「家族のために広い軽自動車が欲しいけれど、走りが悪いのは嫌だ」「N-BOXと迷っているけれど、スズキの新型はどうなんだろう?」
もしあなたが、かつての私のお客様のように、このような悩みを持ってカタログを眺めているなら、この記事はあなたのためのものです。結論から申し上げますと、新型スペーシアカスタムは、ミニバン並みの快適装備「マルチユースフラップ」と優れた燃費性能で、ダウンサイジング検討層にとって「我慢しない軽」の筆頭候補です。
しかし、元ディーラー整備士として断言しますが、グレード選びやライバル車との比較には専門的な視点が不可欠です。ただ「一番高いグレードを買えばいい」というわけではありませんし、カタログ燃費だけで判断すると、実際の維持費で計算が狂うこともあります。
本記事では、15年以上現場で車を見続けてきた私が、メーカーの公式サイトには書かれていない「現場のリアル」を交えて、新型スペーシアカスタムを徹底解剖します。
この記事でわかること
- 元ディーラー整備士が教える、カタログでは分からない「走り」と「耐久性」のリアル
- 王者N-BOXカスタムと徹底比較!あなたに合うのはどっち?
- 「ターボは必要?」「オットマンは使える?」購入前の迷いを断つグレード選びの正解
読み終える頃には、あなたにとって「ベストな一台」が明確になり、ディーラーでの商談に自信を持って臨めるようになっているはずです。
新型スペーシアカスタムは何が変わった?プロが注目する3つの進化点
今回のフルモデルチェンジで、スペーシアカスタムは単なる「化粧直し」ではない、骨格からの大幅な進化を遂げました。整備士の視点で見ると、見えない部分の作り込みにスズキの本気を感じます。ここでは、特に注目すべき3つの進化点を解説します。
デザインの刷新:コンテナモチーフからより上質で力強いスタイルへ
先代モデルから継承された「コンテナ」をモチーフにしたデザインコンセプトはそのままに、新型ではより「頑丈さ」と「上質感」が強調されています。特にフロントマスクの存在感は圧倒的です。大型のフロントグリルと薄型のLEDヘッドランプの組み合わせは、軽自動車の枠を超えた迫力を醸し出しています。
ボディサイドに入ったビード形状(凹凸)のラインも深くなり、光の当たり方で表情を変える工夫が施されています。これは単なるデザインだけでなく、パネルの剛性を高める効果も期待できる形状です。実際に実車を見ると、塗装の厚みやチリ(部品同士の隙間)の合わせ精度が向上しており、所有満足度を満たす仕上がりになっています。
軽自動車初採用!後席の快適性を変える「マルチユースフラップ」
今回のモデルチェンジ最大のアピールポイントが、後席座面に設置された「マルチユースフラップ」です。これは、座面の先端部分が可動式になっており、オットマンや荷物ストッパーとして使える機能です。
これまで高級ミニバンにしか採用されていなかったような装備を、スペースの制約が厳しい軽自動車に搭載した技術力には脱帽します。これについては後ほどのセクションで、使い勝手を辛口検証します。
安全性能の飛躍:デュアルセンサーブレーキサポートIIの実力
安全装備も「デュアルセンサーブレーキサポートII」へと進化しました。検知対象に「自動二輪車」や「自転車」が追加され、交差点での右左折時における歩行者検知にも対応しています。
フロントガラス上部に設置されたカメラの画角が広がり、ミリ波レーダーとの組み合わせで、より遠く、より広範囲の危険を察知できるようになりました。家族を乗せる車として、この進化はデザイン以上に重要なポイントです。
| 項目 | 旧型スペーシアカスタム | 新型スペーシアカスタム |
|---|---|---|
| 全長×全幅×全高 | 3395×1475×1785mm | 3395×1475×1785mm |
| 室内長×室内幅×室内高 | 2155×1345×1410mm | 2170×1345×1410mm |
| WLTCモード燃費 | 19.2km/L | 21.9km/L |
| 安全装備 | デュアルカメラブレーキサポート | デュアルセンサーブレーキサポートII |
| 特記事項 | スリムサーキュレーター | マルチユースフラップ追加 |
元ディーラー整備士のアドバイス
「モデルチェンジで注目されにくいのが『ボディ剛性』の変化です。新型はスズキの軽量衝撃吸収ボディー『TECT』に加え、構造用接着剤の使用範囲を拡大しています。これにより、カーブを曲がる際や段差を乗り越えた時の『車体のねじれ』が抑制されています。試乗の際は、マンホールなどを踏んだ時の振動の収まり方に注目してみてください。旧型よりも『ドスン』という衝撃が『トン』とマイルドになっていることに気づくはずです」
【内装・居住性】まるで小さなリビング?使い勝手を徹底検証
「軽自動車だから内装はプラスチック感満載でも仕方ない」という時代は終わりました。特にカスタム系を選ぶユーザーは、普通車からのダウンサイジング組も多く、質感への要求レベルが高いのが特徴です。ここでは、家族利用シーンを想定して内装の実用性を検証します。
インパネ・質感チェック:ピアノブラックとボルドー加飾の高級感
運転席に座ってまず目に入るインパネ周りは、水平基調のデザインで見切りが良く、運転しやすい形状です。特筆すべきは、助手席前のインパネトレー周辺に使われている「ボルドー(深みのある赤)」と「ピアノブラック」の加飾です。
光沢のあるピアノブラック素材は指紋が目立ちやすいというデメリットはあるものの、高級感を演出する上では非常に効果的です。ステアリングホイールも本革巻き(グレードによる)となっており、手に触れる部分の質感が向上しているため、運転中の満足度は高いでしょう。
目玉機能「マルチユースフラップ」は本当に使える?オットマン・荷物ストッパーモードの活用法
さて、注目の「マルチユースフラップ」です。これは後席の座面前端にあるフラップの位置や角度を調整することで、3つのモードに切り替えられる機能です。実際に大人が座って試してみました。
▼マルチユースフラップの3つのモード詳細解説(クリックで展開)
1. オットマンモード
フラップを前方に伸ばして、ふくらはぎを支えるモードです。リクライニングを倒して足を投げ出せば、まさにリビングのソファのような感覚。長距離ドライブで後席に座る家族には最高の機能です。ただし、足の長い男性だと少々窮屈に感じるかもしれません。
2. レッグサポートモード
フラップの角度を調整して、太ももの裏側をサポートするモードです。座面が実質的に延長される形になり、身長の高い人が座った際に太ももが浮いて疲れるのを防ぎます。走行中の姿勢安定に非常に効果的です。
3. 荷物ストッパーモード
フラップを上向きに固定することで、座面に置いた荷物がブレーキ時に落下するのを防ぐモードです。買い物袋やカバンを後席に置く際、これまでは急ブレーキで足元に転がり落ちて中身が散乱…という悲劇がありましたが、このモードを使えば物理的な壁ができて安心です。
収納スペースの工夫:ビッグオープントレーやスマホ置き場の使いやすさ
スズキ車のお家芸とも言える収納の多さは健在です。助手席前の「ビッグオープントレー」は、ティッシュボックスがすっぽり入るサイズで、ちょっとしたテーブル代わりにもなります。
また、現代の必須アイテムであるスマートフォンの置き場もしっかり確保されています。USB電源ソケット(Type-A/Type-C)が近くに配置されており、充電ケーブルの取り回しもスムーズです。後席にも右側にスマートフォンが入るポケットや、折りたたみ式のパーソナルテーブル(グレード別)が装備されており、子供がタブレットでおやつを食べながら動画を見る、といったシーンも快適にこなせます。
シートアレンジと車中泊性能:ミニバンからの乗り換えでも満足できる広さか
シートアレンジも多彩です。後席をワンタッチで格納すると、ほぼフラットな広大な荷室が出現します。自転車(27インチ)も、ハンドル形状によっては積載可能です。
また、前席を後ろに倒して後席とつなげる「フルフラットモード」にすれば、車中泊も可能なスペースが生まれます。ただし、完全な平面ではなくシートの凹凸はあるため、本格的に寝る場合は専用のマットや厚手のタオルなどで段差を埋める工夫が必要です。それでも、大人2人が足を伸ばして休憩できるスペースは、軽自動車としては驚異的です。
元ディーラー整備士のアドバイス
「オットマンモードは非常に快適ですが、一つ注意点があります。それは『靴の汚れ』です。特に小さなお子様が靴を履いたままオットマンを使うと、ファブリック素材があっという間に泥だらけになります。私の経験上、納車後すぐに市販の『ガードマット』や汚れ防止カバーを装着することをおすすめします。汚れてからでは、繊維の奥に入り込んだ砂を取り除くのはプロでも骨が折れる作業ですから」
【走行性能】NAかターボか?マイルドハイブリッドの実力を試乗評価
「見た目は良くても、走りがもっさりしていたら意味がない」という方へ。ここでは、エンジンとモーターの連携、そして足回りの挙動について、メカニズムの観点から解説します。
スズキ独自のマイルドハイブリッド(ISG)による静かでスムーズな再始動
スペーシアカスタムの心臓部には、全車に「マイルドハイブリッドシステム」が搭載されています。これは、ISG(モーター機能付発電機)が減速時のエネルギーで発電・充電し、その電力を使って加速時にエンジンをアシストする仕組みです。
特筆すべきは「アイドリングストップからの再始動」の静かさです。一般的なセルモーターのような「キュルキュル!」という音がなく、ベルト駆動で「ヌルッ」と静かにエンジンがかかります。渋滞時のストレス軽減効果は絶大で、これだけでもスズキ車を選ぶ理由になります。
自然吸気(NA)モデルの評価:街乗りメインなら十分?坂道での挙動
NA(ノンターボ)エンジンの出力は52馬力。新型エンジンへの換装とCVTの制御変更により、低速域からの加速は以前よりもスムーズになりました。平坦な街中での買い物や送迎がメインであれば、モーターアシストのおかげで不満を感じることは少ないでしょう。
しかし、大人4人が乗車した状態での急な坂道や、バイパスでの合流加速では、エンジン回転数が高くなり、唸り音が車内に入ってきます。「頑張っている感」が出てしまうのは否めません。
ターボモデルの評価:高速道路や合流での加速感、エンジンの静粛性
一方、ターボモデルは64馬力を発揮します。数値上の差は12馬力ですが、重要なのは「トルク(回転させる力)」の差です。ターボ車は低い回転数から太いトルクが出るため、アクセルを深く踏み込まなくてもスーッと加速します。
高速道路の合流や追い越し車線への変更も余裕を持って行えます。結果としてエンジン回転数を抑えられるため、巡航時の静粛性はNAモデルよりも高くなります。長距離ドライブの疲労度は、ターボ車の方が圧倒的に少ないです。
足回りと乗り心地:ハイトワゴン特有の「ふらつき(ロール)」は抑えられているか
背の高いスーパーハイトワゴンで懸念されるのが、カーブでの「ふらつき(ロール)」です。新型スペーシアカスタムは、サスペンションのセッティングが見直され、旧型に比べてロールスピードが穏やかになりました。
完全にロールしないわけではありませんが、グラッと急に傾くのではなく、ジワッと踏ん張る感覚です。後席の家族が車酔いしにくい挙動になっています。ただし、15インチタイヤ(ターボ車)を履くモデルは、路面の継ぎ目で少しコツコツとした硬さを感じることがあります。
元ディーラー整備士のアドバイス
「過去に私が担当したお客様で、『普段は奥様が買い物に使うだけだから』とNAモデルを購入された方がいました。しかし半年後、『週末に家族で遠出したら、高速道路の合流が怖くて冷や汗をかいた』と相談に来られました。結局、その方は早々にターボ車へ乗り換えられました。もし、年に数回でも高速道路を使う予定があるなら、迷わずターボをおすすめします。燃費の差は実用上、誤差の範囲です」
徹底比較!スペーシアカスタム vs N-BOXカスタム
ここが一番知りたいポイントでしょう。軽自動車販売台数No.1の絶対王者、ホンダ「N-BOXカスタム」との直接対決です。忖度なしのプロ視点で比較します。
【価格・コスパ】装備内容と価格設定のバランスが良いのはどっち?
車両本体価格で見ると、両車とも似たような価格帯ですが、標準装備の内容に差があります。スペーシアカスタムは、後席のサーキュレーターやステアリングヒーター、ヘッドアップディスプレイなどの快適装備が、上級グレードに標準で付いてくる傾向があります。
一方、N-BOXはこれらの装備がオプション扱いだったり、設定がなかったりする場合があります。装備内容に対する価格(コストパフォーマンス)という点では、スペーシアカスタムが一歩リードしています。
【内装・広さ】シートの座り心地と質感、荷室の使い勝手比較
室内の広さは、数値上は互角ですが、体感的な広さはN-BOXに軍配が上がります。ホンダ独自の「センタータンクレイアウト」による低床設計は、やはり圧倒的です。特に後席を跳ね上げて背の高い荷物を積む機能(チップアップシート)は、N-BOXだけの特権です。
しかし、シートの座り心地に関しては、スペーシアカスタムの「マルチユースフラップ」が強力な武器となります。N-BOXは「広さ」重視、スペーシアは「座って過ごす快適さ」重視と言えるでしょう。
【走行性能・燃費】ホンダVTECエンジン vs スズキマイルドハイブリッド
走行性能では、N-BOX(特にターボ)のエンジンの滑らかさとパワー感は、軽自動車の枠を超えています。ホンダのエンジン屋としてのプライドを感じます。
対してスペーシアカスタムは「燃費」で勝負です。マイルドハイブリッドの恩恵により、実燃費ではスペーシアカスタムの方がリッターあたり2〜3km良く走る傾向があります。また、車重もスペーシアの方が軽量であるため、軽快感があります。
【先進機能】ホンダセンシングとスズキセーフティサポートの違い
先進運転支援システム(ADAS)は、両車ともに高レベルです。N-BOXの「ホンダセンシング」は、追従クルーズコントロール(ACC)の制御が非常に滑らかで、渋滞時の完全停止保持機能も優秀です。
スペーシアカスタムも、新型でACCに停止保持機能が追加され、カーブ手前での速度抑制機能なども搭載されました。機能面での差はほぼなくなりましたが、ヘッドアップディスプレイ(フロントガラスへの速度投影)がある分、視線移動の少なさではスペーシアに分があります。
| 比較項目 | スペーシアカスタム | N-BOXカスタム | 判定理由 |
|---|---|---|---|
| 価格・コスパ | WIN | LOSE | 標準装備の充実度が高い |
| 室内の広さ | LOSE | WIN | 低床設計による天井高と積載性 |
| シート快適性 | WIN | LOSE | マルチユースフラップの存在 |
| 走行質感 | LOSE | WIN | エンジンの回転フィールが上質 |
| 燃費性能 | WIN | LOSE | 軽量ボディとマイルドHV |
元ディーラー整備士のアドバイス
「リセールバリュー(数年後の売却価格)に関しては、現状ではN-BOXがやや優勢です。ブランド力の強さが中古車市場でも反映されています。しかし、メンテナンスコストの観点ではスペーシアに分があります。スズキ車は部品代が比較的安価で、整備性も良いため、工賃が抑えられる傾向にあるからです。5年以上長く乗るつもりなら、トータルコストでスペーシアが逆転する可能性は十分にあります」
後悔しないグレード選び!HYBRID GS / XS / XSターボの違い
スペーシアカスタムには大きく分けて3つのグレードがあります。ここで選択を誤ると、「あの装備がない!」「高すぎた!」と後悔することになります。
ベースグレード「HYBRID GS」:コスパ最強だが省略される装備に注意
最も安価なグレードですが、外観はしっかり「カスタム」です。LEDヘッドランプやアルミホイールも装備されます。しかし、スリムサーキュレーター(後席への送風機)や後席パーソナルテーブル、そして目玉の「マルチユースフラップ」が付いていません。
これらが不要で、とにかく安くカスタムに乗りたい人向けですが、スペーシアカスタムの魅力を半減させてしまう選択とも言えます。
上級グレード「HYBRID XS」:サーキュレーターや革巻きステアリングが標準
売れ筋のグレードです。マルチユースフラップ、スリムサーキュレーター、本革巻きステアリング、両側パワースライドドアなど、欲しい装備がほぼ全部入りになります。NAエンジンで十分という方は、このグレードが満足度のバランスが最も良いでしょう。
最上級「HYBRID XS TURBO」:パドルシフトやパワーモードで走りを追求
XSの装備に加えて、ターボエンジン、パドルシフト(ステアリングで変速操作ができる機能)、パワーモードスイッチが追加されます。また、ホイールサイズが15インチになり、見た目もよりスポーティになります。
結論:あなたにおすすめのグレードはこれだ(タイプ別診断)
- HYBRID GS:見た目重視で、後席にはあまり人を乗せない、予算を極限まで抑えたい人。
- HYBRID XS:街乗りメインで、後席の家族(子供)の快適性を重視したい人。
- HYBRID XS TURBO:高速道路を使う機会がある、4人乗車が多い、走りに妥協したくない人。【筆者イチオシ】
元ディーラー整備士のアドバイス
「メーカーオプションの『全方位モニター付メモリーナビゲーション』を付けるかどうか迷う方が多いです。社外ナビの方が安く高機能な場合もありますが、全方位モニター(アラウンドビュー)の映像を鮮明に映し出し、ヘッドアップディスプレイとも連携できるのは純正ならではの強みです。後付けで同等の機能を組むのは困難かつ高額になるため、予算が許すなら最初から付けておくことを強く推奨します」
維持費と家計シミュレーション:ミニバンから乗り換えるといくら浮く?
奥様を説得するための最強の武器、「維持費」のお話です。普通車のミニバン(2.0Lクラス)から乗り換えた場合、どれくらい家計が助かるのでしょうか。
自動車税と重量税:軽自動車ならではの圧倒的な安さ
まず自動車税です。普通車(1.5L〜2.0L)は年間39,500円ですが、軽自動車は一律10,800円です。これだけで年間約3万円の節約です。重量税も車検ごとに数万円単位で安くなります。
実燃費とガソリン代シミュレーション(年間1万km走行時)
ミニバンの実燃費を10km/L、スペーシアカスタム(ターボ)の実燃費を18km/L、ガソリン価格を170円/Lと仮定します。
- ミニバン:年間1,000L消費 × 170円 = 170,000円
- スペーシア:年間555L消費 × 170円 = 94,350円
ガソリン代だけで年間約7万5千円の差が出ます。
タイヤ代・オイル交換・車検費用の目安
消耗品も安いです。例えばタイヤ4本セットの場合、ミニバンなら8〜10万円コースですが、スペーシアなら3〜5万円で済みます。オイル交換の量も少なく、車検基本料も軽自動車料金が適用されます。
トータルすると、年間で10〜15万円程度の維持費削減が見込めます。10年乗れば100万円以上の差。これは家族旅行に何度も行ける金額です。
元ディーラー整備士のアドバイス
「長く乗るためのメンテナンスのツボをお教えします。それは『CVTフルード』の交換です。エンジンオイルは皆さん気にされますが、変速機のオイルであるCVTフルードは無交換で良いと思われがちです。しかし、シビアコンディション(短距離走行や坂道が多い)では劣化します。5万kmを目安に交換することで、燃費の悪化や異音トラブルを防ぎ、結果的に長く安く乗ることができます」
整備士がこっそり教えるスペーシアカスタムの注意点・デメリット
良いことばかりではありません。購入後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、ネガティブな情報も包み隠さずお伝えします。
高速走行時の風切り音とロードノイズのレベル
背が高い形状ゆえ、高速道路での風切り音(Aピラー付近からのザワザワ音)は、セダンや低い車に比べて大きめです。また、軽量化のために遮音材がミニバンほど分厚くないため、荒れた路面では「ゴーッ」というロードノイズが車内に入ってきやすい傾向があります。静粛性は向上していますが、過度な期待は禁物です。
後席乗り心地の硬さと突き上げ感について
マルチユースフラップの機構を組み込んだ影響か、後席の座面はやや硬めの印象を受けます。また、後輪のサスペンション構造上、段差を越えた際に後席へ「突き上げ」が伝わりやすいです。試乗の際は、必ず奥様やご家族を後席に乗せて、乗り心地を確認してもらうことを強くお勧めします。
先進装備が多いゆえの故障リスクと修理費用の目安
カメラ、レーダー、ソナー、電動スライドドア、電動フラップ…。便利な装備が増えるということは、それだけ故障する部品が増えるということです。特に、フロントバンパーやグリル周りを軽くぶつけただけでも、センサーの再調整(エーミング)が必要になり、修理費が予想以上に高額になるケースがあります。車両保険への加入は必須と言えるでしょう。
スペーシアカスタム購入に関するFAQ
Q. 納期はどれくらいかかりますか?
A. 地域やグレードによりますが、目安として3〜5ヶ月程度です。ただし、2トーンルーフ仕様などの特殊な塗装はさらに時間がかかる場合があります。
Q. 4WDは必要ですか?燃費はかなり落ちますか?
A. 豪雪地帯や急な坂道が多い地域でなければ、2WDで十分です。最近のスタッドレスタイヤとトラクションコントロールの性能は優秀です。4WDにすると車重が増え、燃費はカタログ値で1〜2km/L程度落ちますし、車両価格も10万円以上高くなります。
Q. 車中泊をするにはオプションが必要ですか?
A. シートを倒すだけでは段差があるため、快適に寝るには「リラックスクッション」などのオプションや、市販のエアマットが必要です。また、プライバシーを守るためのサンシェードも用意したほうが良いでしょう。
元ディーラー整備士のアドバイス
「新車購入時の値引き交渉ですが、スズキ車はホンダ車に比べて値引きのガードが少し緩い傾向にあります。狙い目は決算期の3月と9月。そして『N-BOXと迷っている』と正直に伝えることが最も効果的です。ただし、無理な値引きを要求するよりも、『メンテナンスパック』や『ディーラーオプション』のサービスをお願いするほうが、営業担当者も決裁を取りやすく、結果的にお得になることが多いですよ」
まとめ:スペーシアカスタムは「家族の満足」と「パパのこだわり」を両立する一台
新型スペーシアカスタムは、軽自動車の枠を超えた装備と、マイルドハイブリッドによる賢い走りを兼ね備えた一台です。N-BOXという強力なライバルがいますが、コストパフォーマンスと「マルチユースフラップ」による後席の快適性という点では、スペーシアカスタムに明確なアドバンテージがあります。
最後に、購入前に確認すべきチェックリストをまとめました。
スペーシアカスタム購入前最終チェックリスト
- 使用シーンの確認:高速道路の使用頻度は?(月1回以上ならターボ推奨)
- 後席試乗:家族を乗せて、オットマンの使い心地と突き上げ感を確認したか?
- 自宅駐車場の確認:全高1785mmが入るか?リアゲートを開けるスペースはあるか?
- グレード選定:サーキュレーターとフラップが必要なら「XS」以上を選んでいるか?
- 予算計画:車両価格だけでなく、オプション込みの総額と維持費で比較したか?
この車は、あなたの家族の移動時間を「単なる移動」から「くつろぎの時間」に変えてくれるポテンシャルを秘めています。ぜひ、ディーラーで実車に触れ、その進化を体感してみてください。
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