オフィスでの書類作成や、イベントのフライヤー制作、あるいは手帳選びの場面で「A5サイズ」という言葉を耳にすることは多いはずです。しかし、いざ制作や購入の段階になると、「正確なセンチメートル数がわからない」「A4の半分であっているのか?」「Web用に画像を作るには何ピクセルに設定すればいいのか」といった疑問に直面し、作業の手が止まってしまうことはありませんか?
結論から申し上げますと、A5サイズの正式な寸法は 「148mm × 210mm」 です。これは、一般的に最も馴染み深いA4サイズ(297mm×210mm)を、ちょうど半分に折った大きさと同等になります。
たかが用紙サイズ、されど用紙サイズです。わずか数ミリの認識のズレが、印刷時の断裁ミスや、封筒に入らないという郵送トラブル、あるいはWeb画像が粗くなってしまうといった失敗に直結します。特にビジネスの現場において、こうした初歩的なミスはコストの無駄遣いだけでなく、プロフェッショナルとしての信頼を損なう原因にもなりかねません。
この記事では、印刷・DTPの実務現場で15年以上の経験を持つ筆者が、A5サイズに関するあらゆる数値を網羅的に解説します。単なる数値の羅列ではなく、実務で失敗しないための「解像度設定のコツ」や「最もコストパフォーマンスの良い郵送方法」まで、プロの視点を交えて詳しくガイドします。
この記事でわかること
- mm・cm・inch・ピクセル(解像度別)のA5サイズ完全早見表
- A5用紙を郵送する際の最適な封筒サイズ(角形・長形)と郵便料金の節約術
- 印刷やデータ作成で失敗しないための、DTP・設定のプロによる実践的なコツ
お手元のスマートフォンやPCでブックマークしていただき、業務中に迷った際の「辞書」としてご活用ください。それでは、まずは基本の数値から確認していきましょう。
A5サイズの基本寸法(mm・cm・inch)と早見表
まずはじめに、デザイン制作や書類設定で最も頻繁に使用する「物理的な寸法」について解説します。A5サイズは国際規格(ISO 216)および日本産業規格(JIS P 0138)によって厳格に定められています。感覚値で作業を進めるのではなく、正確な数値を把握することが、クオリティの高い成果物を生み出す第一歩です。
以下の表は、A5サイズの基本単位をまとめた早見表です。DTPソフトへの入力や、定規での計測時に参照してください。
| 単位 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| ミリメートル (mm) | 148 mm × 210 mm | デザインソフトや印刷発注時の標準単位 |
| センチメートル (cm) | 14.8 cm × 21.0 cm | 定規で測る際や日常会話で使用 |
| インチ (inch) | 5.83 inch × 8.27 inch | 海外規格や一部のデバイス設定で使用 |
| 面積 | 310.8 cm² | およそ0.03平方メートル |
| 縦横比 | 1 : √2 (約1 : 1.414) | 「白銀比」と呼ばれる美しい比率 |
A判サイズの規格とA5の位置づけ
A5サイズという名称の「A」は、ドイツの工業規格に由来する国際標準規格「A列」を指します。この規格の最大の特徴は、「半分に切っても、縦横の比率(1:√2)が変わらない」という点にあります。
すべての基準となる「A0」サイズは、面積がちょうど1平方メートルになるように設計されています(841mm × 1189mm)。このA0を半分に切るとA1、さらに半分にするとA2……と続き、5回半分に切ったサイズが「A5」となります。
つまり、A5サイズはA4サイズ(210mm × 297mm)のちょうど半分の面積を持ち、A6サイズ(文庫本サイズ:105mm × 148mm)の2倍の面積を持つサイズです。この「相似形」の性質のおかげで、A4で作った資料を縮小コピーしてA5にしても、余白のバランスが崩れることなく綺麗に収まるのです。これは、日本の公文書やビジネス文書でA判が広く採用されている大きな理由の一つです。
なぜ「148mm」なのか?端数の覚え方
「148mm」という数字は中途半端で覚えにくいと感じる方も多いかもしれません。しかし、これは前述の通り、A0から順に長辺を半分にしていった結果の数値です。
計算上、297mm(A4の長辺)を半分にすると「148.5mm」となります。しかし、JIS規格およびISO規格では、1mm未満の端数は切り捨てて表記するというルールがあります。そのため、A5の短辺は148.5mmではなく、正確には「148mm」と定義されています。
デザインの現場では、この0.5mmの差が意外と重要になることがあります。例えば、A4用紙をカッターで自力で半分に切った場合、どうしても148.5mmになりますが、印刷会社から納品される正規のA5用紙は148mmです。自作のA5用紙と既製品のA5用紙を混ぜて使うと、わずかにサイズが合わずに揃わないことがあるので注意が必要です。
印刷・DTP歴15年の実務家のアドバイス
「現場ではA5サイズのことを『イチヨンパ・ニーイチマル』とリズムで覚えることが多いです。また、初心者が陥りやすいミスとして、断裁ズレを考慮した『塗り足し』を含めたサイズ(154mm × 216mm)と、仕上がりサイズ(148mm × 210mm)を混同してしまうケースがあります。入稿データを作る際は、必ず『仕上がりサイズ』か『制作サイズ(塗り足し込み)』かを確認する癖をつけましょう。設定を間違えると、大事な文字が切れてしまったり、不自然な余白ができたりする原因になります」
【用途別】A5サイズのピクセル数(px)と解像度一覧
紙の印刷物としてではなく、Webサイト上のバナー画像や、タブレット端末で閲覧するためのデジタルドキュメントとしてA5サイズを使用する場合、重要になる単位は「ミリメートル」ではなく「ピクセル(px)」です。
ここで注意しなければならないのは、「解像度(dpi)」によって必要なピクセル数が劇的に変わるという点です。解像度とは「1インチあたりにいくつのドット(点)が並んでいるか」を示す密度です。用途に合わせて適切な解像度を設定しないと、「画面では綺麗に見えていたのに印刷したらボケボケになった」あるいは「データが重すぎてメールで送れない」といったトラブルが発生します。
以下に、主要な用途ごとの推奨解像度と、それに対応するA5サイズのピクセル数をまとめました。デザイナーだけでなく、PowerPointなどで資料作成をする方も必見のデータです。
| 用途 | 推奨解像度 (dpi) | ピクセル数 (px) | 解説 |
|---|---|---|---|
| Web・スクリーン表示 | 72 dpi | 420 px × 595 px | Web画像、モニター表示用。データ容量が軽い。 |
| 高解像度ディスプレイ | 96 dpi | 559 px × 794 px | Windows標準、一般的なPC画面向け。 |
| 一般的なカラー印刷 | 350 dpi | 2039 px × 2894 px | チラシ、パンフレット、写真印刷の標準。 |
| 高精細印刷 | 600 dpi | 3496 px × 4961 px | 美術書や細かい線画、高品位な印刷物。 |
| モノクロ本文 | 1200 dpi | 6992 px × 9921 px | 漫画のペン入れ、文字中心のモノクロ冊子。 |
Web・スクリーン用(72dpi / 96dpi)
Webサイトに掲載する画像や、プロジェクターで投影する資料の場合、解像度は一般的に72dpi(またはWindows標準の96dpi)で作成します。この場合、A5サイズは「420px × 595px」となり、比較的小さな画像サイズになります。
この設定のメリットは、ファイルサイズが非常に軽く、Webページの読み込み速度を落とさないことです。しかし、この解像度で作った画像を家庭用プリンターなどで印刷しようとすると、ドットが粗く見え、非常に低品質な仕上がりになってしまいます。「画面用は印刷には向かない」と覚えておきましょう。
一般的なカラー印刷・チラシ用(300dpi / 350dpi)
チラシ、フライヤー、社内報、同人誌の表紙など、カラー印刷を行う場合の業界標準は300dpi〜350dpiです。多くのネット印刷通販サイトでも、入稿データの推奨解像度として「350dpi」を指定しています。
この設定では、A5サイズは「2039px × 2894px」となり、約600万画素相当の情報量を持ちます。スマートフォンのカメラで撮影した写真であれば十分な画素数ですが、Webから拾ってきた小さな画像を無理やり引き伸ばして使うと、画質が劣化してモザイク状になってしまうため注意が必要です。
高精細印刷・モノクロ本文用(600dpi / 1200dpi)
文字が中心の書籍や、漫画の原稿、あるいは繊細な線画イラストを印刷する場合は、さらに高い解像度が求められます。特にモノクロ2階調(白と黒だけで表現するモード)の印刷では、解像度が低いと曲線部分がギザギザ(ジャギー)に見えてしまうため、600dpi以上、推奨としては1200dpiで作成することが一般的です。
データサイズは非常に大きくなりますが、プロのようなシャープで美しい文字や線を表現するためには欠かせない設定です。
▼(補足)Photoshop/Illustratorでの新規作成設定手順
Adobe PhotoshopやIllustratorでA5サイズのドキュメントを新規作成する際の、失敗しない手順を解説します。
- 「新規作成」を選択します。
- 上部のタブから「印刷」を選択します(Web用を作る場合でも、サイズ基準が紙ならここから選ぶと便利です)。
- プリセットの中から「A5」を選択します。もし一覧にない場合は「すべてのプリセットを表示」をクリックしてください。
- 右側の設定パネルで、単位が「ミリメートル」になっていることを確認します。
- 最重要:「解像度」の数値を手動で確認してください。印刷用なら「300」または「350」、Web用なら「72」を入力します。
- カラーモードを選択します。印刷用なら「CMYKカラー」、Web用なら「RGBカラー」を選択して「作成」をクリックします。
この手順を踏むことで、サイズ間違いやカラーモードのミスを未然に防ぐことができます。
A5サイズはどれくらい?身近なものとの比較とイメージ
数値上のサイズは理解できても、「実際にどれくらいの大きさなのか」「カバンに入るのか」といった直感的なサイズ感をつかむことは重要です。特に、手帳やタブレットを選ぶ際、A5サイズは絶妙なラインにあるため、具体的なイメージを持って判断したいところです。
A4サイズとの比較(コピー用紙・ノート)
最もわかりやすい比較対象は、やはりA4サイズ(コピー用紙)です。オフィスや学校で標準的に使われているA4クリアファイルやノートを思い浮かべてください。
A5サイズは、そのA4用紙を長辺(長い方)で半分に折ったサイズです。A4のコピー用紙をパタンと二つ折りにすれば、それがそのままA5サイズになります。見開きでA4サイズになるノートや手帳は、閉じている状態ではA5サイズです。
デスクの上で広げたとき、A4だとキーボードの手前に置くには少し邪魔になりますが、A5サイズであればキーボードと体の間のスペースに無理なく収まります。この「省スペース性」が、ビジネス手帳としてA5が愛される最大の理由です。
身近な日用品との比較(本・タブレット・ペットボトル)
A4以外の身近なものとも比較してみましょう。
- 本・書籍:
- 教科書・学術書:多くの教科書や専門書がA5サイズで作られています。文字が読みやすく、図版も掲載できるバランスの良いサイズです。
- 漫画の単行本(大判):「完全版」や「ワイド版」と呼ばれる少し大きめのコミックスがA5サイズです(通常の少年コミックはもっと小さい新書判やB6判です)。
- 文芸誌・総合雑誌:これらもA5サイズが主流です。
- タブレット端末:
- iPad mini:約8.3インチの画面を持つiPad miniの本体サイズは、A5サイズよりも一回り小さいです(約135mm × 195mm)。A5の手帳カバーにiPad miniがすっぽり収まることが多いのはこのためです。
- 11インチ iPad Pro / Air:これらは本体サイズがA4の半分より少し大きく、B5サイズに近い感覚です。
- 500mlペットボトル:
- 一般的な500mlペットボトルの高さは205mm〜215mm程度です。A5の長辺(210mm)とほぼ同じ高さです。カバンにペットボトルを立てて入れるスペースがあれば、A5サイズのノートも縦にすっぽり入るとイメージしてください。
A5サイズが選ばれる理由(持ち運びと情報量のバランス)
なぜビジネスや創作の現場でA5サイズがこれほど選ばれるのでしょうか。それは「携帯性」と「情報量」のバランスが最適解に近いからです。
B6やA6(文庫本)サイズは持ち運びには最高ですが、複雑な図を書いたり、議事録をしっかり取ったりするには紙面が狭すぎます。一方で、B5やA4サイズは情報量は十分ですが、小さなカバンには入らず、電車の中で立って読むには大きすぎます。
A5サイズは、「片手で持てる限界の大きさ」でありながら、「しっかり書き込める広さ」を確保しています。女性の小さめのトートバッグや、ビジネス用のクラッチバッグにも収まりが良いため、ノマドワーカーや営業職の方にとっての「相棒」となりやすいサイズなのです。
オフィス業務効率化アドバイザーのアドバイス
「A5は『デスクで広げてもキーボードの邪魔にならない』かつ『十分な筆記面積がある』絶妙なサイズです。カフェの小さな丸テーブルで作業をする際、PCとA4ノートを広げるとコーヒーを置く場所がなくなりますが、A5ノートなら共存可能です。フリーアドレスのオフィスや、外出先での作業が多い方には、手帳やノートをA5で統一することを強く推奨しています」
A5用紙の郵送ガイド:封筒サイズと料金
総務や事務を担当されている方が最も頭を悩ませるのが、「A5サイズの書類を送るにはどの封筒を使えばいいのか?」そして「いくらの切手を貼ればいいのか?」という問題です。封筒の選び方一つで、見栄えだけでなく、年間の通信費コストも大きく変わってきます。
ここでは、A5用紙を「折らずに入れる場合」と「折って入れる場合」に分けて、最適な封筒と料金を解説します。
A5を折らずに入れるなら「角形6号」か「角形5号」
履歴書、契約書、あるいはデザインされた厚手のフライヤーなど、折り目をつけずに綺麗な状態で送りたい場合は、「角形(かくがた)」の封筒を選びます。
- 角形6号(162mm × 229mm):
- A5サイズ(148mm × 210mm)に対して、縦横ともに1〜2cm程度の余裕がある「ジャストサイズ」の封筒です。
- 中身が数枚〜十数枚程度であれば、このサイズが最も美しく収まり、中で書類が暴れることもありません。
- 郵便区分:定形外郵便(規格内)
- 角形5号(190mm × 240mm):
- 角形6号より一回り大きいサイズです。A5サイズでも厚みのある冊子(カタログやパンフレット)や、クリアファイルに入れて送る場合に適しています。
- 郵便区分:定形外郵便(規格内)
注意点として、よくオフィスにある「角形2号(A4用)」や「角形3号(B5用)」でもA5は入りますが、スペースが余りすぎて中で書類が動いてしまったり、郵送中に折れ曲がるリスクが高まったりします。可能な限りサイズに合った封筒を使うのがマナーです。
A5を三つ折りで入れるなら「長形3号」
請求書や納品書、簡単な案内状など、折り目がついても問題ない書類であれば、三つ折りにして「長形(なががた)」の封筒に入れるのが最も一般的で経済的です。
- 長形3号(120mm × 235mm):
- A4用紙を三つ折りにすると入る、日本で最もポピュラーな縦長の封筒です。
- A5用紙の場合、二つ折り(A6サイズにする)または三つ折りにすることで、余裕を持って封入できます。
- 郵便区分:定形郵便(これが最大のメリットです)
以下の表で、封筒サイズと用途、郵便区分を整理しました。
| 封筒の種類 | サイズ (mm) | A5の入れ方 | 郵便区分 |
|---|---|---|---|
| 角形6号 | 162 × 229 | そのまま(折らない) | 定形外郵便 |
| 角形5号 | 190 × 240 | そのまま(厚物・冊子) | 定形外郵便 |
| 角形3号 | 216 × 277 | そのまま(かなり余裕あり) | 定形外郵便 |
| 長形3号 | 120 × 235 | 二つ折り or 三つ折り | 定形郵便(最安) |
郵便料金の境界線(定形郵便 vs 定形外郵便)
ここがコスト削減の重要ポイントです。A5用紙を送る際、「折るか折らないか」で料金が大きく変わります。
A5用紙を「角形6号」に入れて折らずに送る場合、サイズ規定により「定形外郵便物(規格内)」の扱いとなります。この場合の料金は、50g以内で140円(2024年10月改定後の新料金)からです。
一方、A5用紙を折って「長形3号」に入れて送る場合、「定形郵便物」の扱いとなります。この場合の料金は、25g以内なら84円、50g以内なら94円(同改定後:50gまで110円に統一)で済みます。
1通あたり数十円の差ですが、DMなどで1000通発送する場合、数万円のコスト差になります。「絶対に折ってはいけない書類」以外は、長形3号を活用して定形郵便で送るのが賢い選択です。
オフィス業務効率化アドバイザーのアドバイス
「郵送コスト削減の裏技として、重量チェックも欠かせません。一般的なコピー用紙(PPC用紙)1枚の重さは約4g、A5なら約2gです。封筒の重さを合わせても、A5用紙数枚程度なら余裕で最安料金で送れます。しかし、厚手の紙やクリアファイルを含めると重量区分が上がり、定形外料金が高くなることがあります。大量発送時は必ず1通サンプルを作成し、デジタルのスケールで重さを測ってから切手を購入しましょう」
印刷・データ作成で失敗しないための実務ポイント
最後に、自分でA5サイズの印刷データを作成したり、プリンターで出力したりする際の実務的な注意点を解説します。特に「効率重視」の方は、設定ミスによる再印刷の手間を最も嫌うはずです。ここで紹介するポイントを押さえて、一発で完璧な出力を目指しましょう。
縮小コピー・拡大コピーの倍率設定(A4⇔A5)
オフィスにある複合機で、A4の原稿をA5に縮小したり、逆にA5の原稿をA4に拡大したりする機会は頻繁にあります。この時の倍率は、数学的に決まっています。
- A4 → A5 に縮小:約70%(正確には70.7%)
- A5 → A4 に拡大:約141%(正確には141.4%)
- A3 → A5 に縮小:約50%
多くのコピー機には「A4→A5」といったプリセットボタンがありますが、手動で倍率を入力する必要がある場合や、スキャナー取り込み時の設定でこの数値を覚えておくとスムーズです。「縮小は70%、拡大は141%」と暗記しておきましょう。
Word/Excelでのページ設定トラブルと解決法
WordやExcelで文書を作成する際、デフォルト設定はたいてい「A4」になっています。文書を作り終えてから「ページ設定」でA5に変更すると、レイアウトが崩れたり、改行位置が変わってしまったりするトラブルが多発します。
鉄則:文書作成は「最初に」サイズ設定を行うこと。
- Wordの「レイアウト」タブを開く。
- 「サイズ」をクリックし、「A5」を選択。
- 必要に応じて「余白」を調整する(A5は紙面が小さいので、余白を「狭い」に設定すると紙面を有効活用できます)。
また、ExcelでA5サイズの表を作る場合、印刷プレビューで文字が小さくなりすぎることがあります。その際は、「拡大縮小設定」で「シートを1ページに印刷」を選ぶのではなく、あらかじめA5の範囲(列の幅など)を計算してレイアウトを組むのがプロのやり方です。
印刷入稿時の「塗り足し」と「余白」の基本
印刷会社にデータを入稿する場合、あるいはフチなし印刷を行いたい場合に避けて通れないのが「塗り足し(ぬりたし)」の概念です。
印刷物は、大きな紙に印刷した後に、仕上がりサイズ(A5なら148×210mm)で刃物を入れて断裁します。この断裁時には、どうしても数ミリのズレが生じる可能性があります。もし、仕上がりサイズぴったりにしか色や写真が入っていないと、断裁が外側にズレたときに、紙の白地(余白)が線のように出てしまい、非常に格好悪い仕上がりになります。
これを防ぐために、仕上がりサイズよりも上下左右に3mmずつ、計6mm大きく背景や写真を配置します。これを「塗り足し」と呼びます。
- 仕上がりサイズ:148mm × 210mm
- 塗り足し込みサイズ:154mm × 216mm
逆に、切れてはいけない重要な文字やロゴは、仕上がり位置よりも3mm〜5mm内側に配置する必要があります(セーフティエリア)。
印刷・DTP歴15年の実務家のアドバイス
「家庭用プリンターやオフィスの複合機で印刷する場合、構造上、用紙の端数ミリまでインクを吹けない『印刷不可領域』が存在します。フチなし印刷機能がない機種の場合、デザインの重要な要素(文字やロゴ)を端ギリギリに配置すると、印刷時に強制的にカットされてしまいます。安全策として、文字情報は端から最低でも5mm、できれば10mm以上内側に配置すると、どんなプリンターでも失敗なく印刷できます」
A5サイズに関するよくある質問 (FAQ)
A5サイズに関して、検索などで頻繁に寄せられるニッチな疑問にお答えします。
Q. A5の履歴書を使っても失礼になりませんか?
A. 基本的には推奨されません。
一般的に履歴書は、見開きでB4サイズ(片面B5)またはA3サイズ(片面A4)が標準です。A5サイズ(見開きA4)の履歴書も市販されていますが、これは主にパート・アルバイト用や、簡易的な経歴確認用として使われることが多いです。就職活動や転職活動、公的な提出書類としては、情報量が多くビジネス標準であるA4サイズ(見開きA3)を選ぶのが無難であり、マナーとされています。
Q. A5サイズのルーズリーフの穴数は?
A. 20穴です。
A5サイズのルーズリーフバインダーおよびリフィルの穴数は、JIS規格で20穴と決まっています。B5サイズは26穴、A4サイズは30穴です。これらは穴の間隔自体は同じ(9.5mmピッチ)ですが、穴の数が違うため、基本的には専用のバインダーが必要です。「多穴パンチ」などの器具を使えば、A4用紙に20穴を開けてA5バインダーに綴じることも可能です。
Q. A5の比率は「黄金比」ですか?
A. いいえ、「白銀比」です。
A判やB判の「1 : √2」という比率は、白銀比(大和比)と呼ばれます。法隆寺の五重塔など、古くから日本の建築や仏像にも見られる比率で、日本人が「落ち着く」「美しい」と感じやすい比率と言われています。一方、黄金比は「1 : 1.618」で、パルテノン神殿や名刺のサイズなどに使われています。A5サイズは、まさに日本人の感性に馴染む「白銀比」の代表格と言えます。
まとめ & 実務チェックリスト
A5サイズは、コンパクトさと情報量を兼ね備えた非常に優秀なサイズです。最後に、この記事の要点をチェックリスト形式でまとめました。作業前の最終確認にご活用ください。
- A5サイズの基本寸法は 148mm × 210mm。
- Web画像を作るなら 72dpi (420×595px)、印刷用なら 350dpi (2039×2894px) で設定する。
- 郵送時、折らずに送るなら 角形6号(定形外)、三つ折りで安く送るなら 長形3号(定形)。
- 入稿データ作成時は、周囲に3mmずつの 塗り足し を忘れない。
▼A5印刷・郵送前の最終確認リスト
作業完了前に、以下の項目をチェックしてください。
- 制作サイズは「148mm × 210mm」になっていますか?
- 印刷会社に入稿する場合、塗り足し(+6mm)を含めたサイズになっていますか?
- 画像の解像度は用途に適していますか?(印刷なら300dpi以上推奨)
- 切れてはいけない文字やロゴは、端から5mm以上内側に配置されていますか?
- 封筒のサイズは中身の厚みを考慮して選びましたか?
- 郵便料金を節約するために、三つ折りにできるか検討しましたか?
- 大量発送の場合、1通あたりの重さを測って料金を確認しましたか?
これらのポイントを押さえておけば、A5サイズに関するトラブルはほぼ回避できます。ぜひ今日から、自信を持ってA5サイズの制作や活用に取り組んでみてください。
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