「SNSで見かける外国人風のヘアスタイルに憧れるけれど、全頭ブリーチは髪が傷みそうで怖い」「美容室に行く頻度が減って、根元のプリンがすぐに気になってしまう」
もしあなたがこのような悩みを抱えているなら、「バレイヤージュ」こそが、その解決策になるかもしれません。バレイヤージュは、フランス語で「ほうきで掃く」という意味を持つ、高度なカラーリング技法です。根元の地毛を活かしながら毛先に向かって自然なグラデーションと立体感を作るため、伸びてきてもプリンが目立たず、上品な透明感を演出できるのが最大の特徴です。
しかし、バレイヤージュは非常に繊細な技術を要するため、「思っていたデザインと違う」「ただの派手なメッシュになってしまった」という失敗談も少なくありません。成功の鍵は、あなた自身の髪質やライフスタイルに合ったデザインを選び、それを美容師に正しく伝えるオーダー方法にあります。
この記事では、現役のヘアカラー専門家である筆者が、バレイヤージュの基礎知識からハイライトとの違い、メリット・デメリット、そして失敗しないための具体的なオーダー方法までを徹底的に解説します。
この記事でわかること
- ハイライトやグラデーションとの明確な違いと、あなたに最適なデザインの選び方
- 「職場でも浮かない」上品なバレイヤージュの頼み方と、失敗を回避するプロのコツ
- 色落ち後の経過やメンテナンス頻度、リアルな料金・時間相場
正しい知識を身につけて、手間をかけずに長く楽しめる、あなただけの理想のヘアスタイルを手に入れましょう。
バレイヤージュとは?今さら聞けない基礎知識とハイライトとの違い
「バレイヤージュ」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどのような施術なのか、ハイライトやグラデーションカラーと何が違うのか、正確に理解している方は少ないかもしれません。まずは、この技術の構造と特徴を正しく理解することで、自分に合っているかどうかを判断しましょう。
バレイヤージュの定義と仕組み(ほうきで掃くような塗り方)
バレイヤージュ(Balayage)とは、フランス発祥のカラーリング技法の一つです。その語源はフランス語の「balayer(掃く)」にあり、美容師がハケを使って、まるで髪の表面をほうきで掃くように薬剤を塗布することから名付けられました。
従来のカラーリングやハイライトが、アルミホイルを使ってきっちりと毛束を分け取り、根元から均一に染めるのに対し、バレイヤージュはあえて根元付近には薬剤を塗らず、毛先に向かって徐々に塗布量を増やしたり、明るい部分の幅を広げたりして染めていきます。
この独特な塗布方法により、以下の3つの要素が同時に生まれます。
- 根元の陰影(シャドウ):地毛や暗いカラーを残すことで、奥行きが生まれる。
- 毛先の明度(ハイライト):毛先に向かって明るくなることで、軽やかさと透明感が出る。
- 中間のぼかし(グラデーション):暗い部分と明るい部分の境目が曖昧になり、自然な繋がりができる。
つまり、バレイヤージュとは単なる「色の名前」ではなく、「塗り方の技術名」なのです。これにより、太陽の光を浴びて自然に焼けたような、ラフでこなれた外国人風の質感を作り出すことができます。
【図解で比較】ハイライト・グラデーション・バレイヤージュの違い
「結局、ハイライトと何が違うの?」という疑問を持つ方のために、それぞれの特徴を比較して解説します。これらは似ているようでいて、仕上がりの印象や強調されるラインの向きが大きく異なります。
| 項目 | ハイライト | グラデーション | バレイヤージュ |
|---|---|---|---|
| デザインの特徴 | 根元から毛先まで「筋状」に明るいラインが入る。 | 根元は暗く、毛先に向かって徐々に明るくなる。 | ハイライトの「筋感」とグラデーションの「ぼかし」を融合させたスタイル。 |
| 強調されるライン | 縦のラインを強調。立体感が強く出る。 | 横のライン(色の変化)を強調。 | 縦と横のミックス。根元は筋状、毛先は面で明るい。 |
| 根元の見え方 | 根元からくっきり明るい筋が入る場合が多い。 | 根元は地毛や暗髪で、境目が横に広がる。 | 根元は暗く、不規則な筋状のぼかしが入る。 |
| おすすめな人 | 全体的にトーンアップしたい、白髪を細かくぼかしたい人。 | 毛先のデザインカラーを楽しみたい、根元を染めたくない人。 | 根元のプリンを気にしたくない、自然な立体感と透明感が欲しい人。 |
それぞれの視覚的イメージ
詳細なデザイン構造の解説を見る
- ハイライト: 髪全体に細いメッシュが入っている状態。全体的に明るく見え、髪をかき上げた時や結んだ時に筋感が際立ちます。
- グラデーション: 上半分が暗く、下半分が明るいツートーンに近い状態。境目をいかに自然にぼかすかが技術の見せ所ですが、筋感(縦の動き)はありません。
- バレイヤージュ: 根元付近には「V字」や「W字」を描くように薬剤を塗布し、毛先は全体を明るくします。これにより、トップにはハイライトのような筋感が生まれ、毛先にはグラデーションのような明るさが生まれる、まさに「いいとこ取り」のデザインです。
最近よく聞く「エアタッチ」「シャドウルーツ」とは何か?
SNSなどでバレイヤージュを検索すると、「エアタッチ」や「シャドウルーツ」といった専門用語を目にすることがあるでしょう。これらはバレイヤージュをより美しく、より自然に仕上げるための派生技術やデザインの一種です。
1. エアタッチ(Air Touch)
ドライヤーの風を利用した最新のブリーチ技法です。毛束を持ち上げ、ドライヤーの風を当てて「切れ毛」や「短い髪(アホ毛など)」を吹き飛ばし、残った長い髪だけをブリーチします。
従来の逆毛を立てる方法(バックコーム)に比べて、ブリーチの境目が圧倒的に繊細にぼかせるため、究極に自然なグラデーションを作ることができます。現在、最もハイクオリティなバレイヤージュを作るための主流テクニックとなりつつあります。
2. シャドウルーツ(Shadow Roots)
一度全体を明るくブリーチした後に、根元部分だけをあえて暗い色(影=シャドウ)で染めるデザイン手法です。
「根元が伸びてきたような自然な陰影」を人工的に作り出すことで、ブリーチ特有のっぺり感を消し、立体感を強調します。また、地毛が伸びてきても暗い染料部分と馴染むため、リタッチが目立ちにくいというメリットがあります。
現役ヘアカラーリストのアドバイス
「全体を明るくしたいけど全頭ブリーチは怖い、派手になりすぎるのは嫌だ」という方にはバレイヤージュが最適です。逆に「はっきりとした筋感が欲しい」なら従来のハイライト、「毛先だけ色を変えたい」ならグラデーションが向いています。
カウンセリングでは、なりたいイメージが「筋感(ライン)を強調したい」のか、それとも「全体をぼかして(グラデ)柔らかく見せたい」のかを伝えると、美容師側も提案がしやすくなりますよ。
バレイヤージュにするメリットと知っておくべきデメリット
バレイヤージュは非常に魅力的なスタイルですが、良いことばかりではありません。特に、通常のカラーよりも施術工程が複雑であるため、リスクやデメリットも存在します。ここでは、現役美容師の視点から、メリットだけでなくデメリットについても包み隠さず解説します。
メリット1:根元が伸びてもプリンが気にならない(リタッチ頻度減)
バレイヤージュ最大のメリットは、「放置できる期間が長い」ことです。通常、全頭を明るく染めると、1ヶ月もすれば根元の黒い部分(プリン)がくっきりと目立ち始めます。
しかし、バレイヤージュはもともと「根元が暗く、毛先が明るい」デザインとして設計されています。根元付近は地毛に近い色や暗めのカラーを残し、そこから自然なグラデーションで明るくしていくため、新しい髪が生えてきてもデザインの一部として馴染んでしまうのです。
そのため、忙しくて毎月美容室に行けない方や、子育て中のママさんなど、頻繁なメンテナンスが難しい方にとっては非常にコストパフォーマンスの良いスタイルと言えます。
メリット2:白髪ぼかしに最適!大人の髪悩みを解決できる
近年、30代・40代以上の大人女性の間でバレイヤージュが人気急上昇している理由の一つが、「白髪ぼかし」としての効果です。
白髪を黒く塗りつぶす「白髪染め」は、伸びてきた時の白と黒のコントラストが強く、すぐに気になってしまいます。一方、バレイヤージュで明るい筋(ハイライト)を全体にブレンドしておくと、白髪がハイライトの一部のように見え、黒髪・白髪・ハイライトが混ざり合って目立ちにくくなります。
「隠す」のではなく「活かす」発想で、白髪染め特有の重たい印象から脱却し、透明感のあるヘアカラーを楽しむことができます。
メリット3:全頭ブリーチよりもダメージ範囲を抑えられる
バレイヤージュは、髪の毛全体をブリーチする「全頭ブリーチ」とは異なり、根元や中間の一部にはブリーチ剤を塗布しません。デザインにもよりますが、ブリーチする範囲は全体の40%〜70%程度に収まることが多いです。
特に頭皮付近にブリーチ剤をつけないため、頭皮への刺激やダメージがほとんどないのも大きな利点です。「ブリーチをしてみたいけれど、髪がボロボロになるのは避けたい」という方にとって、ダメージをコントロールしながら明るさを楽しめる合理的な選択肢となります。
デメリット1:施術時間が長く、料金も高めになる傾向
ここからはデメリットの解説です。まず覚悟しておかなければならないのが、「時間とコスト」です。
バレイヤージュは非常に手間のかかる施術です。ブリーチの塗布だけで1.5〜2時間、放置時間、流し、その後のオンカラー(色味を入れる)、カットやブローを含めると、トータルで3時間半〜4時間半かかることも珍しくありません。
また、高度な技術と多くの薬剤を使用するため、料金相場も高くなります。通常のカラーカットが1万円前後だとすれば、バレイヤージュは2万円〜3万円程度が一般的な相場です。
デメリット2:高い技術が必要で、失敗すると修正が難しい
バレイヤージュは、美容師の技術差が如実に現れるメニューです。グラデーションのぼかし加減や、ハイライトを入れる位置の計算が甘いと、以下のような失敗が起こります。
- 根元にパッツンとした横一直線のラインが入ってしまう。
- ブリーチ部分と暗い部分が馴染まず、汚いムラに見える。
- ただの金髪メッシュのような、古臭い仕上がりになる。
さらに厄介なのが、一度失敗したバレイヤージュの修正(お直し)は非常に困難であるという点です。ムラになったブリーチ部分を修正するには、さらにブリーチを重ねる必要があり、髪に深刻なダメージを与えるリスクがあります。
デメリット3:パーマや縮毛矯正との相性が悪い場合がある
バレイヤージュは基本的にブリーチを使用する施術です。ブリーチをした髪は内部のタンパク質が流出しており、強度が低下しています。
そのため、その上からパーマや縮毛矯正といった負担の大きい施術を行うことは、基本的には推奨されません。髪がチリチリになったり(ビビリ毛)、切れてしまったりするリスクが高まるからです。くせ毛が気になる方や、パーマスタイルを楽しみたい方は、施術の優先順位を慎重に検討する必要があります。
現役ヘアカラーリストのアドバイス
「バレイヤージュは美容師の技術差が最も出やすいメニューの一つです。私のサロンにも、他店での失敗修正を求めて来店されるお客様が多くいらっしゃいます。
失敗すると『横一直線の不自然なライン』が入ってしまったり、オレンジ味が強く残ってしまったりします。修正には高度な知識と追加のブリーチが必要になることもあります。サロン選びの際は、必ず『バレイヤージュの指名客が多い美容師』を選び、その美容師本人が投稿している実例写真(特に動画で内側を見せているものなど)を確認してください。」
【失敗回避】職場でもOK!後悔しないバレイヤージュのオーダー方法
「派手になりすぎて会社に行けなくなったらどうしよう」「イメージと違う仕上がりになったら…」という不安を解消するために、失敗しないオーダーのポイントを解説します。プロに的確に要望を伝えることで、理想のスタイルへの成功率は格段に上がります。
「コントラスト」の強弱を指定する(ナチュラル vs 派手)
バレイヤージュの印象を決定づけるのは、「ベース(暗い部分)」と「ハイライト(明るい部分)」の明度差(コントラスト)です。
- ナチュラル(オフィス向け): コントラストを抑えます。ベースを7〜8トーン、ハイライト部分を10〜12トーン程度に設定し、同系色(ベージュ系など)で馴染ませます。「シークレットバレイヤージュ」と呼ばれることもあります。
- 外国人風(華やか): コントラストを強くします。ベースを暗め(3〜5トーン)に落とし、ハイライト部分をホワイト系や明るいブロンド(15トーン以上)にすることで、筋感と立体感を強調します。
オーダーの際は、「職場でも浮かないように馴染ませたい」のか、「デザインがはっきりわかるようにメリハリをつけたい」のかを最初に伝えましょう。
画像を見せる時のポイント(筋感の太さとベースカラーの色味)
言葉だけでイメージを伝えるのはプロでも難しいものです。必ず希望のスタイル画像を用意しましょう。その際、以下のポイントに注目して画像を選び、美容師と共有してください。
- 筋感の太さ: 細い筋がたくさん入っている繊細なスタイルか、太めの束感があるラフなスタイルか。
- ベースカラーの色味: 根元の暗い部分が「黒」に近いのか、「こげ茶」なのか、「赤みのないグレー」なのか。
- 毛先の明るさ: 金髪に近い明るさか、茶髪の延長線上か。
「この画像の、ここの筋の入り方が好きです」「逆に、この画像ほど根元は暗くしたくありません」といった具体的な指示ができるとベストです。
過去の施術履歴(黒染め・縮毛矯正)は必ず申告する
美しいバレイヤージュを作るために、絶対に隠してはいけないのが「髪の履歴」です。特に以下の履歴がある場合は、必ず施術前に伝えてください。
- 黒染め・白髪染め: 過去1〜2年以内に暗く染めた履歴があると、ブリーチをしても色が抜けにくく、オレンジ色になったりムラになったりする最大の原因となります。
- 縮毛矯正・デジタルパーマ: 熱処理された髪はブリーチによるダメージを受けやすく、色が濁りやすい傾向があります。
これらの履歴を考慮せずに施術を進めると、取り返しのつかないダメージや色ムラにつながります。正直に伝えることで、美容師は薬剤のパワーを調整したり、無理な施術を避ける提案ができたりします。
「ブリーチなし」でバレイヤージュは可能か?(限界と現実)
「髪を傷めたくないから、ブリーチなしでバレイヤージュにしたい」という要望もよく耳にします。結論から言うと、「可能ですが、デザインの幅は大きく制限されます」。
ブリーチを使わない場合、一番明るいカラー剤(ライトナー等)を使用しても、黒髪からリフトアップできる明るさには限界(13〜14トーン程度)があります。そのため、ベースとのコントラストがつきにくく、バレイヤージュ特有の透明感や、白っぽいベージュ、グレーといった色味を出すことは難しくなります。
「赤茶っぽくなっても良い」「ほんのり立体感が出れば良い」という場合はブリーチなしでもOKですが、SNSで見かけるような透明感のあるスタイルは、ほぼ全てブリーチを使用していると考えて間違いありません。
現役ヘアカラーリストのアドバイス
「オフィスで浮かないコツは『ベース(暗い部分)とハイライト(明るい部分)の明度差をつけすぎないこと』です。
『シークレットバレイヤージュ』や『ナチュラルバレイヤージュ』とオーダーし、色は黄色味を抑えたグレージュやベージュ系を選ぶと、退色しても品良く馴染みます。また、最初のカウンセリングで『色落ちした時に金髪になりすぎないようにしたい』と伝えておくことで、美容師は色持ちの良い配合に調整してくれます。」
レングス・色味別!大人女性におすすめのバレイヤージュカタログ
ここでは、髪の長さやなりたい雰囲気別に、大人女性におすすめの具体的なバレイヤージュスタイルを文章でご紹介します。ご自身の髪の長さや好みに当てはめてイメージしてみてください。
【ボブ・ミディアム】動きを出して軽やかに見せるスタイル
重たく見えがちなボブやミディアムヘアには、表面に細かく入れたハイライトと、毛先の明るさを組み合わせたバレイヤージュが相性抜群です。
- 切りっぱなしボブ × アッシュベージュ: 毛先をパツっと切り揃えたボブに、寒色系のアッシュベージュでバレイヤージュを施すと、クールで都会的な印象になります。外ハネにスタイリングすることで、毛先の透け感が強調されます。
- ミディアムレイヤー × パールグレージュ: 顔周りにレイヤー(段)を入れたスタイルに、柔らかいパール系の色味をプラス。髪を巻いた時に光が透けて、ふんわりとした空気感が生まれます。
【ロング】ゴージャスで外国人風の立体感を極めるスタイル
ロングヘアはバレイヤージュのグラデーションが最も美しく映えるレングスです。髪の長さを活かして、根元から毛先へのドラマチックな色の変化を楽しめます。
- ロングウェーブ × コントラストハイライト: 暗めのベースカラーに対し、ホワイトベージュのハイライトを太めに入れたスタイル。大きなウェーブ巻きにすることで、海外セレブのようなゴージャスさと立体感が際立ちます。
- ストレートロング × シャドウルーツ: ストレートヘアでも境目がパキッとならないよう、エアタッチで繊細にぼかしたスタイル。根元の影が自然に伸びているように見え、洗練された大人の余裕を感じさせます。
【カラー別】人気No.1「グレージュ」と大人可愛い「ピンクベージュ」
- グレージュ(グレー+ベージュ): バレイヤージュで不動の人気No.1カラー。日本人特有の髪の赤みを消し、透明感と柔らかさを与えます。どんなファッションにも合わせやすく、オフィスでも浮きにくい万能カラーです。
- ピンクベージュ・ラベンダー: 「クールになりすぎるのは苦手」という方におすすめ。暖色系のピンクやラベンダーを混ぜることで、顔色が明るく見え、女性らしくフェミニンな印象になります。退色過程で黄色くなりにくいのもメリットです。
【白髪ぼかし】ハイライトを細かく入れた大人バレイヤージュ
白髪が気になる世代には、極細のハイライトをたっぷりと入れたデザインが推奨されます。
- 極細ハイライト × ベージュブラウン: 白髪の量が多い部分を中心に、白髪と同化するような細いハイライトをブレンドします。全体を明るめのベージュブラウンで仕上げることで、白髪が伸びてきても「デザインの一部」として馴染み、ストレスフリーに過ごせます。
実際の施術工程と料金・所要時間の目安
いざ予約しようと思っても、どれくらいの時間と予算を見ておけば良いのか不安になるものです。ここでは一般的なサロンでの施術フローと、リアルな相場について解説します。
一般的な施術フロー(ブリーチ塗布〜オンカラーまで)
バレイヤージュは通常のカラーよりも工程が多くなります。
- カウンセリング: 髪の状態診断、デザインの決定。
- ブリーチ塗布(デザイン作り): ハケやエアタッチ技法を使い、ハイライトとグラデーションの土台を作ります。ホイルを使用する場合もあります。
- 放置時間: 髪色が明るくなるまで時間を置きます(20〜40分程度)。
- お流し・中間処理: 一度シャンプーをし、ブリーチ剤を流します。必要に応じてケア剤を塗布。
- オンカラー(色味を入れる): 明るくなった髪に、希望の色味(グレージュなど)を被せます。根元と毛先で薬剤を使い分けることが多いです。
- 放置時間・お流し・トリートメント: 色が定着するのを待ち、最後に仕上げのシャンプーとトリートメントを行います。
- カット・ブロー・仕上げ: カットを行い、コテなどでスタイリングして完成です。
なぜ時間がかかる?所要時間は3〜4時間が目安
上記の通り、ブリーチとオンカラーという「2回のカラー工程(ダブルカラー)」が含まれるため、時間がかかります。特にバレイヤージュのブリーチ塗布は、デザインを計算しながら繊細に行うため、通常の全頭ブリーチよりも塗布に時間がかかります。
髪の長さや量、ブリーチの抜けにくさによっては、4時間以上かかることもあります。予約の際は、その後の予定を入れず、時間に十分な余裕を持って来店することをおすすめします。
料金相場は?(カット込みで20,000円〜30,000円程度)
エリアやサロンのランクにもよりますが、バレイヤージュの料金相場は以下の通りです。
- バレイヤージュのみ(カラーのみ): 15,000円 〜 25,000円
- カット + バレイヤージュ: 20,000円 〜 30,000円
- ケアブリーチ変更などのオプション: +2,000円 〜 5,000円
注意点: クーポンサイトなどで「バレイヤージュ 8,000円」といった破格のメニューを見かけることがありますが、注意が必要です。ブリーチが含まれていなかったり、簡易的なデザインで終わってしまったりする可能性があります。適正価格のサロンを選ぶことが、失敗を防ぐ第一歩です。
色落ち後はどうなる?維持するためのメンテナンスとホームケア
「サロン帰りは綺麗だけど、1週間したらどうなるの?」という疑問にお答えします。バレイヤージュは色落ちの過程も楽しめるスタイルですが、綺麗な状態を長く保つには適切なケアが必要です。
色落ちの過程:最初は綺麗だが、徐々に黄色味が出てくる
日本人の髪はブリーチをすると、メラニン色素の影響で黄色やオレンジ色になりやすい性質があります。
オンカラーで入れたグレーやベージュの色味は、一般的に2週間〜1ヶ月程度で徐々に抜けていきます。色が抜けると、ブリーチをした明るい部分が金髪っぽく浮き出てきて、コントラストが強くなる傾向があります。
しかし、バレイヤージュは根元が暗く残されているため、全体が金髪になる全頭ブリーチに比べれば、色落ちしても「デザイン」として成立しやすいのが特徴です。
次回の美容室はいつ?(オンカラーのみなら1.5〜2ヶ月、リメイクは4〜6ヶ月)
バレイヤージュのメンテナンス周期は、施術内容によって異なります。
- オンカラー(色味補充)のみ: 1.5ヶ月 〜 2ヶ月後
ブリーチはせず、抜けてしまった色味を再び入れるメンテナンスです。これにより、髪のダメージを抑えつつ綺麗な色を復活させることができます。 - バレイヤージュのリメイク(ブリーチの足し直し): 4ヶ月 〜 6ヶ月後
根元の地毛が伸びて、デザインの位置が下がってきたと感じたら、再びブリーチを使ってデザインを入れ直します。半年に1回程度で済むのがバレイヤージュの魅力です。
自宅でできるケア:ムラサキシャンプー(ムラシャン)の正しい使い方
色落ち後の「黄ばみ」を抑えるために必須のアイテムが、「紫シャンプー(通称:ムラシャン)」です。紫色は黄色の補色(反対色)であるため、髪の黄ばみを打ち消して、白っぽいクリーミーな色を保つ効果があります。
効果的な使い方:
- 予洗いをした後、いつものシャンプーの代わりにムラシャンをたっぷりと泡立てます。
- そのまま3〜5分程度パック(放置)します。すぐ流すと効果が薄いです。
- しっかりと洗い流し、トリートメントで仕上げます。
- 頻度は3日に1回程度が目安です。
アイロンの温度に注意!熱による退色を防ぐ方法
ヘアカラーの色素は熱に弱く、高温のアイロンを当てると一瞬で色が飛んでしまったり、変色したりすることがあります。
特にブリーチ毛はデリケートです。コテやストレートアイロンを使用する際は、温度を140度〜160度に設定し、同じ場所に長時間当て続けないように注意してください。これだけで色持ちが劇的に変わります。
現役ヘアカラーリストのアドバイス
「バレイヤージュの最大の魅力は、根元が伸びても気にならない点です。色味が抜けて金髪っぽくなってきたら、毎回ブリーチをする必要はありません。ブリーチはせずに『オンカラー(色味の補充)』だけでメンテナンスすれば、髪のダメージを最小限に抑えつつ、半年近くデザインを楽しむことができます。
これを私たちは『バレイヤージュを育てていく』と言います。最初の土台作りさえしっかりしていれば、長く付き合える経済的なスタイルなんですよ。」
バレイヤージュに関するよくある質問(FAQ)
最後に、お客様からカウンセリング時によくいただく質問をQ&A形式でまとめました。
Q. バレイヤージュをやめたい時はどうすればいいですか?
A. バレイヤージュをやめて一色に戻したい場合は、ブリーチ部分とベース部分の色ムラを修正する必要があります。一度暗めのカラー(6〜7トーン以下)で全体を染めて統一感を出すのが一般的です。ただし、ブリーチ部分は色が抜けやすいため、何度か暗く染め直すプロセスが必要になる場合があります。
Q. 白髪染めをしていてもバレイヤージュはできますか?
A. 可能です。ただし、白髪染めの染料は非常に濃く残留しているため、ブリーチで明るくする際に色が抜けにくかったり、赤みが残ったりすることがあります。ハイライトを徐々に増やしていくなど、数回に分けて理想の色に近づける計画が必要になることが多いです。担当美容師と長期的なプランを相談してください。
Q. 40代・50代でも痛いと思われませんか?
A. 全くそんなことはありません。むしろ、年齢を重ねて髪のボリュームが減ったり、白髪が気になり始めたりした大人女性にこそ、立体感とボリューム感を演出できるバレイヤージュはおすすめです。派手な金髪にするのではなく、落ち着いたベージュ系やグレージュ系で細かくハイライトを入れれば、上品で若々しい印象になります。
Q. セルフ(市販)でバレイヤージュはできますか?
A. 絶対におすすめしません。バレイヤージュは美容師の中でも高度な技術を要する施術です。セルフで行うと、ブリーチの塗布ムラができたり、根元にパッツンとしたラインが入ってしまったり、深刻なダメージを負ったりするリスクが極めて高いです。失敗した後の修正はプロでも困難ですので、必ずサロンで施術を受けてください。
まとめ:自分に合ったバレイヤージュで、手間なくおしゃれな髪色を楽しもう
バレイヤージュは、単なるトレンドのヘアカラーではなく、根元のプリンや白髪といった大人の髪悩みを解決しながら、洗練されたデザインを楽しめる素晴らしい技術です。
「派手になりそう」「傷みそう」という不安もあるかもしれませんが、正しい知識を持ち、信頼できる美容師に的確にオーダーすることで、あなたのライフスタイルに馴染む上品なスタイルは必ず手に入ります。
最後に、サロンに行く前に確認すべきポイントをチェックリストにまとめました。
失敗しないための最終チェックリスト
- [ ] なりたいイメージ画像を用意したか(筋感の強さ、明るさ、色味がわかるもの)
- [ ] 「職場OKな範囲」を明確にしたか(コントラストを抑えるか、しっかり出すか)
- [ ] 過去の髪の履歴を正確に伝えたか(黒染め、縮毛矯正、パーマなど)
- [ ] バレイヤージュの実績が豊富な美容師を選んだか(SNSなどで実例を確認)
- [ ] 施術時間と料金の目安を確認し、余裕を持って予約したか(3〜4時間、2〜3万円)
現役ヘアカラーリストからのメッセージ
「バレイヤージュは一度ベースを作ってしまえば、長く楽しめる素晴らしいデザインです。最初は勇気がいるかもしれませんが、信頼できる美容師と相談しながら、あなたのライフスタイルに合った『上品な外国人風ヘア』を手に入れてくださいね。
鏡を見るたびに気分が上がる、そんな素敵な髪色に出会えることを応援しています。」
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