「雑誌やSNSで見たあのふんわりしたパーマに憧れるけれど、自分がやると失敗しそうで怖い」
「過去にパーマをかけたら、おばさんっぽくなってしまったトラウマがある」
「朝のセットを楽にしたいのに、逆に手間が増えてしまった経験がある」
もしあなたがこのように感じているなら、それは決してあなたの髪質のせいだけではありません。パーマの失敗の多くは、実は「種類の選択ミス」と「美容師へのオーダーのズレ」、そして「自宅での再現方法の誤解」から生まれています。
パーマは、髪の形状そのものを変える化学的な施術です。カットやカラー以上に、美容師の技術力と知識、そして何より「事前のカウンセリング」が仕上がりを左右します。しかし、多くのヘアカタログサイトでは「可愛いスタイル写真」はたくさん掲載されていても、「なぜそのパーマがそのモデルに似合っているのか」「あなたの髪質で再現するにはどうすればいいのか」という本質的な情報は驚くほど少ないのが現状です。
結論から申し上げますと、パーマ成功のカギは、流行を追うことではなく、あなたの「髪質」と「なりたい質感」に論理的に合致した種類を選び、美容師に正しくオーダーすることにあります。
この記事では、業界歴18年、延べ20,000人以上の髪質診断を行ってきた現役美容師である筆者が、カタログを見るだけでは分からないパーマの基礎知識から、美容室での失敗しない頼み方、そして朝5分でキマる再現性の高いセット方法までを徹底解説します。教科書的な知識だけでなく、現場で培った「失敗しないための知恵」を余すところなくお伝えします。
この記事でわかること
- デジタルパーマとコールドパーマの違いと、あなたに合う種類の見極め方
- 「老け見え」「チリチリ」を防ぐ、美容室での失敗しないオーダーテンプレート
- ズボラでも大丈夫!プロが教えるパーマを長持ちさせるケアとスタイリング術
読み終える頃には、あなたの髪質に最適なパーマの種類が明確になり、自信を持って美容室の予約ができるようになっているはずです。ぜひ最後までお付き合いください。
パーマの種類と違いを徹底比較!あなたに合うのはどれ?
美容室の予約画面を見て、「デジタルパーマ」「コスメパーマ」「水パーマ」「エアウェーブ」など、あまりに多いメニュー名に戸惑ったことはありませんか?
実は、これらの名称は美容室が独自につけたメニュー名であることも多く、根本的なパーマの仕組みで分類すると、大きく分けて「コールドパーマ(常温)」と「ホット系パーマ(加温)」の2種類に集約されます。ここに、乾燥工程を加えた「エアウェーブ」などが加わります。
自分に合うパーマを選ぶために最も重要なのは、専門的な化学反応式を知ることではなく、それぞれのパーマが「どのような質感になるのか」「どの程度のダメージリスクがあるのか」「持ちはどのくらいか」という特徴を理解することです。
ここでは、代表的なパーマの種類を比較し、あなたの髪質やライフスタイルに最適なものがどれかを見極めるための判断基準を提供します。
【比較表】デジタルパーマ・コールドパーマ・エアウェーブの基本
まずは、主要な3つのパーマの違いを一目で理解できるよう、比較表にまとめました。この表を基準に、自分はどのタイプに近いかをイメージしてみてください。
| 特徴 | コールドパーマ (水パーマ) |
デジタルパーマ (ホットパーマ) |
エアウェーブ |
|---|---|---|---|
| 施術の仕組み | 薬剤の力のみでかける。 熱を使わない。 |
薬剤+高温の熱(ロッド) で形状記憶させる。 |
薬剤+温風による乾燥 で優しく定着させる。 |
| カールの質感 | 濡れると強く出る。 乾くと緩くなる。 柔らかいウェーブ。 |
乾くと強く出る。 コテ巻き風の弾力。 立体的でくっきり。 |
柔らかくふんわり。 根元の立ち上がり。 外国人風の質感。 |
| 向いている髪質 | 軟毛、猫っ毛。 ショート〜ボブ。 根元からかけたい人。 |
硬毛、直毛、太い髪。 ミディアム〜ロング。 かかりにくい髪質。 |
軟毛〜普通毛。 ボリュームが欲しい人。 ダメージを抑えたい人。 |
| 持ち(持続性) | 1.5ヶ月 〜 3ヶ月 | 3ヶ月 〜 6ヶ月 (半永久的) |
3ヶ月 〜 5ヶ月 |
| スタイリング | ムースやジェルで 濡れ感を出すのが必須。 |
ねじって乾かすだけで 形になりやすい。 |
ドライヤーで乾かすと ふんわり再現される。 |
| ダメージレベル | 小 〜 中 (薬剤による負担) |
中 〜 大 (薬剤+熱の負担) |
小 〜 中 (低温乾燥のため低め) |
このように、それぞれ得意とする領域が異なります。「持ちが良いからデジタルパーマがいい」と安易に選ぶのではなく、あなたの髪質や普段のセット方法に合わせて選ぶことが重要です。
コールドパーマ(水パーマ):根元のボリュームと柔らかいウェーブ
コールドパーマは、最も歴史が古く、かつ現在でも多くのデザインで使用される基本的なパーマです。「水パーマ」と呼ばれることもありますが、これはスチーム(水蒸気)を当てて薬剤の浸透を良くする工程を含む場合の呼称であり、基本原理はコールドパーマと同じです。
最大の特徴:濡れている時にウェーブが最大化する
コールドパーマの最大の特徴は、髪が濡れている状態の時に最もカールが強く出て、乾かすとウェーブが伸びて緩くなるという性質です。これを利用して、ムースやジェルなどの水分を含んだスタイリング剤を揉み込み、自然乾燥に近い状態で仕上げるのが基本です。
向いている人・スタイル
熱を使わず頭皮近くまでロッドを巻けるため、根元のボリュームアップや、ショートヘア、ボブスタイルに向いています。また、熱変性を起こさないため、仕上がりの質感は非常に柔らかく、くせ毛風のナチュラルなニュアンスを出したい方に最適です。逆に、ロングヘアで大きめのカールをしっかり出したい場合、重力に負けてダレやすいため、あまり向きません。
デジタルパーマ(ホットパーマ):形状記憶でコテ巻き風のカール
デジタルパーマは、専用の機械を使い、ロッド自体を高温(60度〜90度程度)にして髪に熱を与えながらかけるパーマです。縮毛矯正と同じく熱の力を利用して髪のタンパク質構造を変えるため、「形状記憶パーマ」とも呼ばれます。
最大の特徴:乾いた時にカールが蘇る
コールドパーマとは真逆で、ドライヤーで乾かせば乾かすほど、コテで巻いたような弾力のあるくっきりとしたカールが出現します。この性質により、自宅での再現性が非常に高く、朝のセットが苦手な方でも扱いやすいのが魅力です。
向いている人・スタイル
髪が硬くて太い方、直毛で今までパーマがかかりにくかった方、あるいはすぐに取れてしまった経験がある方にはデジタルパーマが救世主となります。特にミディアムからロングヘアで、毎朝コテで巻いているような大きめのカール(韓国風ヘアなど)を求めている場合には最適です。ただし、熱を使うため根元ギリギリからはかけられず、ショートヘアやトップのボリューム出しには不向きです。
その他のパーマ(エアウェーブ・ストカール・スパイラルなど)
上記の2大パーマ以外にも、特定のニーズに応える進化したパーマが存在します。
エアウェーブ(Air Wave)
50度程度の温風と空気の力で、髪を乾燥させて形状を固定します。デジタルパーマよりも低温で施術するため髪への負担が少なく、コールドパーマのような柔らかさと、デジタルパーマのような持ちの良さをいいとこ取りしたような技術です。特に、軟毛や猫っ毛で「ペタッとなりやすいけれど、デジタルパーマの熱には耐えられない」という繊細な髪質の方に向いています。
ストカール(縮毛矯正+毛先カール)
根元のくせ毛は縮毛矯正でストレートに伸ばし、毛先だけデジタルパーマをかける複合メニューです。「くせ毛で広がるけれど、毛先はカールさせたい」という、これまで諦めていたデザインを可能にします。ただし、施術時間が長く、ダメージリスクも高いため、高い技術力を持つ美容師に依頼する必要があります。
スパイラルパーマ・ツイストパーマ
これらは「かけ方(ロッドの巻き方)」による名称です。スパイラルは螺旋状に、ツイストはねじって巻くことで、縦に落ちるウェーブやチリッとした質感を作ります。通常はコールドパーマの薬剤を使用しますが、デザイン性が強く、個性を出したい方におすすめです。
▼【コラム】「コスメパーマ」や「水パーマ」って何?薬剤による分類の違い
美容室のメニューでよく見る「コスメパーマ」。これはパーマの「かけ方」ではなく、使用する「薬剤の分類」を指します。
日本の薬機法において、パーマ液は「医薬部外品」と「化粧品(コスメ)」に分類されます。コスメパーマで使用される薬剤は「化粧品登録」されたもので、医薬部外品に比べて作用が穏やかです。そのため、「カラーと同日に施術ができる」「ダメージが比較的少ない」というメリットがあります。
しかし、作用が優しいぶん、かかり具合も穏やかになりがちです。健康な剛毛の方だと「かからなかった」という事態になることもあります。美容師によっては、コールドパーマの一種として説明することもありますが、本質的には「優しい薬を使ったコールドパーマ」と理解しておくと良いでしょう。
「水パーマ」も同様に、ナノスチームという微細な水分を補給しながら行う工程の名前であり、基本はコールドパーマの変形です。名前の響きだけで選ばず、中身を理解することが大切です。
[現役ヘアケアマイスター]のアドバイス
「『クリープパーマ』『低温デジタルパーマ』など、サロンによってメニュー名は本当に様々で、プロでも混乱するほどです。予約サイトのメニュー名で悩んで時間を費やすよりも、『なりたい画像』と『今の髪の悩み』を伝えて、美容師に最適な施術方法(薬剤と機械)を選んでもらうのが一番の失敗回避策です。お客様が手法を指定するよりも、プロが髪質を見て判断した方が、成功率は格段に上がります。」
「老け見え」「おばさん化」を回避!顔型&髪質別・似合わせの法則
パーマをかける際に最も恐れられていること、それは「老けて見えること(いわゆる『おばさんパーマ』)」ではないでしょうか。
なぜ、モデルさんのパーマは垢抜けて見えるのに、自分がやると老けて見えてしまうのか。それには明確な理由があります。それは、「顔型によるシルエットの不一致」と「髪質を無視した強すぎるカール」です。
ここでは、感性ではなく論理に基づいた「似合わせの法則」を解説します。これを知っておくだけで、美容師への相談の質が劇的に向上します。
丸顔・面長・ベース型…顔型別のおすすめシルエット
パーマの最大のメリットは、髪のボリューム位置をコントロールして、顔の形を補正(カバー)できる点にあります。自分の顔型のコンプレックスを解消するシルエットを知りましょう。
丸顔さん:縦のラインを強調する
丸顔の方が横にボリュームが出すぎるパーマをかけると、顔の丸さが強調されてしまいます。
【正解】 トップ(頭頂部)に高さを出して縦長に見せるか、頬のラインを隠すように顔周りに縦に落ちるウェーブを作ります。毛先に動きを出しつつ、ハチ周り(頭の角)はタイトに抑えるのが鉄則です。
面長さん:横幅を作るAライン
面長の方がトップに高さを出すと、さらに顔が長く見えてしまいます。
【正解】 耳の横あたりからボリュームが出るような「Aラインシルエット」を目指します。サイドにふんわりとした丸みを持たせることで、顔の縦横比のバランスが整い、華やかな印象になります。前髪を作って額を隠すのも効果的です。
ベース型・エラ張りさん:骨格をカモフラージュする動き
直線的なフェイスラインを和らげることが目的です。
【正解】 エラの部分に毛先がカールするように計算してパーマをかけます。顔周りにリバース(外巻き)とフォワード(内巻き)をランダムに混ぜた動きを作ることで、視線を分散させ、骨格の角ばった印象をソフトに見せることができます。
髪質診断:硬毛・直毛・くせ毛・猫っ毛へのアプローチ
顔型と同じくらい重要なのが、元々の髪質です。髪質に逆らったパーマは、扱いづらさの原因になります。
硬毛・直毛の方
キューティクルがしっかりしており、薬剤が浸透しにくく、パーマがかかりにくい(取れやすい)傾向があります。
【対策】 熱の力でしっかり構造を変えるデジタルパーマが第一選択肢です。コールドパーマだとすぐにダレてしまうことが多いです。大きめのカールでも、デジタルパーマならしっかり形状記憶されます。
猫っ毛・軟毛の方
髪が細く、ボリュームが出にくいタイプです。油分の多いスタイリング剤をつけるとペタッとしてしまいます。
【対策】 根元からふんわり立ち上げることができるコールドパーマやエアウェーブがおすすめです。特にエアウェーブは軽さを維持したままカールを出せるので、猫っ毛さんには救世主となります。デジタルパーマは重みで沈んでしまうことがあるので注意が必要です。
くせ毛の方
元々のくせとパーマが混ざり合い、広がりすぎて収拾がつかなくなるリスクがあります。
【対策】 くせの種類によりますが、強いくせ毛の場合は一度ストレートにしてから毛先だけ曲げるストカールが最も扱いやすいです。弱いうねり程度なら、くせを活かすようにランダムなスパイラルパーマをかけると、外国人風の癖毛スタイルとして昇華できます。
「老けて見える」原因と対策:カールの強さと位置の重要性
「おばさん化」してしまう原因は、実は非常にシンプルです。
- カールの位置が高すぎる:頭頂部から細かくグリグリとかけてしまうと、昔のソバージュのような印象になり、一気に年齢層が上がって見えます。
- カールが細かすぎる:細かいカールは髪のツヤを消してしまい、パサついて疲れた印象を与えます。
- 髪のツヤ不足:パーマによるダメージで髪が乾燥し、ボサボサに見えると老けて見えます。
【若見えの鉄則】
今のトレンドは「耳下からのゆるふわウェーブ」です。根元やハチ周りはストレートに近い状態を残し、耳から下に大きめのカールを作ることで、洗練された印象になります。また、仕上げには必ずオイルやバームを使い、「ウェットな質感(ツヤ)」を足すことが、老け見え回避の絶対条件です。
[現役トップスタイリスト]のアドバイス
「特に注意が必要なのが『黒髪パーマ』です。黒髪で強いウェーブをかけると、どうしても重く見えたり、野暮ったくなりがちです。もし仕事などでカラーができない場合は、少し緩めのニュアンスパーマにするか、カットで表面にレイヤー(段)を入れて透け感を作ることを強くお勧めします。黒髪×パーマは、抜け感を作らないとヘルメットのように見えてしまうので、カットとの連動が命です。」
美容室で失敗しない!プロが教える「パーマの頼み方」完全ガイド
「美容室で写真を見せたのに、全然違う仕上がりになった…」
このような悲劇が起こる最大の原因は、美容師の技術不足以前に、「情報の伝達不足」にあります。パーマは現在の髪の状態(ダメージレベル)に結果が100%依存する施術です。そのため、見た目の希望だけでなく、あなたの髪の「履歴書」を美容師に提示する必要があります。
ここでは、美容師が喉から手が出るほど欲しい情報と、失敗を防ぐための具体的なオーダー方法を伝授します。
「写真を見せる」だけでは不十分?伝えるべき3つの情報
なりたいイメージの写真を見せることは大前提ですが、それだけでは不十分です。以下の3点を必ず言葉で伝えてください。
1. 髪の履歴(超重要・隠蔽厳禁!)
過去2〜3年以内に、以下の施術をしたことがありますか?
・縮毛矯正(ストレートパーマ含む)
・ブリーチ(ハイライト、インナーカラー含む)
・黒染め
・セルフカラー
これらはパーマの薬剤選定に致命的な影響を与えます。特に縮毛矯正やブリーチをしている髪に通常のパーマ液をつけると、髪が耐えきれず「ビビリ毛(チリチリの状態)」になったり、断毛したりするリスクが極めて高いです。「もう黒く戻ったから大丈夫」と思っても、毛先に履歴が残っていることが多々あります。正直に申告してください。
2. 普段のスタイリング力
「朝は5分しか時間がない」「ドライヤーで乾かすのが精一杯」「コテは使える」など、あなたの本音のスキルレベルを伝えてください。美容師は、お客様が自宅で再現できる範囲のデザインを提案する義務があります。ズボラなのに「しっかりブローが必要なパーマ」をかけられては、翌日から地獄を見ることになります。
3. 「なりたくない」イメージ
「なりたい」以上に重要なのが「これだけは嫌」というNGラインです。「ソバージュみたいになるのは嫌」「横に広がるのは嫌」「前髪がくるくるになるのは嫌」など、嫌なイメージを共有することで、美容師は避けるべきリスクを認識し、提案の精度を高めることができます。
【保存版】失敗を防ぐオーダーシート(テンプレート)
口頭で伝えるのが苦手な方は、以下のオーダーシートをスマホのメモ帳にコピーして入力し、カウンセリング時に美容師に見せてください。これだけで、失敗確率はグッと下がります。
| パーマオーダーシート | |
|---|---|
| 希望の雰囲気 | 画像を見せます(ゆるふわ / くっきり / クール等) |
| NGな雰囲気 (なりたくない像) |
例:サザエさんのような強いカール、パサパサ感、老けて見えること |
| 過去3年の履歴 (覚えている範囲で) |
□ 縮毛矯正・ストレート( 年前) □ ブリーチ・ハイライト( 年前) □ 黒染め( 年前) □ セルフカラー( 回くらい) |
| 朝のセット時間 | 例:5分〜10分程度。できれば濡らしてムースをつけるだけで済ませたい。 |
| 今の悩み | 例:トップがぺたんこになる、直毛すぎて動きが出ない、結んだ時に可愛くない |
美容師に「パーマはやめた方がいい」と言われたら?
もし、カウンセリングで美容師から「今の髪の状態ではパーマはやめた方がいい」と言われたら、それはその美容師が信頼できる証拠です。
売上のことだけを考えれば、パーマをかけた方が単価は上がります。しかし、ブリーチ毛やハイダメージ毛に無理やりパーマをかけると、髪が溶けたようになり、カットするしか修復方法がなくなるリスクがあります。プロとして「お客様の髪を守る」判断をしてくれたのです。
その場合は、素直にアドバイスに従いましょう。代替案として、コテ巻きのレクチャーを受けたり、ダメージの少ないカットでのイメチェンを提案してもらうのが賢明です。
▼【体験談】無理なパーマで失敗したお客様のリカバリー事例
以前、初めて私のサロンに来店されたお客様の話です。他店で「ブリーチ毛だけどデジタルパーマをかけたい」と頼み込み、結果として毛先15cmがチリチリのビビリ毛になってしまっていました。櫛も通らず、毎朝泣きそうになりながら結んで隠していたそうです。
残念ながら、一度ビビリ毛になった部分は元には戻りません。私たちは半年間の計画を立てました。まずは傷んだ部分を少しずつカットし、サロン専用の集中トリートメント(酸熱トリートメント等)で内部補強を続けました。ご自宅でもアイロンの使用を控えていただきました。
半年後、ようやく健康な髪が伸び、ご希望だったふんわりパーマをかけることができました。「断ってくれる美容師さんがいればよかった」というお客様の言葉は、今でも私の教訓です。無理な施術は、未来の美しさを奪います。
[現役美容師]のアドバイス
「初めてのパーマで不安な方は、『すぐ取れるのが怖い』と強めを希望しがちですが、これには注意が必要です。強すぎるパーマはセットの難易度が跳ね上がり、扱いづらさを感じて『もうパーマは嫌だ』となりやすいのです。最初は扱いやすい『ゆるめ』からスタートし、ご自身のスタイリング技術が向上するのに合わせて、徐々に強さを調整していくのが、長くパーマを楽しむコツです。」
翌朝から実践!「再現性」を高める乾かし方とスタイリング術
「美容室では綺麗だったのに、翌朝自分でやったらボサボサになった…」
これはパーマあるあるですが、原因の9割は「乾かし方」と「スタイリング剤の選定ミス」です。パーマは「かけたら終わり」ではなく、「セットして初めて完成する」スタイルです。とはいえ、難しい技術は必要ありません。プロが実践している、誰でもできるコツをお教えします。
パーマの種類別:正しい乾かし方の基本ステップ
前述の通り、パーマの種類によって「いつカールが出るか」が異なります。これに合わせて乾かし方を変える必要があります。
【コールドパーマの場合】自然乾燥が最強
1. タオルドライをしっかり行い、水分を取ります。
2. 根元(頭皮)を中心にドライヤーを当て、8割ほど乾かします。この時、毛先にはあまり風を当てないようにします。
3. 毛先がまだ少し湿っている状態で、ムースやジェルを揉み込みます。
4. そのまま自然乾燥させます。これが一番綺麗にウェーブが出ます。
【デジタルパーマの場合】ねじって乾かす
1. 全体を根元からざっと9割ほど乾かします。
2. 髪を左右2つ、または4つに分けます。
3. 指に髪を巻きつけ、クルクルとねじりながら温風を当てます。
4. ねじった状態で手のひらに乗せ、冷風を当てて冷まします(これでカールが固定されます)。
5. 最後にねじった束をほぐし、スタイリング剤をつけます。
スタイリング剤の選び方:ムース・ワックス・オイル・バーム
スーパーやドラッグストアには沢山のスタイリング剤がありますが、パーマの種類に合わせて選ばないと失敗します。
- ムース(フォーム)
水分を多く含むため、コールドパーマに最適です。泡状なので髪全体に馴染ませやすく、初心者でもムラなくつけられます。「パーマ戻しムース」などがこれにあたります。 - バーム・オイル
今っぽい「濡れ髪(ウェット)」質感を作るなら必須です。乾燥してパサつきがちなパーマ毛に油分を与え、ツヤを出します。デジタルパーマの仕上げや、広がりを抑えたい時に最適です。セット力は弱めです。 - ワックス
ショートヘアや、毛先に動きを出したい時に使います。ファイバー入りの柔らかいものを選びましょう。硬いワックスは引っかかってパーマを伸ばしてしまうのでNGです。
筆者も実践!忙しい朝の「5分セット」ルーティン
私自身もパーマをかけていますが、朝から丁寧にブローする時間はありません。現役美容師が実践している、究極の時短テクニックをご紹介します。
- 朝シャンはしない:夜のうちにしっかり洗って乾かしておきます。
- 霧吹きで濡らす(1分):寝癖がついたり、カールが伸びている部分(特に毛先)を、水を入れたスプレーでシュッシュッと濡らします。水が滴らない程度に湿らせるのがコツです。
- スタイリング剤を揉み込む(2分):コールドパーマならムース、デジパならオイルとバームを混ぜたものを、下から持ち上げるように揉み込みます。クシャクシャっと握るイメージです。
- 自然乾燥 or 弱風(放置):あとは朝ごはんを食べたりメイクをしている間に自然乾燥させます。急ぐ場合はドライヤーの「弱風」で、カールの形を崩さないように優しく風を当てます。
これだけです。パーマがかかっていれば、形を作る必要はなく、「水分を与えて戻す」だけでキマるのです。
[現役トップスタイリスト]のアドバイス
「セットがうまくいかず、変な癖がついて直らない時は、スタイリング剤を重ね付けしても解決しません。一度その部分を根元からしっかり濡らしてリセットするのが、急がば回れで『最速』の解決策です。髪は濡れると結合が切れ、乾くと繋がる性質があります。濡らすことで癖をキャンセルできるのです。」
パーマを長持ちさせて髪の傷みを防ぐホームケア
せっかくかけたパーマ、できるだけ長く、綺麗な状態で楽しみたいですよね。パーマの持ちは、美容室での施術だけでなく、自宅でのケアで大きく変わります。
パーマ当日のシャンプーはOK?NG?
よくある質問ですが、基本的には「当日のシャンプーは避けた方が無難」です。パーマ液によって切断・再結合された髪の内部構造が完全に安定するまでには、空気中の酸素を取り込みながら約24時間〜48時間かかると言われています。
もちろん、最近の薬剤は進化しており「当日洗っても落ちない」ものも増えていますが、リスクを最小限にするなら、その日はお湯洗い(湯シャン)程度にして、トリートメントだけつけて流すのがベストです。どうしても気持ち悪い場合は、洗浄力の優しいシャンプーで優しく洗いましょう。
パーマ用シャンプー・トリートメントの選び方
パーマ後の髪は、薬剤の影響でアルカリ性に傾き、乾燥しやすくなっています。市販の「高級アルコール系(ラウレス硫酸Naなど)」の洗浄力が強いシャンプーを使うと、必要な油分まで取り去り、パサつきやウェーブのダレを早めてしまいます。
おすすめは「アミノ酸系シャンプー」や「ヘマチン配合シャンプー」です。特にヘマチンは、髪に残った残留アルカリを除去し、パーマの結合を強化する働きがあるため、持ちを良くする効果が期待できます。
次回のパーマやカラーまでの適切な期間
髪の体力を回復させるためにも、適切なインターバルが必要です。
- パーマのかけ直し:コールドパーマなら2〜3ヶ月、デジタルパーマなら4〜6ヶ月空けるのが目安です。頻繁にかけ直すと毛先がボロボロになります。
- カラーとの同時施術:法律(薬機法)では、医薬部外品のパーマ剤とカラー剤の同日施術は原則禁止されています(コスメパーマなら可)。しかし、髪への負担を考えると、最低でも1週間は空けることを強く推奨します。先にパーマをかけ、1週間後にカラーをするのが、色落ちも防げて理想的な順番です。
▼ダメージレベル別ケアスケジュール表
| 時期 | 重点ケア項目 |
|---|---|
| 施術直後 (〜1週間) |
最もデリケートな時期。ヘマチン入りシャンプーで残留薬剤を除去。洗浄力の強いシャンプーは厳禁。 |
| 1週間後 〜1ヶ月 |
集中補修期間。週に1〜2回のヘアマスクやインバストリートメントを行い、水分と油分を補給。 |
| 1ヶ月以降 | スタイリング時の熱ダメージケア。アウトバスオイルを必ず使用し、紫外線対策も意識する。 |
パーマのメリット・デメリット正直な話
ここまでパーマの魅力をお伝えしてきましたが、プロとして公平に、デメリットやリスクについても正直にお話しします。これらを理解した上でかけることが、後悔のない選択に繋がります。
パーマをかけるメリット
- 朝の時短:アイロンを使わなくても形になるため、慣れれば準備時間が大幅に短縮されます。
- 結ぶだけでお洒落:ただの一本結びでも、毛先にカールがあるだけで「手抜き」に見えず、こなれた印象になります。
- 小顔・骨格補正:顔周りのウェーブで輪郭をカバーしたり、トップのボリュームで頭の形を良く見せることができます。
- 気分転換:髪の長さを変えなくても、印象をガラリと変えることができる最高のイメチェンツールです。
パーマをかけるデメリットとリスク
- ダメージはゼロではない:どんなに優しい薬を使っても、髪の結合を切る以上、負担は必ずかかります。適切なケアをしないとパサつきの原因になります。
- 飽きてもすぐに戻せない:一度かけたパーマを完全にストレートに戻すには、縮毛矯正をかけるか、切るしかありません。縮毛矯正を重ねるとさらにダメージが増します。
- 維持費がかかる:カット代に加え、パーマ代、そして専用のスタイリング剤やケア用品のコストが発生します。
[現役ヘアケアマイスター]のアドバイス
「もしあなたが、『毎日コテで巻くのが苦ではない』『その日の気分でストレートも巻き髪も楽しみたい』『ハイダメージ毛である』という場合は、あえてパーマを『かけない』という選択も正解です。ヘアアイロンでのスタイリングを極める方が、髪への負担が少なく、デザインの変更も自由だからです。パーマはあくまで『楽をするため』『自分では作れない動きを出すため』の手段。ご自身のライフスタイルと天秤にかけて選んでくださいね。」
パーマに関するよくある質問 (FAQ)
最後に、サロンでよくお客様から聞かれる質問にお答えします。
Q. パーマとカラー、どっちを先にするべきですか?
A. 基本は「パーマが先」です。
先にカラーをしてからパーマをかけると、パーマ液の作用でせっかく入れたカラー色素が流出し、色が抜けて明るくなってしまうことがあります。パーマをかけて形を定着させ、その1週間後にカラーをするのが最も綺麗に仕上がります。
Q. パーマがかかりすぎてチリチリになったら直せますか?
A. かけ直しは危険です。まずはプロに相談を。
チリチリ(ビビリ毛)は過度なダメージ状態です。ここで焦ってストレートパーマをかけ直すと、髪が断裂する恐れがあります。まずは信頼できる美容師に相談し、酸熱トリートメントなどで見た目を落ち着かせつつ、少しずつカットしていくのが最善の策です。
Q. 妊娠中や生理中でもパーマはかけられますか?
A. 施術自体は可能ですが、体調優先で。
薬剤が胎児や体に直接悪影響を与えるという科学的根拠はありません。しかし、妊娠中や生理中はホルモンバランスの変化で皮膚が敏感になっていたり、パーマ液のにおいで気分が悪くなったりすることがあります。また、長時間同じ姿勢でいることが負担になる場合もあるので、体調が良い時に行いましょう。
Q. 市販のパーマ液でセルフパーマをしてもいいですか?
A. 絶対におすすめしません。
パーマは美容技術の中でも特に難易度が高い施術です。髪の状態に合わせた薬剤選定、ロッドを巻くテンション、放置時間の見極めなど、プロでも慎重に行います。セルフで行うと、毛先がチリチリになったり、根元から折れてしまったりと、取り返しのつかない失敗(断毛)に繋がるリスクが非常に高いです。
まとめ:あなたにぴったりのパーマで新しい自分に出会おう
最後までお読みいただき、ありがとうございます。パーマは決して怖いものではありません。正しい知識を持ち、自分の髪質を理解し、信頼できる美容師と二人三脚で進めれば、あなたの魅力を最大限に引き出してくれる素晴らしいパートナーになります。
「朝、鏡を見るのが楽しみになる」「風になびく髪が心地よい」
そんな毎日を手に入れるために、ぜひ今日から行動を始めてみてください。
パーマオーダー直前チェックリスト
美容室に行く前に、以下の項目を最終チェックしましょう。
- なりたい雰囲気の画像(2〜3枚)をスマホに保存しましたか?
- 過去3年間の髪の履歴(縮毛矯正・ブリーチ・黒染め等)を思い出しましたか?
- 普段のスタイリング時間と、使える道具(ドライヤーのみorコテも可)を確認しましたか?
- 「これだけは嫌」というNGイメージを言語化できましたか?
準備ができたら、新しい自分に出会うための予約を入れましょう。あなたのパーマスタイルが成功し、素敵な毎日が訪れることを心から応援しています。
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