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自然数とは?0を含む?現役数学講師が教える定義と整数の違い【テスト対策】

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「自然数って、結局0は含まれるの?含まれないの?」

数学の勉強を始めたばかりの高校1年生や、受験勉強中の皆さんから、このような質問を毎年数え切れないほど受けます。
結論から申し上げます。日本の高校数学までの範囲において、自然数は「1」から始まる正の整数であり、「0」は含みません。(ただし、大学数学や一部の分野では扱いが異なる場合があります)

この記事では、指導歴20年の現役数学講師である私が、以下の3点を中心に徹底解説します。

  • 自然数の正確な定義と、なぜ学校数学では「0」が含まれないのか
  • 「整数」「有理数」「実数」など、紛らわしい他の数との決定的な違い
  • テストで頻出の「自然数の四則演算」のルールと減点されない記述法

この記事を読み終える頃には、自然数に関するモヤモヤが完全に晴れ、テストで自信を持って解答できるようになっているはずです。それでは、講義を始めましょう。

自然数とは何か?定義と「0」の扱いを完全攻略

まずは、今回のテーマの核心である「自然数とは何か」について、定義を明確にしていきましょう。ここを曖昧にしたまま進むと、後の単元である「集合」や「数列」、「確率」などで必ずつまずくことになります。

数学において定義は「約束事」です。スポーツのルールと同じで、これを知らなければ試合(テスト)になりません。ここでは、教科書的な定義だけでなく、なぜそのように定義されるのかという背景も含めて、記憶に定着するよう詳しく解説します。

自然数の定義=「物を数えるときに使う数」

最も基本的かつ直感的な理解として、自然数(Natural Number)とは、その名の通り「自然に存在する物を数えるときに使う数」と覚えてください。

想像してみてください。目の前にりんごがあるとします。りんごの個数を数えるとき、皆さんはどう数えますか?

「1個、2個、3個……」と数え始めますよね。決して「0個、1個、2個……」とは数え始めないはずです。また、「1.5個」や「-2個」と数えることも、自然な状態ではあり得ません。

このように、人類が言葉を持つ以前から、獲物の数や仲間の数を把握するために「自然発生的に」使われてきた数が自然数です。英語では “Natural Number” と呼ばれ、その頭文字をとって数学の式では N という記号で表されることが多いです。

具体的には、以下の数が自然数に該当します。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 100
  • 100000000(1億)

どんなに大きな数であっても、1ずつ増えていく正の整数であれば、それは自然数です。「物を数えるときに指折り数えられる数」というイメージを、まずは強烈に持ってください。

最も重要な疑問:自然数に「0」は含まれるのか?

さて、ここからが本題であり、多くの生徒が混乱するポイントです。「自然数に0は含まれるのか?」という問いです。

先ほど結論を述べた通り、日本の小学校・中学校・高校の数学教育(文部科学省の学習指導要領)において、自然数に「0」は含みません。

「自然数は1以上の整数である」というのが、テストにおける絶対的な正解です。

なぜ0を含まないのでしょうか。先ほどの「物を数える」という原点に立ち返れば理解しやすくなります。「0」という概念は、実は人類の歴史の中でも比較的最近になって発見された、非常に高度で抽象的な概念です。「何もない状態」を「0という数」として認識することは、自然な感覚というよりも、人工的・発明的な側面が強いのです。

そのため、「自然」な数え上げのスタート地点である「1」からを自然数とし、「0」はそれとは別の特別な数として扱うのが、初等・中等教育における標準的なスタンスとなっています。

したがって、高校の定期テストや大学入試共通テストで「自然数」という言葉が出てきたら、反射的に「1, 2, 3…」と変換してください。ここに「0」を含めてしまうと、場合の数の計算や、数列の項数などで計算が1つずれてしまい、致命的なミスにつながります。

現役数学受験講師のアドバイス
「私が講師になりたての頃、大学数学に慣れ親しんでいたせいで、うっかり生徒に『分野によっては0も自然数だよ』と曖昧に教えてしまい、テストで混乱させてしまった苦い経験があります。
それ以来、受験生には『テスト用紙が配られた瞬間に、自然数は1から!と心の中で唱えろ』と指導しています。特に、マーク模試などで『自然数 n を求めよ』という問題に対し、計算結果で n = 0 が出てきたら、それは不適(間違い)であると即座に判断する材料になります。この判断スピードが合否を分けるのです。」

なぜ「0」を含む場合があるのか?(大学数学・プログラミングとの違い)

しかし、インターネットで検索したり、プログラミングを勉強していたりすると、「自然数は0を含む」という記述に出会うことがあります。これが混乱の元凶です。なぜ定義が揺れているのでしょうか。

実は、数学の専門的な分野(集合論や論理学など)や、フランスなどの一部の国では、0を自然数に含めることが一般的です。また、コンピュータの世界(プログラミング)では、配列のインデックス(番号)を0から数え始めることが多く、0を自然数(非負整数)として扱う方が合理的で都合が良いケースが多々あります。

「何もない(空集合)」を「0」として定義の基礎に置くことで、数式や理論の構築が美しくなるという数学的な美学や利便性がそこにはあります。

▼補足:国や分野による定義の違い(クリックで詳細表示)

少し踏み込んだ話をしましょう。19世紀にペアノという数学者が「自然数の公理」を作った際、最初の数をどう置くかで議論がありました。現在、集合論という分野では、空集合(要素を持たない集合)を0に対応させ、そこから数を構成していくため、0 ∈ N (0は自然数に含まれる)とする流儀が主流です。

一方、数論(数の性質を調べる分野)では、1から始める方が伝統的です。日本の学校教育はこちらの伝統的な数論の立場を採用しています。

もし将来、理系の大学に進学して数学の専門書を読む機会があれば、その本の冒頭にある「記号の定義」を必ず確認してください。「本著では自然数 N を0を含むものとする」という注釈が書かれていることがよくあります。

このように、「どちらが正しい・間違い」という話ではなく、「どのルール(文脈)で話しているか」の違いなのです。しかし、皆さんが今直面している「高校数学のテスト」というルールブックにおいては、「0は含まない」が唯一の正解です。ここをブレさせないようにしましょう。

自然数・整数・有理数・実数の違いと包含関係

「自然数」の意味がわかったところで、次は似たような言葉である「整数」「有理数」「実数」との違いを整理していきましょう。

数学Aの「集合」の単元や、数学Iの「実数」の単元で、これらの言葉の使い分けが問われます。言葉の定義を暗記するのではなく、包含関係(マトリョーシカのような入れ子構造)でイメージすることが大切です。

整数との違いは「0と負の数」が含まれるかどうか

まず、自然数と最も混同しやすいのが「整数」です。

整数(Integer)とは、小数や分数ではない、きりの良い数の集まりのことです。ここには以下の3つのグループが含まれます。

  • 正の整数:1, 2, 3, … (これが自然数!)
  • 0:ゼロ
  • 負の整数:-1, -2, -3, …

つまり、「整数」という大きなグループの中に、「自然数(正の整数)」という小さなグループが入っているという関係です。

「自然数は整数ですか?」と聞かれたら「YES(はい)」ですが、「整数は自然数ですか?」と聞かれたら「NO(いいえ)」です。なぜなら、整数には0や-5などが含まれており、これらは自然数ではないからです。

この「部分集合」の感覚を掴んでください。

分数や小数は自然数に入る?(有理数・無理数との区別)

次に、分数や小数についてです。これらは自然数には含まれません。では、どのような分類になるのでしょうか。

ここで登場するのが「有理数(ゆうりすう)」という言葉です。有理数とは、「分数(整数 ÷ 整数)の形で表せる数」のことです。

  • 1や-5などの整数は、1/1-5/1 と表せるので、有理数です。
  • 0.5は 1/2 と表せるので、有理数です。
  • 0.333…は 1/3 と表せるので、有理数です。

一方、分数で表せない数もあります。これを「無理数(むりすう)」と呼びます。代表的なのが √2(ルート2)や π(円周率)です。これらは循環しない無限小数となり、分数で書くことができません。

そして、これら「有理数」と「無理数」を全部ひっくるめた、数直線上のすべての数を「実数(じっすう)」と呼びます。

関係性を整理すると以下のようになります。

  • 実数
    • 有理数
      • 整数
        • 自然数(1, 2, 3…)
        • 0
        • 負の整数
      • 整数でない有理数(有限小数、循環小数など)
    • 無理数√2, π など)

一目でわかる!数の分類早見表

言葉だけでは複雑に感じるかもしれません。以下のチェックリストを使って、具体的な数がどのグループに属するかを確認してみましょう。この表はテスト直前の見直しに最適です。

表:数の分類チェックリスト
自然数 整数 有理数 実数
1, 100
0 ×
-5 ×
0.5, 1/3 × ×
√2, π × × ×

この表からわかるように、左側(自然数)に行けば行くほど条件が厳しくなり、右側(実数)に行けば行くほど広い範囲の数を含みます。自然数は最もエリートで条件の厳しいグループだと言えます。

現役数学受験講師のアドバイス
「マーク式の模試や共通テストでよくあるひっかけ問題パターンを紹介します。
問題文に『x は実数とする』とあるのに、勝手に『x は整数』だと思い込んで解いてしまうミスです。例えば x^2 > 4 という不等式を解くとき、整数だと思い込むと x = 3, 4… と考えてしまいますが、実数であれば 2.1 や 2.0001 も答えに含まれます。
問題文の冒頭にある『n は自然数とする』『k は整数とする』『x は実数とする』という前提条件の宣言は、解答の方針を決定づける最重要ヒントです。必ずアンダーラインを引く癖をつけてください。」

テストに出る!自然数の性質と四則演算のルール

ここからは、より実践的な内容に入ります。自然数に関する性質は、数学Aの「整数の性質」や証明問題で頻繁に出題されます。

特に重要なのが「四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)」の結果が、自然数の範囲内に収まるかどうかという話です。数学用語ではこれを「演算について閉じているかどうか」と言います。

自然数同士の計算で、答えが常に自然数になるのは?

自然数 a と 自然数 b を使って計算をしたとき、その答えも必ず自然数になる演算はどれでしょうか。

正解は、「加法(足し算)」と「乗法(掛け算)」の2つだけです。

  • 足し算: 1 + 2 = 3 (自然数)
  • 掛け算: 2 × 3 = 6 (自然数)

どんなに小さな自然数を選んでも、どんなに大きな自然数を選んでも、足したり掛けたりして数が減ったりマイナスになったりすることはありません(自然数は正の数だからです)。

この性質は、「a, b が自然数ならば、a + bab も自然数である」として、証明問題の根拠として頻繁に使われます。

引き算と割り算が「閉じていない(自然数にならない)」理由

一方で、「減法(引き算)」と「除法(割り算)」は、答えが自然数にならない場合があります。これを数学では「自然数の集合は、減法と除法について閉じていない」と表現します。

なぜ閉じていないのか、具体的な「反例(はんれい)」を見てみましょう。

【引き算の場合】
5 – 3 = 2 のように自然数になることもありますが、
2 – 5 = -3
のように、引く数の方が大きい場合、答えは「負の整数」になってしまいます。負の整数は自然数ではありません。

【割り算の場合】
6 ÷ 2 = 3 のように割り切れることもありますが、
1 ÷ 2 = 0.5
のように、割り切れない場合、答えは「小数(有理数)」になってしまいます。小数は自然数ではありません。

▼四則演算の閉性一覧表(まとめ)
演算 常に自然数になるか?(閉性) 反例の例
加法(+) なし
減法(-) × 2 – 5 = -3
乗法(×) なし
除法(÷) × 1 ÷ 2 = 0.5

この表の内容は、数学Iの「数と式」の最初のテストで○×問題として出されることがあります。「自然数同士の割り算の答えは常に自然数である」→答えは×です。

「最小の自然数」は何か?

基本的なことですが、テストで焦っていると間違えやすいのが「最小の自然数」です。

ここまで読んできた皆さんなら即答できるはずです。最小の自然数は「1」です。「0」ではありません。

また、「最大の自然数」は存在しません。どんなに大きな数を考えても、それに1を足せばさらに大きな自然数が作れるため、自然数は無限に存在します。

現役数学受験講師のアドバイス
「数学的帰納法などの証明問題で、『n は自然数とする』という条件がある場合、証明の第一ステップ(ベースステップ)は n = 1 の場合を検証することになります。
ここで誤って n = 0 から始めてしまうと、その証明は0点になってしまいます。また、数列の問題で『初項』を考える際も、通常は第1項(n=1)から始まります。自然数のスタート地点が『1』であることは、高校数学のあらゆる単元のスタート地点でもあるのです。」

自然数に関するよくある質問 (FAQ)

最後に、授業中に生徒からよく受ける細かい質問や、参考書によって表現が違う用語について解説します。これらの疑問を解消しておくことで、応用問題にも対応できる基礎力が身につきます。

Q. 「正の整数」と「自然数」は同じ意味ですか?

A. はい、高校数学においては完全に同じ意味です。

問題文で「n は自然数とする」と書かれていても、「n は正の整数とする」と書かれていても、指している数の範囲(1, 2, 3…)は全く同じです。

ただし、大学入試の記述問題などで自分で条件を設定する場合は、「自然数」と書く方が文字数が少なく、記号 N 一文字で表せるため便利です。

Q. 負の自然数というものは存在しますか?

A. 存在しません。

定義上、自然数は「物を数える数」から始まっているため、マイナスの概念を含みません。「負の整数」は存在しますが、「負の自然数」という言葉自体が矛盾しています(「冷たい熱湯」と言っているようなものです)。

Q. 「非負整数」とはどういう意味ですか?

A. 「負ではない整数」、つまり「0 と 自然数」を合わせたものです。

これは非常に重要な用語です。「非負整数(ひふせいすう)」とは、数直線上で0およびそれより右側にある整数のことです。

  • 自然数(正の整数): 1, 2, 3…
  • 非負整数: 0, 1, 2, 3…

つまり、「自然数に0を加えたもの」が「非負整数」です。

プログラミングや情報科学の分野、あるいは大学数学で「0を含めた自然数」を扱いたい場合、誤解を避けるためにあえて「非負整数」という言葉を使うことがよくあります。テスト問題で「x は非負整数とする」と書かれていたら、「あ、これは0も入れていいんだな(0, 1, 2…)」と判断してください。この用語を知っているだけで、問題文の読み取り精度が格段に上がります。

まとめ & テスト直前チェックリスト

いかがでしたでしょうか。たかが「自然数」、されど「自然数」。その定義の裏側には、人類が数をどのように捉えてきたかという歴史や、教育上の配慮が隠されています。

しかし、皆さんが今優先すべきは、目の前のテストや受験で確実に点数を取ることです。最後に、この記事の要点をまとめたチェックリストを用意しました。テスト直前や、問題演習で迷ったときに、ぜひこのリストに戻ってきてください。

現役数学受験講師のアドバイス
「数学が苦手な人は、頭の中でだけで考えようとして混乱しがちです。数の分類に迷ったら、面倒くさがらずに『ベン図(箱の中に箱が入っている図)』や『数直線』を端っこに書いてみてください。
『自然数は1からスタートして右に行く』というイメージ図を一つ書くだけで、ケアレスミスは激減します。今日からぜひ、手を動かして確認する習慣をつけてみてください。」

自然数マスターのための最終チェックリスト

  • [ ] 自然数は「1」から始まる数だと即答できる

    (0は含まない!テスト開始直後に確認)
  • [ ] 自然数は「正の整数」と同じ意味だと知っている

    (負の数や小数は含まない)
  • [ ] 自然数 ⊂ 整数 ⊂ 有理数 ⊂ 実数 の関係がイメージできる

    (自然数は一番内側のエリート集団)
  • [ ] 自然数同士の引き算・割り算は、答えが自然数にならない場合があると知っている

    (閉じていない演算に注意)
  • [ ] 問題文の「非負整数」は「0を含む」という合図だと理解している

自然数の定義は、高校数学という巨大な建物の「基礎」となる部分です。この基礎をしっかりと固めた皆さんなら、この先に待ち受ける難しい単元もきっと乗り越えられるはずです。応援しています。

この記事を書いた人

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