下がるわけでもありません。現在のあなたの心の状態や、脳の使い方の癖を示す『地図』を手に入れることで、これからの人生という旅を、より安全に、迷わずに進めるようになることが最大の目的です。どうか、評価されることを恐れずに受検を検討してみてください。」

以下の表に、専門的な心理検査と一般的な心理テストの違いをまとめました。

心理検査と心理テストの違い比較表
項目 専門的な心理検査(Psychological Test) 一般的な心理テスト・占い
主な目的 医療診断の補助、治療方針の決定、能力評価 娯楽、話題作り、軽度の自己分析
根拠 医学・心理学・統計学に基づく(標準化データあり) 独自の理論、経験則、ランダムな要素(標準化なし)
実施者 公認心理師、臨床心理士、医師などの有資格者 誰でも実施可能、自動プログラム
結果の解釈 専門家が総合的に分析し、フィードバックを行う 誰にでも当てはまるような一般的な記述(バーナム効果)
費用 医療機関では保険適用の場合あり(数千円〜) 無料、または書籍代・アプリ課金など

【目的別】代表的な心理検査の種類とわかること

心理検査には数多くの種類があり、知りたい内容や目的に応じて使い分けられます。大きく分けると、「知能検査」「人格検査(質問紙法・投影法)」「神経心理学的検査」などがあります。

ここでは、大人の発達障害の診断や自己分析において頻繁に使用される代表的な検査を紹介します。専門用語も出てきますが、できるだけ平易に解説しますのでご安心ください。

知能検査:得意・不得意のバランスを知る(WAIS-IVなど)

大人の発達障害(ADHDやASD)の診断補助として最も広く使われているのが、ウェクスラー式知能検査です。成人用(16歳〜90歳11ヶ月)のものは「WAIS-IV(ウェイス・フォー)」と呼ばれます。

この検査では、単に「IQ(知能指数)」が高いか低いかを知るだけではありません。全体的なIQ(全検査IQ)に加えて、知能を構成する4つの領域ごとの能力を測定します。

発達障害の傾向がある方の場合、これらの領域間でスコアに大きなばらつき(ディスクレパンシー)が見られることが多く、それが「生きづらさ」の原因になっていることが少なくありません。

▼詳細:WAIS-IV(ウェイス・フォー)で測定できる4つの指標とは?(クリックして展開)

WAIS-IVでは、以下の4つの指標得点(群指数)が算出されます。

  1. 言語理解指標 (VCI):
    言葉の意味を理解する力、知識の量、言葉を使って考えたり表現したりする力です。「語彙力」や「一般的知識」を測ります。ここが高い人は、説明上手で知識豊富な傾向があります。
  2. 知覚推理指標 (PRI):
    視覚的な情報(図形やパズル)を見て状況を把握する力、新しい場面での応用力です。言葉に頼らずに法則性を見つけ出す力とも言えます。ここが高い人は、地図を読むのが得意だったり、デザインセンスがあったりします。
  3. ワーキングメモリー指標 (WMI):
    聴覚的な短期記憶能力と、頭の中で情報を一時的に保持しながら操作する力です。「暗算」や「指示を聞きながら作業する」際に使われます。ここが低いと、長い話を聞き漏らしたり、ケアレスミスが増えたりします。
  4. 処理速度指標 (PSI):
    単純な視覚情報を素早く正確に処理するスピードです。筆記作業の速さや、手先の器用さにも関係します。ここが低いと、仕事が遅いと感じられたり、板書が間に合わなかったりすることがあります。

これらの指標の「凸凹(でこぼこ)」を見ることで、「言葉で聞くより図で見た方が理解しやすい」「じっくり考えるのは得意だが、急かされるとミスをする」といった個人の特性が明確になります。

人格検査(質問紙法):性格の傾向やストレス状態を知る(MMPI、YGなど)

「質問紙法」とは、「はい」「いいえ」などの選択肢で答えるアンケート形式の検査です。実施が比較的容易で、統計的な処理がしやすいため、性格傾向や精神的な健康度を把握するために広く用いられます。

  • MMPI(ミネソタ多面的人格目録):
    550問以上の質問に答える大規模な検査です。性格だけでなく、抑うつ、ヒステリー、偏執性などの病理的な傾向や、心理的な防衛機制などを多角的に測定します。世界的に最も使用されている検査の一つです。
  • YG性格検査(矢田部ギルフォード性格検査):
    120問の質問により、情緒安定性、社会適応性、活動性などの12の性格特性を測定します。就職試験や適性検査などでもよく利用されます。性格を5つの類型(A型〜E型)に分類し、わかりやすく提示します。
  • TEG(東大式エゴグラム):
    交流分析という理論に基づき、心のエネルギー配分を5つの自我状態(批判的な親、養育的な親、大人、自由な子供、順応した子供)に分けてグラフ化します。対人関係のパターンを知るのに役立ちます。

人格検査(投影法):無意識の深層心理を探る(ロールシャッハ、バウムテストなど)

「投影法」は、曖昧な刺激(インクのしみや絵)に対してどう反応するかを見ることで、意識化されていない深層心理や無意識の欲求、葛藤を探る検査です。「正解」がないため、回答を意図的に操作することが難しく、人のより深い部分を理解するのに適しています。

  • ロールシャッハ・テスト:
    左右対称のインクのしみが何に見えるかを答える検査です。思考のまとまり、感情のコントロール力、現実検討能力(現実を正しく捉える力)、対人関係の捉え方などが詳細にわかります。実施と解釈には高度な専門性が求められます。
  • バウムテスト(樹木画テスト):
    1枚の紙に「実のなる木」を描いてもらう検査です。描かれた木の大きさ、位置、枝ぶり、根の様子などから、その人の生命力、自己像、無意識の感情、過去のトラウマなどを読み解きます。
  • SCT(文章完成法):
    「子供のころ私は…」「私が恐れるのは…」といった書き出しに続く文章を自由に記述し、文を完成させる検査です。意識的な価値観や、家族・社会に対する態度が表れやすい検査です。

発達障害のスクリーニング検査(AQ、CAARSなど)

発達障害の特性がどの程度あるかを簡易的に評価するための検査(スクリーニング)もあります。これらは確定診断を行うものではありませんが、診断の補助として重要です。

  • AQ(自閉症スペクトラム指数):
    ASD(自閉スペクトラム症)の傾向を測定する質問紙です。社会的スキル、注意の切り替え、細部への関心などの5つの尺度で評価します。
  • CAARS(カーズ):
    成人のADHD(注意欠如・多動症)の症状を評価する質問紙です。不注意、多動性、衝動性、自己概念などの尺度があり、本人用と観察者用(家族などが回答)があります。

現役公認心理師のアドバイス
「一つの検査だけで人の全てを理解することは不可能です。そのため、臨床現場では複数の検査を組み合わせる『テストバッテリー』という手法をとります。例えば、WAIS-IVで『能力の偏り』を見つつ、ロールシャッハ・テストで『ストレス耐性』を見ることで、『能力はあるけれど、プレッシャーに弱いために実力を発揮できていない』といった立体的な理解が可能になります。どの検査を組み合わせるかは、事前の面接で公認心理師が最適なプランを提案します。」

大人の発達障害(ADHD/ASD)と心理検査の活用事例

「自分は大人の発達障害かもしれない」と悩む方にとって、心理検査は単なるラベル付けではありません。それは、長年の「生きづらさ」の正体を突き止め、具体的な対処法を見つけるための強力なツールとなります。

ここでは、実際にどのような悩みに対して検査が行われ、その結果が生活や仕事にどう活かされたのか、典型的な事例を基に解説します。

「仕事のミスが多い」「対人関係が疲れる」…検査で何が見えてくる?

大人の発達障害の悩みは、職場や家庭での具体的なトラブルとして現れます。しかし、その原因は人によって千差万別です。

例えば、「仕事が遅い」という悩み一つとっても、以下のように原因は異なります。

  • 不注意優勢の場合: 集中力が続かず、他の刺激に気を取られて作業が中断してしまう。
  • 処理速度が遅い場合: 丁寧にやりすぎて時間がかかる、あるいは単純な動作スピードがゆっくりである。
  • 言語理解が低い場合: 指示の内容を正確に理解するのに時間がかかっている。
  • ワーキングメモリーが弱い場合: 手順を覚えられず、何度も確認するために時間がかかる。

心理検査(特にWAIS-IV)を行うことで、これらのどのパターンに当てはまるのか、あるいは複数の要因が絡んでいるのかを特定できます。原因が特定できれば、精神論ではなく、具体的な技術論としての対策が可能になります。

【事例紹介】検査結果を生活や仕事にどう活かすか

ここでは、プライバシーに配慮しつつ、典型的な検査活用事例を2つ紹介します。

事例A:聴覚的短期記憶が弱く、メモ取りが苦手だった会社員のケース

相談内容: 上司からの口頭指示を覚えられず、「さっき言っただろう」と叱責されることが続き、うつ状態になって休職した30代男性。

検査結果(WAIS-IV): 全体的なIQは平均以上でしたが、「ワーキングメモリー指標」が有意に低いことが判明しました。特に「数唱」などの聴覚的な記憶課題が苦手でした。

対策と変化: 自分の記憶力が悪いのではなく、「耳で聞いた情報を保持するタンクが小さい」という特性を理解しました。復職後は、ボイスレコーダーの使用許可を得る、口頭指示はその場でメモを取り復唱確認する、可能な限りメールやチャットで指示をもらうよう依頼する、といった環境調整を行いました。結果、ミスが激減し、自信を取り戻しました。

事例B:曖昧な指示が理解できず、空気が読めないと悩んでいたケース

相談内容: 「適当にやっておいて」「いい感じで頼む」といった曖昧な指示が理解できずフリーズしてしまう。また、雑談に入れず職場で孤立している20代女性。

検査結果(WAIS-IV & AQ): 「言語理解指標」は非常に高いものの、「知覚推理指標」や「処理速度指標」との差が大きく、AQ(自閉傾向)のスコアも高めでした。言葉の定義には厳密ですが、文脈や非言語的なニュアンスを読み取るのが苦手な傾向が示されました。

対策と変化: 曖昧な指示に対しては、「具体的にいつまでに、何を、どの形式で作成すればよいですか?」と具体化して質問するテンプレートを作成しました。また、雑談が苦手なのは「興味の偏り」によるものと割り切り、無理に参加せず、業務上のコミュニケーションを丁寧に行うことに注力しました。「自分はこういう特性だ」と知ることで、過剰な対人緊張が和らぎました。

現役公認心理師のアドバイス
「検査結果を知ることは、『自分は障害者だ』と認めることではありません。それは『諦め』ではなく、『適切な対策のスタート』です。目が悪い人が眼鏡をかけるように、足が悪い人が杖を使うように、脳の特性に合った『道具』や『工夫』を見つけるためのプロセスです。自分の特性を知ることで、今まで自分を苦しめていた『もっと頑張らなきゃ』という呪縛から解放される方がたくさんいらっしゃいます。」

心理検査はどこで受けられる?費用と保険適用について

心理検査を受けたいと思ったとき、どこに行けばよいのか、費用はどれくらいかかるのかは非常に重要な問題です。大きく分けて「医療機関」と「民間のカウンセリングルーム」の2つの選択肢があります。

医療機関(精神科・心療内科):保険適用になる条件とは

精神科や心療内科などの医療機関では、健康保険を適用して検査を受けることができます。ただし、以下の条件があります。

  • 医師が必要と判断した場合のみ: 患者さんが「受けたい」と言っても、医師が「診療上必要ない」と判断すれば保険適用での実施はできません。
  • 診断や治療の一環であること: 単なる自己分析や興味本位での受検は保険適用外となります。

医療機関で受けるメリットは、費用の安さと、診断・治療と直結している点です。デメリットとしては、予約が取りにくいことや、結果のフィードバック時間が短くなりがちな点が挙げられます。

カウンセリングルーム・大学相談室:自費診療のメリット・デメリット

民間のカウンセリングルームや大学の心理教育相談室などでは、自費(全額自己負担)で検査を受けることができます。

  • メリット: 医師の診断がなくても、自分の意思で申し込める場合が多いです。また、時間をかけた丁寧なフィードバックや、詳細な報告書をもらえることが一般的です。
  • デメリット: 費用が高額になります。また、ここで得られた結果を持って医療機関に行っても、必ずしも診断に直結するとは限りません(参考資料としては扱われます)。

費用相場の目安(保険適用3割負担の場合 vs 自費の場合)

具体的な費用の目安は以下の通りです。これらに加えて、初診料や再診料、面接料などが別途かかります。

受検場所別の費用と特徴比較チャート
項目 医療機関(保険適用 3割負担) 民間カウンセリング(自費 10割負担)
WAIS-IV(知能検査) 約1,350円 〜 1,500円 15,000円 〜 30,000円
ロールシャッハ・テスト 約1,350円 〜 1,500円 10,000円 〜 20,000円
質問紙検査(MMPI等) 約240円 〜 840円 3,000円 〜 8,000円
フィードバック面接 通常の診察料に含まれるか、数百円程度 5,000円 〜 10,000円(時間による)
報告書作成費 別途文書料がかかる場合あり(3,000円〜) 検査費用に含まれることが多い
予約の取りやすさ 混雑しており数ヶ月待ちの場合も 比較的予約が取りやすい

※上記はあくまで目安であり、医療機関や施設によって異なります。特に自費診療の場合は施設ごとに価格設定が大きく異なるため、事前の確認が必須です。

申し込みから結果判明までの具体的な流れ

心理検査は、採血のように「その場ですぐ終わって結果が出る」ものではありません。一般的には、申し込みから結果を聞くまで数週間を要します。ここでは、標準的な流れを解説します。

ステップ1:問診・インテーク面接(医師の指示)

まずは医療機関を受診し、医師の診察を受けます。ここで困っている症状や生育歴、現在の生活状況などを伝えます。医師が「診断や治療方針の決定に心理検査が必要」と判断した場合、検査のオーダーが出されます。

公認心理師による予備面接(インテーク面接)が行われることもあります。ここでは、どの検査を組み合わせるか(テストバッテリー)を検討するために、より詳細な情報を聴取します。

ステップ2:検査実施(所要時間や当日の服装・持ち物)

予約した日時に検査を受けます。所要時間は検査の種類によりますが、WAIS-IVなどの知能検査は90分〜120分程度かかることが一般的です。複数の検査を行う場合は、数日に分けることもあります。

当日は、普段通りの服装で構いませんが、眼鏡や補聴器を使用している方は必ず持参してください。体調が悪いと正確な結果が出ないため、前日は十分な睡眠をとりましょう。もし体調が優れない場合は、無理せず日程変更を相談してください。

ステップ3:フィードバック面接(結果報告書の受け取り方)

検査から2〜3週間後に、結果のフィードバック(結果返し)が行われます。検査を実施した公認心理師や、主治医から説明を受けます。

ここでは、単にIQの数値や病名が伝えられるだけではありません。「どのような場面でつまずきやすいか」「どのような工夫をすれば楽になるか」という具体的なアドバイスが含まれます。報告書(所見)が手渡される場合もあれば、口頭説明のみの場合もあります(報告書が必要な場合は、別途文書料がかかることが多いです)。

現役公認心理師のアドバイス
「フィードバック面接は、検査プロセスの中で最も重要な時間です。一方的に説明を聞くだけでなく、『私のこの具体的な悩みは、この結果のどこに関連していますか?』『明日から職場でできる具体的な対策はありますか?』と積極的に質問してください。納得できない点や疑問点をその場で解消することが、検査結果を生活に活かす鍵となります。」

心理検査に関するよくある質問(FAQ)

心理検査を受けるにあたって、患者さんからよく寄せられる質問とその回答をまとめました。不安を解消して、リラックスして検査に臨んでください。

Q. 検査を受けるのに事前勉強や準備は必要ですか?

A. 全く必要ありません。むしろ、予習はしないでください。
心理検査は、学校のテストのように知識を競うものではありません。あなたの「ありのままの状態」を知ることが目的です。事前に問題を調べたり練習したりすると、正確なデータが取れなくなり、あなたに合った適切な支援ができなくなってしまいます。前日はよく寝て、体調を整えるだけで十分です。

Q. 検査中に答えられない問題があると、知能が低いということですか?

A. いいえ、そうではありません。
多くの心理検査(特に知能検査)は、簡単な問題から始まり、徐々に難しくなって、最終的には誰も答えられないような難問になるように設計されています。「どこまでできるか」の限界値を測定するものなので、途中で答えられなくなるのは当たり前のことです。

現役公認心理師のアドバイス
「現場で検査をしていると、答えられない問題に直面した時に『すみません、わかりません…』と非常に申し訳なさそうにされる方がいらっしゃいます。あるいは、焦ってパニックになってしまう方もいます。しかし、私たちは『正解数』だけを見ているのではありません。『わからない時にどう対処するか(粘り強く考えるか、すぐ諦めるか、助けを求めるか)』という行動そのものも、あなたの特性を知るための貴重なデータなのです。ですから、わからない時は堂々と『わかりません』と答えていただいて大丈夫ですよ。」

Q. 検査結果は就職活動や会社への提出に義務付けられますか?

A. 基本的に義務付けられることはありません。
心理検査の結果は、極めて機微な個人情報(要配慮個人情報)です。本人の同意なく、医療機関から企業や学校に結果が伝わることは絶対にありません。

ただし、障害者手帳を取得して障害者雇用枠で就職する場合や、職場に「合理的配慮(業務内容の調整など)」を求める場合には、ご自身の判断で結果の一部を会社に提示することがあります。その場合も、全てを見せる必要はなく、主治医と相談して「配慮してほしいポイント」をまとめた診断書や意見書を提出するのが一般的です。

まとめ:心理検査は「自分らしく生きる」ためのツールです

最後までお読みいただき、ありがとうございます。心理検査について、怖いもの、自分を値踏みするものというイメージから、「自分の取説を作るためのツール」というイメージに変わりましたでしょうか。

改めて、この記事の要点を整理します。

  • 心理検査は、医学的・統計学的な根拠に基づく専門的な測定ツールであり、占いとは異なる。
  • 受ける目的は、診断のためだけでなく、自分の「得意・不得意」を知り、対策を立てることにある。
  • WAIS-IVなどの知能検査では、IQだけでなく、情報処理の癖(凸凹)が詳細にわかる。
  • 結果は「良い・悪い」ではなく、生活や仕事の質を上げるための「地図」として活用する。
  • 医療機関では保険適用が可能だが、医師の指示が必要。自費の場合は予約しやすいが費用がかかる。

もし、あなたが今、「なぜみんなと同じようにできないんだろう」「自分はダメな人間だ」と一人で苦しんでいるなら、ぜひ心理検査を受けることを検討してみてください。それは、決して逃げではありません。

自分の脳の特性を知ることは、自分自身と和解し、これからの人生をより楽に、より自分らしく生きていくための賢い選択です。

現役公認心理師のアドバイス
「受検を迷っている方へ。検査室の扉を叩くのは勇気がいることだと思います。しかし、多くのクライアントさんが、検査後に『もっと早く受ければよかった』『理由がわかってスッキリした』とおっしゃいます。未知の怪物(原因不明の生きづらさ)と戦うのは怖いですが、正体がわかれば対策が立てられます。あなたのその勇気が、より良い未来への第一歩になることを、心から応援しています。」

心理検査を受ける前のチェックリスト & 病院選びのポイント

最後に、スムーズに受検するためのチェックリストを掲載します。これらを整理してから病院を探すと良いでしょう。

  • 目的の明確化: 「発達障害の診断をしてほしい」「仕事のミスの原因を知りたい」「ただ性格を知りたい(この場合は自費)」など、何を一番知りたいですか?
  • 困りごとのメモ: 具体的にどんな場面で困っているか、幼少期はどうだったか、メモにまとめておきましょう。
  • 病院選び: 「臨床心理士」「公認心理師」が在籍しているか、ホームページで確認しましょう。「発達障害外来」や「心理検査可能」と明記されているクリニックがおすすめです。
  • 時間と費用の確認: 予約時に、検査にかかる日数や概算費用を聞いておくと安心です。

あなたが、自分自身の良き理解者となり、心穏やかな日々を過ごせるようになることを願っています。

この記事を書いた人

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