「次回の年金はいつ振り込まれるのだろうか」「15日が土曜日の場合、振込は前になるのか後になるのか」といった疑問をお持ちではないでしょうか。
年金は日々の生活を支える大切な資金であり、その支給日を正確に把握しておくことは、家計管理において非常に重要です。
結論から申し上げますと、年金の支給日は原則として偶数月の15日です。もし15日が土日祝日にあたる場合は、その直前の平日(金曜日など)に前倒しで振り込まれるルールとなっています。
この記事では、年金実務に詳しい社会保険労務士が、以下の3点を中心に徹底解説します。
- 【最新版】2024年度・2025年度の年金支給日カレンダー(日付・曜日完全網羅)
- 銀行や郵便局の口座に振り込まれる「時間」の目安と、ATM混雑を回避するコツ
- 初回受給時や振込額が変わるタイミングなど、知っておくべき専門的な注意点
お手元のカレンダーや手帳をご用意いただき、次回の支給日を確認しながら読み進めてみてください。
【最新】年金支給日カレンダーと振込日の基本ルール
年金受給者の皆様にとって最も重要な情報は、「具体的に何月何日に口座へお金が入るのか」という点に尽きるでしょう。ここでは、年金制度における振込日の基本原則と、2024年度および2025年度の具体的なスケジュールについて、どこめりも詳しく解説します。
原則は「偶数月の15日」に2ヶ月分が後払い
日本の公的年金制度(国民年金・厚生年金)において、年金は毎月支払われるものではありません。原則として、偶数月(2月、4月、6月、8月、10月、12月)の年6回に分けて支払われます。
また、年金は「後払い」の仕組みをとっています。支給される年金は、その支給月の「前月」と「前々月」の2ヶ月分となります。具体的には以下の通りです。
- 2月支給分:12月・1月の2ヶ月分
- 4月支給分:2月・3月の2ヶ月分
- 6月支給分:4月・5月の2ヶ月分
- 8月支給分:6月・7月の2ヶ月分
- 10月支給分:8月・9月の2ヶ月分
- 12月支給分:10月・11月の2ヶ月分
このように、年金は働いていた頃の給与とは異なり、2ヶ月分がまとめて振り込まれるため、次回の支給日までの2ヶ月間、計画的に資金を管理する必要があります。
15日が土日祝日の場合は「直前の平日」に繰り上げ
年金の支給日は法律で「偶数月の15日」と定められていますが、カレンダーの並びによっては15日が銀行の休業日(土曜日、日曜日、祝日)に重なることがあります。
この場合のルールは非常に明確で、「直前の平日に繰り上げて支払う」ことになっています。後ろに倒れる(翌週になる)ことはありません。
具体的なパターンを見てみましょう。
- 15日が土曜日の場合:前日の14日(金曜日)に振り込まれます。
- 15日が日曜日の場合:前々日の13日(金曜日)に振り込まれます。
- 15日が祝日(月曜日など)の場合:その前の平日(例えば12日の金曜日など)まで遡って振り込まれます。
この「前倒しルール」のおかげで、予定していた日よりも早く現金が手元に入ることになりますが、逆に言えば、次回の支給日までの期間が数日長くなることも意味します。この数日の差が家計に与える影響は意外と大きいため、注意が必要です。
2024年度(令和6年度)の支給日一覧スケジュール
それでは、2024年度(2024年4月から2025年3月まで)の具体的な支給日を確認しましょう。お手元のカレンダーへの記入にお役立てください。
| 支給月 | 支給日 | 曜日 | 対象となる月分 |
| 4月 | 4月15日 | 月曜 | 2月分・3月分 |
| 6月 | 6月14日 | 金曜 | 4月分・5月分 ※15日が土曜のため前倒し |
| 8月 | 8月15日 | 木曜 | 6月分・7月分 |
| 10月 | 10月15日 | 火曜 | 8月分・9月分 |
| 12月 | 12月13日 | 金曜 | 10月分・11月分 ※15日が日曜のため前倒し |
| 2月 | 2月14日 | 金曜 | 12月分・1月分 ※15日が土曜のため前倒し |
2024年度は、6月、12月、2月の3回において、15日が土日に重なるため、金曜日に前倒し支給となります。特に12月は13日に支給されるため、年末年始の準備に早めに取り掛かることができるでしょう。
2025年度(令和7年度)の支給日一覧スケジュール(予定)
続いて、来年度にあたる2025年度(2025年4月から2026年3月まで)のスケジュールも見ておきましょう。長期的な資金計画を立てる際にご活用ください。
| 支給月 | 支給日 | 曜日 | 対象となる月分 |
| 4月 | 4月15日 | 火曜 | 2月分・3月分 |
| 6月 | 6月13日 | 金曜 | 4月分・5月分 ※15日が日曜のため前倒し |
| 8月 | 8月15日 | 金曜 | 6月分・7月分 |
| 10月 | 10月15日 | 水曜 | 8月分・9月分 |
| 12月 | 12月15日 | 月曜 | 10月分・11月分 |
| 2月 | 2月13日 | 金曜 | 12月分・1月分 ※15日が日曜のため前倒し |
2025年度も、6月と2月において大幅な前倒しが発生します。特に6月13日や2月13日といった早い日付での入金となるため、「まだ15日ではないから」と油断せず、通帳記入や引き出しの計画を立てておくとスムーズです。
社会保険労務士のアドバイス
「私が年金事務所で相談を受けていた際、15日が土曜日であることに気づかず、月曜日までお金が下ろせないと思い込んで週末を不安に過ごされた方がいらっしゃいました。年金は必ず『直前の平日』に入ります。カレンダーには15日ではなく、実際の振込日(金曜日など)に赤丸をつけておくと、うっかり勘違いを防げますよ。特に12月は支給日が早まることで、次回の2月支給までの期間が実質的に長くなります。年末年始で出費がかさむ時期ですので、12月分の使いすぎには十分ご注意ください。」
年金は何時に振り込まれる?金融機関別の入金時間とATM利用のコツ
支給日がわかったところで、次に気になるのが「当日の何時にお金が引き出せるようになるのか」という点です。朝一番で銀行に行ったのに入金されていなかった、という経験をされた方もいらっしゃるかもしれません。
実は、年金が口座に入金される時間は、ご利用の金融機関によって多少の差があります。ここでは、主要な金融機関の入金時間の目安と、支給日当日のATM利用のコツについて解説します。
主要銀行・信用金庫・ゆうちょ銀行の入金時間目安
年金の振込処理は、日本年金機構から各金融機関へデータが送られ、各銀行のシステムが順次処理を行うことで完了します。そのため、銀行の規模やシステムによって「入金が反映される時間」が異なります。
一般的な目安は以下の通りです。
| 金融機関の種類 | 入金開始時間の目安 |
| ゆうちょ銀行 | 午前9:00頃〜 ※窓口・ATMの営業開始に合わせて順次反映されることが多いです。 |
| 都市銀行 (三菱UFJ、三井住友、みずほ等) |
午前9:00〜10:00頃 ※システム処理が早いため、開店と同時に引き出せるケースが大半です。 |
| 地方銀行・信用金庫 | 午前10:00〜11:00頃 ※一部の信金などでは、昼頃までずれ込む場合があります。 |
| ネット銀行 (楽天銀行、住信SBIネット銀行等) |
午前9:00〜10:00頃 ※一部のネット銀行では日付が変わった直後(深夜)に入金されることもあります。 |
これはあくまで目安であり、支店やその日の処理件数によって前後する可能性があります。「朝9時に行ったのにまだ入っていなかった」という場合は、焦らずに10時〜11時頃にもう一度確認してみることをお勧めします。
支給日当日のATM・窓口の混雑状況とおすすめの時間帯
年金支給日(特に偶数月の15日)の銀行窓口やATMは、大変混雑します。多くの受給者の方が一斉に引き出しに訪れるため、30分以上待たされることも珍しくありません。
特に混雑が激しいのは以下の時間帯です。
- 開店直後(9:00〜10:00):最も混み合います。開店前から並んでいる方も多いです。
- お昼休み前後(12:00〜13:00):お勤めの方が利用するため、さらに混雑します。
逆に、比較的空いている狙い目の時間帯は「午後の14時以降」です。可能であれば、支給日当日ではなく、翌日以降にずらして行くと、待ち時間なくスムーズに手続きができるでしょう。
ネットバンキング(Web通帳)活用のすすめ
「わざわざ銀行に行って記帳するのが大変」「入金されたか確認するためだけに外出したくない」という方には、インターネットバンキングやスマートフォンの通帳アプリの活用を強くお勧めします。
これらを利用すれば、自宅にいながらスマホやパソコンで「入金されたか」「いくら入ったか」を瞬時に確認できます。暑い日や寒い日、雨の日に無理をして銀行へ行く必要がなくなりますし、入金を確認してから引き出しに行くことで、無駄足を防ぐことも可能です。
多くの銀行では、高齢者向けのサポート窓口を設けてアプリの設定を手伝ってくれますので、一度相談してみるのも良いでしょう。
社会保険労務士のアドバイス
「支給日当日の銀行は、まさにお祭りのような混雑ぶりです。私が担当したお客様の中には、混雑したATMの列に長時間並んだことで体調を崩されたり、焦って暗証番号を何度も間違えてロックがかかってしまったりするトラブルに見舞われた方もいらっしゃいます。賢い立ち回りとしては、『入金確認はスマホで行い、現金の引き出しは数日ずらす』のがベストです。また、最近はコンビニATMの手数料が無料になる口座も増えていますので、人混みを避けて近所のコンビニでサッと下ろすのも一つの手ですね。」
6月に届く「年金振込通知書」の正しい見方とチェックポイント
毎年6月になると、日本年金機構から皆様のお手元にハガキが届きます。これが「年金振込通知書」です。このハガキは、これから1年間(翌年4月まで)に受け取る年金額をお知らせする非常に重要な書類です。
「字が小さくて読む気がしない」「金額だけ見て捨ててしまった」という声もよく聞きますが、ここには手取り額が決まる重要な情報が詰まっています。ここでは、通知書の正しい見方とチェックすべきポイントを解説します。
年金振込通知書とは?いつ届くのか
「年金振込通知書」は、原則として毎年6月の上旬(5日から10日頃)に発送されます。6月15日の年金支給日の前にはお手元に届くスケジュールになっています。
この通知書には、以下の内容が記載されています。
- 年金支払額:税金や保険料が引かれる前の、いわゆる「額面」の金額
- 控除額:天引きされる社会保険料や税金の金額
- 振込額:実際に銀行口座に振り込まれる「手取り」の金額
なお、年度の途中で年金額や天引きされる保険料額に変更があった場合にも、その都度新しい通知書が送られてきます。
振込額(手取り)はどう決まる?控除される税金と社会保険料
「年金が思ったより少ない」と感じる原因の多くは、年金から天引き(特別徴収)される税金や保険料にあります。年金振込通知書を見るときは、以下の項目が正しく引かれているか、あるいは引かれすぎていないかを確認しましょう。
| 控除項目 | 内容と注意点 |
| 介護保険料 | 65歳以上の方は原則として年金から天引きされます。前年の所得によって段階的に金額が決まります。 |
| 国民健康保険料 (または後期高齢者医療保険料) |
75歳以上の方は後期高齢者医療保険料が、それ未満の方は国民健康保険料が天引きされる場合があります(自治体や世帯状況による)。 |
| 所得税および復興特別所得税 | 年金収入から各種控除を引いた残りの額に対して課税されます。「扶養親族等申告書」を提出していないと、税率が高くなる場合があります。 |
| 個人住民税 | お住まいの自治体に納める住民税も、年金から直接差し引かれるのが一般的です。 |
手取り額は、「年金支払額 -(社会保険料 + 税金)」で計算されます。額面が増えても、保険料が上がれば手取りが減ることもあるため、両方の数字を見比べることが大切です。
「年金改定通知書」との違いと、ハガキの見方図解
よく混同されるのが「年金改定通知書」です。実は、6月に届くハガキは、多くの場合「年金振込通知書」と「年金改定通知書」が一体となっています(一枚のハガキの両面や、圧着ハガキの内側に併記されています)。
- 年金改定通知書:物価の変動などにより、年金の「単価(基本額)」が変わったことを知らせるもの。
- 年金振込通知書:その基本額から税金などを引き、実際に振り込む額を知らせるもの。
ハガキを見る際は、まず「改定通知書」部分で今年度の年金総額を確認し、次に「振込通知書」部分で毎回の振込額を確認するという流れになります。
社会保険労務士のアドバイス
「この通知書は、単なるお知らせではありません。例えば、役所で介護保険の減免申請をする際や、銀行でローンの手続きをする際、あるいは老人ホームの入居手続きなどで『所得証明』として提示を求められることが多々あります。再発行には時間がかかりますので、届いたらすぐに捨てず、次の年の通知書が届くまで、ファイルなどに大切に保管しておくことを強くお勧めします。また、万が一記載されている口座番号が古いままだったり、身に覚えのない控除があったりした場合は、すぐに年金事務所へ問い合わせるための証拠書類にもなります。」
「初回」の年金支給日はいつ?これから受給を開始する方への注意点
これから初めて年金を受け取る方にとって、「最初のお金がいつ入るのか」は切実な問題です。実は、初回の支給については、通常の「偶数月15日」のルールとは異なる動きをすることがあります。
ここでは、新規受給者の方が陥りやすい「空白期間」の罠と、初回特有の振込ルールについて解説します。
裁定請求書の提出から初回振込までの期間(3〜4ヶ月ルール)
年金は、受給年齢になったら自動的に振り込まれるものではありません。ご自身で「年金請求書(裁定請求書)」を提出する必要があります。
重要なのは、請求書を提出してから実際に振り込まれるまでに、約3〜4ヶ月かかるという点です。
- 審査期間:提出書類の審査や年金記録の確認に1〜2ヶ月かかります。
- 処理期間:支給決定から振込手続きまでにさらに1ヶ月程度かかります。
例えば、65歳の誕生月にあわてて請求書を出しても、最初の振込があるのは早くて3ヶ月後、書類に不備があれば4ヶ月後になることもあります。この間は年金収入がない状態となるため、事前の貯蓄や資金計画が不可欠です。
初回のみ「奇数月」に振り込まれるケースとは
通常、年金は偶数月にしか振り込まれませんが、初回支給に限っては「奇数月」に振り込まれることがあります。
これは、審査完了のタイミングによるものです。例えば、審査が完了して「年金証書」が届いたのが10月下旬だったとします。本来の支給月である12月まで待たずに、既払い分を速やかに支払うため、11月15日に初回分だけ振り込まれるケースがあるのです。
この場合、11月に初回分(例えば8月・9月分など)が振り込まれ、次回からは通常のスケジュール通り12月、2月…と続きます。
初回の振込額が半端な金額になる理由(日割り計算ではない?)
「初めて振り込まれた金額を見たら、2ヶ月分にしては少ないし、1ヶ月分にしては多い。計算が合わない」と驚かれる方がいます。
年金の受給権は「誕生日の前日」に発生し、支給は「受給権が発生した月の翌月分」から始まります。
例えば、6月2日生まれの方の場合:
- 受給権発生:6月1日
- 支給開始:7月分から
この方が10月に初回振込を受ける場合、7月・8月・9月分の「3ヶ月分」がまとめて振り込まれることもあります。逆に、タイミングによっては「1ヶ月分」だけが振り込まれることもあります。
このように、初回は「偶数月ごとの2ヶ月分」という枠に収まらない端数の月数分が振り込まれるため、金額が半端に見えるのです。決して計算ミスではありませんのでご安心ください。
社会保険労務士のアドバイス
「『年金の手続きをしたのに、3ヶ月経ってもまだ振り込まれない!』と焦って相談に来られる方が後を絶ちません。多くの場合、日本年金機構から『年金証書』や『年金決定通知書』が届いてから、実際の振込までさらに1ヶ月ほどかかります。初回振込の前には必ず『年金振込通知書』がハガキで届き、そこに『第1回支払日』が明記されています。まずはこのハガキが届くのを待ちましょう。もし請求から4ヶ月以上経っても何も音沙汰がない場合は、書類が迷子になっている可能性もゼロではありませんので、年金事務所へ確認することをお勧めします。」
支給額が変わった?年金改定のタイミングと手取りが変動する理由
「先月までと同じ金額だと思っていたら、急に振込額が変わっていた」という経験はありませんか?年金額は一度決まったら一生同じではありません。物価の変動や制度改正、あるいはご自身の年齢によって、年に数回、金額が見直されるタイミングがあります。
毎年の年金額改定(物価スライド)が反映されるのは6月支給分から
公的年金には、物価や賃金の変動に合わせて支給額を調整する仕組みがあります。毎年4月に新しい年金額(改定率)が適用されます。
しかし、4月分の年金が実際に振り込まれるのは6月15日です。そのため、ニュースなどで「4月から年金が増額されます」と報道されても、4月15日の振込額はまだ前年度のまま(2月・3月分)です。
実際に金額が変わったことを実感できるのは、6月の支給日からとなります。通帳を見て「ニュースで言っていた通り変わったな」と確認できるのはこのタイミングです。
10月支給分から手取りが変わることがある理由(介護保険料等の改定)
もう一つ、多くの受給者が「金額が変わった」と気づくタイミングが10月です。これは、天引きされる社会保険料(介護保険料や国民健康保険料)の金額が確定し、変更されるためです。
- 4月・6月・8月の天引き額:前年度の保険料額を基にした「仮徴収」の期間です。
- 10月の天引き額:6月頃に確定した今年度の住民税額などを基に、正確な保険料が計算され、「本徴収」が始まります。
この調整により、額面の年金額は変わらなくても、引かれる保険料が増減することで、結果として手取り額(振込額)が10月から変わることがよくあります。
年齢による変更(65歳到達時の年金種類の切り替えなど)
60代前半から「特別支給の老齢厚生年金」を受け取っている方は、65歳になると本来の「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」に切り替わります。
この切り替え手続き(ハガキの返送など)を行った後、年金の名称や構成が変わることで、振込額や源泉徴収税額が変更になることがあります。また、75歳になると医療保険が「後期高齢者医療制度」に移行し、保険料の天引き主体が変わるため、一時的に天引きが停止してご自身で納付書払いになるケースなどもあり、手取り額に変動が生じます。
社会保険労務士のアドバイス
「ニュースで『年金が増えた・減った』と聞いても、ご自身の通帳に反映されるまでには数ヶ月のタイムラグがあります。特に注意したいのが、物価上昇で年金額が少し増えても、それ以上に介護保険料などが上がってしまい、結果として『手取りが減った』と感じるケース(いわゆる可処分所得の減少)です。金額が変わった理由が『年金そのものの改定』なのか、『天引きされる保険料の変更』なのかを区別して理解することが、不安解消の第一歩です。6月と10月は、必ず通知書と通帳を突き合わせて確認する習慣をつけましょう。」
年金が振り込まれない!慌てずに確認すべき3つの原因と対処法
「15日を過ぎても年金が振り込まれない」「通帳を見ても入金記録がない」。これは生活に直結する緊急事態です。しかし、システムエラーなどの事故は極めて稀で、ほとんどの場合、何らかの手続き漏れや条件変更が原因です。
もし年金が入っていなかった場合、慌てずに以下の3つの原因を確認してください。
原因1:「現況届」や「生計維持確認届」の提出忘れ
最も多い原因の一つが、日本年金機構から送られてきた確認書類の提出忘れです。
- 現況届:以前は毎年提出が必要でしたが、現在はマイナンバーとの連携により原則不要となりました。しかし、マイナンバー未収録の方や、住民票と異なる住所に住んでいる方などは、引き続き毎年の提出が必要です。
- 生計維持確認届:加給年金などを受け取っている場合、配偶者の所得状況などを確認するために提出を求められることがあります。
これらの書類が届いていたのに提出を忘れていると、生存確認や要件確認ができないため、年金の支払いが一時的に差し止められます。提出すれば、止まっていた分も含めて後日まとめて支払われます。
原因2:金融機関の口座変更や統合・支店廃止の影響
ご自身で口座を変更していなくても、金融機関側の事情で振込不能になることがあります。
- 銀行の合併・支店統廃合:銀行名や支店名、口座番号が変わった場合、基本的には銀行側で読み替えてくれますが、手続きが必要なケースもあります。
- 口座の名義変更:ご結婚や養子縁組などで氏名が変わった際、年金記録の氏名変更と口座名義の変更のタイミングがずれると、振込エラーになることがあります。
- 口座の解約:うっかり年金受取口座を解約してしまった、あるいは長期間利用がなく「休眠口座」扱いになってしまった場合も入金されません。
原因3:在職老齢年金による支給停止(働きながら受給する場合)
60歳以降も厚生年金に加入して働いている場合、お給料(賞与含む)と年金の合計額が一定の基準(2024年度現在は月額50万円)を超えると、年金の一部または全額が支給停止となります。
これを「在職老齢年金制度」といいます。お給料が上がった場合や、ボーナス月などは、この基準を超えてしまい、突然年金が振り込まれなくなる(または減額される)ことがあります。これはミスではなく制度上の仕組みです。
問い合わせ先はどこ?「ねんきんダイヤル」と年金事務所
上記の原因を確認しても解決しない場合は、速やかに問い合わせを行いましょう。問い合わせ先は「ねんきんダイヤル」または最寄りの「年金事務所」です。
電話をかける際は、スムーズな照会のために以下の情報を手元に用意してください。
- 基礎年金番号(年金手帳や年金証書、振込通知書に記載されています)
- 振込指定口座の通帳(支店名や口座番号を確認するため)
- ご本人の生年月日や住所などの本人確認情報
特に基礎年金番号がわからないと、個人の特定に時間がかかり、回答を得るまでに非常に時間がかかってしまいます。
社会保険労務士のアドバイス
「年金が止まってしまった場合、原因さえ解消すれば、支払われなかった分は必ず後から全額支払われます(時効にかからない限り)。『もう貰えないのではないか』とパニックになる必要はありません。よくあるのが、引っ越しをした際に住所変更の手続きを忘れ、日本年金機構からの重要なお知らせ(現況届など)が届かずに返送されてしまい、結果として支給停止になるケースです。郵便局の転送届だけでなく、年金事務所への住所変更届も忘れずに行うことが、年金を確実に受け取り続けるための鉄則です。」
年金支給日に関するよくある質問(FAQ)
最後に、年金の支給日や振込に関して、日々の相談業務の中で頻繁に寄せられる質問にお答えします。
Q. 年金にボーナス月はありますか?(12月の支給額が多い?)
残念ながら、公的年金には会社員のような「ボーナス(賞与)」という仕組みはありません。12月に支給されるのは、あくまで10月分と11月分の2ヶ月分です。
「12月は普段より多かった気がする」という場合、それは年末調整や確定申告による税金の還付と混同されているか、あるいは過去の未払い分が調整されて加算された可能性がありますが、制度としてのボーナスはありません。
Q. 障害年金や遺族年金の支給日も同じですか?
はい、同じです。老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金も、原則として「偶数月の15日」に振り込まれます。振込日に関するルールは全ての公的年金で共通です。
ただし、年金の種類によって「非課税」などの扱いは異なります(障害年金と遺族年金は非課税のため、所得税や住民税は引かれません)。
Q. 受給者が亡くなった場合の未支給年金はどうなりますか?
年金受給者が亡くなった場合、亡くなった月分までの年金を受け取る権利があります。しかし、年金は後払いのため、必ず「まだ受け取っていない年金(未支給年金)」が発生します。
この未支給年金は、生計を同じくしていた遺族(配偶者、子、父母など)が請求して受け取ることができます。自動的には振り込まれませんので、年金事務所で「未支給年金請求書」を提出する必要があります。
Q. 振込先口座を家族名義にすることはできますか?
いいえ、できません。年金の振込先は、受給者本人名義の口座に限られます。ご夫婦であっても、夫の年金を妻の口座に入れたり、その逆をしたりすることは認められていません。
ご本人が認知症などで口座管理が難しい場合は、成年後見制度を利用して、後見人が管理する口座(「受給者名義」の口座)で受け取る形になります。
社会保険労務士のアドバイス
「ご家族が亡くなられた際の手続きは非常に重要です。死亡届を役所に出しても、年金の振込は自動的には止まりません。手続きが遅れて死亡後の月分まで振り込まれてしまうと、後からその分を国に返還しなければならず(過払い金の返還)、非常に面倒な手続きが発生します。ご不幸があった際は、速やかに(国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内)年金事務所へ連絡し、『受給権者死亡届』と『未支給年金請求』の手続きをセットで行うようにしてください。」
まとめ:次回の年金支給日を把握して、計画的な家計管理を
今回は、年金支給日のカレンダーと、振込に関する様々なルールについて解説してきました。記事のポイントを改めて整理します。
- 年金支給日は原則「偶数月の15日」。
- 15日が土日祝日の場合は、「直前の平日」に前倒しで振り込まれる。
- 振込時間は金融機関によるが、午前中には概ね完了する。
- 支給日当日のATMは激混みするため、翌日以降の利用やネットバンキングが推奨。
- 初めての受給や、6月・10月は振込額の変動に注意し、必ず通知書を確認する。
年金は、偶数月に2ヶ月分がまとめて入るという特性上、計画的に使わないと「奇数月の後半にお金が足りない」という事態になりがちです。
ぜひ、今回ご紹介したカレンダーを参考に、次回の支給日を手帳に書き込んでみてください。「いつ」「いくら」入るかを正確に知ることは、安心した老後生活を送るための第一歩です。わからないことがあれば、通知書をお手元に用意して、お近くの年金事務所や専門家へ相談することをお勧めします。
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