朝起きた瞬間に感じる身体の重さ、喉の痛み、あるいは起き上がれないほどの倦怠感。「今日は会社を休みたい」と思う一方で、「この程度の症状で休んでいいのだろうか」「繁忙期に迷惑をかけてしまうのではないか」という罪悪感や不安に駆られ、無理をして出社しようとしていませんか?
結論から申し上げますと、体調不良時は「感染拡大防止」と「ご自身の早期回復」のために、無理をせず休むのが正解です。特に37.5度以上の発熱や、業務遂行が困難なほどの倦怠感がある場合は、迷わず出社を控えるべきです。
この記事では、産業医として数多くの働く人々の健康相談に乗ってきた筆者が、以下の3点を中心に、あなたが今すぐ取るべき行動を解説します。
- 産業医が教える「会社を休むべき」医学的な判断基準チェックリスト
- 上司にそのまま送れる「欠勤連絡メール・LINE」の例文テンプレート
- 「なんとなく不調」が続く原因と、病院を受診すべき危険なサイン
今まさに辛い状態にあるあなたが、罪悪感なく適切な休息を取り、最短でパフォーマンスを取り戻すためのガイドとして活用してください。
まず確認!会社を休むべき「医学的な判断基準」とセルフチェック
体調が悪い時に最も悩むのが、「休むほどのレベルなのか」という線引きでしょう。自己判断が難しい場合、医学的な基準や労働衛生の観点から客観的な指標を持つことが助けになります。ここでは、産業医の視点から「出社すべきではない」と判断する具体的な基準を解説します。
現役産業医のアドバイス
「体調不良をおして出社することを『プレゼンティズム』と呼びますが、実はこれが企業にとって大きな損失となることが多くの研究で明らかになっています。無理に出社してもパフォーマンスは通常時の6割以下に落ち込むことが多く、ミスや事故のリスクも高まります。さらに、もし感染症であった場合、職場で蔓延させれば部署全体の機能停止を招く恐れさえあります。『休むことも仕事のうち』と考え、勇気を持って休息を選択することは、組織を守るための立派なリスク管理なのです。」
【チェックリスト】この症状なら迷わず休もう
以下の症状に一つでも当てはまる場合は、出社を控え、自宅療養または医療機関の受診を優先してください。これらは、業務遂行が困難であるか、周囲への感染リスクが高い状態を示しています。
| 判断基準(症状) | 詳細・リスク | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 37.5度以上の発熱 | 感染症法や多くの企業規定における出社停止の目安。インフルエンザやCOVID-19の可能性。 | 即時欠勤連絡・受診 |
| 激しい咳・喉の痛み | 飛沫による感染リスクが高い。電話対応や会議などの業務が不可能。 | 欠勤・マスク着用 |
| 強い倦怠感・悪寒 | 発熱の前兆や、身体が休息を求めている強いサイン。集中力の著しい低下。 | 欠勤・保温・睡眠 |
| 腹痛・下痢・嘔吐 | 感染性胃腸炎(ノロウイルス等)のリスク。トイレから離れられず業務不可。 | 即時欠勤連絡・水分補給 |
| めまい・立ちくらみ | 通勤中の転倒事故や、業務中の意識消失のリスク。脳疾患の可能性も否定できない。 | 欠勤・安静・受診 |
この表にある症状が出ている場合、無理に出社することはあなた自身にとっても、会社にとってもマイナスしかありません。「自分がいなければ仕事が回らない」という責任感は素晴らしいですが、今日一日無理をして長期間離脱するよりも、一日しっかり休んで早期回復を目指す方が、結果としてチームへの貢献度は高くなります。
37.5度以上の発熱がある場合(感染症リスクの考慮)
「37.5度」という数字は、医学的にも社会的にも一つの重要な境界線です。日本の感染症法において、発熱とは一般的に37.5度以上を指すことが多く、多くの企業の就業規則や衛生管理規定でも「37.5度以上の発熱がある場合は出社を禁止する」といったルールが設けられています。
平熱が低い方(例えば35度台の方)にとっては、37.0度程度でもかなりの高熱と感じられるはずです。その場合は「37.5度」という数字に固執せず、「平熱より1度以上高い」状態を目安にしてください。
発熱は、体内でウイルスや細菌と免疫細胞が戦っている証拠です。この状態で身体を動かしてエネルギーを消費してしまうと、免疫機能に回すべきエネルギーが不足し、治癒が遅れるだけでなく、重症化するリスクもあります。特にインフルエンザや新型コロナウイルス感染症の場合、発症から数日間はウイルス排出量が多いため、出社することは周囲への加害行為になりかねません。
朝の検温で基準を超えていた場合は、解熱剤を飲んで無理やり熱を下げて出社するようなことは絶対に避けてください。薬の効果が切れた時に急激に体調が悪化し、帰宅すら困難になるケースを私は何度も見てきました。
熱はないが「強い倦怠感」「腹痛」「めまい」がある場合
「熱はないから休んではいけない」というのは大きな誤解です。発熱以外の症状であっても、業務に支障をきたすレベルであれば休む正当な理由になります。
特に注意が必要なのが「強い倦怠感(だるさ)」です。これは肝機能障害や甲状腺の病気、あるいはうつ病などのメンタル不調の初期症状である可能性があります。「なんとなく身体が重い」というレベルを超えて、「起き上がるのが億劫」「着替える気力も湧かない」という状態であれば、身体が強制的なシャットダウン(休息)を求めているサインです。
また、「腹痛・下痢・嘔吐」などの消化器症状がある場合、特に冬場はノロウイルスなどの感染性胃腸炎の可能性が高いです。これらは感染力が非常に強く、トイレやドアノブを介して社内で爆発的に広まる危険性があります。食品を扱う業務や、対面での接客業であれば、なおさら出勤は厳禁です。
「めまい」についても軽視できません。通勤電車での転倒や、駅のホームからの転落など、命に関わる事故につながる恐れがあります。メニエール病や突発性難聴、あるいは脳血管障害の前触れである可能性もあるため、安静にしても治まらない場合は、休んで耳鼻科や脳神経外科を受診することを強く推奨します。
メンタル不調のサイン?「行きたくない」と感じる時の身体反応
「熱も痛みもないけれど、どうしても会社に行きたくない」。そう感じて、涙が出てきたり、動悸がしたりすることはありませんか?
これは単なる「甘え」や「サボり」ではなく、心身が限界を迎えているSOS(警告反応)である可能性が高いです。過度なストレスや長時間労働が続くと、自律神経のバランスが崩れ、身体的な異常として現れます。
- 出社しようとすると吐き気がする
- 駅のホームに立つと動悸が激しくなる
- 朝、勝手に涙が出て止まらない
- 日曜日の夜から極度の憂鬱感がある(サザエさん症候群の重症化)
このような症状がある場合、無理に出社を続けると「適応障害」や「うつ病」へと進行し、数ヶ月から年単位の休職が必要になることがあります。産業医としての経験上、この段階で「今日は心の休息日」と割り切って1〜2日休み、心療内科を受診したり、ストレスの原因から距離を置くことで、深刻な事態を回避できた例は数多くあります。心の不調も、立派な体調不良です。
【そのまま使える】体調不良で当欠する時の連絡マナーと例文
休む決意ができたら、次に立ちはだかる壁が「会社への連絡」です。特に当日の朝に連絡する場合、「怒られるのではないか」「迷惑をかける」という不安から、連絡が遅れてしまいがちです。しかし、ビジネスにおいては「始業前の迅速な連絡」こそが最も重要であり、これさえ守れば評価を大きく落とすことはありません。
ここでは、スマホでコピーしてそのまま使える連絡例文と、最低限守るべきマナーを紹介します。さっと連絡を済ませて、安心して休息に入りましょう。
電話?メール?LINE?連絡手段の選び方とタイミング
連絡手段は、会社のルールや上司との関係性によって異なりますが、基本的には「直属の上司への確実な伝達」が最優先です。
- メール・チャット(Slack, Teams, LINE等):
近年は多くの企業で推奨されています。記録が残るため、言った言わないのトラブルを防げます。また、上司が通勤中や会議中でも確認しやすいメリットがあります。 - 電話:
緊急度が高い場合や、メールだけでは失礼とされる古い体質の企業、あるいは詳細な引き継ぎが必要な場合に用います。声のトーンで「本当に具合が悪そう」ということが伝わりやすい側面もあります。
現役産業医のアドバイス
「連絡のタイミングは、始業時間の10〜15分前がベストです。早すぎると上司がまだ起きていない可能性がありますし、始業ギリギリや始業後では『無断欠勤か?』と心配をかけたり、業務の割り振りに支障が出たりします。もし始業前に電話がつながらない場合は、まずメールやチャットで第一報を入れ、『後ほど改めてお電話します』と添えるか、あるいは『本メールにて欠勤のご連絡とさせていただきます』と結ぶのがスマートな対応です。」
【コピペOK】上司への欠勤連絡メール・チャット例文集
体調が悪い時に文章を考えるのは辛いものです。状況に合わせて以下のテンプレートを使い分け、必要な箇所(カッコ内)を書き換えて送信してください。
▼メール・チャット例文を展開する(クリックで表示)
パターン1:シンプルな基本例文(まずはこれを送る)
件名:【勤怠連絡】体調不良による欠勤のご相談(氏名)
〇〇課長
おはようございます。〇〇(氏名)です。
大変申し訳ございませんが、昨晩より38度の発熱があり、体調が優れないため、本日はお休みをいただきたくご連絡いたしました。
本日は静養に努め、明日の出社を目指して体調回復に専念いたします。
急なご連絡となり、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
なお、本メールにて欠勤のご連絡とさせていただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
————————————————–
署名
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パターン2:病院を受診・検査する場合
件名:【勤怠連絡】体調不良による欠勤のご相談(氏名)
〇〇課長
おはようございます。〇〇(氏名)です。
今朝より激しい腹痛と吐き気の症状があり、出社が困難な状況です。
そのため、本日はお休みをいただき、午前中に病院を受診いたします。
受診結果や、明日以降の出社可否につきましては、診断を受け次第、改めてご報告させていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。
パターン3:急ぎの業務引き継ぎがある場合
件名:【勤怠連絡】体調不良による欠勤と業務連絡(氏名)
〇〇課長
おはようございます。〇〇(氏名)です。
大変恐縮ですが、発熱のため本日はお休みをいただきたく存じます。
本日予定しておりました〇〇社との打ち合わせにつきましては、
資料を共有サーバーの「〇〇フォルダ」に保存しております。
恐れ入りますが、△△先輩に代理での対応をお願いできないか、CCにて本メールを共有させていただきました。
(△△さん、急なお願いで大変申し訳ございませんが、ご対応いただけますと幸いです)
緊急の用件がございましたら、メールまたはチャットにて確認可能です。
ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。
パターン4:LINEで送る場合の短文
〇〇課長、おはようございます。〇〇です。
朝早くに失礼いたします。
昨晩から熱が下がらず、体調不良のため本日はお休みをいただけますでしょうか。
急なご連絡となり申し訳ございません。
本日は病院に行き、静養させていただきます。
また後ほど、受診結果をご連絡いたします。
よろしくお願いいたします。
電話で伝える場合の会話スクリプトと話し方のコツ
電話で連絡する場合、一番のポイントは「結論から簡潔に伝えること」と「申し訳ないという気持ちを声に乗せること」です。長々と症状を説明する必要はありません。
【会話例】
自分:「おはようございます、〇〇です。朝早くに申し訳ありません。今お時間よろしいでしょうか?」
上司:「ああ、どうした?」
自分:「実は朝から38度の熱がありまして、大変申し訳ないのですが、本日はお休みをいただいてもよろしいでしょうか?」
上司:「それは大変だね。わかった、ゆっくり休んで。」
自分:「ありがとうございます。本日の〇〇の件については、メールで△△さんに引き継ぎを送っておきます。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。」
ポイントは、「休ませてください」と一方的に宣言するのではなく、「お休みをいただいてもよろしいでしょうか?」と許可を求める形(伺いを立てる形)にすることです。形式上であっても、上司への配慮を示すことで心象は大きく変わります。
休み明けの出社時に心がけたい「挨拶とフォロー」のマナー
体調が回復して出社した際の第一声も重要です。休んだこと自体は権利ですが、不在中に業務をカバーしてくれた同僚や上司への感謝を忘れてはいけません。
出社したら、まずは上司の席に行き、「昨日はお休みをいただき、ご迷惑をおかけしました。おかげさまで体調も回復しました。ありがとうございました」と伝えましょう。また、自分の業務を代わってくれた同僚がいれば、「昨日はありがとう、助かりました」と個別に声をかけるか、ちょっとしたお菓子などを渡すと人間関係が円滑になります。
この「事後のフォロー」をしっかり行うことで、「体調管理ができない人」というマイナス評価を、「周囲への気配りができる人」というプラス評価でリカバリーすることができます。
病院に行くべき?自宅療養でOK?受診の目安と正しい過ごし方
会社への連絡を終えたら、次は「どう治すか」です。ただ寝ていれば治るのか、それとも病院に行くべきなのか。その判断を誤ると、回復が遅れたり、重大な病気を見逃したりすることになります。ここでは、医療的な観点から受診の目安と、自宅での正しい療養方法を解説します。
すぐに病院を受診すべき「危険な症状」サイン
風邪程度であれば市販薬と休養で回復することも多いですが、以下の症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診してください。
- 38度以上の高熱: インフルエンザ等の検査が必要です。
- 水分が摂れない: 嘔吐や喉の痛みで水も飲めない場合、脱水症状の危険があります。点滴が必要になることもあります。
- 呼吸が苦しい: 肺炎や気管支喘息の可能性があります。酸素飽和度が下がっているかもしれません。
- 激しい腹痛や血便: 一般的な胃腸炎以上の重篤な疾患(虫垂炎など)の可能性があります。
- 意識がもうろうとする: 緊急性が高い状態です。迷わず救急相談や受診を。
現役産業医のアドバイス
「市販薬で様子を見て良いのは、基本的に『症状が軽く、食事が摂れていて、原因がある程度推測できる場合(例:昨日の薄着で風邪をひいた等)』に限られます。市販薬を2〜3日飲んでも症状が改善しない、あるいは悪化している場合は、薬が合っていないか、別の病気が隠れている可能性が高いです。特に『いつもと違う痛み』や『経験したことのない不調』を感じたら、それは身体からの緊急サインです。すぐに専門医の判断を仰いでください。」
内科?心療内科?症状別の診療科の選び方
「病院に行く」と決めても、何科に行けばいいか迷うことがあります。症状に合わせて適切な診療科を選びましょう。
- 内科: 発熱、咳、喉の痛み、腹痛、倦怠感など、一般的な体調不良全般。迷ったらまずはここへ。
- 消化器内科: 激しい胃痛、嘔吐、下痢が続く場合。
- 耳鼻咽喉科: 喉の激しい痛み、鼻水、めまい、耳鳴りがある場合。風邪症状でも内科より専門的な処置が受けられることがあります。
- 心療内科・精神科: 身体的な異常がないのに不調が続く、眠れない、気分が落ち込む、出社しようとすると動悸がする場合。
最近は「発熱外来」として、発熱患者の動線を分けている病院も多いため、受診前には必ず電話やWebサイトで確認することをお勧めします。
早期回復のための自宅での過ごし方(食事・水分・睡眠)
病院に行くほどではない場合や、受診後の自宅療養では、「免疫力を最大限に高める」ことが最優先です。そのためには、消化にエネルギーを使わせず、水分を確保し、ひたすら眠ることが重要です。
食欲がない時に無理に食べる必要はありませんが、脱水症状を防ぐために水分と電解質の補給は必須です。コンビニやスーパーで手に入る、消化に良く回復を助ける食品リストをまとめました。
| カテゴリー | おすすめの食品 | 避けるべき食品 |
|---|---|---|
| 飲み物 | 経口補水液(OS-1等)、スポーツドリンク、常温の水、麦茶 | カフェイン(コーヒー・緑茶)、アルコール、冷たい炭酸飲料 |
| 主食 | おかゆ、うどん(煮込み)、雑炊、ゼリー飲料 | ラーメン、パスタ(油分が多いもの)、玄米、パン(脂質が多いもの) |
| 副菜・他 | 茶碗蒸し、豆腐、ヨーグルト、バナナ、すりおろしリンゴ | 揚げ物、辛い料理、食物繊維が多い野菜(ごぼう等)、脂っこい肉 |
部屋の環境も大切です。湿度は50〜60%を保ち(加湿器や濡れタオルを活用)、室温は自分が快適と感じる温度に調整してください。スマホやPCの画面を見ることは脳を疲労させ、回復を遅らせる大きな要因です。今日はデジタルデトックスをして、とにかく身体を横たえて目を閉じる時間を増やしましょう。
「なんとなく体調が悪い」が続く原因と対策
明確な発熱や痛みはないけれど、慢性的に身体がだるい、頭が重い、疲れが取れない。そういった「なんとなくの不調(不定愁訴)」に悩まされている方は非常に多いです。これらは放置すると大きな病気やメンタルダウンにつながる前兆かもしれません。
隠れ疲労と自律神経の乱れ(季節の変わり目・気圧など)
現代人の不調の多くは、自律神経の乱れに起因しています。自律神経は、呼吸や体温、心拍などをコントロールする重要なシステムですが、ストレスや不規則な生活、気候変動に非常に敏感です。
特に「季節の変わり目」や「気圧の変化(台風や雨の前)」は、自律神経に大きな負担をかけます。「気象病」や「天気痛」とも呼ばれ、気圧が下がると内耳のセンサーが反応し、めまいや頭痛、古傷の痛みを引き起こします。また、エアコンによる室内外の寒暖差も「寒暖差疲労」を招き、エネルギーを消耗させます。
これらは「気合い」でどうにかなるものではありません。自分の身体が環境変化に反応していることを認め、変化の激しい時期は予定を詰め込みすぎないなどの調整が必要です。
ストレスが原因?身体に現れるSOSサインを見逃さない
職場でのプレッシャー、人間関係の悩み、将来への不安などの精神的ストレスは、必ず身体症状として現れます。これは脳が「これ以上頑張ると危険だ」と警告を出している状態です。
- 睡眠障害: 寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまう。
- 胃腸障害: ストレス性の胃炎、便秘と下痢を繰り返す(過敏性腸症候群)。
- 筋緊張: 慢性的な肩こり、背中の痛み、緊張型頭痛。
- 皮膚トラブル: 原因不明の湿疹、蕁麻疹、肌荒れ。
労働衛生コンサルタントのアドバイス
「現場で産業医面談をしていると、『適応障害』の初期段階にある方は、ご自身ではストレスが原因だと気づいていないことが多々あります。『最近お腹の調子が悪くて』『背中が痛くて』と内科や整形外科をドクターショッピングし、異常なしと言われて途方に暮れているケースです。もし、内科的な検査で異常がないのに不調が続く場合は、その不調が『いつ、どんな時に強くなるか』を観察してください。仕事のことを考えた時や、日曜の夜に悪化するなら、それは心からのSOSである可能性が高いです。早めに休息を取るか、産業医やカウンセラーへの相談を検討してください。」
仕事のパフォーマンスを保つための日々のセルフケア術
「なんとなく不調」を解消し、常に高いパフォーマンスを発揮するためには、日々のメンテナンスが欠かせません。特別なことではなく、当たり前の生活習慣を見直すことが最短の近道です。
- 睡眠の質を高める:
睡眠は最強の回復ツールです。寝る90分前に入浴して深部体温を上げ、寝る直前はスマホを見ない。これだけで睡眠の質は劇的に向上します。7時間睡眠を目標にしましょう。 - 「3つのR」を意識する:
Rest(休息:睡眠や仮眠)、Relaxation(くつろぎ:音楽やアロマ)、Recreation(気晴らし:趣味や運動)。これらをバランスよく取り入れましょう。 - 朝日を浴びる:
朝起きてすぐにカーテンを開け、太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜の睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌準備が整います。自律神経を整える基本です。
体調不良と欠勤に関するよくある質問(FAQ)
最後に、体調不良で休む際に多くの人が抱える疑問や不安について、産業医の視点から回答します。
Q. 体調不良で休むのは「甘え」でしょうか?
現役産業医のアドバイス
「断言しますが、体調不良で休むことは『甘え』ではありません。むしろ、自分のコンディションを適切に管理し、万全の状態に戻してから業務にあたることは、プロフェッショナルとしての『責任』であり重要なビジネススキルです。無理をしてミスを連発したり、周囲に感染症を広げたりする方が、結果としてプロ失格の行動と言えます。休むことに罪悪感を持つ必要はありません。堂々と休んで、元気になってからその分を取り返せば良いのです。」
Q. 会社から診断書の提出を求められたら必須ですか?
法的には、数日程度の欠勤で診断書の提出を義務付ける法律はありません。しかし、多くの企業の就業規則では「〇日以上(一般的には3日〜1週間程度)連続して欠勤する場合は、医師の診断書を提出すること」と定めています。
1〜2日の風邪で診断書を求められることは稀ですが、会社のルール(就業規則)が根拠となりますので、まずは規則を確認するか、上司や人事担当者に相談してください。なお、診断書の発行には数千円の費用がかかることが一般的です。
Q. 頻繁に体調を崩してしまう場合はどうすればいい?
月に何度も体調不良で休んでしまう場合、単なる風邪ではなく、免疫力の低下、慢性的な疲労、あるいは何らかの基礎疾患やメンタル不調が隠れている可能性があります。
まずは内科で血液検査などを受け、身体的な異常がないか確認しましょう。異常がない場合は、生活習慣の見直しが必要です。それでも改善しない、あるいは仕事自体が大きなストレス源になっている場合は、産業医面談を申し込み、業務量の調整や配置転換の相談をすることをお勧めします。一人で抱え込まず、専門家を頼ってください。
Q. 有給休暇と病気休暇、どちらを使うべき?
これは会社の制度によります。「病気休暇(シックリーブ)」という制度がある会社であれば、有給休暇を温存するために病気休暇を使うのが得策です。しかし、日本の多くの企業では病気休暇制度がなく、体調不良時は「有給休暇」を消化するか、「欠勤(給与控除)」扱いになることが一般的です。
有給休暇が残っているなら、給与が減らない有給休暇を申請するのが基本です。自分の会社の勤怠ルールや休暇制度を、元気なうちに一度確認しておきましょう。
まとめ:体調不良は身体からのSOS。今日はしっかり休んで早期回復を
体調不良は、あなたの身体が「これ以上は無理だ、休んでくれ」と必死に訴えているSOSサインです。その声を無視して働き続けることは、長期的にはあなたの健康もキャリアも損なうことになりかねません。
今日、あなたがすべきことは以下の3ステップだけです。
- Step 1: 自分の症状を客観的にチェックし、「休む」という決断をする。
- Step 2: 記事内のテンプレートを使って、始業前にサッと連絡を済ませる。
- Step 3: スマホを置いて、水分を摂り、泥のように眠る。
現役産業医のアドバイス
「しっかり休んで復帰した後は、初日からフルスロットルで働くのではなく、6〜7割の力で徐々に慣らしていくことを意識してください。また、休んでいる間に溜まったメールや業務を見て焦るかもしれませんが、まずは優先順位の高いものだけに着手し、周囲にも『病み上がりなので』と伝えて協力を仰ぎましょう。再発を防ぎ、長く働き続けるための調整力も、大切な仕事の一部です。」
あなたが一日も早く回復し、また元気に活躍できることを、心から願っています。今日はお大事になさってください。
▼欠勤連絡&セルフケア最終チェックリスト
- [ ] 体温を測り、症状を確認しましたか?(37.5度以上は休み!)
- [ ] 始業15分前までに連絡を入れる準備はできましたか?
- [ ] 連絡メールに「欠勤の旨」「理由」「復帰の目処」「引き継ぎ」を含めましたか?
- [ ] 枕元に水分(スポーツドリンク等)を用意しましたか?
- [ ] アラームを全て解除し、スマホをサイレントモードにしましたか?
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