数学のテストで多くの生徒がつまずき、苦手意識を持ってしまう単元、それが「因数分解」です。授業で公式を教わったはずなのに、いざ問題を目の前にすると「どの公式を使えばいいのかわからない」「手が止まってしまう」という経験はありませんか?
実は、因数分解は闇雲に公式を当てはめようとするから難しく感じるのです。正しい手順、すなわち「共通因数」を見つけ、次に「項数と次数」を確認するというステップを踏めば、まるでパズルのピースがはまるように解法が見えてきます。
この記事では、指導歴20年の数学講師である筆者が、計算ミスを劇的に減らすための「最初の一手」から、複雑な式を見た瞬間に解法を見抜く「判断フロー」、そして高校数学の大きな壁である「たすき掛け」のコツまでを徹底的に解説します。数学的なセンスに頼らず、論理的な手順で誰でも正解にたどり着けるようになります。
この記事でわかること
- 計算ミスが激減する「最初の一手」と正しい手順
- 式の形を見るだけで解法が決まる「公式選びの判断フロー」
- 高校数学の壁「たすき掛け」や「応用問題」の視覚的な解き方
因数分解の基本手順:まずは「共通因数」を探せ
因数分解の問題を見たとき、多くの生徒さんがやってしまう最大の間違いがあります。それは、いきなり「カッコのついた公式」に当てはめようとすることです。式を見た瞬間に「これは2乗の公式かな?」「たすき掛けかな?」と悩み始めてしまうと、実はもっと単純な解法を見落としてしまったり、計算が複雑になってミスを誘発したりします。
因数分解には、どのような難問であっても必ず守るべき「鉄則」があります。それは、「まずは共通因数を探してくくり出す」ということです。この手順を飛ばしてしまうと、解けるはずの問題も解けなくなってしまいます。
ベテラン数学講師のアドバイス
「いきなり公式を使おうとして手が止まる生徒さんが非常に多いです。テストで問題を見たら、まずは深呼吸して『すべての項に共通しているものはないか?』と疑う癖をつけてください。実は、私の教室でも『まずは共通因数』という基本を徹底するだけで、計算ミスが3割減った事例があります。急がば回れ、ですよ。」
因数分解とは?「展開」との逆関係を理解する
具体的な手順に入る前に、「そもそも因数分解とは何か」を整理しておきましょう。数学的な定義を難しく覚える必要はありません。シンプルに言えば、「因数分解は、展開の逆作業」です。
中学2年生や3年生の最初で習った「式の展開」を思い出してください。カッコがついた式を計算して、バラバラの形にすることを「展開」と呼びました。因数分解は、そのバラバラになった式を、元の「積(掛け算)」の形に戻す作業のことを指します。
- 展開: x(x + 5) → x2 + 5x
- 因数分解: x2 + 5x → x(x + 5)
つまり、因数分解した答えを展開してみて、元の式に戻れば正解、戻らなければ不正解ということが確実にわかります。この「可逆性(行ったり来たりできる関係)」を理解していると、テスト中の見直しが非常に楽になります。
最重要ルール!すべての項に共通する文字・数字をくくり出す
では、具体的な解き方に入りましょう。最も基本的かつ重要な操作が「共通因数のくくり出し」です。これは、式に含まれるすべての項(パーツ)に共通して掛けられている数字や文字を見つけ出し、カッコの外に出す作業です。
例えば、次の式を見てください。
2ax + 4ay
この式は、プラス記号で区切られた「2ax」と「4ay」という2つの項から成り立っています。これらを詳しく分解して見てみましょう。
- 2ax = 2 × a × x
- 4ay = 2 × 2 × a × y
両方の項に共通しているのは、数字の「2」と文字の「a」です。つまり、「2a」が共通因数となります。この共通部分をカッコの外に引っ張り出すイメージを持ってください。
Image here|共通因数のくくり出し図解
(2ax + 4ay = 2a(x + 2y) のように、共通部分(2a)を外に出し、残った部分(x + 2y)をカッコの中に閉じ込めるイメージイラスト)
正解は 2a(x + 2y) となります。カッコの中に残るのは、元の項から「2a」を取り除いた残りカス(x と 2y)です。
ここで注意すべきポイントは、「数字の最大公約数」を見逃さないことです。例えば 6x + 9y という式なら、文字の共通点はありませんが、数字の6と9はどちらも「3」で割れます。したがって、3(2x + 3y) と因数分解できます。文字ばかりに気を取られて、数字の約数を見落とさないように注意しましょう。
符号に注意!マイナスでくくる場合のルール
共通因数のくくり出しで、最もミスが多発するのが「マイナス」の扱いです。特に、式の先頭がマイナスで始まっている場合、マイナスごとくくり出すのが定石ですが、ここでカッコの中の符号を変え忘れるミスが後を絶ちません。
例題を見てみましょう。
-3x2 + 6x
この場合、先頭にマイナスがあるので「-3x」を共通因数としてくくり出します。すると、カッコの中はどうなるでしょうか?
- 誤答例: -3x(x + 2)
- 正解例: -3x(x – 2)
マイナスを外に出すということは、カッコの中の符号はすべて反転(プラスはマイナスに、マイナスはプラスに)します。元が「+6x」だった部分は、マイナスで割られることになるので「-2」になります。
不安なときは、必ず頭の中で展開(分配法則)をしてみてください。誤答例を展開すると -3x2 – 6x となり、元の式の +6x と合わないことに気づけるはずです。
▼【補足】素因数分解との違いは?
よく「素因数分解」と「因数分解」を混同する生徒さんがいますが、基本的な考え方は同じです。「分解」とは「掛け算の形にする」という意味です。
- 素因数分解: 「数」を素数の掛け算にする(例:12 = 22 × 3)
- 因数分解: 「式」を単項式や多項式の掛け算にする(例:x2 + 3x + 2 = (x + 1)(x + 2))
どちらも「バラバラのものを、掛け算の形(積の形)にまとめる」という点では兄弟のような関係です。
【独自】どれを使う?因数分解の公式を見分ける「判断フローチャート」
共通因数をくくり出した後、あるいは共通因数がなかった場合、次に行うのが「公式の適用」です。しかし、教科書にはいくつもの公式が載っており、「どの問題にどの公式を使えばいいのかわからない」というのが、多くの学習者の悩みでしょう。
実は、公式選びには明確な基準があります。それは「項(こう)の数」と「次数(じすう)」です。式の形を見ただけで、使うべき公式はほぼ自動的に決まります。ここでは、プロ講師の視点で整理した「判断フローチャート」をご紹介します。
公式選びのロードマップ:項の数と次数に注目せよ
因数分解の問題に出会ったら、以下の手順でチェックを進めてください。このフローチャートを頭に入れておくだけで、迷う時間がなくなります。
Image here|因数分解の判断フローチャート
(1. 共通因数はあるか?(Yes/No) → 2. 項の数はいくつか?(2項/3項/4項以上) → 3. 公式の形に当てはまるか?(2乗-2乗など) という分岐図を見やすく提示)
- STEP 1:共通因数はあるか?
あれば、まずくくり出す。なければSTEP 2へ。 - STEP 2:項の数はいくつか?
式のカタマリがいくつあるかを数えます。- 2項の場合: 「2乗 – 2乗」または「3乗 ± 3乗(高校範囲)」の公式
- 3項の場合: 「(2乗)の公式」または「たすき掛け(和と積)」
- 4項以上の場合: 組み合わせ、置き換え、次数の低い文字で整理
- STEP 3:次数の確認
2次式なのか、3次式なのかによって最終確認を行います。
項が2つの場合:「2乗引く2乗」の公式を疑う
項が2つしかない場合(例:x2 – 9)、使える公式は実質1つしかありません(高校数学の3乗公式を除く)。それは「和と差の積」の公式です。
a2 – b2 = (a + b)(a – b)
真ん中が必ず「マイナス(引き算)」になっていることが条件です。「x2 + 9」のように足し算になっている場合は、実数の範囲では因数分解できません。項が2つで、間がマイナスなら、即座に「何かの2乗になっていないか?」を確認しましょう。
項が3つの場合:「和と積」または「たすき掛け」を検討する
因数分解の問題で最も頻出するのが、項が3つのパターン(例:x2 + 5x + 6)です。この場合、考える順番は以下の通りです。
- 両端が2乗になっているか?
x2 + 6x + 9 のように、先頭と末尾が2乗の数(x2と32)なら、「(2乗)の公式」が使える可能性が高いです。 - 足して〇、掛けて△の組み合わせがあるか?
両端が2乗でない場合は、掛けて末尾、足して真ん中になる数のペアを探します。 - x2に係数がついているか?
2x2 + 7x + 3 のように、先頭に数字がついている場合は、高校数学の範囲である「たすき掛け」を使います。
【中学レベル】基本の乗法公式3パターンと使い分けのコツ
ここでは、中学数学で習う基本の3つの公式を深掘りします。これらは高校数学の基礎となるため、息をするように使いこなせるレベルまで習熟する必要があります。
ベテラン数学講師のアドバイス
「公式を覚えるときは、文字の羅列として暗記するのではなく、リズムや場所で覚えるのがコツです。また、符号のミスを防ぐために、答えを出したらすぐに頭の中で展開して検算する習慣をつけましょう。これだけでテストの点数が10点は変わります。」
公式①:x2 + (a+b)x + ab = (x+a)(x+b)
最も汎用性が高い公式です。この公式を使う鍵は、「積(掛け算)」から考えることです。
例:x2 + 5x + 6
- まず、一番後ろの数字「6」に注目します。「掛けて6」になる整数のペアを書き出します。
(1と6)、(2と3)、(-1と-6)、(-2と-3) - 次に、そのペアの中で「足して5(真ん中の数字)」になるものを探します。
1+6=7(×)、2+3=5(〇) - ペアは「+2」と「+3」に決まりました。
- 答えは (x + 2)(x + 3) となります。
掛けてプラスなら同符号、掛けてマイナスなら異符号というルールも覚えておくと、探すスピードが上がります。
公式②:a2 + 2ab + b2 = (a+b)2
これは「平方公式」とも呼ばれます。この公式が使えるかどうかの見極めポイントは、「先頭と末尾が何かの2乗になっているか」です。
例:x2 + 10x + 25
- 先頭の x2 は、x の2乗。
- 末尾の 25 は、5 の2乗。
この時点で「おっ、(x + 5)2 かな?」と予想します。ただし、ここで確定してはいけません。必ず「真ん中の項」の確認を行います。
真ん中の項は「2 × 前 × 後」になっている必要があります。今回の場合は「2 × x × 5 = 10x」となり、式の真ん中と一致します。これで初めて (x + 5)2 が正解だと確定します。
公式③:a2 – b2 = (a+b)(a–b)
前述の通り、項が2つの場合に使う公式です。これは形が特徴的なので、最も見つけやすいでしょう。
例:4x2 – 49y2
一見複雑に見えますが、
4x2 は (2x) の2乗、
49y2 は (7y) の2乗です。
「2乗 引く 2乗」の形になっているので、
(2x + 7y)(2x – 7y)
と因数分解できます。片方は足し算、もう片方は引き算にするのを忘れないでください。
Table here|中学数学の因数分解公式まとめ表
| 公式の形 | 特徴・見分け方 | 例題 |
|---|---|---|
| x2 + (a+b)x + ab | 基本形。足して真ん中、掛けて後ろ。 | x2+7x+12 → (x+3)(x+4) |
| a2 ± 2ab + b2 | 両端が2乗。真ん中が2倍の積。 | x2-6x+9 → (x-3)2 |
| a2 – b2 | 項が2つ。2乗 引く 2乗。 | x2-16 → (x+4)(x-4) |
【高校レベル】最難関「たすき掛け」を3ステップでマスター
高校数学(数学I)に入ると、多くの生徒が最初にぶつかる壁が「たすき掛け」です。これは x2 に係数がついている場合(例:3x2 + …)に用いる手法ですが、数字の組み合わせをパズルのように探す必要があり、慣れるまでは時間がかかります。
ベテラン数学講師のアドバイス
「たすき掛けで挫折する生徒は、『一発で正解を見つけよう』としすぎています。たすき掛けは、試行錯誤が前提の方法です。私自身も学生時代、何度も数字を組み替えて悩んだ経験があります。『失敗した組み合わせも正解へのヒント』と捉えて、手を動かしながら数字を探すのがコツです。」
たすき掛けが必要なのはどんな時?(x2に係数がある場合)
たすき掛けを使うべきシグナルは明確です。「共通因数でくくれないのに、x2 の前に数字がついている」ときです。
例:2x2 + 7x + 3
この式は、全体を2で割ることもできません。このような場合に、たすき掛けの出番となります。
図解でわかる!たすき掛けの手順と数字の探し方
たすき掛けは、以下の図のような配置で計算を行います。言葉で説明すると複雑ですが、やっていることはシンプルです。
Image here|たすき掛けのステップ図解
(掛けて左端(a, c)、掛けて右端(b, d)、クロスして掛け算(ad, bc)、最後に足して真ん中(ad+bc)になる流れを矢印と色分けで解説)
手順解説:2x2 + 7x + 3 の場合
- 左の列を作る:
掛けて「先頭の2」になる組み合わせを探します。
→ 1 と 2 しかありません。縦に「1」「2」と書きます。 - 右の列を作る:
掛けて「末尾の3」になる組み合わせを探します。
→ 1 と 3、あるいは 3 と 1 です。 - クロスして掛ける(たすき掛け):
斜めに掛け算をします。
試しに、右の列を上から「1」「3」としてみます。
・左上(1) × 右下(3) = 3
・左下(2) × 右上(1) = 2 - 足して真ん中になるか確認:
出てきた答えを足します。3 + 2 = 5。
式の真ん中は「7」なので、これでは失敗です。 - 組み合わせを変えて再挑戦:
右の列を入れ替えて、上から「3」「1」にしてみましょう。
・左上(1) × 右下(1) = 1
・左下(2) × 右上(3) = 6
足すと、1 + 6 = 7。式の真ん中「7」と一致しました! - 答えを書く:
横の並びをそのままカッコに入れます。
上の段:1x + 3 → (x + 3)
下の段:2x + 1 → (2x + 1)
正解は (x + 3)(2x + 1) です。
失敗例から学ぶ:組み合わせがうまくいかない時の対処法
たすき掛けで数字が見つからないときは、以下のポイントをチェックしてください。
- 負の数を疑う: 掛けてプラスになるのは「プラス×プラス」だけではありません。「マイナス×マイナス」の可能性があります。真ん中の項がマイナスなら、両方マイナスにする必要があります。
- 順序を入れ替える: 上記の例のように、1と3の順番を変えるだけで結果が変わります。
- 共通因数の見落とし: そもそも式全体が2で割れたりしませんか? 共通因数が残っていると、たすき掛けはうまくいきません。
テストで差がつく!「応用問題」を解く2つのテクニック
基本公式とたすき掛けができれば平均点は取れますが、高得点を狙うには「応用問題」への対応が不可欠です。式が複雑に見えても、実は「置き換え」や「整理」を行うことで、基本の形に持ち込むことができます。
複雑な部分は「文字に置き換える」($A$とおく)
式の中に「同じ形」が複数回出てきたら、それはチャンスです。その部分を別の文字(例えばラージA)に置き換えることで、式が一気にシンプルになります。
例:(x + y)2 – 4(x + y) + 4
このまま展開しようとすると計算が大変です。しかし、(x + y) が2回登場していることに気づけば、
x + y = A と置くことができます。
すると式は、
A2 – 4A + 4
となります。これなら中学生レベルの公式②を使って、
(A – 2)2
と簡単に因数分解できます。
最後に、A を元の x + y に戻して、
(x + y – 2)2
が答えになります。「戻すのを忘れない」ことが唯一の注意点です。
文字が複数の場合は「次数の低い文字」について整理する
x, y, z など複数の文字が混ざった長い式の場合、どう手をつければいいのか途方に暮れることがあります。そんな時の鉄則テクニックが「最低次の文字について整理する」です。
次数とは、その文字が最大で何回掛けられているか(何乗か)ということです。例えば、
x3 + xy + x + y
という式があったとします。
- x について見ると:最大3乗(3次式)
- y について見ると:最大1乗(1次式)
この場合、次数の低い y が主役です。式を「y がついているグループ」と「ついていないグループ」に分けます。
y(x + 1) + (x3 + x)
後ろのグループを x でくくると x(x2 + 1) ですが、この例ではこれ以上共通因数が出ないのでストップです。しかし、多くの入試問題では、ここでカッコの中身(例えば x+1)が共通因数として浮かび上がってくるように作られています。
「迷ったら次数の低い文字!」これを合言葉にしましょう。
▼【発展】複2次式の因数分解(x4などが含まれる場合)
高校数学では x4 – 13x2 + 36 のような「複2次式」が出題されます。これには2つの解法パターンがあります。
- x2 = A と置くパターン:
そのまま A2 – 13A + 36 となり、(A-4)(A-9) と因数分解できます。 - 無理やり2乗の差を作るパターン:
x4 + 4 などの場合、真ん中に +4x2 を足して引くことで、(x2+2)2 – (2x)2 という形を作り出します。
難関校を目指すなら、後者のパターンも練習しておきましょう。
計算ミスをゼロに!プロが教える「見直し」ポイント
テストが返却されて「あ!ここ計算ミスしてた!」と悔しがるのはもう終わりにしましょう。因数分解は、他の数学の問題と違って、「確実に検算ができる」分野です。
ベテラン数学講師のアドバイス
「テスト終了5分前、もし時間が余ったら新しい問題に手を出すのではなく、因数分解の見直しをしてください。因数分解は『展開して元に戻るか』を確認するだけで、100%正解かどうかを自分で判定できます。これは点数を拾う最大のチャンスです。」
因数分解した式を「展開」して元に戻るか確認する
最も確実な方法は、出した答えを実際に展開してみることです。
答えが (2x + 3)(x – 2) になったなら、暗算でも端っこへのメモでも良いので、
2x2 – 4x + 3x – 6 = 2x2 – x – 6
と計算し、元の問題文と一致するか確認します。符号のミスはここでほぼ発見できます。
共通因数の「くくり出し忘れ」がないか最後にもう一度見る
因数分解が終わったと思っても、カッコの中をもう一度よく見てください。
例えば、答えを (2x + 4)(x + 3) と書いていませんか?
前のカッコ (2x + 4) は、まだ「2」でくくれます。正解は 2(x + 2)(x + 3) です。
「因数分解しなさい」という問題は、「できる限り細かく分解しなさい」という意味です。中途半端な分解は減点、あるいは不正解になります。
カッコの中がさらに因数分解できないか疑う
特に x4 – 1 のような問題でよくあるミスです。
(x2 + 1)(x2 – 1) で安心して終わっていませんか?
後ろの (x2 – 1) は、さらに (x + 1)(x – 1) に分解できます。
「カッコの中の次数が2以上なら、まだ分解できるかもしれない」と疑う癖をつけましょう。
因数分解のよくある質問(FAQ)
最後に、私の教室で生徒さんからよく受ける質問にお答えします。
Q. 公式が多すぎて覚えられません。どうすればいいですか?
無理に丸暗記しようとしなくて大丈夫です。実は、覚えるべき基本公式は「2乗の公式」と「和と差の積」くらいです。あとは「たすき掛け」のやり方さえマスターすれば、ほとんどの2次式は解けます。たくさんの公式を覚えるよりも、「共通因数→公式→たすき掛け」という手順(フロー)を体に染み込ませる方が重要です。
Q. たすき掛けの数字の組み合わせがどうしても見つかりません。
数字が見つからない原因の多くは、「約数の書き出し漏れ」か「符号の勘違い」です。まずは落ち着いて、掛けてその数になるペアをすべて書き出してみましょう。それでも見つからない場合は、「解の公式」を使って因数分解するという裏技(高校範囲)もありますが、まずは整数の範囲で必ず見つかると信じて手を動かしましょう。
Q. 因数分解は社会に出てから何の役に立ちますか?
直接的に因数分解を計算する仕事は少ないかもしれません。しかし、因数分解で培われる「複雑なものを要素に分解して構造を理解する力」は、プログラミングや問題解決の思考プロセスそのものです。大きな問題を小さなパーツに分けて解決する、その論理的思考力の基礎トレーニングとして非常に役立ちます。
まとめ:正しい手順で因数分解をパズルのように楽しもう
因数分解は、才能やセンスではなく「正しい手順」を知っているかどうかが勝負の分かれ目です。
ベテラン数学講師のアドバイス
「数学が苦手な君へ。因数分解は、一度コツを掴むとパズルゲームのように楽しくなる単元です。解けないときは、必ずどこかの手順を飛ばしています。『共通因数は?』『公式は使える?』と一つずつ確認してみてください。その丁寧さが、必ず君を正解へと導いてくれます。」
最後に、因数分解攻略のためのチェックリストを掲載します。勉強机の前に貼るなどして、日々の学習に役立ててください。
【因数分解攻略チェックリスト】
- □ 問題を見たら、まずは「共通因数」がないか確認したか?
- □ 「項の数」を数えて、使うべき公式を絞り込んだか?
- □ 先頭がマイナスのとき、符号の反転を忘れていないか?
- □ 答えが出た後、「展開」して検算を行ったか?
- □ カッコの中に、まだ分解できるものが残っていないか?
今日からこの手順を意識して、ぜひたくさんの問題にチャレンジしてみてください。手順通りに解けたときの「スッキリ感」を味わえば、きっと因数分解が得意分野に変わるはずです。
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