「最近よく聞くアンブレラカラーって、若い子だけの流行り?」
「白髪が気になり始めたけれど、全頭ブリーチをする勇気はない…」
「インナーカラーと何が違うの? 私の年齢でも痛々しくならない?」
もしあなたが今、このような疑問をお持ちなら、この記事はまさにあなたのためのものです。結論から申し上げますと、アンブレラカラーは、髪の表面のみを明るくし、内側を暗く残すことでメリハリをつけるデザインカラーです。そして、実はこのデザインこそ、白髪や髪のボリュームダウン、ダメージに悩む30代・40代の大人女性に最適解となり得るスタイルなのです。
全頭ブリーチよりも圧倒的にダメージを抑えつつ、顔周りを明るく華やかに見せ、さらには気になる白髪をデザインの一部としてなじませてしまう「白髪ぼかし」の効果も期待できます。しかし、その一方で「カッパみたいになった」「派手すぎて職場で浮いた」という失敗談が後を絶たないのも事実です。
この記事では、業界歴15年の現役カラーリストである筆者が、アンブレラカラーの基礎知識から、大人女性におすすめな理由、そして絶対に失敗しないためのオーダー方法までを徹底的に解説します。
この記事でわかること
- インナーカラーとの決定的な違いと、大人女性に支持される3つの理由
- オフィスでも浮かない!レングス別・色味別のおすすめスタイル実例
- 「カッパ状態」や「派手すぎ」な失敗を防ぐ、美容室での正しいオーダー方法
トレンドを取り入れつつ、品のある大人のおしゃれを楽しみたい方は、ぜひ最後までお読みいただき、次回の美容室でのオーダーに役立ててください。
アンブレラカラーとは?インナーカラーとの違いと仕組み
まずは、アンブレラカラーという名称の意味や、その構造的な特徴について深く理解していきましょう。「インナーカラーは内側を染めるもの」とご存知の方は多いと思いますが、アンブレラカラーはその逆の発想から生まれたデザインです。ここでは、なぜこのデザインが生まれ、どのような仕組みで成り立っているのかを、プロの視点で詳しく解説します。
表面を「傘」のように覆うデザインカラーの定義
アンブレラカラーとは、その名の通り「傘(Umbrella)」のように、頭頂部(表面)の髪が内側の髪を覆うデザインのことを指します。具体的には、分け目周辺の表面の髪だけをブリーチして明るい色にし、それ以外の内側の髪は暗い色(地毛に近い色や黒、ダークブラウンなど)で残す、あるいは暗く染めるスタイルです。
このデザインの最大の特徴は、表面の明るい髪と内側の暗い髪との間に生まれる「コントラスト」です。髪を下ろしているときは、表面の明るい色がヴェールのように全体を覆い、艶やかで洗練された印象を与えます。そして、髪が動いたときや風になびいたとき、あるいは耳にかけたときに、内側の暗い色がチラリと覗き、立体感や引き締め効果を演出するのです。
従来の「メッシュ」や「ハイライト」が筋状に明るい色を入れるのに対し、アンブレラカラーは「面」で色を見せるデザインです。そのため、髪のツヤ感が強調されやすく、パサつきがちな大人の髪を美しく見せる効果が高いのも特徴の一つです。
インナーカラーとの決定的な違いは「見え方」と「ブリーチ範囲」
よく混同されがちな「インナーカラー」と「アンブレラカラー」。どちらも「2色を使う(バイカラー)」という点では同じですが、その構造と見え方は真逆と言っても過言ではありません。以下の比較表で、その違いを整理してみましょう。
| 比較項目 | アンブレラカラー | インナーカラー |
|---|---|---|
| ブリーチする場所 | 表面(トップ)のみ | 内側(耳周り・襟足)のみ |
| メインの見え方 | 明るい色が主役。 常に明るい色が見えている状態。 |
暗い色が主役。 明るい色は隠れており、動くと見える。 |
| 印象 | 華やか、モード、洗練、透明感 | さりげない、個性的、ちら見せ |
| 白髪への効果 | 高い。 最も白髪が目立つ表面・分け目を明るくするため。 |
限定的。 表面の白髪はカバーできない。 |
| 職場の厳しさ | 色味によるが、全体が明るく見えるため注意が必要。 | 結べば隠せるため、厳しい職場でも対応しやすい。 |
インナーカラーは、普段は髪を下ろしていれば職場でもバレにくいという「隠せるおしゃれ」としての需要が高いスタイルです。一方、アンブレラカラーは「表面を明るく見せたいけれど、全頭ブリーチはしたくない」というニーズに応えるスタイルです。常に明るい色が目に入るため、顔色がトーンアップして見えたり、ファッションのアクセントになったりと、よりデザイン性を楽しむことができます。
なぜ今、30代以上の大人世代に人気なのか?
当初はZ世代を中心に、アニメキャラクターのような奇抜な配色を楽しむスタイルとして広まったアンブレラカラーですが、現在では30代・40代以上の大人世代からのオーダーが急増しています。その背景には、大きく分けて3つの理由があります。
1つ目は、「脱・白髪染め」トレンドとの合致です。
従来の「白髪を黒く塗りつぶす」方法から、「白髪を活かす・ぼかす」方法へと意識が変化しています。アンブレラカラーは、白髪が最も気になる分け目や生え際(Tゾーン)を含む表面を明るくするため、伸びてきた白髪とブリーチ部分が馴染みやすく、白髪染めのストレスから解放される人が増えています。
2つ目は、「時短」と「コストパフォーマンス」です。
全頭ブリーチに比べて塗布する範囲が少ないため、施術時間が短く済みます。また、内側は地毛のまま、あるいは暗い色で染めるため、根元が伸びてきても内側のプリン状態は気になりません。忙しい大人女性にとって、サロン滞在時間が短く、かつメンテナンスが楽であることは大きな魅力です。
3つ目は、エイジング毛への「ツヤ感」付与です。
年齢とともに髪がうねり、パサついて見えるようになります。アンブレラカラーは表面に暖色系やベージュ系の明るい色を乗せることで、光を反射しやすくし、髪質が改善したかのような視覚効果をもたらします。
【補足】逆インナーカラーとの呼び名の違い
美容室によっては「逆インナーカラー」というメニュー名になっていることがありますが、構造的にはアンブレラカラーと同じものを指すことがほとんどです。「インナー(内側)が暗くて、アウター(外側)が明るい」という意味で、通常のインナーカラーの逆パターンとしてそのように呼ばれています。オーダーの際は名称だけでなく、画像を見せてイメージを共有することが大切です。
現役カラーリストのアドバイス
「ここ1〜2年で、アンブレラカラーのオーダー内容は大きく変化しました。以前は黒と金のようなパキッとしたコントラストが主流でしたが、現在は『ベージュ×ダークブラウン』や『グレージュ×黒』といった、なじみの良いソフトなコントラストが大人女性の主流になっています。派手になりすぎず、でも普通とは違うおしゃれを楽しみたいという心理に、このデザインがぴったりハマっているのを感じますね」
30代・40代にこそ推したい!アンブレラカラー3つのメリット
基礎知識を理解したところで、なぜ私がこれほどまでに大人世代にアンブレラカラーをおすすめするのか、その具体的なメリットを深掘りしていきましょう。単に「流行っているから」ではなく、大人の髪悩みに対する機能的な解決策としての側面が非常に強いのです。
メリット1:白髪が驚くほど目立たなくなる「白髪ぼかし効果」
多くの大人女性が抱える最大の悩み、「白髪」。特に、分け目や顔周りに集中する白髪は、鏡を見るたびに憂鬱な気分にさせるものです。アンブレラカラーは、この悩みを物理的かつ視覚的に解決します。
通常、暗い髪の中に白い髪が一本でもあると、コントラスト(明度差)が強すぎて白髪が浮き上がって見えます。これが「白髪が目立つ」原因です。しかし、アンブレラカラーで表面の髪を明るいベージュやグレージュにすると、白髪と周りの髪の明度差が縮まり、白髪がデザインの一部として溶け込みます。
さらに、根元から新しい白髪が伸びてきたときも効果を発揮します。全頭を暗く染めていると、伸びてきた1ミリの白髪が「白い線」としてくっきり見えてしまいますが、表面が明るければ、伸びてきた白髪と既染部の境界線が曖昧になり、「あれ? もう1ヶ月経ったのに気にならない」という現象が起きるのです。これにより、白髪染めの頻度を減らすことが可能になります。
メリット2:全頭ブリーチより圧倒的にダメージが少ない
「明るい色にはしたいけれど、髪が傷むのは絶対に嫌」。これは全女性の共通認識でしょう。特にエイジングによって細くなり、体力が低下した大人の髪にとって、全頭ブリーチはハイリスクな施術です。
アンブレラカラーでブリーチする範囲は、デザインにもよりますが、頭全体の髪の量の約10%〜20%程度に留めることが可能です。つまり、残りの80%以上の髪はブリーチのダメージを受けず、健康な状態を保てるのです。
内側の髪が健康的であれば、ヘアスタイル全体のまとまりや強度が維持されます。また、表面のブリーチ部分だけに集中して高品質なトリートメントを行えば良いため、ケアの効率も上がります。「ブリーチ=髪が死ぬ」というイメージをお持ちの方こそ、部分的なブリーチでデザインを楽しむこの手法が適しています。
メリット3:表面のツヤ感で髪が綺麗に見える(エイジング毛対策)
年齢を重ねると、髪一本一本がうねり始め、光を乱反射してパサついて見えるようになります。これを解消するには、縮毛矯正などの方法もありますが、カラーリングによる視覚効果も有効です。
アンブレラカラーは、表面に「面」を作ります。ハイライトのように細かく筋を入れるのではなく、ある程度の幅で均一に明るい色を入れるため、光を綺麗に反射する「天使の輪」ができやすくなります。特に、ラベンダー系やベージュ系の色味はツヤ感を出しやすく、肌のトーンアップ効果も期待できます。
また、内側に暗い色があることで引き締め効果が生まれ、輪郭がぼやけがちな大人の顔周りをシャープに見せる効果もあります。表面のツヤと内側の影、この2つの要素が組み合わさることで、若々しく洗練された印象を作ることができるのです。
現役カラーリストのアドバイス
「実際に、長年毎月のように暗い白髪染めを繰り返していたお客様にアンブレラカラーを提案したところ、『鏡を見るのが楽しくなった』と言っていただけたことがあります。白髪を隠すために必死で暗く染めるのではなく、白髪があるからこそ楽しめる明るい色にする。この発想の転換ができるのがアンブレラカラーの最大の魅力です。髪色が明るくなると、自然と表情も明るくなり、メイクやファッションも新しいものに挑戦したくなる方が多いですよ」
【重要】やる前に知っておくべきデメリットと失敗リスク
ここまでメリットばかりをお伝えしてきましたが、プロとして誠実にお伝えしなければならないことがあります。それは、アンブレラカラーには明確なデメリットや失敗のリスクが存在するということです。これらを知らずに施術を受けると、取り返しのつかない状態になりかねません。ここでは、よくある失敗例とその回避策を包み隠さず解説します。
失敗例1:ブリーチ範囲が広すぎて「カッパ」みたいになる
アンブレラカラーで最も恐ろしい失敗、通称「カッパ化」現象です。これは、美容師がブリーチをする範囲(表面の分け目の幅)を広く取りすぎた場合に起こります。
頭のてっぺんから広範囲に明るい髪が広がり、その下から急に暗い髪が出てくる様子が、まるで頭にお皿を乗せたカッパのように見えてしまうのです。特に、頭のハチ(サイドの骨が出っ張っている部分)が張っている日本人の骨格で、ハチ周りまでブリーチをしてしまうと、頭が四角く大きく見えてしまいます。
回避策:
ブリーチ範囲は「分け目から左右1〜2センチ程度」または「つむじを中心に星型に薄く取る」など、必要最小限に留めることが鉄則です。「表面を明るくしたい」とだけ伝えると、美容師によっては広めに取ってしまうことがあるため、「表面は薄めに、筋っぽくならない程度に覆いたい」と具体的にオーダーすることが重要です。
失敗例2:髪を結んだ時や耳にかけた時に内側の暗い色が見えすぎる
普段髪を下ろしているときは素敵でも、仕事中や家事で髪を結んだ瞬間に「あれ?」となるケースです。アンブレラカラーは表面と内側の色が分かれているため、髪をまとめると、表面の明るい髪と内側の暗い髪が混ざり合わず、パッキリと色が分かれてしまうことがあります。
例えば、ポニーテールにしたとき、結び目に向かって表面の明るい髪が集まり、襟足やサイドの暗い髪が露わになります。これが「おしゃれなコントラスト」に見えれば成功ですが、色の差が激しすぎると「カラーを失敗した人」や「プリンが酷い人」に見えてしまうリスクがあります。
回避策:
普段よく結ぶ方は、コントラストを弱める(明度差をつけすぎない)ことをおすすめします。例えば、表面は10トーンのベージュ、内側は8トーンのブラウンといった具合に、馴染みの良い配色にすれば、結んだ時も自然なグラデーションに見えます。
失敗例3:飽きた時に「やめ方」が難しい(修正の難易度)
一度アンブレラカラーにすると、次にスタイルチェンジをする際の難易度が上がります。表面だけが金髪に近い明るさで、内側が黒に近い状態から、「全体を一色に戻したい」と思った場合、非常に高度な技術が必要になります。
内側に合わせて全体を暗く染めれば簡単ですが、せっかくブリーチした部分がもったいない上に、色落ちするとまた表面だけが明るくなってきます。逆に、内側をブリーチして全体を明るくしようとすると、ダメージレベルの差が激しくなり、ムラになるリスクがあります。
回避策:
始める前から「やめる時の計画」を立てておくことです。将来的にどうしたいかを美容師と共有し、残留色素が残りづらいカラー剤を選定してもらうことが大切です。また、やめる際は「ローライト(暗い筋)」を表面に入れて徐々に馴染ませていく方法が一般的です。
失敗例4:色落ちが早い?表面の退色リスクとプリン状態について
ブリーチをした表面の髪は、通常のカラーよりも色落ちが早いです。綺麗なグレージュを入れても、2週間ほどで黄色っぽい金髪に戻ってしまうことがあります。表面が金髪、内側が黒髪という状態になると、コントラストが強くなりすぎて「ヤンキーっぽく」見えてしまう危険性があります。
また、根元が伸びてくると、表面のブリーチ部分の根元に黒い地毛が出てきます(プリン状態)。アンブレラカラーはトップの分け目を見せるデザインなので、このプリン状態が通常のカラーよりも目立ちやすい傾向にあります。
回避策:
ご自宅での「カラーシャンプー(紫シャンプーなど)」の使用は必須です。また、1.5ヶ月〜2ヶ月に一度は根元のリタッチとオンカラー(色味の補充)を行うメンテナンス計画を立てておきましょう。
現役カラーリストのアドバイス
「他店での失敗修正で一番多いのが、『ブリーチ範囲を広げすぎた』ケースです。一度広げてしまったブリーチ部分を元に戻すには、暗い色で塗りつぶすしかありませんが、一度明るくした髪は色が抜けやすく、維持が大変です。だからこそ、最初の1回目のブリーチ範囲設定が命です。最初は『少し物足りないかな?』と思うくらい狭い範囲からスタートするのが、失敗しない最大のコツです」
【レングス・印象別】大人女子に似合うアンブレラカラー実例カタログ
メリットとデメリットを理解した上で、実際にどのようなスタイルが大人女性に似合うのかを見ていきましょう。ここでは、派手すぎず、かつ地味すぎない、絶妙なバランスのスタイルをレングス別・印象別にご紹介します。美容室でのオーダー時に、イメージを伝える参考にしてください。
【ボブ×ベージュ系】オフィスもOKなナチュラルコントラスト
スタイル特徴:
顎ラインや鎖骨ラインのボブスタイルに、表面は肌馴染みの良い「ミルクティーベージュ」や「サンドベージュ」、内側は地毛より少し明るめの「アッシュブラウン」を合わせたスタイル。
おすすめ理由:
ボブの丸みのあるシルエットと、柔らかいベージュ系の相性は抜群です。コントラストを抑えめにすることで、オフィスでも浮かない上品な仕上がりになります。髪が動いた時にさりげなく内側の影が見え、小顔効果も期待できます。初めてアンブレラカラーに挑戦する方に最もおすすめの組み合わせです。
【ミディアム×グレージュ】白髪ぼかし最強の組み合わせ
スタイル特徴:
鎖骨下から胸上のミディアムヘアに、表面は赤みを消した「グレージュ(グレー+ベージュ)」、内側は暗めの「ダークグレー」や「ブルーブラック」を合わせたスタイル。
おすすめ理由:
グレー系の色味は白髪との馴染みが非常に良く、白髪ぼかし効果が最大化されます。また、寒色系で統一することで、透明感とクールな知的な印象を与えることができます。ミディアムレングスで毛先を外ハネにスタイリングすると、表面と内側の色が混ざり合い、動きのある軽やかなデザインになります。
【ロング×ホワイト系】モードで洗練された印象に
スタイル特徴:
ロングヘアの表面に、ブリーチを2回以上重ねた「ホワイトベージュ」や「プラチナブロンド」を入れ、内側をしっかりと暗く引き締めたスタイル。
おすすめ理由:
ロングヘアの面積を活かした、インパクトのあるモードなスタイルです。表面のハイトーンがレフ板効果を発揮し、顔周りをパッと明るく見せます。白髪がかなり多い方(グレイヘア移行期の方)も、思い切ってホワイト系にすることで、白髪を完全にデザインとして昇華させることができます。ただし、ダメージケアは入念に行う必要があります。
【黒×金】個性を出したい時の強めコントラスト
スタイル特徴:
表面は抜きっぱなしに近い「ゴールド」や「イエローベージュ」、内側は「漆黒」という、明度差を最大にしたスタイル。
おすすめ理由:
クリエイティブな職種の方や、ファッションで個性を主張したい方におすすめです。シンプルなお洋服でも、髪色がアクセントになり一気におしゃれに見えます。ただし、メイクや服装もこの強さに負けないように合わせる必要があるため、上級者向けのスタイルと言えます。
現役カラーリストのアドバイス
「職場に髪色の規定(トーン規定)がある場合でも、アンブレラカラーは諦めなくて大丈夫です。表面の色を規定ギリギリの明るさ(例えば8〜9トーン)に設定し、内側を5〜6トーンまで落とせば、全体としては落ち着いて見えつつ、しっかりとデザイン感を楽しめます。『明度差(コントラスト)』をつけることさえ意識すれば、どんな明るさでもアンブレラカラーは成立するのです」
美容室で失敗しない!アンブレラカラーの正しいオーダー方法
「なりたいイメージは決まったけれど、美容師さんにどう伝えればいいかわからない」。そんな方のために、プロが教える「失敗しないオーダーの鉄則」を伝授します。ここでのコミュニケーションが、仕上がりの9割を決めると言っても過言ではありません。
最重要!ブリーチの「表面の厚み」をミリ単位で指定する
前述の「カッパ化」を防ぐために最も重要なのが、ブリーチする範囲の指定です。美容師任せにせず、以下のポイントを必ず伝えてください。
- 「表面のブリーチ部分は薄めに取ってください」と伝える。
- 具体的には「分け目から1センチ〜1.5センチくらいの幅」と数字で指定するのも有効です。
- 「ハチ(頭の角)までは広げないでほしい」と念を押す。
美容師に対して「素人が口出ししていいのかな?」と遠慮する必要はありません。あなたの髪を守るため、そして理想のデザインを手に入れるために、具体的な要望を伝えることはとても大切です。
「コントラスト」の強弱を画像で見せて伝える
「ナチュラルにしたい」や「はっきりさせたい」という言葉の感覚は、人によって大きく異なります。必ず画像を見せて、「表面と内側の色の差はこのくらいがいい」と視覚的に共有しましょう。
オーダー時に伝えるべき3つのポイント(チェックリスト)
- 表面の色味と明るさ:(例:黄色っぽくないベージュで、明るさはこれくらい)
- 内側の色味と明るさ:(例:地毛より少し明るい茶色で、真っ黒にはしたくない)
- コントラストの強さ:(例:パッと見て2色とわかるようにしたい or 馴染むようにしたい)
ライフスタイル(結ぶ頻度、職場の厳しさ)を必ず共有する
デザインの美しさだけでなく、生活の中での実用性も考慮してもらいましょう。
- 「仕事で毎日結ぶので、結んだ時に汚く見えないようにしたい」
- 「職場が少し厳しいので、派手すぎると怒られる可能性がある」
- 「ズボラなので、頻繁に美容室に来なくてもいいようにしたい」
これらの情報を伝えることで、美容師は「じゃあ、内側の色は少し明るくして馴染ませよう」「根元は少し暗めからグラデーションで繋げよう」といった、あなたに合わせた微調整を提案してくれます。
予算と施術時間の目安(ブリーチ回数による変動)
アンブレラカラーは、通常のカラー料金に加えて、ブリーチ料金(デザインカラー料金)がかかります。また、希望する表面の色味によっては、ブリーチが2回必要になることもあります。
予算目安:
カット+カラー+アンブレラカラー(ブリーチ1回)の場合、地域やサロンにもよりますが、15,000円〜25,000円程度が相場です。
施術時間:
ブリーチの放置時間があるため、通常のカラーよりもプラス1時間〜1.5時間は見ておく必要があります。トータルで3時間〜4時間かかることも珍しくありません。後の予定を詰めすぎず、余裕を持って予約しましょう。
現役カラーリストのアドバイス
「写真を見せる時は、1枚だけでなく『好きな雰囲気の写真』と『嫌いな雰囲気の写真』の両方を見せると、美容師への伝わり方が格段に良くなります。『こういう風にはなりたくない』というNGイメージを共有することで、失敗のリスクを大幅に減らすことができますよ」
施術後のケアとメンテナンス頻度
美容室で完璧な仕上がりになっても、それを維持できるかどうかは、ご自宅でのケアにかかっています。特にブリーチをした髪はデリケートですので、正しいケア方法を知っておきましょう。
色持ちを良くするためのホームケア(紫シャンプーなど)
表面のブリーチ部分は、どうしても色が抜けやすく、時間が経つと黄色っぽくなりがちです。これを防ぐために最も有効なのが「カラーシャンプー」です。
- 紫シャンプー(ムラシャン): 黄ばみを抑え、白っぽい透明感を維持したい方に。ベージュ系、ホワイト系カラーに必須。
- ピンクシャンプー: 暖色系(ピンク、オレンジ)のアンブレラカラーにした方に。
- シルバー/アッシュシャンプー: グレージュやシルバー系の色味を長持ちさせたい方に。
使い方は、3日に1回程度、いつものシャンプーの代わりに使うだけです。泡立ててから数分放置すると、より色が定着しやすくなります。
次回の来店目安は?リタッチの頻度と料金イメージ
アンブレラカラーを綺麗に保つための来店サイクルは、1.5ヶ月〜2ヶ月が理想的です。
- 1.5ヶ月後: 根元が2センチほど伸びてきます。全体の色味が抜けてくる頃なので、ブリーチはせずに「オンカラー(色味を入れるだけ)」でメンテナンスするのがおすすめです。
- 3ヶ月後: 根元が4センチほど伸び、黒い部分が目立ってきます。このタイミングで、伸びた根元の部分だけをブリーチする「リタッチ」を行い、デザインをつなぎ直します。
毎回毛先までブリーチをする必要はありません。根元のリタッチを丁寧に行うことで、毛先のダメージを進行させずに長くデザインを楽しむことができます。
アンブレラカラーをやめたくなったらどうする?(移行計画)
「飽きた」「ライフスタイルが変わった」などの理由でやめたくなった場合、以下の3つの選択肢があります。
| 移行方法 | 内容とメリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 1. ローライトで馴染ませる | 表面の明るい部分に、内側と同じ暗い色の筋(ローライト)を入れる。 → 徐々に全体を暗くしていきたい人向け。自然に馴染む。 |
一度暗くした部分は、次に明るくしにくい。 |
| 2. 根元を伸ばしてグラデーションに | 根元のリタッチをやめ、暗い部分を伸ばしていく(シャドウルーツ風)。 → 海外風のおしゃれなデザインとして楽しめる。 |
伸ばしている途中が少し気になる可能性がある。 |
| 3. 全頭ブリーチへ移行 | 内側の暗い部分もブリーチして、全体を明るくする。 → よりハイトーンを楽しみたい人向け。 |
ダメージが大きく、施術時間とコストがかかる。 |
現役カラーリストのアドバイス
「綺麗な色を1日でも長く保つ秘訣は、『お風呂上がりすぐに乾かすこと』と『アイロンの温度を上げすぎないこと』です。濡れた髪はキューティクルが開いており、色が流出しやすい状態です。また、180度以上の高温アイロンは色を一瞬で飛ばしてしまいます。140〜160度を目安に、優しくスタイリングしてくださいね」
よくある質問にプロが回答 (FAQ)
最後に、お客様からカウンセリング時によくいただく質問に、一問一答形式でお答えします。
Q. ブリーチなしでもアンブレラカラーはできますか?
A. 可能ですが、コントラストは弱くなります。
表面をブリーチなしのカラー剤で一番明るくし(12〜13トーン)、内側を地毛風(5トーン以下)に染めれば、アンブレラカラーのデザインにはなります。ただし、ブリーチ特有の透明感や、くっきりとした色の差は出にくいため、「ナチュラルな立体感」を楽しむスタイルになります。
Q. 縮毛矯正をしていても施術可能ですか?
A. 髪の状態によりますが、リスクは高いです。
縮毛矯正とブリーチは、どちらも髪に大きな負担をかける施術です。併用すると、最悪の場合、髪がチリチリになったり切れてしまったりする可能性があります。「ケアブリーチ」を使用し、かつ担当美容師が高い技術力を持っている場合に限り可能なこともありますが、基本的にはおすすめしません。必ず担当者に履歴を伝えて相談してください。
Q. 40代・50代でも痛々しくなりませんか?
A. 全く問題ありません。むしろおすすめです。
「痛々しい」と感じる原因の多くは、「髪がパサついている」「色が派手すぎて肌から浮いている」「根本がプリンになっている」ことです。ツヤ感のあるベージュ系を選び、しっかりとケアをして、上品なコントラストに仕上げれば、大人の女性ならではの余裕と遊び心を感じさせる素敵なスタイルになります。
Q. セルフカラーでアンブレラカラーはできますか?
A. 絶対におやめください。
アンブレラカラーは、ブリーチ範囲の正確なブロッキング(分け取り)が命です。後ろの髪を自分で正確に分けるのはプロでも不可能です。表面のブリーチ剤が内側に垂れてしまったり、ムラになったりして、修正不可能な状態になるリスクが非常に高いです。必ず美容室で施術を受けてください。
現役カラーリストのアドバイス
「セルフカラーの失敗修正は、通常の施術の倍以上の料金と時間がかかり、それでも完全に綺麗には戻らないことが多いです。大切な髪を守るためにも、ここだけはプロに任せてくださいね」
まとめ:自分に合ったアンブレラカラーで、ダメージレスにおしゃれを楽しもう
アンブレラカラーは、単なる流行のデザインではなく、白髪やダメージといった大人の髪悩みを解決しながら、おしゃれを楽しめる画期的なスタイルです。表面を明るくすることで肌色がトーンアップし、気持ちまで前向きになれる効果があります。
最後に、美容室に行く前の最終チェックリストをご用意しました。これらを確認して、ぜひ自信を持って新しいヘアスタイルに挑戦してみてください。
アンブレラカラー挑戦前の最終チェックリスト
- 職場の髪色規定を確認しましたか?(表面が明るくても大丈夫か)
- ブリーチする範囲(厚み)のイメージはつきましたか?(画像保存など)
- 今後のメンテナンス予算(1.5〜2ヶ月ごとのリタッチ等)は大丈夫ですか?
- 信頼できる「デザインカラーが得意な美容師」を見つけましたか?
年齢を理由におしゃれを諦める必要はありません。あなたに似合うアンブレラカラーを見つけて、鏡を見るのが待ち遠しくなるような毎日を手に入れてください。ぜひ今日から、理想のスタイル画像探しを始めてみてくださいね。
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