誕生石は、持つ人の魅力を内側から引き出し、日々の生活に自信と彩りを与えてくれる特別な「お守り」です。古くから愛されてきた誕生石ですが、実は2021年に63年ぶりの改訂が行われ、新たに10種類の宝石が追加されたことをご存知でしょうか?これにより、選択肢が大幅に広がり、より自分にフィットする石を選べるようになりました。
この記事では、業界歴20年の宝石専門家である筆者が、最新の誕生石一覧とそれぞれの石に込められた深い意味(石言葉)、そして一生モノのジュエリーとして愛用するためのプロ視点の選び方を徹底解説します。単なるリストではなく、宝石のプロだからこそ知る「石の個性」や「長く愛用するための秘訣」をお伝えします。
この記事でわかること
- 【2024年最新版】1月〜12月の誕生石一覧と石言葉(新誕生石完全対応)
- 宝石鑑定士が教える、自分に合った誕生石の選び方と品質の見極め方
- 意外と知らない誕生石の由来と、長く愛用するためのお手入れ知識
【2024年最新】誕生石一覧表・早見表
まずは、ご自身の誕生石を確認しましょう。ここでは、2021年に日本の宝石業界で正式に改訂・統一された最新の誕生石一覧を掲載します。ご自身の生まれ月の石はもちろん、大切な方の誕生石もぜひチェックしてみてください。
| 月 | 誕生石名 | 新追加 | 主な色 | 代表的な石言葉 |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | ガーネット | – | 赤、緑、橙 | 真実、友愛、忠実 |
| 2月 | アメシスト クリソベリル・キャッツアイ |
– NEW |
紫 蜂蜜色 |
誠実、心の平和 守護、慈愛 |
| 3月 | アクアマリン 珊瑚(コーラル) ブラッドストーン アイオライト |
– – NEW NEW |
水色 赤、桃、白 濃緑に赤斑 青紫 |
沈着、勇敢 幸福、長寿 勇気、献身 道を示す、誠実 |
| 4月 | ダイヤモンド モルガナイト |
– NEW |
無色、各色 桜色 |
清浄無垢、永遠の絆 優美、愛の予感 |
| 5月 | エメラルド 翡翠(ヒスイ) |
– – |
緑 緑、ラベンダー |
幸運、幸福 繁栄、健康 |
| 6月 | パール(真珠) ムーンストーン アレキサンドライト |
– – NEW |
白、黒、金 乳白、青 変色(緑⇔赤) |
健康、富 健康、恋の予感 高貴、情熱 |
| 7月 | ルビー スフェーン |
– NEW |
赤 黄緑、緑 |
熱情、仁愛 純粋、永久不変 |
| 8月 | ペリドット サードオニキス スピネル |
– – NEW |
オリーブ緑 赤縞 赤、青、各色 |
夫婦の幸福 夫婦の和合 ポジティブ、目標達成 |
| 9月 | サファイア クンツァイト |
– NEW |
青、各色 ライラックピンク |
慈愛、誠実 無償の愛、純粋 |
| 10月 | オパール トルマリン |
– – |
虹色 各色 |
純真無垢、歓喜 希望、忍耐 |
| 11月 | トパーズ シトリン |
– – |
黄、青、無色 黄金色 |
友情、希望 繁栄、富 |
| 12月 | ターコイズ ラピスラズリ タンザナイト ジルコン |
– – NEW NEW |
青緑 瑠璃色 青紫 青、無色 |
成功 真実、幸運 神秘、高貴 安らぎ、成功 |
2021年に新しく追加された10種類の宝石とは?
2021年12月、日本の誕生石は63年ぶりに改訂されました。これは、アメリカの宝石商協会が定めた基準をベースにしつつ、日本独自の文化や宝石事情を反映させて、全国宝石卸商協同組合や日本ジュエリー協会などが主導して行われたものです。この改訂により、以下の10種類の宝石が新たに誕生石の仲間入りを果たしました。
- 2月:クリソベリル・キャッツアイ
- 3月:ブラッドストーン、アイオライト
- 4月:モルガナイト
- 6月:アレキサンドライト
- 7月:スフェーン
- 8月:スピネル
- 9月:クンツァイト
- 12月:タンザナイト、ジルコン
これまで「自分の誕生石はあまり好みではない色だ」「選択肢が少なくて寂しい」と感じていた方にとって、この改訂は朗報です。例えば、4月生まれの方はこれまで高価なダイヤモンド一択でしたが、優しいピンク色のモルガナイトが加わったことで、普段使いしやすいジュエリーを選びやすくなりました。
GIA G.G.保有バイヤーのアドバイス
「誕生石の選択肢が増えたことは、単に色の好みで選べるようになっただけでなく、宝石としての楽しみ方が広がったことを意味します。特に新しく追加されたスフェーンやタンザナイトは、ダイヤモンドに匹敵する輝きや、見る角度によって色が変わる多色性など、非常に個性的な魅力を持っています。これまで宝石に興味がなかった方も、新しい石との出会いをきっかけに、その奥深い世界に触れてみてはいかがでしょうか。」
【月別詳細】誕生石の意味・石言葉・特徴を徹底解説
ここからは、1月から12月までの各誕生石について、その特徴、石言葉の意味、そしてプロの視点から見た魅力について詳しく解説していきます。ご自身の誕生石がどのようなパワーを持っているのか、深く知ることで愛着が一層湧くはずです。
1月の誕生石:ガーネット(真実・友愛)
1月の誕生石であるガーネットは、和名で「柘榴石(ざくろいし)」と呼ばれます。その名の通り、熟したザクロの実のような深い赤色が最もポピュラーですが、実は赤色以外にも緑、オレンジ、紫など多様なカラーバリエーションを持つ宝石グループです。
石言葉の意味とストーリー
ガーネットの石言葉は「真実」「友愛」「忠実」「勝利」です。中世ヨーロッパでは、戦場に向かう兵士が「生きて帰る」という誓いを込めて身につけたり、友との再会を約束して交換したりする「絆の石」として大切にされてきました。また、「実りの象徴」ともされ、コツコツと積み上げてきた努力を成功へと導く力があると言われています。目標に向かって頑張っている方や、遠距離恋愛中のカップルにもおすすめのお守りです。
基本データ
- モース硬度: 7.0 – 7.5
- 主な産地: インド、スリランカ、タンザニア、マダガスカル
業界歴20年の宝石専門家のアドバイス
「ガーネットというと『暗い赤』をイメージされる方が多いですが、実は非常に鮮やかな緑色の『ツァボライト』や『デマントイド』、鮮烈なオレンジ色の『スペサルティン』など、コレクター垂涎の美しい色が存在します。特にロードライトガーネットと呼ばれる紫がかった赤色の石は、肌馴染みが良く、大人の女性に大変人気があります。『1月生まれだから赤い石しか選べない』と思わず、ぜひ多彩なガーネットの世界を楽しんでみてください。」
2月の誕生石:アメシスト、クリソベリル・キャッツアイ
アメシスト(紫水晶)
アメシストは、高貴な色とされる「紫」を呈する水晶です。ギリシャ神話では、酒の神バッカスに由来し、「身につけると悪酔いしない」という伝説があります。ここから転じて、「人生の悪酔いから身を守る」、つまり冷静な判断力を与え、真実の愛を見極める石とされています。
石言葉は「誠実」「心の平和」。ストレスフルな現代社会において、心を穏やかに保ちたいと願う方に最適です。紫色の濃淡は様々で、淡いラベンダーカラーのものは「ローズ・ド・フランス」とも呼ばれ、可憐な印象を与えます。
クリソベリル・キャッツアイ(新誕生石)
2021年に追加されたクリソベリル・キャッツアイは、石の中央に猫の目のような光の筋(シャトヤンシー効果)が現れる神秘的な宝石です。この光は「すべてを見通す第三の目」とされ、魔除けや幸運を引き寄せる強力なお守りとして古くから珍重されてきました。
石言葉は「守護」「慈愛」。蜂蜜のような色合い(ハニーカラー)の中に鋭い光が走る姿は、持ち主に自信とカリスマ性を与えてくれます。
3月の誕生石:アクアマリン、珊瑚、ブラッドストーン、アイオライト
アクアマリン
ラテン語で「海水」を意味するアクアマリンは、その名の通り透き通るような水色が特徴です。かつて船乗りたちが航海の無事を祈って身につけたことから、「人生という航海を共にする石」として、結婚や新しい門出の贈り物として人気があります。
石言葉は「沈着」「勇敢」「聡明」。母なる海のような癒しのエネルギーを持ち、コミュニケーション能力を高めるとも言われています。
珊瑚(コーラル)
日本が世界に誇る宝石の一つである珊瑚。特に高知県沖などで採れる「血赤珊瑚」は世界的にも評価が高い逸品です。長い年月をかけて海中で育つことから、「長寿」や「幸福」のシンボルとされています。お子様の成長を願うお守りや、還暦祝いの品としても選ばれています。
ブラッドストーン、アイオライト(新誕生石)
新しく加わったブラッドストーンは、濃い緑色の中に赤い斑点が散る個性的な石。「キリストの血」という伝説を持ち、「勇気」「献身」を象徴します。
アイオライトは「ウォーターサファイア」とも呼ばれる美しい青紫色の石ですが、見る角度によって色が薄く見えたり黄色っぽく見えたりする多色性が特徴です。「道を示す」という石言葉を持ち、夢や目標に向かって進む人の羅針盤となってくれるでしょう。
4月の誕生石:ダイヤモンド、モルガナイト
ダイヤモンド
宝石の王様、ダイヤモンド。地球上で最も硬い天然鉱物であることから、「何者にも征服されない強い意志」や「永遠の絆」を象徴します。婚約指輪の定番であることは言うまでもありませんが、自分自身の才能を輝かせたい時のパワーアイテムとしても最強です。
石言葉は「清浄無垢」「永遠の愛」。無色透明が基本ですが、ピンクやブルーなどのファンシーカラーダイヤモンドは希少価値が高く、特別な資産性を持ちます。
モルガナイト(新誕生石)
4月の新しい顔となったモルガナイトは、ベリル(緑柱石)という鉱物グループに属し、エメラルドやアクアマリンの親戚にあたります。桜の花びらのような淡いピンク色が特徴で、肌を美しく見せる効果があります。
石言葉は「優美」「愛の予感」。ダイヤモンドの鋭い輝きとは対照的に、優しく包み込むような輝きは、日常使いのジュエリーとして非常に親しみやすい存在です。
業界歴20年の宝石専門家のアドバイス
「ダイヤモンドを選ぶ際は『4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)』が基準になりますが、日常使いならカット(輝き)を優先することをおすすめします。一方、モルガナイトを選ぶ際は、あまり淡すぎると肌の色と同化してしまうため、少しオレンジがかったピンクや、はっきりとした桜色のものを選ぶと、ジュエリーとしての存在感が増しますよ。」
5月の誕生石:エメラルド、翡翠(ヒスイ)
エメラルド
新緑の季節にふさわしい、鮮やかな緑色のエメラルド。クレオパトラが愛した石としても有名です。内部に特有のインクルージョン(内包物)を多く含むことが一般的で、これをフランス語で「ジャルダン(庭)」と呼び、天然の証として愛でる文化があります。
石言葉は「幸運」「幸福」「愛の成就」。癒しの効果が高いとされ、疲れた心身をリフレッシュさせてくれます。
翡翠(ヒスイ)
東洋の宝石と呼ばれる翡翠は、日本でも縄文時代から勾玉などに加工されてきた歴史ある石です。「仁・義・礼・智・信」の五徳を高めるとされ、ビジネスの成功や繁栄を願うお守りとして経営者にも人気があります。
石言葉は「繁栄」「長寿」。とろりとした艶やかな緑色は、見る人の心を落ち着かせます。
6月の誕生石:パール(真珠)、ムーンストーン、アレキサンドライト
パール(真珠)
「月のしずく」「人魚の涙」とも形容される真珠は、冠婚葬祭に欠かせない宝石です。母貝の中で育まれることから、母性や安産、健康の象徴とされています。
石言葉は「健康」「富」「長寿」。日本のアコヤ真珠の繊細な輝きは世界中で愛されています。
ムーンストーン
乳白色の中に青白い光(シラー)が浮かぶムーンストーンは、月の光を宿した石と言われます。女性性を高め、感受性を豊かにすると信じられています。
石言葉は「健康」「恋の予感」。
アレキサンドライト(新誕生石)
「宝石の王様」がダイヤモンドなら、アレキサンドライトは「宝石の皇帝」とも呼ばれます。最大の特徴は、太陽光の下では深い青緑色、白熱灯の下では赤紫色に劇的に色が変化する「変色効果(カラーチェンジ)」です。
石言葉は「高貴」「情熱」「秘めた思い」。二面性を持つこの石は、自分の中に眠る新たな才能を開花させたい人にぴったりです。
7月の誕生石:ルビー、スフェーン
ルビー
燃えるような赤色が特徴のルビーは、サファイアと同じ「コランダム」という鉱物から成ります。ダイヤモンドに次ぐ硬度を持ち、古くから権力の象徴として王侯貴族に愛されてきました。
石言葉は「熱情」「仁愛」「威厳」。身につける人に活力を与え、困難に打ち勝つ勇気を授けてくれるとされます。女性の魅力を最大限に引き出す「勝利の石」です。
スフェーン(新誕生石)
2021年に新しく加わったスフェーンは、ダイヤモンドを凌ぐほどの「ファイア(光の分散)」を持つことで知られる宝石です。光を受けると、赤、黄、緑などの虹色の輝きが眩いほどに溢れ出します。
石言葉は「純粋」「永久不変」。これまであまり知られていなかった石ですが、その圧倒的な輝きに魅了される人が急増しています。
業界歴20年の宝石専門家のアドバイス
「新誕生石のスフェーンは、ぜひ実物を太陽光の下で見ていただきたい宝石です。写真では伝えきれない、ギラギラとした虹色の輝き(ファイア)に驚かれるはずです。ただし、硬度がやや低いため、ぶつけやすいリングよりは、ネックレスやピアスとして楽しむのが、美しさを長く保つコツです。」
8月の誕生石:ペリドット、サードオニキス、スピネル
ペリドット
オリーブグリーンの爽やかな輝きを持つペリドットは、夜の照明の下でも色鮮やかに輝くことから「イブニング・エメラルド」とも呼ばれました。古代エジプトでは「太陽の石」として崇められ、ネガティブなエネルギーを吹き飛ばすとされています。
石言葉は「夫婦の幸福」「平和」。明るいエネルギーで人間関係を円滑にしてくれます。
スピネル(新誕生石)
長い間、ルビーやサファイアと混同されてきた歴史を持つスピネル。英国王室の王冠に飾られている「黒太子のルビー」が、実は巨大なレッドスピネルであったことは有名な話です。しかし近年、その純粋な美しさと輝きが再評価され、人気が急上昇しています。
石言葉は「ポジティブ」「目標達成」。赤、ピンク、青、黒などカラーバリエーションも豊富で、自分の好きな色を見つける楽しみがあります。
9月の誕生石:サファイア、クンツァイト
サファイア
深く澄んだ青色が印象的なサファイアですが、実は赤色(ルビー)以外のコランダムはすべてサファイアと呼ばれます。そのため、ピンク、イエロー、グリーンなどの「ファンシーサファイア」も存在します。
石言葉は「慈愛」「誠実」「徳望」。知性と理性を高め、浮ついた気持ちを鎮める効果があると言われ、エンゲージリングとしても人気があります。
クンツァイト(新誕生石)
ライラックピンクの優しい色合いが特徴のクンツァイト。見る角度によって色が濃く見えたり無色に見えたりする多色性を持ちます。
石言葉は「無償の愛」「純粋」。他者を許し、愛する心を育む石とされていますが、紫外線によって退色する性質があるため、保管の際は直射日光を避ける配慮が必要です。
10月の誕生石:オパール、トルマリン
オパール
石の中で色が揺らめく「遊色効果(プレイ・オブ・カラー)」が最大の特徴です。一つとして同じ模様の石はなく、まさにオンリーワンの宝石と言えます。
石言葉は「純真無垢」「歓喜」「希望」。創造性を刺激し、アーティストやクリエイティブな仕事をする人にインスピレーションを与えてくれます。
トルマリン
「電気石」という和名の通り、摩擦や熱で電気を帯びる性質があります。地球上のあらゆる色を持つと言われるほどカラーバリエーションが豊富で、一つの石の中に2色以上が混在する「バイカラー・トルマリン」や、スイカのような配色の「ウォーターメロン・トルマリン」も人気です。
石言葉は「希望」「忍耐」。
11月の誕生石:トパーズ、シトリン
トパーズ
トパーズというと黄色(インペリアルトパーズ)が有名ですが、現在市場で多く見られるのはブルートパーズです。透き通るような輝きと高い硬度を持ち、ジュエリーとして非常に扱いやすい石です。
石言葉は「友情」「希望」「誠実」。自分に必要なものやチャンスを引き寄せる力があると言われています。
シトリン
黄金色に輝くシトリンは、古くから商売繁盛や富をもたらす「幸運の石」として大切にされてきました。太陽のような明るいエネルギーを持ち、落ち込んだ時に活力を与えてくれます。
石言葉は「繁栄」「富」「成功」。
12月の誕生石:ターコイズ、ラピスラズリ、タンザナイト、ジルコン
ターコイズ(トルコ石)
鮮やかな空色が特徴のターコイズは、人類最古の宝石の一つです。「天の神が宿る石」として、旅の安全を守るお守りとされてきました。
石言葉は「成功」「繁栄」。人から贈られることで、より強い力を発揮すると言われています。
タンザナイト(新誕生石)
タンザニアのメレラニ鉱山でしか採掘されない、希少性の高い宝石です。夕暮れ時の空のような、青と紫が混じり合う神秘的な色が特徴です。
石言葉は「神秘」「高貴」「知性」。人生の転機に、正しい判断へと導いてくれる石とされています。
ラピスラズリ
群青色に金色のパイライトが散りばめられた、夜空のような石です。「聖なる石」として、古代エジプトではツタンカーメンのマスクにも使用されました。
石言葉は「真実」「幸運」。
業界歴20年の宝石専門家のアドバイス
「12月の新誕生石タンザナイトは、多色性が非常に強い石です。自然光の下ではブルーが強く見え、白熱灯や夜の照明の下ではパープルが強く見えます。このドラマチックな色の変化は、夕暮れ時から夜にかけてのパーティーシーンなどで、あなたの装いを一層エレガントに演出してくれます。産出量が減っており、将来的にはさらに希少になると言われている注目の宝石です。」
後悔しない!プロが教える誕生石ジュエリーの選び方
誕生石の意味を知り、いざ購入しようと思った時、デザインだけで選んでしまうと後悔することがあります。宝石にはそれぞれ「硬度(硬さ)」や「靭性(割れにくさ)」という物理的な性質があり、ライフスタイルに合ったアイテムを選ぶことが重要です。ここでは、プロが実践している選び方の基準をお教えします。
「モース硬度」と「靱性」で選ぶ:日常使いできる石・できない石
宝石の傷つきにくさを表す尺度を「モース硬度」と言います。1から10までのランクがあり、数字が大きいほど傷に強いことを意味します。一般的に、空気中の砂埃(石英)の硬度が7であるため、硬度7以上の宝石は日常使いしても傷がつきにくく、それ以下の宝石は注意が必要です。
| 分類 | 宝石名(例) | おすすめアイテム |
|---|---|---|
| 毎日つけっぱなしOK (硬度7.5以上) |
ダイヤモンド、ルビー、サファイア、アレキサンドライト、スピネル、トパーズ、アクアマリン | リング(指輪)、ブレスレット ※衝撃には注意 |
| 日常使いは注意が必要 (硬度6〜7程度) |
ガーネット、アメシスト、タンザナイト、ムーンストーン、ペリドット、オパール、翡翠 | ネックレス、ピアス、イヤリング ※リングにするなら外出時のみ着用 |
| デリケート・衝撃厳禁 (硬度5以下・有機質) |
パール(真珠)、珊瑚、スフェーン、アパタイト | ネックレス、ピアス、ブローチ ※水仕事やスポーツ時は必ず外す |
GIA G.G.保有バイヤーのアドバイス
「特に注意が必要なのはオパールやエメラルドです。オパールは水分を含んでいるため乾燥や衝撃に弱く、エメラルドは内包物が多いため割れやすい性質があります。これらを誕生石として持つ場合、指輪だと手をぶつけた拍子に割れてしまうリスクがあるため、私はネックレスやペンダントとして身につけることを強くおすすめしています。胸元であれば衝撃を受けることはほとんどなく、安心して毎日楽しめます。」
色と輝きの個体差:天然石ならではの選び方
天然石は、一つとして同じものはありません。カタログ写真と同じ色味のものが届くとは限らないのが、天然石の難しさであり、面白さでもあります。
例えば、同じ「ピンクトルマリン」でも、濃いマゼンタピンクのものから、淡い桜色のものまで様々です。ネットで購入する場合は、可能な限り「実物の写真」が掲載されているショップを選ぶか、色味の幅について記載があるかを確認しましょう。また、インクルージョン(内包物)は天然の証ですが、肉眼で見て美しさを損なう位置にないかどうかもチェックポイントです。
ライフスタイルに合わせたジュエリーの種類
- リング(指輪): 自分の視界に常に入るため、満足度が高いアイテムです。仕事中などふとした瞬間に眺めてパワーを貰いたい人におすすめ。ただし、手元はぶつけやすいため、硬度の高い石を選ぶか、石を爪でしっかり囲ったデザイン(伏せ込みなど)を選びましょう。
- ネックレス: 鏡を見た時や、人から見られた時に顔周りを華やかにします。心臓に近い位置で身につけるため、お守りとしての効果を重視する人に人気です。硬度が低い石でも安心して楽しめます。
- ピアス・イヤリング: 顔の表情を明るく見せます。揺れるデザインは光を取り込みやすく、石の輝きを最大限に引き出します。紛失のリスクがあるため、キャッチがしっかりしたものを選びましょう。
誕生石の由来と歴史:なぜ月ごとに決まっているの?
そもそも、なぜ生まれ月ごとに宝石が決まっているのでしょうか?その起源は古く、紀元前の聖書の記述にまで遡ります。
聖書の記述と「12」という数字の意味
誕生石のルーツとして最も有力な説は、旧約聖書の『出エジプト記』に出てくるユダヤ教の祭司長「アロンの胸当て」です。この胸当てには、イスラエルの12の部族を象徴する12種類の宝石が埋め込まれていました。また、新約聖書の『ヨハネの黙示録』に描かれる聖都の城壁の土台を飾る12の宝石もルーツの一つとされています。
当初は、これらの12種類の石を月ごとに取り替え、その月の石を身につける習慣があったようです。それが18世紀頃、ポーランドに移住したユダヤ商人の間で「自分の生まれた月の石を身につけると幸運が訪れる」という考えに変化し、現在の誕生石の形になったと言われています。
国によって誕生石が違う理由と日本の独自性
誕生石は世界共通だと思われがちですが、実は国によって微妙に異なります。その土地で採れる宝石や、文化的な背景が反映されているからです。
例えば、日本では3月に「珊瑚(コーラル)」、5月に「翡翠(ヒスイ)」が入っています。これは、日本が世界的な珊瑚の産地であることや、翡翠が古くから日本文化に根付いているためです。このように、各国の宝石協会が制定したリストが、その国のスタンダードとなっています。
▼もっと詳しく:世界各国の誕生石の違い
誕生石のラインナップにはお国柄が出ます。いくつかの例をご紹介します。
- アメリカ: 誕生石の基準を作った国であり、日本と似ていますが、珊瑚や翡翠は含まれていません。
- イギリス: 7月の誕生石に「カーネリアン」が含まれることがあります。
- フランス: 独自の歴史があり、他の国とは大きく異なる月があります。例えばパールが別の月に割り当てられることも。
もし、日本の誕生石リストの中にピンとくるものがなければ、海外のリストを参考にして、自分が「好き」と思える石を選んでも全く問題ありません。大切なのは、その石に愛着を持てるかどうかです。
輝きを保つために:誕生石の正しいお手入れと浄化方法
せっかく手に入れた誕生石ジュエリー、いつまでも美しく輝いていてほしいですよね。宝石は永遠のものと思われがちですが、適切なお手入れをしないと、皮脂汚れで輝きが曇ったり、変色したりしてしまいます。ここでは、プロが推奨する簡単なお手入れ方法をご紹介します。
基本のお手入れ:シリコンクロスでの拭き取り
最も基本で、かつ全ての宝石に使える安全なお手入れは「使用後の乾拭き」です。
ジュエリーを外したら、収納する前に必ず柔らかい布で汗や皮脂、化粧品を拭き取りましょう。ティッシュペーパーは繊維が粗く、金やプラチナ部分に細かい傷をつける可能性があるためおすすめしません。眼鏡拭きのようなマイクロファイバークロスや、ジュエリー専用の「シリコンクロス」を一枚持っておくと便利です。
注意!超音波洗浄機を使ってはいけない宝石一覧
眼鏡店などで見かける超音波洗浄機は、ダイヤモンドなどの汚れを落とすには非常に有効ですが、絶対に使ってはいけない宝石があります。振動によって石が割れたり、内部のオイルが抜けたりする恐れがあるからです。
【超音波洗浄NGの宝石】
- エメラルド(内部のオイルが抜け、白っぽくなる)
- オパール(内部の水分に影響し、割れる恐れ)
- パール、珊瑚、琥珀、ターコイズ(有機質や多孔質の石は変質する)
- タンザナイト、ペリドット、ムーンストーン(劈開性があり、割れるリスクがある)
GIA G.G.保有バイヤーのアドバイス
「パールや珊瑚は酸や水分に非常に弱いです。汗がついたまま放置すると、表面の光沢(テリ)が失われ、白く粉を吹いたようになってしまいます。これを防ぐには、着用後に必ず乾いた柔らかい布で拭くこと。そして、炊事や手洗いの際は必ず外すこと。これだけで、寿命が何十年も変わります。もし汚れがひどい場合は、自己判断で洗わず、購入店や専門店にクリーニングを依頼してください。」
気持ちをリセットする「浄化」の考え方
宝石をお守りとして使う場合、物理的な汚れだけでなく、気(エネルギー)の汚れも落としたいと考える方もいるでしょう。これを「浄化」と呼びます。
最も手軽で石を傷めない方法は「月光浴」です。満月の夜に窓辺にジュエリーを置き、月の光を当てるだけで浄化とエネルギーチャージができると言われています。
一方、塩や水による浄化は、石によっては変色やサビの原因になるため、鉱物的な知識がない場合は避けた方が無難です。さざれ石(水晶の小石)の上に置いて休ませる方法も、全ての石に対応できる安全な方法です。
誕生石に関するよくある質問(FAQ)
最後に、店頭でお客様からよくいただく質問にお答えします。
Q. 誕生石は自分で買っても効果はある?プレゼントの方がいい?
A. 自分で買っても全く問題ありません。
かつては「誕生石はプレゼントされると幸せになれる」という説もありましたが、現在は「自分で選び、決意を込めて購入する」ことこそが、自己肯定感を高めるポジティブなアクションであると捉えられています。「頑張った自分へのご褒美」として購入される方が大半ですので、安心してお気に入りの一つをお選びください。
Q. 月またぎで生まれた場合、どちらの石を選べばいい?
A. どちらでも、直感で好きな方を選んでください。
例えば1月31日生まれの場合、1月のガーネットと2月のアメシスト、どちらも守護石になり得ます。占星術の観点では星座石なども関係してきますが、厳密なルールはありません。「色が好きな方」や「石言葉が今の自分に必要な方」を選ぶのが正解です。
Q. 誕生石以外の石を持っても大丈夫?(石同士の相性)
A. 大丈夫です。石同士が喧嘩することはありません。
誕生石以外の宝石を身につけると運気が下がるということはありません。むしろ、その時々で「綺麗だな」「気になるな」と思った石こそが、今のあなたが必要としているエネルギーを持っています。
業界歴20年の宝石専門家のアドバイス
「よく『石同士の相性』を気にされる方がいらっしゃいますが、宝石は地球が生み出した自然の結晶です。自然界に相性の悪い花がないように、宝石同士も喧嘩はしません。誕生石をベースにしつつ、その日の気分やファッションに合わせて、自由に色々な宝石を組み合わせて楽しんでください。あなたの『好き』という直感こそが、一番正しい選び方なのです。」
まとめ:誕生石はあなたに寄り添うパートナー
2021年の改訂により、誕生石の世界はよりカラフルに、より自由になりました。誕生石は単なる装飾品ではなく、あなたの生まれた月を祝福し、日々の生活に彩りと自信を与えてくれるパートナーです。
この記事でご紹介した石言葉や特徴を参考に、ぜひご自身の誕生石ジュエリーを探してみてください。ネットで画像を見るだけでなく、実際にお店で石の輝きを目にした時、心惹かれる運命の一粒に出会えるはずです。
最後に、誕生石選びのチェックリスト
- 自分の誕生石と、新しく追加された誕生石を確認しましたか?
- その石の持つ「石言葉」や「意味」に共感できましたか?
- ライフスタイル(毎日つけるか、特別な時だけか)に合った硬度の石、またはアイテムを選びましたか?
- 何よりも、その石を見て「美しい」「好きだ」と直感で感じましたか?
あなたにぴったりの誕生石が見つかり、それが一生モノの宝物となることを心から願っています。ぜひ今日から、誕生石のある生活を始めてみてください。
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