「今夜のおかず、何にしよう?」と悩んだとき、スーパーの豆腐売り場でふと手が伸びるのが厚揚げではないでしょうか。2枚入りで100円〜150円程度と非常に安価でありながら、豆腐の優しさと揚げ物のコクを兼ね備えた、まさに家計の救世主です。
しかし、「いつも焼いて生姜醤油をかけるだけでマンネリ化している」「煮物にすると味が染み込まない」「お肉の代わりに使ったら、夫や子供に物足りないと不評だった」といったお悩みもよく耳にします。実は厚揚げは、ほんの少しの下処理と調理のコツを押さえるだけで、お肉顔負けのガッツリ系メインおかずに変身するポテンシャルを秘めています。
この記事では、業界歴15年の管理栄養士であり、食べ盛りの2児の母でもある筆者が、厚揚げを「カリッとジューシー」に仕上げるプロのテクニックと、家族が「これ美味しい!」とおかわりする絶品レシピ、そして意外と知られていない栄養メリットや保存法までを徹底解説します。今日から厚揚げを見る目が変わること間違いなしです。
この記事でわかること
- 面倒な「油抜き」は必要?プロが教える正しい下処理とカリッと焼く裏技
- 夫も子供も大満足!肉なしでもご飯が進む「メイン級厚揚げレシピ」5選
- 冷凍すると食感が変わる?失敗しない保存テクニックと栄養メリット
厚揚げ調理の基礎知識:プロが教える「油抜き」と「カリッと仕上げ」の正解
厚揚げ料理を作る際、多くの人が最初に迷うのが「油抜き」ではないでしょうか。「レシピ本には書いてあるけれど、面倒だから省いている」「いや、絶対にやるべきだ」と意見が分かれがちです。また、お店で食べるような「表面はカリッ、中はトロッ」とした食感を家庭で再現できず、ベチャッとしてしまうという失敗もよくあります。
ここではまず、美味しい厚揚げ料理を作るための土台となる「下処理」と「焼き方」の正解について、科学的な視点と実体験を交えて詳しく解説します。ここを理解するだけで、いつもの厚揚げ料理が格段にレベルアップします。
管理栄養士のアドバイス
「油抜きが必要かどうかは、実は『作る料理』と『厚揚げの種類』によって決まります。最近の厚揚げは良質な油を使っているものが多く、必ずしも臭み抜きとしての油抜きは必要ありません。しかし、味の染み込みを良くしたい煮物の場合や、カロリーを少しでも抑えたい場合は油抜きが有効です。逆に、焼いて食べる場合は油抜きをしない方が、皮のカリカリ感を損なわずに済みますよ」
そもそも「油抜き」は絶対に必要なのか?
結論から申し上げますと、現代の一般的なスーパーで売られている厚揚げにおいて、「油抜きは必須ではないが、目的に応じて使い分けるのが正解」です。
昔の揚げ油は酸化しやすく、独特の油臭さが残ることが多かったため、油抜きは必須工程とされていました。しかし、現在は製造技術が向上し、油の質も良くなっているため、そのまま調理しても油臭さを感じることは少なくなっています。
では、なぜ今でも油抜きが推奨されるのでしょうか。理由は大きく分けて3つあります。
- 味の染み込みを良くする:表面の油膜を取り除くことで、出汁や調味料が内部の豆腐部分に浸透しやすくなります。特に煮物やおでんでは重要な工程です。
- カロリーオフ:表面の油を落とすことで、1枚あたり数十キロカロリーのエネルギーダウンが期待できます。ダイエット中の方には大きなメリットです。
- 油の酸化臭を除く:賞味期限ギリギリのものや、開封して時間が経ったものは油が酸化している可能性があるため、油抜きでリセットすることで風味が良くなります。
一方で、トースターで焼いて醤油をかけるだけの「焼き厚揚げ」や、野菜と一緒に強火で炒める「炒め物」の場合は、あえて油抜きをしない、もしくはキッチンペーパーで拭き取る程度に留めることをおすすめします。油抜き(特にお湯を使う場合)をすると、皮が水分を含んでふやけてしまい、香ばしさが半減してしまうからです。
料理の味が劇的に変わる!正しい油抜きの方法(お湯・レンジ・拭き取り)
「油抜き」と一口に言っても、いくつかの方法があります。料理に合わせて最適な方法を選ぶことが、美味しく仕上げる近道です。ここでは代表的な3つの方法と、それぞれのメリット・デメリットを整理しました。
▼【表】下処理別の特徴とおすすめ料理(クリックで開く)
| 方法 | 手順 | メリット | デメリット | おすすめ料理 |
|---|---|---|---|---|
| 熱湯をかける | ザルに厚揚げを置き、沸騰したお湯を表裏に回しかける。 | 適度に油が落ち、皮の食感も残りやすい。最もバランスが良い。 | お湯を沸かす手間がかかる。 | 煮物、炒め煮、味噌汁 |
| お湯で茹でる | 沸騰したお湯の中で1〜2分茹でる。 | しっかりと油が落ちる。豆腐部分が温まりふっくらする。 | 皮がふやけて柔らかくなる。手間がかかる。 | おでん、じっくり煮込む煮物 |
| 電子レンジ | 濡らしたキッチンペーパーで包み、レンジで1〜2分加熱。 | お湯を沸かす必要がなく時短。内部まで温まる。 | 油の落ち具合は控えめ。加熱しすぎると硬くなる。 | 和え物、急いでいる時の煮物 |
| 拭き取りのみ | キッチンペーパーで表面の油をしっかり押さえる。 | 最も手軽。皮のカリカリ感を損なわない。水っぽくならない。 | 内部の油までは取れない。カロリーカット効果は低い。 | 焼き物、炒め物、トースター調理 |
私自身、忙しい平日の夕食作りでは、炒め物にする際は「拭き取りのみ」、煮物にする際は給湯器のお湯(約60度)をサッとかけるだけの簡易版で行うこともあります。それでも十分に美味しく仕上がりますので、あまり神経質になりすぎず、ライフスタイルに合わせて選んでみてください。
誰でも失敗なし!厚揚げを表面カリカリ・中ジューシーに焼く3つのコツ
居酒屋で出てくるような、表面がカリッとしていて中が熱々ジューシーな厚揚げ。家で作るとどうしても皮がシナッとしてしまいがちですが、以下の3つのポイントを押さえるだけで再現可能です。
1. 余分な水分を徹底的に拭き取る
これが最も重要です。パックから出した厚揚げは水分を含んでいます。油抜きをした場合はなおさらです。調理前にキッチンペーパーで包み、手で優しく押さえるようにして表面の水気を完全に拭き取ってください。水分が残っていると、焼いている最中に蒸気となって出てきてしまい、カリッとなりません。
2. 片栗粉を薄くまぶす
焼く直前に、茶こしなどを使って片栗粉を表面に薄くまぶします。これにより、皮の微細な凹凸が埋まり、焼いた時に新たな「カリカリ層」が生まれます。また、後からタレを絡める際に、とろみがついて味が乗っかりやすくなるというメリットもあります。厚くつけすぎるとダマになるので、「薄化粧」程度がポイントです。
3. フライパンには油を引かず、動かさずに焼く
厚揚げ自体に油が含まれているため、テフロン加工のフライパンであれば油を引く必要はありません(鉄フライパンの場合は薄く引いてください)。中火で熱したフライパンに並べたら、焼き色がつくまで絶対に触らないこと。菜箸でいじると皮が剥がれたり、温度が下がったりします。2〜3分じっと我慢し、こんがりとしたキツネ色がついたら裏返します。
これらの工程を経ることで、安い厚揚げでも驚くほど食感が良くなります。「たかが厚揚げ」と思わず、ぜひ一度丁寧に下処理をして焼いてみてください。その違いに驚くはずです。
【メインおかず】脱マンネリ!家族が喜ぶガッツリ厚揚げレシピ5選
「厚揚げは副菜」「お肉がない時の妥協案」と思っていませんか?それは大きな誤解です。厚揚げは、調理法次第で白ごはんが止まらない最強のメインおかずになります。
ここでは、食べ盛りの子供や、ガッツリ系のおかずを好む夫も大満足する、ボリューム満点の厚揚げレシピを5つご紹介します。どのレシピも、私が実際に家庭で繰り返し作り、家族から「また作って!」とリクエストされた選りすぐりのものです。食費を抑えつつ、食卓を豪華に彩りましょう。
【人気No.1】ボリューム満点!厚揚げの豚バラ肉巻き・甘辛照り焼きだれ
厚揚げレシピの王道にして頂点、それが「肉巻き」です。厚揚げを芯にして薄い豚バラ肉を巻くことで、少ないお肉でも見た目と食べ応えが倍増します。厚揚げのジューシーさと豚肉の旨味が合体し、甘辛いタレが絡んでご飯が進むこと間違いなしの一品です。
材料(2人分)
- 厚揚げ:2枚(正方形タイプ)
- 豚バラ薄切り肉:8枚(約200g)
- 片栗粉:適量
- サラダ油:小さじ1
- いりごま、小ネギ:お好みで
作り方
- 厚揚げは熱湯をかけて油抜きし、ペーパーで水気をしっかり拭き取ります。1枚を4等分の棒状に切ります。
- 豚バラ肉を広げ、切った厚揚げにきつめに巻き付けます。焼く時に剥がれないよう、巻き終わりを下にして置きます。
- 全体に薄く片栗粉をまぶします。
- フライパンに油を熱し、巻き終わりを下にして並べます。中火で転がしながら、肉の色が変わり、全体に焼き色がつくまで焼きます。
- 余分な脂をペーパーで拭き取り、合わせ調味料(後述)を加えて煮絡めます。とろみがついたら完成です。
管理栄養士のアドバイス
「ここでのポイントは、片栗粉をまぶすことと、余分な脂の拭き取りです。片栗粉がお肉の旨味を閉じ込め、タレにとろみをつけてくれます。また、豚バラから出る脂は旨味でもありますが、多すぎるとタレが分離して油っぽくなるため、タレを入れる前に一度拭き取ると、味がぼやけずプロのような照りが出ますよ」
【10分で完成】挽肉なしでも大満足!厚揚げと茄子のとろ~り麻婆
麻婆豆腐を作るとき、豆腐の水切りが面倒だったり、崩れてしまったりした経験はありませんか?厚揚げを使えば、水切りの手間がなく、崩れにくいので炒めやすいというメリットがあります。挽肉の代わりに厚揚げを細かく切って使うか、あるいは具材としてゴロッと入れることで、お肉なしでも満足感のある麻婆が作れます。今回は茄子と合わせた、野菜も摂れるレシピです。
作り方のポイント
- 厚揚げは1.5cm角のサイコロ状に切ります。茄子は乱切りにして水にさらします。
- フライパンで茄子と厚揚げを炒め、火が通ったら市販の麻婆の素、または手作りの中華だれを投入します。
- 厚揚げの皮(茶色い部分)が挽肉のような食感のアクセントになり、豆腐で作るよりもコクのある仕上がりになります。
- 最後に水溶き片栗粉でとろみをつければ、ご飯にかけて「麻婆厚揚げ丼」としても楽しめます。
【子供に人気】お肉のような食べ応え!厚揚げのサクサク唐揚げ(ニンニク醤油味)
「えっ、これ鶏肉じゃないの?」と子供が驚く、厚揚げの唐揚げです。鶏肉よりも火の通りが早く、生焼けの心配がないため、忙しい朝のお弁当作りにも重宝します。外はカリカリ、中はふわふわの食感は、鶏の唐揚げとはまた違った美味しさがあります。
作り方のポイント
- 厚揚げは一口大に手でちぎります。包丁で切るよりも断面が複雑になり、味が染み込みやすくなります。
- ポリ袋に厚揚げと下味(醤油、酒、おろしニンニク、おろし生姜)を入れて優しく揉み込み、10分ほど置きます。
- 別のポリ袋に片栗粉を入れ、汁気を軽く切った厚揚げを入れてシャカシャカと振り、粉をまぶします。
- 少なめの油で「揚げ焼き」にします。全面がカリッとするまで触りすぎないのがコツです。
【ご飯泥棒】厚揚げとキャベツの回鍋肉(ホイコーロー)風炒め
甜麺醤(テンメンジャン)の甘味噌味が食欲をそそる回鍋肉。豚肉の代わりに厚揚げを使うと、脂っこくなりすぎず、かつボリュームを維持できます。キャベツのシャキシャキ感と厚揚げの弾力が絶妙にマッチします。
作り方のポイント
- 厚揚げは5mm幅程度の薄切りにします。豚肉のスライスに近い形状にすることで、野菜との絡みが良くなります。
- キャベツ、ピーマン、長ネギなどの野菜をたっぷりと用意します。
- 先に厚揚げを両面こんがり焼いて一度取り出し、同じフライパンで野菜を炒めます。最後に厚揚げを戻し入れ、合わせ調味料で一気に仕上げます。
- 厚揚げを一度焼いておくことで、煮崩れを防ぎ、香ばしさをプラスできます。
【ほっこり定番】厚揚げと大根の豚バラこっくり煮物
和食の定番である煮物も、厚揚げがあればメインディッシュになります。大根と厚揚げは相性抜群。豚バラ肉を少量加えることで、動物性の旨味が煮汁に溶け出し、厚揚げがそれを吸い込んで極上の味わいになります。
作り方のポイント
- 大根は下茹でするか、レンジで加熱しておくと味が染みる時間を短縮できます。
- 厚揚げは熱湯でしっかり油抜きをしておきます。
- 鍋に水、だし汁、醤油、みりん、砂糖、酒を入れ、具材を入れて落とし蓋をして15〜20分煮込みます。
- 一度冷ますことが最大のコツです。煮物は冷める時に味が染み込みます。朝作って夜食べるか、夕方作って一度放置しておくと、中までじゅわっと味が染みた煮物が完成します。
▼(補足)各レシピの合わせ調味料・黄金比リスト(クリックで開く)
迷った時はこの比率で合わせれば失敗しません!
- 照り焼きだれ:醤油 2 : 酒 2 : みりん 2 : 砂糖 1
- 麻婆だれ(2人分):水150ml、鶏ガラスープの素小さじ1、醤油大さじ1、酒大さじ1、味噌大さじ1、豆板醤小さじ1(お好みで)、砂糖小さじ1
- 唐揚げ下味:醤油 2 : 酒 1 : おろしニンニク・生姜 適量
- 回鍋肉だれ:甜麺醤大さじ2、醤油小さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1、鶏ガラスープの素少々
- 煮物の黄金比:だし汁 10 : 醤油 1 : みりん 1 (甘めが好きな場合は砂糖をプラス)
【副菜・おつまみ】あと一品に!トースター&レンジで5分レシピ
メインのおかずを作っている間に、もう一品欲しい。お酒のアテにサッと作れるものがいい。そんな時に活躍するのが、火を使わずに作れる厚揚げの時短レシピです。厚揚げはそのまま食べられる食材なので、温める程度の加熱で済むのが大きな利点です。
トースターで焼くだけ!厚揚げのネギ味噌マヨチーズ焼き
包丁いらず、まな板いらずで完成するズボラ飯の極みですが、味は絶品です。味噌とマヨネーズのコク、チーズの塩気が厚揚げに絡み、ビールにもご飯にも合います。
作り方
- アルミホイルの上に厚揚げを置きます(切らずにそのままでOK、食べやすく切り込みを入れても良い)。
- 味噌とマヨネーズを同量混ぜたソースを厚揚げの表面に塗ります。
- その上から刻みネギ、ピザ用チーズをたっぷりと乗せます。
- トースター(1000W)で5〜7分、チーズが溶けてこんがり焼き色がつくまで焼きます。
管理栄養士のアドバイス
「トースター調理の際、アルミホイルは一度くしゃくしゃにしてから広げて使うと、厚揚げがホイルにくっつきにくくなります。また、厚揚げの底面もカリッとさせたい場合は、ホイルを敷かずにトースター付属のトレーや網に直接乗せるのも手ですが、チーズが垂れないように注意してくださいね」
レンジで3分!厚揚げと小松菜のめんつゆ煮浸し
鍋を使わずに、本格的な煮浸しが作れます。小松菜などの葉物野菜と一緒にレンジ加熱することで、野菜の水分と調味料が厚揚げに染み込みます。
作り方
- 耐熱ボウルに、一口大に切った厚揚げと、3cm幅に切った小松菜を入れます。
- めんつゆ(3倍濃縮)大さじ2と水大さじ4を回しかけます。
- ふんわりとラップをし、600Wのレンジで3分加熱します。
- 一度取り出して全体を混ぜ、そのまま冷まして味を馴染ませます。仕上げにかつお節をかけると風味がアップします。
カリカリ食感が最高!厚揚げサイコロステーキ・おろしポン酢
シンプルイズベスト。厚揚げそのものの美味しさを味わうならこれが一番です。カリカリに焼いた厚揚げに、さっぱりとしたおろしポン酢が染み込み、いくらでも食べられます。
作り方
- 厚揚げは2cm角のサイコロ状に切ります。
- フライパンで油を引かずに、全面がカリッとするまで転がしながら焼きます。
- 器に盛り、たっぷりの大根おろしと小ネギを乗せ、ポン酢を回しかけます。お好みで七味唐辛子や柚子胡椒を添えても美味しいです。
管理栄養士が解説!厚揚げの驚くべき栄養価とダイエット効果
ここまでレシピをご紹介してきましたが、「厚揚げって揚げているからカロリーが高いのでは?」「ダイエット中には不向き?」と心配される方もいるかもしれません。しかし、管理栄養士の視点から見ると、厚揚げは「効率的に栄養を摂れるスーパーフード」と言えます。
確かに豆腐に比べればカロリーは高いですが、それを補って余りある栄養メリットがあります。ここでは、文部科学省のデータを基に、その実力を紐解いていきましょう。
豆腐の○倍!?不足しがちなカルシウムと鉄分が豊富
厚揚げ(生揚げ)の特筆すべき点は、ミネラルの豊富さです。特にカルシウムと鉄分は、木綿豆腐と比較しても非常に多く含まれています。
これは、水分が抜けて栄養が凝縮されていることや、製造過程で使用される凝固剤の影響もあります。成長期の子供や、骨粗鬆症が気になる女性、貧血気味の方には積極的に摂っていただきたい食材です。実際、厚揚げ1/2枚(約100g)で、牛乳コップ1杯分に近いカルシウムを摂取することができます。
「畑の肉」は伊達じゃない!高タンパク質で筋肉・代謝維持に貢献
厚揚げは、植物性タンパク質の宝庫です。100gあたりのタンパク質量は木綿豆腐よりも多く、豚バラ肉と比較しても遜色ないレベルです(重量あたり)。
ダイエット中に食事量を減らすと、筋肉量が落ちて基礎代謝が下がり、痩せにくい体になってしまうことがあります。厚揚げをメインディッシュにすることで、カロリーを抑えつつもしっかりとタンパク質を補給し、代謝を維持しながら健康的に痩せることが期待できます。
管理栄養士のアドバイス
「大豆タンパク質には、血中のコレステロール値を下げる働きや、満腹感を持続させる効果も報告されています。お肉を完全に断つのではなく、『週に2回はお肉の代わりに厚揚げをメインにする』といった置き換えダイエットが、ストレスなく続けられておすすめですよ」
気になるカロリーと糖質は?ダイエット中に食べる際の注意点
では、具体的な数値を比較してみましょう。以下は、厚揚げ、木綿豆腐、豚バラ肉の100gあたりの栄養成分比較です。
▼【グラフ】栄養成分比較表(クリックで詳細を見る)
| 食品名(100gあたり) | エネルギー (kcal) | タンパク質 (g) | 脂質 (g) | 炭水化物 (g) | カルシウム (mg) |
|---|---|---|---|---|---|
| 厚揚げ(生揚げ) | 143 | 10.7 | 11.3 | 0.9 | 240 |
| 木綿豆腐 | 73 | 7.0 | 4.9 | 1.5 | 93 |
| 豚バラ肉(脂身つき・生) | 366 | 14.4 | 35.4 | 0.1 | 4 |
※出典:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成
この表からわかる通り、厚揚げは木綿豆腐の約2倍のカロリーがありますが、豚バラ肉と比べると半分以下です。そして糖質(炭水化物)は極めて低いことがわかります。
ダイエット中に食べる際の注意点:
- 油抜きをする:前述の通り、お湯をかけるだけで表面の油を落とし、カロリーカットできます。
- 野菜と一緒に食べる:食物繊維を含む野菜と一緒に調理することで、脂質の吸収を穏やかにし、満足感を高めます。
- 調味料の糖質に注意:厚揚げ自体は低糖質ですが、照り焼きや甘辛煮など、砂糖やみりんを多用する味付けにすると糖質が高くなります。ダイエット中は、おろしポン酢や塩焼き、生姜醤油などシンプルな味付けを選ぶと良いでしょう。
厚揚げの保存テクニック:冷蔵・冷凍の正しい方法と使い分け
「特売で厚揚げを買いすぎてしまった」「使いきれずに賞味期限が切れてしまった」という経験はありませんか?厚揚げは水分が多く、意外と日持ちがしない食材です。しかし、正しい保存方法を知っていれば、美味しさをキープしたまま長持ちさせることができます。
開封後の日持ちは?冷蔵保存の基本と注意点
未開封の状態であればパッケージに記載された賞味期限まで持ちますが、一度開封した厚揚げは非常に傷みやすいです。冷蔵保存する場合は、以下の手順を守りましょう。
- 表面の水分や油分をキッチンペーパーで軽く拭き取ります。
- 1枚ずつ新しいラップでぴったりと包みます。
- 密閉できる保存袋(ジップロック等)に入れて冷蔵庫(できればチルド室)で保存します。
この方法でも、開封後は2〜3日以内に食べ切るのが鉄則です。表面にぬめりが出たり、酸っぱい臭いがしたりした場合は、勿体無いですが食べるのを控えてください。
「冷凍するとまずい」は本当?食感の変化(スポンジ化)の理由
「厚揚げは冷凍できますか?」という質問をよく受けますが、答えは「できますが、食感は劇的に変わります」です。
豆腐類を冷凍すると、内部の水分が氷の結晶となり、解凍した時にその水分が抜け出ます。その結果、中身がスポンジ状(高野豆腐のような状態)になり、ボソボソとした食感になります。これを「すが入る」と言います。
かつて私も、この変化を知らずに冷凍した厚揚げを解凍し、そのまま焼いて食べたことがありますが、パサパサで正直美味しいとは言えませんでした。これが「冷凍するとまずい」と言われる理由です。
逆に美味しい!冷凍厚揚げの「食感」を活かす裏技レシピ(煮物・唐揚げ)
しかし、この「スポンジ化」はデメリットだけではありません。水分が抜けてスポンジ状になるということは、「煮汁や調味液をものすごく吸い込みやすくなる」ということでもあります。この特性を逆手に取れば、冷凍厚揚げならではの美味しさを楽しめます。
冷凍厚揚げを美味しく食べるコツ:
- 保存方法:使いやすい大きさにカットしてから、重ならないように冷凍用保存袋に入れて冷凍します(約1ヶ月保存可能)。
- おすすめ料理① 煮物:凍ったまま煮汁に入れて煮込みます。スポンジ状の組織にだし汁がジュワッと入り込み、短時間で長時間煮込んだような味染みを実現できます。
- おすすめ料理② 唐揚げ:解凍して水気を絞り、下味を揉み込んで揚げます。水分が抜けているため、鶏肉のような弾力のある、しっかりとした歯応え(まるでお肉のような食感!)に生まれ変わります。
「買いすぎたらカットして冷凍し、後日『お肉代わりの唐揚げ』にする」。これを覚えておくだけで、食材ロスをなくし、節約にもつながります。
厚揚げ料理のよくある質問(FAQ)
最後に、厚揚げ料理に関してよく寄せられる疑問にお答えします。
Q. 厚揚げの油が古くないか心配です。見分け方はありますか?
A. 購入時に賞味期限を確認するのはもちろんですが、開封した際に「油絵具のようなツンとした臭い」がする場合は酸化が進んでいます。多少の酸化であれば、熱湯でしっかり油抜きをすれば食べられますが、臭いが強い場合や、表面にぬめりがある場合は食べるのを避けましょう。新鮮な厚揚げは、香ばしい良い香りがします。
Q. 一度油抜きした厚揚げは保存できますか?
A. 油抜き(特にお湯を使った場合)をした後は、水分を含んで傷みやすくなるため、保存せずすぐに調理することをおすすめします。「使う直前に油抜き」が基本です。もしどうしても保存したい場合は、水気を徹底的に拭き取り、すぐに冷凍保存してください。
Q. 子供が厚揚げの皮(揚げた部分)を嫌がります。対策は?
A. お子様によっては、皮の固さや独特の食感が苦手な場合がありますよね。
管理栄養士のアドバイス
「皮を剥がしてしまうと厚揚げの良さがなくなってしまいます。対策としては、『隠し包丁』を入れるのがおすすめです。皮の面に格子状に浅く切り込みを入れてから調理すると、噛み切りやすくなり、味も染み込みやすくなります。また、サイコロ状に小さく切ってカリカリに揚げ焼きにすると、スナック感覚で食べてくれることが多いですよ」
まとめ:厚揚げを使いこなして、美味しく賢く食費を節約しよう!
安くてボリューム満点、そのうえ栄養価も高い厚揚げは、物価高時代の強い味方です。今回ご紹介した「下処理の使い分け」や「調理のコツ」を実践すれば、いつもの厚揚げが家族みんなが喜ぶご馳走に変わります。
今日の夕食に役立つ!厚揚げ調理の要点チェックリスト
- 油抜きは「煮物は必須」「焼き物は拭き取りでOK」と使い分ける
- カリッとさせるなら、水分を完全に拭き取り、焼く前に片栗粉を薄くまぶす
- 冷凍保存した場合は、食感の変化(スポンジ化)を活かして「唐揚げ」や「煮物」にする
- 栄養価が高いので、週に数回、肉を減らして厚揚げに置き換えるだけでヘルシー&節約に!
まずは今日、スーパーで厚揚げを手に取ってみてください。そして、今回ご紹介した「豚バラ肉巻き」や「サクサク唐揚げ」をぜひ試してみてください。「これ、本当にお豆腐?」と家族が驚く顔が見られるはずです。美味しく食べて、賢く節約生活を楽しみましょう!
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