2024年10月1日より、郵便料金が約30年ぶりとなる大幅な改定が行われました。定形郵便物は従来の84円から110円へ、レターパックプラスは520円から600円へと値上げされ、多くの企業や家庭で対応に追われています。
この記事では、新料金の完全一覧表はもちろんのこと、手元に残ってしまった旧料金の切手やレターパックを無駄なく使い切るための具体的な差額対応、そしてこの値上げを機に見直すべき企業のコスト削減策まで、総務の実務現場ですぐに役立つ情報を網羅的に解説します。
この記事でわかること
- ひと目でわかる新旧郵便料金比較表(定形・定形外・はがき・レターパック・速達)
- 余った84円切手や旧レターパックを使うための「差額分の切手」組み合わせ最適解
- 値上げを機に見直すべき、企業の郵送コスト削減とデジタル化の具体策
実務でミスが許されない総務担当の方や、経費削減を目指す経営者の方に向けて、業界歴15年の総務コンサルタントがプロの視点でナビゲートします。
2024年10月1日施行!郵便料金値上げの全体像とポイント
まずは今回の郵便料金改定の全体像と、それが実務に与える影響度について解説します。今回の値上げは、単なる数円の調整ではなく、郵便事業の構造的な課題を背景とした大幅な価格改定です。特にビジネスシーンで多用される定形郵便やレターパックの上げ幅が大きく、企業の通信費予算に直結する重要な変更点となります。
業界歴15年の総務・ファシリティコンサルタントのアドバイス
「今回の値上げ幅は、過去の消費税増税に伴う微調整とは次元が異なります。特に定形郵便が84円から110円へと約30%アップすることは、年間で数千通、数万通を発送する企業にとっては数十万円から数百万円単位のコスト増になります。単に『新しい切手を買えばいい』と考えるのではなく、これを機に『本当に郵送が必要なのか』という業務フローの根本を見直す絶好の機会と捉えてください。経営層への報告も、単なる経費増の報告ではなく、デジタル化による効率化提案とセットで行うことが、総務担当者の腕の見せ所です」
値上げはいつから?適用開始のタイミングと猶予
今回の新料金は、2024年(令和6年)10月1日(火)の郵便物引受分から適用されています。ここで注意が必要なのは、「いつ投函したか」ではなく「いつ郵便局が引き受けたか」が基準になる点です。
具体的には、ポスト投函の場合、そのポストの「最初の取集(集荷)」が10月1日以降であれば新料金が適用されます。例えば、9月30日の最終取集が終わった後に投函された郵便物は、翌日10月1日の最初の取集となるため、新料金(110円など)が必要となります。もし旧料金(84円)のまま投函してしまった場合、料金不足として差出人に返送されるか、受取人に不足分を請求されることになります。ビジネスにおいて受取人に不足分を払わせることは最大のタブーですので、移行期間の投函タイミングには細心の注意が必要です。
また、郵便局の窓口で差し出す場合は、10月1日の営業開始時刻から新料金となります。24時間営業の「ゆうゆう窓口」などでは、日付が変わった瞬間にシステムが切り替わるため、深夜に持ち込む場合も注意してください。
なぜ値上げされたのか?背景にある物流コストと郵便事業の現状
今回の値上げの背景には、大きく分けて「郵便物数の減少」と「物流コストの上昇」という2つの要因があります。
まず、デジタル化の進展により、手紙やはがきの利用数はピーク時の2001年度と比較して半減しています。SNSやメール、チャットツールの普及により、個人間の通信はもちろん、企業の請求書や通知物も電子化が進み、郵便事業の収益構造が悪化していました。一方で、郵便ポストの数や配達ネットワークは全国津々浦々まで維持する必要があり、固定費の削減には限界があります。
さらに、「2024年問題」に代表される物流業界全体の人手不足と人件費の高騰、燃料費の上昇が追い打ちをかけました。郵便サービスを安定的かつ継続的に提供するためには、働く人への適切な賃金確保と労働環境の改善が不可欠であり、そのための原資として今回の料金改定が行われました。総務省の情報通信行政・郵政行政審議会での議論を経て決定されたこの改定は、郵便サービスのユニバーサルサービス(全国どこでも公平に利用できること)を維持するための苦渋の決断とも言えます。
主要な変更点サマリー(手紙・はがき・レターパック・速達)
今回の改定における主要な変更点は以下の通りです。特にビジネス利用頻度の高いカテゴリーを中心に抜粋します。
| 種類 | 旧料金(〜2024/9/30) | 新料金(2024/10/1〜) | 値上げ幅 |
|---|---|---|---|
| 定形郵便物(25g以下) | 84円 | 110円 | +26円 |
| 定形郵便物(50g以下) | 94円 | 110円 | +16円 |
| 通常はがき | 63円 | 85円 | +22円 |
| レターパックライト | 370円 | 430円 | +60円 |
| レターパックプラス | 520円 | 600円 | +80円 |
| 速達(250g以下) | 260円 | 300円 | +40円 |
特筆すべき点は、これまで重量によって分かれていた定形郵便物の料金が、25g以下も50g以下も一律110円に統合されたことです。これにより、従来は「25gを超えないように紙を薄くする」といった調整をしていた手間が省ける一方、軽量の郵便物にとっては実質的な大幅値上げとなります。また、はがきも63円から85円へと30%以上の値上げとなっており、ダイレクトメール(DM)や年賀状のコストにも大きな影響を与えます。
【保存版】郵便料金値上げ一覧表:定形・定形外・はがき・レターパック
ここでは、実務担当者がデスクで即座に確認できるよう、詳細な新料金一覧表を掲載します。重量区分や規格の定義も含めて網羅していますので、迷った際の参照用としてご活用ください。
第一種郵便物(手紙・定形郵便・定形外郵便)の新料金
第一種郵便物は、一般的な手紙や封書が該当します。「定形郵便物」と「定形外郵便物」に分かれ、さらに定形外は「規格内」と「規格外」に分類されます。
定形郵便物(25g/50g)
前述の通り、25g以下と50g以下の区分がなくなり、50gまでは一律料金となりました。
定形外郵便物(規格内/規格外)
定形外郵便物についても、重量帯ごとに約30%程度の値上げが実施されています。「規格内」とは、長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内かつ重量1kg以内のものを指します。これを超えるものは「規格外」となります。
| 重量 | 定形郵便物 | 定形外(規格内) | 定形外(規格外) |
|---|---|---|---|
| 50g以内 | 110円 | 140円 | 260円 |
| 100g以内 | – | 180円 | 290円 |
| 150g以内 | – | 270円 | 390円 |
| 250g以内 | – | 320円 | 450円 |
| 500g以内 | – | 510円 | 660円 |
| 1kg以内 | – | 750円 | 920円 |
| 2kg以内 | – | – | 1,350円 |
| 4kg以内 | – | – | 1,750円 |
※定形郵便物は50gまで。定形外(規格内)は1kgまでとなります。
第二種郵便物(はがき)の新料金
はがき(第二種郵便物)も値上げされています。年賀はがきも同様に新料金が適用されます。
- 通常はがき:旧63円 → 新85円
- 往復はがき:旧126円 → 新170円
往復はがきは単純に通常はがきの2倍の料金となります。各種会合の出欠確認や案内状などで往復はがきを使用している企業は、予算の見直しが必要です。
レターパック・スマートレターの新料金
ビジネスシーンで書類や小さな物品を送る際に重宝するレターパックやスマートレターも、以下の通り改定されました。
| 種類 | 旧料金 | 新料金 | 差額 |
|---|---|---|---|
| レターパックライト (青・厚さ3cm以内) |
370円 | 430円 | +60円 |
| レターパックプラス (赤・対面受取) |
520円 | 600円 | +80円 |
| スマートレター (A5サイズ・厚さ2cm以内) |
180円 | 210円 | +30円 |
レターパックは追跡サービスがあり、信書も送れるため非常に便利ですが、今回の値上げでレターパックプラスは600円台に突入しました。近距離の宅配便料金と近づいているため、送付内容や距離によっては宅配便の方が安くなるケースも出てくるかもしれません。
速達・書留・特定記録などのオプション料金変更点
基本料金に加算されるオプションサービス(特殊取扱)の料金も一部変更されています。特によく使われる速達料金の値上げに注意してください。
- 速達(250gまで):旧260円 → 新300円
- 速達(1kgまで):旧350円 → 新400円
- 速達(4kgまで):旧600円 → 新690円
- 特定記録:旧160円 → 新210円
- 一般書留:旧435円 → 新480円
- 簡易書留:旧320円 → 新350円
例えば、定形郵便(新110円)を速達(新300円)で送る場合、合計で410円かかります。旧料金では84円+260円=344円でしたので、1通あたり66円のコスト増となります。特定記録郵便も50円の値上げとなっており、重要書類の発送コストへの影響は無視できません。
▼第三種・第四種郵便物の料金はこちら(クリックで展開)
定期刊行物や通信教育用郵便物などの第三種・第四種郵便物も料金が改定されています。
第三種郵便物(承認を受けた定期刊行物)
- 50gまで:旧43円 → 新51円
- 以降50gごとに:旧+3円 → 新+4円
第四種郵便物
- 通信教育用(100gまで):旧15円 → 新19円
- 点字郵便物:無料(変更なし)
- 特定録音物等郵便物:無料(変更なし)
- 植物種子等(50gまで):旧73円 → 新86円
※詳細な条件や重量区分ごとの料金については、日本郵便の公式サイトまたは郵便局窓口でご確認ください。
余った切手や旧レターパックはどうする?差額対応と貼り方の最適解
値上げ後に最も頭を悩ませるのが、手元に大量に残っている「旧料金の切手やはがき、レターパック」の扱いです。これらは無効になったわけではなく、差額分の切手を追加で貼ることでそのまま使用可能です。ここでは、具体的にいくらの切手をどう貼ればよいのか、実務的な最適解を解説します。
業界歴15年の総務・ファシリティコンサルタントのアドバイス
「『全部新しいものに交換したほうがスッキリするのでは?』と考える方も多いですが、交換には手数料がかかります。枚数が少なければ交換も手ですが、在庫が大量にある場合は、差額分の切手を貼って使い切るのが最もコストパフォーマンスが良い方法です。ただし、切手を何枚もベタベタ貼るのは見栄えが悪く、取引先への印象を損ねかねません。これから紹介する『スマートな組み合わせ』を参考に、最小限の枚数で対応しましょう」
旧料金の切手・はがき・レターパックはいつまで使える?
結論から言えば、期限はありません。 旧料金の切手やはがき、レターパックは、不足分の料金さえ支払えば、2024年10月1日以降も永続的に使用できます。「いつまでに使わないと紙切れになる」ということはありませんので、焦って処分する必要はありません。
【84円切手・63円はがき】不足分の「26円」「22円」はどう貼る?
今回の改定に合わせて、差額対応に便利な新額面の切手が発行されています。これらを活用することで、見た目もスマートに対応できます。
新発行された「26円切手」「22円切手」の活用
日本郵便は、今回の値上げ幅に合わせた以下の新切手を2024年9月2日から発行しています。
- 26円切手(意匠:ニホンザル):旧84円切手と組み合わせて110円にするための切手。
- 22円切手(意匠:マガン):旧63円はがきと組み合わせて85円にするための切手。
これらの切手を購入しておけば、旧84円切手の横に26円切手を1枚貼るだけで済みます。1円切手や10円切手を複数枚組み合わせるよりも、はるかに手間が少なく、見た目も綺麗です。
1円単位の切手をベタベタ貼らないためのスマートな組み合わせ
もし26円切手が手に入らない場合や、一時的な対応が必要な場合は、既存の切手を組み合わせることになります。
84円切手を110円にするには「不足分26円」が必要です。
【NG例】 10円×2枚 + 1円×6枚 = 計8枚(スペースがなくなり、見栄えが悪い)
【OK例】 20円切手×1枚 + 5円切手×1枚 + 1円切手×1枚 = 計3枚
【OK例】 10円切手×2枚 + 5円切手×1枚 + 1円切手×1枚 = 計4枚
可能な限り枚数を減らす工夫をしましょう。特にビジネス文書では、切手の枚数が多いと「あり合わせで送ってきた」という印象を与えかねません。
【旧レターパック】プラスは「+80円」、ライトは「+60円」分の切手を貼ればOK
旧料金で購入したレターパックも、差額分の切手を貼ることでそのまま使用できます。
- 旧レターパックプラス(520円):不足分 80円
→ 80円切手(まだ在庫があれば)や、50円+30円、63円+10円+5円+2円などの組み合わせで貼付。 - 旧レターパックライト(370円):不足分 60円
→ 60円分の切手を貼付。63円切手を貼っても問題ありませんが、3円のお釣りは出ません。
差額分の切手の貼り方と注意点
レターパックの場合、切手を貼る位置に明確な指定はありませんが、「料額印面(元々印刷されている520や370の数字の部分)」の下や横の空いているスペースに貼るのが一般的です。料額印面自体に重ねて貼ってはいけません。また、バーコードやQRコード、宛名記入欄に被らないように注意してください。
交換する場合の手数料との比較
もし「差額切手を貼るのが面倒」「見た目が嫌だ」という理由で、新しいレターパックに交換する場合、1枚あたり42円の手数料がかかります。
例:旧レターパックプラス(520円)を新レターパックプラス(600円)に交換する場合
支払額 = 差額80円 + 交換手数料42円 = 122円
差額切手を貼れば80円で済むところ、交換すると122円かかることになります。枚数が多い場合、このコスト差は無視できません。
ビジネスで失礼にならない「切手の貼り方」マナーとテクニック
ビジネス郵便において、切手の貼り方は会社の品格を表す要素の一つです。差額対応が必要な今だからこそ、基本のマナーを押さえておきましょう。
- 複数枚貼る場合の位置関係:
切手は基本的に「縦長」に並べて貼ります。横に並べる場合もありますが、消印の押しやすさを考慮すると縦が好まれます。枚数が多い場合は、適度な間隔を空けず、少し詰めて貼りましょう。 - 高い額面の切手を上に:
複数の切手を貼る場合、額面の高い切手を上(または左)、低い切手を下(または右)に貼るのが美しいとされています。
例:旧84円切手の上に26円切手を貼るのではなく、旧84円切手の下に26円切手を貼るのがバランスが良いでしょう(主となるのが84円切手のため)。 - 最大枚数の目安:
一般的に、切手は3枚〜4枚程度までに収めるのがマナーと言われています。それ以上になる場合は、郵便局の窓口で「証紙(メータースタンプ)」を貼ってもらうか、料金別納郵便の利用を検討してください。
郵便切手・はがきの交換手数料と手続きガイド
「会社の方針で、古い切手やはがきは使わずに新しいものに切り替えたい」「書き損じたはがきが大量にある」という場合は、郵便局で交換手続きを行うことができます。ただし、無料ではなく所定の手数料がかかります。
郵便局での交換手数料一覧と計算方法
郵便切手やはがきの交換手数料は以下の通りです。交換手数料は、現金で支払うか、交換する切手・はがきの総額から差し引く(相殺する)ことができます。
| 種類 | 手数料 |
|---|---|
| 郵便切手・通常はがき | 5円 |
| 往復はがき・郵便書簡 | 10円 |
| レターパック・スマートレター | 42円 |
| 10円未満の切手・はがき | 合計額の半額 |
例えば、84円切手100枚を110円切手に交換する場合:
1. 旧切手の総額:84円 × 100枚 = 8,400円
2. 交換手数料:5円 × 100枚 = 500円
3. 必要な新切手の総額:110円 × 76枚 = 8,360円(余り40円)
この場合、8,400円分の価値から手数料500円を差し引いた7,900円分の新切手を受け取ることができます。差額を現金で支払って110円切手を多くもらうことも可能です。
書き損じはがきや旧レターパックの交換手順
交換手続きは、最寄りの郵便局の窓口で行えます。
1. 交換したい切手・はがき・レターパックを持参する。
2. 窓口で「新料金のものに交換したい」と伝える。
3. 所定の請求書に記入する。
4. 手数料を現金で支払うか、交換対象から相殺するかを選択する。
服のポケットに入れたまま洗濯してしまったような著しく汚れた切手や、料額印面が汚損しているはがきは交換できない場合があります。
[体験談] 過去の改定時に大量交換で失敗した話と教訓
業界歴15年の総務・ファシリティコンサルタントのアドバイス
「以前の料金改定時、私は『管理が面倒だから』という理由で、社内の旧切手約500枚をすべて新切手に交換しました。しかし、その手数料だけで数千円の出費となり、上司から『差額切手を買えば済んだ話ではないか』と指摘を受けた苦い経験があります。特にレターパックの交換手数料42円は高額です。100枚あれば4,200円の損失です。在庫が大量にある場合は、『別納郵便』として持ち込み、差出時に一括で料金を支払う(切手で納付する)方法をとれば、1枚ずつ貼る手間も省け、手数料もかかりません。大量在庫の処理に困ったら、まずは窓口で『別納での支払い』を相談することをお勧めします」
値上げ対策!企業の郵送コストを削減する4つの具体的アプローチ
今回の値上げは、企業の経常利益を圧迫する要因となりますが、逆に言えば「聖域化」していた通信費や事務フローを見直す絶好のチャンスでもあります。単に「高い切手を買う」だけで終わらせず、以下の4つのアプローチでコスト削減と業務効率化を同時に実現しましょう。
業界歴15年の総務・ファシリティコンサルタントのアドバイス
「『郵便料金が上がったから予算を増やしてください』と申請する総務担当者と、『これを機に電子化を進めて、トータルコストを10%下げます』と提案する総務担当者。経営者が評価するのは間違いなく後者です。今回のピンチを、ご自身の評価アップと会社の体質改善につなげるチャンスに変えてください」
現状把握:年間郵送コストへの影響を試算する
まずは敵を知ることから始めます。昨年の郵便料金の総額を勘定元帳(通信費)から洗い出し、そのうち「定形郵便」「はがき」「レターパック」がそれぞれどの程度の割合を占めているかを概算します。
仮に年間100万円の郵便コストがかかっている企業で、その大半が定形郵便であれば、コストは約1.3倍の130万円に跳ね上がります。この「30万円のインパクト」を具体的な数字として可視化することで、社内の危機感を醸成し、後述する対策への協力を取り付けやすくなります。
対策1:発送方法の最適化(クリックポスト、宅配便、ミニレターの活用)
漫然と「いつもの郵便」を使うのをやめ、より安価な代替手段がないか検討します。
- クリックポスト(185円):
クレジットカード決済とラベル印字が必要ですが、全国一律185円で1kgまで、厚さ3cmまで送れます。定形外郵便(規格内・100g超)を送るなら、クリックポストの方が安くなります(定形外150gは270円)。追跡サービスもついているため、軽量の物品発送には最適です。 - ミニレター(郵便書簡・85円):
25g以下の薄いものを送るなら、封筒と便箋が一体になったミニレターが85円で送れます。定形郵便の110円より25円もお得です。チケットや領収書のみの送付などに活用できます。 - 宅配便の法人契約:
レターパックプラスが600円になったことで、数量が多い場合は、佐川急便やヤマト運輸などの宅配便と法人契約を結んだ方が、地域内配送などは安くなる可能性があります。相見積もりを取ってみる価値はあります。
対策2:請求書・領収書のWeb発行(電子化)への完全移行
これが最も効果の大きい「本丸」の対策です。毎月送付している請求書や領収書を、郵送からPDF送付や電子請求書システム(Web発行)に切り替えます。
- コスト削減効果:
郵便料金(110円)だけでなく、封筒代、印刷代、封入作業の人件費がすべてゼロになります。月100件の請求書発行で、年間20万円以上のコスト削減が見込めます。 - メリット:
即時到達、ペーパーレス化、検索性の向上、インボイス制度対応の効率化など、相手方にとってもメリットが大きいです。 - 移行のポイント:
「郵便料金値上げに伴うSDGsおよびデジタル化推進のお知らせ」といった名目で、取引先にメールアドレスの登録やWebシステムへの切り替えを案内しましょう。今回の値上げは、顧客に協力を求めるための正当で強力な理由になります。
対策3:社内ルールの見直し(「なんとなく速達」の禁止など)
現場レベルで徹底したいのが、「過剰品質」の排除です。
- 「なんとなく速達」の禁止:
「急ぎではないけれど、念のため速達で」という使い方が横行していませんか?速達料金は300円です。本当に翌日午前中に届ける必要があるのか、普通郵便(翌々日以降配達)で十分ではないか、判断基準を明確にします。 - レターパックの使い分け:
「赤(プラス・600円)」と「青(ライト・430円)」の差額は170円です。対面受取が必須でない書類なら、ポスト投函のライトで十分です。また、厚さ制限のないプラスを使う必要がない薄い書類にプラスを使っていないかチェックしましょう。
[成功事例] ルール改定で通信費を15%削減した実例
ある従業員100名規模の商社では、以下のルールを導入しました。
1. 速達利用時は課長の承認印を必須とする。
2. 社内便(支店間移動)は週3回から週1回に集約し、レターパックライトを活用。
3. 全社員に「郵便料金一覧表」を配布し、コスト意識を持たせる。
この地道な活動により、値上げ後も通信費総額を前年比15%削減することに成功しました。
2024年郵便料金改定に関するよくある質問 (FAQ)
最後に、現場で発生しがちな細かい疑問について、Q&A形式で回答します。
Q. 9月30日に投函した郵便物は旧料金で届く?(消印と猶予期間)
A. ポストの集荷時間によります。
9月30日の「最終集荷」までに投函されたものは旧料金(84円等)で扱われます。しかし、最終集荷が終わった後に投函されたものは、翌10月1日の「最初の集荷」扱いとなるため、新料金(110円等)が適用されます。ポストに記載されている取集時刻を必ず確認してください。不安な場合は、9月30日の郵便局窓口が開いている時間に持ち込むのが確実です。
Q. 料金別納・後納郵便の表示(スタンプ)は変更が必要?
A. 基本的には変更不要ですが、確認が必要です。
料金別納・後納のスタンプ(表示)に、具体的な金額(例:「料金別納 84円」など)を記載していない一般的なデザイン(「料金別納郵便」のみの表示)であれば、そのまま使用できます。もし、下部に金額を記載しているタイプを使用している場合は、金額部分を削除するか、新料金に修正する必要があります。
Q. 年賀はがきの料金はどうなる?
A. 2025年用年賀はがきは85円です。
2024年秋に発売される2025年(令和7年)用の年賀はがきは、当初から新料金の1枚85円で販売されます。昨年の余った年賀はがき(63円)を使用する場合は、22円分の切手を追加で貼る必要があります。
Q. 新料金の切手やレターパックはどこで購入できる?コンビニは?
A. 全国の郵便局および郵便切手類販売所(コンビニ等)で購入可能です。
郵便局では2024年9月2日から新料金の切手・はがき等の販売を開始しています。コンビニエンスストアでも順次切り替わっていますが、店舗の在庫状況によっては10月以降もしばらく旧料金のものが置かれている場合があります。購入の際は額面をよく確認してください。
業界歴15年の総務・ファシリティコンサルタントのアドバイス
「コンビニでレターパックを買う際、店員さんが値上げに詳しくない場合、旧料金(520円)のものを渡される可能性があります。そのままポストに入れると料金不足で返ってきてしまいます。購入時には『これ、600円の新しいやつですよね?』と一言確認するか、パッケージの額面表記を自分でも必ずチェックする癖をつけましょう」
まとめ:新料金へのスムーズな移行とコスト削減を同時に進めよう
2024年10月の郵便料金値上げは、企業にとっても家計にとっても負担増となりますが、同時に「これまでの当たり前」を見直す良い機会でもあります。新料金を正しく把握し、差額対応をスマートに行いつつ、デジタル化への移行を進めることで、結果として業務効率を高めることができます。
業界歴15年の総務・ファシリティコンサルタントのアドバイス
「郵便料金の値上げ対応は、総務担当者にとって『守り』の業務に見えますが、実は『攻め』の業務改善のチャンスです。一覧表を社内に掲示して注意喚起するだけでなく、これを機に『紙とハンコ』のアナログ業務からの脱却を社内に提案してみてください。今回の記事が、皆様の実務のスムーズな移行と、コスト削減の一助となれば幸いです」
最後に、明日からすぐに取り組めるアクションをチェックリストにまとめました。ぜひご活用ください。
郵便料金値上げ対応・最終チェックリスト
- [ ] 社内の料金一覧表を最新版(2024年10月版)に差し替え、社員に周知したか
- [ ] 26円切手、22円切手など、差額対応用の切手を購入したか
- [ ] 旧レターパックの在庫数を確認し、不足分の切手(80円、60円)を準備したか
- [ ] 郵便はかり(レタースケール)の料金設定変更を行ったか(テプラ等で新料金を貼るなど)
- [ ] 請求書や領収書の電子化など、郵便を使わない代替手段の検討・導入を開始したか
最新の詳細な料金情報や、郵便約款の変更点については、日本郵便の公式サイトにて必ず一次情報を確認するようにしてください。
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