いわき市の天気予報を見て「晴れだから暖かいはず」と薄着で出かけ、想像以上の寒さに震えた経験はありませんか?あるいは、青空なのに洗濯物が強風で飛ばされてしまったことはないでしょうか。
結論から申し上げますと、いわき市の天気生活において最も重要な鍵は「風」です。
単なる晴れ予報であっても、いわき市特有の海からの強風が吹くことで体感温度は予報気温より大幅に下がります。また、この風は洗濯物の外干し判断や、交通機関の運行にも密接に関わっています。数値だけの天気予報では見えてこない、この「風のリスク」を正しく読み解くことこそが、いわきで快適に暮らすための秘訣なのです。
この記事では、福島県浜通りの気象特性を長年観測し続けてきた専門家である筆者が、天気予報の数値だけでは分からない「生活への具体的な影響」と「対策」を徹底解説します。
この記事でわかること
- いわき市特有の「強風」を考慮した、失敗しない服装選びと洗濯の判断基準
- 小名浜・平・常磐など、エリアによって大きく異なる天気のズレと特徴
- 「東北のハワイ」と呼ばれていても油断できない、雪への備えと防災のポイント
いわき市の「今」の天気と服装・洗濯判断
まず、あなたが今一番知りたいであろう「今日の服装はどうすべきか」「洗濯物は干せるのか」という直近の行動指針について解説します。いわき市での生活において、天気予報の「晴れマーク」や「最高気温」だけを信じて行動するのはリスクがあります。
なぜなら、いわき市は「風の街」とも言えるほど、年間を通じて風の影響を強く受ける地域だからです。ここでは、数値データをどのように生活の実感に変換して判断すべきか、具体的な基準をお伝えします。
福島県浜通り担当の気象予報士のアドバイス
「いわき市の天気予報を見る際は、天気マークよりも先に『風速』の欄を確認する癖をつけてください。予報気温が15℃あっても、風速が5m/sあれば体感は10℃以下、つまり冬の寒さです。多くの予報サイトでは風速が小さく表示されがちですが、ここを見落とすと『思ったより寒い』『洗濯物が飛ばされた』という失敗に直結します。」
今日の天気予報と体感温度のズレ
天気予報で表示される気温は、風通しの良い百葉箱の中で計測された空気の温度です。しかし、私たちが実際に肌で感じる「体感温度」は、日差しや湿度、そして何より「風」によって大きく左右されます。
一般的に、風速が1m/s増すごとに、体感温度は約1℃下がると言われています。いわき市、特に小名浜などの沿岸部では、日常的に風速5m/s〜10m/sの風が吹くことは珍しくありません。
例えば、天気予報で「気温10℃」と出ていたとします。風が穏やかな内陸部(中通りや会津)であれば、日差しがあればポカポカと感じるかもしれません。しかし、いわき市で風速8m/sの北風が吹いている場合、体感温度は単純計算で「10℃ – 8℃ = 2℃」となり、真冬並みの寒さとなります。
さらに、いわき市の風は海から湿った空気を運んでくることもあれば、冬場には乾燥した冷たい「からっ風」となることもあります。この湿度の変化も体感温度に影響を与えますが、まずは「風速×1℃」を引き算して、実際の寒さをイメージすることが重要です。
【服装ナビ】朝晩と日中の寒暖差に対応するコーデ
いわき市での服装選びで失敗しないためには、「最高気温」ではなく「風速を加味した体感温度」と「朝晩の冷え込み」を基準にする必要があります。特に春や秋の季節の変わり目は、日中は暖かくても、日が落ちて海風が強まると急激に冷え込むため注意が必要です。
以下に、気温と風速を組み合わせた、いわき市仕様の服装目安マトリクスを作成しました。お出かけ前の参考にしてください。
| 予報気温 | 風速 1〜3m/s (穏やか) | 風速 4〜7m/s (風がある) | 風速 8m/s以上 (強風) |
| 20℃以上 | 半袖・長袖シャツ (快適) |
長袖シャツ + 薄手カーディガン (風が肌寒い) |
ウィンドブレーカー必須 (体感は15℃以下) |
| 15℃〜19℃ | 薄手のジャケット・パーカー (過ごしやすい) |
トレンチコート・厚手ニット (夕方は冷える) |
冬用コート・マフラー推奨 (体感は10℃前後) |
| 10℃〜14℃ | 冬用コート・セーター (冬の装い) |
ダウンジャケット (風を通さない素材を) |
ダウン + 防風インナー + 手袋 (真冬の防寒) |
| 10℃未満 | 真冬の重装備 (ダウン・マフラー) |
完全防寒 (耳当てや帽子も有効) |
外出を控えるレベル (極寒・路面凍結注意) |
特に意識していただきたいのは、「防風素材」のアウターです。ウールやニットのコートは風を通してしまうため、いわきの強風下では保温効果が半減してしまいます。薄手でも構いませんので、ナイロンやポリエステルなどの風を通さないウィンドブレーカーや、高密度のダウンジャケットを一番上に羽織ることで、体感温度を劇的に上げることができます。
今日の洗濯指数:外干しOKか?強風対策は?
「今日は晴れているから洗濯物を外に干そう」といわき市で安易に判断するのは危険です。いわき市民にとっての「洗濯日和」とは、単に晴れているだけでなく「風が適度であること」が条件となります。
強風による洗濯物へのリスクは以下の通りです。
- 飛散・紛失:ハンガーごと飛ばされ、庭や道路、最悪の場合は近隣の敷地まで飛んでいってしまいます。
- 汚れの付着:強い風は砂ぼこりや花粉、海沿いであれば潮風(塩分)を運んできます。せっかく洗った洗濯物が汚れたり、ベタついたりする原因になります。
- 偏り・生乾き:風でハンガーが竿の端に寄ってしまい、衣類同士が重なって乾きムラができます。
風速ごとの外干し判断基準
- 風速 3m/s以下:安心して外干しできます。
- 風速 4〜6m/s:注意が必要です。ハンガーは必ず強力な洗濯バサミで竿に固定してください。軽い衣類は飛ばされるリスクがあります。
- 風速 7m/s以上:外干しは危険です。晴れていても室内干し、または乾燥機の使用を強く推奨します。どうしても外に干す場合は、飛ばされないようネットに入れるなどの対策が必要です。
また、春先(2月〜4月)はスギ花粉だけでなく、強風による土埃(つちぼこり)が舞いやすい時期です。空が霞んで見えるような日は、晴れていても部屋干しにするのが賢明です。
【地域特性】「風」と「雪」がいわき市の天気を決める
いわき市の天気予報を見る際、福島県内の他の地域(中通り・会津)と同じ感覚でいてはいけません。いわき市を含む浜通り地方は、阿武隈高地という山脈によって内陸部と隔てられており、気候区分としては全く別の国と言っても過言ではないほど特徴が異なります。
ここでは、競合サイトの自動生成テキストでは語られない、専門家ならではの視点で「なぜいわきは風が強いのか」「雪は本当に降らないのか」といった地域特性を深掘りします。
福島県浜通り担当の気象予報士のアドバイス
「福島県の天気予報で『会津で大雪』と報じられても、いわき市では快晴ということがよくあります。これは地形が雪雲をブロックしているからです。しかし、逆に『南岸低気圧』が通過する際は、いわき市だけが大雪に見舞われるという逆転現象が起きます。このパターンの違いを理解しておくことが、冬のいわき生活でのリスク管理になります。」
なぜいわき市は風が強いのか?地形と海風の影響
いわき市で風が強い理由は、その地形にあります。西側には阿武隈高地が連なり、東側は広大な太平洋に面しています。この地形が、風の通り道を作り出しているのです。
冬場は、大陸から吹き出す冷たい北西の季節風(からっ風)が阿武隈高地を越えて吹き下ろしてきます。山を越える際に湿気を落とすため、いわき市に届く頃には「乾燥した冷たい強風」となります。これが、冬のいわき市が晴天率が高いものの、体感的に非常に寒い理由です。
一方、夏場は海からの風が支配的になります。日中は陸地が暖められ、海との温度差によって「海風」が発生します。特に午後になると海風が強まり、内陸の熱気を緩和してくれるため、福島市や郡山市のような猛暑日(35℃以上)になりにくいというメリットもあります。
しかし、春や初夏には発達した低気圧が通過することが多く、海からの南風が暴風となることもあります。このように、季節によって風向きや性質は変わりますが、「常に風と共にある」のがいわき市の気候特性です。
「東北のハワイ」は本当?雪が降る条件と頻度
いわき市は「東北のハワイ」というキャッチフレーズの通り、東北地方の中では圧倒的に雪が少ない地域です。年間を通して積雪が一度もない年も珍しくありません。これは前述の通り、西側の山脈が日本海側からの雪雲を遮断してくれるためです。
しかし、「雪が降らない」と油断するのは禁物です。いわき市で雪が積もる時は、普段とは異なる気圧配置の時です。それが「南岸低気圧」です。
南岸低気圧とは、本州の南岸(太平洋側)を通過する低気圧のことです。この低気圧が通過する際、北からの冷たい空気と南からの湿った空気がぶつかり合い、関東地方や福島県の浜通り地方に大雪をもたらすことがあります。
このパターンの厄介な点は、普段雪に慣れていない地域で集中的に降ることです。わずか5cm〜10cmの積雪でも、いわき市内の交通網は麻痺し、坂道の多い住宅地では車が立ち往生します。ノーマルタイヤで冬を越そうとするドライバーも多いため、一度雪が積もると大渋滞が発生しやすいのです。
【詳細解説】過去の大雪事例と教訓(クリックして展開)
2014年2月など、過去には南岸低気圧の影響でいわき市内で記録的な大雪(積雪30cm以上)となり、数日間にわたって市民生活が孤立状態になった事例があります。
教訓と対策:
- スタッドレスタイヤへの交換:「どうせ降らない」と思わず、12月〜3月の間はスタッドレスタイヤを装着するか、チェーンを常備することを強く推奨します。
- 食料の備蓄:雪で買い物に行けなくなることを想定し、数日分の食料を確保しておきましょう。
- スコップの準備:雪かき用のスコップがない家庭も多いですが、いざという時に車を出すために1本は必要です。
湿度と乾燥:冬場の火の取り扱いと肌荒れ対策
冬のいわき市は、日本海側とは対照的に極端に乾燥します。連日「乾燥注意報」が発表されることも珍しくありません。湿度が20%〜30%台まで下がる日も多く、これは砂漠並みの乾燥状態です。
この乾燥に「強風」が加わることが、いわき市の冬の最大のリスクである「火災」を招きます。一度火災が発生すると、強風にあおられて延焼速度が非常に速く、大規模な火災に発展しやすい傾向があります。屋外での焚き火やタバコのポイ捨てはもちろん、強風時のゴミ出しなどでも火の気には細心の注意が必要です。
また、この乾燥と風は肌荒れや喉の痛みの原因にもなります。外出時のマスク着用は防寒・保湿の両面で有効です。室内では加湿器をフル稼働させ、湿度50%〜60%を保つよう心がけましょう。
エリア別(小名浜・平・常磐・勿来)の天気の微妙な違い
いわき市は面積が非常に広く(約1,232平方キロメートル)、市内で気候が異なります。「いわき市の天気」と一括りにされた予報だけでは、自分の住んでいる場所や出かけ先の天気を正確に把握できないことがあります。
ここでは、主要な4つのエリアに分けて、それぞれの天気の微妙な違いと特徴を解説します。
福島県浜通り担当の気象予報士のアドバイス
「いわき市内での移動、例えば平から小名浜へ行く場合でも、気温が2〜3℃違うことは日常茶飯事です。特に春から夏にかけては、海沿いの小名浜が霧で肌寒いのに、内陸の平は晴れて暑いということがよくあります。出かける先のエリア特性を知っておくことで、服装選びの失敗を防げます。」
小名浜・勿来(沿岸部):海風の影響をダイレクトに受けるエリア
特徴:海洋性気候、強風、海霧(じり)
海に面した小名浜や勿来地区は、海の影響を最も強く受けます。冬は海の水温効果で内陸より暖かく、朝の冷え込みも比較的緩やかです。しかし、風を遮るものがないため、風速は市内でも最も強くなります。
夏場は「海霧(じり)」と呼ばれる霧が発生しやすいのが特徴です。海上の湿った空気が冷やされて霧となり、街全体を覆い尽くすことがあります。この霧が発生すると気温が上がらず、真夏でも肌寒く感じることがあります。また、視界が悪くなるため車の運転には十分な注意が必要です。
平・常磐(市街地・内陸部):ヒートアイランドと放射冷却
特徴:寒暖差大、ビル風、ヒートアイランド
市役所や駅がある平地区や、温泉街のある常磐地区は、海岸線から少し内陸に入っています。そのため、沿岸部に比べて海風の影響が弱まり、日中の気温が上がりやすい傾向があります。夏場はいわき市内の中で最も気温が高くなるエリアです。
一方で、冬場の朝晩は「放射冷却」の影響を受けやすく、沿岸部よりも冷え込みが厳しくなります。朝は車のフロントガラスが凍っていても、昼間はポカポカ陽気になるなど、1日の中での寒暖差(日較差)が大きいのが特徴です。また、平の市街地ではビルやマンションによる「ビル風」が発生し、局地的に突風が吹く場所があります。
山間部(遠野・田人など):積雪・凍結リスクが異なるエリア
特徴:山岳気候、積雪、路面凍結
いわき市の西側に位置する遠野、田人、小川、三和などの山間部は、標高が高く、気候は中通り(郡山など)に近くなります。平地では雨でも、山間部に入った途端に雪に変わることは頻繁にあります。
特に冬場の路面凍結(アイスバーン)は深刻です。日陰のカーブや橋の上などは、昼間でも凍結していることがあります。市街地から山間部へ向かう際は、気温が3〜5℃下がると考えて準備をする必要があります。
| エリア | 夏の特徴 | 冬の特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 小名浜・勿来 (沿岸) |
涼しい 霧が出やすい |
比較的暖かい 風が非常に強い |
強風による飛来物 夏の濃霧 |
| 平・常磐 (市街・内陸) |
暑くなりやすい | 朝晩冷え込む 日中は穏やか |
1日の寒暖差 ビル風 |
| 山間部 (遠野・田人等) |
朝晩涼しい | 寒い 雪が積もる |
路面凍結 急な天候変化 |
週間天気予報の活用と週末レジャー計画
週末にアクアマリンふくしまやハワイアンズへのお出かけを計画している方、あるいは子供の運動会や遠足を控えている方にとって、週間天気予報の精度は死活問題です。「週末の天気はいつ確定するのか」「どの予報を信じればいいのか」、プロの視点から解説します。
福島県浜通り担当の気象予報士のアドバイス
「週間予報を見る時は、晴れ・雨のマークだけでなく『信頼度』という情報に注目してください。気象庁のサイトなどではA・B・Cで表示されています。特に春や秋は天気が周期的に変わりやすく、予報が直前までブレることがあります。大事な予定がある場合は、木曜日の朝に発表される予報を見て最終判断することをお勧めします。」
週末の天気はいつ確定する?信頼度情報の見方
週間天気予報は、先になればなるほど精度が落ちます。一般的に、週末(土日)の天気が比較的高い精度で固まってくるのは、2〜3日前の木曜日頃です。
気象庁の週間予報には「信頼度」という指標があります。
- 信頼度A:予報が変わる可能性は低く、ほぼ確実。
- 信頼度B:多少のズレはあるかもしれないが、概ね予報通り。
- 信頼度C:予報が変わる可能性が高い。雨予報が晴れになったり、その逆もあり得る。
もし週末の予報が「信頼度C」であれば、まだ諦める(あるいは安心する)のは早いです。こまめに最新情報をチェックしましょう。
アクアマリンふくしま・スパリゾートハワイアンズ周辺の天気
いわき市の二大レジャー施設ですが、天候リスクの考え方が異なります。
スパリゾートハワイアンズ(常磐地区):
基本的に全天候型の屋内施設(ドーム)なので、雨や風の影響はほぼ受けません。ただし、冬場は露天風呂への移動時などに外気を感じるため、湯冷めしないよう羽織るものが必要です。行き帰りの道中、特に高速道路の強風規制には注意してください。
アクアマリンふくしま(小名浜地区):
水族館ですが、屋外エリア(蛇の目ビーチなど)や移動通路が外に面しています。小名浜港の突端にあるため、風の影響を強烈に受けます。市街地では穏やかでも、ここでは帽子が飛ばされるほどの強風が吹いていることがよくあります。スカートよりもパンツスタイル、帽子にはクリップをつけるなどの対策が必須です。
運動会・遠足シーズンのお弁当対策と雨天判断
運動会や遠足の実施判断に悩む場合、「降水確率」と「雨雲レーダー」を使い分けましょう。
前日の夜の段階では「降水確率」を見ます。40%以上あると実施が危ぶまれます。当日の朝は「雨雲レーダー」の実況と予想を見ます。「今雨が降っていなくても、西から雨雲が近づいていないか」を確認してください。いわき市の天気は西から東へ変わることが多いですが、海からの東風で雨雲が入ってくるパターンもあるため、レーダーで雲の動きをアニメーション再生して確認するのが確実です。
季節別いわき市の気象対策カレンダー
年間を通じて、いわき市で生活する上で気をつけるべき気象ポイントを季節ごとにまとめました。
春(3月〜5月):強風と花粉、寒暖差
「春一番」に代表されるように、発達した低気圧が通過し、嵐のような強風が吹く日が増えます。洗濯物が飛ばされる事故が最も多いシーズンです。また、スギ・ヒノキ花粉が風に乗って大量に飛散します。日中は暖かくても朝晩はまだ冬の寒さが残るため、脱ぎ着しやすい重ね着スタイルが基本です。
夏(6月〜8月):比較的涼しい夏と「やませ」
いわき市の夏は、海からの涼しい風の影響で、福島県の内陸部や関東に比べて過ごしやすいのが特徴です。ただし、北東からの冷たい湿った風「やませ」が吹き続けると、気温が上がらず、農作物への冷害や、海水浴場での低水温などの影響が出ます。近年は局地的なゲリラ豪雨も増えているため、急な空の暗転や雷鳴には注意が必要です。
秋(9月〜11月):台風シーズンと秋雨
いわき市は台風の通り道になりやすい地域です。特に秋の台風は、秋雨前線を刺激して大雨をもたらすことがあります。河川の増水や土砂災害のリスクが最も高まる時期です。台風通過後は一気に季節が進み、寒くなることが多いので、寝具や衣替えの準備を早めに進めましょう。
冬(12月〜2月):乾燥した晴天と路面凍結
「いわきブルー」とも呼ばれる晴天が続きますが、空気はカラカラに乾燥します。火の取り扱いに最大の注意を払ってください。雪は少ないですが、朝晩の冷え込みによる路面凍結(ブラックアイスバーン)は頻発します。橋の上、トンネルの出入り口、日陰のカーブでは、見た目が濡れているだけでも凍っている可能性があるため、減速運転を心がけてください。
いわき市民のための防災マニュアル(台風・大雨・地震)
いわき市は海と山に囲まれているため、津波、河川氾濫、土砂災害と多様な災害リスクを抱えています。令和元年東日本台風(台風19号)では、夏井川などが氾濫し甚大な被害が出ました。命を守るための情報を整理します。
福島県浜通り担当の気象予報士のアドバイス
「大雨の際、避難所へ行くことだけが避難ではありません。夜間や豪雨の中での移動はかえって危険な場合があります。自宅の2階以上へ移動する『垂直避難』が有効なケースもあります。そのためには、事前にハザードマップを見て、自宅が浸水想定区域に入っているか、土砂災害のリスクがあるかを平時のうちに確認しておくことが絶対条件です。」
夏井川・鮫川の氾濫リスクと水位情報の確認方法
市内を流れる夏井川、鮫川、好間川などの主要河川は、大雨の際に急激に水位が上昇することがあります。上流の阿武隈高地で降った雨が一気に流れ込んでくるため、市内で雨が止んでいても水位が上がり続けることがあるので注意が必要です。
危険を感じたら、国や県が提供している「川の水位情報」を確認してください。ライブカメラで現在の川の様子を見ることもできますが、増水時に川を見に行く行為は絶対にやめてください。
土砂災害警戒区域と避難のタイミング
いわき市には崖崩れや地滑りのリスクがある「土砂災害警戒区域」が多数存在します。大雨警報が発表され、さらに雨が降り続くと「土砂災害警戒情報」が出されます。これが避難のスイッチです。
しかし、夜間に警報が出ることもあります。暗くなってからの避難は危険を伴うため、「高齢者等避難」の情報が出た段階、あるいは「明るいうち」に、早めに親戚の家や避難所へ移動する自主避難を検討してください。
地震・津波発生時の気象条件と避難行動
いわき市は長い海岸線を持つため、地震発生時の津波リスクは常に頭に入れておく必要があります。もし冬の夜中や、悪天候の時に避難が必要になった場合、寒さは命取りになります。
非常持ち出し袋には、懐中電灯や水だけでなく、アルミブランケットやカイロ、厚手の靴下などの防寒具を必ず入れておきましょう。雨の中の避難用に、両手が使えるレインコートも必須です。
【チェック】いわき市防災情報・緊急連絡先リスト(クリックして展開)
いざという時に慌てないよう、以下の情報の入手先をスマホに登録、または紙に書いて貼っておきましょう。
- いわき市防災メール:登録しておくと、避難情報や気象警報が自動で届きます。
- FMいわき (76.2MHz):災害時には臨時放送が行われ、市内の細かい被害状況や給水情報などが得られます。
- キキクル(気象庁):地図上で土砂災害や浸水の危険度が色分けで表示されます。
- 福島県河川流域総合情報システム:県内の河川水位と雨量情報が確認できます。
交通と天気:常磐線・常磐道の規制基準
通勤・通学や物流の要である交通機関も、いわきの天気(特に風)の影響を受けます。
JR常磐線・磐越東線の運行情報と風規制
JR常磐線は海沿いを走る区間が多く、強風の影響を受けやすい路線です。風速が規制値(概ね20m/s〜25m/s程度)を超えると、速度を落として運転したり、運転を見合わせたりします。特に日立〜いわき間や、広野〜富岡間などは風が吹き抜けやすく、遅れが出やすい区間です。風が強い日は、運行情報アプリでこまめに状況を確認し、時間に余裕を持って行動しましょう。
常磐自動車道・磐越自動車道の通行止め基準
高速道路では、風速だけでなく、冬場の雪や霧による規制が発生します。いわき市内は雪が少なくても、常磐道を北上して仙台方面へ向かう場合や、磐越道で郡山・会津方面へ向かう場合は、チェーン規制や冬用タイヤ規制がかかることが頻繁にあります。「いわきが晴れているから大丈夫」と思わず、目的地の天気と道路交通情報を必ず確認してから出発してください。
よくある質問 (FAQ)
Q. いわき市の天気予報、どこのサイトが一番当たりますか?
どの気象会社も気象庁のデータをベースに独自の計算を加えていますが、基本的には「気象庁」の公式予報や、地元の「福島地方気象台」が発表する情報が最も信頼性が高いと言えます。特に防災に関わる警報や注意報は気象庁が唯一の発表機関です。生活情報(洗濯指数など)を知りたい場合は民間サイト、命に関わる情報は気象庁、と使い分けるのがおすすめです。
Q. 「浜通り」の予報といわき市の予報、どちらを見ればいい?
テレビなどで表示される「浜通り」は、相馬からいわきまで広い範囲を含みます。より正確な情報を知るには、必ず「いわき市」のピンポイント予報を見てください。さらに言えば、前述の通り小名浜と平でも天気が違うことがあるため、アプリなどで市区町村以下の詳細地点(小名浜、平、常磐など)を設定して見るのがベストです。
Q. いわき市でスタッドレスタイヤは必要ですか?
福島県浜通り担当の気象予報士のアドバイス
「『年に数回しか降らないからノーマルタイヤでいい』と考える方もいますが、気象予報士としてはスタッドレスタイヤの装着を強く推奨します。理由は2つです。1つは、予想外の南岸低気圧による急な積雪リスク。もう1つは、雪がなくても発生する『路面凍結』のリスクです。朝の通勤時間帯、橋の上や日陰でスリップ事故を起こさないためにも、冬の安全コストとして割り切って準備することをお勧めします。」
まとめ:いわきの天気は「風」を読んで快適に
いわき市での生活において、天気予報を見る視点は少し変える必要があります。単に「晴れか雨か」だけでなく、「風がどれくらい強いか」「自分がいるエリアはどこか」を意識することで、体感温度のズレや洗濯の失敗を防ぐことができます。
最後に、明日から実践できる「いわき市お出かけ前チェックリスト」を確認して、快適な一日を過ごしてください。
いわき市お出かけ前チェックリスト
- [ ] 天気マークだけでなく、必ず「風速」を確認しましたか?
- [ ] 風速5m/s以上なら、予報気温より一枚多めに羽織る準備をしましたか?
- [ ] 洗濯物を干す場合、強風対策(しっかり挟む・室内干し)をしましたか?
- [ ] 小名浜などの沿岸部に行く場合、内陸より風が強く体感が寒いことを考慮しましたか?
- [ ] (冬場)朝晩の移動ルートに、路面凍結しやすい場所(橋の上など)はありませんか?
日々の天気予報を賢く活用し、風の強いいわき市でも安全で快適な生活を送りましょう。万が一の災害に備えて、市役所の防災メール登録なども忘れずに行ってください。
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