重要な書類やチケットを送る際、「普通郵便で送って本当に届くだろうか」「万が一紛失したらどうしよう」と不安になった経験はありませんか?また、ビジネスや手続きの場面で「簡易書留で送ってください」と指定され、具体的な出し方がわからず戸惑っている方も多いのではないでしょうか。
結論から申し上げますと、簡易書留は郵便局の窓口でのみ発送可能で、基本料金に「+350円」を加算することで利用できます。最大5万円までの実損額補償と追跡機能がつき、原則として受取人に手渡しで届けられるため、重要書類やチケットの送付に最適です。なお、コンビニのレジやポスト投函では差し出すことができません。
この記事では、元郵便局窓口担当の視点から、以下の3点を中心に徹底解説します。
- 【図解解説】簡易書留の正しい宛名書き・伝票記入・窓口での出し方
- 2024年10月の郵便料金改定に対応した、重さ別の料金総額早見表
- 「特定記録」「一般書留」「レターパック」との違いと賢い使い分け
これを読めば、初めての方でも迷うことなく、最も安全かつ適切な方法で大切な郵便物を送ることができるようになります。
簡易書留とは?送れるものと3つのメリット
簡易書留とは、日本郵便が提供するオプションサービスの一つであり、郵便物の引き受けから配達までの過程を記録し、万が一の事故の際には一定額までの実損額を賠償する制度です。普通郵便(定形・定形外郵便)やゆうメールなどにオプションとして付加することができます。
多くの人が「書留」と聞いてイメージするのは、この簡易書留でしょう。しかし、似たような名前の「一般書留」や「現金書留」との違いを正確に理解していないと、思わぬトラブルや無駄な出費につながることもあります。まずは、簡易書留の定義と、選ぶべき理由となる3つの大きなメリットについて詳しく見ていきましょう。
元郵便局窓口担当のアドバイス
「窓口でお客様から『書留でお願いします』と言われた際、私は必ず『中身は何ですか?』と確認します。なぜなら、現金であれば『現金書留』でなければ送れませんし、5万円を超える高価なものであれば『一般書留』の方が安心だからです。簡易書留は、あくまで『5万円までの価値のもの』や『届いた事実を証明したい重要書類』を送るのに適した、最もコストパフォーマンスの良い書留サービスだと認識してください」
簡易書留で送れるもの・送れないもの(現金は不可!)
簡易書留を利用する前に、最も注意しなければならないのが「送れるもの」と「送れないもの」の区別です。ここを間違えると、郵便法違反になったり、補償が受けられなかったりする可能性があります。
簡易書留で送れる主なものは以下の通りです。
- 重要書類:契約書、願書、履歴書、申請書類、証明書など
- チケット類:コンサートチケット、商品券、ギフトカード、図書カードなど(額面5万円以下のもの)
- カード類:クレジットカード、キャッシュカード、会員証など
- 小物類:アクセサリーや鍵など(壊れにくい梱包をした上で、5万円以下の価値のもの)
一方、絶対に送ってはいけないものが「現金」です。現金を送る場合は、必ず専用の封筒を使った「現金書留」を利用しなければなりません。たとえ硬貨1枚であっても、簡易書留の封筒に入れて送ることは法律で禁止されています。また、5万円を超える高価な貴金属や宝石などを送る場合も、簡易書留では補償額が不足するため推奨されません。
メリット1:引き受けから配達まで記録が残る「追跡機能」
簡易書留の最大のメリットの一つは、郵便物の動きを把握できる「追跡機能」がついていることです。発送時に発行される受領証には「引受番号(お問い合わせ番号)」が記載されており、この番号を日本郵便の追跡サービスに入力することで、現在の配送状況を確認できます。
普通郵便には追跡機能がないため、「送ったはずなのに届いていないと言われた」「いつ相手に届くのかわからない」といった不安がつきまといます。しかし簡易書留であれば、「〇月〇日の〇時に〇〇郵便局で引き受け」「〇月〇日の〇時に配達完了」といったプロセスが明確に記録されます。これにより、差出人と受取人の双方にとって「送った」「受け取った」という確実な証拠が残るため、オークション取引や重要な契約の場面でトラブルを未然に防ぐことができます。
メリット2:万が一の紛失・破損時に「5万円まで」の実損額補償
配送中の事故はめったに起こるものではありませんが、ゼロではありません。普通郵便には補償が一切ないため、万が一紛失や破損があった場合、泣き寝入りするしかありません。これに対し、簡易書留には原則として5万円までの実損額賠償が付帯しています。
ここで重要なのは「実損額」という点です。例えば、3,000円の図書カードを送って紛失された場合、賠償されるのは3,000円です。5万円がもらえるわけではありません。また、中身の価値を証明できない場合や、精神的な慰謝料などは補償の対象外となります。それでも、チケットやギフト券など金銭的価値のあるものを送る際には、この補償があるだけで大きな安心感につながります。
メリット3:土日祝日も配達&原則「対面手渡し」で安心
2021年10月以降、普通郵便の土曜日配達が休止され、お届け日数が繰り下げられましたが、簡易書留は現在も土日・祝日を含めて毎日配達されます。急ぎの書類を週末をまたいで送りたい場合など、普通郵便よりも早く届くケースが多く、ビジネスシーンでも重宝されます。
また、簡易書留は原則として「対面手渡し」で配達され、受取人から受領印(またはサイン)をもらうことで配達完了となります。郵便受けに投函される普通郵便や特定記録郵便とは異なり、誤配や盗難のリスクが極めて低いのが特徴です。不在時には「不在連絡票」が投函され、再配達の依頼や郵便局での受け取りが可能になるため、確実に相手の手元に届けることができます。
このように、簡易書留は「追跡」「補償」「対面配達」という3つの安心要素を、比較的安価な追加料金で利用できる非常にバランスの良いサービスなのです。
【事前準備】簡易書留を送るための封筒の書き方
簡易書留を出すためには、郵便局の窓口へ行く前に、封筒の準備を整えておく必要があります。窓口で慌てて宛名を書いたり、梱包し直したりするのは大変ですし、混雑時には他のお客様の迷惑にもなりかねません。ここでは、簡易書留として差し出すための正しい封筒の書き方と準備について解説します。
簡易書留の封筒記載例(詳細を開く)
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【表面】 ・左上(切手の下あたり)に赤字で「簡易書留」と記載 ・受取人の郵便番号、住所、氏名を正確に記載 ・切手は貼っても貼らなくてもOK(窓口で支払い可能) |
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【裏面】 ・差出人の郵便番号、住所、氏名を必ず記載 ・封じ目はしっかりと糊付けし、必要に応じて「〆」などを記載 |
封筒や梱包資材の選び方(専用封筒は不要)
よくある質問として「簡易書留専用の封筒はありますか?」というものがありますが、簡易書留に専用の封筒や指定の梱包資材はありません。市販されている茶封筒(長形3号や角形2号など)や、手持ちの封筒をそのまま使用できます。
ただし、中身が透けて見えない二重封筒や、厚紙が入った封筒を選ぶことをお勧めします。特にチケットやカード類を送る場合は、中身が折れ曲がったり、外部から触って何が入っているか分かったりしないよう、厚紙に挟んでから封入するなどの工夫が必要です。封筒のサイズは、送るものの大きさに合わせて選びますが、定形郵便(25g以内・50g以内)の料金で送りたい場合は、長形3号(A4三つ折りサイズ)などが一般的です。
宛名と差出人の書き方マナー
宛名の書き方は普通郵便と同じですが、より正確さが求められます。郵便番号、住所(都道府県からアパート・マンション名、部屋番号まで省略せずに)、氏名をはっきりと読みやすい字で記入してください。会社宛の場合は部署名や担当者名まで書くと、社内での紛失防止になります。
そして非常に重要なのが、差出人(自分)の住所と氏名を必ず封筒の裏面(または表面の左下)に記載することです。万が一、宛先不明や保管期間経過で返送されることになった場合、差出人の記載がないと郵便局で迷子になり、開披調査(中身を開けて差出人を特定する作業)が行われるなど、手元に戻るまでに多大な時間がかかってしまいます。トラブル防止のためにも、差出人情報は必須です。
重要!赤字で「簡易書留」と記載する位置
簡易書留として差し出す封筒には、外見でそれが書留であることが分かるように表示をする必要があります。具体的には、封筒の表面左側(縦書きの場合)または上部(横書きの場合)に、赤字で「簡易書留」と記載します。
一般的には、切手を貼る位置の下あたりに書くのが基本です。手書きでも構いませんし、市販の「簡易書留」スタンプを使用しても問題ありません。もしこの記載を忘れてしまっても、郵便局の窓口で申し出れば、局員さんが専用のスタンプを押してくれますが、事前に書いておくと手続きが非常にスムーズに進みます。
元郵便局窓口担当のアドバイス
「窓口で『簡易書留』の赤字記載をお願いすることはもちろん可能ですが、ご自身で書いてきていただくことを強くお勧めします。理由は単純で、窓口での処理時間が短縮されるからです。また、ご自身で書くことで『これは書留で送るものだ』という意識が働き、普通郵便のポストへうっかり投函してしまうミスを防ぐ心理的な効果もあります。赤ペンで太くはっきりと書いてくださいね」
【窓口実践編】簡易書留の出し方と伝票の書き方5ステップ
封筒の準備ができたら、いよいよ郵便局の窓口へ向かいます。簡易書留はポスト投函ができないため、必ず郵便局の営業時間内に窓口へ行く必要があります。ここでは、郵便局に入ってから手続きを終えるまでの流れを、5つのステップで具体的に解説します。初めての方でも、この手順通りに進めれば安心です。
ステップ1:郵便局の窓口へ行く(コンビニ・ポスト投函は不可)
まず最寄りの郵便局へ向かいます。簡易書留は「郵便窓口」または「ゆうゆう窓口(時間外窓口)」で取り扱っています。コンビニエンスストアのレジや、街中の郵便ポストでは差し出すことができません。もし誤ってポストに投函してしまうと、料金不足や書留扱いにならないといったトラブルの原因となり、最悪の場合、普通郵便として配達されてしまう(追跡も補償もつかない)リスクがあります。
郵便局に到着したら、発券機がある場合は番号札を取り、順番を待ちます。小さな郵便局ではそのまま窓口へ並びます。
ステップ2:「書留・特定記録郵便物等差出票」を入手する
窓口の近くにある記載台(記入台)に、「書留・特定記録郵便物等差出票」という用紙が置かれています。これは書留や特定記録を送る際に必ず提出しなければならない専用の伝票です。もし見当たらない場合は、局員に声をかければすぐにもらえます。
この差出票には、通常2〜3件分の記入欄があります。複数の簡易書留を同時に出す場合は、1枚の用紙にまとめて記入できます。
ステップ3:差出票の太枠内を正しく記入する
差出票には、差出人(ご自身)と受取人(お届け先)の情報を記入します。記入が必要なのは太枠で囲まれた部分です。
- ご依頼主(差出人)欄:あなたの住所、氏名、電話番号を記入します。
- お届け先(受取人)欄:相手の氏名(または会社名)を記入します。住所まですべて書く必要はなく、名前だけで処理可能な場合が多いですが、局によって運用が異なる場合があるため、指示に従ってください。
- 種別欄:「簡易書留」に丸をつけます(または窓口で伝えます)。
- 個数・金額欄:通常は空欄で構いませんが、損害要償額(補償額)を申告する場合は記入します。簡易書留の基本補償(5万円)で十分な場合は特に書く必要はありません。
この差出票は複写式になっている場合と、単票の場合がありますが、いずれにせよ局員が引受処理をするための重要書類です。丁寧に記入しましょう。
ステップ4:窓口で「簡易書留でお願いします」と伝え、料金を支払う
自分の番号が呼ばれたら、窓口へ行き、準備した封筒と記入済みの差出票を提出します。このとき、はっきりと「簡易書留でお願いします」と伝えましょう。局員が封筒の重さを量り、料金を計算してくれます。
すでに切手を貼っている場合は、不足分のみを現金やキャッシュレス決済で支払います。切手を貼っていない場合は、全額をその場で支払います。多くの郵便局では、クレジットカード、電子マネー、スマホ決済が利用可能です。
ステップ5:受領証(引受番号記載)を受け取り保管する
料金の支払いが終わると、局員が差出票に基づいて処理を行い、「書留・特定記録郵便物等受領証」を発行してくれます。これが最も重要な書類です。
受領証には、引受日時、郵便局名、そして「引受番号(お問い合わせ番号)」が記載されています。この番号が追跡や補償請求の際に必要になります。相手に無事届いたことが確認できるまで、絶対に捨てずに財布や手帳に挟んで保管してください。
元郵便局窓口担当のアドバイス
「郵便局が混雑しているとき、窓口に行ってから差出票を書くと焦ってしまいがちです。可能であれば、差出票を数枚もらって帰っておき、自宅で記入してから郵便局へ行くと、非常にスムーズに手続きが終わります。また、10通以上同時に出す場合は、専用の『書留郵便物受領証(差出票)』という一覧表形式の用紙も用意されていますので、大量発送の際は局員に相談してみてください」
簡易書留の料金はいくら?【2024年10月改定対応】
「簡易書留っていくらかかるの?」というのは、最も気になるポイントでしょう。簡易書留の料金は、「郵便物の基本運賃(重さやサイズで決まる)」+「簡易書留の加算料金(一律350円)」の合計額で決まります。
2024年10月1日に郵便料金の大幅な改定が行われました。基本運賃が値上がりしているため、以前の感覚で切手を貼ると料金不足になる可能性があります。ここでは、最新の料金体系に基づいた早見表を掲載します。
料金の仕組み:基本運賃 + 加算料金(350円)
計算式はシンプルです。
【支払い総額】 = 【基本運賃(定形・定形外など)】 + 【簡易書留料 350円】
簡易書留料の350円は、封筒の大きさや重さに関わらず一律です(※ただし、ゆうメールなど一部サービスでは異なる場合がありますが、通常の封書であれば350円です)。変動するのは「基本運賃」の部分です。
【定形郵便】重さ別・料金総額早見表(25g以内・50g以内)
一般的な長形3号封筒(A4三つ折り)などで送る場合の料金です。多くの書類送付はこのサイズに収まります。
| 重さ | 基本運賃 (2024.10〜) |
簡易書留料 | 支払い総額 |
|---|---|---|---|
| 25g以内 (A4用紙 3〜4枚程度) |
110円 | 350円 | 460円 |
| 50g以内 (A4用紙 5〜7枚程度) |
110円 | 350円 | 460円 |
※2024年10月の改定により、定形郵便物は25g以内も50g以内も一律110円となりました。これに伴い、簡易書留にする場合の最低料金は460円となります。
【定形外郵便】重さ別・料金総額早見表(規格内・規格外)
A4サイズを折らずに入る角形2号封筒などは「定形外郵便(規格内)」となります。履歴書や契約書をクリアファイルに入れて送る場合はこちらになります。
定形外郵便(規格内)+簡易書留の料金早見表
| 重さ | 基本運賃 (2024.10〜) |
簡易書留料 | 支払い総額 |
|---|---|---|---|
| 50g以内 | 140円 | 350円 | 490円 |
| 100g以内 | 180円 | 350円 | 530円 |
| 150g以内 | 270円 | 350円 | 620円 |
| 250g以内 | 320円 | 350円 | 670円 |
※規格内サイズ:長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内および重量1kg以内。
切手は貼っていくべき?窓口支払いでOK?
結論から言うと、切手は貼らずに窓口へ行き、その場で現金を支払うのが最も確実でトラブルが少ない方法です。
自宅で重さを量って切手を貼っても良いのですが、家庭用の量りでは微妙な誤差が出ることがあります。もし1gでも超過していると料金不足となり、窓口で追加の切手を貼る手間が発生したり、見栄えが悪くなったりします。特に2024年の料金改定直後は、古い額面の切手の組み合わせが複雑になるため、窓口で正確に計算してもらい、証紙(メータースタンプ)を貼ってもらうか、その場で合計金額分の切手を購入して貼付してもらうのがスマートです。
元郵便局窓口担当のアドバイス
「『切手を貼ってきたけれど料金が足りなかった』というケースは非常に多いです。特に定形外郵便の50gや100gの境界線はシビアです。また、簡易書留の手数料分まで切手をベタベタと貼ると、宛名が見えにくくなったり、消印を押すスペースがなくなったりすることもあります。何も貼らずに窓口へお持ちいただき、『料金は現金(またはキャッシュレス)で払います』と言っていただくのが、我々としても一番スムーズに処理できます」
徹底比較!簡易書留 vs 特定記録・一般書留・レターパック
郵便局には簡易書留以外にも、追跡ができたり手渡しで届いたりするサービスがいくつかあります。「特定記録」「一般書留」「レターパックプラス」などです。これらと簡易書留はどう使い分ければよいのでしょうか?それぞれの特徴を比較し、最適な選び方を解説します。
| サービス名 | 加算料金 (目安) |
追跡 | 受渡方法 | 補償 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 簡易書留 | +350円 | ○ | 対面手渡し | 5万円まで | バランス最強。重要書類・チケットに最適。 |
| 特定記録 | +210円 | ○ | ポスト投函 | × なし | 追跡のみ。受取印不要な書類などに。 |
| 一般書留 | +480円〜 | ○ | 対面手渡し | 10万円〜 | 高額な物品や、過程を詳細に記録したい場合に。 |
| レターパック プラス |
600円 (総額) |
○ | 対面手渡し | × なし | 専用封筒。速達並みの速さ。信書OK。 |
特定記録との違い:ポスト投函か手渡しか、補償の有無
簡易書留とよく比較されるのが「特定記録」です。特定記録は基本料金に+210円で利用でき、簡易書留より140円安く済みます。どちらも追跡番号がつきますが、決定的な違いは以下の2点です。
- 配達方法:簡易書留は「対面手渡し」ですが、特定記録は「ポスト投函」で完了します。
- 補償:簡易書留には5万円までの補償がありますが、特定記録には補償が一切ありません。
したがって、特定記録は「相手に届いたことさえ分かればよく、万が一紛失しても金銭的なダメージがない書類(請求書や会報など)」を送るのに適しています。一方、チケットや重要契約書は、ポストからの盗難リスクを避けるため、必ず簡易書留を選びましょう。
一般書留との違い:補償額の上限と料金差
「簡易」ではない「一般書留」は、さらに上位のサービスです。加算料金は480円からとなります。簡易書留との違いは補償額です。一般書留は基本で10万円までの実損額が補償され、さらに料金を追加することで最大500万円まで補償額を引き上げることができます。
また、一般書留は引き受けから配達までの通過局(中継地点)も記録されますが、簡易書留は「引受」と「配達」のみの記録です。5万円を超える高価なものを送る場合を除き、通常の手続きや書類送付であれば簡易書留で十分です。
レターパックプラスとの違い:信書の可否と手軽さ
レターパックプラス(赤色・600円)も「対面手渡し」「追跡あり」「信書OK」という点で簡易書留と似ています。大きな違いは、レターパックには補償がないことです。
レターパックプラスのメリットは、専用封筒を事前にコンビニなどで買っておけば、ポスト投函で差し出せる(窓口に行かなくて済む)点や、速達並みの速さで届く点です。しかし、中身の補償が必要な場合は、やはり簡易書留に軍配が上がります。
ケーススタディ:こんな時はどれを使うのが正解?
- クレジットカードを送る場合:【簡易書留】一択です。カード会社も郵送には簡易書留を使用します。対面受取が必須であり、万が一の不正利用リスクを考えるとポスト投函は危険です。
- 受験の願書を送る場合:【簡易書留】または【速達+簡易書留】。大学や学校側から「簡易書留で」と指定されることがほとんどです。確実に届いた記録が必要だからです。
- チケット(1万円相当)を送る場合:【簡易書留】。特定記録ではポストからの抜き取りリスクがあります。1万円の価値を守るために350円の保険を掛けると考えれば安いものです。
元郵便局窓口担当のアドバイス
「迷ったときは、『その中身がなくなったら、現金でいくらの損をするか?』そして『相手の家のポストに勝手に入っていても大丈夫か?』を自問してください。5万円以内の損害で済み、かつ手渡しで確実に渡したいなら簡易書留がベストアンサーです。プロの視点でも、コストと安全性のバランスが最も優れているのが簡易書留だと断言できます」
発送後の追跡方法と受け取りに関する注意点
無事に発送手続きを終えても、相手に届くまでは安心できません。ここでは、発送後の追跡方法と、受取人側の事情(不在時や家族受取)について解説します。
追跡番号(お問い合わせ番号)を使った配送状況の確認方法
窓口で受け取った受領証に記載されている「お問い合わせ番号(11桁または12桁の数字)」を使用します。
スマホでの追跡確認手順
- 日本郵便公式サイトの「郵便追跡サービス」にアクセスする。
- 「お問い合わせ番号」欄に、ハイフンなしで番号を入力する。
- 「追跡スタート」ボタンを押す。
- 現在の配送状況(引受、通過、到着、お届け済みなど)が表示されます。
反映には少し時間がかかることがありますが、通常は窓口で引き受けてから数時間以内にはデータが反映されます。
相手が不在だった場合はどうなる?(保管期間と再配達)
簡易書留は対面配達なので、相手が不在の場合は持ち戻りとなり、「不在連絡票」がポストに投函されます。受取人は、不在票を見て再配達を依頼するか、管轄の郵便局へ行って受け取るかを選択できます。
注意が必要なのは「保管期間」です。郵便局での保管期間は、初回配達日から7日間です。この期間内に受取人がアクションを起こさないと、差出人の元へ返送されてしまいます。返送された場合、支払った料金は戻ってきませんし、再送には再度料金がかかります。追跡サービスで「ご不在のため持ち戻り」の状態が続いている場合は、相手に「不在票が入っていないか確認してほしい」と連絡を入れるのが親切です。
本人限定受取ではない?家族や同居人が受け取る場合
簡易書留は、原則として「宛名の本人」に限らず、「家族や同居人」でも受け取ることが可能です。配達員は、その住所に住んでいる人であれば、サインや印鑑をもらって手渡します。
もし「絶対に本人以外には渡してほしくない(家族にも内緒にしたい)」という場合は、「本人限定受取郵便」という別のオプションを利用する必要があります。逆に言えば、簡易書留は家族が代理で受け取れるため、日中本人が不在でも比較的受け取りやすいサービスと言えます。
元郵便局窓口担当のアドバイス
「受領証(お客様控え)は、相手から『届きました』と連絡が来るまで絶対に捨てないでください。万が一、配送事故が起きた場合や、届かない場合の調査請求(郵便事故調査)を行う際に、この受領証の原本が必要になります。また、引受番号がわからないと追跡も調査も事実上不可能になってしまいます。スマホで写真を撮っておくのも良いバックアップ方法です」
簡易書留に関するよくある質問(FAQ)
最後に、簡易書留に関して窓口でよく聞かれる質問や、ネット上で検索される疑問について、Q&A形式で明確に回答します。
Q. コンビニで簡易書留を出す方法はありますか?
A. ありません。
簡易書留は、郵便局員が引受の記録を取り、受領証を発行する必要があるため、コンビニ(ローソンやミニストップ等のポスト設置店含む)のレジでは取り扱っていません。必ず郵便局の窓口へ行く必要があります。
Q. ゆうゆう窓口なら夜間や土日でも出せますか?
A. はい、出せます。
大きな郵便局に設置されている「ゆうゆう窓口(時間外窓口)」であれば、平日の夜間や土日祝日でも簡易書留の差し出しが可能です。ただし、営業時間は局によって異なるため、事前に日本郵便のサイト等で確認することをお勧めします。
Q. 速達と簡易書留は併用できますか?
A. はい、併用可能です。
「急ぎで、かつ確実に届けたい」場合は、基本運賃に「速達料金(250gまで+300円)」と「簡易書留料金(+350円)」の両方を加算することで併用できます。差出票の種別欄で「簡易書留」と「速達」の両方にチェックを入れるか、窓口で「速達の簡易書留でお願いします」と伝えてください。封筒には赤線(速達表示)と「簡易書留」の赤字記載の両方が必要です。
元郵便局窓口担当のアドバイス
「速達+簡易書留の場合、料金がかなり高くなります(定形郵便でも合計760円〜)。レターパックプラス(600円)なら速達並みの速さで追跡もあり、対面配達なので、補償が不要であればレターパックプラスの方が安上がりなケースもあります。用途に合わせて比較検討してみてください」
Q. 簡易書留の封筒サイズに決まりはありますか?
A. 特にありません。
定形郵便(長形3号など)でも、定形外郵便(角形2号など)でも、あるいは小包のような形状でも、郵便物として送れるサイズ・重さであれば簡易書留をつけることができます。ただし、サイズや重さによって基本運賃が変わるため、合計料金は変動します。
まとめ:重要書類は簡易書留で!窓口で「簡易書留で」と伝えよう
簡易書留は、わずか350円の追加料金で「安心」と「信頼」を買える非常に優れたサービスです。ポスト投函ではなく、郵便局の窓口へ行く手間はかかりますが、その分、大切な郵便物が迷子になるリスクを極限まで減らすことができます。
最後に、発送前の重要チェックポイントを整理しました。これさえ確認すれば、もう窓口で迷うことはありません。
元郵便局窓口担当のアドバイス
「窓口業務をしていた頃、簡易書留を利用されるお客様の多くは、少し緊張した面持ちでした。しかし、手続き自体はとてもシンプルです。『中身をしっかり守りたい』というお客様の気持ちに応えるのが簡易書留です。ぜひこの記事を参考に、自信を持って窓口へお越しください。局員一同、丁寧に対応させていただきます」
簡易書留 発送準備チェックリスト
- 封筒の表面左側(または上部)に赤字で「簡易書留」と書きましたか?
- 封筒の裏面にあなたの住所・氏名を必ず書きましたか?
- 中身は現金以外のものですか?(現金は現金書留へ!)
- 郵便局の窓口営業時間を確認しましたか?(コンビニ・ポストは不可)
- 発送後は受領証を大切に保管していますか?
大切な契約書、心を込めた贈り物、人生の節目となる願書。あなたの「届けたい」という想いを、簡易書留という確実な方法で、相手の手元まで安全に送り届けましょう。
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